説明

ヘアブラシ

【課題】ヘアブラシの背面側へ吹き付けたドライヤからの風を、ヘアブラシに設けた貫通穴へスムーズに導いて正面側へ送り込めるようにする。
【解決手段】ヘアブラシ1は、ベース部2の背面2aに末広がり形状の複数の凸部4a〜4gを形成し、凸部間の窪んだ箇所3a〜3fのそれぞれに貫通穴8a〜8fを形成する。ヘアブラシ1のベース部2の正面2e側に固定されるブラシ部9のクッション部材5は複数のブラシ毛6を埋設すると共に、クッション部材5を貫通する孔部5aを複数穿設する。ヘアブラシ1の背面2a側に吹き付けられたドライヤの風は、各凸部4a〜4gにより凸部間の窪んだ箇所3a〜3fに導かれて貫通穴8a〜8fに入り込み、貫通穴8a〜8fを通り抜けた風は、クッション部材5の孔部5aを通過してヘアブラシ1の正面側へ送り込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアブラシとドライヤを併用する場合に、ドライヤの風が、ヘアブラシに設けた貫通穴を通り抜けてスムーズにブラシ側へ送り込まれるようにしたヘアブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヘアブラシとドライヤを併用してブラッシングまたは整髪などを行う場合に、ヘアブラシで遮られる頭髪箇所へもドライヤの風を送り込めるようにするため、ヘアブラシ自体にドライヤの風を通過させる貫通穴を設けたブラシが存在する。
【0003】
例えば、下記の特許文献1では、ブラシ基体のブリッスル(ブラシ毛)の植毛基部にドライヤの風を通過させる透光窓(貫通穴)を形成したヘアブラシが開示されている。また、特許文献2では、ブラシ毛を配列固定したブラシ毛配列体を把持部に嵌合する構成の整髪用ブラシにおいて、ブラシ毛配列体および把持部のそれぞれに貫通穴を設けた構造が開示されている。さらに、特許文献3では、ブラシ本体の背面側からブラシ部材の正面側へ向かってドライヤの風を通気させる貫通穴を設けた構造のヘアブラシが開示されている。
【0004】
なお、下記の特許文献4では、複数のブラシピンを突設したピン突設体を、別部材であるブラシ本体に取り付けた構成のヘアブラシが開示されている。このヘアブラシは、背面に複数の凹凸を形成したブラシ本体に貫通穴を穿設しているが、貫通穴のピン突設体側の開口はピン突設体の取付面で閉鎖されているので、特許文献4に係るヘアブラシの貫通穴は、ドライヤの風を通過させることはできない状態になっている。
【特許文献1】特開平7−289348号公報
【特許文献2】特開2000−157337号公報
【特許文献3】特開2004−8669号公報
【特許文献4】意匠登録第1297685号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1〜3に係るヘアブラシは、いずれも貫通穴を有するが、ドライヤの風が当たる背面は凹凸のない一様な面構成であるため、背面へ吹き付けられたドライヤの風を貫通穴へ導くようになっていないことから、ヘアブラシの風が貫通穴以外の方向へも流れるので、貫通穴を通過する風量が不足すると云う問題があった。そのため、ドライヤを併用してヘアブラシでブラッシングまたは整髪などを行う場合に、使用中のヘアブラシで遮られる頭髪箇所へ十分な風量を送れない状況になっており、頭髪の乾燥または所望のスタイリングにセットすること等をスピーディに行うことが困難になる場合があった。
【0006】
本発明は斯かる問題に鑑みてなされたものであり、ドライヤからの風をスムーズに貫通穴へ導くようにして、ヘアブラシで遮られる頭髪箇所へ十分な風量を効率良く送れるようにしたヘアブラシを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るヘアブラシは、柄の一端に設けられたベース部の一方側の面にブラシ部を備え、前記ベース部の一方側の面と反対側になる他方側の面に、末広がり形状の凸部が複数形成してあると共に、前記ベース部を貫通する貫通穴が形成してあるヘアブラシにおいて、前記貫通穴は、複数の凸部の中で隣り合う凸部同士の対向する斜面の間で開口してあることを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、末広がり形状の複数の凸部の中で、隣り合う凸部同士の対向する斜面の間に、貫通穴の開口が形成してあるので、ベース部の他方側の面に吹き付けられたドライヤの風は、末広がり形状の複数の凸部により、先ず凸部同士の間へ流れ込むようになる。また、凸部同士の間へ流れ込んだ風は、対向する凸部の斜面に沿って進んでから、両側の斜面の間に開口した貫通穴へ入り込む。そのため、ドライヤの風を貫通穴へ効率良く導けるようになり、貫通穴を通過する風量を従来の貫通穴を設けたヘアブラシに比べて増加させることができる。
【0009】
本発明に係るヘアブラシは、前記他方側から前記一方側へ前記貫通穴の穴寸法が小さくなるようにしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、他方側から一方側へ穴寸法が小さくなるように貫通穴が形成してあるので、他方側の大きい穴寸法の開口でドライヤの風をスムーズに貫通穴へ取り込めるようになると共に、取り込んだドライヤの風を、徐々に穴寸法が小さくなる一方側から勢いよく排出できるようになる。そのため、ドライヤの風を、ヘアブラシで遮られる頭髪箇所へ、十分な風量を含む勢いのある流れで送り込めるようになる。
