ヘアケア装置
本発明は、グリップ(3)と、好ましくは毛部分及び/又は歯の部分及び/又は送風出口手段を含むヘアトリートメント手段を有する機能ヘッド(4)と、少なくとも1つのイオン出口(9)を有し、操作スイッチ(10)によって操作可能であり、イオンを放出するイオン供給装置(8)と、を有するヘアケア装置に関する。本発明に基づき、このヘアケア装置は、イオン出口を塞ぐための閉鎖装置(11)を備え、この閉鎖装置(11)は、操作スイッチによって操作可能であることを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリップと、好ましくは毛部分及び/又は歯の部分及び/又は送風出口手段を含むヘアトリートメント手段を有する機能ヘッドと、少なくとも1つのイオン出口を有し、操作スイッチによって操作可能であり、イオンを放出するイオン供給装置と、を有するヘアケア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては、ヘアドライヤー及びヘアブラシなどのヘアケア装置が、その第1の機能、すなわち、髪を乾かすためのエア供給又は髪をとかすこと、ブラッシング及びスタイリングといった機能の他に、追加用途としてイオンを供給することが知られている。この種のイオンは、通常マイナス電子を帯電している分子である。このようなイオンの適用によって、髪及びヘアケアが改善され、とくに、髪が静電気に帯電するのを抑え、それによって髪が逆立つのを予防し、更に、保湿性を向上させることができる。
【0003】
US 2005/284495から、ヘアブラシの毛部分とは反対側の装置背面及び毛の部分を有する装置前面に、機能ヘッドの方向へイオンを排出するイオン出口がそれぞれ1つ取り付けられた一体型ブラシヘッド付きのヘアブラシ又はヘアドライヤーが周知である。しかし、この周知のヘアケア装置は、イオン供給装置の操作に関して改良可能であり、とりわけイオンエミッターは、その突出した配置が原因で、損傷及び汚れの危険にさらされている。
【0004】
US 2005/194016から、更に、携帯電話のように折りたたみ可能なヘアブラシが周知であり、その一方の折りたたみ部分に毛部分が取り付けられ、もう一方の折りたたみ部分にイオン供給装置が取り付けられている。イオン出口は、この場合、前記第2の折りたたみ部分の、折りたたみヒンジ付近の正面側に配置されているため、開いた状態においては、イオンが毛部分へ向けられ、折りたたまれた状態においては、イオンが正面側のヒンジ付近から排出される。イオン機能は、横側に配置されているスライドスイッチによって、オン/オフにすることができる。この周知のヘアケア装置の場合も、その操作に関して欠点がある。1つには、前記のスライドスイッチの操作性が悪いこと、もう1つは、この場合もイオン供給装置が損傷及び汚れの危険にさらされていることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US 2005/284495
【特許文献2】US 2005/194016
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらのことを前提として、本発明は、前述した種類のヘアケア装置を改善し、先行技術の欠点を回避して、有利な方法で先行技術を発展させるという課題に基づいている。とくに、ヘアケア装置の操作が単純化され、イオン供給装置が損傷から保護され、装置の汚れが防止されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本課題は、本発明に基づき、請求項1によるヘアケア装置によって解決される。好ましい発明の実施形態は、従属請求項の対象である。
【0008】
また、イオン供給装置が作動していない場合に、イオン供給装置を外部の影響から保護することも提案される。イオン供給装置を外部の影響、機械的損傷及び汚れから保護するため、イオン機能が必要とされない限り、イオン出口を塞いでおくことができる。本発明に基づき、このヘアケア装置は、イオン出口を塞ぐための閉鎖装置によって特徴づけられる。操作をとりわけ簡単にするために、ここでは、イオン供給装置を操作する前記の操作スイッチによって、閉鎖装置を開く又は閉めることができるように特に設定されている。この場合、前記の操作スイッチは、同時にオン/オフスイッチ又は出力レベルスイッチとしての機能も果たすことができる。すなわち、イオン供給装置をオン/オフにするか、又はその出力レベルを変更する電気的なスイッチ手段を有するか、又は操作することが可能である。このことによって、この操作スイッチは、一方で、イオン供給装置を機械的に保護し、他方で、制御技術的にイオン供給装置を操作するという二重機能をもつ。このことにより、イオン供給装置がオン/オフになる際に、閉鎖装置がいわば自動的に操作可能であるため、ヘアケア装置の操作が非常に簡素化される。更に、このイオン供給装置は、イオン輸送のためにのみ保護されるのではなく、イオン機能を備えていないヘアケア装置にも用いることができるという利点が生じる。
【0009】
この場合の閉鎖装置は、基本的に様々に形成することができる。本発明の有利な実施形態によれば、この閉鎖装置は、イオン出口の方へ向かって又はイオン出口の上に移動することのできる、移動可能に取り付けられた閉鎖エレメントを有しているため、閉鎖エレメントが閉鎖位置にある場合はイオン出口が塞がれる。この閉鎖エレメントは、この場合、スライドバルブの形で、移動するように装置ハウジングに取り付けることが可能である。代替の方法として、閉鎖エレメントを、旋回可能にハウジングに取り付けられたフラップの形に形成することもでき、このフラップは、イオン出口が必要ない場合、イオン出口の上に旋回することができる。
【0010】
有利であるのは、この場合、閉鎖エレメントの操作が、同時に操作スイッチを操作するように、及びその逆もできるように、閉鎖エレメントと操作スイッチとが連結されていることである。とくに、操作スイッチは、同時に閉鎖エレメントを形成することができ、その場合、操作スイッチは、イオン出口の上に移動することが可能であるか、又はイオン出口の上に移動可能なスライド部品を有している、例えばスライドスイッチの形に形成することができる。
【0011】
この代替又は補足として、特に有利な方法では、イオン出口が装置ハウジング内に格納できるように、及び/又は、ハウジング輪郭の内側に移動可能であるように、イオン出口を可動的に取り付けることが設定可能である。
【0012】
イオン出口の移動可能な取付けに関しては、様々な実施形態にすることが可能である。有利であるのは、旋回可能なフラップとしてイオン出口を形成することができることであり、有利な場合には、このフラップが、イオン出口を塞ぐために、装置ハウジング又は装置本体の輪郭内へ旋回して入ることができ、他方では、イオン出口を露出させて作動位置にするために、旋回して外に出ることができる。この場合、閉鎖装置は、移動可能なイオン出口及び関係する装置輪郭によってのみ形成することができる。代替の方法として、閉鎖装置が、補足的に前記の種類の閉鎖エレメントを有することができ、この閉鎖エレメントは、特にイオン出口の収納位置において、イオン出口の上に移動可能である。有利であるのは、この場合、特に、閉鎖エレメントのイオン出口方向への動きが、イオン出口をその収納位置に動かすような形で、閉鎖エレメントとイオン出口の動作との間の連結を設定することができる。例えば、旋回可能なフラップとしてイオン出口を形成する場合、このフラップは、傾斜面を形成する背部を有することができ、その背部の上に、スライドバルブとして形成された閉鎖エレメントが移動して、イオン出口が装置本体内に収納される。
【0013】
本発明の有利な発展形態においては、イオン出口を、収納及び引出し可能な押しボタンの形にも形成することができ、この場合、装置本体内への格納位置においては、イオン出口又はその開口部が装置本体内に格納されており、一方、押しボタンが引出し位置にある場合は、イオン出口又はその開口部が露出している。
【0014】
移動可能に取り付けられたイオン出口によって閉鎖装置を形成する場合、前記のイオン出口は、操作スイッチに連結される、及び/又は、操作スイッチによって形成されることができるため、イオン出口が収納されて装置輪郭の内側に隠されている位置と、イオン出口が引き出されて露出している位置との間で行われるイオン出口の閉鎖運動は、同時に、操作スイッチの操作運動として利用することが可能である。例えば、イオン出口を収納及び引出し可能な押しボタンの形に形成する場合、操作スイッチは、押しボタンスイッチとして形成することができる。
【0015】
閉鎖装置の操作を簡単にするために、本発明の発展形態においては、予張力手段を閉鎖装置に割り当てることが可能であり、この予張力手段が、閉鎖装置に対して開位置の方へ予張力をかける。それにもかかわらず、閉鎖装置が閉位置を保つことができるようにするため、有利な場合には、引き離し可能な保持手段が備えられており、これらの保持手段は、予張力手段の予張力に対して反対に作用することができる。この場合、保持手段は、様々に形成することができる。例えば、これらの保持手段は、前記の方法で、収納及び引出し可能なイオン出口の上に移動できる閉鎖エレメントによって形成されることができ、イオン出口は、例えばスプリングの形の前記予張力手段によって、その開位置の方向へテンションをかけられている。この代替又は補足として、引き出しの場合に知られているタッチラッチフィッティングのような方法で、及び/又は、ボールペンの場合に知られている回転/ロック機構の形で保持手段を備えることもでき、これらの保持手段は、同一方向への動きによって、ロックとロック解除とが交互に行われる。すなわち、最初にロックポイントに圧力を加えると、戻る動きにロックがかかり、一方で、もう一度圧力を加えることにより、ロックが解除され、戻る動きに制限はかからない。この原則は、特にボールペンの場合で知られており、この場合、最初に一回押すことによって、ボールペンの芯が外に出て、もう一度押すことによって芯は再び収納される。
