説明

ヘアケア剤の正確な堆積のための方法および装置

装置および制御方法は、毛髪を照射し、その毛髪の側面を感知し、毛髪の感知された側面に基づいて強化を計算し、感知された側面と空間的に適合して毛髪に化合物を正確に適用して、それらの強化を生成するように、自動コンピュータ制御を提供する。そのような化合物の実施例は、ヘアカラーリング剤およびヘアケア剤である。本発明の一側面は、美髪を改善する方法を実証することであって、この方法は、シミュレーションによって調査および精密化され、インクジェット、精密なスプレーデバイス、および特殊な歯送達システム等の画像解析と正確な送達構成要素との組み合わせで送達されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本米国特許出願は、次の特許出願:
発明者であるAlbert D.Edgar、Douglas E.Yeager、David C.Iglehart、Rebecca Silvernail、およびRalph Germerによる米国仮特許出願第61271512号(名称「A DIGITAL BRUSH HAIR COLORING DEVICE」、2009年7月22日出願);および
発明者であるAlbert D.Edgar、Douglas Yeager、David C.Iglehart、Rebecca Silvernail、Ralph Germer、およびRick B.Yeagerによる米国仮特許出願第61114452号(名称「METHOD AND APPARATUS FOR PRECISE DEPOSITION OF HAIR CARE AGENTS」、2008年11月13日出願)
に関連し、これらの出願は、本明細書に参考として援用され、優先権が主張される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、選択的かつ正確に1つ以上のヘアケア剤を生きている毛髪に適用するためにセンサを使用する自動制御方法に関する。
【0003】
本発明は、局所化された解析、および毛髪の局所特徴に応じた毛髪への薬剤、光エネルギー、または熱エネルギーの正確な制御された堆積のための方法を記載する。本発明の方法およびデバイスは、ヘアカラーリング等の既存のヘアトリートメント操作の自動化、ならびに所望のヘアスタイルを維持するためのより低い刺激性のヘアカラー性質のより頻繁な適用、ヘアカラーおよび強度における魅力的で自然なバリエーションの強化、および従来のヘアトリートメントを用いて検出不可能であるレベルで細部を監視および抽出する能力を含むヘアトリートメントへの新しい手法の両方を促進する。ヘアカラーリング剤の正確な送達に加えて、本発明の方法およびデバイスは、コンディショニング剤および光沢剤等の他の毛髪剤を送達するために使用されてもよく、種々の光の波長の正確な送達または監視は、局所触媒化学反応、局所毛髪矯正またはカール、およびゆっくりとした染色反応のための薬剤適用の二次的指標としての蛍光タギングをサポートするために使用されてもよい。
【背景技術】
【0004】
(美肌との比較)
毛髪解析およびヘアケア剤の適用のための方法およびデバイスのいくつかは、出願者Albert D.Edgar、David C.Iglehart、およびRick B.Yeagerによる2006年8月14日出願の同時係属の米国特許出願第11/503,806号「SYSTEM AND METHOD FOR APPLYING A REFLECTANCE MODIFYING AGENT TO IMPROVE THE VISUAL ATTRACTIVENESS OF HUMAN SKIN」に記載されるように、美肌に関する先行研究に対応し、出願者Albert D.Edgar、David C.Iglehart、およびRick B.Yeagerによる2008年5月29日出願の米国特許出願第12/129,624号「APPARATUS AND METHOD FOR THE PRECISION APPLICATION OF COSMETICS」は、ヒト皮膚の視覚的魅力を改善するための新規の方法およびデバイスを記載する。
【0005】
第11/503,806号の出願は、位置関係の認識およびマッピングを用いた全皮膚領域モデリングおよび成形を含むTransparent BeautyTMを記載する。局所皮膚反射率および表面特徴に一致して、または反対して、1つ以上の透明染料を選択的に適用するために、インクジェットプリンタまたは他のアプリケーションデバイスと組み合わせて画像解析が用いられる。
【0006】
第12/129,624号の出願は、位置関係の認識を必要としない撫で付け手法を含むEraser BrushTMを記載する。局所皮膚特性がベンチマーク基準を超えるときに、少量の色素または他の反射率修正剤を選択的に適用するために、スプレーまたは他のアプリケーションデバイスと組み合わせて画像解析が用いられる。
【0007】
(美の理論)
表1は、ヘアケアのための本発明の実施形態と美肌のための開発経路とを比較および対比する。Transparent BeautyおよびEraser Brushの両方は、美肌の新規の理論に基づいた。Transparent Beautyは、驚くほど少量の透明染料の選択的堆積によって、より自然な美しさを得ることができるという観察に基づいた。Eraser Brushは、高度に区別された色素のまばらな選択的堆積によって、より自然な美しさを得ることができるという同様の観察に基づいた。これらの皮膚プロジェクトの一側面は、中間空間周波数特性を選択的にフィルタリングすることによって、外観の実質的な改善が可能であったということである。
【0008】
本発明の一側面は、中間空間周波数の方向性成分を選択的に増幅または加減することによって、魅力的かつ自然な外観(毛髪状態(hairness))を得ることができることである。
【0009】
美肌が、人形のような均一な表面とは対照的に自然発生的な高周波特性によって強化されるのと同様に、美髪は、その空間周波数の方向性成分の意図的な操作によって強化され得る。例えば、毛髪の房の明度または色の自然発生的なバリエーションは、房の長さに沿って、房を横断して、および毛髪の奥行きを通して、独立して強化または弱化され得る。毛髪の房の明度または色のバリエーションはまた、異なる効果を得るように人工的に生成されてもよい。好ましくは、これらのバリエーションは、皮膚において観察されるものと同様の中間空間周波数範囲内で管理される。
【0010】
興味深いことに、所望の空間周波数帯域を評価および操作するプロセスと人間の視覚システムにおいて画像を処理するために使用される方法との間には、有意な相似がある。視覚システムは、実際的には、画像を異なる空間周波数帯域に分解することによって画像内の成分を識別するために、角度および空間周波数変動に対して高感度である。Transparent Beautyの場合の皮膚および本発明における毛髪の両方を解析するために使用される方法とのこの相似を考えると、視覚的魅力は、空間周波数を選択的に操作することによって修正され得ることが合理的である。
【0011】
(PhotoshopTMシミュレーション)
美および対応するトリートメントプロトコルのこれらの理論は、強力なPhotoShopTMシミュレーションによって研究され得る。表1に要約するように、美肌理論を強固なPhotoShopシミュレーションによって裏付けし、物理的制約を反映した方法でシミュレーションを構築した。例えば、シミュレーションにおけるフィルタリングパラメータおよび堆積精度をハードウェア能力を反映するように制約した。これらのシミュレーションから2つの種類の結果が得られた。第一に、幅広い肌質および肌の色合いから得られた画像は、少量の種々の反射率修正剤の正確な堆積が、今まで予期されなかった劇的かつ魅力的で自然な美を提供したという理論の非常に有効な実証を提供した。第二に、シミュレーションは、制御パラメータおよび全般的制御戦略を評価するための強力なツールを提供した。これらのパラメータは、反射率修正剤特性、堆積精度因子、パスの数、皮膚特性、および他の因子を含んだ。より高度または動的なシミュレーションのために、PhotoShopシミュレーションをMatLabTMスクリプトと組み合わせた。
【0012】
以下の実施形態に記載するように、シミュレーションは、改善された毛髪の外観の目視確認、ならびに美髪のための制御パラメータおよび全般的な制御戦略を評価するためのツールの両方に対して、同様の強力なツールを提供する。
【0013】
(ハードウェア実証)
皮膚シミュレーションが説得力を有した一方で、シミュレーション結果の有効性に関する2つの根本的な問題が存在した。第一に、皮膚は、シミュレーションされた画像の改善された外観を実証しない可能性がある複雑な3次元表面であるという一般的な問題である。第二に、所望の堆積が利用可能なハードウェア構成要素に対して実用的であるかどうかに関する問題である。皮膚プロジェクトに対して、詳細な試作品設計の前に、比較的単純なハードウェア実証を行った。Transparent Beauty手法は、市販の固形インクジェットプリンタデバイスで実証し、手または前腕の一部を撮像し、撮影された画像の操作をPhotoShopにより実行し、所望の修正画像を皮膚上にプリントした。Eraser Brushに対して、市販のエアブラシ噴霧器が、皮膚の標的領域が所与の閾値を超えたか、または下回ったかを示すために、カメラおよび制御ソフトウェアによって適合された。これらのデバイスは、サイズまたは速度の多くの結果として生じるデバイス制約を緩和したが、皮膚の改善された外観の検証、ならびにこれらの理論および堆積制御戦略に基づく、市販の製品の開発の実現可能性の確認に効果的であった。
【0014】
以下の実施形態に記載するように、これらの理論および堆積制御戦略に基づく、市販製品の開発の実現可能性を実証するための美髪の理論およびシミュレーション結果を検証するために、市販の固形インクジェットプリンタデバイス、適合されたエアブラシ、他の既存の実証デバイス、および新しいデバイスを使用することができる。
【0015】
(試作品および市販の製品設計)
毛髪プロジェクトは、試作品デバイスおよび市販の製品設計の皮膚用製品開発経路を辿ることが予想される。
【0016】
表1のイタリック体部分は、計画された開発ステップを示す。
【0017】
【表1】

(毛髪の選択的着色への従来の手法の概要)
伝統的なヘアカラーリングトリートメントは、いくつかの異なる方法を用いて行うことができ、それらのそれぞれは、適用時間、毛髪内の色バリエーションの程度、および適用の費用の間の妥協点を含む。この範囲の一方の側において、家庭用ヘアカラーリングキットが使用される。これらのキットは、概して、毛髪内の最小のバリエーションを有する色を生成するが、比較的低い適用費用および時間の利点を提供する。この範囲のもう一方の側において、サロンで行われるヘアトリートメントは、より自然な、あるいはより独創的な外観のために、毛髪の色のバリエーションを強化するように試みることができるが、バリエーションの程度は、概して、適用費用および時間に比例する。
