説明

ベニヤ単板の巻取り処理装置に於ける糸の係合方法及び巻取り軸

【課題】糸よって単板を巻取り軸の外周に案内しながら巻取り処理するに際し、糸の始端部が巻取り軸に係合し易く、且つ、巻き戻し時には、糸の終端部(巻取り時の始端部)が巻取り軸から容易に外れる、優れた糸の係合方法を提供する。
【解決手段】金属製のロール3aの外周に糸との摩擦係数が大なる硬質の弾性部材3bを被覆すると共に、ロールの軸芯方向に適宜間隔を隔てて複数個所設定した糸供給部位3Aに該当する弾性部材3bの部分に、粗雑な側壁を以って形成される適宜の断面形状を有してロールの軸芯方向と直角乃至は斜めに交わる細溝3cを適数条形成することによって、巻取り軸3を構成し、前記糸供給部位3Aに、糸供給機構4の供給ノズル4aを介して糸9の始端部を風送し、糸供給部位3Aに形成した細溝3cの側壁と糸9との摩擦を活用して、糸9の始端部と巻取り軸3とを係合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベニヤ単板の巻取り処理装置に於ける糸の係合方法、及び該係合方法の実施に用いる巻取り軸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、先に例えば特許文献1・特許文献2等に開示する如く、ベニヤ単板(以下、単に単板と称す)を線材によって巻取り軸の外周に案内しながら、線材と一緒に巻取り処理する技術を種々提案し、合板工場に於ける単板処理工程の合理化を図って、相応の成果を挙げるに至った。而して、前記線材として使用する具体的な部材としては、例えば各種のテープ類、金属細線等も挙げられるものの、線材のコスト、線材の収納容積の多寡、単板とのなじみ性の優劣、単板汚染の有無等を勘案した、総合的な適応性からすると、糸が最も実用性に優れる部材であると言えるが、糸を線材として用いた場合には、糸の始端部を巻取り軸へ係合させる際に、後述する諸点が問題となっていた。
【0003】
即ち、例えば特許文献1に開示される如く、糸の始端を粘着テープ等の貼着部材によって巻取り軸へ貼着する態様によれば、都度、人手による貼着部材の着脱が必要となるので能率性が劣ることから、特許文献2に開示される如く、巻取り軸の適宜位置に糸と係合し得る係合部を設けると共に、圧縮空気を介して糸の始端部を前記巻取り軸の係合部に向けて風送し、係合部と糸とを係合させる態様を採るのが能率的であるが、特許文献2の実施例に開示される如く、巻取り軸に針状体を植設して係合部とする構成によると、係合部と糸との係合が強固であって、巻取りの開始が安定的に行い得る利点がある反面、巻取り処理した巻玉から、単板を巻戻し処理しつつ糸を回収する際に、針状体と係合する糸の終端部(巻取り時に於ける始端部)の回収が困難であって、針状体と係合した状態のまま切れ易く、次々と係合部に累積して、いずれ係合部と新しい糸との係合を阻害する悪因となる。また、別の実施例として開示される如く、巻取り軸に各種接着剤等から成る付着性に優れる被膜を被覆して係合部とする構成によると、該被膜の付着性の維持が困難であって、頻繁な更新が必要となることから、能率性や処理コストを劣化させる悪因となる。
【0004】
そこで、本出願人は、更に特許文献3に開示する如く、例えば研磨布紙に使用する砥粒の如き角張った粒子の多数個を、各種接着剤の如き固着部材を介して、巻取り軸の外周の所望位置に固着させて係合部とする構成を提案し、前記各悪因の解消を図ったところ、前記特許文献2に於ける針状体の例に比べれば、粒子と糸との係合度合いは緩やかであるものの、糸が巻取り軸に少数回巻き付いた状態では、必要十分な係合強度が得られるので、単板の巻取りの開始には全く支障なく、而も単板を巻戻し処理しつつ糸を回収する際に、粒子と係合する糸の終端部の回収は比較的容易であり、また、付着性に優れる被膜の例よりは、比較的長期に亘る係合の安定化が図り得て、相応に有効であった。
【特許文献1】特公昭60−18522号公報
【特許文献2】特公平2−26565号公報
