説明

ヘビーデューティ駆動装置、及び、それによって駆動されるミル

垂直線(A)の周囲に回転可能な粉砕ボウル(2)を有するミルのためのヘビーデューティ駆動装置(1)は、筐体(6)と、筐体(6)内に設けられ、筐体(6)上に支持される電動機(5)と、歯車装置(4)とを備える。粉砕ボウル(2)は、歯車装置(4)を介して電動機(5)によって駆動できる。電動機(5)は歯車装置(4)の下方に設けられる。電動機(4)は筐体(6)に一体化される。有利に、電動機(5)は筐体(6)上に、特に筐体(6)の底部要素(6c)上に支持される。回転子(7)は歯車装置(4)の歯車(11)に直接、又は、回転子に一体化される継手を介して連結できる。ミルは、例えばローラボウルミルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はローラボウルミル、特にセメントミル及び石炭ミルのようなミル、特にそのために使用されるヘビーデューティ駆動装置に関する。本発明は、独立請求項のプリアンブルに記載の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大半の今日のセメントミル及び石炭ミルにおいて、ローラボウルは、歯車装置に横方向で隣接して設けられる電動機によって、歯車装置を介して駆動される。水平に設けられるローラボウルを有するこのようなミルの場合、電動機の回転運動は、かさ歯車段へ継手を介して伝達され、それを通して、最初水平軸周りである回転運動が、垂直軸の周りの回転に向け直される。大抵の場合、遊星歯車装置は、出力フランジを介してローラボウルを動かす歯車装置として使用される。代替的に、又は、追加として、平歯車装置もしばしば利用される。
【0003】
スイス国特許公開第658 801号の図1はこの種類の構造を開示する。
かさ歯車段の製造は、特にそれらが高い精度を有するべきである場合、とても高価である。更に、かさ歯車段は、吸収すべき大きな半径方向及び軸方向の力を軸受内に発生し、それに対応して広範な寸法設定をすることになる。
【0004】
米国特許第4,887,489号は、垂直軸を歯車装置に横方向で隣接させて電動機を配置し、回転運動を歯車装置内へ一連の歯車によって伝達することを提案しており、このようにして、かさ歯車装置が必要とされない。
【0005】
スイス国特許公開第658 801号の図2から4は、ローラボウルミルの場合、垂直軸を有する電動機を歯車装置の下方に設けることを提案する。スイス国特許公開第658 801号の図3及び4において、ローラボウルミルは架台又は柱によって保持され、架台及び柱は基礎上にそれぞれ支持される。これらの場合、電動機は基礎に沈み込み、それにより、基礎の上方で構造高さを節約することができる。スイス国特許公開第658 801号の図2において、ローラボウルミルは、基礎上に支持される柱によって保持される。この場合、電動機は柱の間に設けられ、柱の間に基礎上に独立して支持される。
【0006】
従来技術から知られるローラボウルミル及びそれぞれの駆動装置の場合、電動機は常に独立した部分である。発明者は、これはミルの設計について不利な結果をもたらすことを発見した。特に、この設計は、粉砕工程中に発生する大きな垂直方向の力を、ミル構造内において電動機の周囲で横方向に伝達させること、及び、電動機を基礎上に独立して支持させることを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の欠点のない、最初に述べたタイプのヘビーデューティ駆動装置を提供することが、本発明の目的である。特に、代替的設計を伴う駆動装置が提供されることとなる。本発明の他の一目的は対応するミルを提供することである。
【0008】
本発明の他の一目的は、かさ歯車段のない駆動装置を提供することである。
本発明の他の一目的は、特に、要求される空間が増大されず、又は、更には削減されることが達成される、既存の駆動装置又はミル内のかさ歯車段の交換の可能性を提供することである。
【0009】
本発明の他の一目的は、特に小型の駆動装置及びミルを提供することである。
本発明の他の一目的は、それぞれ、特に長い寿命を有し、並びに/或いは、保守の必要性がほとんどない駆動装置及びミルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの目的の内の少なくとも1つは、独立請求項の特徴を備える装置及び方法によって達成される。