【0018】
毛髪を染める時に考慮されなければならない第2の妥協点は、毛髪に堆積する色の永久性と毛髪が受けるダメージ量との妥協点である。永久染料は、キューティクルおよびメラニン分子を含む、毛髪の構成要素を分解する酸化剤を使用する。しかしながら、それほど永久的ではないが、それほどダメージを引き起こさない、半永久(semi−permanent)および部分的永久(demi−permanent)染料が利用可能である。顧客はまた、より頻繁な再適用を必要とする半永久(semi−permanent)染料の使用に関連するさらなる時間および費用を考慮しなければならない。本発明の一側面は、その方法およびデバイスが、これらの染料または特別に開発された染料の頻繁な使用を促進することである。
【0019】
毛髪着色剤の一般的な適用は、いくつかのステップを含む。第1のステップは、異なる着色剤が毛髪におけるバリエーションを生成するように適用され得るように、必要に応じて毛髪を区分するステップを含む。例えば、サロンにおいて、毛髪を横断してウィーブが作成され、所望の周波数でストリークが作成される場合が多い。一実施例として、1/8インチのウィーブが高空間周波数の分離と見なされる一方で、1/4インチのウィーブまたはそれ以上は、低空間周波数の分離と見なされる。いったん毛髪が必要に応じて区分されると、酸化永久毛髪染色システムの2つの成分等の着色剤の成分が混合され、毛髪の所望の部分に適用される。湿潤化学物質の適用後、顧客は、染色時間が必要に応じて対応し、色が毛髪において形成されることを可能にするために待たなければならない。この待機時間は、10〜45分に及び得る。最後に、余分な材料が毛髪から洗い流され、この部分は、除去される。頻繁に、生じたダメージを隠すために、毛髪の質感を滑らかにすることを補助するために、毛髪の濯ぎ後にコンディショニング剤が適用される。
【0020】
きめ細かいサロントリートメントは、200ドル以上の費用で、2時間、200個のホイルを適用する熟練した髪染めの技術を有する美容師を必要とし得る。この種のきめ細かいプロセスは、一般的には、約1/8インチの「ウィーブ」の分解能を提供する。一方、1/4インチのウィーブ等のより粗いトリートメントは、はるかに望ましくない外観を提供する。
【0021】
(ヘアカラーリングのための従来のデバイス)
長年にわたって、着色剤が先端または先端付近で放出される中空歯を有するコームまたはブラシのような適用デバイスを記載する、多数の特許出願が出願されてきた。他の出願は、単一の先端を有するシリンジのようなデバイス、または小型ブラシのような軟質の先端を有するデバイスを記載する。記載された実施形態は、手動またはモータによって提供される圧力により放出される着色剤を示す。放出される着色剤の量は、使用者によって制御される。必要とされる着色剤を受容しない領域、「塗り残し」を有しないために、使用者は、一般的には、過剰な量の着色剤を適用し、それを毛髪の大部分または全部に適用する。
【0022】
対象が着色剤を適用するために、対象自身に記載されたデバイスを使用することは、可能であり得るが、実際に、および便宜上、使用者が自身の後頭部の毛髪または容易に見ることができない他の領域に着色剤を正確に適用することは非常に困難であるので、第2の人物による適用がより効果的である。過剰な量の着色剤が適用された場合、使用者が毛髪を通して適用コームを引くことが非常に困難である場合が多い。
【0023】
他の出願または特許は、着色前の毛髪の色を測定するための、サロンまたは専門家の使用のための方法を記載する。次いで、使用者は、どのような色の結果を希望するのかを決定し、この発明は、使用者にどのように着色剤を混合するのかを示す。他の公報は、毛髪の水分含有量の計測方法を記載する。他の出願または特許は、研究室における高度な分光技術を使用して、毛髪特徴を測定するための方法を記載する。これらの方法は、プロの美容師に有用であり得る一方で、対象が自身の毛髪を自身で着色することを補助しない。
【0024】
材料の表面上の水分を測定するために使用することができる伝導、誘導、およびpHセンサは、よく知られている技術である。
【0025】
したがって、自動コンピュータ制御による、毛髪の標的局所領域を着色するための少量のヘアカラーリング剤の正確な適用の必要性がある。正確な適用とは、毛髪の特定の位置または毛髪の長さの特定の範囲に適用が行われることを意味する。さらに、適用器がデバイス論理のフィードバックループを有するので、適用される着色剤の量が自己制御式であることを意味し、それにより、このシステムが、毛髪が十分な量の毛髪着色剤を受容したことを決定するときには、それ以上の着色剤が適用されない。したがって、この適用器は、特に後頭部の周囲の毛髪をコーミングするときに、対象が使用するのに便利かつ快適である。いくつかの実施形態において、該デバイスは、該デバイスのコーミングまたはブラッシング運動により、着色剤が毛髪において分散されるように構成される。
【0026】
(デジタル制御の美的重要性)
昔から、人々は、複数の形式の毛髪着色剤または他の毛髪剤を適用することによって、外観を改善するように試みてきた。このコンピュータの時代でさえ、薬剤はまだ、一般的には、ブラシ、スプレー、および指で適用され、それは、比較的大きい範囲の表面にわたる被覆を含む比較的直截的な技術である。これは、正確な適用を非常に困難にする。例えば、特に後頭部周囲の毛根上または毛根周囲の非常に小さい範囲の特別な着色は、特に、使用者が自身に行う場合に手動で達成することが困難である。
【0027】
毛髪着色剤の適用のコンピュータによるデジタル制御は、美的理由で特に有益である。少量の毛髪着色剤は、全領域を被覆することなく、それらが必要とされる場所に正確に適用され得る。ピクセルレベルで毛根に選択的に適用される少量のヘアカラーは、あまり効果的に適用されない大量の毛髪着色剤よりも良好で、より若々しく、自然、かつ魅力的に見える場合が多い。以下に記載するように、コンピュータ制御は、ヘアカラーおよび毛髪の外観における所望の自然なバリエーションを強化または模倣する能力を提供する。
【0028】
着色剤の適用のデジタル制御のための構成要素技術は、現在、デジタルブラシにより独創的に採用されるために存在する。マイクロチップ、センサ、エミッタ、および光ファイバケーブル等の構成要素は、低いか、または中程度の費用で利用可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の一側面は、美髪を改善する方法を実証することであって、この方法は、シミュレーションによって調査および精密化され、インクジェット、精密なスプレーデバイス、および特殊な歯送達システム等の画像解析と正確な送達構成要素との組み合わせで送達されることができる。
【0030】
本発明の一側面は、1つ以上のヘアカラーリング剤の自動コンピュータ制御された堆積によって毛根を着色するための、ヘアカラーリング剤の正確な適用のための装置および制御方法を提供することである。
【0031】
本発明の一側面は、1つ以上のヘアカラーリング剤の自動コンピュータ制御された堆積によって毛根を着色するための、ヘアカラーリング剤の正確な適用のための装置および制御方法を提供することである。
【0032】
本発明の一側面は、1つ以上のヘアケア剤を正確に堆積させる能力である。本発明の別の側面は、1つ以上のヘアケア剤と組み合わせて1つ以上のヘアカラーリング剤を正確に堆積させる能力である。
【0033】
本発明の一側面は、関連する同時係属の米国仮特許出願第61012473号、第61056282号、および第61082494号に記載されるような、デジタルコームまたはデジタルブラシデバイスを用いて1つ以上のヘアケア剤を正確に堆積させるための画像解析および制御能力である。
【0034】
本発明の一側面は、同時係属の米国仮特許出願第61082494号に記載されるような、マルチパス堆積デバイスにおける薬剤堆積の指標として、1つ以上の蛍光染料またはカプセル化蛍光染料を使用するための画像解析および制御能力である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明の以下の実施形態は、添付の図面を参照して、一例としてのみ記載される。
【図1】図1は、低、中、および高の空間周波数の寸法を示す。
【図2】図2は、デジタルブラシの一実施形態を示す代表的な図である。
【図3】図3は、電力供給、集積回路、基質貯蔵器等の主な構成要素を示す、デジタルコームの一実施形態を示す代表的な図である。
【図4】図4は、別々の発光歯、感知歯、および堆積歯を有する、デジタルコームの一実施形態設計の代表的な図である。
【図5】図5、図6、図7、および図8は、異なる個人に対するPhotoShopTMシミュレーション結果を表す。
【図6】図5、図6、図7、および図8は、異なる個人に対するPhotoShopTMシミュレーション結果を表す。
【図7】図5、図6、図7、および図8は、異なる個人に対するPhotoShopTMシミュレーション結果を表す。
【図8】図5、図6、図7、および図8は、異なる個人に対するPhotoShopTMシミュレーション結果を表す。
【図9】図9は、ブラシの基部に載置されるカメラおよび光源、ならびに毛髪を標準化し、基質を堆積させるための歯を有するデジタルブラシの一実施形態を示す、代表的な図である。
【図10】図10は、毛髪の房に沿って撫で付けるための、かつ毛髪の房の間の自然なバリエーションを増幅するための、毛髪剤の選択的適用のシミュレーションの一実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(発明を実施するための形態−デジタル制御技術)
(定義)
「房」という用語は、1本以上の毛髪として定義され、一般的には、コームまたはブラシの隣接する歯の間で誘導される1組の毛髪である。
【0037】
「一段階化学物質」という用語は、毛髪との単一の化学反応により、毛髪においてその最終効果を生成することができる、任意の物質として定義される。
【0038】
「ウィーブ」という用語は、ヘアトリートメントを適用することができる所望の空間周波数の複数の毛髪の房を作成するための毛髪の長さに垂直に毛髪を分離する行為として定義される。
【0039】
「塗り残し」という用語は、不十分な検出に起因して、不注意により十分なヘアケア剤を受け取っていない毛髪の領域として定義される。
【0040】
「ヘアケア剤」という用語は、毛髪の物理的および/または光学的特性を変化させる目的で毛髪に適用される任意の化合物、化合物の組み合わせ、またはエネルギーとして定義される。