【0016】
この場合、操作スイッチは、本発明の発展形態において、ヘアケア装置の補助機能を操作するために更に利用することができ、特に、この操作スイッチは、照明又は装置の他の機能を操作するための補助機能スイッチ手段を有することができる。
【0017】
髪及びユーザーの手によってイオンの排出部が塞がれないようにするため、本発明の発展形態においては、ヘアトリートメント手段、特に毛部分の反対側の装置背面にイオン出口を配置することができる。有利であるのは、このイオン出口が、ヘアケア装置の長手方向の中心面に対して左右対称に調整されている、及び/又は、ヘアケア装置の機能ヘッドに向けられていることから、イオン噴霧は、機能ヘッドの背面上に発生する。この場合、イオン出口は、実質的に背面に対して平行に調整されているため、イオンは、装置背面と実質的に平行に、装置背面上を越えて流出する。これの代替又は補足として、わずかに鋭角に傾けてイオン排出を行うようにすることができる。イオン出口は、背面に対して0°〜45°の角度で傾けることができる。
【0018】
装置の取扱い及び操作を更に簡単にするために、本発明の有利な実施形態に基づき、イオン出口の反対側に位置する装置面に操作スイッチを配置することができる。イオン出口が、前記の方法で装置背面に配置されている場合、操作スイッチは、機能ヘッドのヘアトリートメント手段、特にその毛部分が配置されている装置前面に配置することができる。このことによって、操作スイッチは、人間工学的に有利な形で操作できるようになり、特に、通常、装置前面に位置する親指によって操作することが可能である。このために、有利な場合は、普通に装置を握っている場合に、ユーザーの手の親指がくる装置本体付近に、操作スイッチが位置するようにすることができる。
【0019】
この場合、操作スイッチは、特に、前記のように閉鎖装置に連結している場合、2つ以上の位置を有することが可能である。とりわけ、操作スイッチの第1の位置では、閉鎖装置が閉じられると共にイオン供給装置がオフになっており、一方、操作スイッチの第2の位置においては、閉鎖装置が開かれると共にイオン供給装置がオフになっており、また、操作スイッチの第3の位置においては、閉鎖装置が開かれると共にイオン供給装置がオンになるように設定することができる。このことによって、例えば、イオン出口を同時に塞ぐことなく、イオン供給装置を短時間オフにすることができる。有利であるのは、例えば、スライドスイッチとして操作スイッチを形成する場合、1つの線に沿って3つの位置があり、前記の第2の位置は第1と第3の位置の中間に位置し、その際、第3の位置は、同時にスイッチの終端位置を形成することができるように、操作スイッチの動きによって、操作スイッチの3つの位置を、同一方向又は反対の方向に進めることができることである。
【0020】
しかしながら、操作スイッチは、スライドスイッチとして形成される必要はない。本発明の発展形態においては、操作スイッチが、傾斜可能にハウジングに取り付けられているロッカスイッチを有することもできる。本発明のその他の有利な実施形態によれば、この操作スイッチは、収納及び引出し可能にハウジングに取り付けられている押しボタンを含むこともできる。
【0021】
本発明の発展形態においては、操作スイッチが、それぞれ移動可能な複数の操作エレメントを有し、それらの操作エレメントには様々な機能が割り当てられている。特に、この場合、両方の操作エレメントが第2の操作エレメントの移動によって一緒に移動可能であると共に第1の操作エレメントが第2の操作エレメントに対し相対的に移動可能であるように、第1の操作エレメントが、第2の操作エレメントに移動可能に取り付けられているという形に、操作エレメントを配置することができる。ここでは、とくに、互いに組み込まれて取り付けられている2つの押しボタンを備えることができ、それらの一方のボタンが環状に形成され、もう一方のボタンをサポートしている。
【0022】
有利であるのは、この場合、操作エレメントの1つを、イオン供給装置のオン/オフ又はシフトレベル変更のための電気又は電子式制御手段に連結することができ、一方、もう1つの操作エレメントは、イオン出口を塞ぐ閉鎖装置に連結されていることである。
【0023】
本発明の特に有利な発展形態においては、閉鎖装置が、イオン供給装置を清掃するための清掃手段を有することができる。この清掃手段は、基本的に様々な形態及び形状を有することができる。有利な場合は、イオン出口内へ入り込むことのできる清掃エレメントを備えることができ、この清掃エレメントは、特に、刷毛形、スポンジ形又は布製のパッド形に形成することができる。このことによって、作動中又は閉鎖装置が開いている場合だけではなく、イオン出口に侵入する汚れを除去することができる。同時に、清掃エレメントは、壊れやすいイオンエミッターの先端を追加的に保護する働きもある。
【0024】
有利であるのは、閉鎖装置の移動可能に取り付けられた閉鎖エレメントに、清掃手段を取り付けることが可能であるため、閉鎖エレメントがイオン出口の方向へ又はイオン出口の上に移動する際に、前記の清掃エレメントが自動的にイオン出口内へ入れられることである。前記の方法において、イオン出口が移動可能に取り付けられている場合は、清掃エレメントを、装置ハウジング又は装置本体に固定して配置するか、又は移動可能に配置することもでき、それによって、イオン出口の閉鎖位置への収納時には、この清掃エレメントがイオン出口内へ入り込むことができる。
【0025】
装置の操作を全体として簡単にするため、本発明の発展形態においては、互いに分離可能な複数の装置モジュールを用いたモジュール方式の装置構造となっている。この場合、有利であるのは、機能ヘッドが、イオン供給装置とは別の装置モジュールに配置されていることである。特に、この機能ヘッドは、別の装置本体から取外し可能であり、また交換可能であるため、様々な機能ヘッドを装置に取り付けることができ、そのことによって、例えば、様々なヘアトリートメント機能を実行することができるか、又は、個々の異なるユーザーが個人の機能ヘッドを使用することができるようになる。この場合、イオン供給装置は、装置のベース本体に備えられているため、それぞれの交換可能な機能ヘッドがそれ自身のイオン供給手段を有している必要はない。更に、機能ヘッドが簡単に清掃でき、更に洗浄することまでできるという点で、機能ヘッド及びイオン供給装置の分離は有利である。有利な場合は、電気設備がないように、機能ヘッドが形成されている。
【0026】
機能ヘッドを簡単な方法で取外し及び/又は交換することができるように、有利な場合では、摩擦によるロック及び/又はポジティブロックができるように形成されている、ツールを使用せずに取外し可能な連結手段が備えられている。例えば、スライドキャッチ及び/又はロックキャッチ、及びロックポケットなどを備えることができ、それらを使って、機能ヘッドがしっかりと、しかも取外しが簡単なように、装置本体に固定することが可能となる。
【0027】
これらの特徴及び更なる特徴は、請求項の他にも、以下の説明からも発生するものであり、これらの特徴は、請求項における要約を顧慮せずに、それ自体又は副結合の形において、本発明の対象又は有利な実施形態を形成することができる。以下に好ましい実施例及び関係する図面を用いて、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】イオン出口が旋回可能なフラップの形で備えられている、本発明の有利な実施形態に基づく、イオン供給装置を有するヘアケア装置の縦断面図。
【図2】格納された、閉鎖位置にあるイオン出口を示す、図1のヘアブラシによる縦断面図。
【図3】清掃先端部を有する移動可能な閉鎖エレメントがイオン出口内へ移動して入ることができる、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの縦断面図。
【図4】移動して離れた、開位置にある閉鎖エレメントを示す、図3のヘアブラシによる縦断面図。
【図5】イオン出口が、押しボタンのように収納及び引出し可能なエレメントの形に形成されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの縦断面図。
【図6】格納された、閉鎖位置にあるイオン出口を示す、図5のヘアブラシによる断面図。
【図7】イオン供給装置を操作し、イオン出口用の閉鎖装置を閉める操作スイッチが、イオン出口の反対側に位置する操作前面上に配置されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの透視図。
【図8】引出し位置にある操作スイッチを示す、図7によるヘアブラシの透視図。
【図9】イオン供給装置及びイオン出口用の閉鎖装置を操作する操作スイッチが、イオン機能の操作とイオン出口の閉鎖のために、別々の操作エレメントを有している、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの透視図。
【図10】操作スイッチが、操作エレメントとしてスライドエレメントとプッシュエレメントとを有し、プッシュエレメントがスライドエレメントの上に配置されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの透視図。
【図11a】操作スイッチが、互いに組み込まれて取り付けられている2つのプッシュエレメントを有し、様々なシフト位置にある操作スイッチが示されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの操作スイッチの断面図。
