ベッドに変換可能な椅子家具及びこのような家具の寝台面用カバー
ベッドに変換可能な椅子家具に、フレーム(1)と、該フレーム(1)に進入可能且つ該フレームから進出可能な少なくとも1つのキャリッジ(2,3)が設けられている。フレーム(1)及びキャリッジ(2,3)は、シートクッション若しくはベッドクッション(23,24,25)用の支持部としてキャリッジ(2,3)の引出し方向で延在する、片側を固定された複数の貫板(10,10a,10b)を有しており、これらの貫板(10,10a,10b)は、キャリッジの貫板(10a,10b)が、キャリッジ(2,3)の進入状態ではフレーム(1)の貫板(10)の間に位置するような相互間隔を有している。このような家具のためのカバー(26)は、シーツ(37)と、このシーツの下位に位置する柔らかい層(36)とを有している。この柔らかい層(36)は、巻成に抗して作用する弾性を有しているので、当該層(36)は巻成後にシーツ(37)と一緒に自発的に寝台面を覆うように広がる。これにより、簡単且つ快適に利用され得る装置が得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドに変換可能な椅子家具であって、フレームと、該フレームに進入可能且つ該フレームから進出可能な少なくとも1つのキャリッジとが設けられている形式のものに関する。更に本発明は、このような家具の寝台面用のカバーに関する。
【0002】
本発明の重要な特徴は、フレームとキャリッジとが、シートクッション若しくはベッドクッション用の支持部として、キャリッジの引出し方向で延在する、片側を固定された複数の貫板を有しており、これらの貫板が、キャリッジの貫板が該キャリッジの進入状態ではフレームの貫板の間に位置するような相互間隔を有しているという点にある。
【0003】
キャリッジの貫板が係合するフレームの貫板の間隔に基づいて、簡単で、しかも正確なガイドが得られる。
【0004】
本発明の有利な構成では、家具の背面側のフレームの貫板が、ばね弾性的な横方向貫板に載置されており、この横方向貫板の両側にはそれぞれローラが設けられており、これらのローラは前方に向かって上昇するガイド内をガイドされているので、フレームの貫板が押し込まれた状態(椅子状態)では、当該のフレームの貫板は斜め下方に向かって延在し、これらの貫板が引き出された状態(寝椅子状態)では水平方向で位置している。
【0005】
これにより簡単に、キャリッジの引出し時に自動的に水平方向に移行するシート傾斜面が得られる。
【0006】
有利には、前記ガイドは変形された複数のフラットバーにより形成されており、これらのフラットバーはそれぞれ、椅子状態及び寝椅子状態におけるローラのための収容ポケットを1つずつ形成している。
【0007】
今日、高価なベッドは2つのマットレスを有している。つまり、比較的硬い下部マットレスと比較的柔らかい上部マットレスである。上部マットレスは、しばしば「コンフォートマットレス」とも呼ばれる。この比較的柔らかな上部マットレスは就寝状態の体に、比較的大面積にわたる支持を供与する。この硬軟の組合せは、大抵のエキスパートにより理想的な手段であると見なされる。
【0008】
衛生上の理由から、ベッド又は寝椅子に変換可能な椅子家具の寝台面をシーツで覆うことが一般的である。変換可能な椅子家具又はいわゆる「寝椅子」の場合は、これにより家具生地も保護される。
【0009】
シーツによる被覆は比較的面倒である。それというのも、シーツは多くの側から引っ張らねばならないからである。従って、シーツによる被覆を簡単にするための複数の提案が既に成された。特に、シーツを場合によっては下敷きと一緒に、不使用時にはオートマチックローラで巻き上げることが提案された。このような提案も、既に実行に移された。
【0010】
これに応じて本発明の目的は更に、従来よりも簡単に取り扱えるカバーを提供するという点にある。このことは、柔らかい層が巻成に抵抗する弾性を有していることによって達成される。これにより、前記層は巻成後、シーツと共に自発的に寝台面を覆うように広がる。
【0011】