【0010】
本発明に係るヘアブラシは、前記凸部が、前記他方側の面上を一方向へ連なるように形成してあり、前記貫通穴は、前記凸部の連なる方向と平行的な方向へ間隔を隔てて複数形成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、凸部を一方向へ連なる形状にするので、貫通穴を凸部の連なる方向へ所要の間隔で規則的に複数形成できるようになり、規則的に並んだ複数の貫通穴を通じて、ドライヤの風を多量にヘアブラシで被われる頭髪箇所へ送り込めるようになる。
【0011】
本発明に係るヘアブラシは、前記一方向へ連なる形状の複数の凸部が、それぞれ平行的な配置になるように形成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、複数の凸部が平行的に配置されるので、それに伴い、凸部間に設けられる貫通穴が、ベース部の他方側の面全体で格子的な配置となり、貫通穴の開口の総面積を広くできる。その結果、多くの貫通穴を通じてドライヤの風を多量に通過させることができ、使用中のヘアブラシで被われる頭髪箇所へ多量の風を送り込める。
【0012】
本発明に係るヘアブラシは、前記凸部が4以上であり、凸部同士の間隔は、前記一方向と直交的な方向で中央側の箇所が端側となる箇所に比べて大きくしてあり、前記中央側の箇所に位置する貫通穴は、前記端側となる箇所に位置する貫通穴に比べて、穴寸法が大きくしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、平行的に並列する複数の凸部に対して、並列する方向の中央側における凸部同士の間隔を、端側よりも大きくすると共に、中央側の凸部間に設けた貫通穴の穴寸法を端側の凸部間に設けた貫通穴より大きくするので、並列する方向の中央側付近に吹き付けられたドライヤの風を効率良く通過させることができる。すなわち、ヘアブラシとドライヤを併用する場合、一般にドライヤの風が、ヘアブラシの端側よりも中央側の付近に当たるようにドライヤが使用されることが多いため、凸部および貫通穴の構成を上記のようにすることで、一般的なドライヤの使い方にあわせて、ドライヤの風を効率良くヘアブラシで被われる頭髪箇所へ導くことができる。
【0013】
本発明に係るヘアブラシは、前記ベース部が、前記他方側の面の外周形状が楕円状であり、前記貫通穴は、楕円状の穴形状にしてあり、前記ベース部の長手方向に前記穴形状の長手方向を略一致させてあることを特徴とする。
本発明にあっては、ベース部の外周形状および貫通穴の穴形状の両方を楕円状にすると共に、両方の長手方向を一致させるので、複数の貫通穴を高い密度で配置できるようになり、複数の貫通穴の総開口面積を大きく確保して、より多量のドライヤの風をヘアブラシで遮られる頭髪箇所へ送り込めるようになる。
【0014】
本発明に係るヘアブラシは、前記ブラシ部が、複数のブラシ毛またはブラシピンを有するブラシ基体を備え、前記ブラシ基体を貫通する孔部が形成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、ヘアブラシが、ブラシ部として複数のブラシ毛またはブラシピンを有するブラシ基体をベース部の一方側の面に設ける構成であっても、ブラシ基体にも孔部が形成してあるので、ベース部の貫通穴を通り抜けたドライヤの風が、ブラシ基体の孔部も抜けてヘアブラシで被われた頭髪箇所へ到達する。そのため、ベース部に直接的にブラシ部が設けられる構造のヘアブラシ以外に、ベース部と別体のブラシ基体を有する構造のヘアブラシに対しても、ドライヤの風をスムーズにヘアブラシ内を通過させることができる。
【0015】
本発明に係るヘアブラシは、前記ブラシピンが、前記ブラシ基体に埋設してあると共に、ピン軸方向に貫通するピン孔が形成してあり、前記ブラシ基体の前記ブラシピンの埋設箇所に、埋設してあるブラシピンのピン孔に連通する連通孔が形成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、ブラシ基体に埋設されたブラシピンにピン孔が貫通してあると共に、ブラシ基体のブラシピンの埋設箇所には、ピン孔に連通する連通孔が形成してあるので、ベース部を通過したドライヤの風が、ブラシ基体の連通孔からピン孔を抜けてブラシピンからも吹き出るようになる。そのため、ブラシピンのピン先から吹き出されるドライヤの風を、ブラッシングまたは整髪などに係る美容技法に利用できると共に、ユーザの頭皮をピンポイント的に刺激することなども可能になる。
【0016】
本発明に係るヘアブラシは、前記ベース部の他方側の面へ向けて吹き付けられた風が前記柄の方へ流れるのを遮る遮風部を、前記柄の一端側の箇所または前記ベース部の柄と連なる側の箇所のいずれかに突設してあることを特徴とする。
