説明

ベイヤーパターンによってエンコードされた画像からのフルカラー画像の再構成

フルカラー画像を再構成するための方法及び装置。本方法は、エンコードされた画像に関連する信号を受け取る段階と、畳み込みマスクのセットを用いて画像内の各ピクセル位置について4つの色値を再構成する段階とを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総括的に電子イメージングに関し、より詳細には、ベイヤーパターンによってエンドコードされた画像からのフルカラー画像の再構成に関する。
【背景技術】
【0002】
固体イメージセンサは、カメラシステムにおいて広範囲に用いられてきた。一部のカメラシステムにおける固体イメージセンサは、スイッチング素子及び増幅素子と直列にされた感光性素子のマトリクスから構成される。感光性素子は、例えば、受光器、フォトダイオード、フォトトランジスタ、電荷結合素子(CCD)ゲート、又は同様のものとすることができる。各感光性素子は、撮像されている光景の一部分の画像を受け取る。感光性素子は、これに付属する電子機器と併せて画素又はピクセルと呼ばれる。イメージを取得した感光性素子は、当該イメージの光強度を示す電気信号を発生する。感光性素子の電気信号は通常電流であり、その感光性素子に当たる電磁放射線(光)の量に比例する。
【0003】
カラーイメージセンサでは、各ピクセルが1つの色成分(赤、緑又は青)のみを生じるように、感光性素子は通常、色フィルタアレイ(CFA)によって覆われる。この結果として得られるものは、バイエルアレイとして知られるような色サンプルのモザイクである。バイエル構成においては、カーネル(アレイ内での最小の繰り返しパターン)は、赤ピクセル、青ピクセル及び2つの緑ピクセルからなる。カラー画像内の各ピクセルについて全ての色成分を生成する処理は、デモザイク処理と呼ばれる再構成処理である。
【0004】
ベイヤーパターンによってエンコードされた画像に使用される多くのデモザイク処理アルゴリズムは、バイエルカーネル内の2つの緑ピクセルをこれらが同じ応答を有するように処理する。しかしながら、この2つの緑ピクセルは同じ応答を有しないことが多いので、こうした技法はフルカラー画像内のアーチファクトの原因となる。
【0005】
バイエルカーネル内の2つの緑ピクセルが異なる応答をすることを可能にするデモザイク処理アルゴリズムが幾つかある。しかしながら、これらのデモザイク処理アルゴリズムは通常複雑で、フルカラー画像の鮮鋭度を調整するための付加的なアルゴリズムを必要とし、かなりの量の演算処理を伴う。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明を添付図面の各図において限定でなく例証として説明する。
【0007】
以下の説明において、本発明の実施形態を完全に理解するために、特定の指示、指定された構成要素、接続部、フレーム数、その他などの多数の特定の詳細事項が記載される。しかしながら、本発明の実施形態がこれらの特定の詳細事項なしでも実施することができる点は、当業者であれば明らかであろう。場合によっては、本発明を不必要に曖昧にするのを避けるために、公知の構成要素及び方法は、詳細には記載されず、ブロック図で示されている。従って、記載される特定の詳細事項は例証に過ぎない。この特定の詳細事項は異なることができるが、それでも尚、本発明の精神及び範囲内にあることが企図される。
【0008】
以下の説明の一部分は、メモリ内部に記憶し且つプロセッサによって動作させることができるデータに対する動作のアルゴリズム及び記号表示で提示される。これらのアルゴリズムの説明及び表示は、これらの作用を効果的に伝えるために当業者が使用する手段である。アルゴリズムは、一般に、所望の結果をもたらす動作の自己整合性のあるシーケンスと考えられている。この動作は、物理量の操作を必要とするものである。通常、必須ではないが、これらの物理量は、記憶、転送、結合、比較、及び他の方法での操作を行うことができる電気信号又は磁気信号の形態をとる。主として共通して使用する理由から、場合によっては、これらの信号をビット、値、素子、記号、文字、用語、番号、パラメータ、又は同様のものと呼ぶことが好都合であることが分かっている。
【0009】