【特許文献3】特開2002−187109号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献3の構成で成る巻取り軸によると、前記特許文献2に於ける針状体の例ほどではないが、粒子に係合した糸の少なくとも一部が、粒子の角によって切断される現象が少なからず発生し、やはり巻取り軸の係合部に徐々に累積するので、やがて粒子と新しい糸との係合を阻害する弊害が誘発されることが不可避であることから、更なる改良が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記従来技術の改良技術であり、基礎的な手段として、金属製のロールの外周に糸との摩擦係数が大なる硬質の弾性部材を被覆すると共に、ロールの軸芯方向に適宜間隔を隔てて複数個所設定した糸供給部位に該当する弾性部材の部分に、粗雑な側壁を以って形成される適宜の断面形状を有してロールの軸芯方向と直角乃至は斜めに交わる細溝を適数条形成することによって、巻取り軸を構成し、該巻取り軸の糸供給部位に、圧縮空気を介して糸の始端部を風送し、糸供給部位に形成した細溝の側壁と糸との摩擦を活用して、糸の始端部と巻取り軸との係合を図ることを特徴とする単板の巻取り処理装置に於ける糸の係合方法(請求項1)を提案する。
【0007】
また、前記糸の係合方法の実施に用いる巻取り軸として、金属製のロールの外周に糸との摩擦係数が大なる硬質の弾性部材を被覆すると共に、ロールの軸芯方向に適宜間隔を隔てて複数個所設定した糸供給部位に該当する弾性部材の部分に、粗雑な側壁を以って形成される適宜の断面形状を有してロールの軸芯方向と直角乃至は概ね直角に交わる細溝を適数条形成し、而も、隣り合う細溝同士の間に残存する筋状の山の部分に、ロールの軸芯方向と平行乃至は概ね平行で、而も隙間を全く有しない切込みを形成し、更に、該切込みを介して隣り合う筋状の山の部分を、交互に互い違い状にずらすことによって、前記細溝を形成する側壁の一部分を、互い違い状に細溝内に突出させて成ることを特徴とする巻取り軸(請求項2)と、糸供給部位に該当する弾性部材の部分の外径を、糸供給部位以外の部分の外径よりも幾分細くして成る請求項2に記載の巻取り軸(請求項3)と、金属製のロールの外周に糸との摩擦係数が大なる硬質の弾性部材を被覆すると共に、ロールの軸芯方向に適宜間隔を隔てて複数個所設定した糸供給部位に該当する弾性部材の部分に、粗雑な側壁を以って形成される適宜の断面形状を有してロールの軸芯方向と斜めに交わる細溝を、左右対称的な多条ネジ状に多数条形成して成ることを特徴とする巻取り軸(請求項4)と、前記糸供給部位に該当する弾性部材の部分の外径を、糸供給部位以外の部分の外径と同じに揃えて成る請求項4に記載の巻取り軸(請求項5)と、糸供給部位に該当する弾性部材の部分については、糸供給部位以外の部位と分離させて、随時容易に交換可能に、金属製のロールの外周に被覆して成る請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5に記載の巻取り軸(請求項6)とを提案する。
【発明の効果】
【0008】
前記請求項1に係る糸の係合方法によれば、述上の如き形態の弾性部材に形成した細溝の側壁と糸とを摩擦係合させるものであるから、先記特許文献3の粒子と糸とを係合させる場合に比べて、細溝の側壁と糸との係合度合いは更に一段と緩やかであるものの、糸が巻取り軸に少数回巻き付いた状態では、巻付け角が極めて著大となって、必要十分な係合強度が得られるので、単板の巻取りの開始には全く支障なく、而も単板を巻戻し処理しつつ糸を回収する際には、糸の終端部の回収が極めて容易であり、糸が細溝に拘わる箇所で切断されて徐々に累積するような現象が発生しないので、極めて長期に亘る係合の安定化を図ることが可能となった。
【0009】
また、前記請求項2に係る巻取り軸は、巻取り軸自体の形成が比較的容易であり、而も細溝の側壁と糸とが極めて係合し易い特性を、請求項3に係る巻取り軸は、請求項2に係る巻取り軸の初期形状を長く維持するのに有効である特性を、請求項4及び請求項5に係る巻取り軸は、請求項2に係る巻取り軸に比べて、巻取り軸自体の形成は些か煩雑化するものの、一段と長期に亘って巻取り軸の初期形状が維持できる特性を、更に請求項6に係る巻取り軸は、糸供給部位に該当する弾性部材の部分が消耗した際に、交換が容易である特性を夫々有し、いずれも請求項1に係る糸の係合方法の実施に用い得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を図面に例示した実施の一例に基づいて更に詳述するが、本発明の特異性は、専ら巻取り軸の形態にあり、巻取り処理装置を構成する他の部材類の形態については、特に制約はなく、先記各公報類に開示された形態を含めて、従来公知の種々の形態で差支えないので、要点を明確化させる便宜上、図示及び説明を簡略化した。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明に係る糸の係合方法の実施に用いる巻取り処理装置の一部破断側断面説明図であり、図2は、図1に例示した巻取り処理装置の一部破断部分正面説明図であり、図3は、図2に於けるA部の拡大説明図であり、図4〜図9は、図1〜図3に例示した巻取り処理装置の作動説明図である。図中、1は、コンベアベルト1a、プーリ1b、軸1c等から成る搬送コンベアであって、適宜の制御機構(図示省略)の制御を得て、サーボモータ・クラッチ&ブレーキ付モータ等から成る駆動源(図示省略)を介して、適時、図示矢印方向へ走行せしめられ、単板11を図示矢印方向へ搬送する。
