説明

プローブセットを設計する方法、それによって設計されたプローブが固定化された基板を有するマイクロアレイ及び該方法をコンピュータで実行可能なプログラムとして記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体

【課題】プローブセットの設計方法、設計されたプローブが固定化されたマイクロアレイ及び該方法を実行可能なプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】(a)複数種の標的配列から構成される第1標的配列群を選択するステップと、(b)第1標的配列群の各標的配列に特異的に結合するオリゴヌクレオチドをプローブとして選択するステップと、(c)第1標的配列群のうちで特異的に結合するプローブを有さない一種以上の標的配列を第2標的配列群として選択するステップと、(d)第2標的配列群の各標的配列に特異的に結合するオリゴヌクレオチドをプローブとして選択するステップとを含み、第2標的配列群のうちで特異的に結合するプローブを有さない標的配列が存在しなくなるまで、(c)及び(d)ステップを反復する、ハイブリダイゼーションにより複数種の標的配列群から標的配列を確認するのに使われるプローブセットを設計する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の標的配列群をハイブリダイゼーションにより確認するのに使われるプローブセットを設計する方法、それによって設計されたプローブが固定化された基板を有するマイクロアレイ及び該方法をコンピュータで実行可能なプログラムとして記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
「ポリヌクレオチドマイクロアレイ」とは、基板上にポリヌクレオチドの基が高い密度で固定化されており、前記ポリヌクレオチド基は、それぞれ一定の領域に固定化されているマイクロアレイを意味する。かかるマイクロアレイは、当業界に公知である。マイクロアレイについては、例えば特許文献1、特許文献2に開示されている。また、前記マイクロアレイの製造方法には、一般的にフォトリソグラフィを利用する方法が知られている。フォトリソグラフィを利用する場合、除去可能な基で保護された単量体が塗布された基板表面上の一定の領域を、エネルギー源に露出させて保護基を除去し、保護基が除去された単量体に新たな単量体をカップリングさせ、新たにカップリングした単量体部分に保護基を付加するステップを反復することにより、ポリヌクレオチドのアレイを製造できる。この場合、ポリヌクレオチドマイクロアレイ上に固定化されるポリヌクレオチドは、単量体を一つずつ延長させる方式で合成される。また、スポッティング法による場合、マイクロアレイは、すでに合成されたポリヌクレオチドを一定の位置に固定化させることによって作製される。かかるポリヌクレオチドマイクロアレイの製造方法は、例えば特許文献2、特許文献3、特許文献4に開示されている。本願は、ポリヌクレオチドマイクロアレイ及びその製造方法に関する前記文献を援用することができる。
【0003】
マイクロアレイに固定化されるポリヌクレオチド(「プローブ」、「プローブ核酸」、「プローブDNA」または「プローブポリヌクレオチド」ともいう)は、標的配列と特異的にハイブリダイズされ、標的核酸を検出または確認するのに使われる。従来、プローブDNAは、各標的配列に対するプローブDNAを選択するための標準条件を設定し、前記標準条件に合うDNA配列を選択する。選択されたDNA配列に対して前記標準条件及び他の要件を検定した後、最も望ましい配列のプローブを選択する。前記標準条件には、プローブの長さ、プローブのTm値(二重鎖DNA分子のうち、50%が2個の単一鎖に解離される温度)、及び他のDNAとの配列類似性の限界値などが含まれうる。前記標準条件に合う候補プローブDNAが選択されれば、前記候補プローブDNAが標的配列だけに対して唯一であるのか、または交差ハイブリダイゼーションを誘導しやすい配列ではないかなどについてTm値及び配列類似性を介して調べる。これら標準条件を満足させる候補プローブDNAのうちで最も望ましいものを標的DNA配列に特異的に結合する配列として選択する。しかし、かかるプローブ設計方法は、各標的配列に対してハイブリダイズしつつ他の配列には交差ハイブリダイズしない特異的配列だけをプローブとして選択したので、標的配列間の配列相同性が高く、特異的プローブを設計し難い場合には問題点があった。
【0004】
かかる問題点を解決する試みがあった。例えば、特許文献5には、1種の標的配列に対して複数種のプローブがスポッティングされている基板を有するバイオチップが開示されている。この方法は、既存に検証されたプローブの組み合わせを利用し、固有なプローブを設計できない標的配列に対する追加的な情報を提供することに関するものである。また、特許文献6でも、1種の標的配列に対して複数種のプローブがスポッティングされている基板を有するバイオチップが開示されている。この方法は、固有なプローブに対する情報以外に追加の情報として、共通プローブ情報を利用する方法に関するものである。