【0041】
「ヘアケア化合物」という用語は、毛髪の物理的および/または光学的特性を変化させる目的で毛髪に適用される任意の物質、化合物、化合物の組み合わせ、またはエネルギーとして定義される。例えば、ヘアカラーリング剤およびヘアケア剤である。
【0042】
「ヘアカラーリング剤」という用語は、毛髪の光学的特性を変化させる任意の物質として定義される。
【0043】
「対象となる軸」は、1本の毛髪に沿った軸、1つ以上の毛髪の房を横断する軸、および毛髪の奥行きを通る軸を含む。
【0044】
毛髪の場合、「と一致して」という用語は、測定された属性または属性差異の意図的な増幅を指し、「に反対して」という用語は、測定された属性または属性差異の意図的な抑制を指す。
【0045】
本明細書において、「デジタルブラシ」および「デジタルコーム」というフレーズは、同じ意味で使用される。
【0046】
(空間周波数)
本発明において、「空間周波数」という用語は、毛髪の房に沿うか、または横切る距離において測定される属性として定義される。一般的な属性は、認識された色、輝き、および明度の種々の構成要素を含む。これらの構成要素のうちのいずれかの領域内のバリエーションの程度は、毛髪の領域にわたる構成要素の「エネルギー」と呼ばれる。
【0047】
本発明において、「中間空間周波数」という用語は、約0.04”〜0.40”の範囲の毛髪の房に沿うか、または横切る距離において測定される属性として定義される。この範囲は、多少任意的であり、皮膚および毛髪の両方のシミュレーションにおけるその証明された結果に基づいて選択される。この範囲は、本発明の範囲から逸脱することなく、より大きく、またはより小さく、およびより狭く、またはより広く移動されてもよい。
【0048】
図1に示すように、中間空間周波数は、中間空間周波数2の種々の帯域を考慮するための毛髪解析に有用である。例えば、「低中間空間周波数」4という用語は、約0.125”〜0.40”の範囲の毛髪の房に沿うか、または横切る距離において測定される属性として定義され、「高中間空間周波数」6という用語は、約0.04”〜0.125”の範囲の毛髪の房に沿うか、または横切る距離において測定される属性として定義される。場合によっては、中間空間周波数内の3個以上の異なる帯域を考慮することが望ましくあり得る。
【0049】
本発明において、「低空間周波数」という用語は、0.40”を超える距離において測定される属性として定義される。
【0050】
(発明を実施するための形態−毛髪の外観を強化するための方法)
(概要)
本発明の一実施形態において、毛髪におけるバリエーションに関する情報を得るために、少なくとも1つの光センサが使用され、蛍光体が毛髪着色剤に添加される。Digital BrushTMは、毛髪を照射し、センサ付近に局所的に存在する蛍光体の量を感知し、毛髪の局所的色特性を感知する手段を含有する。毛髪バリエーションの測定は、ヘアトリートメント製品を局所的に堆積させる場所を決定するために使用される。そのような実施形態は、以下のそれぞれのうちの少なくとも1つを備える。電源、ヘアトリートメント化合物用の貯蔵器、プロセッサ、発光体、センサ、およびヘアトリートメント製品の着色剤を局所的に送達するための堆積経路。さらに、この実施形態はまた、人間工学的な快適さのためのハンドル、1つ以上の取り外し可能で交換可能な構成要素、電力供給を再充電するためのポートまたはプラグ、必要に応じてエミッタの焦点を合わせる1つ以上の光学レンズ、使用者制御のためのオン/オフボタン、および着色剤の堆積のための力を提供するための電気機械弁または加圧ガスシリンダを備えてもよい。
【0051】
(蛍光体)
一実施形態において、少なくとも1つの蛍光トレーサ物質が、ヘアトリートメント製品内に懸濁し、所望の量の物質が毛髪の局所領域にすでに堆積しているかどうかを決定する手段として、センサおよび/またはカメラによって該物質の発光波長が検出される。
【0052】
蛍光トレーサは、光の任意の波長によって励起することができる。しかしながら、健康および費用への考慮によって、およそ300〜500nmの長波紫外線または青色波長の範囲内に入る励起ピークを有することが最も望ましい。光センサが、励起光源から直接反射されるか、またはもたらされる光子ではなく、蛍光トレーサから放出される光子のみを正確に検出するために、蛍光トレーサは、励起曲線と発光曲線との間に明らかな分離を有することが望ましい。上記に挙げられる理想的な励起波長を仮定すると、放出ピークが緑色、赤色、または近赤外線波長、最も好ましくは、赤色の範囲内に入ることが望ましい。赤色または赤外光範囲内に発光極大を有する蛍光トレーサを使用するさらなる利点は、毛髪が短い波長よりもこれらの長い波長において、より透明であることである。
【0053】
蛍光指標はまた、エミッタが急速に脈動することを可能にするほどの十分に短い緩和時間を有するべきであり、その結果、エミッタおよび蛍光体は、各パルスによる励起および緩和を経験する物質の能力に影響を及ぼすことなく、肉眼により検出されないままである。励起源を急速に脈動させ、センサをパルス周波数に同調することによって、感知中に、全ての他の周波数における周辺光を効果的に排除し、それにより、測定におけるノイズ量を減少させる能力を可能にする。
【0054】
蛍光トレーサの主な機能が、適用器デバイス上で光学系を使用する間、毛髪内のヘアトリートメント化学物質の存在または量の表示を提供することであるので、適用が完了した後に、トレーサが毛髪の中に留まることは必要ではなく、この物質が、毛髪染色化学物質の他の構成要素と反応しないことが極めて重要である。これは、蛍光体が毛髪の表面に結合するか、または皮質に浸透する必要がないことを意味する。概して、10Aを超える色素は、毛髪のキューティクルに浸透することが不可能であるということが認められている。蛍光体が毛髪に結合しないことを確実にするために、光学的に透明であり、毛髪の表面と反応しないシェルの中に蛍光をカプセル化することが望ましくあり得る。
【0055】
2つの光センサを使用する実施形態においては、検出される物質の距離および背景の明度に対して標準化することが可能である。例えば、蛍光体が赤色波長範囲において発光を有し、かつセンサが、適用プロセス中の所与の時点において、エミッタから直接反射される赤色蛍光の量および緑色光の量の両方を独立して測定する場合、測定された緑色光は、標準化の手段として使用され得る。検出された赤色を検出された緑色によって分割することは、どの程度の蛍光が毛髪に存在するかということに関するより正確な測定のためのデータを提供するが、その理由は、その分割が、物質がセンサから離れている距離およびシステムの背景明度を説明することに役立つからである。
【0056】
(外観)
(従来のヘアトリートメントの不利点)
従来のヘアカラーリングプロセスは、家庭用ヘアカラーリングキットおよびサロントリートメントの使用の両方を通して、取り組みが不十分なままであるいくつかの課題に直面している。ヘアカラーリングに関する主要な課題は、トリートメントが毛髪において十分なバリエーションを生成することが不可能であることの結果として、結果が不自然に見えることである。
【0057】
それどころか、概して家庭用キットのように、染料は、特に単一の染料が使用される場合、より単色のスタイルを形成する傾向がある。
【0058】
サロンにおいて適用されるヘアカラーリングトリートメントは、概して、より自然に見える色のバリエーションと、適用セッションによってもたらされる時間、費用、およびダメージの量との間の妥協点をもたらす。従来のヘアカラーリング適用における精密な感知の不足により、毛髪における既存のバリエーションを強化する能力はほとんどない。代わりに、スタイリストは、所望のサイズおよび色のストリーク(streak)および/またはハイライトを加えることによってのみ、自然に見えるバリエーションを模倣するか、または再形成するように試みることができる。
【0059】
ほとんどのサロントリートメントに関して、毛髪におけるバリエーションを確立するための努力は、概して、毛髪を横断するバリエーションの作成の重視をもたらすが、概して、毛髪の長さに沿って意図的に作成されるバリエーションは、ほとんどない。しかしながら、未処理の毛髪の綿密な検査により、これらの軸の両方に沿った自然なバリエーションがあり、このバリエーションの一部は、日光暴露および他のダメージの結果であることが明らかである。
【0060】
(従来のヘアトリートメントの制限に対処するための本プラットフォームの能力)
本発明は、必要に応じて、毛髪における既存のパターンおよびバリエーションを検出および修正する手段を提供する。従来の永久ヘアカラーリング適用プロセスが、皮質内の色生成メラニン分子を分解する酸化剤の全体的な適用を含み、および半永久ヘアカラーリング方法が、既存の色を覆い隠すように毛髪の表面に結合する一方で、本発明は、毛髪の着色に対する被覆手法の必要性を排除する。これらの従来のカラーリング技術のそれぞれでは、毛髪の元の色を本質的に覆い隠し、バリエーションを排除または大幅に低減するステップがある。しかしながら、本発明は、家庭での使用者またはスタイリストが材料を選択的に適用し、既存の色バリエーションを強化または軽減することを可能にする。バリエーションがゼロから作成されなければならない、何も描かれていないキャンバスを最初に作成するよりもむしろ、自然なバリエーションを選択的に変化させることができる。
【0061】
最初に毛髪における既存のパターンを排除し、次いで、修正された型を再形成するように試みるよりも、むしろ、毛髪における既存のパターンを修正する能力は、反射率修正剤を皮膚に適用するためのTransparent Beauty概念の機能に類似している。Transparent Beautyの場合、特定の空間周波数の選択的検出および修正、例えば、暗い中間空間周波数を明るくすることは、全空間周波数におけるバリエーションを排除するためにファンデーションを適用し、次いで、より低い周波数を再生するために、頬紅等の薬剤を使用する従来の手法に取って代わった。したがって、本発明は、皮膚の局所領域を識別し、そこに基質を選択的に適用する、Transparent Beautyに関連する技術の能力に毛髪において匹敵する。
【0062】
本発明の異なる実施形態は、上記のように、1次元、2次元、または3次元で、毛髪の光学的特性を測定するために構築することができる。ブラシ適用器の物理的特徴に基づいて、測定された軸のそれぞれに沿って独立して強化および/または抑制するために、色強度および空間周波数の範囲を決定することが可能である。例えば、毛髪の長さに沿って中間周波数バリエーションを抑制するが、以下のシミュレーションにおいて考察されるように、高中間空間周波数および低中間空間周波数のほぼ同じ大きさを作成しようと努力することにより、毛髪にわたって測定される中間空間周波数を管理するよう試みることが好ましくあり得る。
