説明

ヘルメット

【課題】構成が簡単で製造が容易なヘルメットを提供する。
【解決手段】ヘルメット1は、アッパーシェル2の内側に衝撃吸収ライナ3を装着し、下部にアンダーシェル4を設けた。顎紐5に形成した貫通孔16,17を通すリベット19を別個に設ける。衝撃吸収ライナ3のアッパーシェル2側の面に顎紐5を収容する溝部11,12を形成し、溝部内に凹部13,14を形成する。顎紐5はアンダーシェル4の枠部23の下端に設けた孔部を通し、顎紐5の貫通孔16,17を通したリベット19によって衝撃吸収ライナ3の凹部13,14に係止する。顎紐5は衝撃吸収ライナ3とアッパーシェル2との間に挟持されて外部に延びる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば学童やサイクリスト等が頭部を保護するために用いられる比較的軽量なヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のヘルメットとして例えば特許文献1乃至3に記載されたものがある。
特許文献1に記載されたヘルメットは、合成樹脂製のシェルと、シェル内に嵌合した衝撃吸収用ライナとで形成される帽体に、使用者の顎にヘルメットを固定する顎ベルトが取り付けられている。顎ベルトは左右一対の前ベルトと、ヘルメットの後頭部側に設けられていて中央で折り返された一本の後ベルトとで構成されている。
顎ベルトの前ベルト及び後ベルトは、衝撃吸収用ライナの内側から外側までベルト孔をそれぞれ貫通してシェルの内面に形成した支持部にそれぞれ支持されている。そして、ヘルメットの下方に突出する一対の前ベルトの一方の下端部にはバックルが設けられ、他方の下端部にはタングが設けられている。また、各前ベルトの中間部には上下方向の長さを調節するための調節板が設けられ、調節板に同一側の後ベルトが長さ調節可能に接続されている。そして、使用者がヘルメットを被った状態で、一対の前ベルトのバックルとタングを係合することで顎に固定されることになる。
【0003】
また、特許文献2に記載されたヘルメットは、シェルの内面に衝撃吸収ライナが嵌合された帽体において、前側に取り付けられる顎紐は、衝撃吸収ライナに形成した左右の挿通孔を通して衝撃吸収ライナの内側から外側に延びて互いに連結されており、両端部は締結具を構成する二部材に連結されている。後側に取り付けられた顎紐も衝撃吸収ライナの挿通溝を通して内側から外側に延びて折り返されて延びており、その両端がそれぞれ前側顎紐の中間部分に連結された構成を備えている。
また、特許文献3に記載されたヘルメットは、シェルの内側に衝撃吸収ライナを嵌合したヘルメットにおいて、衝撃吸収ライナの貫通孔を通して顎紐を内側から外側に延ばし、衝撃吸収ライナの外側の面で顎紐の折り返し部をストラップホルダに係止させ、このストラップホルダを衝撃吸収ライナとシェルとの間に挟み込んで固定保持するようにしている。
【特許文献1】実公平6−13216号公報
【特許文献2】実開平3−70224号公報
【特許文献3】特開平2−264008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のヘルメットは、いずれも顎紐が衝撃吸収ライナの内側から外側に貫通した状態で、衝撃吸収ライナの外面において左右の顎紐を連結するか、シェルに係止するか、或いは顎紐をホルダ等で係止保持するようにしている構成であるため、衝撃吸収ライナに顎紐を挿通するための貫通孔を形成する必要があり、この貫通孔に顎紐を挿通させたり係止用のホルダを必要とする等、構成が複雑になると共に製造工程が煩雑になる欠点があった。しかも、ヘルメットの製造工程において顎紐を貫通孔に通す際に、顎紐が捩れたりして貫通孔に通しにくいという欠点もあった。
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みて、構成が簡単で製造が容易なヘルメットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるヘルメットは、アッパーシェルの内側に衝撃吸収ライナが装着され、顎紐が取り付けられてなるヘルメットにおいて、衝撃吸収ライナのアッパーシェル側の面に凹部を形成し、顎紐に形成した貫通孔を通して衝撃吸収ライナの凹部に顎紐を係止する凸部を備えていて、顎紐は衝撃吸収ライナとアッパーシェルとの間を通して外部に延びるようにしたことを特徴とする。