以下の詳細な説明は、以下で説明されるアルゴリズムを含む。これらのアルゴリズムは、ハードウェア(例えばアナログ及び/又はデジタル)、ファームウェア、或いは機械実行可能な命令で具現化されたソフトウェアによって実施することができ、これらの命令を用いて、該命令でプログラムされた汎用又は特定用途向けプロセッサが本明細書に記載された動作を実行することができる。代替として、動作は、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアの組み合わせによって実行することができる。本明細書で使用される用語「結合される」は、直接的結合か、或いは1つ又はそれ以上の介在構成要素を介して間接的結合を意味することができる。本明細書に記載された様々なバスを通じて提供される信号の何れもが他の信号と時間多重化され、1つ又はそれ以上の共通バスを通じて提供することができる。加えて、回路構成要素又はブロック間の相互接続は、バス又は単一信号ラインとして示すことができる。バスの各々は、代替として1つ又はそれ以上の単一信号ラインであってもよく、単一信号ラインの各々は、代替としてバスであってもよい。本明細書で使用される用語「第1」、「第2」、「第3」及び「第4」は、異なるピクセル及び/又は異なるカラーを識別するための標識を意味し、別途示されない限り、これらの数字表示に応じた順序の意味はない。
【0010】
フルカラー画像を再構成するための方法及び装置が記載される。当該再構成方法及び装置は、カラーイメージセンサの一部として議論される場合があるが、カラーイメージセンサに結合された独立デバイスの一部とすることもできる。
【0011】
カラーイメージセンサ(例えば、図5に関して以下に議論されるイメージセンサ500)は、1つの実施形態では、各ピクセルが1つの色チャンネルのみをサンプリングする(すなわち、あらゆるピクセルが3つではなく1つの色だけを記録する)ように色フィルタアレイ(CFA)によって覆われた電荷結合デバイス(CCD)アレイを用いて、色スペクトルをサンプリングするのに使用することができる。結果として得られるのは、ベイヤーパターンと呼ばれるような、色サンプルのモザイクである。ベイヤーパターン・スキームにより、ピクセルマトリクスの被覆率が、赤25%赤、青25%、及び緑50%となる。すなわち、バイエル構成においては、カーネル(アレイ内の最小繰り返しパターン)は、赤ピクセル、青ピクセル及び2つの緑ピクセルからなる。本発明の実施形態はベイヤーパターンに関連して議論する場合があるが、本明細書で記載される方法及び装置は、例えば、カーネルが同じ色の2つのピクセル又は4つの異なる色のピクセルを含む何れかのモザイクスキームである、他の種々の種類の色モザイクスキームで使用するよう適合させることができる点に留意すべきである。
【0012】
フルカラー画像を再構成するときには、3つの色(赤、青及び緑)値全てが、関連センサ位置でのソースピクセル及び隣接ソースピクセルに基づいた各センサ位置について見積もられる。バイエルカーネルにおいては、2つの緑ピクセルは異なる構成に現れる(例えば、異なる隣接ピクセル、異なるクロストーク、その他)。このため、2つの緑ピクセルは、異なる応答を有する可能性がある。本発明の実施形態は、各センサ位置について4つの色(赤、緑1、緑2及び青)値を再構成することによってこのような差異を考慮に入れる。再構成は、画像再構成中の鮮鋭度の調整を可能にするようにパラメータ化された畳み込みマスクのセットを用いて実行される。
【0013】
図1は、デモザイク処理プロセス100の1つの実施形態のフロー線図である。当該プロセスは、デモザイクモジュール(例えば、図5に関連して以下で議論されるデモザイクモジュール516)のロジック処理によって実行することができ、ハードウェア(例えば、回路構成、専用ロジック、プログラム可能ロジック、マイクロコード、その他)、ソフトウェア(デジタル処理デバイス又は汎用コンピュータシステムにより実行されるような)、或いはこの両方の組み合わせを含むことができる。
【0014】
図1を参照すると、処理ロジックは、鮮鋭度パラメータを受け取る処理ロジックから始まる(ブロック102)。1つの実施形態において、鮮鋭度パラメータは、結果として得られる画像の鮮鋭度を定義する構成段階中にユーザが提供することができる。ユーザは、鮮鋭度の要求度(例えば、平滑化、ノーマル、鮮鋭化、非常に鮮鋭化、その他)を指定することができ、これは、対応する鮮鋭度パラメータにプログラムにより変換することができる。或いは、ユーザが鮮鋭度パラメータの指定値を規定してもよい。
【0015】
別の実施形態において、鮮鋭度パラメータは、ユーザによって指定されるのではなく、方法100が使用される用途のタイプ(例えば、汎用写真、又は特殊用途写真)に基づいて自動的に決まる。
【0016】
ブロック104で、処理ロジックは、画像再構成において後で使用するために不揮発性記憶装置(例えば、図5に関して以下で議論されるイメージセンサ500のNVRAM)内に鮮鋭度パラメータを記憶する。1つの実施形態において、鮮鋭度パラメータは、ユーザの要求に基づいて更新することができる。
【0017】