垂直線の周囲に回転可能な粉砕ボウルを有するミルのためのヘビーデューティ駆動装置は、筐体と、筐体内に設けられ、筐体上に支持される電動機と歯車装置とを備える。粉砕ボウルは、歯車装置を介して電動機によって駆動できる。電動機は歯車装置の下方に設けられる。ヘビーデューティ駆動装置は、電動機は筐体に一体化されることを特徴とする。電動機を一体化することによって、代替的設計による駆動装置が提供できる。
【0011】
より詳細には、ミルのためのヘビーデューティ駆動装置は、概ね、ミルの粉砕ボウルのためのヘビーデューティ駆動装置である。
本発明の一実施形態において、電動機は筐体内に設けられる。
【0012】
本発明の一実施形態において、ミルはローラボウルミルである。
本発明の一実施形態において、電動機は筐体上に支持される。このようにして、基礎上に電動機を独立して支持することはもはや必要とされない。その代わりに、筐体だけが基礎上に支持されることを必要とし、歯車装置並びに電動機は筐体上に支持される。ミルの全体的安定性はそれによって増大できる。
【0013】
本発明の一実施形態において、筐体は底部要素を有し、電動機は底部要素上に支持される。
典型的に、底部要素は基礎上に支持される。
【0014】
本発明の一実施形態において、底部要素が底板を備える。特に、底部要素は底板である。
本発明の一実施形態において、電動機は、ヘビーデューティ駆動装置の筐体内に設けられる電動機筐体内に設けられる。
【0015】
一実施形態において、追加として、電動機は独立して収容される。
一実施形態において、電動機は、垂直に方向付けられた回転子軸を有する。
本発明の一実施形態において、電動機は、歯車装置の歯車へ継手を介して連結される回転子を有する。
【0016】
本発明の一実施形態において、回転子は歯車装置の歯車へ単一の継手を介して連結される。
本発明の一実施形態において、歯車装置は、太陽歯車を備える遊星歯車装置を有し、太陽歯車は、継手を介して回転子に連結される。
【0017】
本発明の一実施形態において、継手は、回転子内に形成される歯部を有する。それによって、ヘビーデューティ駆動装置の特に小型の形態が実現できる。
本発明の一実施形態において、歯車装置の歯車は、電動機に向かう延長部を有し、その端部は歯部を有し、回転子内に形成される歯部に係合する。
【0018】
本発明の一実施形態において、継手は、これらの2つの歯部、すなわち、電動機に向かう歯車の延長部の端部の歯部、及び、回転子内に形成される歯部を含む。
本発明の一実施形態において、歯車装置の歯車(特に遊星歯車装置の太陽歯車)は、電動機に向かう延長部(シャフト)を有し、その端部は、回転子内に形成される内側歯部と共に、継手を形成する外側歯部、又は、その少なくとも一部を有する。
【0019】
本発明の一実施形態において、継手は回転子内に設けられる。これは駆動装置の構造高さを低くできる。
本発明の一実施形態において、継手は完全に回転子内に設けられる。これは駆動装置の構造高さを特に低くできる。
【0020】
本発明の一実施形態において、回転子は、最も高い軸受(すなわち、軸受が垂直方向に最も高い位置に設けられる回転子の回転のための軸受)を有し、継手は、最も高い軸受の上方端部の下方、又は、更には最も高い軸受の下方に(部分的又は全体的に)設けられる。典型的に、回転子は最も低い軸受と最も高い軸受とを有する。
【0021】
この実施形態は、回転子が内部回転子(内部回転子について、更に、以下を参照のこと)として実施される場合、特に有利である。
本発明の一実施形態において、継手は剛性継手、より詳細には回転剛性継手である。
【0022】
本発明の一実施形態において、継手は可撓性継手、より詳細には、回転可撓性継手である。特に、継手は高可撓性継手であり得る。用語「高可撓性継手」は、数度で可撓に変形される(ねじられる)ように設計されている、又は、そのように意図されている可撓性継手を示す。
【0023】
本発明の一実施形態において、継手は回転子に直接一体化される。
本発明の一実施形態において、電動機は、歯車装置の歯車へ継手を用いずに連結される回転子を有する。
【0024】
本発明の一実施形態において、歯車装置は、太陽歯車を備える遊星歯車装置を有し、太陽歯車は、回転子へ継手を用いずに連結される。
本発明の一実施形態において、歯車装置及び電動機は相互に直接連結される。
【0025】
一実施形態において、歯車装置及び回転子はねじれシャフトを介して相互に連結される。ねじれシャフトは一定量のねじれを許容するように設計される。ねじれシャフトを備えることにより、厚い石の粉砕によって生じる衝撃による、ローラボウルミルの減速を引き起こす力など、突然発生する力を補償できる。