【0005】
前記のような従来技術によってみても、複数個の標的配列群から前記標的配列群をハイブリダイゼーションによって確認するのに使われるプローブを設計し、これらの関係をもって標的配列を予測する方法に対する要求は相変らず残っている。
【特許文献1】米国特許第5,445,935号明細書
【特許文献2】米国特許第5,744,305号明細書
【特許文献3】米国特許第5,143,854号明細書
【特許文献4】米国特許第5,424,186号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2003/0069701号公報
【特許文献6】米国特許出願公開第2002/0160401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、複数種の標的配列により構成される標的配列群から、前記標的配列をハイブリダイゼーションによって確認するのに使われるプローブセットを効率的に設計する方法を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、前記方法によって設計されたプローブセットが固定化された基板を有するマイクロアレイを提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、前記方法をコンピュータで実行可能なプログラムとして記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、(a)複数種の標的配列から構成される第1標的配列群を選択するステップと、(b)前記第1標的配列群の各標的配列に特異的に結合するオリゴヌクレオチドをプローブとして選択するステップと、(c)前記第1標的配列群のうちで特異的に結合するプローブを有さない一種以上の標的配列を第2標的配列群として選択するステップと、(d)前記第2標的配列群の各標的配列に特異的に結合するオリゴヌクレオチドをプローブとして選択するステップとを含み、前記第2標的配列群のうちで特異的に結合するプローブを有さない標的配列が存在しなくなるまで、前記(c)及び(d)ステップを反復する、ハイブリダイゼーションにより複数個の標的配列群から標的配列を確認するのに使われるプローブセットを設計する方法を提供する。
【0010】
本発明の方法によれば、複数種の標的配列から構成される第1標的配列群を選択する。本発明の方法において、「標的配列」とは、プローブとの特異的結合によって確認されうるポリヌクレオチドを意味する。標的配列には、ゲノムDNA、ゲノムRNA、制限酵素によって切断されたDNA断片やRNA断片、及びPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)産物などの生体高分子が含まれる。一般的には、ゲノムDNAの特定領域をPCRによって増幅することによって得られるゲノムDNA断片が多用される。本発明の方法は、標的配列が複数種である場合に適用可能なプローブセットを設計する方法である。
【0011】
次に、前記第1標的配列群の各標的配列に特異的に結合するオリゴヌクレオチドをプローブとして選択する。ここで、「特異的に結合するプローブ」とは、前記第1標的配列群のうちの1つの標的配列に特異的に結合するが、前記第1標的配列群中の他の標的配列には、結合しないものを意味する。望ましくは、前記特異的に結合するプローブは、第1標的配列群のうちの1種の標的配列に含まれている配列に相補的な配列であるが、前記第1標的配列群中の他の標的配列には含まれていない部分的配列である。前記特異的に結合するプローブにハイブリダイズした際に信号を発する標識を付与したものが使われる場合、他のDNAの存否と関係なく、このプローブから信号が観察されれば、標的配列を有するDNAが混合されており、信号が観察されなければ、該DNAが混合されていないと評価することが可能である。また、標識によっては、該DNAが混合されている場合にのみ信号が消失するものを作製することも可能である。
【0012】
本発明において、標的配列を選択すること、およびプローブを選択することは、公知の方法によって選択されうる。従来、プローブDNAは、プローブDNAを選択するための標準条件を設定し、前記標準条件に合うDNA配列を選択し、選択されたDNA配列に対して前記標準条件及び他の要件を検定した後、最も望ましいプローブ配列を選択する。前記標準条件には、プローブの長さ、プローブのTm値(二重鎖DNAのうち、50%が2個の単一鎖に解離される温度)、及び他のDNAとの配列類似性の限界値などが含まれうる。前記標準条件に合う候補プローブDNAが選択されれば、前記候補プローブDNAが標的配列だけに対して特異的にハイブリダイズするのか、または交差ハイブリダイゼーションを誘導しやすい配列はでないかについて、Tm及び配列類似性を介して調べる。これら標準条件を満足させる候補プローブDNAのうちから最も望ましいものを標的DNA配列に特異的に結合するプローブ候補として選択する。1種の標的DNAに対して二種以上のプローブDNAが選択されることもある。