【0063】
異なる測定された軸に沿ってバリエーションを独立して測定し、複数の異なる軸に沿って測定される光学的特性の評価に基づいて、ヘアトリートメント基質を堆積させる能力は、毛髪の外観を選択的に変更および/または作成するための新しい機会を提供するために使用することができる。すでに述べたように、毛髪を扱うときのスタイリストの主な焦点は、毛髪を横断するバリエーションである。しかしながら、複数の軸上の自然なバリエーションを測定することができるデバイスを使用することにより、制御された堆積デバイスを用いて、毛髪の光学的効果を修正する強化された能力がある。
【0064】
(信号対ノイズ問題)
本発明の一視点は、自然発生的なパターンの信号対ノイズ比を増加させる手段を提供することである。皮膚の場合、高域および低域フィルタリング技術は、望ましくない中間の空間周波数特性を除去し、それにより、「ノイズ」を除去する能力を提供する。この手法は、望ましい自然な高周波バリエーションがより顕著になるように、中間周波数上のノイズを減少させることにより、人間の目が認識する信号対ノイズ比を増加させる。
【0065】
毛髪の場合、信号対ノイズ比の処理の一手法は、毛髪寸法を別々に解析することである。例えば、1本の長さに沿って「ノイズ」を除去するために、1本の長さに沿って、毛髪にフィルタを実行してもよい。次いで、望ましい高周波バリエーションの「信号」を増幅するために、2X〜3Xの倍数等で、隣接する房の間の差を解析および軽減することができる。したがって、信号対ノイズ比は、ノイズの減少および信号の増加の両方によって増加する。
【0066】
論理的に、我々は、完全に均一な外観とは対照的に、ヘアカラーにおいてバリエーションを有することが重要であると理解する。したがって、最も望ましいバリエーションは、(a)完全にランダムであるか、または(b)特定の個人に対して少なくとも何らかのパターンに従うことのいずれかであるということになる。本発明のデジタル解析および制御された薬剤堆積は、ランダムバリエーションを引き起こす、および/または強化することにより、あるいはバリエーションの自然なパターンを検出および強化するために、画像解析技術を使用することにより、いずれにしても、毛髪の外観を強化する能力を提供する。
【0067】
図5、図6、図7、および図8の以下の考察は、第2の種類の解析およびトリートメントに対する1つの考えられる手法を示す。本発明は、この特定の技術に限定されず、種々の照明条件下での画像撮影、画像解析、および制御された薬剤堆積のツールは、ランダムに見える外観、バリエーションの他の自然なパターンの強化、およびバリエーションの人工的パターンの作成を含む、ヘアカラーの幅広い技術に有用である。これらのツールはまた、ヘアカラーリング剤以外の薬剤の制御された堆積、またはヘアカラーおよび他の毛髪剤の組み合わせの堆積にも有用である。
【0068】
対象となる軸に沿って信号の視覚効果を増幅または軽減するために、ヘアトリートメント基質は、検出された信号と一致して、または反対して、毛髪の対象となる局所領域に選択的に適用されてもよい。毛髪における測定された光学特徴に反対して、または一致して、ヘアトリートメントを適用することは、信号対ノイズ比を増加させるために使用することができ、信号は、増幅することが望ましい任意の視覚的構成要素(すなわち、1組の色または空間周波数)と見なされ、増幅されるべきではない他の視覚的構成要素は、ノイズと見なされる。一実施例として、毛髪のコーミングは、相互に対する毛髪のランダム配向に関連するノイズを減少させることにより、毛髪の魅力を改善する技術として考えられ得る。より複雑な意味では、毛髪の光学特徴は、画像の特定の軸に沿う信号またはノイズに分類され得る、より微妙な形質および/または範囲を定量化するために、異なる空間周波数および異なる色強度の観点から解析することができる。いったん望ましい信号範囲および望ましくない信号範囲を構築すると、それらを、所望の特徴の視覚効果を強化するために、相互に対して修正することができる2つの方法がある。第1の手法において、望ましい信号範囲は、毛髪における他の詳細レベルに対してより視覚的に検出可能にするように増加させることができる。第2の手法において、望ましくない信号範囲は、望ましい信号範囲をより視覚的に明らかにするように、抑制することができる。
【0069】
例えば、異なる空間周波数における測定されたバリエーションに基づいて、異なる軸に沿う毛髪の選択的縞のために使用される本発明の一適用においては、適用プロセス中に毛髪の長さに平行する軸上で中間空間周波数を抑制することが望ましい。この場合、ノイズが中間空間周波数と見なされる一方で、信号は、高および低空間周波数である。この例示的な適用に対するハイおよびローエンドカットオフは、それぞれ、1/25インチおよび0.4インチである。したがって、バンドパスフィルタを実行することにより、ノイズを決定することができるが、画像の残りの部分からこの周波数範囲を分離する画像処理のための多数の他の方法がある。興味深いことに、これらのカットオフ値は、ノイズと同様に扱われ、かつ視覚的利点を提供する手段として抑制される、中間の空間周波数帯域を区別するために、Transparent Beautyで使用される
画像処理アルゴリズムにおいて、対象であると認められるものと非常に似ている。いったんノイズと見なされる、および維持または増幅される信号として見なされる画像の構成要素を構築すると、該デバイス制御ソフトウェアは、信号対ノイズ比を増加させるために、ヘアトリートメントをどこに、およびどのくらい堆積させるのかを決定することができる。これは、望ましくない中間空間周波数の皮膚特徴のTransparent Beautyによる弱化もしくはモーフィングで行われるように、ノイズを軽減する材料を適用することにより、または信号を増幅する材料を適用することにより、達成することができる。Lbの伝統的なヘアカラー表記において、この制御は、一般的には、主に緑色構成要素チャンネルから成る明度である、輝度Lを制御することによって達成され、したがって、緑色チャンネルは、通常のヘアカラーに対するLの良好な近似値である。興味深い効果はまた、例えば、毛髪をより赤色、またはより灰色にするための補正戦略の一部として、色チャンネル構成要素aまたはbを調節することによって生成することができる(緑色チャンネルのみを感知することによりLチャンネルを制御するこの戦略は、標準化または蛍光染料検出等の他の操作のために、赤色チャンネルを維持する実際的な利点を提供する)。
【0070】
適用プロセス中に毛髪を横断する光学特徴を測定する軸に沿ってであるが、本発明の同じ適用において、異なる組の空間周波数がノイズおよび信号として扱われる。等化器が電子機器において使用される方法と同様に、この軸に沿って、中間空間周波数範囲内で信号を管理することが有益である。他の検出されたパターンと比較して弱すぎる、毛髪において検出される自然なパターンが存在する場合、それらを増幅することが有益である。しかしながら、他の検出されたパターンと比較して強すぎるパターンが存在する場合、それらを抑制することが有益である。より具体的には、中間空間周波数帯域は、2つの構成要素、高中間周波数(HMF)および低中間周波数(LMF)に分かれることができる。毛髪を横断する軸上のバリエーションを測定する一手法において、光学特徴が解析され、高中間空間周波数バリエーションおよび低中間空間周波数バリエーションの近似式を構築するよう試みることによって、どの特徴が強化され、どの特徴が抑制されるのかに関する決定が行われる。
【0071】
本明細書に記載する実施形態は、毛髪の根本的な色を変化させる伝統的な毛髪染料の使用を必要としないことに留意されたい。むしろ、既存の信号を強化または抑制する効果は、単に、毛髪の色相を変化させることなく、毛髪を明るくするか、または暗くする薬剤を適用することによって達成することができる。他の効果は、色相、または色相および強度の両方を調節することによって生成することができるが、この場合もやはり、これらの効果は、自然な、または現在のヘアカラーへの非常に控えめな追加に基づき得る。
【0072】
(毛髪のダメージ:)
(従来のヘアカラーリング技術の不利点)
従来のヘアトリートメント技術、特に、永久ヘアカラーリングの使用の別の不利点は、それらが、毛髪に取り返しのつかないダメージを与える場合が多いことである。これまで、永久毛髪染料は、毛髪の外層であるキューティクルにダメージを与える酸化化学物質に、毛髪を暴露する必要があった。キューティクルは、染料前駆体が反応し、単一のより大きい染料分子を形成する前に、染料前駆体が毛幹に浸透することを可能にする方法としてダメージを受けなければならない。キューティクルのダメージはまた、酸化剤、最も一般的には過酸化水素が毛幹に入り、色生成メラニン分子を分解することを可能にするために必要である。
【0073】
永久毛髪着色剤の使用からもたらされたキューティクルのダメージは、毛髪に対していくつかの効果を有する。例えば、キューティクルのダメージは、毛髪上の疎水性の外側の鞘の破壊の結果として、毛髪をより吸収性にさせる。毛髪がより吸収性を有するにつれて、その物理的特性が変化する。また、酸化毛髪染料は、毛髪をより脆弱に、かつより枝毛を生成しやすくさせる傾向がある。最後に、酸化ヘアカラーリングプロセス中にキューティクル上に生じるダメージは、毛髪に異なる反射特性を発生させる。ダメージは、光をより拡散的に反射させるため、ダメージを受けた毛髪は、概して、あまり輝きを有しない一方で、ダメージを受けていない毛髪は、より均一な表面を有し、したがって、より一方向に光を反射する。
【0074】
特に、ダメージが生じた部位において、毛髪のキューティクルに結合し、これらの問題の影響を最小に抑える働きをする撫で付け作用を有するコンディショニング剤を使用することができる一方で、これは、永久的な問題に対する部分的かつ一時的な解決法にすぎない。コンディショナは、毛髪のキューティクルに結合するため、それらは、ほんの数回のシャンプーによる毛髪の洗髪後に洗い流される傾向がある。また、過剰なコンディショニング剤の適用は、毛髪を重みで下げたままにし、最終的に、1つの問題を別の問題に置き換える可能性がある(しかしながら、本発明の別の適用は、より習慣的なヘアケア法により、必要に応じて、選択的にコンディショナを適用することによってこの課題に対処する)。
【0075】
必ずしも酸化化学物質の使用を必要としない、半永久(semi−permanent)および部分的永久(demi−permanent)ヘアカラーリングシステムが利用可能であるが、顧客は、色の永久性対毛髪のダメージおよびより頻繁な再適用に関連する追加費用の妥協点のどちらかに決めなければならない。