本発明によるヘルメットによれば、顎紐を衝撃吸収ライナの外面の凹部に凸部で係止し、互いに嵌合される衝撃吸収ライナの外面とアッパーシェルとの間で顎紐を挟持するようにしたから、顎紐を衝撃吸収ライナの内部と外部との間で貫通させる必要がなく厚みのある貫通孔を通す際に顎紐が捩れたりすることもなく、構成が簡単であり製造が容易になる。
【発明の効果】
【0007】
本発明のヘルメットによれば、顎紐を衝撃吸収ライナの内側から外側に通す必要がなく、顎紐の貫通孔を通して凸部で衝撃吸収ライナの凹部に係止すると共に顎紐を衝撃吸収ライナとアッパーシェルとの間を通して外部に延ばすようにしたから、顎紐を通すための貫通孔や顎紐を衝撃吸収ライナの内側から外側に通して係止させるホルダ等の係止部材も必要なく、構成が簡単である。しかも、ヘルメットの組立時には衝撃吸収ライナの外面だけで顎紐を固定すると共に衝撃吸収ライナとアッパーシェルとの間に顎紐を挟持するから顎紐の装着とヘルメットの組立が容易になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明によるヘルメットは、顎紐を係止する凸部がアッパーシェル及び衝撃吸収ライナと別部材で構成されていてもよい。
凸部が別部材であるから、衝撃吸収ライナに顎紐を係止させた後でアッパーシェルを嵌合でき、組立容易である。
また、凸部はアッパーシェルの内面に形成されていてもよい。
これによって、部品点数が更に少なくなり、顎紐を衝撃吸収ライナの外面に位置決めした状態で或いは凸部に顎紐を貫挿させた状態で衝撃吸収ライナの凹部に凸部を挿入して取り付けて、アッパーシェルを衝撃吸収ライナに嵌合させて顎紐の取り付けを含むヘルメットの組み立てを完了できる。
【0009】
また、衝撃吸収ライナのアッパーシェル側の面には顎紐を収容する溝部が設けられ、該溝部内に凹部が形成されていることが好ましい。
衝撃吸収ライナの溝部に顎紐を収容するから、アッパーシェルを嵌合させた際に衝撃吸収ライナとアッパーシェルとの間に無駄な間隙ができず密着状態で嵌合させることが可能である。
また、凸部は基部より先端部の方が幅広に形成され、顎紐の貫通孔は凸部の先端部より幅が狭く基部と幅が同等またはより広い形状としてもよい。
これにより、顎紐の貫通孔に挿入した凸部は顎紐から簡単に外れないため、凸部を凹部に挿入することで確実に衝撃吸収ライナとアッパーシェルとの間に挟持できるため、組み立てが容易である。
【実施例】
【0010】
以下、本発明の実施例を添付図面により説明する。
図1は実施例によるヘルメットの分解斜視図、図2は衝撃吸収ライナの側面図、図3は衝撃吸収ライナの半分のみを示す平面図、図4は係止部の正面図、側面図、平面図、底面図、図5はヘルメットへの顎紐の係止構造を示す要部断面図、図6は図5の分解断面図である。
本実施例によるヘルメット1は、例えば学童やサイクリスト等が使用するものである。このヘルメット1は略半球状または凹曲面形状のアッパーシェル2と、アッパーシェル2の内面に装着される衝撃吸収ライナ3と、アッパーシェル2及び衝撃吸収ライナ3の下面に装着されるアンダーシェル4とで概略構成されている。更に、ヘルメット1にはヘルメット1を使用者が装着した状態で顎等に係止するための顎紐5と、アンダーシェル4の両側部から後方側に装着して使用者の頭部寸法に応じて間隔を調整する一組のアジャスタ付きヘッドバンド6とが設けられている。
なお、アジャスタ付きヘッドバンド6は設けなくてもよい。
【0011】
図1に示すアッパーシェル2は例えばABS樹脂によって形成されたものであり、アッパーシェル2は射出成形による一体成形で製作されている。或いは、アッパーシェル2はバキューム成形やシート成形等によって薄層シートで製作してもよい。アッパーシェル2には通気孔8が適宜の間隔で複数穿孔されている。
図1乃至図3に示す衝撃吸収ライナ3は例えば発泡スチロール等で外面3aと内面3bの厚みが所定の大きさに製作されていて、アッパーシェル2と同様な形状を有している。衝撃吸収ライナ3はアッパーシェル2の通気孔8と同一の位置に通気孔9が穿孔されている。なお、アッパーシェル2と衝撃吸収ライナ3には通気孔8、9は必ずしも設けなくてもよい。
