説明

ペット用嗜好食品

【課題】 親しい人間同士がカードを交換するのと同様、ペットの誕生日などの節目にペットへの愛情を具体的かつ積極的に表現するのに適し、該ペットを含む関係者間で喜びを分かち合えるペット用嗜好食品を提供する。
【解決手段】 本発明のペット用嗜好食品は、牛皮をなめして漂白し平板状にしたローハイド・カードと、ローハイド・カードの表面ないし裏面にペットに関した各種画像やメッセージを書き込むための食用インクと、からなり、カード上の画像やメッセージをペットの飼い主や関係者が見ることでカードの送り主に感謝し、ペットはカードを喜んで食することで、該ペットを含む関係者間で喜びを共有できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は犬などのペットの嗜好食品に関し、特にローハイド(牛皮)を利用したペット用嗜好食品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、牛皮をなめして漂白したローハイドは、その食感やフレーバーから犬などのペットの嗜好食品に多用されており、丸めて骨の形状に似せたものやビスケット状のものなど、様々な形状で市販されている。またキシリトールなど、様々な栄養補助食品を添加したものもある。
【0003】
しかしどのような形状でも、あるいはどのような添加物を加えようとも、ローハイドとしての食感やフレーバーには大した差は無く、まして犬などのペットにその差異は問えず、いずれのローハイドを与えるかはひとえにペットの飼い主の趣向に委ねられていた。
【0004】
ここで人間社会の少子化や小家族化ゆえに、ペット愛好家の間では、ペットを家族同然に扱い擬人化する風潮が高まっている。それは例えば犬用衣服や犬用ケーキなどの嗜好品も広く普及していることからもその一端が伺える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしそのようにペットを擬人化して人間社会の風潮を当てはめようとしても、残念ながら当然、犬猫を初めとするペットには人間社会の風潮はほとんど理解できず、喜びもしないという限界がある。
【0006】
例えば人間社会の一つの風潮として、人間の家族や親しい人同士の間で、誕生日カードや時節に合わせて年賀状やクリスマスカードなどを送って親しみを維持するのが常であるが、ペットにそのようなカードを送って親しみを図りたくても、ペットには理解できず、共に喜ぶことはできない。
【0007】
また、現在市販されているペット用嗜好品は、いずれもメーカーが一方的に決めた形状をしており、ペットの飼い主や関係者の趣向に沿わないことがある。例えばペットの誕生日プレゼントや、来訪先のペットへの贈り物を望む場合、袋入りの骨は無粋といえる。
【0008】
従って本発明の目的は、親しい人間同士がカードを交換するのと同様に、ペットの誕生日などの節目に飼い主や関係者間で共通認識を持ち、ペットとも喜びを分かち合えるペット用嗜好食品を提供することである。
【0009】
また知人や来訪先のペットへの愛情を具体的かつより積極的に表現するのに適したペット用嗜好食品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のペット用嗜好食品は、牛皮をなめして漂白し平板状にしたローハイド・カードと、ローハイド・カードの表面ないし裏面にペットに関した各種画像やメッセージを書き込むための食用インクと、からなり、カード上の画像やメッセージをペットの飼い主や関係者が見ることでカードの送り主に感謝し、ペットはカードを喜んで食することで、該ペットを含む関係者間で喜びを共有できる、ことを特徴とする。
【0011】
好適には、平板状のローハイド・カードに、食するに適した大きさにミシン目を入れ、飼い主が小さくちぎってペットに与えられる、ないしペット自身が食べやすいようする。
【0012】
更に好適には、平板状のローハイド・カードを例えば骨状に成形し、ペット自身が食べやすい形状とする。
【0013】
好適には、平板状ローハイド・カード上の画像やメッセージをシルク印刷機により印刷する。
【0014】