【0013】
本発明の方法は、前記のように、特異的プローブが選択されない標的配列から構成される第2標的配列群を選択する。次に、前記第1標的配列群から特異的なプローブを選択する過程について記述したような過程を経て、前記第2標的配列群から標的配列に特異的に結合するプローブDNAを選択する。かかる過程は、標的配列群のうちで特異的に結合するプローブを有さない標的配列が存在しなくなるまで反復できる。前記過程を反復するにあたり、プローブDNAを選択する標準条件や、標的配列を含む生体高分子の構成によって選択される第2標的配列群内で特異的プローブを選択できない場合がありえる。かかる際には、例えば第2標的配列群に含まれた標的配列間の配列相同性が非常に高い場合に発生しうる。この場合、更なる標的配列群を選択し、それから各標的配列に特異的に結合するプローブを選抜する過程を反復する。そして、特異的プローブを選択できる標的配列がそれ以上存在しなくなるまで反復する。この場合、選択されるプローブは、配列相同性の高い前記配列群に共通的に存在する配列に相補的な配列であり、前記第1標的配列群の他の標的配列には存在しない配列に相補的な配列でありうる。
【0014】
前記の過程によって得られる複数種の特異的プローブは、前記第1標的配列群をハイブリダイゼーションによって確認するのに使用するためのプローブセットとして選択される。かかるプローブセットは、マイクロアレイ基板上に固定化されうる。本発明において、基板上にプローブDNAを固定化することは、従来当業界に公知の方法によって行われうる。例えば、基板の表面をアミノ基を有する化合物で活性化した後、カルボジアミドのような化合物によって活性化されたプローブDNAの5’または3’末端とカップリングさせることにより固定化が可能である。当業者ならば、公知のポリヌクレオチドの固定化方法を適切に調整し、本発明のプローブDNAを基板上に固定化してプローブDNAマイクロアレイを製作可能である。また、本発明において「固定化」とは、本発明のプローブセットがスポッティングにより基板上に固定化されることはもとより、フォトリソグラフィによってプローブ配列が基板上で一つずつ合成される方式で固定化されることを含む。
【0015】
従って、本発明は、本発明の方法によって設計されたプローブセットが固定化された基板を有するポリヌクレオチドマイクロアレイを提供する。
【0016】
本発明は、本発明の方法をコンピュータで実行可能なプログラムとして記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0017】
本発明は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータ(情報処理機能を有する装置をいずれも含む)読み取り可能なコードとして記録することが可能である。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取り可能なデータが保存されるあらゆる種類の記録装置を含む。コンピュータ読み取り可能な記録装置の例としては、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random−Access Memory)、CD−ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記録装置などがある。
【発明の効果】
【0018】
本発明の方法によれば、特定の標的配列群をハイブリダイゼーションによって確認するのに効率的に使われるプローブDNAを迅速、かつ容易に設計可能である。
【0019】
本発明のマイクロアレイによれば、特定の標的配列群に属する標的配列を確認するのに効率的に利用できる。
【0020】
本発明のコンピュータで読み取り可能な記録媒体によれば、特定の標的配列群をハイブリダイゼーションによって確認するのに使われるプローブDNAを設計するのに効率的に利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明のプローブ設計方法を図面を参照し、さらに詳細に説明する。
【0022】