本発明にあっては、ベース部の他方側の面に吹き付けたドライヤの風が、突設した遮風部により柄の方へ流れることが遮られるので、ドライヤから吹き出す風の種類を温風にしても、ヘアブラシの柄を把持するユーザの手が温風に晒されることがなくなり、ドライヤの温風を気にすることなくヘアブラシを用いた作業を集中して行うことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明にあっては、末広がり形状の複数の凸部同士の間に開口するように貫通穴を形成するため、ベース部の他方側の面に吹き付けられたドライヤの風を、両側の凸部の傾斜面でスムーズに貫通穴へ導くことができる。
また、本発明にあっては、ベース部の他方側から一方側へ穴寸法が小さくなるように貫通穴を形成するので、他方側の大きい穴寸法の開口からドライヤの風を多量に貫通穴へ取り込めると共に、取り込んだドライヤの風を小さな穴寸法の一方側から勢いよく吹き出させることができる。
【0018】
さらに、本発明にあっては、凸部を一方向へ連なる形状にするので、貫通穴を凸部の連なる方向へ所要の間隔で規則的に複数形成でき、規則的に並んだ複数の貫通穴を通じて、ドライヤの風を多量にヘアブラシのブラシ部側へ送り込める。
さらにまた、本発明にあっては、複数の凸部を平行的に配置することで、凸部同士の間に設けられる貫通穴の配置を、ベース部の他方側の面全体で格子的な状態にでき、配置された貫通穴の開口の総面積を増大して、多数の貫通穴を通じてドライヤの風を多量に通過させることができる。
【0019】
本発明にあっては、平行的に並列する複数の凸部に対して、並列する方向の中央側における凸部同士の間隔を、端側よりも大きくすると共に、中央側の凸部同士の間に設けた貫通穴の穴寸法を端側の凸部同士の間に設けた貫通穴より大きくするので、実際のヘアブラシとドライヤの使用状態にあわせて、並列する方向の中央側付近に吹き付けられたドライヤの風を効率良く通過させることができる。
また、本発明にあっては、ベース部の外周形状および貫通穴の穴形状の両方を楕円状にすると共に、両方の長手方向を一致させるので、複数の貫通穴を高い密度で配置でき、複数の貫通穴の総開口面積を大きく確保して、より多量の風をヘアブラシのブラシ部側へ送り込むことができる。
【0020】
本発明にあっては、ヘアブラシが、ブラシ部として複数のブラシ毛またはブラシピンを有するブラシ基体をベース部の一方側の面に設ける構成であっても、ブラシ基体にも孔部を形成するので、ベース部の貫通穴を通り抜けたドライヤの風を、ブラシ基体の孔部を通じてヘアブラシで遮られた頭髪箇所へ送り込める。
また、本発明にあっては、ブラシ基体に埋設されたブラシピンにピン孔が貫通してあると共に、ブラシ基体のブラシピンの埋設箇所に、ピン孔に連通する連通孔を形成するので、ブラシピンからもドライヤの風を吹き出させることができる。
【0021】
本発明にあっては、ベース部の他方側の面に吹き付けたドライヤの風を、突設した遮風部で遮るので、ドライヤから温風を吹き出しても、柄を把持するユーザの手がドライヤからの温風に晒されることがなくなり、ヘアブラシを用いた作業に集中しやすい状況を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1(a)は、本発明の第1実施形態に係るヘアブラシ1の背面側からの斜視図であり、図1(b)は正面側からの斜視図である。本実施形態のヘアブラシ1は、ドライヤとの同時使用に好適なブラシであり、ドライヤからの風をヘアブラシ1に設けた貫通穴8a〜8fへスムーズに導いて、使用中のヘアブラシ1で遮られる頭髪箇所へも効率良くドライヤの風を送れるようにしたことを特徴としている。
【0023】
ヘアブラシ1は、柄7の一端7dに連結した略楕円形状のベース部2の正面側の面(一方側の面に相当)に、多数のブラシ毛6を有するブラシ部9を嵌合固定した構造であり、柄7およびベース部2は合成樹脂で一体成型されており、ブラシ部9を構成する部材が柄7およびベース部2と別体になっている。以下、ヘアブラシ1の各部を詳説する。なお、図1(a)(b)に示すX軸の方向はヘアブラシ1の幅方向に一致し、X軸に直交するY軸の方向はヘアブラシ1の長手方向(柄7の長手方向と同じ)に一致し、X軸およびY軸の両方に直交するZ軸の方向はヘアブラシ1の厚み方向に一致する(以下、他の図でも同様)。
【0024】
図3に示すように、ヘアブラシ1は、ベース部2の楕円状の背面2a(正面側の面と反対側になる他方側の面に相当)に、計7つの第一凸部4a〜第七凸部4gを形成している。各凸部4a〜4gは頂部から背面2における突出元の箇所へ形状的に末広がりになっており、図1(a)、図2に示すように、各凸部4a〜4gのそれぞれはX軸方向へ連なった形状になっている。また、各凸部4a〜4gは、ベース部2の背面2a上をY軸方向に複数形成されているので、ベース部2の背面全体では、X軸方向に連なった各凸部4a〜4gがY軸方向へ所定の間隔を隔てて平行的な配置になっている。そのため、ベース部2aの背面2aは全体として、なだらかに波打った凹凸形状になっている。
【0025】
また、各凸部4a〜4gの間隔は、ベース部2における場所に応じて相異したものになっている。具体的には、図3に示すように、Y軸方向において、ベース部2の中央側となる箇所に設けられた第四凸部4dと第五凸部4eとの間隔P4(頂部間の間隔)が最大であり、第三凸部4cと第四凸部4dとの間隔P3および第五凸部4eと第六凸部4fとの間隔P5が2番目に大きく、第二凸部4bと第三凸部4cとの間隔P2および第六凸部4fと第七凸部4gとの間隔P6が3番目に大きく、Y軸方向の端側となる箇所に設けられた第一凸部4aと第二凸部4bとの間隔P1が最小になっている。
