説明

ベッド装置

【課題】フットライトの取り付け位置を利用し易い位置に容易に変更することができるようにしたベッド装置を提供することにある。
【解決手段】磁性材料によって形成されたベースフレーム1と、人体を感知するセンサ42、センサが人体を感知することで点灯する照明部40及びマグネット39を有し、そのマグネットを磁性材料によって形成されたベースフレームに磁気結合させることで着脱可能に設けられるフットライト37とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は利用者がマットレスに乗り降りする際に足元を照明することができるフットライトを備えたベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
室内に設置されたベッド装置を利用して就寝する場合、就寝時には消灯するため、ベッド装置の位置を確認することが難しい。そこで、ベッド装置にフットライトを設け、そのフットライトを点灯することで、ベッド装置の位置を確認できるようにしている。そのようなベッド装置はたとえば特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されたベッド装置は、ベッド本体を構成するベッドフレームのサイドフレームやフットボードの下面に凹部を形成し、その凹部にフットライトを設けるようにしている。フットライトはヘッドボードに設けられたホルダに保持されたリモコン装置によって点灯及び消灯の操作ができるようになっている。
【特許文献1】特開平10−327984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されたベッド装置は、サイドフレームやフットボードの下面に凹部を形成し、その凹部にフットライトを設けるようにしている。そのため、フットライトを設けるためにサイドフレームやフットボードに凹部を加工しなければならないから、その加工に手間が掛かるばかりか、凹部にフットライトを取付ける作業にも手間が掛かるということがあった。
【0005】
ベッド装置はベッドフレームの一方のサイドフレームを壁面に付けて寝室に設置されるということがある。そのような場合、壁面に付けられる側のサイドフレームにフットスイッチが設けられていると、利用者が反対のサイドフレーム側からベッド装置に乗り降りする際、利用者の足部を照明することができないことになる。そのような不便をなくすためにはベッドフレームの両方のサイドフレームにフットライトを設けなければならないから、フットライトの数が多くなり、不経済である。
【0006】
上記フットスイッチはリモコン装置で点灯や消灯の操作をするようになっている。しかしながら、フットスイッチを点灯させるために暗い室内でリモコン装置を操作するということは容易でないから、その点でも不便であった。
【0007】
この発明はフットスイッチをベッド本体の必要な箇所に簡単に、しかも取付け位置を変えることができるよう着脱可能に設けるとともに、暗い室内でリモコン装置を操作するとうことをせずに、点灯させることができるようにしたベッド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、少なくとも一部が磁性材料によって形成されたベッド本体と、
人体を感知するセンサ、このセンサが人体を感知することで点灯する照明部及びマグネットを有し、そのマグネットを上記ベッド本体の磁性材料によって形成された部分に磁気結合させることで着脱可能に設けられるフットライトと
を具備したことを特徴とするベッド装置にある。
【0009】
上記フットライトは上面に上記マグネットが設けられ、このマグネットを上記ベッド本体の下面に磁気結合させたときの側面に上記センサと上記照明部が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、フットライトをベッド本体に磁気的に取り付けるため、ベッド本体の磁性剤材料によって形成された部分であれば、取り付け位置を簡単に変更することが可能であり、しかも利用者がフットライトに近付けば、センサがそのことを検知して照明部が自動的に点灯するから、暗い室内などで点灯操作する必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1はこの発明の一実施の形態の電動式のベッド装置を示す。このベッド装置はベッド本体を構成する磁性材料によって作られたベースフレーム1を有する。このベースフレーム1の四隅部下面にはストッパ付きのキャスタ2が設けられ、ベースフレーム1を走行可能に支持している。