【0012】
2は、金属製のロール2aの外周に、硬質ゴム或は硬質ゴムに準ずる性状を有する合成樹脂等から成る硬質の弾性部材2bを被覆すると共に、ロールの軸芯方向に適宜間隔を隔てて、前記搬送コンベア1のコンベアベルト1a及び後述する糸供給機構4の供給ノズル4aが夫々介入し得る、適宜の断面形状(図示例の矩形に限らず、要は前記各部材の介入を許容する形状であれば足りる)の溝2cを複数条形成して成るタッチロールであって、制御機構の制御を得て、前記搬送コンベア1の駆動源と同じ駆動源、又は別途に備えた別の駆動源を介して、適時、図示矢印方向へ回転せしめられ、後述する巻取り軸3を、直接的に又は単板11を介して間接的に、図示矢印方向へ回転させる。
【0013】
3は、金属製のロール3aの外周に、糸との摩擦係数が大なる硬質ゴム或は硬質ゴムに準ずる性状を有する合成樹脂等から成る硬質の弾性部材3bを被覆すると共に、ロールの軸芯方向に適宜間隔を隔てて複数個所設定した糸供給部位3Aに該当する弾性部材3bの部分に、粗雑な側壁を以って形成される三角状の断面を有してロールの軸芯方向と直角に交わる細溝3cを4条形成し、而も、隣り合う細溝3c同士の間に残存する筋状の山3dの部分に、ロールの軸芯方向と平行乃至は概ね平行で、而も隙間を全く有しない切込み3eを形成し、更に、該切込み3eを介して隣り合う筋状の山3dの部分を、交互に互い違い状にずらすことによって、前記細溝3cを形成する側壁の一部分3fを、互い違い状に細溝3c内に突出させて成る巻取り軸であって、主として前記タッチロール2の回転作用を得て、適時、図示矢印方向に回転せしめられ、当初は、後述する糸供給機構4を介して供給される糸9の始端部を、前記細溝3cを形成する側壁(図示例に於ては、特に前記細溝内に突出させた一部分3f)に摩擦係合させて、少数回巻き付かせ、次いで、搬送コンベア1を介して搬送される単板11を、前記糸9を介して外周に沿う方向へ案内しつつ順次巻取る。
【0014】
4は、後述する供給ノズル4a、及び糸切断部材5を具備する糸供給機構であって、前記巻取り軸3の糸供給部位3Aに対応する位置に複数個が位置すべく、座金6aを介して連結杆6により連結されると共に、制御機構の制御を得て、後述する進退機構7、及び昇降機構10を介して、適時、実線で示した位置と点線で示した位置との間を間歇的に移動可能に備えられており、同じく制御機構の制御を得て、適時、糸9を巻取り軸3の外周へ供給すると共に、所要時に、糸切断部材5を介して糸9を切断する。
【0015】
詳述すると、供給ノズル4aは、ロケット型の本体の芯部に先端側から後端側に至る貫通孔4bを、本体の中間部に前記貫通孔4bに臨む切欠部4cを、後端側に前記貫通孔4bに連通する流体供給パイプ4dを夫々具備しており、制御機構の制御を得て、巻取りの開始時には、前記流体供給パイプ4dを介して貫通孔4bに供給される流体(圧縮空気を用いるのが最も簡便である)と、切欠部4cを介して貫通孔4bに供給される糸9の始端部とを、先端側から吐出すると共に、巻取りの運転時には、流体の供給を中止して、糸9のみを先端側から導出する。
【0016】
一方、糸切断部材5は、前記供給ノズル4aの切欠部4cよりも先端寄りに位置して、貫通孔4bに臨む部位乃至はその近傍に、電熱ヒータ・ナイフ等の糸切断具(図示省略)を備えており、制御機構の制御を得て、巻取りの終了時に限り、糸切断具を稼動させて、貫通孔4bの内部に於て糸9を切断する。
【0017】
7は、前記糸供給機構4の進退機構であって、流体シリンダ或は図示しないリンク機構等から成り、制御機構の制御を得て、巻取りの運転時以外の時期には、連結杆6及び座金6aを介して、糸供給機構4を実線で示す始動位置へ後退させ、また巻取りの運転時には、糸供給機構4を点線で示す運転位置へ前進させる。
【0018】
10は、前記糸供給機構4の昇降機構であって、流体シリンダ或は図示しないリンク機構等から成り、制御機構の制御を得て、巻取りの始動時には、連結杆6・座金6a及び支持ガイド台8を介して、糸供給機構4を実線で示す高さまで上昇させ、また巻取りの運転時には、糸供給機構4を点線で示す高さまで下降させる。
【0019】
