説明

ヘッドセット

【課題】騒音下での明瞭な通話を実現しながら、使用環境や用途に応じて片耳、両耳両方の仕様を使い分けできるヘッドセットを提供する。
【解決手段】ヘッドセット1は、受話音声を再生するイヤホン15と口から出された音声を拾うマイクロホン16を有するヘッドセット本体2と、イヤホン15を装着する耳とは反対側の耳に装着し、その耳内に発生する音声を拾うイヤホン型マイクロホン3と、イヤホン型マイクロホン3をヘッドセット本体2と分離可能に接続するコネクタ4を備え、騒音下ではイヤホン型マイクロホン3をヘッドセット本体2に接続し、ヘッドセット本体2のイヤホン15とイヤホン型マイクロホン3を使用する両耳仕様で使用し、自動車の運転中や静寂下ではイヤホン型マイクロホン3をヘッドセット本体2から分離し、ヘッドセット本体2のイヤホン15とマイクロホン16を使用する片耳仕様で使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話・PHSやスマートホン等の電話機に接続してハンズフリーで通話を行うためのヘッドセットに関する。
【背景技術】
【0002】
この種ヘッドセットとしては、受話音声を再生するイヤホンと口から出された音声を拾うマイクロホンを有するもの(例えば特許文献1参照)が一般的であるが、騒音下で使用すると、マイクロホンが使用者の口から出された音声と一緒に周囲の騒音を拾ってしまうため、使用者の声が相手側に聞き取り辛くなるという問題がある。
【0003】
このような問題を解決すべく、使用者の口から出された音声を拾うマイクロホンに代えて、イヤホン型マイクロホンを設けることが提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
イヤホン型マイクロホンは、イヤホンを装着する耳とは反対側の耳に装着し、使用者が声を出すときに、両方の耳内に発生する音声のうち、イヤホン型マイクロホンを装着した耳内に発生する音声を拾うため、周囲の騒音をほとんど拾わず、使用者の声が相手側に聞き取りやすくなり、騒音下での明瞭な通話を実現する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−64537号公報
【特許文献2】特開2007−228344号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、イヤホンとイヤホン型マイクロホンを一体化したものでは、両耳を塞ぐ両耳仕様に固定化されてしまい、自動車の運転中に利用できなくなったり、静寂下では使用者の口から出された音声を拾うマイクロホンを有するものに比べ送話音質が低下するという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、騒音下での明瞭な通話を実現しながら、使用環境や用途に応じて片耳、両耳両方の仕様を使い分けできるヘッドセットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明のヘッドセットは、受話音声を再生するイヤホンと口から出された音声を拾うマイクロホンを有するヘッドセット本体と、前記イヤホンを装着する耳とは反対側の耳に装着し、その耳内に発生する音声を拾うイヤホン型マイクロホンと、このイヤホン型マイクロホンを前記ヘッドセット本体と分離可能に接続するコネクタとを備えるものであり、イヤホン型マイクロホンをコネクタを介してヘッドセット本体に接続し、少なくともヘッドセット本体のイヤホンとイヤホン型マイクロホンを使用する両耳仕様で使用することにより、騒音下での明瞭な通話を実現し、イヤホン型マイクロホンをヘッドセット本体から分離し、ヘッドセット本体のイヤホンとマイクロホンを使用する片耳仕様で使用することにより、自動車の運転中での利用や静寂下での送話音質向上を実現するようにしたものである。
【0009】
また、前記ヘッドセット本体は、それと電話機との間を無線で接続するための近距離無線通信モジュールを有して、ワイヤレスヘッドセットを構成する場合であっても、使用環境や用途に応じて片耳、両耳両方の仕様を使い分けできるようにしたものである。
【0010】
さらに、前記ヘッドセット本体と前記イヤホン型マイクロホンとの間を有線で接続する場合は、その接続コードをイヤホン型マイクロホン側に設け、前記接続コードの末端に設けるプラグと前記ヘッドセット本体に設けるジャックにより前記コネクタを構成することにより、片耳仕様で使用するときにヘッドセット本体に接続コードを繋いだままでいなければならない等の煩雑さをなくすようにしたものである。
【0011】