図1はA、B、C、及びDの標的配列から構成される第1標的配列群からプローブ選択条件によって選択されうるプローブ候補を図式的に表した図面である。4種の標的配列(A、B、C、及びD)から構成される第1標的配列群を選択し、これら標的配列を参考にしてプローブDNA候補(a、b、c、及びd)を決定する。これらプローブDNA候補から各標的配列に特異的なプローブDNA候補を選択する。図1において、4種の標的配列のうち、Aに特異的に結合できるプローブDNAとして、前記第1標的配列群中の他の標的配列であるB、C及びDと同一の配列でなく、更にこれらに相補的な配列でないaプローブを選択する。同じ原理で、第1標的配列群のうちBに特異的に結合できるプローブDNAとして、bプローブを選択する。一方、標的配列CとDとに対するプローブ候補cおよびdは、それぞれ標的配列AとBとのプローブ候補のうちの一種に同じ配列が存在するために、特異的プローブとして選択できない。これら特異的プローブを有していない標的配列CとDとを第2標的配列群として選択する。
【0023】
図2は、前記第2標的配列群に存在する特異的プローブDNA候補を図式的に表した図面である。第2標的配列群は、第1標的配列群の中でも特異的プローブのない標的配列CとDとから構成される。第2標的配列群(CとD)のヌクレオチド配列を参考にし、プローブDNA候補(c及びd)を決定する。これらプローブDNA候補から各標的配列に特異的なプローブDNA候補を選択する。図2において、2種の標的配列のうちCに特異的に結合できるプローブDNAとして、前記第2標的配列群中の他の標的配列のDと同一の配列でなく、これに相補的な配列でないcプローブを選択する。一方、標的配列Dに対するプローブ候補dは、標的配列Cのプローブのうちの一種と同じ配列であるため、特異的プローブとして選択できない。この特異的プローブを有していない標的配列Dを更なる標的配列群として選択し、前記プローブ選択過程を反復してプローブdを特異的プローブとして選択する。以上のような過程により、第1標的配列群(A、B、C及びD)をハイブリダイゼーションを介して確認するのに使用するためのプローブセットとしてa、b、c及びdが選択される。
【0024】
図3は、前記図1と図2とにより、第1標的配列群(A、B、C及びD)に対するプローブセットとして選択されたa、b、c及びdプローブが、固定化された基板を有するマイクロアレイに未知の配列の混合物を添加し、ハイブリダイゼーションを行った後で得られる信号から、前記混合物中の標的配列の種類を判別する方法の一例を表す図面である。例えば、標的配列Aが存在すれば、aとcのプローブスポットで信号が観察され、標的配列Bが存在すれば、bとdのプローブスポットで信号が観察される。標的配列Cが存在すれば、cとdのプローブスポットで信号が観察され、標的配列Dが存在すれば、dプローブスポットで信号が観察される。プローブスポットdの信号は、標的配列A、C、Dいずれでも信号を観察できるが、他のプローブスポットとの相互関係を介してこれら標的配列を区分し出すことができる。
【0025】
図4は、本発明のプローブ設計方法の一例を表すフローチャートである。図4によれば、まずプローブ候補を選択するためのプローブ選択基準を設定した後、複数種の標的配列から構成される第1標的配列群を選択する。次に、それぞれの標的配列に対して特異的プローブを設計する。プローブ設計の結果、特異的プローブが存在すれば、これをプローブセット候補として選択し、特異的プローブのない標的配列群があればこれを二次標的配列群とする。これをもって、それぞれの標的配列に対して特異的プローブを設計する過程を反復する。二次標的配列群に対してそれ以上特異的プローブ設計が不可能であると判断されれば、それら特異的プローブのない標的配列群に対して共通プローブを設計し、それと共に以前に選択されたプローブセット候補を総合して最終的なプローブセットとして選定する。
【実施例】
【0026】
以下、本発明を実施例を介してさらに詳細に説明する。しかし、それら実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲がそれら実施例に限定されるものではない。
【0027】
(実施例1:七種のマイコバクテリウムを判別できるプローブセットの設計)
本実施例では、下記のような七種のマイコバクテリウムの16S rRNAの一部領域から、本発明の方法により前記菌株を判別するのに使われうるプローブセットを設計した。
【0028】
本実施例では、Tmや配列相同性を確認する過程は省略し、唯一のプローブを設計する過程についてさらに詳細に例示しようとするものである。
【0029】
【表1】

【0030】
これらの標的配列部位についての情報を基に5bpのプローブを本発明の方法によって設計してみれば、次の通りである(図5)。図5は、七種のマイコバクテリウム標的配列及びそれらから設計されたプローブ配列を表す図面である。図5では、*は、コンセンサス配列を意味する。
【0031】