【図11b】操作スイッチが、互いに組み込まれて取り付けられている2つのプッシュエレメントを有し、様々なシフト位置にある操作スイッチが示されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの操作スイッチの断面図。
【図11c】操作スイッチが、互いに組み込まれて取り付けられている2つのプッシュエレメントを有し、様々なシフト位置にある操作スイッチが示されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの操作スイッチの断面図。
【図11d】操作スイッチが、互いに組み込まれて取り付けられている2つのプッシュエレメントを有し、様々なシフト位置にある操作スイッチが示されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの操作スイッチの断面図。
【図11e】操作スイッチが、互いに組み込まれて取り付けられている2つのプッシュエレメントを有し、様々なシフト位置にある操作スイッチが示されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの操作スイッチの断面図。
【図11f】操作スイッチが、互いに組み込まれて取り付けられている2つのプッシュエレメントを有し、様々なシフト位置にある操作スイッチが示されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの操作スイッチの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1及び2に示されているヘアケア装置1は、ヘアブラシとして形成され、装置ベース本体20を有しており、この装置ベース本体20はグリップとして形成され、その内部には、更に説明される電子式設備を有している。前記のグリップ3は、ヘアトリートメント手段5として毛部分6をもつ機能ヘッド4を保持している。しかしながら、ヘアケア装置がヘアフォーム装置及び/又はヘアドライヤーとして形成されている場合は、例えば、ヘアアイロン及びヘアフォームエレメント又は送風出口などのその他のヘアトリートメントツールも備えることができることは自明である。前記のヘアトリートメント手段は、例えば、毛部分6内にエア排出スリットが備えられるように、必要に応じて、互いに組み合わせることもできる。
【0030】
有利であるのは、ヘアケア装置1は、互いに取付け可能な複数のモジュールによるモジュール構造となっていることである。とくに、機能ヘッド4は、装置ベース本体20とは別個に形成されており、この場合、両方のモジュール間で、例えばラッチ凸部及びラッチ凹部の形でのポジティブロックに働く連結手段が備えられ、このようなラッチは、ツールを用いない機能ヘッド4の脱着を可能にする。
【0031】
グリップ3を形成している装置ベース本体20には、更に、周知の方法で形成されたイオンエミッターを含むイオン供給装置8が備えられており、このイオンエミッターは、装置ベース本体20の内部に配置され、装置ベース本体20のハウジング2の範囲に配置されているイオン出口9に連結されている(図1を参照)。図に示されている実施形態では、イオン出口9がノズル形又はディフューザーのように形成され、イオンの流出を調整するのに作用する。この場合、図に示された実施形態においては、イオン出口9が、有利な場合、毛部分6の反対側にある、いわばヘアブラシの背面を形成する装置背面21に配置されている。この場合、イオン出口9は、実質的にヘアケア装置1の長手方向の中心面において、この中心面に対して平行に配置され、機能ヘッド4又はその背面の方向へ向けられているため、機能ヘッド4の上にかかるイオン噴霧を放出することができる。この場合、図に示された実施形態において、イオン出口9は、その主要排出方向がグリップ3の長軸に対して約25°の角度で傾けられている(図1を参照)。
【0032】
その際、前記のイオン出口9は、図1及び2に示されている実施形態において、旋回可能にハウジング2に取り付けられているフラップとして形成されており、このフラップは、イオンを排出する排出ダクトを有している。図1及び2の比較が示すように、この場合、フラップとして形成されているイオン出口9は、実質的にハウジング表面に対して平行に調整されている旋回軸の周りを旋回可能であり、イオン出口9が旋回によってハウジング2内に格納されるか、又は、逆にハウジング2から外へ旋回できるようにされている。格納位置において、イオン出口9の開口部は、ハウジング2の内部にいわば隠されており、一方、引出し位置においては、イオン出口9の開口部が、ハウジング2の外部に露出された状態で配置されている(図1及び2を参照)。
【0033】
格納可能なイオン出口9を操作するため、図に示された実施形態においては、ハウジング表面に配置され、ハウジング表面に沿って移動可能である操作スイッチ10が、スライドエレメント又はスライドバルブ22の形で備えられている。前記のスライドバルブ22は、この場合、イオン出口9の上に移動することができるため、イオン出口9は、ハウジング2内へ旋回して押し込まれる。イオン出口9の背面とスライドバルブ22のかみ合い部分とは、この場合、ウェッジ面ペア又は傾斜面ペアを形成し、これが、ハウジング表面と平行なスライドバルブ22の移動動作を、前記のハウジング表面に対して実質的に垂直なイオン出口9の旋回運動に転換する。
【0034】
図1及び2が示しているように、イオン出口9には、予張力手段13がスプリングエレメント23の形で配置されており、このスプリングエレメント23が、イオン出口9をその引出し位置の方向へ予張力をかけている。これに対して、スライドバルブ22が図2に示された位置にある場合に、スライドバルブ22は、スプリングの予張力に対抗してイオン出口9を収納位置に保持することのできる保持手段14を形成する。
【0035】
イオン出口9の格納可能な形態は、イオン出口9が旋回して入ることのできるハウジング輪郭とともに、冒頭に述べた閉鎖装置11を形成し、この閉鎖装置11を用いて、イオン出口9は塞がれることができる。
【0036】
有利であるのは、操作スイッチ10が、スライドエレメント又はスライドバルブ22の他にも、電気又は電子式制御及び/又はスイッチ手段24を含んでおり、それらを用いて、イオン供給装置8の出力を制御し、特にイオン供給装置8をオン/オフにすることができることである。前記のスイッチ手段24は、有利な場合、スライドバルブ22と連結されているため、イオン出口9の閉又は開と同時に、イオン供給装置8を作動又は非作動にすることもできる。
【0037】
図3、4は、基本的に図1及び2に類似したヘアブラシの実施形態を示し、前述の説明に指摘がない限り、その中で対応する構成部品には同一の番号が付されている。図3及び4が示しているように、この実施形態の場合、閉鎖装置11は、イオン出口9の方へ移動することができる閉鎖エレメント12によって形成される。閉鎖エレメント12は、この場合、スライドバルブ22として形成されている操作スイッチ10の部分に備えられている。前の実施形態と比較して、ハウジング2内へのイオン出口9の収納は備えられていない。むしろ、閉鎖エレメント12は、イオン出口9を塞ぐために、イオン出口9の方へ移動する。
【0038】
この場合、有利であるのは、閉鎖エレメント12に、イオン出口9及びイオン供給装置8を清掃するための清掃手段15が備えられていることである。ここでは、清掃手段15が、軟体として形成されている清掃エレメント16を含み、閉鎖エレメント12がイオン出口9に突きあたるときに、この清掃エレメント16が前記のイオン出口9内へ入り込む。ここでは、清掃エレメント9の先端が、有利な場合、イオン供給装置8も清掃するために、イオン供給装置8の先端の方へ移動することができる。閉鎖エレメント12が、イオン出口9から離れると、清掃エレメント16もイオン出口9から離れ、その中にある汚れを一緒に取り去る(図4を参照)。有利であるのは、この実施形態の場合にも、閉鎖装置11が操作される操作スイッチ10が、同時に、イオン供給装置8の作動又は作動解除を行うために備えられていることである。スライドバルブ22が閉鎖装置11を開く位置に達すると、このスライドバルブ22は、該当する電気式スイッチ手段24を操作する(図4参照)。
【0039】
図5及び6が示すように、イオン出口9は、ピストン又は押しボタンのように形成されたスイッチエレメントの形にも形成されることができ、このスイッチエレメントは、直線的にハウジング2内に収納され、逆の方向にハウジング2から出ることができる。図5が示している引出し位置においてはイオン出口9が露出されており、一方、図6に示す収納位置においてはイオン出口9又はその開口部がハウジング2の内部に隠されている。この場合、有利であるのは、イオン出口9を形成するスイッチエレメントに、スプリングエレメントの形で予張力装置が配置されており、この装置が、その開位置の方へイオン出口9に予張力をかけていることである。このスプリングの予張力に対抗して、イオン出口9を格納位置に保持することができるようにするため、保持手段14が、ボールペンから周知のように、好ましくは回転/ロック装置の形で配置されている。これに対応して、イオン出口9は、収納されているロック位置に圧力を加えることによって、再びロック解除されることができるため、イオン出口9は、スプリングの予張力によってハウジングから外に出ることができる。引き続いてもう一度圧力を加えると、逆に、イオン出口9は、再びその閉鎖位置にロックされる。
【0040】
イオン出口9又は、イオン出口9を有する押しボタン形のスイッチエレメントは、有利な場合、同時に操作スイッチ10を形成し、それによって、イオン供給装置8が作動又は作動解除される、及び/又は、その出力レベルが制御可能である。このために、装置ハウジング2の内部にある対応するスイッチ手段24が、操作スイッチ10によって操作可能になっている。