本発明のヘッドセットでは、前記イヤホン型マイクロホンを前記ヘッドセット本体に接続したとき、ヘッドセット本体のマイクロホンからイヤホン型マイクロホンに切り換えて機能させる又はヘッドセット本体のマイクロホンとイヤホン型マイクロホン両方を機能させて両マイクロホンで拾う音声を重畳させたり、ヘッドセット本体のマイクロホンをノイズキャンセルや外部の音声を聞かせるための補聴や高域補正に用いることが望ましい。その他、前記イヤホン型マイクロホンに外部の音声を拾う他のマイクロホンを設け、前記イヤホン型マイクロホンを前記ヘッドセット本体に接続したとき、ヘッドセット本体のマイクロホンからイヤホン型マイクロホンに切り換えて機能させてイヤホン型マイクロホンの両マイクロホンで拾う音声を重畳させたり、外部の音声を拾う他のマイクロホンをノイズキャンセルや外部の音声を聞かせるための補聴や高域補正に用いることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、騒音下での明瞭な通話を実現しながら、使用環境や用途に応じて片耳、両耳両方の仕様を使い分けできるヘッドセットを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係るヘッドセットの斜視図である。
【図2】図1に示すヘッドセット本体の断面図である。
【図3】図1に示すイヤホン型マイクロホンの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
【0015】
図1に示すヘッドセット1は、図示しない携帯電話・PHSやスマートホン等の電話機に接続し、ハンズフリーで通話を行うためのものであり、一方の耳に装着するヘッドセット本体2と、他方の耳に装着するイヤホン型マイクロホン3と、これらヘッドセット本体2とイヤホン型マイクロホン3を分離可能に接続するコネクタ4とを備えている。
【0016】
図2に示すように、ヘッドセット本体2は、略矩形状の底板の周側縁から周側壁を立ち上げてなる樹脂製のハウジング本体5と、このハウジング本体5の開口面を塞ぐ樹脂製のカバー6とでヘッドセット本体2のハウジング7を構成し、このハウジング7に、ハウジング本体5と一体に形成して、ハウジング本体5の一端側底面から外向きに突出させ、根元側に大径部8、先端側に小径部9を有し、その小径部9の内孔を放音孔10とする段付き円筒形状のイヤホンハウジング11と、ハウジング本体5の他端側周側面の一部を開口する収音孔12を設け、イヤホンハウジング11の大径部8内にダイナミック型のスピーカ13を組み込むと共に、小径部9にイヤホン装着時にフィット感や耳内から外部への音漏れ及び外部から耳内への雑音の侵入を防止する遮音性を得るための弾性材料(例えばシリコンラバー)からなるイヤーピース(耳栓)14を外嵌して、一方の耳の孔(外耳道)に深く差し込んで使用するカナル型のイヤホン15を構成し、ハウジング7の収音孔12の内側にコンデンサ型のマイクロホン16を設置している。
【0017】
こうして、ヘッドセット本体2は、受話音声を再生するイヤホン15と口から出された音声を拾うマイクロホン16を有し、イヤホン15を一方の耳の孔に差し込むことにより、収音孔12を口元に向けた状態で一方の耳に装着できるようになっている。ここで、イヤホン15を一方の耳の孔に差し込むだけでも、ヘッドセット本体2の脱落を確実に防止できると共に、高い装着安定性を得られるが、ハウジング7に着脱可能な図示しない耳掛けフックを設け、この耳掛けフックを用いてヘッドセット本体2を一方の耳に掛け止めることにより、ヘッドセット本体2の脱落をより確実に防止すると共に、装着安定性をさらに高めるようにしてもよい。イヤホン15はカナル型に限らずインナーイヤー型であってもよい。マイクロホン16はコンデンサ型以外(例えばダイナミック型、圧電型等)のものであってもよい。
【0018】
また、ヘッドセット本体2は、それと電話機との間を無線で接続するための近距離無線通信モジュール17を有して、ワイヤレスヘッドセット1を構成するもので、この近距離無線通信モジュール17は、Bluetooth(登録商標)による無線通信を行うモジュールからなり、ハウジング7に、図示しないアンテナや充電可能な二次電池と共に内蔵され、イヤホン15のスピーカ13、マイクロホン16、アンテナや二次電池が電気的に接続されている。勿論、Bluetooth以外の無線通信(例えば赤外線通信)を用いるようにしてもよい。
【0019】
ヘッドセット本体2は、図示しないが、電源スイッチ、フックスイッチ、音量調整スイッチ並びに仕様切り換えスイッチ等の操作スイッチと、電源状態や通信状態、仕様状態を表示するLEDと、充電用コネクタ(例えばminiUSBコネクタソケット)を設けている。勿論、これらも近距離無線通信モジュール17に電気的に接続されている。