【0013】
上記ベースフレーム1の四隅部上面には支柱4が立設されている。各支柱4には上下駆動リンク5(2つのみ図示)の一端が枢着され、各上下駆動リンク5の他端はベッド本体を構成する磁性材料によって作られたベッドフレーム6の長手方向両端部の幅方向両側に垂設された連結片7に枢着されている。
【0014】
上記ベッドフレーム6は上下駆動機構8によって上下駆動される。この上下駆動機構8は上下駆動源9を有し、この上下駆動源9によって上記リンク5が連動杆11を介して図1に示す倒伏した状態から矢印で示す起立方向に駆動されるようになっている。それによって、上記ベッドフレーム6が上昇方向に駆動される。
【0015】
上記ベッドフレーム6の長手方向一端にはヘッドボード12が設けられ、他端にはフットボード13が設けられている。上記ベッドフレーム6上には床板体15が設けられている。この床板体15は複数の床部に分割されている。
【0016】
すなわち、床板体15は上記ベッドフレーム6の長手方向中途部に固定して設けられた固定床部16を有する。この固定床部16の一側には腰上げ床部17と背上げ床部18とが順次回動可能に連結されている。上記固定床部16の他側には第1の脚上げ床部19と第2の脚上げ床部20とが順次回動可能に連結されている。そして、この床板体15上にはマットレスMが載置されている。
【0017】
上記床板体15は、上記ベッドフレーム3の下面側に設けられた起伏駆動機構22によって起伏駆動されるようになっている。この起伏駆動機構22は図示しない駆動機構を内蔵した細長いボックス23を有する。このボックス23の一端には軸線をベッドフレーム3の幅方向に沿わせた第1の駆動軸24が設けられ、他端には第2の駆動軸25が上記第1の駆動軸24と軸線を平行にして設けられている。
【0018】
上記ボックス23の一側面には上記第1の駆動軸24を回転駆動する背上げ駆動源26が設けられ、他側面には第2の駆動軸25を回転駆動する脚上げ駆動源27が設けられている。
【0019】
上記第1の駆動軸24には背上げアーム28の一端が固着されている。背上げアーム28の他端部には一対のローラ29が所定の間隔で回転可能に設けられている。これらローラ29が上記背上げ床部17の下面に設けられた断面コ字状のガイドレール31に転動可能に係合している。それによって、上記背上げアーム28が起上方向に駆動されると、上記背上げ床部18が図1に示す倒伏した状態から起上させることができる。このとき、背上げ床部18と固定床部16との間に設けられた腰上げ床部17も連動する。
【0020】
上記第2の駆動軸25には脚上げアーム32が一端を固着して設けられている。この脚上げアーム32の他端にはローラ33が設けられている。このローラ33は第1の脚上げ床部19の下面に形成された傾斜面34に当接している。
【0021】
したがって、上記脚上げアーム32が起上方向に駆動されると、第1の脚上げ床部19が固定床部16に枢着された一端を支点として他端が上昇する方向に起上する。第1の脚上げ床部19が上昇すると、この上昇に第2の脚上げ床部20が連動する。
【0022】
第2の脚上げ床部20の端部には、線材をコ字状に曲成し両端部を上記ベッドフレーム6に枢着した支持部材35の中途部が回動可能に連結されている。それによって、第1の脚上げ床部19が上昇すると、それに連動する第2の脚上げ床部20を上昇した状態で保持できるようになっている。
【0023】
ベッド本体の磁性材料によって形成された部分、たとえば上記ベースフレーム1の幅方向の一側の下面にはフットライト37が着脱可能に設けられている。このフットライト37は図2と図3に示すように長方体状のケース38を有し、このケース38の上面には円盤状のマグネット39が設けられている。そして、フットライト37は上記マグネット39を上記ベースフレーム1の下面に磁気結合させて着脱可能に設けられる。
【0024】
上記ケース38の側面には照明部40と利用者を検知する赤外線式のセンサ41とが設けられ、下面にはスイッチ42が設けられている。このスイッチ42はオフ位置、連続点灯位置及び自動点灯位置の切り換え設定ができるようになっていて、自動点灯位置に設定すると、上記センサ41が人体を検知することで、上記照明部40が自動的に点灯至、所定時間後に消灯するようになっている。