【0026】
また、ヘアブラシ1は、上述した各凸部同士間の窪んだ箇所3a〜3fのそれぞれに、ベース部2を貫通する貫通穴8a〜8fを形成している。詳しくは、各凸部の隣り合う一方の凸部(例えば、第四凸部4d)の斜面(例えば、斜面4d−1)と、他方の凸部(例えば、第五凸部4e)の斜面(例えば、斜面4d−1に対向する斜面4e−1)との間の箇所(例えば、箇所3d)に開口するように、貫通穴(例えば、貫通穴8d)が形成されている。
【0027】
これらの貫通穴8a〜8fは、図3における断面方向で、ベース部2の背面2aからブラシ部9が嵌合固定される正面2eへと、穴寸法(内径寸法)が徐々に小さくなるテーパ形状で形成されている。また、各貫通穴8a〜8fは、図2に示すように穴形状(開口の形状も含む)が楕円になっており、この各貫通穴8a〜8fの楕円の穴形状の向きは、長手方向がベース部2の長手方向(Y軸方向)に楕円の穴形状の長手方向が一致するように形成してある。
【0028】
さらにまた、図1(a)、図2に示すように、各貫通穴8a〜8fは、X軸方向へ所定の間隔を隔てて複数形成されている。すなわち、第一凸部4aと第2凸部4bとの間には、計3個の貫通穴8aがX軸方向へ並んで形成されており、以下、第二凸部4bと第三凸部4cとの間には計5個の貫通穴8bが形成されており、第三凸部4cと第四凸部4dとの間には計7個の貫通穴8cが形成されており、第四凸部4dと第五凸部4eとの間には計7個の貫通穴8dが形成されており、第五凸部4eと第六凸部4fとの間には計5個の貫通穴8eが形成されており、第六凸部4fと第七凸部4gとの間には計3個の貫通穴8dが形成されている。
【0029】
また、各貫通穴8a〜8fの相対的な穴寸法(内径寸法)は、形成される箇所に該当する凸部同士の相対的な間隔に応じたものになっており、最大の間隔P4に形成される貫通穴8dの穴寸法が最大であり、2番目の大きさの間隔P3、P5に形成される貫通穴8c、8eの穴寸法が2番目に大きく、3番目の大きさの間隔P2、P6に形成される貫通穴8b、8fの穴寸法が3番目に大きく、最小の間隔P1に形成される貫通穴8aが最小の穴寸法になっている。よって、このような穴寸法の貫通穴8a〜8fが、ベース部2の背面2aにおいて格子状に配置されると共に、楕円形状の穴がベース部2の外周形状と同じ向きになっているため、本発明のヘアブラシ1は、限られた面積の背面2aに各貫通穴8a〜8fを多数配置した構成になっている。
【0030】
なお、図1(b)、図3に示すように、背面2aおよび正面2eにおける外周形状が楕円のベース部2は、ブラシ部9を取り付ける正面2eの側の周囲に縁部2fを立設し、その縁部2fの内周側を窪ませて、ブラシ部9を嵌合する嵌合部2hにしている。また、図2に示すように、ベース部2は、周囲外周に湾曲した複数の谷部2cおよび山部2dを形成し、背面2aの凹凸形状とあわせてヘアブラシ1のデザイン的な特徴にすると共に、ベース部2の外周をユーザが把持する際に、湾曲した谷部2cに指が入りやすくして、実用面では滑り止めとして機能するようにしている。
【0031】
さらに、ヘアブラシ1は、ベース部2から突出する柄7の外周にも、ベース部2と同様に、谷部7bおよび山部7cを形成しており、ヘアブラシ1の外周全体が波打ったようなイメージでデザインすると共に、ベース部2の場合と同様に滑り止めとしても機能させている。さらにまた、ヘアブラシ1は、柄7に計3個の楕円穴7a(柄7を貫通する穴)を形成しており、柄7を把持するユーザの手が楕円穴7aを通じて外気に触れるようにして、汗や整髪剤などで滑りやすくなるユーザの手が早く乾燥するようにしている(乾燥すれば、滑りにくくなる)。なお、柄7は、図3に示すように、一端7dにおけるベース部2との連結箇所を屈曲させて、Z軸方向において、ベース部2から距離αだけ柄7をオフセットさせている。このオフセットにより、柄7を把持するユーザの手とベース部2に固定されるブラシ部9との間におけるZ軸方向の距離的な差が充分となり、ヘアブラシ1を使用する際に、柄7を把持する手と、ヘアブラシ1の使用対象となる頭部が干渉しにくくなる。
【0032】
一方、図1(b)、図3に示すベース部2の嵌合部2hに嵌合されるブラシ部9は、球の周面の一部を切り取ったような湾曲形状のクッション部材5(ブラシ基体に相当)に複数のブラシ毛6を規則的に埋設した構造になっている。クッション部材5は、可撓性を有する合成樹脂製の部材であり、ブラシ毛6を埋設するカップ状の埋設部5bを湾曲した内方へ複数突出させると共に、各埋設部5bの間にクッション部材5を貫通する複数の孔部5aを形成している。このようなブラシ部9は、周囲部分がベース部2の嵌合部2hに嵌め込まれることで、ヘアブラシ1が完成し、ブラシ部9のクッション部材5とベース部2の正面2eとの間は中空となり、自由に風が進行できる状態になっている。
【0033】