ブロック106で、処理ロジックは、各ピクセル位置について1つの色値を有するエンコードされたカラー画像に関する信号を受け取る。1つの実施形態において、信号は、同じ色の2つのピクセルを含む2×2パターン(例えば、ベイヤーパターン)を用いてエンコードされた画像のピクセル値を含む。代替として、2×2のパターンは、4つの異なる色のピクセルを含む。
【0018】
ブロック108で、処理ロジックは、画像内の各ピクセル位置について4つの色値を再構成する。1つの実施形態において、4つの色値は、赤値R、青値B、第1の緑値G1、及び第2の緑値G2(例えば、ベイヤーパターンによる)を含む。或いは、再構成される色値は、B、G、R1及びR2;R、G、B1及びB2;又は4つの異なる色(例えば、B、G、R及びブラウン)を含むことができる。
【0019】
4つの色値は、不揮発性記憶装置から取り出された鮮鋭度パラメータを含む畳み込みマスクのセットを用いて再構成される。使用されるマスクのセットは、対応するソースピクセルの色に関係なく各ピクセル位置について同じである。畳み込みマスクのサイズ及びこれらの係数は、方法100が使用される用途のタイプに基づいて実験的に決定することができる。4つの畳み込みマスクのセットを利用する再構成プロセスの1つの実施形態を図2に関連して以下でより詳細に議論する。
【0020】
1つの実施形態において、処理ロジックは、2つのピクセル、すなわちカレントピクセルと、同じピクセルコラム上にある以前のピクセルラインからのピクセルとについて並行して再構成を実行する。
【0021】
プロセシングブロック110において、処理ロジックは、画像内の各ピクセル位置について4つの再構成されたピクセル値の線形結合を実行して、3色出力画像を生成する。1つの実施形態において、同じ色の2つのピクセル値の平均が計算され、出力画像内のこの色のピクセル値を決定する(例えば、出力画像内の緑の値は、再構成されたG1及びG2の平均である)。
【0022】
図2は、ベイヤーパターンによってエンコードされた画像内のピクセル位置について4つの色値を再構成するためのプロセス200の1つの実施形態のフロー線図である。本プロセスは、デモザイクモジュール(例えば、図5に関連して以下で議論されるデモザイクモジュール)のロジック処理によって実行することができ、ハードウェア(例えば、回路構成、専用ロジック、プログラム可能ロジック、マイクロコード、その他)、ソフトウェア(デジタル処理デバイス又は汎用コンピュータシステムによって実行されるような)、或いは両方の組み合わせを含むことができる。
【0023】
プロセス200は、4つの畳み込みマスクのセットを使用する。鮮鋭度パラメータa及びbを含む例示的な畳み込みマスクは次のとおりである。







【0024】
上述のマスクの最適なサイズ及びこれらの係数を決定するために実験を行った。
【0025】
図2を参照すると、処理ロジックは、現在処理中のピクセル位置に対応するソースピクセルの色を決定する段階から始まる(ブロック202)。
【0026】
ソースピクセルが赤である場合(ブロック204)、処理ロジックは、マスク0を用いて赤値Rを求め、マスク1を用いて青値Bを求め、マスク3を用いて第1の緑値G1を求め、マスク2を用いて第2の緑値G2を求める(プロセシングブロック206)。詳細には、赤ソースピクセルに対応するピクセル位置の4つの色値は、以下のように求められる。
Result_R = 1/8 * Conv(mask0, memory);
Result_G1 = 1/8 * Conv(mask3, memory);
Result_G2 = 1/8 * Conv(mask2, memory);
Result_B = 1/8 * Conv(mask1, memory);
式中、「メモリ」は、ソースピクセル及び現在のソースピクセルが中心にある5×5領域内の隣接ピクセルの記憶ピクセル値を参照する。
【0027】
ソースピクセルが青である場合(ブロック208)、処理ロジックは、マスク1を用いて赤値Rを求め、マスク0を用いて青値Bを求め、マスク2を用いて第1の緑値G1を求め、マスク3を用いて第2の緑値G2を求める(プロセシングブロック210)。詳細には、青ソースピクセルに対応するピクセル位置の4つの色値は、以下のように求められる:
Result_B = 1/8 * Conv(mask0, memory);
Result_G1 = 1/8 * Conv(mask2, memory);
Result_G2 = 1/8 * Conv(mask3, memory);
Result_R = 1/8 * Conv(mask1, memory).
【0028】