【0076】
(選択的堆積の利点)
本発明の一実施形態は、必ずしも適用される着色剤の永久性を犠牲にすることなく、ヘアカラーリングトリートメント中に毛髪のダメージの程度を大幅に減少させる働きをする。本発明は、毛髪の局所領域の光学的検出およびこの領域内の基質の正確な堆積を可能にするので、酸化ヘアカラーリングシステムをより微細に使用するために適用器を使用することが可能である。ヘアカラーリングシステムの化学成分を変化させなくても、ダメージの量は、2つの方法で選択的堆積を使用して減少し得る。第一に、適用される材料の総量を最小限に抑え、それにより、キューティクルの不必要な酸化を減少させることができる。第二に、本発明の光学的検出の可能性は、大幅に異なる着色された毛髪、毛根、または毛髪の軸に沿ったより微妙な中間空間周波数領域等、着色することが望ましい毛髪の特定の領域のみに着色剤を位置付け、体積させるために使用されてもよい。
【0077】
本発明の代替の実施形態および適用では、使用者が毛髪における既存の自然なバリエーションを強化するためのみに着色剤を使用しているため、該バリエーションが自然なヘアカラーあるいは所望の着色剤の以前の適用のいずれかの結果として存在しようと、使用される毛髪着色剤システムの永久性は、あまり重要ではなくなる。顧客が根本的な光学的バリエーションおよびパターンの検出に基づき、毛髪の局所領域に着色剤を選択的に適用している場合、半永久染料の使用に起因し得る退色の効果は、視覚的に明らかではなくなる。したがって、この適用において、毛髪にダメージを与えるヘアカラーリング化学物質は、回避され得る。
【0078】
(適用の徹底:)
(ヘアカラーリングの既存の手法に関する問題)
既存のヘアトリートメントに対して、適用の徹底は、成功するトリートメントを確立するための重大な要素である。例えば、いくつかの理由により、単一のトリートメントセッションで頭部全体の毛髪を着色することが重要である。特に、伝統的な手法を使用して毛髪を着色する時に、より具体的には、毛髪が染色セッション前のその色とは非常に区別された色に染色されている時に、頭部全体が単一セッションで処理されない場合、毛髪の処理および未処理領域において顕著な差が存在する可能性がある。また、従来技術は、部分的堆積がはっきりと見えないように、十分に少量のヘアトリートメントを正確に適用するために使用され得る、利用可能な適用器の欠如を示す。本発明は、少量のヘアトリートメント基質の局所的な選択的堆積のそのような手段を提供する。最後に、特に家庭用ヘアカラーリング用の既存の化学物質は、一般的には、頭部全体または頭部の大部分を覆うように意図される、バルク量で包装されている。そのような包装形態は、部分的な被覆のみには役立たない。
【0079】
異なる波長または空間周波数における毛髪のバリエーションを検出し、かつそれに応じて、測定された特徴を強化または抑制する手段として、ヘアトリートメントの選択的堆積を行うために、光学的感知が使用される、本発明の一実施形態および適用において、適用前後の毛髪の差は、伝統的な適用技術の場合ほど明らかではない。例えば、明色化剤および/または暗色化剤を使用して、設定された空間周波数で毛髪における自然な色バリエーションを増加および/または減少させることが望ましい場合、適用プロセス後に、従来の染色プロセスを使用して一般的に生じるよりも毛髪の変化は少ない。ヘアトリートメントを局所的に検出し、選択的に適用するために本発明を使用するときの視覚的利点に必要な制限された変化の結果として、頭部全体が一度に処理されることは、あまり重要ではない。したがって、本発明の1つの実質的な利点は、トリートメントがどこに適用されたかということを明らかに示すことなく、視覚的改善があるように、小さいバリエーションの戦略的配置を可能にすることである。これは、Transparent Beautyの重要な側面と同様であり、皮膚上の制御された堆積は、材料が適用された、および適用されていない「縁」の明らかな表示を残すことなく、ランダムおよび部分的堆積デバイスとして使用され得る。実際には、本発明は、従来のヘアトリートメント技術に対して、頭部全体の適用の制約を低減する。
【0080】
従来のヘアトリートメント技術の徹底に関する別の重要な課題は、ヘアトリートメント材料が毛髪の全ての所望の領域に徹底的に分散されることを確実にすることの困難さを中心に展開する。本発明の光センサは、複数の軸上で毛髪の所与の領域に局所的に堆積する材料の量を測定するために使用されてもよい。一実施形態では、ヘアトリートメント材料がどこに、およびどのくらい堆積しているかに関するフィードバックを光学的に提供する働きをする着色剤とともに、蛍光トレーサ物質が含まれてもよい。この物質は、トリートメントプロセス中に毛髪に結合しないよう意図され得る。
【0081】
また、本発明のヘアカラーリング適用の場合、着色剤システムの化学成分は、適切な割合で複数の前駆体の部分をコーミングすることにより、堆積プロセスの一部として必要に応じて混合されてもよい。この手法は、適用器デバイスにより局所的に検出される、検出された蛍光トレーサの量を介した使用者のフィードバックにより補助され、適用される製品の総量を減少させ、着色剤のより体系的な堆積を可能にする。
【0082】
(耐久性:)
(従来のヘアトリートメントの満たされていない必要性)
特に、ヘアカラーリング用の従来のヘアトリートメントの耐久性は、有意な妥協点を有する別の分野である。あまりダメージを与えない半永久(semi−permanent)および部分的永久(demi−permanent)ヘアカラーリングシステムは、永久染料ほど耐久性を有しない。これらの染料の退色は、従来の技術を使用して毛髪を処理するために必要とされる時間および費用とともに考慮される時に、有意である。顕著な色変化は、トリートメントの間に生じ得るが、顧客は、従来の手法の不便さおよび費用の理由から、より頻繁に毛髪を着色する気にならない。反対に、より永久的なカラーリングシステムは、長い期間にかけてあまり色バリエーションをもたらさないが、すでに考察したように、毛髪によりダメージを与える。
【0083】
(本発明の利点)
少量の毛髪着色剤の化学物質のみが堆積するという事実の結果として、本発明は、長い堆積プロセスまたは費用の増加なしに、より頻繁にあまり永久的ではない染料を使用して、毛髪を着色する可能性を提供する。上記のように、毛髪の対象となる光学特徴を識別するために本発明を使用する一実施形態では、視覚的利点を提供するために必要な変化はほとんどないため、この点は、特に強みである。この実施形態では、既存の自然なバリエーションを選択的に修正する能力はまた、染料が退色し始めるにつれて生じる、視覚的変化を最小限に抑えるのにも役立つ。また、毛髪の局所的部分のリアルタイム解析および少量の材料のみを堆積させる可能性は、長い適用時間を回避する。一実施形態では、顧客が適用後に毛髪をすすぐ必要がないように、適切な量で着色剤製剤を堆積させることが可能であり得る。
【0084】
(適用速度:)
(従来のヘアトリートメントのおよその時間)
ヘアトリートメント適用の速度は、本発明により利益を得ることができる別の分野である。毛髪におけるより自然な視覚的パターンを得るために、従来のトリートメント法を使用して、顧客は、1〜4時間サロンで過ごす場合が多い。これらの長い適用時間でさえ、最終的な外観は、概して、未処理の毛髪に存在する複数の軸に沿って、かつ複数の空間周波数において、自然なバリエーションの程度に欠ける。また、家庭用ヘアトリートメント、特に、ヘアカラーリングシステムは、初期混合、基質の適用、化学反応、故に十分なトリートメントが生じることを可能にするためのおよそ10〜45分の待機時間、および過剰な化学物質の最終的な洗浄を必要とする。
【0085】
(本方法の潜在的な速度)
少量のヘアカラーリング化学物質をどこに選択的に堆積させるのかを決定するために、局所的な毛髪特徴の光学的測定が使用される本発明の一実施形態では、適用プロセスは、従来の着色技術を使用して実現可能な速度よりもはるかに速く実行され得る。本発明の一実施形態における蛍光トレーサ構成要素は、ヘアトリートメント化合物がすでにどこに適用されているのかに関する検出を可能にし、それにより、顧客が、適用器の光学的感知に基づく使用者のフィードバックの補助により、より制御された方法で着色剤を適用することを可能にする。
【0086】
また、すでに述べたように、本発明は、より頻繁に、制御された堆積によりヘアトリートメントを局所的に適用する手段を促進する。本発明の一実施形態の一適用は、該デバイスが、補給またはタッチアップシステムとして、毎日または毎週使用されることを可能にする。このような条件下では、単一の適用セッションにおいて頭部全体を覆うことは、あまり重要ではなくなり、したがって、ヘアトリートメントを提供するために必要な時間を短縮させる。
【0087】
最後に、本発明は、一度の少量の材料の局所体積に関するため、毛髪染料等のトリートメント製品の適用後に、毛髪をすすぐ必要性を排除することがさらに可能であり得る。半永久(semi−permanent)および部分的永久(demi−permanent)ヘアカラーリングシステムが本発明を使用して堆積する場合、局所堆積は、トリートメント後に毛髪をすすぐことが不必要になる程度まで、堆積した過剰な製品の量を効果的に低減することができる。本発明のこの使用は、堆積した材料の全てが毛髪キューティクルに結合することを確実にする能力により補助され得る。
【0088】
(毛根)
(従来のヘアトリートメントに関する問題)
従来のヘアカラーリングシステムの適用に続いて、特に、着色された毛髪が自然なヘアカラーから非常に区別されている場合、毛根が時間とともにますます目に見えるようになる。毛髪が毛髪染料の適用後に伸びるにつれて、処理された毛髪と未処理の毛根との間で、明確な境界線が認識され得る。毛根のみの着色を可能にすることにより、この問題に対処するように設計される適用器もいくつか存在するが、それらは、着色剤を頭皮に向けることを補助するだけである。しかしながら、本発明は、該材料が実際にどこに蓄積させられているのかに関するフィードバック、ならびに毛根における堆積のより局所的で、より制御された手段を提供することができる。
【0089】
(本方法の利点)
毛髪が、材料がどこに、およびどのくらい堆積させられるのかを決定する手段として、異なる空間周波数帯域内でパターンおよびバリエーションを明らかにするように解析される、すでに考察した実施形態では、はっきりと区別された色の毛根が成長する問題が軽減される。毛髪における測定された自然なバリエーションの視覚効果を強化および/または軽減することにより、未処理の毛根は、毛髪全体が染色され、故に、その自然な色から変化させられる場合よりも毛髪の残りの部分から区別できない。また、本発明が従来のヘアトリートメント技術よりも頻繁に使用される場合、すでに考察した利点の他に、さらなる利点は、毛根がはるかに短く、故に、あまり目立たないため、毛根が成長する問題が大幅に減少することである。最後に、記載される方法が所与の軸上の毛髪の一部にわたって色を使用する、すでに記載した一実施形態の適用に対して、適用器は、未処理の毛根と処理された外側の毛髪との間の色の差を薄れさせるよう継続的に試みる。これは、明確な境界線が生成されることを回避し、それにより、毛髪染料の初期適用後に成長する毛根の視覚的影響を減少させる。