【0041】
図7及び8が示しているように、操作スイッチ10は、有利な場合、イオン出口9の反対側に位置している装置面にも配置することができる。このイオン出口9が、前に説明した方法で、装置背面に配置されている場合、この操作スイッチ10は、同じくヘアブラシの毛部分6が配置されている装置前面に配置されている(図7及び8を参照)。その際、操作スイッチ10は、イオン出口9とともに、装置ハウジング2をいわば通過するように形成されることが可能なため、操作スイッチ10を押し込むと、反対に位置する側でイオン出口9が外に出て、その逆の方向も行われる。これの代替として、操作スイッチ10を押し込んだ場合に、反対側に位置するイオン出口9も収納されるように、該当するギヤ連結により、操作スイッチ10をイオン出口9に連結することも可能である。代替の方法として、反対側の面で移動可能に取り付けられている閉鎖エレメント12と操作スイッチ10とを連結することもでき、この操作エレメント12は、図3及び4による実施形態と同じように、イオン出口9を閉鎖するために、イオン出口9の方へ移動することができる。イオン供給装置8をオン/オフにする、又はその出力を制御するため、及び/又は、照明などその他の補助機能をオン/オフにするために、前に説明した方法で、図7及び8による実施形態の場合も、操作スイッチ10は更なるスイッチ手段を有する、及び/又は、操作することができる。この場合、有利であるのは、操作スイッチ10が、様々な長さの操作距離によって、様々な機能を制御することであり、特に、操作スイッチ10を完全に押し込むか又は引き出すことによって閉鎖装置11が操作される一方、前記の更なるスイッチ手段を操作するため、特に、照明をオン/オフにするために、及び/又は、例えばイオン供給装置8がタイマースイッチによって所定時間後にオフにされた場合に、イオン供給装置8を再作動するためには、閉鎖装置11が開いている位置から、操作スイッチ10を短く操作することで十分である。
【0042】
図9が示しているように、操作スイッチ10は、独立した2つの操作エレメント18及び19を有することができ、これらの操作エレメントは、同一又は異なる操作原理を実行することができる。図に示された実施形態では、この場合、一方の操作エレメント18が押しボタンとして形成され、もう一方の操作エレメント19がスライドバルブとして形成されている。有利な場合は、このとき、スライドバルブが閉鎖装置11を操作するために備えられ、一方、押しボタンが前記の更なるスイッチ手段を制御するために備えられており、特にイオン供給装置8又はその他の補助機能の作動に働くことができる。
【0043】
図10が示しているように、両方の操作エレメント18及び19は、互いに一体化されて、又は互いに1つのユニットに結合することができる。この場合、図10に示された実施形態においては、押しボタンとして形成された操作エレメント18が、スライドバルブとして形成された操作エレメント19の上に取り付けられているため、両方の操作エレメント18及び19は一緒に移動することができ、有利であるのは、それによって閉鎖装置11が操作されることである。補助的に、押しボタンとして形成された第1の操作エレメント18は、前記の更なるスイッチ手段を操作するために、他方の操作エレメント19に対して相対的にも操作されることができる。
【0044】
図11は、このような2つの操作エレメント18及び19を有する操作スイッチ10の代替の実施形態を示している。ここでは、両方の操作エレメント18及び19が押しボタンとして形成されている。図11が示しているように、この場合、有利であるのは、両方の操作エレメント18及び19が互いに一体化されていることである。一方の操作エレメントは環状に形成され、その操作エレメント内に他方の操作エレメントを保持している。操作スイッチ10は、図11aに示されている位置から、図11bが示しているように全体を押されると、一方では、閉鎖装置11が開かれ、もう一方で、イオン供給装置8が作動する。イオン供給装置8は、この場合、内部の操作エレメントが飛び出すことによって作動することができる(図11cを参照)。タイマースイッチによって、所定の時間が経過した後、イオン機能が停止した場合、両方の操作エレメントのうち、内部の操作エレメントを短くタッチするだけで、イオン機能を再作動することができる。そのために連結されているボタンが、イオン機能を再び作動させる。反対に、イオン供給装置8を完全にオフにして、閉鎖装置11を再び閉めたい場合は、両方の操作エレメント18及び19を完全に押し込むと(図11eを参照)、それによって再び初期位置に戻る(図11fを参照)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリップと、好ましくは毛部分及び/又は歯の部分及び/又は送風出口手段を含むヘアトリートメント手段を有する機能ヘッドと、少なくとも1つのイオン出口を有し、操作スイッチによって操作可能であり、イオンを放出するイオン供給装置と、を有するヘアケア装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては、ヘアドライヤー及びヘアブラシなどのヘアケア装置が、その第1の機能、すなわち、髪を乾かすためのエア供給又は髪をとかすこと、ブラッシング及びスタイリングといった機能の他に、追加用途としてイオンを供給することが知られている。この種のイオンは、通常マイナス電子を帯電している分子である。このようなイオンの適用によって、髪及びヘアケアが改善され、とくに、髪が静電気に帯電するのを抑え、それによって髪が逆立つのを予防し、更に、保湿性を向上させることができる。
【0003】
US 2005/284495から、ヘアブラシの毛部分とは反対側の装置背面及び毛の部分を有する装置前面に、機能ヘッドの方向へイオンを排出するイオン出口がそれぞれ1つ取り付けられた一体型ブラシヘッド付きのヘアブラシ又はヘアドライヤーが周知である。しかし、この周知のヘアケア装置は、イオン供給装置の操作に関して改良可能であり、とりわけイオンエミッターは、その突出した配置が原因で、損傷及び汚れの危険にさらされている。
【0004】
US 2005/194016から、更に、携帯電話のように折りたたみ可能なヘアブラシが周知であり、その一方の折りたたみ部分に毛部分が取り付けられ、もう一方の折りたたみ部分にイオン供給装置が取り付けられている。イオン出口は、この場合、前記第2の折りたたみ部分の、折りたたみヒンジ付近の正面側に配置されているため、開いた状態においては、イオンが毛部分へ向けられ、折りたたまれた状態においては、イオンが正面側のヒンジ付近から排出される。イオン機能は、横側に配置されているスライドスイッチによって、オン/オフにすることができる。この周知のヘアケア装置の場合も、その操作に関して欠点がある。1つには、前記のスライドスイッチの操作性が悪いこと、もう1つは、この場合もイオン供給装置が損傷及び汚れの危険にさらされていることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】US 2005/284495
【特許文献2】US 2005/194016
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらのことを前提として、本発明は、前述した種類のヘアケア装置を改善し、先行技術の欠点を回避して、有利な方法で先行技術を発展させるという課題に基づいている。とくに、ヘアケア装置の操作が単純化され、イオン供給装置が損傷から保護され、装置の汚れが防止されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本課題は、本発明に基づき、請求項1によるヘアケア装置によって解決される。好ましい発明の実施形態は、従属請求項の対象である。
【0008】
また、イオン供給装置が作動していない場合に、イオン供給装置を外部の影響から保護することも提案される。イオン供給装置を外部の影響、機械的損傷及び汚れから保護するため、イオン機能が必要とされない限り、イオン出口を塞いでおくことができる。本発明に基づき、このヘアケア装置は、イオン出口を塞ぐための閉鎖装置によって特徴づけられる。操作をとりわけ簡単にするために、ここでは、イオン供給装置を操作する前記の操作スイッチによって、閉鎖装置を開く又は閉めることができるように特に設定されている。この場合、前記の操作スイッチは、同時にオン/オフスイッチ又は出力レベルスイッチとしての機能も果たすことができる。すなわち、イオン供給装置をオン/オフにするか、又はその出力レベルを変更する電気的なスイッチ手段を有するか、又は操作することが可能である。このことによって、この操作スイッチは、一方で、イオン供給装置を機械的に保護し、他方で、制御技術的にイオン供給装置を操作するという二重機能をもつ。このことにより、イオン供給装置がオン/オフになる際に、閉鎖装置がいわば自動的に操作可能であるため、ヘアケア装置の操作が非常に簡素化される。更に、このイオン供給装置は、イオン輸送のためにのみ保護されるのではなく、イオン機能を備えていないヘアケア装置にも用いることができるという利点が生じる。
【0009】
この場合の閉鎖装置は、基本的に様々に形成することができる。本発明の有利な実施形態によれば、この閉鎖装置は、イオン出口の方へ向かって又はイオン出口の上に移動することのできる、移動可能に取り付けられた閉鎖エレメントを有しているため、閉鎖エレメントが閉鎖位置にある場合はイオン出口が塞がれる。この閉鎖エレメントは、この場合、スライドバルブの形で、移動するように装置ハウジングに取り付けることが可能である。代替の方法として、閉鎖エレメントを、旋回可能にハウジングに取り付けられたフラップの形に形成することもでき、このフラップは、イオン出口が必要ない場合、イオン出口の上に旋回することができる。