次に、図4に基づき、上述した構成のヘアブラシ1をドライヤXと併用する状況について説明する。ヘアブラシ1でブラッシングまたは整髪などを行う際に、ヘアブラシ1の背面2aへドライヤXから風を吹き付ける場合を想定する。この場合、背面2aに吹き付けられた風は、背面2aに多数形成された各凸部4a〜4gにより整流され、各凸部4a〜4gの斜面に沿って斜面間に位置する各貫通穴8a〜8fへ自然と流れ込んでベース部2を通過する。なお、図2に示すように、各貫通穴8a〜8fは、背面2a上で格子状に多数配置されているので、ベース部2を通過するヘアブラシXの風の量を充分に確保することができる。また、各貫通穴8a〜8fは、図3、4に示すように、正面2e側へ穴寸法を小さくしたテーパ形状になっているので、内径の狭まりに従って各貫通穴8a〜8fを通過する風の風速が高まり、ドライヤXの風が勢いよく各貫通穴8a〜8fから流れ出るようにしている。
【0034】
各貫通穴8a〜8fを流れ出た風は、ブラシ部9のクッション部材5に設けられた複数の孔部5aを通過し、ヘアブラシ1で遮られる頭髪箇所へ、ドライヤXからの風が、従来の貫通穴を形成したヘアブラシに比べて多くの風量でスムーズに届くようになる。それにより、ドライヤXから吹き出される風を利用して、本発明に係るヘアブラシ1で頭髪の乾燥または頭髪のセットなどを一段と効率良く行うことができる。
【0035】
なお、第1実施形態に係るヘアブラシ1は上述した説明の内容に限定されるものではなく、種々の変形例が存在する。例えば、例えば、ベース部2および柄7は一体成型しているが、別々の部材を連結して構成するようにしてもよい。また、ベース部2または柄7は、材質として合成樹脂以外に、木製の材料を使って成形することも可能である。このようにベース部2または柄7を木製にする場合は、炭を混ぜた塗料を浸漬すれば、静電気の帯電を防止でき、静電気による整髪作業の妨げを阻止するのに好適となる。
【0036】
また、ベース部2に設ける貫通穴8a〜8fは、穴寸法を背面2a側から正面2b側へ小さくするテーパ状に形成する以外に、対象となるブラシ寸法またはベース部2の厚み等によっては、穴寸法が変化しないストレート穴にしてもよい。すなわち、図5(a)の変形例のヘアブラシ20に示すように、ベース部21の背面21aに形成した凸部24間の窪んだ箇所23に設ける貫通穴25をストレート穴で形成してもよい。さらに、貫通穴8a〜8fの穴形状(開口の形状)は、楕円に限定されるものではなく、ベース部2の背面2aの外周形状などに応じて、図5(b)に示すように円形、図5(c)に示すように四角形(正方形)、その他の多角形などにすることも可能である。なお、上述したように貫通穴をストレート穴で且つ穴形状を円にすれば、ドリルで貫通穴を形成することも可能になる。
【0037】
また、ドライヤXが吹き出す風を、ドライヤXから温風を吹き出すようにしても、温風による熱で柄を把持するユーザの手が晒されないようにするためには、柄のベース部と繋がる一端側の箇所またはベース部の柄と繋がる側の箇所に遮風部を突設することが考えられる。
【0038】
図6(a)(b)は、柄32の一端32aに鍔状の遮風部33を設けた変形例のヘアブラシ30を示している。図6(b)に示すように、ベース部31の背面31aへ向けてドライヤXから風を吹き付けた場合、柄32の方へ向かう風K1が、遮風部33のベース部31側の面33aにより、進む向きがベース部31の正面側へ変えられる。そのため、遮風部33がヒートプロテクタの役目を果たし、柄32を把持する手が温風の熱に晒されることも無くなると共に、ヘアブラシ32の正面側へ流れるドライヤの風量をより多くすることができる。
【0039】
図7(a)(b)は、遮風部を突設した別の変形例のヘアブラシ40を示している。この変形例のヘアブラシ40では、柄42の一端42aに突設した遮風部43の形状および突設角度を、図6(a)(b)の遮風部33と相異させており、ベース部41の背面41a側となる遮風部43の端部43aが、図7(b)において下方に下がるよう全体を左下がり形成すると共に、ベース部41の正面側には突出しないようにしたことが特徴となっている。この変形例の遮風部43では、端部43aを下げてベース部41側の面43bを斜面にすることで、図6(a)(b)の遮風部33に比べて、より広範囲でドライヤXから吹き出される風を遮ることを可能にしている。さらに、遮風部43で受け止めた風をベース部41の背面41a側へ進ませるようにして、ベース部41を通過する風量の増大にも役立てている。
【0040】
図8は、さらに別の変形例の遮風部43′を設けたヘアブラシを示している。この変形例の遮風部43′は、図7(b)に示す遮風部43と異なる角度で形成されていることが特徴である。具体的に遮風部43′は、ベース部41′の背面41a′側へ面43b′が反り返るように端部43a′が、突設元となる柄の一端42a′の箇所から上方へ位置するように形成されている。このような形状により、変形例の遮風部43′は、ドライヤXからの風を遮る角度範囲を広くして、柄を把持するユーザの手を熱風から十分に保護できるようにしている。なお、図6〜8の遮風部33、43、43′は、柄32、42の一端32a、42a、42a′に設けた場合を示しているが、ベース部31、41、41′の柄32、42と連なる側の箇所に遮風部33、43、43′を設けることも可能である。