本発明に係る糸の係合方法は、例えば述上の如く構成して成る巻取り処理装置を用いて実施するものであって、巻取り処理の準備に際しては、搬送コンベア1及びタッチロール2を休止状態として、タッチロール2の上部へ巻取り軸3を配備すると共に、糸供給機構4を実線で示す始動位置に待機させ、切欠部4cを介して、供給ノズル4aの貫通孔4bに糸9の始端部を導入しておく。尚、巻取りに不向きな単板が搬送コンベア上に存在(或は介入)する場合には、予め搬送コンベアを所要期間だけ作動させて、巻取りに不向きな単板を、搬送コンベアの後位に排出しておく。
【0020】
而して、巻取りの始動時には、図4に例示する如く、タッチロール2を介して、巻取り軸3を図示矢印方向へ回転させると共に、流体供給パイプ4dを介して供給ノズル4aの貫通孔4bに流体を供給すると、供給ノズル4aの先端側から糸9の始端部が吐出されて、巻取り軸3の糸供給部位3A(図2・図3参照)に到達する。糸供給部位3Aに到達した糸9の始端部は、風送に伴って振動するので、糸供給部位3Aに形成された細溝3c内に進入して、細溝3cの側壁に当接するが、該細溝3cの側壁は、糸との摩擦係数が大なる弾性部材3bを以って粗雑に形成されているから、必然的に糸9と摩擦係合することとなり、該摩擦係合が切っ掛けとなって、やがて糸9が巻取り軸3に少数回(2回〜3回で足りるが、市販品の糸は極めて安価であるから、それを少々上回っても支障ない)巻付けば、巻取り軸3の回転を一旦休止すると共に、流体供給パイプ4dを介しての流体の供給も中止する。
【0021】
以上が本発明に係る糸の係合方法の説明であるが、それに続く巻取り処理について言及すると、図5に例示する如く、昇降機構10を作動させて、糸供給機構4を下方へ下降させると共に、図6に例示する如く、進退機構7を作動させて、糸供給機構4を運転位置へ前進させ、然る後に、図7に例示する如く、搬送コンベア1及びタッチロール2(及び巻取り軸3)を作動させると、搬送コンベア1上に存在する単板11が図示矢印方向に搬送される。やがて、図8に例示する如く、単板11の先端部が巻取り軸3の位置に到達すると、糸9によって巻取り軸3の外周に案内され、以下、順次糸9によって単板11が巻取り軸3の外周に案内され、図9に例示する如く、所望太さの巻玉12となるよう巻取り処理される。
【0022】
尚、処理を終える際には、少数回余分に糸を巻玉の外周に巻きつけてから、糸切断部材を介して、貫通孔の内部に於て糸を切断すれば足り、更に、必要に応じては、巻玉と糸供給機構を一時的に搬送コンベアの上位へ退避させ、搬送コンベアによって、巻取りに不向きな単板を、搬送コンベアの後位に排出してから、巻玉及び糸供給機構を所定位置に戻して、巻取りを再開することも可能である。また、図示は省略したが、前記巻取り処理装置に於て、供給すべき多量の糸を収容するボビン等の糸収容場所と前記糸供給機構との中間位置には、常法通り、糸の強制的な繰出しを行う公知の糸繰出し機構と、糸の制動を行う公知の糸制動機構とを具備するのが好ましく、制御機構の制御を得て、巻取りの始動時に、糸繰出し機構を介して、糸を強制的に繰出すようにすれば、糸の始端部の吐出が円滑化するので有効であり、また巻取りの運転時に、糸制動機構を介して、糸に制動を掛けるようにすれば、糸による巻取り軸への単板の案内が安定化するので有効である。
【0023】
述上の如き糸の係合方法によれば、糸との摩擦係数が大なる弾性部材に形成した細溝の側壁と糸とを摩擦係合させる(当初は、細溝の粗雑な側壁と糸の始端部とが係合し、糸が巻取り軸に巻き付くと、糸は細溝の底へ誘導される)ものであるから、先記特許文献3の粒子と糸とを係合させる場合に比べて、細溝の側壁(実質的には、細溝を形作る弾性部材の局部)と糸との係合度合いは更に一段と緩やかであるものの、糸が巻取り軸に少数回巻き付いた状態では、巻付け角が極めて著大となって、必要十分な係合強度が得られるので(ロープによる船の係留が好例)、単板の巻取りの開始には全く支障なく、而も、図示は省略したが、巻取り処理装置の後位の巻き戻し場所に於て、前記巻玉を逆向きに回転させるように、単板を巻戻し処理しつつ糸を回収する際には、糸の終端部の回収が極めて容易であり、糸が細溝に拘わる箇所で切断されて徐々に累積するような現象が発生しないので、極めて長期に亘る係合の安定化を図ることが可能となる。
【0024】