ソースピクセルが第1の緑ピクセルである場合(ブロック212)、処理ロジックは、マスク3を用いて赤値Rを求め、マスク2を用いて青値Bを求め、マスク0を用いて第1の緑値G1を求め、マスク1を用いて第2の緑値G2を求める(プロセシングブロック214)。詳細には、第2の緑ソースピクセルに対応するピクセル位置の4つの色値は、以下のようにして求められる:

Result_R = 1/8 * Conv(mask3, memory);
Result_G1 = 1/8 * Conv(mask0, memory);
Result_G2 = 1/8 * Conv(mask1, memory);
Result_B = 1/8 * Conv(mask2, memory).
【0029】
ソースピクセルが第2の緑ピクセルである場合、処理ロジックは、マスク2を用いて赤値Rを求め、マスク3を用いて青値Bを求め、マスク1を用いて第1の緑値G1を求め、マスク0を用いて第2の緑値G2を求める(プロセシングブロック216)。詳細には、第2の緑ソースピクセルに対応するピクセル位置の4つの色値は、以下のようにして求められる:
Result_R = 1/8 * Conv(mask2, memory);
Result_G1 = 1/8 * Conv(mask1, memory);
Result_G2 = 1/8 * Conv(mask0, memory);
Result_B = 1/8 * Conv(mask3, memory).
【0030】
畳み込みマスク内の鮮鋭度パラメータa及びbは、再構成中のフルカラー画像の鮮鋭度の調整を可能にし、従って、別個の鮮鋭化モジュールが排除される。a及びbの値が小さいと平滑な画像をもたらし、大きな値は鮮鋭な画像をもたらす。
【0031】
図3は、方法200を用いて生成された画像における鮮鋭度の様々な程度を示す。平均的な鮮鋭度を有する画像302は、畳み込みマスクの鮮鋭度パラメータa及びbに中央値を用いて生成される。画像304は、畳み込みマスクの鮮鋭度パラメータa及びbに大きな値を用いて生成された鮮鋭な画像である。画像306は、畳み込みマスクの鮮鋭度パラメータa及びbに小さな値を用いて生成された平滑な画像である。
【0032】
図4A及び図4Bは、方法200を用いて生成された画像の品質を示す。図4Aを参照すると、画像402は、画像404、406及び408との比較の基準として使用される元の3色画像である。元画像402は、ベイヤーパターンに従って各ピクセル位置について3つの色値のうちの2つを除去することによって、ベイヤーパターンを用いてエンコードされる。このエンコードされた画像は、図4Aに示されたカラー画像再構成に対する入力として使用される。画像404は、方法200を使用して再構成されたカラー画像である。画像406及び408は、従来技術の方法を用いて再構成されたカラー画像である。詳細には、画像406を再構成するのに使用される方法(本明細書でHamilton−Adams法と呼ぶ)は、米国特許5,629,734に記載され、画像408を再構成するために使用される方法(本明細書でMalvar法と呼ばれる)は、H.S.Malvar他、「High−Quality Linear Interpolation for Demosaicing of Bayer−Patterned Color Images(ベイヤーパターン化カラー画像のデモザイク処理のための高品質リニア補間法)」、IEEE ICASPP 2004の紀要の刊行物に記載される。
【0033】
図4Aに示されるように、方法200を用いて再構成された画像404は、Hamilton−Adams法を用いて再構成された画像406よりも良好な品質を有する。詳細には、画像406は、画像406よりもかなり多くのアーチファクトを有する(例えば、睫毛の部位)。Malvar法を用いて再構成された画像408は、図示の実施例ではバイエルカーネル内の2つの緑が画像402内の同じ緑から生成され、従って同じ応答を有するので、画像404と同様に見える。しかしながら、2つの緑が異なる応答を有する場合、Malvar法は、ブロックパターンのアーチファクトをもたらすことになる。加えて、Hamilton−Adams法及びMalvar法のどちらも、カラー再構成中に再構成画像の鮮鋭度を選択することができない。
【0034】
図4Bを参照すると、画像412、414及び416が、再構成された天空の一部分の詳細を示している。画像412は、Malvar法を用いて生成され、画像414は、Hamilton−Adams法を用いて生成され、画像416は、上述の方法200を用いて生成された。図4Bに示されるように、画像416は、緑ピクセルの異なる応答に起因する顕著なアーチファクトを含む画像412及び414と比較して、有意に良好な品質を有する。
【0035】