【0010】
有利であるのは、この場合、閉鎖エレメントの操作が、同時に操作スイッチを操作するように、及びその逆もできるように、閉鎖エレメントと操作スイッチとが連結されていることである。とくに、操作スイッチは、同時に閉鎖エレメントを形成することができ、その場合、操作スイッチは、イオン出口の上に移動することが可能であるか、又はイオン出口の上に移動可能なスライド部品を有している、例えばスライドスイッチの形に形成することができる。
【0011】
この代替又は補足として、特に有利な方法では、イオン出口が装置ハウジング内に格納できるように、及び/又は、ハウジング輪郭の内側に移動可能であるように、イオン出口を可動的に取り付けることが設定可能である。
【0012】
イオン出口の移動可能な取付けに関しては、様々な実施形態にすることが可能である。有利であるのは、旋回可能なフラップとしてイオン出口を形成することができることであり、有利な場合には、このフラップが、イオン出口を塞ぐために、装置ハウジング又は装置本体の輪郭内へ旋回して入ることができ、他方では、イオン出口を露出させて作動位置にするために、旋回して外に出ることができる。この場合、閉鎖装置は、移動可能なイオン出口及び関係する装置輪郭によってのみ形成することができる。代替の方法として、閉鎖装置が、補足的に前記の種類の閉鎖エレメントを有することができ、この閉鎖エレメントは、特にイオン出口の収納位置において、イオン出口の上に移動可能である。有利であるのは、この場合、特に、閉鎖エレメントのイオン出口方向への動きが、イオン出口をその収納位置に動かすような形で、閉鎖エレメントとイオン出口の動作との間の連結を設定することができる。例えば、旋回可能なフラップとしてイオン出口を形成する場合、このフラップは、傾斜面を形成する背部を有することができ、その背部の上に、スライドバルブとして形成された閉鎖エレメントが移動して、イオン出口が装置本体内に収納される。
【0013】
本発明の有利な発展形態においては、イオン出口を、収納及び引出し可能な押しボタンの形にも形成することができ、この場合、装置本体内への格納位置においては、イオン出口又はその開口部が装置本体内に格納されており、一方、押しボタンが引出し位置にある場合は、イオン出口又はその開口部が露出している。
【0014】
移動可能に取り付けられたイオン出口によって閉鎖装置を形成する場合、前記のイオン出口は、操作スイッチに連結される、及び/又は、操作スイッチによって形成されることができるため、イオン出口が収納されて装置輪郭の内側に隠されている位置と、イオン出口が引き出されて露出している位置との間で行われるイオン出口の閉鎖運動は、同時に、操作スイッチの操作運動として利用することが可能である。例えば、イオン出口を収納及び引出し可能な押しボタンの形に形成する場合、操作スイッチは、押しボタンスイッチとして形成することができる。
【0015】
閉鎖装置の操作を簡単にするために、本発明の発展形態においては、予張力手段を閉鎖装置に割り当てることが可能であり、この予張力手段が、閉鎖装置に対して開位置の方へ予張力をかける。それにもかかわらず、閉鎖装置が閉位置を保つことができるようにするため、有利な場合には、引き離し可能な保持手段が備えられており、これらの保持手段は、予張力手段の予張力に対して反対に作用することができる。この場合、保持手段は、様々に形成することができる。例えば、これらの保持手段は、前記の方法で、収納及び引出し可能なイオン出口の上に移動できる閉鎖エレメントによって形成されることができ、イオン出口は、例えばスプリングの形の前記予張力手段によって、その開位置の方向へテンションをかけられている。この代替又は補足として、引き出しの場合に知られているタッチラッチフィッティングのような方法で、及び/又は、ボールペンの場合に知られている回転/ロック機構の形で保持手段を備えることもでき、これらの保持手段は、同一方向への動きによって、ロックとロック解除とが交互に行われる。すなわち、最初にロックポイントに圧力を加えると、戻る動きにロックがかかり、一方で、もう一度圧力を加えることにより、ロックが解除され、戻る動きに制限はかからない。この原則は、特にボールペンの場合で知られており、この場合、最初に一回押すことによって、ボールペンの芯が外に出て、もう一度押すことによって芯は再び収納される。
【0016】
この場合、操作スイッチは、本発明の発展形態において、ヘアケア装置の補助機能を操作するために更に利用することができ、特に、この操作スイッチは、照明又は装置の他の機能を操作するための補助機能スイッチ手段を有することができる。
【0017】
髪及びユーザーの手によってイオンの排出部が塞がれないようにするため、本発明の発展形態においては、ヘアトリートメント手段、特に毛部分の反対側の装置背面にイオン出口を配置することができる。有利であるのは、このイオン出口が、ヘアケア装置の長手方向の中心面に対して左右対称に調整されている、及び/又は、ヘアケア装置の機能ヘッドに向けられていることから、イオン噴霧は、機能ヘッドの背面上に発生する。この場合、イオン出口は、実質的に背面に対して平行に調整されているため、イオンは、装置背面と実質的に平行に、装置背面上を越えて流出する。これの代替又は補足として、わずかに鋭角に傾けてイオン排出を行うようにすることができる。イオン出口は、背面に対して0°〜45°の角度で傾けることができる。
【0018】
装置の取扱い及び操作を更に簡単にするために、本発明の有利な実施形態に基づき、イオン出口の反対側に位置する装置面に操作スイッチを配置することができる。イオン出口が、前記の方法で装置背面に配置されている場合、操作スイッチは、機能ヘッドのヘアトリートメント手段、特にその毛部分が配置されている装置前面に配置することができる。このことによって、操作スイッチは、人間工学的に有利な形で操作できるようになり、特に、通常、装置前面に位置する親指によって操作することが可能である。このために、有利な場合は、普通に装置を握っている場合に、ユーザーの手の親指がくる装置本体付近に、操作スイッチが位置するようにすることができる。
【0019】
この場合、操作スイッチは、特に、前記のように閉鎖装置に連結している場合、2つ以上の位置を有することが可能である。とりわけ、操作スイッチの第1の位置では、閉鎖装置が閉じられると共にイオン供給装置がオフになっており、一方、操作スイッチの第2の位置においては、閉鎖装置が開かれると共にイオン供給装置がオフになっており、また、操作スイッチの第3の位置においては、閉鎖装置が開かれると共にイオン供給装置がオンになるように設定することができる。このことによって、例えば、イオン出口を同時に塞ぐことなく、イオン供給装置を短時間オフにすることができる。有利であるのは、例えば、スライドスイッチとして操作スイッチを形成する場合、1つの線に沿って3つの位置があり、前記の第2の位置は第1と第3の位置の中間に位置し、その際、第3の位置は、同時にスイッチの終端位置を形成することができるように、操作スイッチの動きによって、操作スイッチの3つの位置を、同一方向又は反対の方向に進めることができることである。
【0020】
しかしながら、操作スイッチは、スライドスイッチとして形成される必要はない。本発明の発展形態においては、操作スイッチが、傾斜可能にハウジングに取り付けられているロッカスイッチを有することもできる。本発明のその他の有利な実施形態によれば、この操作スイッチは、収納及び引出し可能にハウジングに取り付けられている押しボタンを含むこともできる。
【0021】
本発明の発展形態においては、操作スイッチが、それぞれ移動可能な複数の操作エレメントを有し、それらの操作エレメントには様々な機能が割り当てられている。特に、この場合、両方の操作エレメントが第2の操作エレメントの移動によって一緒に移動可能であると共に第1の操作エレメントが第2の操作エレメントに対し相対的に移動可能であるように、第1の操作エレメントが、第2の操作エレメントに移動可能に取り付けられているという形に、操作エレメントを配置することができる。ここでは、とくに、互いに組み込まれて取り付けられている2つの押しボタンを備えることができ、それらの一方のボタンが環状に形成され、もう一方のボタンをサポートしている。
【0022】
有利であるのは、この場合、操作エレメントの1つを、イオン供給装置のオン/オフ又はシフトレベル変更のための電気又は電子式制御手段に連結することができ、一方、もう1つの操作エレメントは、イオン出口を塞ぐ閉鎖装置に連結されていることである。
【0023】
本発明の特に有利な発展形態においては、閉鎖装置が、イオン供給装置を清掃するための清掃手段を有することができる。この清掃手段は、基本的に様々な形態及び形状を有することができる。有利な場合は、イオン出口内へ入り込むことのできる清掃エレメントを備えることができ、この清掃エレメントは、特に、刷毛形、スポンジ形又は布製のパッド形に形成することができる。このことによって、作動中又は閉鎖装置が開いている場合だけではなく、イオン出口に侵入する汚れを除去することができる。同時に、清掃エレメントは、壊れやすいイオンエミッターの先端を追加的に保護する働きもある。
【0024】
有利であるのは、閉鎖装置の移動可能に取り付けられた閉鎖エレメントに、清掃手段を取り付けることが可能であるため、閉鎖エレメントがイオン出口の方向へ又はイオン出口の上に移動する際に、前記の清掃エレメントが自動的にイオン出口内へ入れられることである。前記の方法において、イオン出口が移動可能に取り付けられている場合は、清掃エレメントを、装置ハウジング又は装置本体に固定して配置するか、又は移動可能に配置することもでき、それによって、イオン出口の閉鎖位置への収納時には、この清掃エレメントがイオン出口内へ入り込むことができる。
【0025】