本発明によるカバーのロールは、例えばベルト等によって保持されて、このベルトの開放後に自発的にシーツと一緒に広がり且つ寝台面を被覆するように位置する。この場合、シーツは面ファスナ、プッシュボタン又は類似の容易に取り外されるべき結合手段によって柔らかい層と結合されていてよい。
【0012】
この柔らかい層は一般に2つの材料、つまり上部の繊維材料及び下部の発泡材若しくはゴム又はポリエーテルから成っている。
【0013】
自発的に広がる発泡剤等から成る下敷きは既に公知である。この下敷きは、例えばキャンプの時に地面に敷かれるが、シーツとは結合されていない。従って、シーツによるベッドの被覆は、このような下敷きによっては容易にならない。
【0014】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0015】
図1から図6では、ベッドに変換可能な椅子家具がフレーム1と、第1のキャリッジ2と、第2のキャリッジ3とを有している。フレーム1は、金属の側方支持体4を備えた不動のフレーム部分と、床に支持された脚5,6とを有している。
【0016】
可動のフレーム部分は、ばね弾性的な横方向支持体8,9に載置された複数の貫板10を有しており、これらの貫板10は相互に間隔をあけて位置している。キャリッジ2,3もそれぞれ複数の貫板10a,10bを有しており、これらの貫板10a,10bは、脚を介して床に支持された、対応するばね弾性的な横方向貫板に載置されている。
【0017】
図3には例として、キャリッジ3の貫板10bがアングル部材11と結合されており且つ脚13と結合された横方向貫板12に支持されている様子が示されている。
【0018】
特に図1から明らかなように、貫板10,10a,10bは、それぞれキャリッジ2,3が互いに入れ子式で内外に摺動可能且つフレーム1内へ摺動可能な相互間隔を有しており、この場合、全ての貫板10,10a,10bは相並んで位置している。キャリッジ3の引出し時には、アングル部材11がキャリッジ2を連行する。
【0019】
快適と感じられるシート傾斜面が得られるようにするためには、図4に相応してフレーム1の横方向貫板9の両側に、ローラ支持体14を介してそれぞれローラ15が設けられている。これらのローラ15は、それぞれ2つの収容ポケット17,18を有するフラットバー16に沿って転動する。前記収容ポケット17は貫板10を水平状態で保持し、他方の収容ポケット18はシート傾斜面を可能にする。
【0020】
前記フラットバー16は、それぞれ脚6と後方のフラットバー19とに溶接されている。
【0021】
図5には拡大平面図で、図6には対応する側面図で貫板のガイドが示されている。この場合、図5では左側に押し込まれた貫板10a、その右側に引き出された貫板10a、並びに一番右側に貫板10bが示されている。
【0022】
これによると、貫板10はその両端部にストッパ20を有しており、これらのストッパ20は、対応するキャリッジの押込み・引出し時に貫板10aのストッパ21と協働する。これらのストッパ21は、押込み時にストッパ20を押圧し且つ引出し時には当該ストッパ21は、貫板10の他端部に配置されたストッパ20を介してフレーム1の可動部分を図1及び図2に示した位置へ引っ張る。
【0023】
貫板10a,10bの自由端部が、キャリッジ2,3の押込み時にばね弾性的な各横方向貫板9,12を越えて持ち上げられるためには、当該の貫板にリフティング部材22が配置されている。
【0024】
図7には、1つのキャリッジ2だけを有する本発明による家具が椅子の状態で示されている。従って、この椅子の状態では2つのクッション23,24だけが重なり合って位置している。
【0025】
図8に示した家具は、2つのキャリッジと3つのクッション23,24,25とを備えた、図1及び図2に示した家具にほぼ相当する。
【0026】
両ケース共、背もたれとしては以下に説明する巻成されたロールマットレス26が使用される。クッション23もそれぞれ隆起部27を有しており、この隆起部27はフレームの上側部分を被覆する。
【0027】
図9では、ベッドフレーム31にマットレス32が載置されている。ベッドフレーム31はベッドヘッド33を有しており、このベッドヘッド33は中空室34を有している。この中空室34は前方をパッドカバー(図示せず)により閉鎖可能である。