図5は、本明細書に記載された方法及び装置を実施するイメージセンサ500の1つの実施形態のブロック図である。イメージセンサ500は、スイッチング素子及び増幅素子と直列にピクセルマトリクスを有するイメージングコア502を含む。ピクセルマトリクスは、ピクセルのアレイ及び対応する駆動及び感知回路構成を有する。各ピクセルは、少なくとも感光性素子及び読み出しスイッチから構成される。ピクセルマトリクス並びにスイッチング素子及び増幅素子は、当該技術分野において公知であり、従って、より詳細には説明しない。
【0036】
イメージングコアは、アナログ・デジタル変換器(ADC)514にアナログ出力510を提供し、アナログ・イメージングコア出力510をデジタルドメインに変換する。ADC514はデジタル処理デバイス504に結合される。デジタル処理デバイス504は、マイクロプロセッサ又は中央演算処理装置、コントローラ、又は同様のものなどの1つ又はそれ以上の汎用処理デバイスを含むことができる。代替として、デジタル処理デバイス504は、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)、又は同様のものなど、1つ又はそれ以上の専用処理デバイスを含むことができる。デジタル処理デバイス504は、汎用処理デバイス及び専用処理デバイスの何れかの組み合わせも含むことができる。
【0037】
デジタル処理デバイス504は、イメージセンサ500の外部にある構成要素と情報入出力(I/O)交換を処理し且つプロトコル、ハンドシェーキング、電圧変換、その他などの他のタスクに対処するインターフェースモジュール512に結合される。インターフェースモジュール512は、シーケンサ508に結合することができる。シーケンサ508は、イメージングコア502、デジタル処理デバイス504、及びADC514など、イメージセンサ500内の1つ又はそれ以上の構成要素に結合することができる。シーケンサ508は、外部的に生成されたクロック及び制御信号をインターフェースモジュール512から受け取り、例えばイメージングコア502、ADC514、その他のイメージセンサ内の回路構成を駆動する内部パルスを発生するデジタル回路とすることができる。
【0038】
デジタル処理デバイス504は、メモリ506に結合される。メモリ506は、デジタル処理デバイス504が読み取り可能な何れかのタイプの機械可読媒体とすることができる。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)が読み取り可能な形態で情報を提供(例えば記憶及び/又は伝送)する何れかの機構を含む。例えば、機械可読媒体には、読み出し専用メモリ(ROM);ランダムアクセスメモリ(RAM);磁気ディスク記憶媒体;光学記憶媒体;フラッシュメモリデバイス;DVD、電気、光学、音響又は他の形式の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号、EPROM、EEPROM、FLASH、磁気又は光学カード)、或いは電子的命令の記憶に好適な何れかのタイプの媒体が含まれる。
【0039】
1つの実施形態において、メモリ506は、鮮鋭度パラメータを記憶するための不揮発メモリ(例えば、NVRAM又はフラッシュメモリ)を含む。加えて、メモリ506は、ADC514の出力(例えば、ベイヤーパターンを使用してエンコードされた画像のソースピクセルの色値)を一時的に記憶するためのRAMを含むことができる。
【0040】
イメージセンサ500はまた、デモザイクモジュール516を含むこともできる。1つの実施形態において、デモザイクモジュール516は、メモリ506内に存在し且つデジタル処理デバイス504が実行するための処理ロジックを内蔵する。別の実施形態において、デモザイクモジュール516は、回路構成、専用ロジック、プログロマブルロジック、マイクロコード、その他といったハードウェアを備えた処理ロジックを含む独立したブロックである。更に別の実施形態においては、デモザイクモジュール516は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせを備える処理ロジックを含む。
【0041】
1つの実施形態において、デモザイクモジュール516は、ADC514から個々のソースピクセルを受け取りメモリ506にアクセスし、現在のソースピクセルの周囲のピクセルを読み取る。次いで、デモザイクモジュール516は、パラメータ化された畳み込みマスクのセットを用いて、現在のソースピクセルについて4つの色値を再構成する。1つの実施形態において、デモザイクモジュール516は、2つのピクセル、すなわち現在のピクセルと、同じピクセルコラム上の前のピクセルラインからのピクセルとに並行して再構成を実行する。