装置の操作を全体として簡単にするため、本発明の発展形態においては、互いに分離可能な複数の装置モジュールを用いたモジュール方式の装置構造となっている。この場合、有利であるのは、機能ヘッドが、イオン供給装置とは別の装置モジュールに配置されていることである。特に、この機能ヘッドは、別の装置本体から取外し可能であり、また交換可能であるため、様々な機能ヘッドを装置に取り付けることができ、そのことによって、例えば、様々なヘアトリートメント機能を実行することができるか、又は、個々の異なるユーザーが個人の機能ヘッドを使用することができるようになる。この場合、イオン供給装置は、装置のベース本体に備えられているため、それぞれの交換可能な機能ヘッドがそれ自身のイオン供給手段を有している必要はない。更に、機能ヘッドが簡単に清掃でき、更に洗浄することまでできるという点で、機能ヘッド及びイオン供給装置の分離は有利である。有利な場合は、電気設備がないように、機能ヘッドが形成されている。
【0026】
機能ヘッドを簡単な方法で取外し及び/又は交換することができるように、有利な場合では、摩擦によるロック及び/又はポジティブロックができるように形成されている、ツールを使用せずに取外し可能な連結手段が備えられている。例えば、スライドキャッチ及び/又はロックキャッチ、及びロックポケットなどを備えることができ、それらを使って、機能ヘッドがしっかりと、しかも取外しが簡単なように、装置本体に固定することが可能となる。
【0027】
これらの特徴及び更なる特徴は、請求項の他にも、以下の説明からも発生するものであり、これらの特徴は、請求項における要約を顧慮せずに、それ自体又は副結合の形において、本発明の対象又は有利な実施形態を形成することができる。以下に好ましい実施例及び関係する図面を用いて、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】イオン出口が旋回可能なフラップの形で備えられている、本発明の有利な実施形態に基づく、イオン供給装置を有するヘアケア装置の縦断面図。
【図2】格納された、閉鎖位置にあるイオン出口を示す、図1のヘアブラシによる縦断面図。
【図3】清掃先端部を有する移動可能な閉鎖エレメントがイオン出口内へ移動して入ることができる、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの縦断面図。
【図4】移動して離れた、開位置にある閉鎖エレメントを示す、図3のヘアブラシによる縦断面図。
【図5】イオン出口が、押しボタンのように収納及び引出し可能なエレメントの形に形成されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの縦断面図。
【図6】格納された、閉鎖位置にあるイオン出口を示す、図5のヘアブラシによる断面図。
【図7】イオン供給装置を操作し、イオン出口用の閉鎖装置を閉める操作スイッチが、イオン出口の反対側に位置する操作前面上に配置されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの透視図。
【図8】引出し位置にある操作スイッチを示す、図7によるヘアブラシの透視図。
【図9】イオン供給装置及びイオン出口用の閉鎖装置を操作する操作スイッチが、イオン機能の操作とイオン出口の閉鎖のために、別々の操作エレメントを有している、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの透視図。
【図10】操作スイッチが、操作エレメントとしてスライドエレメントとプッシュエレメントとを有し、プッシュエレメントがスライドエレメントの上に配置されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの透視図。
【図11a】操作スイッチが、互いに組み込まれて取り付けられている2つのプッシュエレメントを有し、様々なシフト位置にある操作スイッチが示されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの操作スイッチの断面図。
【図11b】操作スイッチが、互いに組み込まれて取り付けられている2つのプッシュエレメントを有し、様々なシフト位置にある操作スイッチが示されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの操作スイッチの断面図。
【図11c】操作スイッチが、互いに組み込まれて取り付けられている2つのプッシュエレメントを有し、様々なシフト位置にある操作スイッチが示されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの操作スイッチの断面図。
【図11d】操作スイッチが、互いに組み込まれて取り付けられている2つのプッシュエレメントを有し、様々なシフト位置にある操作スイッチが示されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの操作スイッチの断面図。
【図11e】操作スイッチが、互いに組み込まれて取り付けられている2つのプッシュエレメントを有し、様々なシフト位置にある操作スイッチが示されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの操作スイッチの断面図。
【図11f】操作スイッチが、互いに組み込まれて取り付けられている2つのプッシュエレメントを有し、様々なシフト位置にある操作スイッチが示されている、本発明の更なる有利な実施形態に基づく、ヘアブラシの操作スイッチの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1及び2に示されているヘアケア装置1は、ヘアブラシとして形成され、装置ベース本体20を有しており、この装置ベース本体20はグリップとして形成され、その内部には、更に説明される電子式設備を有している。前記のグリップ3は、ヘアトリートメント手段5として毛部分6をもつ機能ヘッド4を保持している。しかしながら、ヘアケア装置がヘアフォーム装置及び/又はヘアドライヤーとして形成されている場合は、例えば、ヘアアイロン及びヘアフォームエレメント又は送風出口などのその他のヘアトリートメントツールも備えることができることは自明である。前記のヘアトリートメント手段は、例えば、毛部分6内にエア排出スリットが備えられるように、必要に応じて、互いに組み合わせることもできる。
【0030】
有利であるのは、ヘアケア装置1は、互いに取付け可能な複数のモジュールによるモジュール構造となっていることである。とくに、機能ヘッド4は、装置ベース本体20とは別個に形成されており、この場合、両方のモジュール間で、例えばラッチ凸部及びラッチ凹部の形でのポジティブロックに働く連結手段が備えられ、このようなラッチは、ツールを用いない機能ヘッド4の脱着を可能にする。
【0031】
グリップ3を形成している装置ベース本体20には、更に、周知の方法で形成されたイオンエミッターを含むイオン供給装置8が備えられており、このイオンエミッターは、装置ベース本体20の内部に配置され、装置ベース本体20のハウジング2の範囲に配置されているイオン出口9に連結されている(図1を参照)。図に示されている実施形態では、イオン出口9がノズル形又はディフューザーのように形成され、イオンの流出を調整するのに作用する。この場合、図に示された実施形態においては、イオン出口9が、有利な場合、毛部分6の反対側にある、いわばヘアブラシの背面を形成する装置背面21に配置されている。この場合、イオン出口9は、実質的にヘアケア装置1の長手方向の中心面において、この中心面に対して平行に配置され、機能ヘッド4又はその背面の方向へ向けられているため、機能ヘッド4の上にかかるイオン噴霧を放出することができる。この場合、図に示された実施形態において、イオン出口9は、その主要排出方向がグリップ3の長軸に対して約25°の角度で傾けられている(図1を参照)。
【0032】
その際、前記のイオン出口9は、図1及び2に示されている実施形態において、旋回可能にハウジング2に取り付けられているフラップとして形成されており、このフラップは、イオンを排出する排出ダクトを有している。図1及び2の比較が示すように、この場合、フラップとして形成されているイオン出口9は、実質的にハウジング表面に対して平行に調整されている旋回軸の周りを旋回可能であり、イオン出口9が旋回によってハウジング2内に格納されるか、又は、逆にハウジング2から外へ旋回できるようにされている。格納位置において、イオン出口9の開口部は、ハウジング2の内部にいわば隠されており、一方、引出し位置においては、イオン出口9の開口部が、ハウジング2の外部に露出された状態で配置されている(図1及び2を参照)。
【0033】
格納可能なイオン出口9を操作するため、図に示された実施形態においては、ハウジング表面に配置され、ハウジング表面に沿って移動可能である操作スイッチ10が、スライドエレメント又はスライドバルブ22の形で備えられている。前記のスライドバルブ22は、この場合、イオン出口9の上に移動することができるため、イオン出口9は、ハウジング2内へ旋回して押し込まれる。イオン出口9の背面とスライドバルブ22のかみ合い部分とは、この場合、ウェッジ面ペア又は傾斜面ペアを形成し、これが、ハウジング表面と平行なスライドバルブ22の移動動作を、前記のハウジング表面に対して実質的に垂直なイオン出口9の旋回運動に転換する。
【0034】
図1及び2が示しているように、イオン出口9には、予張力手段13がスプリングエレメント23の形で配置されており、このスプリングエレメント23が、イオン出口9をその引出し位置の方向へ予張力をかけている。これに対して、スライドバルブ22が図2に示された位置にある場合に、スライドバルブ22は、スプリングの予張力に対抗してイオン出口9を収納位置に保持することのできる保持手段14を形成する。