【0041】
また、図9(a)(b)のヘアブラシ50は、各凸部51cの連なる方向を、X軸方向ではなく、Y軸方向にした変形例を示している。すなわち、変形例のヘアブラシ50では、Y軸方向に沿って凸部51cが連なっていると共に、複数の凸部51cはX軸方向に間隔をあけて平行的に配置されている。また、各凸部51cの間の窪んだ箇所51bに形成した貫通穴52は、Y軸方向を長手方向にした楕円状にしているので、Y軸方向に連なる凸部同士の間に規則正しく収まり、多数の貫通穴52を配置可能にしている。
【0042】
さらに、図10(a)(b)のヘアブラシ60は、各凸部61cの連なる方向を、X軸、Y軸方向ではなく、X軸とY軸との間の方向(例えば、X軸に対して約45度の斜めの方向)にした変形例を示している。この変形例のヘアブラシ60では、X軸に対して斜めの方向に沿って凸部61cが連なっていると共に、複数の凸部61cは、凸部61cが連なる方向と直交的な方向に間隔をあけて平行的に配置されている。また、各凸部61cの間の窪んだ箇所61bに形成した貫通穴62も、凸部61cが連なる方向を長手方向にした楕円状にして、貫通穴62の配置数の増大を図っている。なお、図10(a)では、凸部61cの連なる方向を右上がりにしているが、右下がりにすることも勿論可能である。
【0043】
さらにまた、図11(a)〜(c)のヘアブラシ70は、ベース部71の背面71aに二方向へそれぞれ連なる二種類の凸部73、74を形成した変形例を示し、一方の凸部74の連なる方向を、X軸とY軸との間の方向(例えば、X軸に対して約45度の斜めの方向)にすると共に、他方の凸部74の連なる方向を、一方の凸部73が連なる方向と直交する方向となるようにしている。さらに、ヘアブラシ60は、複数の各凸部73、74の間の窪んだ箇所75に貫通穴72を形成している。よって、各貫通穴72は、周囲全体が凸部73、74で囲まれるため、全周囲方向からドライヤの風が流れ込むようになり、より多量の風をヘアブラシ70の正面側へ送り込むことができる。なお、図11(a)〜(c)では、全周囲方向から風が流れ込むので、貫通穴72の穴形状(開口形状)を円にしているが、上述した他の形状(楕円、多角形など)にすることも勿論可能である。また、各凸部73、74を、X軸およびY軸に対して斜め方向へ連なるのではなく、X軸およびY軸に沿った方向に連なるように形成してもよい。
【0044】
さらに、図12(a)(b)は、別の変形例のヘアブラシ80を示しており、ベース部81の背面81aに設ける凸部81cは、図1〜4に示すヘアブラシ1の凸部4a〜4gと同様に形成しているが、各凸部81cの間の窪んだ箇所81bに形成する貫通穴82の形態を、図1〜4に示すヘアブラシ1の貫通穴8a〜8fと相異させている。すなわち変形例のヘアブラシ80に係る貫通穴82は、穴形状および開口の形状を楕円にしているが、楕円の長手方向をX軸方向にしていることが特徴である。このようにすることで、ヘアブラシ80は、凸部81aの間で、開口面積が大きい貫通穴82を形成することができ、1つあたりの貫通穴82の通過風量を多くして、ドライヤの風を正面側へ送り込める。
【0045】
また、図13に示す変形例のヘアブラシ90は、ブラシ部にブラシ毛ではなくブラシピン93を設けたタイプであり、ブラシ部99のブラシ基体94(クッション部材)に複数のブラシピン93を埋設している。この変形例では、各ブラシピン93にピン孔93aが形成されると共に、ブラシ基体94のブラシピン93の埋設部94cに連通孔94b(図14(a)(b)参照)が形成されたことが特徴になっている。
【0046】
具体的には、図14(a)(b)にも示すように、ブラシピン93は、埋設側の端部に係合部93bを突設すると共に先端部93cを半球状に形成し、さらに、ピン軸方向に沿ってピンを貫くピン孔93aを形成している。なお、このようなブラシピン93の材質には、木を用いている。
【0047】
一方、ブラシ基体94は、カップ状の埋設部94cの底部に連通孔94を設けており、図14(a)(b)に示すように、埋設部94cの内部の空間部94aにブラシピン93の係合部93bを埋設して係合固定すると、埋設部94cの連通孔94にブラシピン93のピン孔93aが連通するようになる。なお、変形例のヘアブラシ90は、上述した箇所以外は、図1〜4に示すヘアブラシ1と同等であり、図13に示すように、ベース部91の背面91aに複数の凸部91cを形成すると共に、凸部91cの間の窪んだ箇所91bに貫通穴92を穿設し、ブラシ部99のブラシ基体94に孔部94dを形成している。
【0048】
このような変形例のヘアブラシ90の背面91a側へドライヤの風を吹き付けると、図4に示すような風の流れに加えて、ベース部91の貫通穴92を抜け出た風が、ブラシ基体94の埋設部94cに設けた連通孔94bおよびブラシピン93のピン孔93aを通り抜けてブラシピン93の先端部93cから吹き出ると云う風の流れも形成される。よって、変形例のヘアブラシ90は、ブラシ部99を設けた正面側で、風の吹き出す総開口面積を、図1〜4に示すヘアブラシ1より多くできる上に、ブラシピン93の先端部93cからも風が吹き出すため、今までにない風の流れを利用してブラッシングまたは整髪などを行える。
【0049】