【0090】
(適用の費用:)
(従来の手法に関する問題)
ヘアトリートメント基質の適用の全体的な性質として、大変過剰な材料が堆積させられ、次いで、毛髪に影響を及ぼすことなく除去される。これらの過剰は、化学製剤のより多額の費用をもたらし、追加費用は、毛髪を処理するために必要とされる最小量の製品を所与として、本発明により大幅に低減され得る。ヘアトリートメントが効果的に作用するために、一般的には、毛髪が所望の化合物で被覆されることが必要であるが、しかしながら、この被覆以外の材料の存在は、ほとんど効果がなく、かつ金銭的に非効率的である。
【0091】
(選択的堆積の利点)
選択的堆積の使用は、適用される過剰な材料の量を有意に減少させ、それにより、化学物質の不必要な費用を減少させることができる。
【0092】
(熱の正確な印加)
本発明の一実施形態では、熱は、毛髪の領域、または化合物が毛髪に局所的に堆積させられる前の化合物に局所的に印加することができる。従来のヘアトリートメント技術は、顧客に対する害または不快感の可能性に起因して、公称量を超える熱の印加を支持しない。しかしながら、堆積させられる材料の量の微小さおよび本発明の適用の正確さによって、より全体的な適用技術から生じ得るような刺激レベルを引き起こすことなく、堆積プロセスの一部として熱を印加することが可能である。
【0093】
本発明による熱の印加は、反応を触媒する利点を提供する。例えば、ヘアカラーリング適用中、着色基質と組み合わせた熱の印加は、多数の目的に適うことができる。熱は、反応を加速し、それにより、適用時間を短縮させ得る。また、熱は、湿潤化学物質よりも毛髪において容易に制御され得るため、熱は、厳密に化学的な堆積で分離することが困難である、具体的に所望される位置において反応を触媒することにより正確に向けられ得る。熱が可能にし得る別の利点は、適用された化学物質があまり毛髪に集中せず、および/またはあまり毛髪にダメージを与えないことである。化学物質への熱の印加は、必要な反応が必要なエネルギーを有することを可能にするが、熱を伴わない場合、毛髪へのダメージが大幅に低減され得る。
【0094】
(発明を実施するための形態−ヘアカラーにおける望ましいバリエーションを強化または模倣するための制御パラメータ)
図5、図6、図7、および図8は、種々の対象の画像、および本発明の制御戦略およびデバイスにより可能となる一つのヘアトリートメント技術のPhotoshopTMシミュレーションから得られる画像である。これらのシミュレーションは、デジタル適用デバイスによる標的の毛髪剤堆積戦略を作り上げるために使用され得る幅広い画像解析技術の代表である。
【0095】
これらの代表的なシミュレーションの一側面は、毛髪の外観の劇的な改善が対象の自然なヘアカラーを変化させることなく可能であることである。個人の毛髪を脱色および再着色するよりもむしろ、この技術は、毛髪の房の長さに沿ってバリエーションを撫で付けること、次いで、毛髪の房を横断して望ましいバリエーションを増幅することの組み合わせを提供する。
【0096】
これらのシミュレーションは、毛髪の房に沿う、および横断する2つの軸に対する異なる制御戦略を表す。堆積デバイスは、毛髪の異なる奥行きの房を通る第3の軸におけるさらなる差異化を可能にする。
【0097】
図5Aおよび6Aは、任意のシミュレーションされたトリートメント前の試験対象の画像である。
【0098】
図5Cおよび6Bは、以下に記載する、シミュレーションされた「コームおよびストリーク」トリートメント後の試験対象の画像である。
【0099】
図10は、図5、図6、図7、および図8のためのシミュレーション方法を示すフローチャートである。
【0100】
ステップ1000において、画像中の房の配向を決定する。適用デバイスにおいて、房の長さが該デバイスの運動方向に平行になるようにブラシまたはコームが毛髪を整えるときに、このステップは、直接的であり、房は、歯によって分離されることに留意されたい。Photoshopシミュレーションにおいて、5度の増分で方向のぼやけを実行することにより、房の配向を決定した。最も小さいぼやけを有する配向を房の配向として選択した。
【0101】
ステップ1100において、房の配向の方向に房を撫で付けるために、「コーム」操作を実行した。この操作は、毛髪の房に沿う0.4インチの長さの領域にわたって撫で付けを実行した。
【0102】
図5Bは、毛髪の房の長さに沿う「コーム」撫で付け操作のみのシミュレーション効果を示す。図5Dは、図5Bを達成するために図5Aに適用されるコーム撫で付けを達成するために計算された補正の、4Xの実際の画像により増幅されるマスク906を示す。
【0103】
ステップ1200において、房の間の、すなわち、房に垂直である望ましい自然な中間周波数バリエーションを識別および増幅するために、「ストリーク」操作を実行した。このストリーク操作は、1/25(0.04)インチ〜0.4インチの中間周波数スペクトル全体に対して単一のバンドパスフィルタ操作によって最初に実行した。それらの結果は、何人かの対象のトリートメントが人工的な外観を有した点で不本意であった。それらの結果のより詳細な解析によって、対象間、および何人かの対象自身の毛髪における1/8(0.125)インチ〜0.4インチの低中間周波数(LMF)帯域と0.04インチ〜0.125インチの高中間周波数(HMF)帯域との間に主要な差異を示した。はるかに満足のいく結果は、LMFとHMF帯域とを別々に解析および処理し、次いで、結果を加えることによって得られた。
【0104】
対象の毛髪の固有周波数成分は、図8A中の高中間周波数および図8E中の低中間周波数において示される。両方の図において、黒丸1802は、平坦な灰色のように見える低い自然エネルギーを有する範囲を示す。また、両方の図において、白丸1804は、白黒のストリークのように見える高い自然エネルギーを有する範囲を示す。これらの白丸および黒丸は、同様の位置で、図8の全ての図にわたって広がっている。
【0105】
図8Bは、高中間周波数の各点におけるエネルギーレベルを直接示す。白丸の下の範囲は、白であり、黒丸の下の範囲は、暗いことに留意されたい。図8Fは、低中間周波数に対する図8Bの同等物である。一つの周波数帯域において強い範囲が、他の周波数帯域において必ずしも強いとは限らないことに留意されたい。
【0106】
図8Gは、全ての位置において低中間周波数のエネルギーを均一にしようと試みている。図8Fの白丸の下の白い範囲によって技術的に示されるような、すでに十分なエネルギーを有する図8Eの白丸内の範囲は、図8Gにおいては実質的に変化しないままであったことに留意されたい。一方、図8Eにおける黒丸の下の範囲は、黒色の領域によって、低周波数エネルギー含量が不足していることが図8Fにより示されており、したがって、図8E中の黒丸の下の細部は、図8Gにおける結果をもたらすように対比させられている。したがって、図8Gは、低中間周波数における全ての点において、ほぼ等しいエネルギーを有するはずである。
【0107】
ここで、図8Gは、美を達成する目標を表す。この目標の一部は、図8Eに示すように、すでに自然に達成されている。したがって、図8Gの視覚的外観を達成するために、図8G中の所望の結果と図8Eの自然な開始点との間の差に比例してのみ、明色化剤または暗色化剤を堆積させることが必要である。得られた堆積パターン、図8Gと図8Eとの間の差を図8Hに示す。取り消しよりもむしろこの補充の理由から、所望の結果を得るために、自然なストリークキングのより少ない色の変化が必要とされることに留意されたい。
【0108】
図8Cおよび図8Dは、高中間周波数に対する図8Gおよび8Hの同等物である。明色または暗色カラーリング剤の実際の堆積は、図8Dと図8Hとの和に比例して行われる。特に、明色化剤は、図8Dと図8Hとの和が自然な灰色よりも明るいときに適用されてもよく、暗色化剤は、和が自然な灰色よりも暗いときに適用されてもよい。図8Dおよび図8Hが両方とも明るい明色化剤が堆積させられてもよい。一実施例として、両方が暗い場合、暗色化剤が適用されてもよい。また、一方が明るく、他方が暗い場合、どちらがより強いかに応じて、ほとんど何も適用されなくてもよい。しかしながら、明色化剤および暗色化剤は、同一の地点において適用される必要はない。
【0109】
さらなる例示として、図7Aは、図8Cの拡大版であり、高中間周波数に対する標的を示す。図7Bは、図8Gの拡大版であり、低中間周波数に対する標的を示す。図7Cは、図7Aおよび図7Bにおける毛髪のストリーキングの和であり、美を達成するための全体的な目標を示す。
【0110】
図6Aは、対象の元の画像を示す。図6Bは、コーム効果およびストリーキング効果の両方に対する、本発明の実施後の対象のシミュレーションされた外観を示す。滑らかで明確に画定された房は、毛髪を健康かつ魅力的に見せることに留意されたい。
【0111】
本シミュレーション方法の一側面は、堆積デバイス制御戦略を識別することであり、堆積デバイス制御戦略は、毛髪全体にわたって高レベルのエネルギーを達成するために、望ましい高レベルのエネルギーを識別し、それらの自然に魅力的な範囲を維持し、LMF、HMF、または両方のいずれかを増加させる特定の機会を識別する。
【0112】
ステップ1210において、領域に対するLMFエネルギーレベルを決定する。ステップ1220において、LMFエネルギーレベルを所望の閾値と比較する。本実施例では、該閾値は、美髪の主観的な解析に基いて美容コンサルタントが選択した。生成デバイスでは、閾値は、予め設定されているか、使用者が選択可能であるか、または使用者の毛髪の観察された特徴に基づいて計算される可能性がある。例えると、Eraser Brush皮膚デバイスが、予め設定され得、あるいは、使用者の平均的な皮膚特徴に基づいて閾値を計算し得る。ステップ1230において、LMFエネルギーが閾値を下回った場合、領域に増幅係数を適用した。本実施例では、好ましい増幅係数は、実際値と閾値との間の差の2X〜3Xの範囲であった。しかしながら、ステップ1500では、この増幅は、その後、計算された補正の67%まで下げられた。
【0113】