【0035】
イオン出口9の格納可能な形態は、イオン出口9が旋回して入ることのできるハウジング輪郭とともに、冒頭に述べた閉鎖装置11を形成し、この閉鎖装置11を用いて、イオン出口9は塞がれることができる。
【0036】
有利であるのは、操作スイッチ10が、スライドエレメント又はスライドバルブ22の他にも、電気又は電子式制御及び/又はスイッチ手段24を含んでおり、それらを用いて、イオン供給装置8の出力を制御し、特にイオン供給装置8をオン/オフにすることができることである。前記のスイッチ手段24は、有利な場合、スライドバルブ22と連結されているため、イオン出口9の閉又は開と同時に、イオン供給装置8を作動又は非作動にすることもできる。
【0037】
図3、4は、基本的に図1及び2に類似したヘアブラシの実施形態を示し、前述の説明に指摘がない限り、その中で対応する構成部品には同一の番号が付されている。図3及び4が示しているように、この実施形態の場合、閉鎖装置11は、イオン出口9の方へ移動することができる閉鎖エレメント12によって形成される。閉鎖エレメント12は、この場合、スライドバルブ22として形成されている操作スイッチ10の部分に備えられている。前の実施形態と比較して、ハウジング2内へのイオン出口9の収納は備えられていない。むしろ、閉鎖エレメント12は、イオン出口9を塞ぐために、イオン出口9の方へ移動する。
【0038】
この場合、有利であるのは、閉鎖エレメント12に、イオン出口9及びイオン供給装置8を清掃するための清掃手段15が備えられていることである。ここでは、清掃手段15が、軟体として形成されている清掃エレメント16を含み、閉鎖エレメント12がイオン出口9に突きあたるときに、この清掃エレメント16が前記のイオン出口9内へ入り込む。ここでは、清掃エレメント9の先端が、有利な場合、イオン供給装置8も清掃するために、イオン供給装置8の先端の方へ移動することができる。閉鎖エレメント12が、イオン出口9から離れると、清掃エレメント16もイオン出口9から離れ、その中にある汚れを一緒に取り去る(図4を参照)。有利であるのは、この実施形態の場合にも、閉鎖装置11が操作される操作スイッチ10が、同時に、イオン供給装置8の作動又は作動解除を行うために備えられていることである。スライドバルブ22が閉鎖装置11を開く位置に達すると、このスライドバルブ22は、該当する電気式スイッチ手段24を操作する(図4参照)。
【0039】
図5及び6が示すように、イオン出口9は、ピストン又は押しボタンのように形成されたスイッチエレメントの形にも形成されることができ、このスイッチエレメントは、直線的にハウジング2内に収納され、逆の方向にハウジング2から出ることができる。図5が示している引出し位置においてはイオン出口9が露出されており、一方、図6に示す収納位置においてはイオン出口9又はその開口部がハウジング2の内部に隠されている。この場合、有利であるのは、イオン出口9を形成するスイッチエレメントに、スプリングエレメントの形で予張力装置が配置されており、この装置が、その開位置の方へイオン出口9に予張力をかけていることである。このスプリングの予張力に対抗して、イオン出口9を格納位置に保持することができるようにするため、保持手段14が、ボールペンから周知のように、好ましくは回転/ロック装置の形で配置されている。これに対応して、イオン出口9は、収納されているロック位置に圧力を加えることによって、再びロック解除されることができるため、イオン出口9は、スプリングの予張力によってハウジングから外に出ることができる。引き続いてもう一度圧力を加えると、逆に、イオン出口9は、再びその閉鎖位置にロックされる。
【0040】
イオン出口9又は、イオン出口9を有する押しボタン形のスイッチエレメントは、有利な場合、同時に操作スイッチ10を形成し、それによって、イオン供給装置8が作動又は作動解除される、及び/又は、その出力レベルが制御可能である。このために、装置ハウジング2の内部にある対応するスイッチ手段24が、操作スイッチ10によって操作可能になっている。
【0041】
図7及び8が示しているように、操作スイッチ10は、有利な場合、イオン出口9の反対側に位置している装置面にも配置することができる。このイオン出口9が、前に説明した方法で、装置背面に配置されている場合、この操作スイッチ10は、同じくヘアブラシの毛部分6が配置されている装置前面に配置されている(図7及び8を参照)。その際、操作スイッチ10は、イオン出口9とともに、装置ハウジング2をいわば通過するように形成されることが可能なため、操作スイッチ10を押し込むと、反対に位置する側でイオン出口9が外に出て、その逆の方向も行われる。これの代替として、操作スイッチ10を押し込んだ場合に、反対側に位置するイオン出口9も収納されるように、該当するギヤ連結により、操作スイッチ10をイオン出口9に連結することも可能である。代替の方法として、反対側の面で移動可能に取り付けられている閉鎖エレメント12と操作スイッチ10とを連結することもでき、この操作エレメント12は、図3及び4による実施形態と同じように、イオン出口9を閉鎖するために、イオン出口9の方へ移動することができる。イオン供給装置8をオン/オフにする、又はその出力を制御するため、及び/又は、照明などその他の補助機能をオン/オフにするために、前に説明した方法で、図7及び8による実施形態の場合も、操作スイッチ10は更なるスイッチ手段を有する、及び/又は、操作することができる。この場合、有利であるのは、操作スイッチ10が、様々な長さの操作距離によって、様々な機能を制御することであり、特に、操作スイッチ10を完全に押し込むか又は引き出すことによって閉鎖装置11が操作される一方、前記の更なるスイッチ手段を操作するため、特に、照明をオン/オフにするために、及び/又は、例えばイオン供給装置8がタイマースイッチによって所定時間後にオフにされた場合に、イオン供給装置8を再作動するためには、閉鎖装置11が開いている位置から、操作スイッチ10を短く操作することで十分である。
【0042】
図9が示しているように、操作スイッチ10は、独立した2つの操作エレメント18及び19を有することができ、これらの操作エレメントは、同一又は異なる操作原理を実行することができる。図に示された実施形態では、この場合、一方の操作エレメント18が押しボタンとして形成され、もう一方の操作エレメント19がスライドバルブとして形成されている。有利な場合は、このとき、スライドバルブが閉鎖装置11を操作するために備えられ、一方、押しボタンが前記の更なるスイッチ手段を制御するために備えられており、特にイオン供給装置8又はその他の補助機能の作動に働くことができる。
【0043】
図10が示しているように、両方の操作エレメント18及び19は、互いに一体化されて、又は互いに1つのユニットに結合することができる。この場合、図10に示された実施形態においては、押しボタンとして形成された操作エレメント18が、スライドバルブとして形成された操作エレメント19の上に取り付けられているため、両方の操作エレメント18及び19は一緒に移動することができ、有利であるのは、それによって閉鎖装置11が操作されることである。補助的に、押しボタンとして形成された第1の操作エレメント18は、前記の更なるスイッチ手段を操作するために、他方の操作エレメント19に対して相対的にも操作されることができる。
【0044】
図11は、このような2つの操作エレメント18及び19を有する操作スイッチ10の代替の実施形態を示している。ここでは、両方の操作エレメント18及び19が押しボタンとして形成されている。図11が示しているように、この場合、有利であるのは、両方の操作エレメント18及び19が互いに一体化されていることである。一方の操作エレメントは環状に形成され、その操作エレメント内に他方の操作エレメントを保持している。操作スイッチ10は、図11aに示されている位置から、図11bが示しているように全体を押されると、一方では、閉鎖装置11が開かれ、もう一方で、イオン供給装置8が作動する。イオン供給装置8は、この場合、内部の操作エレメントが飛び出すことによって作動することができる(図11cを参照)。タイマースイッチによって、所定の時間が経過した後、イオン機能が停止した場合、両方の操作エレメントのうち、内部の操作エレメントを短くタッチするだけで、イオン機能を再作動することができる。そのために連結されているボタンが、イオン機能を再び作動させる。反対に、イオン供給装置8を完全にオフにして、閉鎖装置11を再び閉めたい場合は、両方の操作エレメント18及び19を完全に押し込むと(図11eを参照)、それによって再び初期位置に戻る(図11fを参照)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリップ(3)と、
好ましくは毛部分及び/又は歯の部分(6)及び/又は送風出口手段(7)を含むヘアトリートメント手段(5)を有する機能ヘッド(4)と、
少なくとも1つのイオン出口(9)を有し、操作スイッチ(10)によって操作可能であり、イオンを放出するイオン供給装置(8)と、
前記イオン出口(9)を閉鎖する閉鎖装置(11)と、を備え、
該閉鎖装置(11)が、前記操作スイッチ(10)によって操作可能であることを特徴とするヘアケア装置。
【請求項2】
前記閉鎖装置(11)は、移動可能に取り付けられた閉鎖エレメント(12)を有し、
該閉鎖エレメント(12)が、前記イオン出口(9)の方へ及び/又はイオン出口(9)の上に移動可能である、請求項1に記載のヘアケア装置。
【請求項3】
前記閉鎖装置(12)が、前記操作スイッチ(10)に連結されている、及び/又は、前記操作スイッチ(10)によって形成されている、請求項2に記載のヘアケア装置。
【請求項4】
