説明

ペットフード

【課題】不飽和脂肪酸含量が高く、かつジアシルグリセロール含量も高い油脂を含有し、長期保存安定性に優れており、長期保存しても臭いの変化、嗜好性の低下等がないペットフードの提供。
【解決手段】次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)油脂中のジアシルグリセロール含量が5質量%以上、かつ構成脂肪酸中2重結合を2以上含む不飽和脂肪酸含量が20質量%以上である油脂3〜50質量%、
(B)天然由来の抗酸化剤又はその誘導体、
(C)次の式(1)を満たす量の鉄イオン及び銅イオンを含量するミネラル
[Cu(mg/kg)]+[Fe(mg/kg)]/10≦80 (1)
を含有するペットフード。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不飽和脂肪酸含有油脂を含有するペットフードに関する。
【背景技術】
【0002】
ペットブームによりペットの飼育数は増大しており、それに伴いペットの高齢化、運動不足、栄養過多等によりペットの肥満、糖尿病、肝臓疾患等のヒトにおける成人病が増大している。また、避妊手術後のホルモンバランスの狂いによって肥満する犬や猫が多くなっている。
【0003】
このような肥満や体重増加を防止するためのペットフードが数多く開発されている。例えば、アミラーゼ阻害物質である月桂樹葉の抽出物(特許文献1)、ヘスペリジン等のリパーゼ阻害物質(特許文献2)、まいたけ粉末又は/及びまいたけ抽出物(特許文献3)、不飽和脂肪酸含量の高い油脂(特許文献4)等を配合したペットフードが知られている。また、抗肥満効果を訴求し、ジアシルグリセロール含量及び不飽和脂肪酸含量を高くした油脂を用い、かつミネラルを高配合した場合のペットフードの長期保存安定性を向上させようとした技術もある(特許文献5)。
【特許文献1】特開平05−192092号公報
【特許文献2】特開平09−187230号公報
【特許文献3】特開平08−38069号公報
【特許文献4】特開平06−217710号公報
【特許文献5】特開2005−204659号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のペットフードの中でも、構成脂肪酸に不飽和脂肪酸含量の高い油脂を用いたものは酸化され易い。特に、水を含み易いジアシルグリセロールの含量が高く、かつ2重結合を2以上有する不飽和脂肪酸含量が高い油脂を用い、更にミネラル成分を含むペットフードにおいては、これが顕著となる。そこで、前記特許文献5においては、ペットフード中にミネラル成分を高配合した場合には、ビタミンC誘導体を一定量以上配合することにより当該課題を解決しようとした。しかし、ビタミンC誘導体の油脂に対する溶解性には限界があり、必ずしも充分な長期保存安定性が得られないことが判明した。
【0005】
よって、本発明の目的は、ミネラル成分を一定量含有した場合でも、長期保存安定性に優れたペットフードを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者らは、ジアシルグリセロールの含量が高く、かつ2重結合を2以上有する不飽和脂肪酸含量が高い油脂を配合したペットフードにおいて、ミネラル成分に着目し、これらの成分中特に鉄イオンと銅イオンの混合比を特定範囲とすれば、前記問題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)油脂中のジアシルグリセロール含量が5質量%以上、かつ構成脂肪酸中2重結合を2以上含む不飽和脂肪酸含量が20質量%以上である油脂3〜50質量%、
(B)天然の抗酸化剤又はその誘導体、
(C)次の式(1)を満たす量の鉄イオン及び銅イオンを含量するミネラル
[Cu(mg/kg)]+[Fe(mg/kg)]/10≦80 (1)