なお、上記フットライト37乾電池或いはACアダプタによって給電できるようになっていて、図3に示すように上記ケース38の下面にACアダプタを接続する接続部43が設けられている。
【0025】
上記構成のフットライト37によれば、ケース38の上面にマグネット39が設けられているため、そのマグネット39を磁性材料によって作られた、たとえばベースフレーム1の下面の幅方向一端部などに磁気結合させて取り付けることができる。
【0026】
そして、上記フットライト37に設けられたスイッチ42を自動点灯位置に設定しておけば、暗い室内で就寝している利用者Uがベッド装置のフットライト37が設けられた側から降りる際、上記フットライト37の側面に設けられたセンサ41が人体を検知することで、照明部40が点灯する。
したがって、利用者Uは暗い室内でフットライト37の点灯操作をすることなく、足元が照明されるから、ベッド装置のマットレスMから容易に降りることが可能となる。また、照明部40は点灯後、所定時間経過することで自動的に消灯する。
【0027】
消灯した状態で利用者Uがフットライト37に近付き、そのことがセンサ41によって検出されれば、照明部40が点灯することになる。したがって、暗い室内に入ったときなども、点灯操作することなく、足元を照明することができる。
【0028】
ベッド装置が幅方向一端を壁面に付けて設置する場合、利用者は幅方向の他端からマットレスMに乗り降りすることになる。したがって、そのような場合には上記フットスイッチ37をベースフレーム1の幅方向他端の下面に取付けることができる。
【0029】
すなわち、フットライト37はマグネット39によってベースフレーム1に取り付けられるため、ベッド装置の磁性材料で作られた部分であれば、ベッド装置の設置条件や利用者がマットレスMに乗り降りする側などの利用条件に応じて取り付け位置を変更することができる。
【0030】
フットライト37は、ケース38の上面にマグネット39を設け、側面に照明部40とセンサ41を設けるようにした。そのため、フットライト37をベースフレーム1の下面に取付けると、上記照明部40と上記センサ41をベッド装置の幅方向外方に向けることができる。したがって、センサ41による人体の検知及び照明部40による足元の照明を確実に行なうことができる。
【0031】
上記一実施の形態ではフットライト37をベースフレーム1に設けた場合について説明したが、磁性材料で作られた他の部分、たとえばベッドフレーム6などに設けるようにしてもよい。また、ベッド装置は電動式のものだけに限られず、他の構造であってもよく、要はベッド本体の少なくとも一部分が磁性材料で作られたベッド装置であれば、フットライト37を設けることが可能である。
【0032】
上記フットライト37に人体を検知する赤外線センサを設けたが、室内の明るさを検知して照明部40を点滅する明るさセンサを設けるようにしてもよい。明るさセンサを設ければ、室内が所定の暗さになったときに上記照明部40を自動的に点灯させ、所定の明るさになったときに自動的に消灯することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の一実施の形態を示すベッド装置の概略的構成を示す側面図。
【図2】フットライトを斜め上方から見た斜視図。
【図3】フットライトの下面を示す斜視図。
【符号の説明】
【0034】
1…ベースフレーム(ベッド本体)、6…ベッドフレーム(ベッド本体)、37…フットライト、38…ケース、39…マグネット、40…照明部、41…センサ、43…スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部が磁性材料によって形成されたベッド本体と、
人体を感知するセンサ、このセンサが人体を感知することで点灯する照明部及びマグネットを有し、そのマグネットを上記ベッド本体の磁性材料によって形成された部分に磁気結合させることで着脱可能に設けられるフットライトと
を具備したことを特徴とするベッド装置。
【請求項2】
上記フットライトは上面に上記マグネットが設けられ、このマグネットを上記ベッド本体の下面に磁気結合させたときの側面に上記センサと上記照明部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のベッド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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