【0020】
図3に示すように、イヤホン型マイクロホン3は、一側に大径部18を、他側に小径部19を有し、内孔を収音孔20とする段付き円筒形状で樹脂製のハウジング本体21と、このハウジング本体21の大径部18側の開口端部に嵌着するドーム形状のカバー部22とそのカバー部22からハウジング本体21の軸線と略垂直な方向に突出する筒状のコード挿通部23を一体に形成し、ハウジング本体21とでイヤホン型マイクロホン3のイヤホン型ハウジング25を構成する樹脂製のハウジングカバー24と、ハウジング本体21の小径部19に外嵌して、イヤホン型マイクロホン装着時にフィット感や耳内から外部への音漏れ及び外部から耳内への雑音の侵入を防止する遮音性を得るための弾性材料(例えばシリコンラバー)からなるイヤーピース(耳栓)26と、ハウジング本体21の大径部18側の開口端部に嵌着して、イヤホン型ハウジング25の収音孔20の軸線方向奥側に組み込まれるコンデンサ型のマイクロホン27とで、一方の耳の孔(外耳道)に深く差し込んで使用するカナル型のイヤホン形状に構成されている。
【0021】
こうして、イヤホン型マイクロホン3は、イヤホン15(ヘッドセット本体2)を装着する耳とは反対側の耳に差し込むことにより、収音孔12を耳内に向けた状態でイヤホン15を装着する耳とは反対側の耳に装着し保持でき、周囲の騒音、風切り音等の耳の外部の音を拾うことなく、耳内に発生する音声のみを拾うことができるようになっている。イヤホン型マイクロホン3のイヤホン形状はカナル型に限らずインナーイヤー型であってもよい。マイクロホン27はコンデンサ型以外(例えばダイナミック型、圧電型等)のものであってもよい。
【0022】
図1に示すように、ヘッドセット本体2とイヤホン型マイクロホン3との間は有線で接続するもので、その接続コード28はイヤホン型マイクロホン側に設けており、イヤホン型ハウジング25内に組み込まれたマイクロホン27に一端を結線し、ハウジングカバー24のコード挿通部23を通してイヤホン型ハウジング25の外部に引き出している。
【0023】
また、接続コード28の末端にはプラグ29(例えばΦ3.5mmのステレオミニプラグ)を設け、ヘッドセット本体2にはプラグ29を挿入接続するジャック30を設け、これらプラグ29とジャック30によりコネクタ4を構成している。ジャック30は近距離無線通信モジュール17に電気的に接続されており、イヤホン型マイクロホン3のマイクロホン27は接続コード28及びコネクタ4を通じて近距離無線通信モジュール17に電気的に接続される。
【0024】
上記のように構成したヘッドセット1の使用方法について説明する。
【0025】
このヘッドセット1は、基本的に、ヘッドセット本体2のみを使用する片耳仕様で使用する。ヘッドセット1を片耳仕様で使用するときは、ヘッドセット本体2の図示しない電源スイッチをオン操作してヘッドセット本体2を待ち受け状態にする(このとき例えばヘッドセット本体2の図示しない電源状態表示用LEDを点灯させて電源オン状態を表示する)と共に、ヘッドセット本体2の図示しない仕様切り換えスイッチを片耳側に操作してヘッドセット本体2を片耳仕様にして(このとき例えばヘッドセット本体2の図示しない仕様状態表示用LEDは消灯状態で片耳仕様を表示する)、ヘッドセット本体2を例えば左耳に装着する。またそのヘッドセット本体2と予めペアリングされた例えば携帯電話のキー操作で、携帯電話を発信・着信可能な待ち受け状態にすると共に、Bluetooth機能を有効にする。
【0026】
この状態で、携帯電話に着信があると、Bluetoothによる無線通信により、携帯電話から送信される着信信号をヘッドセット本体2の近距離無線通信モジュール17で受信する(このとき例えばヘッドセット本体2の図示しない通信状態表示用LEDを点滅させて着信状態を表示する)。そして、ヘッドセット本体2においては、D/A変換された着信信号が近距離無線通信モジュール17からイヤホン15のスピーカ13に出力され、そのイヤホン15のスピーカ13で再生されるので、使用者はヘッドセット本体2を装着した左耳で着信音を聞くことになる。
【0027】
この着信中に、例えばヘッドセット本体2の図示しないフックスイッチがオフ操作(オフフック)されると、Bluetoothによる無線通信により、ヘッドセット本体2の近距離無線通信モジュール17から送信された応答信号が携帯電話で受信されるので、かかってきた電話を受けて、通話することができる(このとき例えばヘッドセット本体2の通信状態表示用LEDを点滅から点灯に切り換えて通話状態を表示する)。