を含有するペットフードを提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のペットフードは、長期保存安定性に優れており、長期保存しても臭いの変化、嗜好性の低下等がない。また、不飽和脂肪酸含量が高く、かつジアシルグリセロール含量も高いので、抗肥満効果に優れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のペットフードに用いられる油脂としては、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、コーン油、ナタネ油、大豆油、パーム油、ひまわり油、亜麻仁油、ごま油、ラード、牛脂、魚油、乳脂等が挙げられるが、油脂として配合したものに限られず、他の植物原料、又は動物原料中に油脂が含有されている場合にはこれも含む。
【0009】
本発明のペットフードは、油脂中のジアシルグリセロール含量が5質量%(以下、単に「%」と記載)以上であることが必要である。また、ジアシルグリセロールは、肥満防止効果の点から、好ましくは油脂中に20〜85%、更に25〜50%含有することが好ましい。
【0010】
ジアシルグリセロールは、その構成脂肪酸の80〜100%が不飽和脂肪酸(UFA)であることが好ましく、より好ましくは90〜100%、更に93〜100%、特に93〜98%、殊更94〜98%であるのが肥満防止効果の点で好ましい。ここで、この不飽和脂肪酸の炭素数は14〜24、更に16〜22であるのが好ましい。
【0011】
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、オレイン酸の含有量は20〜65%、好ましくは25〜60%、特に30〜50%、特に30〜45%であるのが肥満防止効果及び摂取性の点で好ましい。
【0012】
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、リノール酸の含有量は15〜65%、好ましくは20〜60%、特に30〜55%、特に35〜50%であるのが肥満防止効果及び摂取性の点で好ましい。更に、酸化安定性、肥満防止効果の点から、ジアシルグリセロール中のリノール酸/オレイン酸の含有質量比が0.01〜2.0、更に0.1〜1.8、特に0.3〜1.7であることが好ましい。
【0013】
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、リノレン酸の含有量は15%未満、好ましくは0〜13%、更に1〜10%、特に2〜9%であるのが肥満防止効果、摂取性、及び酸化安定性の点で好ましい。リノレン酸には、異性体としてα−リノレン酸とγ−リノレン酸が知られているが、α−リノレン酸が好ましい。
【0014】
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸のうち、飽和脂肪酸(SFA)の含有量は20%未満であることが好ましく、より好ましくは0〜10%、更に0〜7%、特に2〜7%、殊更2〜6%であるのが肥満防止効果、摂取性、及び酸化安定性の点で好ましい。飽和脂肪酸としては、炭素数14〜24、特に16〜22のものが好ましく、パルミチン酸、ステアリン酸が特に好ましい。
【0015】
ジアシルグリセロールを構成する脂肪酸中、炭素数12以下の脂肪酸の含有量は、風味、摂取性の点で5%以下であるのが好ましく、更に0〜2%、特に0〜1%、実質的に含まないのが殊更好ましい。残余の構成脂肪酸は炭素数14〜24、特に16〜22であるのが好ましい。
【0016】
また、肥満防止効果の点から、ジアシルグリセロール中の1,3−ジアシルグリセロールの割合が50%以上、より好ましくは52〜100%、更に54〜90%、特に56〜80%であるジアシルグリセロールを用いるのが好ましい。
【0017】
ジアシルグリセロールは、上述した天然油脂中に含有されるものを含んでいても良いが、ジアシルグリセロールの含有量を調整するために、上述した油脂由来の脂肪酸とグリセリンとのエステル化反応、油脂とグリセリンとのエステル交換反応等により得たものを配合することが好ましい。
【0018】