【0026】
本発明の一実施形態において、筐体は、電動機を受容する部分筐体並びに歯車装置を受容する他の部分筐体を有する。
本発明の一実施形態において、歯車装置は電動機の部分筐体上に支持される。
【0027】
本発明の一実施形態において、回転子の少なくとも1つの軸受の少なくとも一部は、回転子の稼動範囲の延長部範囲内の垂直座標に対して設けられる。これは電動機の構造高さを低くする結果となる。
【0028】
本発明の一実施形態において、回転子は、回転子の稼動部分垂直方向の延長部よりもより大きい直径を有する。これは電動機の構造高さを低くできる。
本発明の一実施形態において、回転子は内部回転子であり、それは、固定子が回転子の稼動部分の外側に動径座標に対して設けられることを意味する。
【0029】
本発明の一実施形態において、回転子は外部回転子であり、それは、固定子が回転子の稼動部分内に動径座標に対して設けられることを意味する。
本発明の一実施形態において、回転子は円板回転子であり、それは、回転子及び固定子が動径座標に対して重なり合い、磁束が実質的に垂直方向に少なくとも部分的に走ることを意味する。
【0030】
本発明の一実施形態において、回転子は摺動可能に支持される。
本発明の一実施形態において、回転子は、ローラ軸受、特にスイベル管継手ローラ軸受によって支持される。
【0031】
本発明の一実施形態において、電動機は、個別に取り付けできる1つ又は(有利には)複数の磁極片を含む固定子を有する。
本発明の一実施形態において、回転子は、永久磁石、特に希土類の少なくとも1つの元素を含む永久磁石を有する。これは、電動機の形態を特に小型にできる。
【0032】
本発明の一実施形態において、電動機は少なくとも2つの磁極を有する。
本発明の一実施形態において、回転子は、少なくとも1つのねじれ振動減衰要素を有する。それによって、歯車装置の安全係数はより小さく設計できる。
【0033】
本発明の一実施形態において、電動機は冷却され、特にファンによって空気冷却され、一実施形態において、電動機はファンによって直接(それ自体で)冷却され、他の一実施形態において、更にはそれと組み合わせ可能に、電動機は、ファンによって、電動機を受容する筐体を冷却することによって間接的に冷却される。
【0034】
本発明の一実施形態において、電動機は、液体冷却材によって、電動機を受容する筐体を冷却することによって間接的に冷却される。
本発明の一実施形態において、歯車装置は冷却システムを有し、電動機は、そこへ熱的に連結される冷却システムを有する。それによってより簡易なやり方で、全体の冷却システムは設計できる。例えば、同一の冷却材が、歯車装置並びに電動機を冷却するために使用できる。特に、この冷却材は、追加として、歯車装置のための潤滑剤として働くことができる。
【0035】
本発明の一実施形態において、電動機は閉回路内に流体(すなわち、液体又は気体の)冷却材を含む冷却システムを有し、冷却材は、熱交換器によって他の流体冷却材へ熱を発することができる。それによって、電動機は特に効率的なやり方で冷却できる。
【0036】
本発明の一実施形態において、歯車装置は平歯車装置を有する。これは、特に偏心的に配置された電動機、すなわち、粉砕ボウルの回転軸と一致しない回転子軸を有する電動機の場合に有利であり得る。
【0037】
本発明の一実施形態において、歯車装置は遊星歯車装置を有する。
本発明の一実施形態において、遊星歯車装置は、垂直に延在する中心軸を有する。
本発明の一実施形態において、遊星歯車装置は、粉砕ボウルの回転子軸に対応する中心軸を有する。
【0038】
本発明の一実施形態において、遊星歯車装置は、電動機の回転子軸に対応する中心軸を有する。
本発明の一実施形態において、歯車装置は多段の、特に二段の遊星歯車装置を有する。遊星歯車装置は配電と連結でき、又は、連結しないこともできる。
【0039】
一実施形態において、電動機は、特に歯車装置のような、ヘビーデューティ駆動装置の他の部分と同じ筐体に設けられる。
本発明によるミルは、本発明によるヘビーデューティ駆動装置を有する。一実施形態において、ミルはローラボウルミル、例えば、セメントミル又は石炭ミルである。
【0040】
更に、実施形態及び利点は、従属請求項及び図面から推量できる。