また、ペット用嗜好食品の製造システムは、牛皮をなめして漂白し平板状にしたローハイド・カードと、ペットに関した各種画像やメッセージを直接ないしネットワークを通して入力、送信する入力送信装置と、画像やメッセージのデータを受けて処理する受信・画像処理装置と、受信・画像処理装置から加工された画像やメッセージデータを受けてローハイド・カード上に印刷する、食用インクを印刷インクとしたプリンタと、からなり、画像やメッセージの送り主は入力送信装置を通して独自の画像やメッセージを瞬時に受信・画像処理装置に送信し、プリンタでローハイド・カードに画像やメッセージを印刷でき、カード上の画像やメッセージをペットの飼い主や関係者が見ることでカードの送り主に感謝し、ペットはカードを喜んで食し、該ペットを含む関係者間で喜びを共有できることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
上述のように、ペットに関した画像やメッセージを書き込んだカードをペット及び飼い主や関係者に送ることにより、送り主はペットの飼い主や関係者に感謝されると共に、ペットは喜んで該カードを食するので、該ペットを含む関係者間で喜びを共有できる。またペットへの愛情を具体的かつより積極的に表現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0016】
本発明の実施例を図に基づいて説明する。図1は本発明のローハイド・カード1の一実施例を示す平面図である。
【0017】
ローハイド・カード1は、牛皮をなめして漂白、平板状にして、カードとして適切な大きさにカットする。ローハイドの作成方法については周知であるので、ここでは説明を省略する。
【0018】
そのような漂白して平板にしたローハイド・カード1は、多少表面がざらざらしていても、通常の用紙のように、その上に画像や文字を書くのに適している。
【0019】
そこで図1に示すように、ペットに関した画像2やメッセージ3をローハイド・カード1に食用インクを用いたプリンタないしペンで書き込む。なお、食用インクに関しては周知であるので、その説明もここでは省略する。
【0020】
ここで画像2やメッセージ3の該カード1への書込みは、例えば食用インクを用いたシルク印刷機を用いて大量に印刷することができ、あるいは食用インク入りのペンを用意して個別に書き込むこともできる。また図2のカード4のメッセージ5のように、該カード1を部分的に印刷機で印刷し、残りのスペースにペンで個別的に名前や画像、メッセージを書き込むようにすることもできる。
【0021】
そこで該カード1の送り主は、目当てのペットに関して時節に適った画像やメッセージが書き込まれたカード1を該ペットの飼い主や関係者に送ることで、互いの親しみを増すことができると共に、飼い主や関係者が該カード1を該ペットに与えると該ペットは喜んで食するので、該ペットを含む関係者間で喜びを共有できる。
【0022】
また、該カード1の送り主は、該ペットへの想いを該カード1に直接、書き込めることから、単にモノを送るよりも、該ペットへの愛情をより具体的かつ積極的に表現できる。
【0023】
ここで該カード1は当然、一枚のカードなので口にほお張ることはできず、それを丸々該ペットに与えるよりも細かくちぎって与えるほうが適した場合がある。また該ペットにとっても食して行くうちに、細分できるほうが食べやすい。
【0024】
そこで図1にあるように、該カード1にミシン目6を入れて、該カード1を容易にちぎれるようにする。そうすることで飼い主や関係者は該カード1を細かくちぎって該ペットに与えることができ、また該ペットも食して行くうちに細かくちぎれるので食べやすくなる。
【実施例2】
【0025】
また同様の理由で、矩形のカードよりも別の形状の方がペットにとって食べやすい場合がある。例えば図2のカード4のように平板ながら骨の形状にすれば、輪郭線が増えてペットにとって喰いつきやすくなる。これにも上述の実施例と同様に、画像やメッセージを書き込む。
【0026】
以上の実施例のカード1は、シルク印刷ないし手書きで画像やメッセージを書き込んで製造したが、これを画像処理装置やプリンタでシステム化してより迅速かつ的確に該カード1を製造できる。
【実施例3】
【0027】
図3は、本発明の画像2やメッセージ3を印刷したローハイド・カード1の製造システムを示すブロック図である。
【0028】
ここで製造システム7は、送り主側の装置としてペットに関した各種画像2やメッセージ3を入力し、直接ないしネットワークを通して送信する入力送信装置8として例えば周知のパーソナルコンピュータを備える。入力送信装置8には、例えば図示しないスキャナーを接続したり画像入力ソフトを含め、該送り主が書き込むことを望む独自の画像や写真、メッセージを取り込み、加工できるようにする。ここで入力送信装置8に更に、様々な画像やメッセージのサンプルやテンプレートのソフトを含めれば、該送り主は自分で該カード1の画像やメッセージを完成し、事前に見ることが出来る。
