説明

プロンプター装置

【課題】本発明は、取り扱いの簡便なプロンプター装置を提供する
【解決手段】本発明のプロンプター装置10は、走行部32を有する自走式のプロンプター装置であり、ハーフミラー12と液晶パネル14とが収納された箱体16にカメラ支持部材であるブラケット18を設けている。このブラケット18にテレビカメラ24を設置することにより高価な三脚が不要になる。また、プロンプター装置10とテレビカメラ24とを一体的に取り扱うことができるので、運搬が容易になる。よって、取り扱いが簡便なプロンプター装置10を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプロンプター装置に係り、特に走行部を備えた自走式のプロンプター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ハーフミラーとこのハーフミラーに映像を投影する液晶パネルとが箱体に収納されてなるプロンプターが開示されるとともに、このプロンプターが三脚の支持台に設置され、且つ、プロンプターの前記箱体から延設された基台にテレビカメラが設置されたプロンプター装置が開示されている。
【0003】
このプロンプター装置によれば、液晶パネルに表示された原稿等の映像は、液晶パネルの上方に位置するハーフミラーに投影され、これによってハーフミラーの前方に位置する講演者はハーフミラーの後方に配置されたテレビカメラによって撮影されながらハーフミラーに投影された原稿映像を読むことにより講演することができる。なお、特許文献1のプロンプター装置は、三脚の支持台にプロンプターとテレビカメラとが設置された固定式のものであって、走行部を備えた自走式のものではない。
【0004】
一方、図4には自走式のプロンプター1が示されている。このプロンプター1はハーフミラー2と液晶パネル3とが収納された箱体4を、走行部5に立設された支柱6の上部に固定することにより構成されている。箱体4の背面には、テレビカメラ7のレンズ装置8を挿入する開口部が形成されている。このように構成されたプロンプター1は、まず、プロンプター1を講演者の対面位置に移動し、次に、プロンプター1の後方に、三脚9に雲台9Aを介して支持されたテレビカメラ7を配置するとともに、テレビカメラ7のレンズ装置8を箱体4の開口部から箱体4に挿入することにより使用される。
【特許文献1】特開2002−27288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図4に示した自走式のプロンプター1は、カメラを支持するための高価な三脚を必要とし、また、プロンプターと三脚とを別々に運搬、セッティング等の煩雑な作業を行わなければならず、取り扱いに非常に手間がかかるという欠点があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、取り扱いの簡便なプロンプター装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、ハーフミラーと該ハーフミラーに映像を投影する表示部とが箱体に収納され、該箱体が、走行部に支柱を介して設けられたプロンプター装置において、前記箱体にカメラ支持部材が設けられたことを特徴としている。
【0008】
請求項1によれば、走行部を有する自走式のプロンプター装置において、ハーフミラーと表示部が収納された箱体にカメラ支持部材を設けている。このカメラ支持部材にカメラを設置することにより高価な三脚が不要になり、また、プロンプター装置とカメラとを一体的に取り扱うことができるので、運搬が容易になる。よって、取り扱いが簡便なプロンプター装置を提供できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記カメラ支持部材は、前記箱体の背面に設けられていることを特徴とし、請求項3は、請求項2において、前記カメラ支持部材は、前記箱体の背面に着脱自在に設けられていることを特徴としている。
【0010】
請求項2、3によれば、カメラ支持部材を箱体の背面から取り外すことにより、図4に示した従来のプロンプター装置としても利用することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1、2又は3において、前記カメラ支持部材に、雲台を介してカメラがパン方向及びチルト方向に移動自在に支持されていことを特徴としている。
【0012】
請求項4によれば、雲台に一般的に設けられているパン軸及びチルト軸を回転させることによりカメラの位置を変更できるので、被写体に対するカメラの位置を調整することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明に係るプロンプター装置によれば、走行部を有する自走式のプロンプター装置において、ハーフミラーと表示部が収納された箱体にカメラ支持部材を設けたので、高価な三脚が不要になり、また、プロンプター装置とカメラとを一体的に取り扱うことができるので、運搬が容易になる。よって、取り扱いが簡便なプロンプター装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下添付図面に従って、本発明に係るプロンプター装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0015】
図1は、実施の形態に係るプロンプター装置10の正面図、図2は図1に示したプロンプター装置10の右側面図である。これらの図に示すプロンプター装置10は、ハーフミラー12とハーフミラー12に映像を投影する液晶パネル(表示部)14とが収納された箱体16を有している。この箱体16の背面部にはカメラ支持部材であるブラケット18がねじ20、20…によって着脱自在に設けられ、このブラケット18の上面平坦部に雲台22を介してテレビカメラ(カメラ)24が設置されている、テレビカメラ24の撮影レンズ26は、箱体16の背面に形成されたレンズ挿入用開口部28から箱体16内に挿入され、ハーフミラー12に対向配置されることにより、ハーフミラー12を透過した被写体像がテレビカメラ24によって撮影される。
【0016】