以下に、本発明の内容は、例示的実施形態及び添付図面によって一層詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】一段遊星歯車装置に直接連結された内部回転子電動機を有する駆動装置を概略的に示す断面図である。
【図2】継手を介して一段遊星歯車装置に連結された、独立して収容される内部回転子電動機を有する駆動装置を概略的に示す断面図である。
【図3】回転子に一体化された継手を介して一段遊星歯車装置に連結された、独立して収容される内部回転子電動機を有する駆動装置を概略的に示す断面図である。
【図4】多段遊星歯車装置に直接連結された円板回転子電動機を有する駆動装置を概略的に示す断面図である。
【図5】多段遊星歯車装置に直接連結された外部回転子電動機を有する駆動装置を概略的に示す断面図である。
【図6】偏心的に配置された外部回転子電動機及び平歯車装置を有する駆動装置を概略的に示す断面図である。
【図7】駆動装置の冷却システムの概略図である。
【図8】駆動装置の冷却システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図面で使用される符号、及び、それらの意味が符号の説明にまとめられる。本発明を理解するために重要ではない幾つかの部分は表されない。例示的実施形態は本発明の主題を例示し、どのような制限効果も有しない。
【0043】
図1は、一段遊星歯車装置4に直接連結された内部回転子電動機5を有する駆動装置1の断面図を概略的に示す。他の図面のように、図1にも歯部は明示的に示されない。
駆動装置1は、電動機5及び遊星歯車装置4が中に支持される筐体6を有する。電動機5は固定子8と回転子7とを有する。回転子7は、回転可能に、上方軸受10及び下方軸受9に支持される。固定子8並びに下方軸受9は、基礎3上に支持される筐体底部要素6c上に支持される。
【0044】
電動機5は、筐体6の下方部分筐体6aに設けられ、一方、遊星歯車装置4は、筐体6の上方部分筐体6bに設けられる。それによって、遊星歯車装置4は下方部分筐体6a上に支持される。
【0045】
遊星歯車装置4は、内歯車12、太陽歯車11並びに幾つかの遊星歯車13を有する。太陽歯車11は電動機5の回転子7に直接連結される。継手はこれら2つの間に備えられない。従って、電動機5(より詳細には回転子7)及び遊星歯車装置4(より詳細には太陽歯車11)は、それらが遊びのないやり方で相互に固定されるように連結される。従って、回転子7の回転は、太陽歯車11の即時の回転を生じ、それによって、遊星歯車13は駆動され、それは次いで駆動装置1の出力フランジ14を駆動する。出力フランジ14の回転は、セメントミルに付随するミルのフランジ2を駆動する。
【0046】
電動機5は、遊星歯車装置4の中心軸Z及びミルのフランジ2の回転軸Aと一致する回転子軸Rを有する。軸A、Z、Rは全て垂直線に沿って延在する。垂直座標はxとして示され、動径座標はrとして示される。
【0047】
図2は、継手15を介して一段遊星歯車装置4に連結される、独立して収容される内部回転子電動機5を有する駆動装置1の断面図を概略的に示す。
図2の実施形態は、図1に示される実施形態に大部分対応し、それに基づき述べられることとなる。図2において、電動機5は、筐体6内に設けられるだけではなく、また、軽量な構造の独立した筐体16(電動機筐体16)内に独立して収容される。更に、太陽歯車11は、直接ではないが、例えば、可撓性継手の継手15を介して電動機5に連結される。
【0048】
図2に見られるように、回転子7の下方軸受9(軸方向の延長部hを有する)は、完全に回転子7の稼動部分の軸方向の延長部(高さ)H内に配置される。更に、回転子7の稼動部分の高さHは回転子7の直径Dよりもより小さい。
【0049】
図2の参照符号17は、概略的にだけ示されるねじれ振動減衰要素を示す。それは、回転子内のねじれ振動を減衰する効果がある。これは、例えば、減衰要素(例えばバネ要素)によって、又は、減衰媒体(例えば液体)によって、支持される質量体によって実現できる。
【0050】
図3は、回転子に一体化される継手15を介して一段遊星歯車装置に連結された、独立して収容された内部回転子電動機5を有する駆動装置の断面図を概略的に示す。
図3の実施形態は、図2に示される実施形態に大部分対応しており、それに基づいて述べられることとなる。図3において、可撓性継手15は回転子7内に設けられる。それは、2つの歯部の協働によって形成され、所望の可撓性が達成されるように、1つは回転子7内に形成され、他方は、遊星歯車装置4の歯車11の延長部の端部に形成され、可撓体が歯の間に設けられる。参照符号25は、歯車装置4を受容する上方部分筐体6bに対して、電動機5を受容する下方部分筐体6aを密封する密封材を示す。