【0042】
デモザイクモジュール516はまた、畳み込みマスクの鮮鋭度パラメータに基づいて再構成画像の鮮鋭度を調整することができる。次いで、デモザイクモジュール516は、4つの色値の線形結合を実行し、後処理モジュール518に結果として得られる3色画像を提供することができる。後処理モジュール518において、デモザイク処理の出力は、色補正、ハーフトーン処理、白色補正及び圧縮処理などの一連の画像処理ステップを通過して、最後に画像出力部520(例えば、ディスプレイデバイス、記録装置、など)に出力される。後処理モジュール518は、メモリ506内に存在し、デジタル処理デバイス504による実行のための処理ロジックを含むことができ、又は、ハードウェアを備える処理ロジックを含む独立したブロックとすることができ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせを備える処理ロジックを更に含むことができる。
【0043】
本明細書で議論したイメージセンサ500は、種々の用途で用いることができる。1つの実施形態において、本明細書で議論したイメージセンサ500は、例えば汎用写真(例えば、カメラ付携帯電話、スチールカメラ、ビデオカメラ)、或いは特殊用途写真に使用することができる。代替として、本明細書で議論したイメージセンサ500は、例えば、マシンビジョン、文書スキャン、顕微鏡、セキュリティ、バイオメトリックス、その他である他のタイプの用途に使用することができる。
【0044】
本発明の一部の特定の実施形態が示されたが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。本発明は、本明細書に記載された特定の実施形態によって限定されず、添付の請求項によってのみ限定される点を理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】デモザイク処理の1つの実施形態のフロー線図である。
【図2】ベイヤーパターンによってエンコードされた画像におけるピクセル位置の4つの色値を再構成するためのプロセスの1つの実施形態のフロー線図である。
【図3】図2の方法を用いて生成された画像における鮮鋭度の様々な程度を示す図である。
【図4A】図2の方法を用いて生成された画像の品質を示す図である。
【図4B】図2の方法を用いて生成された画像の品質を示す図である。
【図5】イメージセンサの1つの実施形態のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ピクセル位置について1つの色値を有し、複数の色からなる4つのピクセルを備えた2×2パターンに従ってエンコードされたエンコード画像に関連する信号を受け取る段階と、
前記画像内の各ピクセル位置について複数の色の4つの値を畳み込みマスクのセットを用いて再構成する段階と、
を含み、
前記畳み込みマスクの同じセットが、全ての色の再構成に使用され、使用される前記畳み込みマスクの順序が、前記エンコード画像内の対応するピクセルの色によって決まる、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記複数の色が3つの色を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パターンが、2つの緑ピクセル、1つの赤ピクセル、及び1つの青ピクセルを含むベイヤーパターンを備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記各ピクセル位置の4つの色値の線形結合を実施して、3色出力画像を生成する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記畳み込みマスクのセット内の係数が、1つ又はそれ以上のパラメータを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ又はそれ以上のパラメータがユーザによって指定される、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ又はそれ以上のパラメータに基づいて前記画像の鮮鋭度を調整する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記畳み込みマスクのセットが4つの畳み込みマスクを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記各ピクセル位置の4つの色値が、現在のソースピクセルと前記現在のソースピクセルが中心にある5×5領域内の現在のソースピクセルの近傍とのピクセル値に基づいて再構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