【0012】
衝撃吸収ライナ3の外面3aには、左右両側部に顎紐5を装着するための一対の溝部11、12が間隔を開けてそれぞれ形成されている。各溝部11、12は衝撃吸収ライナ3の下端から頂部に向けて上方に延在し、例えば頂部に到達しない途中位置まで形成されている。各溝部11,12の上端近傍には溝部11、12より深く落ち込む小幅の凹部13、14がそれぞれ形成されている。凹部13,14は衝撃吸収ライナ3の内面に貫通してはいないが、貫通させてもよい。各溝部11,12の下端近傍ではその上部よりも更に一段落ち込む段部11a、12aが形成されており、各溝部11,12に収容された顎紐5の下方内側への湾曲を容易にしている。
【0013】
各溝部11、12に装着される顎紐5はそれぞれ前側顎紐5aと後側顎紐5bとで構成されている。前側顎紐5aの溝部11に装着される側の一端部には貫通孔16が穿孔され、他端側は溝部11の下端から外部(図1における下方)に突出しており、他端には図示しないバックルまたはタング等の係合部が取り付けられ、左右一対の前側顎紐5a,5aは他端に設けたバックルとタングを係合可能となっている。
また、後側顎紐5bの溝部12に装着される側の端部には貫通孔17が穿孔され、他端側は溝部11の下端から外部(図1における下方)に突出している。各前側顎紐5a、5aの中間部には上下方向の長さを調節するための図示しない調節板がそれぞれ設けられ、調節板に同一側の後側顎紐5bが長さ調節可能に接続されている。
【0014】
また、顎紐5を衝撃吸収ライナ3の溝部11、12に装着した状態で、貫通孔16、17を溝部11、12の凹部13、14に一致させて係合させるための凸部として例えばリベット19が設けられている。リベット19は図1及び図4に示すように平板状の基板19aと側面視略台形状の突起部19bとで構成され、突起部19bの基部19baより先端部19bbの方が幅広に設定されている。
しかも、突起部19bにおける基部19baは顎紐5の貫通孔16,17と同一寸法かより幅狭に形成され、先端部19bbは貫通孔16,17より幅広に形成されている。そのため、リベット19を顎紐5の貫通孔16,17に挿入する際には、貫通孔16,17を押し広げながら、或いは貫通孔16,17に対して突起部19bを傾けて一方の角部から挿入する必要がある。
また、衝撃吸収ライナ3の溝部11、12に設けた凹部13、14は図5及び図6に示すように、底部20が突起部19bの先端部19bbとほぼ同一幅に設定され、下方側の側壁21aは底部20から開口に向けて次第に上方に向けて傾斜して形成され、側壁21aに対向する上方側の側壁21bは底部20から開口に向けて次第に上方に向けて側壁21aよりも緩やかに傾斜して形成されている。そのため、リベット19を顎紐5の貫通孔16,17を通して凹部13、14に嵌合する際には上方側の側壁21bでガイドされて底部20に誘導され、引き抜く荷重に対しては下方側の側壁21aによって係止されることになる。
【0015】
図1及び図5に示すアンダーシェル4は例えば布やシート成形等で形成された薄型シート等からなり、衝撃吸収ライナ3の下端を覆うように例えば断面略U字形状に形成されている。そしてアンダーシェル4の外側内面には顎紐5a、5bを挿入する部分に略ボックス状の枠部23、23がそれぞれ形成され、各枠部23の底部には顎紐5a、5bを挿入するための孔部24が穿孔されている。また、アンダーシェル4の枠部23は、アンダーシェル4に衝撃吸収ライナ3の下端を挿入する際に、溝部11,12の段部11a、12aに嵌合する。
また、アンダーシェル4の外側上端部4aは、アッパーシェル2の下端部2aと嵌合するように互いにテーパ状に形成されている(図5、6参照)。
【0016】
本実施例によるヘルメット1は上述の構成を有しており、次にヘルメット1の組立方法について説明する。