【0028】
マットレス32上にはカバー26が位置しており、このカバー26は柔らかい層36とシーツ37とを有している。このシーツ37は柔らかい層36と、面ファスナにより結合されている。
【0029】
柔らかい層36は、この柔らかい層36とシーツ37とから成るロールが自発的に広がることのできるような弾性を有する材料から成っている。図1には、このようなロール(カバー26)がちょうど広がっているところが示されており、このことは書込み矢印によって示されている。
【0030】
柔らかい層36の下位には、一緒に巻かれるフィットシーツ39が配置されている。このフィットシーツ39は、長手方向ではほぼ非弾性的な織布、例えばデニムから成っている。このような非弾性的なフィットシーツ39を配置することにより、柔らかい層36が巻成時及び巻成後に、その弾性に基づいて外周を拡大させることを防止する。
【0031】
カバー26の巻上げ及び展開は、ロッド40により容易になる。このロッド40は、カバー26の巻き込もうとする端部と結合されている。図10から判るように、このロッド40はストリップ材41を介してカバー26と結合されている。
【0032】
図11に示した実施例では、柔らかい層36の下位に位置するフィットシーツ39′が、柔らかい層36を取り囲むシーツ37′によって形成される。
【0033】
図9では、シーツ37上に位置する毛布42若しくはベッドアイテムをカバー26に巻き込むことができるということも示唆されている。この場合、毛布42はおよそ半分しか図示されていない。
【0034】
その後のロール26全体(層36、シーツ37及び毛布若しくはベッドアイテム42)は、極めて柔らかな材料から成っている。巻込み時に当該ロールを押圧すること、並びに剛性のロッド及び非弾性的な外面により、前記材料は本来の体積の3分の1未満に圧縮される。
【0035】
座席又はベッド及びロール26の少なくとも見える部分が家具生地で被覆されていると、図7及び図8に示したように、ロールを背もたれとして使用することができる。
【0036】
巻込まれた状態で、カバー(ロール)26はベッドヘッドの中空室34に収納可能である。
【0037】
種々様々な家具において所定のパネルが設けられていてよく、このパネルに向かってロール26を巻く。例えば面ファスナを配置することにより、ロール26をパネルにおいて巻かれた状態で保持し続けることができる。
【0038】
背もたれの背後のロール26用のスペースは、通常丸い形を有してはいない。背もたれ内の中空室は、大抵ロールよりも高く且つ円錐状に下方に向かって広がっている。非弾性的なフィットシーツ及び剛性のロッドに基づき得られる圧縮にもかかわらず、既存の中空室に嵌め込むためには、ロールはまだ十分に柔らかい。
【0039】
本発明の枠内で多数の変化態様が可能である。例えば、キャリッジ3には複数の貫板の代わりに、特にMDF製の1枚のパネルのみを装備することが可能である。この場合は、フレーム1の貫板とキャリッジ2の貫板との間のより小さな間隔が得られることになる。キャリッジ3を省くと縦寝台の代わりに横寝台が生ぜしめられ、このことは本発明の枠内で容易に可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明による家具を寝椅子の状態でクッションを取り外して上から見た図である。
【図2】図1に示した家具を、クッションの置かれた状態で側面から部分的に断面して示した図である。
【図3】図2に符号Aで示した部分の拡大詳細図である。
【図4】同じく、シート傾斜面を形成するためのローラ装置の拡大図である。
【図5】貫板の配置形式を拡大して示した図である。
【図6】貫板の配置形式を拡大して示した図である。
【図7】本発明による家具を椅子の状態で示した図である。
【図8】本発明による家具を椅子の状態で示した図である。
【図9】本発明によるカバーを備えたベッド若しくは寝椅子の斜視図である。
【図10】端部にロッドが懸吊されたカバーロールの部分図である。