ステップ1250において、領域に対するHMFエネルギーレベルを決定する。HMFエネルギーレベルを計算するための領域のサイズは、LMFエネルギーレベルを計算するための領域のサイズよりも小さい。ステップ1260において、HMFエネルギーレベルを所望の閾値と比較する。本実施例において、閾値もまた、美髪の主観的な解析に基づいて美容コンサルタントが選択した。ステップ1270において、HMFエネルギーが閾値を下回った場合、該領域に2X〜3Xの増幅係数を適用した。
【0114】
ステップ1280において、LMFおよびHMF補正を加える。
【0115】
2つのLMFおよびHMF帯域の選択は、より分離した強化を見つける一方法である。他の実施例において、中間空間周波数内の3つ以上の帯域が、個々に考慮されてもよい。トリートメントプロトコルは、中間空間周波数に限定されず、位置関係の認識を有するいくつかの手法は、毛髪に低周波数バリエーションを与えるか、またはこれらの低周波数バリエーションを中間周波数戦略と重ね合わせることができる。高周波数トリートメントスキームもまた、インクジェット送達システム等の正確な制御、または毛髪を小さい房もしくは個々の毛髪に分割する能力を組み込む送達システムのいずれかで可能である。
【0116】
シミュレーションにおいて、Photoshopの制限により、放射状にこれらの補正を実行した。したがって、対象となる1本の特徴を増幅することに加えて、隣接した房への望ましくない調節もまた実行した。より広範なシミュレーションプログラミングを実行するよりもむしろ、ステップ1310において第2のコーム操作を実行することにより、放射状の効果を除去した。デバイスにおいて、歯が、この場合もやはり、この第2のコーム操作なしで、独立した房トリートメントを可能にする方向の配向および房分離を提供する。このデバイスにおいて、コーム撫で付けおよびストリーク増幅操作は、このデバイスが毛髪をわたって、または毛髪を通して移動させられると同時に実行されてもよい。
【0117】
図10の二帯域解析手法において、ステップ1280において帯域補正を追加することにより、ステップ1300のAIMまたは標的補正を決定した。
【0118】
次いで、ステップ1400における所望の全体補正は、実際の画像のエネルギーレベルとAIMレベルとの間の差である。
【0119】
ステップ1500において、シミュレーションは、所望の補正の一部を「適用」する。本実施例において、この部分が67%になるように選択した。実際には、過小補正する理由が2つある。第一に、単一パスに補正全体の一部のみを割り当てることが望ましいように、各トリートメントセッションは、一般的には、毛髪の複数の部分にわたってマルチパスである。第二に、実際には、該デバイスは、控えめな補正が任意の特定のセッションに対して望ましいように、頻繁に使用される可能性がある。
【0120】
この例示的なシミュレーションを2次元で実行した。デバイスは、コーム等の毛髪配向要素が房に沿う、房を横断する、および奥行きの軸に対して、別々のトリートメントを可能にするように、3次元トリートメント戦略の能力を有する。
【0121】
これらのシミュレーションは、既存のヘアカラーの明度、または従来規定されたLb色空間の「L」成分のみを調節した。外観の有意な改善は、この等級のみの調節によって得られた。多成分スプレーまたはインクジェットデバイス等の堆積デバイスの多くは、複数の薬剤の制御された堆積を可能にするために、出願者らは、選択的シミュレーション、および種々のカラーリング剤、またはカラーリング剤、暗色化剤、明色化剤、光沢剤、もしくは増粘剤の種々の組み合わせの適用からの異なる、およびおそらくより劇的な結果を期待している。
【0122】
(発明を実施するための形態−デジタルブラシ)
本発明の一実施形態は、図3および4によって表され、かつ同時係属の米国仮特許出願第61271512号により詳細に記載されるような、「Digital Brush」適用デバイスを用いて、上記に記載するような画像解析および堆積制御戦略を組み合わせる。該デバイスは、1つ以上の毛髪剤がコームまたはブラシデバイスを介して毛髪に選択的に送達される「歯送達デバイス」の一実施例である。他の種類の歯送達デバイスは、以下に記載され、毛髪剤の選択的堆積のための他のデバイスは、インクジェット、スプレー、または参照されたTransparent BeautyおよびEraser Brushの特許出願に記載されるような他のデバイスに基づき得る。
【0123】
例えば、図3は、電力供給302、プロセッサ604、基質貯蔵器616、および圧縮ガスシリンダ304等の主な構成要素を示すデジタルブラシの一実施形態を示す。
【0124】
別の実施例において、図4は、独立した発光歯402、感知歯404、堆積歯406、および独立堆積経路408を有するデジタルブラシの一実施形態を示す。
【0125】
(発明を実施するための形態−マルチパス操作の薬剤検出)
本発明の多くの実施形態は、所望の全体補正の一部のみを単一パスで適用させるように、毛髪の上方の、または毛髪を通るマルチパスによる。
【0126】
同時係属の米国仮特許出願第61271512号はまた、毛髪着色剤の有無、または存在する毛髪着色剤の相対量のいずれかの自動的局所検出のための装置および方法も記載する。毛髪着色剤の検出は、存在する毛髪着色剤の量との確立された関係を有する特徴の評価を用いて達成される。そのような特徴の例としては、蛍光性、pH、およびインダクタンスが挙げられる。毛髪の一部における着色剤の存在および/または量を局所的に解析するための各可能な特徴により、センサから得られる情報は、集積回路を用いて解釈され、集積回路は、着色剤のさらなる堆積を制御する手段として、信号および/または使用者のフィードバックを提供する。このプロセスは、使用者が誤って毛髪の複数の部分を未処理の状態にすることを回避すると同時に、毛髪の過剰な化学的トリートメントを最小に抑えることに役立つ動的堆積制御を可能にする。
【0127】
本発明の一側面は、毛髪画像解析を緑色チャンネル等の第1のチャンネルに基づかせ、および指標の検出のために第2のチャンネルを使用する能力である。
【0128】
(発明を実施するための形態−光学的放出および感知のための医学的用途)
同時係属の米国仮特許出願第61271512号は、毛髪解析から得られる医学的観察および/または健康関連の観察に対するプラットフォームとして使用するための、デジタルブラシデバイスの使用を記載する。これらの観察および経時的変化は、乳癌、肺癌、前立腺癌、結腸癌、インスリン依存性糖尿病、およびアルツハイマー病の指標を提供し得る。種々の実施形態において、ヘアケアデバイスは、ヘアトリートメントデバイスとしてのデバイスの通常の使用と併せて、蛍光染料および赤外解析等のこの医学的監視能力を提供することができる。この能力は、経時的な皮膚の変化を監視するためのTransparent BeautyおよびEraser Brushデバイスの使用に類似している。
【0129】
(発明を実施するための形態−デジタルコーム)
米国仮特許出願第61012473号は、個人のヘアカラーの明度または暗度、ならびに毛根の明度および暗度を自動的に感知するデジタルコームとして使用するための装置および方法を記載する。次いで、デジタルコームは、染料、色素、または脱色剤等の1つ以上の毛髪着色剤を、暗色化または明色化される必要がある特定の毛根に正確に堆積させる。一般的には、デジタルコームは、使用者の全体的なヘアカラー、例えば、金色、茶色、黒色、赤色、灰色、または白色の毛髪に特異的な着色剤とともに使用される。使用者は単に、一般的なコーミング動作で、複数回、自身の毛髪を通してデジタルコームを移動させ、デジタルコームは、十分な毛髪着色剤が毛根を正確に着色するように堆積させられるまで、毛根を自動的に明色化または暗色化する。図2は、デジタルコームの一実施形態を示し、その歯は、管110およびガイド120を備える。本実施例において、4つの管110が使用され、皮膚を傷つけないように球状先端を備える侵入型ガイド120を有する。コーム100の本体130は、着色強化の必要性を感知し、および毛髪着色剤を自動的に堆積させるための光学的および機械的手段を含有する。
【0130】
管設計は、毛髪着色剤の移動がコンピュータ制御下で管の基部に堆積させられることを可能にする。光ファイバケーブルは、管の基部に光を移動させ、連続的なケーブルとして戻す。光ファイバケーブルの大部分は、緑で示されるように被覆される。しかしながら、基部において、光ファイバケーブルの一部は、被覆されず、被覆されていない部分は、そこで管に巻き付けられてもよい。この構成は、被覆されていない部分が毛根に接触し、光ファイバケーブルの全反射を遮断することを可能にする。
【0131】
(発明を実施するための形態−複数レベルのセンサを有するデジタルコーム)
米国仮特許出願第61056282号は、歯が管およびガイドを備える別の歯送達デバイスを記載する。一実施例において、中間侵入型ガイドとともに、5つの管が使用される。歯は、皮膚を傷つけないように球状先端を含んでもよい。他の実施形態において、コームは、完全に管から成るか、またはより少ない管およびより多い侵入型ガイドを有してもよい。コンダクタンスまたはインダクタンスを測定するための電気エミッタおよびセンサは、エミッタおよびセンサが隣接する歯上で相互に向かい合うように(エミッタ−センサの対)、歯の外表面の内面上の先端よりも上の1つ以上の特定のレベルに載置される。管の一実施形態は、毛髪着色剤の移動がコンピュータ制御下で管の基部に堆積させられることを可能にする。コームの本体は、着色強化の必要性を感知し、および毛髪着色剤を自動的に堆積させるための電子的および機械的手段を含有する。デバイスがオンになると、プロセッサは、各エミッタ−センサの対において、コンダクタンスまたはインダクタンスを連続的に測定する。隣接する歯上のエミッタとセンサとの対(エミッタ−センサの対)の間に毛髪がないときは、コンダクタンスがなく、したがって、ゼロの測定値となる。隣接する歯上のエミッタとセンサとの対の間に乾燥した毛髪があるときは、中間の測定値があり、堆積させる信号が作製される。着色剤によって覆われる毛髪がセンサとエミッタとの間にあるときは、最高のコンダクタンスがあり、堆積が行われるべきではないことを示し得る。コンダクタンスの量は、適用される着色剤の量に応じて変化する。
【0132】
(発明を実施するための形態−テレセントリック画像撮影を有するデジタルブラシ)
Digital Brushの別の実施形態を図9に示す。この実施形態において、Digital Brush600は、どのコーム上にもあるように、歯602を備える。Digital Brush600が毛髪を通して移動させられるときに、これらの歯602は、頭部のx軸またはy軸に沿って、毛髪の房を分離することができる。通常の間隔を有する細い歯602は、毛髪を通って容易に移動し、毛髪の周囲に着色剤を移動させない傾向があることから、それらが使用されてもよい。
【0133】