図15(a)(b)に示すブラシピン93′は、図13、図14(a)(b)で示すブラシピン93の変形例であり、図13のヘアブラシ90において、ブラシピン93の替わりに用いることが可能なものである。ブラシピン93′は、埋設側の端部に設けた係合部93b′から少し間隔をあけて、ブラシ基体94の表面と当接してブラシピンの沈み込みを防止するフレア部93e′を突設しており、このフレア部93e′から半球状の先端部93c′にいたる範囲の断面形状(ピンの長手方向に直交する向きの断面の外周形状)を、図15(b)に示すように星形にしている。なお、ピン軸方向に沿ってピンを貫くピン孔93a′は、ブラシピン93′にも形成されている。また、係合部93b′側の端からフレア部93e′までの距離は、図14(a)に示すブラシ基体94における埋設部94cの空間部94aの深さ寸法と同等または、深さ寸法より少し短い寸法に設定し、フレア部93e′の先端がブラシ基体94の空間部94aの開口周縁に係合するようにしている。
【0050】
このような変形例のブラシピン93′を用いることで、先端部93c′からドライヤの風が吹き出すことに加えて、ヘアブラシでのブラッシングまたは整髪時、図15(b)に示す星形の断面形状の凹部93g′と毛髪の間に空間が生じ、この空間に、ブラシ基体94の孔部94d(図13参照)を抜け出た風が通るようになり、毛髪の乾燥などを素早く行えるようになる。さらに、ヘアブラシでのブラッシングまたは整髪の際に、ブラシピン93′の星形の断面形状の突頂部93f′が、毛髪の表皮(キューティクル)と線接触的に接するので、図13等に示すブラシピン93に比べて毛髪との接触圧が高まり、毛髪のツヤが出しやすくなる。
【0051】
なお、図15(a)(b)に示すブラシピン93′は、断面形状を星形にする以外にも、多角形(三角形、四角形、五角形など)、十字形などにすることもできる。また、ブラシピン93、93′は、材質を木にする以外に、合成樹脂で成形することも勿論可能であると共に、静電気の帯電を防止するため、カーボンファイバーで形成することも可能である。さらに、ピン先端からの風の吹き出しが不要なときは、ピン孔93a、93a′の形成を省略することも可能である。
【0052】
また、第1実施形態においては、上述したように様々な変形例について説明したが、各変形例は、可能であれば、適宜組み合わせてもよく、これらの変形例を組み合わせることで、さらに効率的にドライヤの風をヘアブラシの正面側に送り込むことが可能となる。また、ヘアブラシの寸法、形状などによっては、図3に示すような各凸部4a〜4gの間隔寸法をそれぞれ相異させること、各貫通穴8a〜8fの穴寸法を相異させることを採用しないで、それぞれを同寸法にしてもよい。
【0053】
図16、図17(a)〜(c)は、本発明の第2実施形態に係るヘアブラシ100を示している。第2実施形態のヘアブラシ100は合成樹脂による一体成型品であり、柄102の一端102aに設けたベース部101に複数のブラシピン106からなるブラシ部111を直接的に設けた構造になっている。ヘアブラシ100は、柄102の周囲に湾曲形状の凹部109および凸部110を交互に形成すると共に、ベース部101の周囲にも湾曲形状の凹部108および凸部107を形成し、外観のデザイン的な特徴を作り上げている。
【0054】
また、図17(a)(c)に示すように、ヘアブラシ100は、ベース部101の背面101aに、X軸方向へ連なる形状の凸部103を、Y軸方向に複数形成し、全体として複数の凸部103が平行的に配置されるようにしている。なお、図17(c)に示すように、凸部103の形状は、頂部から突出側へ末広がりの形状になっている。また、ヘアブラシ100は、隣り合う凸部103同士の対向する斜面の間の窪んだ箇所104に、ベース部101を貫通する貫通穴105を形成している。なお、貫通穴105は、図1〜4に示す第1実施形態のヘアブラシ1と同様にテーパ形状にしていると共に、各凸部103の間でX軸方向へ所定の間隔を隔てて複数形成されている。さらに、ヘアブラシ100は、ベース部101の表面101bより複数のブラシピン106を突設してブラシ部111を形成している。
【0055】
このような第2実施形態に係るヘアブラシ100においても、背面101aからドライヤの風を吹き付けると、凸部103の間の窪んだ箇所104へ風が導かれて、貫通穴105を通過して正面101bへと風が吹き抜けるので、ブラッシングまたは整髪などのためにヘアブラシ100を用いても、ヘアブラシ100で遮られる頭髪箇所へ充分な風量の風を送り込むことができる。また、第2実施形態に係るヘアブラシ100は、一体で成形できるため、大量生産に好適な形態となっている。なお、第2実施形態に係るヘアブラシ100においても、第1実施形態で説明した各種変形例の中で適用可能な内容を、適宜用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1実施形態に係るヘアブラシであり、(a)は背面側からの斜視図、(b)は正面側からの斜視図である。
【図2】第1実施形態のヘアブラシの背面図である。
【図3】図2のA−A線における断面図である。
【図4】第1実施形態のヘアブラシの使用状況を示す概略断面図である。