而して、図1〜図3に図示した構成の巻取り軸は、細溝及び切込みの形成が容易であることから、総じて巻取り軸自体の形成が比較的容易であり、而も細溝を形成する側壁の一部分が、互い違い状に細溝内に突出していることから、細溝の側壁と糸とが極めて係合し易い特性を有するが、該側壁の一部分の細溝内への突出は、切込みによって分断された筋状の山の部分が互いに摩擦係合することによって維持されており、外力などの影響を受けて、元通りの単なる筋状に復帰してしまうと無駄となることから、図3からも明らかな如く、糸供給部位3Aに該当する弾性部材3bの部分の外径を、糸供給部位以外の部分3gの外径よりも幾分細くして、単板と直に接触しないよう配慮するのが有効である。
【0025】
尚、隣り合う細溝同士の間に残存する筋状の山の部分、或は細溝の断面形状については、図1〜図3に図示した形状(いずれも三角状)に限るものではなく、適宜設計変更して差支えない。即ち、例えば図10に例示した巻取り軸13は、金属製のロール13aの外周に、糸との摩擦係数が大なる硬質の弾性部材13bを被覆すると共に、ロールの軸芯方向に適宜間隔を隔てて複数個所設定した糸供給部位13Aに該当する弾性部材13bの部分に、粗雑な側壁を以って形成される台形の断面を有してロールの軸芯方向と直角に交わる細溝13cを適数条形成し、而も、隣り合う細溝13c同士の間に残存する筋状の山13d(台形断面)の部分に、ロールの軸芯方向と平行乃至は概ね平行で、而も隙間を全く有しない切込み13eを形成し、更に、該切込み13eを介して隣り合う筋状の山13dの部分を、交互に互い違い状にずらすことによって、前記細溝13cを形成する側壁の一部分13fを、互い違い状に細溝13c内に突出させ、また更に糸供給部位13Aに該当する弾性部材13bの部分の外径を、糸供給部位以外の部分13gの外径よりも幾分細く形成したものである。
【0026】
また、例えば図11に例示した巻取り軸14は、金属製のロール14aの外周に、糸との摩擦係数が大なる硬質の弾性部材14bを被覆すると共に、ロールの軸芯方向に適宜間隔を隔てて複数個所設定した糸供給部位14Aに該当する弾性部材14bの部分に、粗雑な側壁を以って形成される台形の断面を有してロールの軸芯方向と直角に交わる細溝14cを4条形成し、而も、隣り合う細溝14c同士の間に残存する筋状の山14d(台形断面)の部分に、ロールの軸芯方向と平行乃至は概ね平行で、而も隙間を全く有しない切込み14eを形成し、更に、該切込み14eを介して隣り合う筋状の山14dの部分を、交互に互い違い状にずらすことによって、前記細溝14cを形成する側壁の一部分14fを、互い違い状に細溝14c内に突出させ、また更に糸供給部位14Aに該当する弾性部材14bの部分の外径を、糸供給部位以外の部分14gの外径よりも幾分細く形成したものである。
【0027】
また更に、図示は省略したが、他にも例えば三角断面の細溝と台形断面の筋状の山との組合せ、或は台形断面の細溝と三角断面の筋状の山との組合せ、更にはラッパ状断面の細溝と横半切ビヤ樽状断面の筋状の山との組合せなども挙げられ、前記図10及び図11に図示した実例を含めて、いずれも支障なく実用に供することが可能であり、要は、糸が進入可能な断面形状の細溝と、糸が摩擦係合可能な側壁を形作る断面形状の筋状の山であれば足りるが、細溝の側壁と糸との摩擦係合を安定化させる為には、細溝の底に相当する部分であって、而もロールの軸芯方向と直交する方向に延在する部分に於ける、ロールの軸芯方向と同方向の幅を、換言すると、筋状の山の基端同士の間隔であって、而もロールの軸芯方向と直交する方向に延在する部分に於ける、ロールの軸芯方向と同方向の間隔を、過度に広くしない方が好ましい。
【0028】
因に、図1〜図3、図10及び図11に図示した実例は、いずれもロールの軸芯方向と直角に交わる細溝を4条形成したものであるが、斯様な細溝に代えて、ロールの軸芯方向と概ね直角に交わる少なくとも一条のネジ状の細溝を形成するようにしても差支えなく、斯様にすれば細溝の形成が一段と容易化する。但し、ネジ状の細溝を形成する場合でも、糸の進入の容易性と摩擦係合の的確性からして、図1〜図3、図10及び図11に図示した実例と同様に、筋状の山の部分が、3列(3筋)程度は残るように形成するのが好ましい。
【0029】
次に、前記各巻取り軸の構成とは異なる構成の巻取り軸について述べると、図12及び図13に例示した巻取り軸15は、金属製のロール15aの外周に糸との摩擦係数が大なる硬質の弾性部材15bを被覆すると共に、ロールの軸芯方向に適宜間隔を隔てて複数個所設定した糸供給部位15Aに該当する弾性部材15bの部分に、粗雑な側壁を以って形成される矩形の断面形状を有してロールの軸芯方向と斜めに交わる細溝15cを、左右対称的な多条ネジ状に多数条形成して構成したものであり、実質的に糸と摩擦係合する細溝の側壁は、糸供給部位15Aに分散状に点在する略菱餅状の突起15dによって形作られる。