【0028】
そして、ヘッドセット1を片耳仕様で使用しているときは、Bluetoothによる無線通信により、携帯電話から送信される相手側の音声信号をヘッドセット本体2の近距離無線通信モジュール17で受信すると、ヘッドセット本体2においては、D/A変換された相手側の音声信号が近距離無線通信モジュール17からイヤホン15のスピーカ13に出力され、そのイヤホン15のスピーカ13で再生されるので、使用者はヘッドセット本体2を装着した左耳で相手側の音声を聞くことができる。
【0029】
また、使用者の口から出された音声は、ヘッドセット本体2の収音孔12を通してマイクロホン16で拾われ、そのマイクロホン16で音声信号に変換されて近距離無線通信モジュール17に出力され、Bluetoothによる無線通信により、ヘッドセット本体2の近距離無線通信モジュール17から送信されたA/D変換された使用者の音声信号が携帯電話で受信されて相手側に届けられるので、使用者の音声を相手側が聞くことができる。
【0030】
こうして、ヘッドセット1は、ヘッドセット本体2のイヤホン15とマイクロホン16を使用する片耳仕様で使用することにより、ハンズフリーでの通話を実現するが、騒音が激しい中や強風の中、ジョギング中等に使用するときは、ヘッドセット本体2のマイクロホン16が使用者の口から出された音声と一緒に周囲の騒音や風きり音等を拾ってしまうため、使用者の声が相手側に聞き取り辛くなる。
【0031】
このため、ヘッドセット1を騒音下等で使用するときは、ヘッドセット本体2とそれに付属のイヤホン型マイクロホン3を使用する両耳仕様で使用する。ヘッドセット1を両耳仕様で使用するときは、イヤホン型マイクロホン側に設けた接続コード28の末端にあるプラグ29をヘッドセット本体側に設けたジャック30に挿入接続して、イヤホン型マイクロホン3をプラグ29及びジャック30(コネクタ4)と接続コード28を用いて有線でヘッドセット本体2に接続し、ヘッドセット本体2の図示しない仕様切り換えスイッチを両耳側に操作してヘッドセット本体2を両耳仕様にして(このとき例えばヘッドセット本体2の図示しない仕様状態表示用LEDを点灯させて両耳仕様を表示する)、ヘッドセット本体2を例えば左耳に装着し、またイヤホン型マイクロホン3を右耳に装着する。ここで、ヘッドセット本体2のジャック3としてプラグ29の挿抜により切り換わるスイッチを有するスイッチ付きジャックを用い、プラグ29の挿抜により片耳/両耳仕様を自動的に切り換えるようにしてもよい。
【0032】
そして、ヘッドセット1を両耳仕様で使用しているときは、ヘッドセット本体2のマイクロホン16からイヤホン型マイクロホン3のマイクロホン27に切り換えて機能させている。イヤホン型マイクロホン3は、周囲の騒音等をほとんど拾わず、使用者の口から声を出すときに両方の耳内に発生する音声うち、イヤホン型マイクロホン3を装着した耳(右耳)内に発生する音声のみを、そのイヤホン型マイクロホン3の収音孔20を通してマイクロホン27で拾い、そのマイクロホン27で音声信号に変換して近距離無線通信モジュール17に出力するため、使用者の音声に混じって周囲の騒音等を相手側に伝えることがなく、使用者の音声を相手側が聞き取りやすくなり、騒音下等での明瞭な通話を実現する。
【0033】
こうして、ヘッドセット1は、イヤホン型マイクロホン3をコネクタ4と接続コード28を用いて有線でヘッドセット本体2に接続し、少なくともヘッドセット本体2のイヤホン15とイヤホン型マイクロホン3を使用する両耳仕様で使用することにより、騒音下での明瞭な通話を実現するが、このような両耳を塞ぐ両耳仕様のヘッドセット1を装着して自動車を運転することは禁じられている。また、耳内で発生する音声は、口から出された音声に比べて高域が減退し、音質が低下する傾向にあるため、使用環境によってはヘッドセット1を両耳仕様で使用すると片耳仕様で使用するときに比べて送話音質が低下する場合がある。
【0034】
このため、ヘッドセット1を自動車の運転中に利用したり、静寂下で使用するときは、ヘッドセット本体2にコネクタ4と接続コード28を用いて有線で接続しているイヤホン型マイクロホン3を接続コード28ごとヘッドセット本体2から分離し、前述したように、ヘッドセット本体2のイヤホン15とマイクロホン16を使用する片耳仕様で使用することにより、ヘッドセット1の自動車の運転中での利用や静寂下での送話音質向上を実現する。
【0035】