【0051】
図4の実施形態は、図1に示される実施形態に大部分対応しており、それに基づいて述べられることとなる。図4は、配電を伴う、多段遊星歯車装置4に直接連結された円板回転子電動機5を有する駆動装置1の断面図を概略的に示す。上方部分歯車装置の太陽歯車11は回転子7に直接連結される。
【0052】
図5の実施形態は、図1及び4に示される実施形態に大部分対応し、それらに基づき述べられることとなる。図5は、多段遊星歯車装置4に直接連結された外部回転子電動機5を有する駆動装置1の断面図を概略的に示す。下方部分歯車装置の太陽歯車11は回転子7に直接連結される。
【0053】
図6の実施形態は、図5に示される実施形態に大部分対応しており、それに基づいて述べられることとなる。図6は、偏心的に配置された外部回転子電動機5と平歯車装置4bとを有する駆動装置1の断面図を概略的に示す。平歯車装置4bは、2つの遊星歯車装置から成る遊星歯車装置4aと共に、駆動装置1の歯車装置4を形成する。電動機5は、軸Aと平行に延在するが、それとは一致しない回転子軸Rを有する。回転子7の回転は、遊星歯車装置4bへ平歯車装置4bを通して伝達される。電動機は独立して収容され(電動機筐体16)、中空の回転子7を有する。
【0054】
図1から6に示される例示的実施形態は、本発明の範囲内で可能な少数の改良を構成するに過ぎない。特に、図1から6に示される例示的実施形態と関連して論じられる電動機5及び歯車装置組立体4の組み合わせは例示的であるにすぎず、駆動装置1を形成するために、論じられる電動機5は、論じられる歯車装置4と自在に結合できることに留意されたい。更に、それらの以下に論じられる冷却システムとのあらゆる組み合わせが可能である。
【0055】
図7は、例えば、上述のものに対応する1つの駆動装置の冷却システムをとても概略的に示した図である。電動機5は、例えば、水又は気体の冷却流体22で充填された閉冷却回路20を有する。更に、歯車装置4(例えば、遊星歯車装置4)は、冷却流体21で充填された閉冷却回路19を有する。2つの冷却回路19、20は、例えば、熱交換器18を介して、熱的に連結される。
【0056】
図8は、図7と同様に、例えば、上述のものに対応する1つの駆動装置の冷却システムをとても概略的に示した図である。この場合、歯車装置4の冷却回路、及び、電動機5の冷却回路は、共通する冷却回路24を形成する。従って、同一の冷却流体23が歯車装置4並びに電動機5を冷却するために使用される。
【0057】
図7による例示的実施形態、並びに図8による例示的実施形態において、冷却流体21及び23はそれぞれ、歯車装置4を冷却するために使用され、また、歯車装置4のための潤滑剤として役立つ。
【符号の説明】
【0058】
1 駆動装置、ヘビーデューティ駆動装置
2 ミルのフランジ
3 基礎
4 歯車装置
4a 遊星歯車装置
4b 平歯車装置
5 電動機
6 筐体
6a 下方部分筐体
6b 上方部分筐体
6c 底部要素、底板要素
7 回転子
8 固定子
9 軸受
10 軸受
11 太陽歯車
12 内歯車
13 遊星歯車
14 出力フランジ
15 継手
16 電動機筐体
17 ねじれ振動減衰要素
18 熱交換器
19 冷却回路
20 冷却回路
21 冷却流体
22 冷却流体
23 冷却流体
24 冷却回路
25 密封材
A 軸、垂直線
D 直径
h 高さ、垂直方向の延長部
H 高さ、垂直方向の延長部
r 動径座標
R 軸、回転子軸
x 軸座標、垂直座標
Z 軸、中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直線(A)の周囲に回転可能な粉砕ボウル(2)を有するミルのためのヘビーデューティ駆動装置(1)であって、筐体(6)と、電動機(5)と、前記筐体(6)内に設けられ、前記筐体(6)上に支持される歯車装置(4)とを備え、前記粉砕ボウル(2)は、前記歯車装置(4)を介して前記電動機(5)によって駆動でき、前記電動機(5)は前記歯車装置(4)の下方に設けられる、ヘビーデューティ駆動装置(1)において、前記電動機(4)は前記筐体(6)に一体化されることを特徴とする装置(1)。
【請求項2】