【0030】
斯様な構成で成る巻取り軸によっても、先記図1〜図3、図10及び図11に図示した構成の巻取り軸と同じく、巻取り処理装置のタッチロールの上部へ該巻取り軸を配備すると共に、糸供給機構の供給ノズルを介して、糸を糸供給部位に向けて風送することにより、風送に伴って振動する糸が、糸供給部位に形成された細溝内に進入して、細溝の側壁に当接し、側壁と摩擦係合するので、該摩擦係合が切っ掛けとなって、やがて糸が巻取り軸に少数回巻付くこととなり、単板の巻取り処理に対応可能な状態となるのは勿論のこと、巻取り処理装置の後位の巻き戻し場所に於て、巻玉を逆向きに回転させるように、単板を巻戻し処理しつつ糸を回収する際には、糸の終端部の回収が極めて容易であり、糸が細溝に拘わる箇所で切断されて徐々に累積するような現象が発生しないので、極めて長期に亘る係合の安定化を図ることが可能となる。
【0031】
斯様な構成の巻取り軸は、先記図1〜図3、図10及び図11に図示した構成の巻取り軸に比べて、細溝の形成が些か煩雑化するものの、たとえ糸供給部位に外力が作用しても、細溝の側壁の状態が変化する虞がない。従って、図13からも明らかな如く、糸供給部位15Aに該当する弾性部材15bの部分の外径は、糸供給部位以外の部分15gの外径と同じで差支えなく、一段と長期に亘って巻取り軸の初期形状が維持できる特性を有する。
【0032】
尚、斯様な構成の巻取り軸に於ける細溝の断面形状、或は糸供給部位に分散状に点在する突起の形状についても、図12及び図13に例示した形態に限定するものではなく、図示は省略したが、例えば三角断面の細溝と四角錐状の突起との組合せ、或は例えば台形断面の細溝と四角錐状の突起との組合せ、更には例えば三角断面の細溝と四角錐台状の突起との組合せ等々、先記図1〜図3、図10及び図11に図示した構成の巻取り軸の説明で述べたのと同様に、適宜設計変更して差支えない。
【0033】
但し、細溝の側壁と糸との摩擦係合の安定化させる為には、やはり、細溝の底に相当する部分であって、而もロールの軸芯方向と直交する方向に延在する部分に於ける、ロールの軸芯方向と同方向の幅を、過度に広くしない方が好ましく、前記図12及び図13に図示した例や、後述する図15或は図16に図示する例の如く、細溝の底の幅を、糸の太さに比べて十分に広く設定する態様を採れば、たとえ、細溝の底に相当する部分であって、而もロールの軸芯方向と直交する方向に延在する部分に於ける、ロールの軸芯方向と同方向の幅が、換言すると、各突起の基端同士の間隔であって、而もロールの軸芯方向と直交する方向に延在する部分に於ける、ロールの軸芯方向と同方向の間隔が、零(図12及び図13の例は、各突起の基端同士が、ロールの軸芯方向と直交する方向に於て同じ位置に揃っている)或はマイナス(図15或は図16の例は、各突起の基端同士が、ロールの軸芯方向と直交する方向に於て重なり合っている)であっても、風送に伴って振動する糸は、細溝内に容易に進入し得るので、係合には格別支障ない。
【0034】
次に、これまでに説明した巻取り軸は、いずれも、金属製のロールの外周に糸との摩擦係数が大なる硬質の弾性部材を被覆すると共に、ロールの軸芯方向に適宜間隔を隔てて複数個所設定した糸供給部位に該当する弾性部材の部分に、直に所望の細溝を形成したものであるが、巻取り軸の構成については、斯様な構成に限るものではなく、以下に述べる巻取り軸の如き構成を採ることも可能である
【0035】
即ち、図14に例示した巻取り軸16は、金属製のロール16aの外周に糸との摩擦係数が大なる硬質の弾性部材16bを被覆すると共に、ロールの軸芯方向に適宜間隔を隔てて複数個所設定した糸供給部位16Aに該当する部分に、装填用の溝16hと留めネジ孔16jとを具備することによって、該装填用の溝16hの位置に、後述する交換用の弾性部材17を、留めネジ(図示省略)を介して係止するようにしたものである。
【0036】
図15に例示した交換用の弾性部材17は、長手方向の長さを、前記巻取り軸16に具備した装填用の溝16hの円周長と同じに、また長手方向と直交方向の幅を、装填用の溝16hの幅と同じに夫々揃えると共に、長手方向の両端部分に段差17aを、また該段差17aの部分に、前記巻取り軸16に具備した留めネジ孔16jに適合する留め孔17bを夫々具備し、而も粗雑な側壁を以って形成される台形の断面形状を有する細溝15cの多数条を、交換用の弾性部材17が前記巻取り軸16に係止された際に、当該多数条の細溝15cが、左右対称的な多条ネジ状を呈するように形成して構成したものであり、実質的に糸と摩擦係合する細溝の側壁は、分散状に点在する四角錐台状の突起17dによって形作られる。