【図11】前記カバーの端部を部分的に縦断して示した図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドに変換可能な椅子家具であって、フレームと、該フレームに進入可能且つ該フレームから進出可能な少なくとも1つのキャリッジとが設けられている形式のものに関する。更に本発明は、このような家具の寝台面用のカバーに関する。
【0002】
本発明の重要な特徴は、フレームとキャリッジとが、シートクッション若しくはベッドクッション用の支持部として、キャリッジの引出し方向で延在する、片側を固定された複数の貫板を有しており、これらの貫板が、キャリッジの貫板が該キャリッジの進入状態ではフレームの貫板の間に位置するような相互間隔を有しているという点にある。
【0003】
キャリッジの貫板が係合するフレームの貫板の間隔に基づいて、簡単で、しかも正確なガイドが得られる。
【0004】
本発明の有利な構成では、家具の背面側のフレームの貫板が、ばね弾性的な横方向貫板に載置されており、この横方向貫板の両側にはそれぞれローラが設けられており、これらのローラは前方に向かって上昇するガイド内をガイドされているので、フレームの貫板が押し込まれた状態(椅子状態)では、当該のフレームの貫板は斜め下方に向かって延在し、これらの貫板が引き出された状態(寝椅子状態)では水平方向で位置している。
【0005】
これにより簡単に、キャリッジの引出し時に自動的に水平方向に移行するシート傾斜面が得られる。
【0006】
有利には、前記ガイドは変形された複数のフラットバーにより形成されており、これらのフラットバーはそれぞれ、椅子状態及び寝椅子状態におけるローラのための収容ポケットを1つずつ形成している。
【0007】
今日、高価なベッドは2つのマットレスを有している。つまり、比較的硬い下部マットレスと比較的柔らかい上部マットレスである。上部マットレスは、しばしば「コンフォートマットレス」とも呼ばれる。この比較的柔らかな上部マットレスは就寝状態の体に、比較的大面積にわたる支持を供与する。この硬軟の組合せは、大抵のエキスパートにより理想的な手段であると見なされる。
【0008】
衛生上の理由から、ベッド又は寝椅子に変換可能な椅子家具の寝台面をシーツで覆うことが一般的である。変換可能な椅子家具又はいわゆる「寝椅子」の場合は、これにより家具生地も保護される。
【0009】
シーツによる被覆は比較的面倒である。それというのも、シーツは多くの側から引っ張らねばならないからである。従って、シーツによる被覆を簡単にするための複数の提案が既に成された。特に、シーツを場合によっては下敷きと一緒に、不使用時にはオートマチックローラで巻き上げることが提案された。このような提案も、既に実行に移された。
【0010】
これに応じて本発明の目的は更に、従来よりも簡単に取り扱えるカバーを提供するという点にある。このことは、柔らかい層が巻成に抵抗する弾性を有していることによって達成される。これにより、前記層は巻成後、シーツと共に自発的に寝台面を覆うように広がる。
【0011】
本発明によるカバーのロールは、例えばベルト等によって保持されて、このベルトの開放後に自発的にシーツと一緒に広がり且つ寝台面を被覆するように位置する。この場合、シーツは面ファスナ、プッシュボタン又は類似の容易に取り外されるべき結合手段によって柔らかい層と結合されていてよい。
【0012】
この柔らかい層は一般に2つの材料、つまり上部の繊維材料及び下部の発泡材若しくはゴム又はポリエーテルから成っている。
【0013】
自発的に広がる発泡剤等から成る下敷きは既に公知である。この下敷きは、例えばキャンプの時に地面に敷かれるが、シーツとは結合されていない。従って、シーツによるベッドの被覆は、このような下敷きによっては容易にならない。
【0014】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【0015】
図1から図6では、ベッドに変換可能な椅子家具がフレーム1と、第1のキャリッジ2と、第2のキャリッジ3とを有している。フレーム1は、金属の側方支持体4を備えた不動のフレーム部分と、床に支持された脚5,6とを有している。
【0016】