前記電動機(5)は前記筐体(6)上に支持されることを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記筐体(6)は底部要素(6c)を有し、前記電動機(5)は前記底部要素(6c)上に支持されることを特徴とする請求項1又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記電動機(5)は、前記ヘビーデューティ駆動装置(1)の前記筐体(6)内に設けられる電動機筐体(16)内に設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記電動機(5)は、前記歯車装置(4)の歯車(11)へ継手(15)を介して連結される回転子(7)を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記継手(15)は、前記回転子(7)内に形成される歯部を有することを特徴とする請求項5に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記歯車装置(4)の前記歯車(11)は、前記電動機(5)に向かう延長部を有し、その端部は歯部を有し、前記回転子(7)内に形成される歯部に係合することを特徴とする請求項5又は6に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記継手(15)は前記回転子(7)内に設けられることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記継手(15)は可撓性継手であることを特徴とする請求項5から8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記電動機(5)は、前記歯車装置(1)の歯車(11)へ継手を用いずに連結される回転子(7)を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記筐体(6)は、前記電動機(5)を受容する部分筐体(6a)並びに前記歯車装置(4)を受容する他の部分筐体(6b)を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記歯車装置(4)は前記電動機(5)の前記部分筐体(6a)上に支持されることを特徴とする請求項11に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記回転子(7)の少なくとも1つの軸受(9)の少なくとも一部は、前記回転子(7)の稼動範囲の前記延長部範囲(H)内の垂直座標(x)に対して設けられることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項14】
前記回転子(7)は、前記回転子(7)の稼動部分の垂直延長部(H)よりもより大きい直径(D)を有することを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項15】
前記歯車装置(4)は冷却システム(19)を有し、前記電動機(5)は、そこへ熱的に連結される冷却システム(20)を有することを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項16】
前記電動機(5)は閉回路内に流体冷却材(22)を含む冷却システム(20)を有し、前記流体冷却材(22)は、熱交換器(18)によって他の流体冷却材(21)へ熱を発することができることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項17】
前記歯車装置(4)は多段遊星歯車装置を有することを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載のヘビーデューティ駆動装置(1)を有するミル、特に、ローラボウルミル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−500714(P2012−500714A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523309(P2011−523309)
【出願日】平成20年8月22日(2008.8.22)
【国際出願番号】PCT/EP2008/060991
【国際公開番号】WO2010/020287
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(510001021)
【Fターム(参考)】