したがって、ヘッドセット1では、騒音下での明瞭な通話を実現しながら、使用環境や用途に応じて片耳、両耳両方の仕様を使い分けできる。また、ワイヤレスヘッドセット1であっても、使用環境や用途に応じて片耳、両耳両方の仕様を使い分けできる。さらに、ヘッドセット1を片耳仕様で使用するときに、ヘッドセット本体2に接続コードを繋いだままでいなければならない等の煩雑さをなくすことができる。
【0036】
ヘッドセット1では、両耳仕様で使用するときに、ヘッドセット本体2のマイクロホン16からイヤホン型マイクロホン3に切り換えて機能させたが、ヘッドセット本体2のマイクロホン16も機能させ、両マイクロホン16,27で拾う音声を重畳させるようにしてもよい。この場合、使用者の音声に混じって周囲の騒音等を相手側に伝えるが、使用者の音声を強調して伝えることより、騒音下での明瞭な通話を実現する。またヘッドセット本体2のマイクロホン16をノイズキャンセルや外部の音声を聞かせるための補聴、その他イヤホン型マイクロホン3の高域補正に用いてもよい。
【0037】
また、ヘッドセット1を両耳仕様で使用するときに、ヘッドセット本体2のマイクロホン16を機能させる代わりに、イヤホン型マイクロホン3に、耳内で発生する音声を拾うマイクロホン27に加え、外部の音声を拾う図示しないコンデンサ型等の他のマイクロホンを設け、この他のマイクロホンも機能させ、両マイクロホンで拾う音声を重畳させるようにしてもよい。この場合も、使用者の音声に混じって周囲の騒音等を相手側に伝えるが、使用者の音声を強調して伝えることより、騒音下での明瞭な通話を実現する。また他のマイクロホンをノイズキャンセルや補聴、高域補正に用いてもよい。
【0038】
以上、本実施の形態は本発明の好適な一実施の形態を説明したが、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施することができる。例えばヘッドセット本体と電話機との間を有線で接続する場合もある。
【符号の説明】
【0039】
1 ヘッドセット
2 ヘッドセット本体
3 イヤホン型マイクロホン
4 コネクタ
15 イヤホン
16 マイクロホン
17 近距離無線通信モジュール
27 マイクロホン
28 接続コード
29 プラグ
30 ジャック

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受話音声を再生するイヤホンと口から出された音声を拾うマイクロホンを有するヘッドセット本体と、前記イヤホンを装着する耳とは反対側の耳に装着し、その耳内に発生する音声を拾うイヤホン型マイクロホンと、このイヤホン型マイクロホンを前記ヘッドセット本体と分離可能に接続するコネクタとを備えることを特徴とするヘッドセット。
【請求項2】
前記ヘッドセット本体は、それと電話機との間を無線で接続するための近距離無線通信モジュールを有して、ワイヤレスヘッドセットを構成する請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項3】
前記ヘッドセット本体と前記イヤホン型マイクロホンとの間を有線で接続する接続コードをイヤホン型マイクロホン側に設け、前記接続コードの末端に設けるプラグと前記ヘッドセット本体に設けるジャックにより前記コネクタを構成する請求項1に記載のヘッドセット。
【請求項4】
前記イヤホン型マイクロホンを前記ヘッドセット本体に接続したとき、ヘッドセット本体のマイクロホンからイヤホン型マイクロホンに切り換えて機能させる又はヘッドセット本体のマイクロホンとイヤホン型マイクロホン両方を機能させて両マイクロホンで拾う音声を重畳させたり、ヘッドセット本体のマイクロホンをノイズキャンセルや外部の音声を聞かせるための補聴や高域補正に用いる請求項1に記載のヘッドホン。
【請求項5】
前記イヤホン型マイクロホンに外部の音声を拾う他のマイクロホンを設け、前記イヤホン型マイクロホンを前記ヘッドセット本体に接続したとき、ヘッドセット本体のマイクロホンからイヤホン型マイクロホンに切り換えて機能させてイヤホン型マイクロホンの両マイクロホンで拾う音声を重畳させたり、外部の音声を拾う他のマイクロホンをノイズキャンセルや外部の音声を聞かせるための補聴や高域補正に用いる請求項1に記載のヘッドホン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−273108(P2010−273108A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123176(P2009−123176)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】