可動のフレーム部分は、ばね弾性的な横方向支持体8,9に載置された複数の貫板10を有しており、これらの貫板10は相互に間隔をあけて位置している。キャリッジ2,3もそれぞれ複数の貫板10a,10bを有しており、これらの貫板10a,10bは、脚を介して床に支持された、対応するばね弾性的な横方向貫板に載置されている。
【0017】
図3には例として、キャリッジ3の貫板10bがアングル部材11と結合されており且つ脚13と結合された横方向貫板12に支持されている様子が示されている。
【0018】
特に図1から明らかなように、貫板10,10a,10bは、それぞれキャリッジ2,3が互いに入れ子式で内外に摺動可能且つフレーム1内へ摺動可能な相互間隔を有しており、この場合、全ての貫板10,10a,10bは相並んで位置している。キャリッジ3の引出し時には、アングル部材11がキャリッジ2を連行する。
【0019】
快適と感じられるシート傾斜面が得られるようにするためには、図4に相応してフレーム1の横方向貫板9の両側に、ローラ支持体14を介してそれぞれローラ15が設けられている。これらのローラ15は、それぞれ2つの収容ポケット17,18を有するフラットバー16に沿って転動する。前記収容ポケット17は貫板10を水平状態で保持し、他方の収容ポケット18はシート傾斜面を可能にする。
【0020】
前記フラットバー16は、それぞれ脚6と後方のフラットバー19とに溶接されている。
【0021】
図5には拡大平面図で、図6には対応する側面図で貫板のガイドが示されている。この場合、図5では左側に押し込まれた貫板10a、その右側に引き出された貫板10a、並びに一番右側に貫板10bが示されている。
【0022】
これによると、貫板10はその両端部にストッパ20を有しており、これらのストッパ20は、対応するキャリッジの押込み・引出し時に貫板10aのストッパ21と協働する。これらのストッパ21は、押込み時にストッパ20を押圧し且つ引出し時には当該ストッパ21は、貫板10の他端部に配置されたストッパ20を介してフレーム1の可動部分を図1及び図2に示した位置へ引っ張る。
【0023】
貫板10a,10bの自由端部が、キャリッジ2,3の押込み時にばね弾性的な各横方向貫板9,12を越えて持ち上げられるためには、当該の貫板にリフティング部材22が配置されている。
【0024】
図7には、1つのキャリッジ2だけを有する本発明による家具が椅子の状態で示されている。従って、この椅子の状態では2つのクッション23,24だけが重なり合って位置している。
【0025】
図8に示した家具は、2つのキャリッジと3つのクッション23,24,25とを備えた、図1及び図2に示した家具にほぼ相当する。
【0026】
両ケース共、背もたれとしては以下に説明する巻成されたロールマットレス26が使用される。クッション23もそれぞれ隆起部27を有しており、この隆起部27はフレームの上側部分を被覆する。
【0027】
図9では、ベッドフレーム31にマットレス32が載置されている。ベッドフレーム31はベッドヘッド33を有しており、このベッドヘッド33は中空室34を有している。この中空室34は前方をパッドカバー(図示せず)により閉鎖可能である。
【0028】
マットレス32上にはカバー26が位置しており、このカバー26は柔らかい層36とシーツ37とを有している。このシーツ37は柔らかい層36と、面ファスナにより結合されている。
【0029】
柔らかい層36は、この柔らかい層36とシーツ37とから成るロールが自発的に広がることのできるような弾性を有する材料から成っている。図1には、このようなロール(カバー26)がちょうど広がっているところが示されており、このことは書込み矢印によって示されている。
【0030】
柔らかい層36の下位には、一緒に巻かれるフィットシーツ39が配置されている。このフィットシーツ39は、長手方向ではほぼ非弾性的な織布、例えばデニムから成っている。このような非弾性的なフィットシーツ39を配置することにより、柔らかい層36が巻成時及び巻成後に、その弾性に基づいて外周を拡大させることを防止する。
【0031】