なお、ジアシルグリセロールは、例えば(1)構成脂肪酸中に2重結合が2つ以上の不飽和脂肪酸を20%以上含有する油脂(例、サフラワー油、オリーブ油、綿実油、コーン油、ナタネ油、大豆油、パーム油、ひまわり油、亜麻仁油、ごま油;ラード、牛脂、魚油、乳脂、あるいはそれらの分別油、ランダム化油、硬化油、エステル交換油)から選ばれた油脂とグリセリンとを、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物の存在下でエステル交換させるか、又は(2)これらの油脂由来の前記不飽和脂肪酸含量20%以上の脂肪酸混合物とグリセリンとのエステル化反応により得ることができる。この際2種以上の油脂を混合してもよい。なお、これらの反応は上記のようなアルカリ触媒等を用いた化学反応によっても実施することができるが、1,3−位選択的リパーゼ等の酵素を経て温和な条件で反応を行う方が、酸化安定性、嗜好性の点で好ましい。
【0019】
また、本発明のペットフードにおいては、油脂の構成脂肪酸中、2重結合が2以上の不飽和脂肪酸含量が20%以上であることが必要であるが、抗肥満効果、皮膚及び被毛の健康の点から好ましくは20〜90%、更に23〜80%、特に25〜70%であることが好ましい。2重結合が2以上の不飽和脂肪酸としては、リノール酸、リノレン酸、EPA、DHA、アラキドン酸等の炭素数18〜24の不飽和脂肪酸が挙げられる。
【0020】
本発明で用いる油脂を構成する脂肪酸としては、2重結合が2以上の不飽和脂肪酸以外に、2重結合が1つの不飽和脂肪酸及び飽和脂肪酸が挙げられる。ここで2重結合が1つの不飽和脂肪酸としてはオレイン酸、パルミトオレイン酸等の炭素数16〜24の不飽和脂肪酸が挙げられる。
【0021】
本発明のペットフードにおける油脂中には、その他にトリアシルグリセロールが含まれ、また、若干のモノアシルグリセロール、遊離脂肪酸等が含まれていても良い。これらは、上述した天然油脂中に含有されるものの他、製造したジアシルグリセロール含有油脂、配合される植物原料、又は動物原料中に含まれる油脂に含有されるものも含む。特に、油脂中の遊離脂肪酸の含有量は、油脂からの不快臭の発生のしやすさ及び嗜好性の点で20%以下が好ましく、より好ましくは10%以下、更に5%以下、特に2%以下、殊更1%以下であるのが好ましい。
【0022】
成分(A)油脂のペットフード中の含有量は、抗肥満効果、ペットフードの不快臭除去の点から3〜50%であるが、更に5〜45%、特に5〜40%、殊更10〜30%であることが好ましい。
【0023】
本発明のペットフードは、成分(B)として、天然の抗酸化剤又はその誘導体を含むことが必要である。成分(B)としては、アスコルビン酸(ビタミンC)、その誘導体としてアスコルビン酸パルミテート、アスコルビン酸ステアレート、又はこれらの混合物;クエン酸等の有機酸;βカロチン、リコピン、ルティン、アスタキサンチン等のカロテノイド;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール及びδ−トコフェロールのトコフェロール類;ローズマリーエキス、ターメリックエキス、セージエキス等のハーブエキス;カテキン、サポニン、フラボノイド、アントシアニンなどのポリフェノール類が挙げられ、これらから選択される1種又は2種以上を用いることができる。これら天然の抗酸化剤又はその誘導体は、成分(A)に対して0.01%以上、更に0.01〜1%、特に0.02〜0.5%であることが、酸化安定性、肥満防止効果の点から好ましい。
【0024】
本発明のペットフードは、成分(C)としてミネラルを含有するが、ペットフード中の鉄イオン及び銅イオンの含有量について、次の式(1)を満たすことが必要である。
[Cu(mg/kg)]+[Fe(mg/kg)]/10≦80 (1)
式(1)を満たさない場合は、当該ミネラル成分が触媒として作用し、不飽和脂肪酸の酸化が促進され、ペットフードの保存安定性が低下する。[Cu(mg/kg)]+[Fe(mg/kg)]/10の範囲は、更に70以下、特に10〜70、殊更10〜60であることが、栄養バランス、保存安定性の点から好ましい。また、各ミネラルの下限値は、鉄イオンは80mg/kg、銅イオンは7.3mg/kgであることが栄養の点から好ましく、上限値は鉄イオンは727mg/kg、銅イオンは72mg/kgであることが酸化安定性の点から好ましい。