【0037】
述上の如く構成した巻取り軸16によれば、糸供給部位16Aに該当する弾性部材17の部分(特に糸と摩擦係合する細溝の側壁の部分)が消耗した際に、交換が容易であるから一層至便であり、斯様な交換方式は、先記細溝を形成する側壁の一部分を細溝内へ突出させる構成の巻取り軸にも当然適用することが可能であるが、この場合には、先述したのと同様の理由により、交換用の弾性部材の高さ(厚さ)が、巻取り軸に形成した装填用の溝の高さ(深さ)よりも幾分低く(薄く)なるように構成するのが好ましい。
【0038】
而して、糸供給部位に該当する弾性部材の部分に、直に所望の細溝を形成する場合には、形成に要する費用の点からして、細溝の断面形状自体や、細溝の全域に亘って断面形状を一様とするのが好ましい点などに制約が生じる難点があるが、前記の如き交換方式を採用すれば、金型を用いて交換用の弾性部材を大量に生産することができるので、総じて、交換に要する費用を低減し得るのみならず、後述する例の如く、細溝の断面形状についての制約を緩和することができる利点がある。
【0039】
即ち、図16に例示した交換用の弾性部材18は、長手方向の長さを、前記巻取り軸16に具備した装填用の溝16hの円周長と同じに、また長手方向と直交方向の幅を、装填用の溝16hの幅と同じに夫々揃えると共に、長手方向の両端部分に段差18aを、また該段差18aの部分に、前記巻取り軸16に具備した留めネジ孔16jに適合する留め孔18bを夫々具備し、而も粗雑な側壁を以って形成される不定形な断面形状(局部毎に異なる断面形状)を有する細溝18cの多数条を、円錐台状の突起18dが図示する如く分散状に残存する状態を呈するように形成して構成したものであって、斯様な細溝及び突起の形態を、糸供給部位に該当する弾性部材の部分へ、直に形成することは決して容易でないが、金型を用いて成形することは容易である。
【0040】
尚、糸の進入の容易性と糸の係合性とを勘案すると、図12〜図16に例示した構成の巻取り軸に於て、図15・図16に線X―Xを以って代表的に表示したロールの軸芯方向と、線Y―Yを以って代表的に表示した細溝の延在方向との交差角度αは、45°〜80°とするのが好ましく、60°〜80°とするのがより好ましい。
【0041】
また、前記弾性部材の性状であるが、糸との摩擦係数が大である点について、一般的にゴム類は糸との摩擦係数が大であるから、本発明に係る巻取り軸に用いる弾性部材として好適である。換言すると、本発明に係る巻取り軸に被覆する弾性部材としては、必ずしも糸との摩擦係数が格別に強大なものを要求するわけではなく、汎用のゴム類と同程度のものであれば足り、普通の硬質ゴム或は硬質ゴムに準ずる性状を有する合成樹脂が用い得る。但し、前述の如く金型を用いて交換用の弾性部材を成形する場合には、通常技術とは逆に、細溝の側壁面が滑らかにならないように配慮する。
【0042】
また、使用する糸としては、織物材料として用いられる単糸、特に複数本の連続フィラメントから成る単糸が望ましく、実例では、市販の500デニール、1000デニール、1500デニール等のポリエステル糸を用いたが、必ずしも限定するものではなく、例えばその他の化学繊維や、天然繊維から成る糸を用いても、支障なく巻取り処理を行うことができる。因に、デニールとは、「長さ9000m当りの質量のグラム数」を示す、繊維糸の太さの慣用単位であって、数値が大きいほど太い(強い)糸であることを表している。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上明らかな如く、本発明は、合板工場に於ける単板の巻取り処理工程の合理化を一段と推進するのに極めて有効な改良技術であるが、単板以外のシート状物の巻取り処理に転用することも可能であり、産業上の利用可能性は高い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る糸の係合方法の実施に用いる巻取り処理装置の一部破断側断面説明図である。
【図2】図1に例示した巻取り処理装置の一部破断部分正面説明図である。
【図3】図2に於けるA部の拡大説明図である。
【図4】図1〜図3に例示した巻取り処理装置の作動説明図である。
【図5】図1〜図3に例示した巻取り処理装置の作動説明図である。
【図6】図1〜図3に例示した巻取り処理装置の作動説明図である。
【図7】図1〜図3に例示した巻取り処理装置の作動説明図である。
【図8】図1〜図3に例示した巻取り処理装置の作動説明図である。
【図9】図1〜図3に例示した巻取り処理装置の作動説明図である。