先ず、アンダーシェル4の左右の各一対の枠部23、23に孔部24,24から顎紐5a、5bをそれぞれ挿通し、この状態でリベット19の突起部19bを各顎紐5a、5bの貫通孔16,17に一方の角部から挿入させる。その後、各リベット19を衝撃吸収ライナ3の各溝部11,12に設けた凹部13,14に挿入する。そして、各顎紐5a,5bを衝撃吸収ライナ3の溝部11、12に装着して他端側をヘルメット1の下方側に垂らす。これにより、各顎紐5a,5bはリベット19を介して衝撃吸収ライナ3にそれぞれ係止された状態になる。
この状態で、衝撃吸収ライナ3の下端部を断面略U字形状のアンダーシェル4に嵌合させ、または取り付ける。このとき、アンダーシェル4の各顎紐5a,5bを挿通させた枠部23、23が衝撃吸収ライナ3の各溝部11,12の段部11a、12aに当接するように装着する。
次に、衝撃吸収ライナ3の上にアッパーシェル2を両面テープや接着剤を介して嵌合させ、衝撃吸収ライナ3とアッパーシェル2を両面テープや接着剤で互いに接合する。これと同時に、アッパーシェル2のテーパ状の下端部2aとアンダーシェル4のテーパ状外側上端部4aを互い違いに嵌合させる。各顎紐5は衝撃吸収ライナ3の各溝部11、12内に収容されているために、アッパーシェル2を嵌合させても衝撃吸収ライナ3との間に間隙等が発生せず、互いに密着できる。
このようにして、ヘルメット1の組み立てが完了する。
【0017】
本実施例によるヘルメット1を使用する際には、例えば学童がヘルメット1をかぶり、顎ベルト5を締めると、顎紐5は衝撃吸収ライナ3の凹部13,14にリベット19によって取り付けられた状態で、嵌合状態に接合された衝撃吸収ライナ3とアッパーシェル2との間で挟持されて堅固に保持されている。
しかも、アジャスタ6によってヘッドバンドの寸法を学童等の頭部寸法に合わせて調整できる。
【0018】
上述のように本実施例によるヘルメット1によれば、従来のヘルメットのように顎紐5は所定厚みの衝撃吸収ライナ3を貫通させる必要がなく顎紐5を係止するためのホルダも必要なく、取り付ける前のアンダーシェル4の孔部24を通してリベット19で衝撃吸収ライナ3の凹部13,14に係止させてアッパーシェル2を嵌合すれよいため、顎紐5の取り付けが容易であり、構成が簡単でヘルメット1の組立・製造が容易である。しかも衝撃吸収ライナ3の外面3aに載置する顎紐5は溝部11,12内に装着するから、顎紐5を確実に固定できると共にアッパーシェル2を嵌合させても間隙を生じることなく密着できる。
【0019】
なお、本発明によるヘルメット1は、上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
次に、本発明の第二実施例を図7により説明する。
本第二実施例によるヘルメット1Aでは、リベット19の突起部19bを凸部としてアッパーシェル2の内面に形成したものである。そのため、アッパーシェル2を射出成形によって一体に形成するか、或いはアッパーシェル2の製作後にリベット19の突起部19bを溶接や接着剤等でアッパーシェル2の内面に固着することが好ましい。本実施例では、図7に示すようにアッパーシェル2の内面に突起部19bを一体形成して製作している。
その余の構成は上述した第一実施例によるヘルメット1と同一構成を有している。
なお、アッパーシェル2と突起部19bを一体成形する場合、スライド機構を使用して成形すればよい。
【0020】
そのため、ヘルメット1Aの組立に際して、アンダーシェル4の枠部23、23の孔部24、24に顎紐5a、5bをそれぞれ挿通させて、貫通孔16,17を衝撃吸収ライナ3の凹部13,14に位置合わせさせる。この状態で、アンダーシェル4を衝撃吸収ライナ3に装着して枠部23、23を衝撃吸収ライナ3の溝部11,12の段部11a、12aに嵌合させる。
そして、アッパーシェル2を両面テープまたは接着剤を介して衝撃吸収ライナ3に嵌合させながら、アッパーシェル2の内面に設けた突起部19bを顎紐5の貫通孔16,17を通して衝撃吸収ライナ3の凹部13,14に挿入させる。このようにしてヘルメット1Aを製造できる。
なお、ヘルメット1Aの製造方法に関し、上述の方法に代えて顎紐5a、5bの貫通孔16,17をアッパーシェル2の突起部19b、19bに予め挿通させておき、アッパーシェル2を衝撃吸収ライナ3に嵌合させて突起部19bを凹部16,17に挿入・係止させるようにしてもよい。その後に、顎紐5を下方に引っ張ることで、溝部11,12内に装着させて弛みをとるようにしてもよい。