まず、AJ536040.1に対してGTTTA(41−45)という唯一の配列に対して相補的なCAAATという特異的プローブを設計できる(カッコの中の数字は標的配列内の位置を意味する)。また、AJ536038.1に対してCCAGT(13−17)という唯一の配列に対して相補的なGGTCAという特異的プローブを、AJ536036.1に対してGCAAG(36−40)という唯一の配列に対して相補的なCGTTCという特異的プローブを、AJ536031.1に対してGCGAG(36−40)という特異的プローブを設計できる。次に、それ以上唯一のプローブを設計できる標的配列がないので、それら4つの標的配列を除外した3つの標的配列をもって二次標的配列群を形成する。
【0032】
二次標的配列群のうちのAJ536039.1に対してGTGGA(41−45)という配列に対して相補的なCACCTという特異的プローブを設計できる。これは、AJ536038.1共に置いてみるときには、唯一のプローブではないが、AJ536038.1が以前の段階で特異的のプローブ(GGTCA)を有し、標的配列群から除外されたために、特異的プローブになりうる。同様に、AJ536037.1に対してGTAAG(36−40)という配列に対して相補的なCATTCという特異的プローブを設計できる。特異的プローブを設計できない標的配列をもって更なる標的配列群を形成する。
【0033】
更なる標的配列群では、AJ536033.1に対してGTGAG(36−40)配列に対して相補的なCACTCというプローブが特異的プローブとして設計されうる。このように設計されたあらゆるプローブを前記七種のマイコバクテリウムを判別するのに使用するための1つのプローブセットとして選択する。このように設計されたプローブセットをもってそれぞれの標的配列を判別する方法の一例は次の通りである。
【0034】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の、プローブセットを設計する方法、それによって設計されたプローブが固定化された基板を有するマイクロアレイ及び該方法をコンピュータで実行可能なプログラムとして記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、例えばプローブセット関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】A、B、C、及びDの標的配列から構成される第1標的配列群からプローブ選択条件によって選択されうるプローブ候補を図式的に表した図面である。
【図2】第2標的配列群に存在する特異的プローブDNA候補を図式的に表した図面である。
【図3】図1と図2とによって第1標的配列群(A、B、C及びD)に対するプローブセットとして選択されたa、b、c及びdプローブが固定化された基板を有するマイクロアレイに未知の標的配列の混合物を添加してハイブリダイゼーションを行った後で得られる信号から、前記混合物中の標的配列の種類を判別する方法の一例を表す図面である。
【図4】本発明のプローブ設計方法の一例を表すフローチャートである。
【図5】七種のマイコバクテリウム標的配列及びそれから設計されたプローブ配列を表す図面である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)複数種の標的配列から構成される第1標的配列群を選択するステップと、
(b)前記第1標的配列群の各標的配列に特異的に結合するオリゴヌクレオチドをプローブとして選択するステップと、
(c)前記第1標的配列群のうちで特異的に結合するプローブを有さない一種以上の標的配列を第2標的配列群として選択するステップと、
(d)前記第2標的配列群の各標的配列に特異的に結合するオリゴヌクレオチドをプローブとして選択するステップとを含み、
前記第2標的配列群のうちで特異的に結合するプローブを有さない標的配列が存在しなくなるまで、前記(c)及び(d)ステップを反復する、ハイブリダイゼーションにより複数個の標的配列群から標的配列を確認するのに使われるプローブセットを設計する方法。
【請求項2】
前記第2標的配列群の各標的配列間の配列相同性が高くて特異的プローブを選択することが不可能な場合には、
前記第2標的配列群に共通に存在する配列に相補的なオリゴヌクレオチドであり、前記第1標的配列群の他の標的配列には存在しない配列をプローブとして選択する請求項1に記載のプローブセットを設計する方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法によって設計されたプローブセットが固定化された基板を有するポリヌクレオチドマイクロアレイ。
【請求項4】
請求項1に記載の方法をコンピュータで実行可能なプログラムとして記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−87431(P2006−87431A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−267523(P2005−267523)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】