【図5】(a)は貫通穴がストレート穴である変形例を示す概略断面図、(b)は変形例の貫通穴の穴形状を示す概略図、(c)は別の変形例に係る貫通穴の穴形状を示す概略図である。
【図6】遮風部を具備した変形例のヘアブラシであり、(a)は背面図、(b)は使用状況を示す概略図である。
【図7】遮風部を具備した別の変形例のヘアブラシであり、(a)は背面図、(b)は使用状況を示す概略断面図である。
【図8】変形例の遮風部を示す概略断面図である。
【図9】Y軸方向へ連なる形状の凸部を複数設けた変形例のヘアブラシであり、(a)は背面図、(b)は(a)のB−B線における断面図である。
【図10】X軸またはY軸方向に対して斜めとなる方向へ連なる形状の凸部を複数設けた変形例のヘアブラシであり、(a)は背面図、(b)は(a)のC−C線における断面図である。
【図11】クロスするように複数の凸部を設けた変形例のヘアブラシであり、(a)は背面図、(b)は(a)のD−D線における断面図、(c)は(a)のE−E線における断面図である。
【図12】X軸方向を長手方向にする貫通穴を形成した変形例のヘアブラシであり、(a)は背面図、(b)は(a)のF−F線における断面図である。
【図13】ピン孔を形成したブラシピンを有する変形例のヘアブラシの断面図である。
【図14】(a)はブラシピンを埋設する状態を示す概略断面図、(b)はブラシピンを埋設した状態を示す概略断面図である。
【図15】変形例のブラシピンであり、(a)は正面図、(b)は(a)のH−H線における断面図である。
【図16】本発明の第2実施形態に係るヘアブラシの斜視図である。
【図17】第2実施形態のヘアブラシであり、(a)は背面図、(b)は正面図、(c)は(a)のG−G線における断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1 ヘアブラシ
2 ベース部
4a〜4g 凸部
4d−1、4e−1 斜面
5 クッション部材
5a 孔部
6 ブラシ毛
7 柄
8a〜8f 貫通穴
9 ブラシ部
33、43 遮風部
93、93′ ブラシピン
93a、93a′ ピン孔
94b 連通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄の一端に設けられたベース部の一方側の面にブラシ部を備え、前記ベース部の一方側の面と反対側になる他方側の面に、末広がり形状の凸部が複数形成してあると共に、前記ベース部を貫通する貫通穴が形成してあるヘアブラシにおいて、
前記貫通穴は、複数の凸部の中で隣り合う凸部同士の対向する斜面の間で開口してあることを特徴とするヘアブラシ。
【請求項2】
前記貫通穴は、前記他方側から前記一方側へ穴寸法が小さくなるように形成してある請求項1に記載のヘアブラシ。
【請求項3】
前記凸部は、前記他方側の面上を一方向へ連なるように形成してあり、
前記貫通穴は、前記凸部の連なる方向と平行的な方向へ間隔を隔てて複数形成してある請求項1又は請求項2に記載のヘアブラシ。
【請求項4】
前記一方向へ連なる形状の複数の凸部が、それぞれ平行的な配置になるように形成してある請求項3に記載のヘアブラシ。
【請求項5】
前記凸部は4以上であり、
凸部同士の間隔は、前記一方向と直交的な方向で中央側の箇所が端側となる箇所に比べて大きくしてあり、
前記中央側の箇所に位置する貫通穴は、前記端側となる箇所に位置する貫通穴に比べて、穴寸法が大きくしてある請求項4に記載のヘアブラシ。
【請求項6】
前記ベース部は、前記他方側の面の外周形状が楕円状であり、
前記貫通穴は、楕円状の穴形状にしてあり、前記ベース部の長手方向に前記穴形状の長手方向を略一致させてある請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のヘアブラシ。
【請求項7】
前記ブラシ部は、複数のブラシ毛またはブラシピンを有するブラシ基体を備え、
前記ブラシ基体を貫通する孔部が形成してある請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のヘアブラシ。
【請求項8】
前記ブラシピンは、前記ブラシ基体に埋設してあると共に、ピン軸方向に貫通するピン孔が形成してあり、
前記ブラシ基体の前記ブラシピンの埋設箇所に、埋設してあるブラシピンのピン孔に連通する連通孔が形成してある請求項7に記載のヘアブラシ。
【請求項9】
前記ベース部の他方側の面へ向けて吹き付けられた風が前記柄の方へ流れるのを遮る遮風部を、前記柄の一端側の箇所または前記ベース部の柄と連なる側の箇所のいずれかに突設してある請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のヘアブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−6038(P2009−6038A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−171890(P2007−171890)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(395021860)株式会社パークウェイ (4)
【Fターム(参考)】