【0021】
上述のように本第二実施例によるヘルメット1Aは、第一実施例によるヘルメット1と同様な作用効果を奏する上に、突起部19bをアッパーシェル2の内面に取り付けた構成としたため、第一実施形態と比較して部品点数が減少して組立が一層容易になる。
【0022】
なお、上述の各実施例では、衝撃吸収ライナ2の凹部13,14に顎紐5を突起部19bで取り付けると共に溝部11、12に顎紐5を装着するようにしたが、溝部11,12は必ずしも設けなくてもよく顎紐5を衝撃吸収ライナ3とアッパーシェル2の内面との間に単に挟みこむようにしてもよい。
また、凸部は上述したリベット19や突起部19bに限定されることなく、ピン等でもよく、要するに衝撃吸収ライナ3の凹部と協同して顎紐5を衝撃吸収ライナ3の外面3aに係止保持できるものであればよい。
【0023】
また、上述の各実施例では衝撃吸収ライナ3やアッパーシェル2と嵌合するアンダーシェル4を設けることとしたが、アンダーシェル4は必ずしも設けられていなくてもよい。この場合、顎紐5は衝撃吸収ライナ3の外面3aの溝部11、12内に載置した状態でアッパーシェル2が装着されているか、或いは溝部11、12を有しない衝撃吸収ライナ3とアッパーシェル2との間に挟持されて、衝撃吸収ライナ3とアッパーシェル2との間から下方外部に延びることになる。
アンダーシェル4を設けない構成にすれば、顎紐5の取り付けに際してアンダーシェル4の孔部24を通す必要もなくなるため一層構成が簡単で組立が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第一実施例によるヘルメットの分解斜視図である。
【図2】衝撃吸収ライナの側面図である。
【図3】衝撃吸収ライナの平面図の半分のみを示す図である。
【図4】リベットを示す図であり、(a)は正面図、(b)は平面、(c)は側面図、(d)は底面図である。
【図5】ヘルメットへの顎紐の係止構造を示す要部断面図である。
【図6】図6は図5の分解断面図である。
【図7】本発明の第二実施例によるヘルメットの図5と同様な断面図である。
【符号の説明】
【0025】
1,1A ヘルメット
2 アッパーシェル
3 衝撃吸収ライナ
4 アンダーシェル
5 顎紐
5a 前側顎紐
5b 後側顎紐
11,12 溝部
13,14 凹部
19 リベット
19b 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパーシェルの内側に衝撃吸収ライナが装着され、顎紐が取り付けられてなるヘルメットにおいて、
前記衝撃吸収ライナのアッパーシェル側の面に凹部を形成し、前記顎紐に形成した貫通孔を通して前記衝撃吸収ライナの凹部に前記顎紐を係止する凸部を備えていて、前記顎紐は前記衝撃吸収ライナとアッパーシェルとの間を通して外部に延びるようにしたことを特徴とするヘルメット。
【請求項2】
前記凸部はアッパーシェル及び衝撃吸収ライナと別部材で構成されている請求項1に記載のヘルメット。
【請求項3】
前記凸部はアッパーシェルの内面に形成されている請求項1に記載のヘルメット。
【請求項4】
前記衝撃吸収ライナのアッパーシェル側の面には顎紐を収容する溝部が設けられ、該溝部内に前記凹部が形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載のヘルメット。
【請求項5】
前記凸部は基部より先端部の方が幅広に形成され、前記顎紐の貫通孔は前記凸部の先端部より幅が狭く基部と幅が同等またはより広い形状とした請求項1乃至4のいずれかに記載のヘルメット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−114575(P2009−114575A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287879(P2007−287879)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(500272347)DICプラスチック株式会社 (27)
【Fターム(参考)】