カバー26の巻上げ及び展開は、ロッド40により容易になる。このロッド40は、カバー26の巻き込もうとする端部と結合されている。図10から判るように、このロッド40はストリップ材41を介してカバー26と結合されている。
【0032】
図11に示した実施例では、柔らかい層36の下位に位置するフィットシーツ39′が、柔らかい層36を取り囲むシーツ37′によって形成される。
【0033】
図9では、シーツ37上に位置する毛布42若しくはベッドアイテムをカバー26に巻き込むことができるということも示唆されている。この場合、毛布42はおよそ半分しか図示されていない。
【0034】
その後のロール26全体(層36、シーツ37及び毛布若しくはベッドアイテム42)は、極めて柔らかな材料から成っている。巻込み時に当該ロールを押圧すること、並びに剛性のロッド及び非弾性的な外面により、前記材料は本来の体積の3分の1未満に圧縮される。
【0035】
座席又はベッド及びロール26の少なくとも見える部分が家具生地で被覆されていると、図7及び図8に示したように、ロールを背もたれとして使用することができる。
【0036】
巻込まれた状態で、カバー(ロール)26はベッドヘッドの中空室34に収納可能である。
【0037】
種々様々な家具において所定のパネルが設けられていてよく、このパネルに向かってロール26を巻く。例えば面ファスナを配置することにより、ロール26をパネルにおいて巻かれた状態で保持し続けることができる。
【0038】
背もたれの背後のロール26用のスペースは、通常丸い形を有してはいない。背もたれ内の中空室は、大抵ロールよりも高く且つ円錐状に下方に向かって広がっている。非弾性的なフィットシーツ及び剛性のロッドに基づき得られる圧縮にもかかわらず、既存の中空室に嵌め込むためには、ロールはまだ十分に柔らかい。
【0039】
本発明の枠内で多数の変化態様が可能である。例えば、キャリッジ3には複数の貫板の代わりに、特にMDF製の1枚のパネルのみを装備することが可能である。この場合は、フレーム1の貫板とキャリッジ2の貫板との間のより小さな間隔が得られることになる。キャリッジ3を省くと縦寝台の代わりに横寝台が生ぜしめられ、このことは本発明の枠内で容易に可能である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明による家具を寝椅子の状態でクッションを取り外して上から見た図である。
【図2】図1に示した家具を、クッションの置かれた状態で側面から部分的に断面して示した図である。
【図3】図2に符号Aで示した部分の拡大詳細図である。
【図4】同じく、シート傾斜面を形成するためのローラ装置の拡大図である。
【図5】貫板の配置形式を拡大して示した図である。
【図6】貫板の配置形式を拡大して示した図である。
【図7】本発明による家具を椅子の状態で示した図である。
【図8】本発明による家具を椅子の状態で示した図である。
【図9】本発明によるカバーを備えたベッド若しくは寝椅子の斜視図である。
【図10】端部にロッドが懸吊されたカバーロールの部分図である。
【図11】前記カバーの端部を部分的に縦断して示した図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドに変換可能な椅子家具であって、フレーム(1)と、該フレーム(1)に進入可能且つ該フレームから進出可能な少なくとも1つのキャリッジ(2,3)とが設けられている形式のものにおいて、
フレーム(1)とキャリッジ(2,3)とが、シートクッション若しくはベッドクッション(23,24,25)のための支持部としてキャリッジ(2,3)の引出し方向で延在する、片側を固定された複数の貫板(10,10a,10b)を有しており、これらの貫板(10,10a,10b)が、キャリッジの貫板(10a,10b)が当該キャリッジ(2,3)の進入状態ではフレーム(1)の貫板(10)の間に位置するような相互間隔を有していることを特徴とする、ベッドに変換可能な椅子家具。
【請求項2】