【0029】
更に入力送信装置8に送信機能を含め、画像やメッセージができれば、これも別のパーソナルコンピュータからなる受信・画像処理装置9に、直接ないしネットワーク10を通して瞬時にデータ送信する。
【0030】
受信・画像処理装置9は該画像2やメッセージ3のデータを受けて画像処理する。受信・画像処理装置9側に画像やメッセージのサンプルやテンプレートのサンプルのソフトを含めれば、送り主側から送られたラフな画像や写真、メッセージを本発明のカード1用に加工できる。
【0031】
受信・画像処理装置9は次に画像2やメッセージ3のデータをプリンタ10に送ってローハイド・カード1上に印刷する。ここで印刷インクとした食用インクを使用する。
【0032】
送り主は、上記の製造システムを通して例え遠隔地にいても、独自の個別的な画像やメッセージを瞬時にローハイド1上に印刷でき、該カード1に印刷された画像やメッセージをペットの飼い主や関係者が手にすることで該カード1の送り主に感謝し、該ペットは該カード1を喜んで食するので、該ペットを含む関係者間で喜びを共有できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のローハイド・カードの一実施例を示す平面図である。
【図2】本発明のローハイド・カードの別の実施例を示す平面図である。
【図3】本発明の画像やメッセージを印刷したローハイド・カードの製造システムを示すブロック図である。
【符号の説明】
【0034】
1 ローハイド・カード
2 画像
3 メッセージ
4 異なる形状のカード
5 別のメッセージ
6 ミシン目
7 ローハイド・カード製造システム
8 画像・メッセージ入力・送信装置
9 受信・画像処理装置
10 ネットワーク
11 プリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
牛皮をなめして漂白し平板状にしたローハイド・カードと、
前記ローハイド・カードの表面ないし裏面にペットに関した各種画像やメッセージを書き込むための食用インクと、からなり、
前記カード上の前記画像やメッセージを前記ペットの飼い主や関係者が見ることで前記カードの送り主に感謝し、前記ペットは前記カードを喜んで食することで、前記ペットを含む関係者間で喜びを共有すること、を特徴とするペット用嗜好食品。
【請求項2】
前記平板状のローハイド・カードに、食するに適した大きさにミシン目を入れ、前記飼い主が小さくちぎってペットに与えられる、ないし前記ペット自身が食べやすいようにしたことを特徴とする、請求項1のペット用嗜好食品。
【請求項3】
前記平板状のローハイド・カードを例えば骨の形に成形し、前記ペット自身が食べやすい形状としたことを特徴とする、請求項1のペット用嗜好食品。
【請求項4】
前記平板状ローハイド・カード上の前記画像やメッセージをシルク印刷機により印刷したことを特徴とした、請求項1乃至3のペット用嗜好食品。
【請求項5】
牛皮をなめして漂白し平板状にしたローハイド・カードと、
ペットに関した各種画像やメッセージを直接ないしネットワークを通して入力し、データとして送信する入力送信装置と、
前記画像やメッセージデータを受けて処理する受信・画像処理装置と、
前記受信・画像処理装置から前記画像やメッセージデータを受けて前記ローハイド・カード上に印刷する、食用インクを印刷インクとしたプリンタと、からなり、
前記画像やメッセージの送り主は前記入力送信装置を通して独自の個別的な前記画像やメッセージを前記受信・画像処理装置に送信することで、瞬時に前記プリンタで前記ローハイド上に印刷することができ、前記カード上に印刷された前記画像やメッセージをペットの飼い主や関係者が手にすることで前記カードの送り主に感謝し、前記ペットは前記カードを喜んで食し、前記ペットを含む関係者間で喜びを共有することを特徴とする、ペット用嗜好食品の製造システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−136461(P2008−136461A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348473(P2006−348473)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(502393660)株式会社英心 (1)
【出願人】(506427299)
【Fターム(参考)】