【図10】態様が異なる巻取り軸の一部破断部分正面説明図である。
【図11】態様が異なる巻取り軸の一部破断部分正面説明図である。
【図12】別の構成で成る巻取り軸の正面説明図である。
【図13】図12に於けるB部の拡大説明図である。
【図14】更に別の構成で成る巻取り軸の正面説明図である。
【図15】交換用の弾性部材の一部拡大説明図である。
【図16】態様が異なる交換用の弾性部材の一部拡大説明図である。
【符号の説明】
【0045】
1 :搬送コンベア
2 :タッチロール
3、13、14、15、16 :巻取り軸
3a :金属製のロール
3b :糸との摩擦係数が大なる硬質の弾性部材
3c :細溝
3d :筋状の山
3A :糸供給部位
4 :糸供給機構
4a :供給ノズル
5 :糸切断部材
6 :連結杆
7 :糸供給機構の進退機構
9 :糸
10 :糸供給機構の昇降機構
11 :単板
12 :巻玉
13A、14A、15A、16A :糸供給部位
13c、14c、15c、16c :細溝
13d、14d、15d、16d :突起
17、18 :交換用の弾性部材
17c、18c :細溝
17d、18d :突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベニヤ単板を糸によって巻取り軸の外周に案内しながら、糸と一緒に巻取り処理するベニヤ単板の巻取り処理装置に於ける糸の係合方法であって、金属製のロールの外周に糸との摩擦係数が大なる硬質の弾性部材を被覆すると共に、ロールの軸芯方向に適宜間隔を隔てて複数個所設定した糸供給部位に該当する弾性部材の部分に、粗雑な側壁を以って形成される適宜の断面形状を有してロールの軸芯方向と直角乃至は斜めに交わる細溝を適数条形成することによって、巻取り軸を構成し、該巻取り軸の糸供給部位に、圧縮空気を介して糸の始端部を風送し、糸供給部位に形成した細溝の側壁と糸との摩擦を活用して、糸の始端部と巻取り軸との係合を図ることを特徴とするベニヤ単板の巻取り処理装置に於ける糸の係合方法。
【請求項2】
ベニヤ単板を糸によって巻取り軸の外周に案内しながら、糸と一緒に巻取り処理するベニヤ単板の巻取り処理装置に用いる巻取り軸であって、金属製のロールの外周に糸との摩擦係数が大なる硬質の弾性部材を被覆すると共に、ロールの軸芯方向に適宜間隔を隔てて複数個所設定した糸供給部位に該当する弾性部材の部分に、粗雑な側壁を以って形成される適宜の断面形状を有してロールの軸芯方向と直角乃至は概ね直角に交わる細溝を適数条形成し、而も、隣り合う細溝同士の間に残存する筋状の山の部分に、ロールの軸芯方向と平行乃至は概ね平行で、而も隙間を全く有しない切込みを形成し、更に、該切込みを介して隣り合う筋状の山の部分を、交互に互い違い状にずらすことによって、前記細溝を形成する側壁の一部分を、互い違い状に細溝内に突出させて成ることを特徴とする巻取り軸。
【請求項3】
前記糸供給部位に該当する弾性部材の部分の外径を、糸供給部位以外の部分の外径よりも幾分細くして成る請求項2に記載の巻取り軸。
【請求項4】
ベニヤ単板を糸によって巻取り軸の外周に案内しながら、糸と一緒に巻取り処理するベニヤ単板の巻取り処理装置に用いる巻取り軸であって、金属製のロールの外周に糸との摩擦係数が大なる硬質の弾性部材を被覆すると共に、ロールの軸芯方向に適宜間隔を隔てて複数個所設定した糸供給部位に該当する弾性部材の部分に、粗雑な側壁を以って形成される適宜の断面形状を有してロールの軸芯方向と斜めに交わる細溝を、左右対称的な多条ネジ状に多数条形成して成ることを特徴とする巻取り軸。
【請求項5】
前記糸供給部位に該当する弾性部材の部分の外径を、糸供給部位以外の部分の外径と同じに揃えて成る請求項4に記載の巻取り軸。
【請求項6】
糸供給部位に該当する弾性部材の部分については、糸供給部位以外の部位と分離させて、随時着脱可能に、金属製のロールの外周に被覆して成る請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5に記載の巻取り軸。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−276337(P2007−276337A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−107426(P2006−107426)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(000155182)株式会社名南製作所 (77)
【Fターム(参考)】