家具の背面側のフレーム(1)の貫板(10)が、それぞればね弾性的な横方向貫板(9)に載置されており、該横方向貫板の両側にローラ(15)が設けられており、これらのローラが前方に向かって上昇するガイド(16)内を案内されており、これにより、フレーム(1)の貫板(10)が押し込まれた状態(椅子状態)では当該の貫板が斜め下方に向かって延在しており、当該の貫板(10)が引き出された状態(寝椅子状態)では水平方向で位置している、請求項1記載の椅子家具。
【請求項3】
前記ガイドが変形された複数のフラットバー(16)により形成されており、これらのフラットバーが、椅子状態及び寝椅子状態におけるローラ(15)のための収容ポケット(17,18)を1つずつ形成している、請求項2記載の椅子家具。
【請求項4】
フレーム(1)が、2つの金属の側方支持体(4)を有する定置のフレーム部分を備えており、前記側方支持体が、床に支持された脚(6)とガイド(16)とに結合、殊に溶接されている、請求項2又は3記載の椅子家具。
【請求項5】
貫板(10)の両端部が側面に少なくとも各1つのストッパ(20)を有しており、該ストッパが接続するキャリッジのストッパ(21)と協働する、請求項1から4までのいずれか1項記載の椅子家具。
【請求項6】
貫板(10,10a,10b)が一方の端部にリフティング部材(22)を有しており、該リフティング部材がキャリッジの進入時に当該の貫板を、別のキャリッジの各横方向貫板を越えて持ち上げる、請求項1から5までのいずれか1項記載の椅子家具。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項記載の家具の寝台面用のカバーであって、シーツと、該シーツの下位に位置する柔らかい層(36)とを有している形式のものにおいて、
柔らかい層(36)が、巻成に抗して作用する弾性を有しており、これにより、当該の層(36)が巻成後にシーツ(37)と一緒に自発的に寝台面を被覆するように広がることを特徴とする、家具の寝台面用カバー。
【請求項8】
シーツ(37)と対向位置する側に、長手方向ではほぼ非弾性的な織布から成るフィットシーツ(39)が配置されている、請求項7記載のカバー。
【請求項9】
巻成しようとする端部にロッド(40)が結合されている、請求項7又は8記載のカバー。
【請求項10】
毛布(42)がシーツ(37)上に位置して一緒に巻き込まれる、請求項7記載のカバー。
【請求項11】
柔らかい層(36)の寝台面と、この柔らかい層(36)の下面とが家具生地から成っている、請求項7から10までのいずれか1項記載のカバー。
【請求項12】
背もたれの背後に、請求項7から11までのいずれか1項記載の巻成されたカバー(26)が配置されていることを特徴とする、背もたれを備えた、寝椅子家具に変換可能な椅子家具。
【請求項13】
直立した支持部若しくはパネルが巻成されたカバー(26)の背後に配置されており、当該支持部若しくはパネルと、巻成されたカバー(26)との間に面ファスナベルトが設けられている、請求項12記載の椅子家具。
【請求項1】
ベッドに変換可能な椅子家具であって、フレーム(1)と、該フレーム(1)に進入可能且つ該フレームから進出可能な少なくとも1つのキャリッジ(2,3)とが設けられている形式のものにおいて、
フレーム(1)とキャリッジ(2,3)とが、シートクッション若しくはベッドクッション(23,24,25)のための支持部としてキャリッジ(2,3)の引出し方向で延在する、片側を固定された複数の貫板(10,10a,10b)を有しており、これらの貫板(10,10a,10b)が、キャリッジの貫板(10a,10b)が当該キャリッジ(2,3)の進入状態ではフレーム(1)の貫板(10)の間に位置するような相互間隔を有していることを特徴とする、ベッドに変換可能な椅子家具。
【請求項2】
家具の背面側のフレーム(1)の貫板(10)が、それぞればね弾性的な横方向貫板(9)に載置されており、該横方向貫板の両側にローラ(15)が設けられており、これらのローラが前方に向かって上昇するガイド(16)内を案内されており、これにより、フレーム(1)の貫板(10)が押し込まれた状態(椅子状態)では当該の貫板が斜め下方に向かって延在しており、当該の貫板(10)が引き出された状態(寝椅子状態)では水平方向で位置している、請求項1記載の椅子家具。
【請求項3】