【0025】
本発明のペットフードには、ミネラルとして銅、鉄以外に、マンガン、コバルト、カルシウム、リン、ナトリウム、カリウム等を含有していてもよい。これらミネラルは、例えば、硫酸銅、硫酸鉄、酸化マンガン、炭酸コバルト、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等として配合される。
【0026】
本発明のペットフードには、更に炭水化物を含むことが好ましい。炭水化物源としては、単糖類、オリゴ糖、多糖類、食物繊維、デンプン類等が含まれる。デンプン類としては、ワキシーコーンデンプン、コーンデンプン、小麦デンプン、米デンプン、糯米デンプン、馬鈴薯デンプン、甘露デンプン、タピオカデンプン、サゴデンプン、又はこれらに化学的処理を施したものや化学修飾した加工デンプン等が挙げられる。また炭水化物は、穀物類として含有させてもよく、穀物類としては、小麦、ライ麦、マイカ、米、ひえ、あわ、アマランサス、キヌア等が挙げられる。炭水化物は、ペットフード中に10〜70%、さらに20〜60%、特に30〜50%含有するのが、経済性、肥満防止効果、摂取性、便の状態、及び外観を健康的に美しくする点から好ましい。
【0027】
本発明のペットフードにおいては、更に動物性又は植物性のタンパク質を含むことが、肥満防止効果、摂取性、栄養バランス、及び外観を健康的に美しくする点から好ましいが、摂食性の点から動物性タンパク質が好ましい。動物性タンパク質としては、カゼイン等の乳タンパク質も挙げられるが、肥満防止効果及び摂取性の点から、動物性肉類タンパク質が好ましい。このような動物性肉類タンパク質としては、牛、豚、羊、うさぎ、カンガルーなどの畜肉及び獣肉、ならびにその副生成物及び加工品;鶏、七面鳥、うずらなどの鳥肉ならびにその副生物及び加工品;魚、白身魚などの魚肉ならびにその副生物及び加工品;ミートミール、ミートボーンミール、チキンミール、フィッシュミール等の上記原料のレンダリング等が挙げられる。このうち肥満防止効果の点で鶏肉、魚肉が特に好ましい。複数の肉類タンパク質を混合して用いる場合には、鶏肉及び/又は魚肉を肉類中の30〜100%、特に50〜100%含有させるのが好ましい。
【0028】
植物性タンパク質としては、大豆タンパク質、小麦タンパク質、小麦グルテン、コーングルテン等が好ましい。
【0029】
本発明ペットフード中に動物性又は植物性タンパク質は、乾燥減量で5〜70%、さらに10〜60%、特に15〜40%含有するのが好ましい。
【0030】
本発明のペットフードには、更に植物ステロールを含有してもよい。植物ステロールは、ペットフード中に、コレステロール低下効果の点で0.1%以上、更に0.5%以上含有するのが好ましい。また植物ステロール含量の上限は、0.1〜30%の範囲であればよい。ここで植物ステロールとしては、例えばα−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、α−シトスタノール、β−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、シクロアルテノール等のフリー体、及びこれらの脂肪酸エステル、フェルラ酸エステル、桂皮酸エステル等のエステル体が挙げられる。
【0031】
本発明のペットフードには、更に、ぬか類、粕類、野菜、ビタミン類等を配合することができる。ぬか類としては、米ぬか、ふすま等が、粕類としては、大豆粕等が挙げられる。野菜類としては野菜エキス等が挙げられる。ビタミン類としては、A、B1、B2、D、E、ナイアシン、パントテン酸、カロチン等が挙げられ、0.05〜10%含有するのが好ましい。この他、一般的にペットフードに使用されるゲル化剤、保型剤、pH調整剤、調味料、防腐剤、栄養補強剤等も含有することができる。なお製造過程において、油脂の酸化を抑制する目的で窒素などの不活性ガスで置換したり脱気しながら製造することが、特に加熱工程で有効であるため好ましい。また、本発明のペットフードとしては、ドライタイプ、ウェットタイプ、セミモイストタイプ、ジャーキータイプ、ビスケットタイプ、ガムタイプ、粒状、粉状、スープ状等いずれの形態であってもよい。