複数の色からなる4つのピクセルを備える2×2パターンを用いてエンコードされた画像のソースピクセルの色値を記憶するメモリと、
畳み込みマスクのセットを用いて前記画像内の各ピクセル位置について前記複数の色の4つの値を再構成するデモザイクモジュールと、
を備え、
前記畳み込みマスクの同じセットが全ての色の再構成に使用され、使用される前記畳み込みマスクの順序が、前記エンコード画像内の対応するピクセルの色によって決まる、
ことを特徴とする装置。
【請求項11】
前記パターンが、1つの赤ピクセル及び1つの青ピクセルと組み合わされた2つの緑ピクセルを備える、
ことを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記パターンがベイヤーパターンを備える、
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記デモザイクモジュールが更に、前記各ピクセル位置の4つの色値の線形結合を実施して3色出力画像を生成することになる、
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記畳み込みマスクのセットにおける係数が、1つ又はそれ以上のパラメータを含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記デモザイクモジュールが更に、前記1つ又はそれ以上のパラメータに基づいて前記画像の鮮鋭度を調整することになる、
ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記デモザイクモジュールが、現在のソースピクセルと前記現在のソースピクセルが中心になる5×5領域内の現在のソースピクセルの近傍とのピクセル値に基づいて前記4つの色値の1つについて前記セットから畳み込みマスクを選択することになる、
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項17】
処理システムによって実行されたときに、前記処理システムに対して、
各ピクセル位置について1つの色値を有し、複数の色からなる4つのピクセルを備えた2×2パターンに従ってエンコードされたエンコード画像に関連する信号を受け取る段階と、
前記画像内の各ピクセル位置について複数の色の4つの色値を畳み込みマスクのセットを用いて再構成する段階と、
を含む方法を実行させる命令を含む機械可読媒体であって、
前記畳み込みマスクの同じセットが、全ての色の再構成に使用され、使用される前記畳み込みマスクの順序が、前記エンコード画像内の対応するピクセルの色によって決まる、
ことを特徴とする機械可読媒体。
【請求項18】
前記パターンが、1つの赤ピクセル及び1つの青ピクセルと組み合わされた2つの緑ピクセルを備える、
ことを特徴とする請求項17に記載の機械可読媒体。
【請求項19】
前記パターンがベイヤーパターンを備える
ことを特徴とする請求項18に記載の機械可読媒体。
【請求項20】
前記方法が更に、
前記畳み込みマスクのセットに含まれる1つ又はそれ以上のパラメータに基づいて前記画像の鮮鋭度を調整する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項17に記載の機械可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図4B】
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【図5】
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【図3】
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【図4A】
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【公表番号】特表2009−508436(P2009−508436A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531094(P2008−531094)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/029567
【国際公開番号】WO2007/032824
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(301020237)サイプレス セミコンダクター コーポレイション (18)
【Fターム(参考)】