Digital Brush600が毛髪を通して移動させられる際に、プロセッサ604は、Digital Brush600の操作を制御する。LED606は、歯602のすぐ後ろの毛髪を照射し、それらの光は、明度および色の測定の精度を改善するために反射を低減する偏光フィルタ608を通過する。一実施形態において、ライン放射器にあるように、可能な限り拡散した、かつ均等な光を提供するために、例えば、30〜40個の大量のLED606が使用されてもよい。別の実施形態において、例えば、5つのより少ないLED606が使用されてもよく、鏡を備えて、拡散した、かつ均等な光の提供に向けられてもよい。さらに別の実施形態において、この場合もやはり、拡散した、かつ均等な光のために、少なくとも2列のLED606が使用されてもよい。
【0134】
一実施形態において、毛髪に関するデータを収集するための有利な源として、緑色LED606が使用されてもよい。別の実施形態において、着色剤に含有されるトレーサ物質を照射するために、紫外線LED606が緑色LED606に組み入れられてもよい。
【0135】
カメラ610は、カメラ610よりも上に載置され、歯602が移動したすぐ後ろの毛髪に焦点を合わせた、曲面鏡612の下面に反射される、毛髪の画像を撮影し、鏡612は、毛髪のテレセントリック図を提供する。カメラに到達する光はまた、反射を低減するための偏光フィルタ608を通過してもよい。
【0136】
加圧されたヘアケア化合物614、例えば、着色剤は、ブラシ600のハンドルの中の貯蔵器616に貯蔵される。プロセッサにより行われる強化計算に応じて、ヘアケア化合物614は、堆積管618の列を通して毛髪に堆積させられ、堆積管618は、歯から約1/4インチ後方に載置されてもよい。
【0137】
堆積管618は、毛髪の頭部表面に堆積してもよく、またはそれらは、表面および毛髪におけるより低いレベルでの堆積に好ましい長さであってもよい。
【0138】
(発明を実施するための形態−改良されたERASER BRUSHデバイス)
本発明の一実施形態において、皮膚および毛髪への化合物の適用のために、共通の基部ユニットが使用される。基部は、異なる適用のそれぞれに対して、異なるアタッチメントおよび制御設定を備えるが、主要なハードウェア構成要素は、選択的解析および堆積デバイスの各使用に対して共有される。一実施例において、手持ち式Eraser Brushデバイスは、毛髪の房を配向するための取り外し可能なコームアタッチメントを有し、制御モードは、皮膚とヘアトリートメントとの間で選択可能であり、毛髪および皮膚に対して、異なるカートリッジが提供される。単一セットのカートリッジが皮膚および毛髪の両方に使用され得るように、共通の化学物質を開発し得ることが可能である。
【0139】
(発明を実施するための形態−光検出器を有する歯送達デバイス)
上記に記載するほとんどの実施形態がカメラの適用を記載する一方で、Eraser Brushの特許出願に記載されるように、単純なLEDおよび光検出器と連動する毛髪デバイスを開発することも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪の外観を改善するデバイスであって、
(a)少なくとも1つの電源と、
(b)ヘアケア化合物用の貯蔵器と、
(c)該少なくとも1つの電源および該ヘアケア化合物用の貯蔵器に動作可能に接続されるプロセッサと、
(d)該少なくとも1つの電源に動作可能に接続される発光体と、
(e)該プロセッサに動作可能に接続される少なくとも1つの光センサと、
(f)該ヘアケア化合物用の貯蔵器に動作可能に接続され、少なくとも1つの歯に隣接して位置する堆積経路と
を備える、デバイス。
【請求項2】
前記発光体は、複数の発光ダイオード(LED)である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記複数のLEDから放出される光は、偏光フィルタを通過する、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの光センサは、カメラであり、鏡が、該カメラの上方に載置される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
ヘアケア化合物は、前記ヘアケア化合物用の貯蔵器の中に位置し、該ヘアケア化合物は、蛍光トレーサ物質を含有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記蛍光トレーサ物質は、紫外線波長および青色波長のうちの1つの範囲内に入る励起ピークと、緑色波長、赤色波長、および赤外線波長のうちの1つの範囲内に入る放出ピークとを有する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
毛髪の外観を改善する方法であって、
(a)少なくとも1房の毛髪の領域を発光体によって照射するステップと、
(b)該少なくとも1房の毛髪の該領域における空間周波数を光センサによって感知するステップと、
(c)該少なくとも1房の毛髪の該領域における該空間周波数を解析するステップと、
(d)該少なくとも1房の毛髪の該領域における該空間周波数を解析するステップからの結果に基づいて、ヘアケア化合物を堆積させるステップと
を含む、方法。
【請求項8】
前記ヘアケア化合物を堆積させるステップは、蛍光トレーサ物質を堆積させるステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記空間周波数は、0.04〜0.40インチの範囲の距離にわたる前記少なくとも1房の毛髪の前記領域において測定されるエネルギーレベルである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記ヘアケア化合物の適切な量が前記少なくとも1房の毛髪の前記領域において堆積されているか否かを確認するために、前記蛍光トレーサ物質の発光波長を検出するステップ
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
第1の房の毛髪上の領域における前記空間周波数を抑制するステップと、該第1の房の毛髪に隣接する第2の房の毛髪の領域における該空間周波数を強化するステップとをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1房の毛髪の前記領域における前記空間周波数を解析するステップからの結果に基づいて前記ヘアケア化合物を堆積させるステップは、該少なくとも1房の毛髪の該領域における該空間周波数と一致して行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1房の毛髪の前記領域における前記空間周波数を解析するステップからの結果に基づいて前記ヘアケア化合物を堆積させるステップは、該少なくとも1房の毛髪の該領域における該空間周波数に反対して行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1房の毛髪の前記領域における前記空間周波数を示す画像を生成するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記ヘアケア化合物を堆積させる前に、前記少なくとも1房の毛髪の前記領域に熱を印加するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項16】
前記ヘアケア化合物を堆積させる前に、該ヘアケア化合物に熱を印加するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
毛髪の外観を改善する方法であって、
(a)少なくとも1房の毛髪の配向を決定するステップと、
(b)該少なくとも1房の毛髪の該配向の方向に、該少なくとも1房の毛髪を撫で付けるステップと、
(c)該少なくとも1房の毛髪における固有中間空間周波数の変動を識別するステップと、
(d)該少なくとも1房の毛髪における該固有中間空間周波数の変動の解析から計算される全体補正に関連した量のヘアケア化合物を堆積させることによって、該少なくとも1房の毛髪における該固有中間空間周波数の変動を増幅するステップと
を含む、方法。
【請求項18】
前記少なくとも1房における固有中間空間周波数の変動を増幅するステップは、該少なくとも1房の領域上に低中間空間周波数エネルギーレベルを決定するステップと、該低中間空間周波数エネルギーレベルを閾値と比較するステップと、該低中間空間周波数エネルギーレベルが該閾値を下回る場合に、低中間空間周波数増幅係数を適用するステップと、該少なくとも1房の該領域上に高中間空間周波数エネルギーレベルを決定するステップと、該高中間空間周波数エネルギーレベルを第2の閾値と比較するステップと、該高中間空間周波数エネルギーレベルが該第2の閾値を下回る場合に、高中間空間周波数増幅係数を適用するステップと、該領域に対する標的補正を確認するために、該低中間空間周波数増幅係数と高中間空間周波数適用係数とを加えるステップとを包含する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記領域に対する実際の画像エネルギーレベルと該領域に対する前記標的補正との間の差を計算することによって、前記全体補正を決定するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記領域に前記全体補正の一部を適用するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図5E】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図8C】
image rotate

【図8D】
image rotate

【図8E】
image rotate

【図8F】
image rotate

【図8G】
image rotate

【図8H】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2012−509692(P2012−509692A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536330(P2011−536330)
【出願日】平成21年11月13日(2009.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/006112
【国際公開番号】WO2010/056348
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(511116410)ティーシーエムエス テック2, エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】