【実施例】
【0032】
実施例1〜4、及び比較例1、2
表1に示す組成のジアシルグリセロール高含有油脂を用い、表2に示す配合に従ってペットフードをエクストルーダーを用いて製造し、温度40℃、相対湿度75%の環境下に12週間保存後、油脂を抽出し、その過酸化物価(POV)を測定し、結果を表3に示した。なお、ペットフード製造直後のPOVは3meq/kgであった。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
〔油脂の抽出法〕
ペットフードからの油脂の抽出法は、次に示す手順に従って行った。50gのペットフードを粉砕し1mm目開きのふるいに通した。そのサンプルを円筒ろ紙に充填し、コック付きのオープンカラムにセットした。コックを閉じたまま、上方から滴下ロートで150mLのジエチルエーテルを滴下し、滴下終了後カラムのコックを開けてジエチルエーテルを回収した。次に、50mLのジエチルエーテルにて同様の操作を行った。回収したジエチルエーテルをトッピングすることにより除去し、ペットフードからの抽出油脂を得た。
【0036】
〔POV測定法〕
ペットフードから抽出した油脂のPOVは、次に示す手順に従って行った。抽出した油脂5gを250mL三角フラスコに量り取り、酢酸/クロロホルム=3/1(容積比)の溶液30mLに溶かした。0.5mLの飽和ヨウ化カリウム溶液をフラスコに加え、1分間よく振とうした。その後、蒸留水を30mLを加え、更に1%澱粉溶液を0.5mL加えて滴定サンプルとした。この滴定サンプルを0.01Nチオ硫酸ナトリウムで滴定した。紫色が消えたところで終点として滴定量を下記式に代入しPOV値とした。
POV(meq/kg)=A×F/S×10
A:0.01Nチオ硫酸ナトリウムの量(mL)
F:0.01Nチオ硫酸ナトリウムのファクター
S:サンプル量(g)
ペットフードから抽出した油脂の脂肪酸組成、グリセリド組成を表3に示した。
【0037】
【表3】

【0038】
表2に示すように、構成脂肪酸中2重結合を2以上含む不飽和脂肪酸を20%以上含むジアシルグリセロール高含有油脂を含むペットフードにおいて、抗酸化剤を含有した場合であっても、銅イオン及び鉄イオンの含量が、前記(1)式を満たさない場合(比較例1及び2)には、例えミネラル成分の量が少なくても(比較例2)、保存安定性が低いことが判明した。
一方、前記(1)式を満たす本発明品については、ミネラル成分が多くても、保存安定性が優れていることが判明した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)油脂中のジアシルグリセロール含量が5質量%以上、かつ構成脂肪酸中2重結合を2以上含む不飽和脂肪酸含量が20質量%以上である油脂3〜50質量%、
(B)天然由来の抗酸化剤又はその誘導体、
(C)次の式(1)を満たす量の鉄イオン及び銅イオンを含量するミネラル
[Cu(mg/kg)]+[Fe(mg/kg)]/10≦80 (1)
を含有するペットフード。
【請求項2】
成分(B)天然由来の抗酸化剤又はその誘導体が、アスコルビン酸又はその誘導体、有機酸、カロテノイド、トコフェロール類、ハーブエキス、及びポリフェノール類又はその誘導体から選択される1種又は2種以上である請求項1記載のペットフード。
【請求項3】
成分(B)を成分(A)に対して0.01質量%以上含有する請求項1又は2に記載のペットフード。

【公開番号】特開2007−110916(P2007−110916A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−302654(P2005−302654)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】