前記ガイドが変形された複数のフラットバー(16)により形成されており、これらのフラットバーが、椅子状態及び寝椅子状態におけるローラ(15)のための収容ポケット(17,18)を1つずつ形成している、請求項2記載の椅子家具。
【請求項4】
フレーム(1)が、2つの金属の側方支持体(4)を有する定置のフレーム部分を備えており、前記側方支持体が、床に支持された脚(6)とガイド(16)とに結合、殊に溶接されている、請求項2又は3記載の椅子家具。
【請求項5】
貫板(10)の両端部が側面に少なくとも各1つのストッパ(20)を有しており、該ストッパが接続するキャリッジのストッパ(21)と協働する、請求項1から4までのいずれか1項記載の椅子家具。
【請求項6】
貫板(10,10a,10b)が一方の端部にリフティング部材(22)を有しており、該リフティング部材がキャリッジの進入時に当該の貫板を、別のキャリッジの各横方向貫板を越えて持ち上げる、請求項1から5までのいずれか1項記載の椅子家具。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項記載の家具の寝台面用のカバーであって、シーツと、該シーツの下位に位置する柔らかい層(36)とを有している形式のものにおいて、
柔らかい層(36)が、巻成に抗して作用する弾性を有しており、これにより、当該の層(36)が巻成後にシーツ(37)と一緒に自発的に寝台面を被覆するように広がることを特徴とする、家具の寝台面用カバー。
【請求項8】
シーツ(37)と対向位置する側に、長手方向ではほぼ非弾性的な織布から成るフィットシーツ(39)が配置されている、請求項7記載のカバー。
【請求項9】
巻成しようとする端部にロッド(40)が結合されている、請求項7又は8記載のカバー。
【請求項10】
毛布(42)がシーツ(37)上に位置して一緒に巻き込まれる、請求項7記載のカバー。
【請求項11】
柔らかい層(36)の寝台面と、この柔らかい層(36)の下面とが家具生地から成っている、請求項7から10までのいずれか1項記載のカバー。
【請求項12】
背もたれの背後に、請求項7から11までのいずれか1項記載の巻成されたカバー(26)が配置されていることを特徴とする、背もたれを備えた、寝椅子家具に変換可能な椅子家具。
【請求項13】
直立した支持部若しくはパネルが巻成されたカバー(26)の背後に配置されており、当該支持部若しくはパネルと、巻成されたカバー(26)との間に面ファスナベルトが設けられている、請求項12記載の椅子家具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−532715(P2008−532715A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502184(P2008−502184)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【国際出願番号】PCT/AT2006/000118
【国際公開番号】WO2006/099646
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(507317258)
【氏名又は名称原語表記】Ole Wiberg
【住所又は居所原語表記】19a Southeastern Road, Ramsgate, CT 119 TR, Kent, United Kingdom
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【国際出願番号】PCT/AT2006/000118
【国際公開番号】WO2006/099646
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(507317258)
【氏名又は名称原語表記】Ole Wiberg
【住所又は居所原語表記】19a Southeastern Road, Ramsgate, CT 119 TR, Kent, United Kingdom
【Fターム(参考)】
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