前記イオン出口(9)は、前記閉鎖装置(11)により装置ハウジング(2)内に格納できるように移動可能に取り付けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項5】
前記イオン出口(9)が、旋回可能なフラップとして形成されている、請求項4に記載のヘアケア装置。
【請求項6】
移動可能に取り付けられた前記イオン出口(9)が、前記操作スイッチ(10)に連結されている、及び/又は、前記操作スイッチ(10)によって形成されている、及び/又は、前記操作スイッチ(10)に一体化されている、請求項4又は5に記載のヘアケア装置。
【請求項7】
開位置の方向へ前記閉鎖装置(11)に予張力をかけるための予張力手段(13)、及び前記閉鎖装置(11)を閉位置に保持するための引き離し可能な保持手段(14)が、前記閉鎖装置(11)に割り当てられている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項8】
前記保持手段(14)が、移動可能に取り付けられた前記閉鎖エレメント(12)によって形成されており、該閉鎖エレメント(12)が、前記装置ハウジング(2)内に格納可能な前記イオン出口(9)の上に移動することができる、請求項2及び4と組み合わせた請求項7に記載のヘアケア装置。
【請求項9】
前記保持手段(14)が、前記閉鎖エレメント(12)及び/又は前記イオン出口(9)に圧力を加えることにより、閉位置から引き離し可能である、請求項8に記載のヘアケア装置。
【請求項10】
前記閉鎖装置(11)が、前記イオン供給装置(8)を清掃するための清掃手段(15)を有している、請求項1〜9のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項11】
前記操作スイッチ(10)が、装置の補助機能、好ましくは照明手段を操作するための補助機能スイッチ手段を有している、請求項1〜10のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項12】
前記操作スイッチ(10)の第1の位置においては、前記閉鎖装置(11)が閉じられると共に前記イオン供給装置(8)がオフになっており、前記操作スイッチ(10)の第2の位置においては、前記閉鎖装置(11)が開かれると共に前記イオン供給装置(8)がオフになっており、前記操作スイッチ(10)の第3の位置においては、前記閉鎖装置(11)が開かれると共に前記イオン供給装置(8)がオンになっている、請求項11に記載のヘアケア装置。
【請求項13】
前記操作スイッチ(10)の2つの操作エレメント(18、19)が、第2の操作エレメント(19)の移動によって一緒に移動可能であると共に、第1の操作エレメント(18)が、前記第2の操作エレメント(19)に対し相対的に移動可能であるように、前記第1の操作エレメント(18)が、前記第2の操作エレメント(19)に移動可能に取り付けられている、請求項12に記載のヘアケア装置。
【請求項14】
互いに分離可能な複数の装置モジュールによるモジュール方式の装置構造となっており、前記機能ヘッド(4)及び前記イオン供給装置(8)が、異なる装置モジュールに配置されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項15】
前記機能ヘッド(4)を有する前記装置モジュールが、電気設備がないように形成されている、請求項14に記載のヘアケア装置。
【請求項1】
グリップ(3)と、
好ましくは毛部分及び/又は歯の部分(6)及び/又は送風出口手段(7)を含むヘアトリートメント手段(5)を有する機能ヘッド(4)と、
少なくとも1つのイオン出口(9)を有し、操作スイッチ(10)によって操作可能であり、イオンを放出するイオン供給装置(8)と、
前記イオン出口(9)を閉鎖する閉鎖装置(11)と、を備え、
該閉鎖装置(11)が、前記操作スイッチ(10)によって操作可能であることを特徴とするヘアケア装置。
【請求項2】
前記閉鎖装置(11)は、移動可能に取り付けられた閉鎖エレメント(12)を有し、
該閉鎖エレメント(12)が、前記イオン出口(9)の方へ及び/又はイオン出口(9)の上に移動可能である、請求項1に記載のヘアケア装置。
【請求項3】
前記閉鎖装置(12)が、前記操作スイッチ(10)に連結されている、及び/又は、前記操作スイッチ(10)によって形成されている、請求項2に記載のヘアケア装置。
【請求項4】
前記イオン出口(9)は、前記閉鎖装置(11)により装置ハウジング(2)内に格納できるように移動可能に取り付けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項5】
前記イオン出口(9)が、旋回可能なフラップとして形成されている、請求項4に記載のヘアケア装置。
【請求項6】
移動可能に取り付けられた前記イオン出口(9)が、前記操作スイッチ(10)に連結されている、及び/又は、前記操作スイッチ(10)によって形成されている、及び/又は、前記操作スイッチ(10)に一体化されている、請求項4又は5に記載のヘアケア装置。
【請求項7】
開位置の方向へ前記閉鎖装置(11)に予張力をかけるための予張力手段(13)、及び前記閉鎖装置(11)を閉位置に保持するための引き離し可能な保持手段(14)が、前記閉鎖装置(11)に割り当てられている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項8】
前記保持手段(14)が、移動可能に取り付けられた前記閉鎖エレメント(12)によって形成されており、該閉鎖エレメント(12)が、前記装置ハウジング(2)内に格納可能な前記イオン出口(9)の上に移動することができる、請求項2及び4と組み合わせた請求項7に記載のヘアケア装置。
【請求項9】
前記保持手段(14)が、前記閉鎖エレメント(12)及び/又は前記イオン出口(9)に圧力を加えることにより、閉位置から引き離し可能である、請求項8に記載のヘアケア装置。
【請求項10】
前記閉鎖装置(11)が、前記イオン供給装置(8)を清掃するための清掃手段(15)を有している、請求項1〜9のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項11】
前記操作スイッチ(10)が、装置の補助機能、好ましくは照明手段を操作するための補助機能スイッチ手段を有している、請求項1〜10のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項12】
前記操作スイッチ(10)の第1の位置においては、前記閉鎖装置(11)が閉じられると共に前記イオン供給装置(8)がオフになっており、前記操作スイッチ(10)の第2の位置においては、前記閉鎖装置(11)が開かれると共に前記イオン供給装置(8)がオフになっており、前記操作スイッチ(10)の第3の位置においては、前記閉鎖装置(11)が開かれると共に前記イオン供給装置(8)がオンになっている、請求項11に記載のヘアケア装置。
【請求項13】
前記操作スイッチ(10)の2つの操作エレメント(18、19)が、第2の操作エレメント(19)の移動によって一緒に移動可能であると共に、第1の操作エレメント(18)が、前記第2の操作エレメント(19)に対し相対的に移動可能であるように、前記第1の操作エレメント(18)が、前記第2の操作エレメント(19)に移動可能に取り付けられている、請求項12に記載のヘアケア装置。
【請求項14】
互いに分離可能な複数の装置モジュールによるモジュール方式の装置構造となっており、前記機能ヘッド(4)及び前記イオン供給装置(8)が、異なる装置モジュールに配置されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載のヘアケア装置。
【請求項15】
前記機能ヘッド(4)を有する前記装置モジュールが、電気設備がないように形成されている、請求項14に記載のヘアケア装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11(a)】
【図11(b)】
【図11(c)】
【図11(d)】
【図11(e)】
【図11(f)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11(a)】
【図11(b)】
【図11(c)】
【図11(d)】
【図11(e)】
【図11(f)】
【公表番号】特表2010−534497(P2010−534497A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−517312(P2010−517312)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005978
【国際公開番号】WO2009/015802
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(591027846)ブラウン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング (50)
【氏名又は名称原語表記】Braun GmbH
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/005978
【国際公開番号】WO2009/015802
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(591027846)ブラウン、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング (50)
【氏名又は名称原語表記】Braun GmbH
【Fターム(参考)】
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