また、プロンプター装置10は、複数のキャスタ30、30…を備えた走行部32を有し、この走行部32の台板34上に支柱36が立設されるとともに支柱36上に箱体16が固定されることにより構成されている。このプロンプター装置10によれば、走行部32を備えることにより自走型として構成され、支柱36上に箱体16が固定されることにより自立型として構成されている。したがって、プロンプター装置10の運搬が非常に容易になり、好みの位置にプロンプター装置10を容易に配置することが可能となる。
【0017】
また、支柱36は、台板34に固定された基柱38に対してテレスコ式に上下移動する昇降柱40から構成され、昇降柱40の高さ位置がエア圧によって調整可能となっている。更にまた、走行部32は、前後に位置するそれぞれ一対のキャスタ30、30…の間隔を変更することができるように、後輪側のキャスタ30、30がロッド42、42を介して台板34に伸縮自在に収納されている。また、ロッド42を台板34に固定するねじ44が台板34に設けられている。図2、図3の如くテレビカメラ24、46をブラケット18に設置すると、プロンプター装置10全体の重心が後方に移動するため、プロンプター装置10の自立が不安定になり転倒の危険性が生じるが、ロッド42を後方に伸長することによりプロンプター装置10の自立を安定化できるので、プロンプター装置10の転倒を防止できる。
【0018】
プロンプター装置10の液晶パネル14は、箱体16の底面部に表示面を上方に向けて配置されるとともに、液晶パネル14の上方にハーフミラー12が約45度の角度に傾斜して配置されている。このような配置に基づき箱体16は、ハーフミラー12の前方に位置する壁面が切除された略立方体形状に形成されている。
【0019】
雲台22は図2の如く、ブラケット18に固定された台座48にパン軸50が固定され、パン軸50に直交するチルト軸(不図示)がテレビカメラ24に固定されている。したがって、雲台22に内蔵されたパン用モータ(不図示)が回転駆動され、パン軸50を中心に雲台22がパン方向に回転されると、テレビカメラ24の水平方向位置が調整される。また、雲台22に内蔵されたチルト用モータ(不図示)が回転駆動され、前記チルト軸が回転されると、テレビカメラ24の傾斜角度が調整される。このようにテレビカメラ24を雲台22によって移動することにより、被写体に対するテレビカメラ24の位置を微調整することができる。
【0020】
雲台22は、コネクタ52に接続されるケーブル(不図示)を介してコントローラ(不図示)に接続され、コントローラからの駆動信号に基づいて前記パン用モータ及びチルト用モータが駆動制御される。よって、雲台22はコントローラによって遠隔制御され、これによってテレビカメラ24の位置が微調整される。なお、図1において符号54は、箱体16の両側面に設けられた把手である。また、符号56は、ケーブルフックであり、雲台22を遠隔制御するための前記ケーブルがケーブルフック56に掛けられる。
【0021】
次に、このように構成されたプロンプター装置10の作用について説明する。
【0022】
まず、実施の形態のプロンプター装置10は、走行部32を有する自走式のプロンプター装置であり、ハーフミラー12と液晶パネル14とが収納された箱体16にカメラ支持部材であるブラケット18が設けられている。このブラケット18にテレビカメラ24を設置することにより高価な三脚が不要になる。また、プロンプター装置10とテレビカメラ24とを一体的に取り扱うことができるので、運搬が容易になる。よって、取り扱いが簡便なプロンプター装置10を提供できる。
【0023】
また、プロンプター装置10のブラケット18は、箱体16に着脱自在に設けられているので、ブラケット18を箱体16から取り外すことにより、図4に示した従来のプロンプター装置としても利用することができる。
【0024】
更に、プロンプター装置10では、雲台22を介してブラケット18にテレビカメラ24を設置したので、雲台22のパン軸50及びチルト軸を駆動することによりテレビカメラ24の位置を変更できる。したがって、被写体に対するテレビカメラ24の位置を微調整することができる。
【0025】
なお、図3に示したテレビカメラ46は、ENGレンズ装置54が取り付けられたハンディ用のテレビカメラであり、ブラケット18に固定された台座48に手動式雲台56を介して設置されている。符号58は、カメラマンが雲台56を手動操作するパン棒58である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態のプロンプター装置の全体正面図
【図2】図1に示したプロンプター装置の右側面図
【図3】箱体のブラケットにハンディ用のテレビカメラが設置された例を示すプロンプター装置の側面図
【図4】従来のプロンプター装置の一例を示した全体側面図
【符号の説明】
【0027】
10…プロンプター装置、12…ハーフミラー、14…液晶パネル、16…箱体、18…ブラケット、22…雲台、24、46…テレビカメラ、32…走行部、36…支柱、42…ロッド、50…パン軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハーフミラーと該ハーフミラーに映像を投影する表示部とが箱体に収納され、該箱体が、走行部に支柱を介して設けられたプロンプター装置において、
前記箱体にカメラ支持部材が設けられたことを特徴とするプロンプター装置。
【請求項2】
前記カメラ支持部材は、前記箱体の背面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプロンプター装置。
【請求項3】
前記カメラ支持部材は、前記箱体の背面に着脱自在に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のプロンプター装置。
【請求項4】
前記カメラ支持部材に、雲台を介してカメラがパン方向及びチルト方向に移動自在に支持されていることを特徴とする請求項1、2又は3のうちいずれか一つに記載のプロンプター装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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