説明

ペルオキシゲン溶液の処理方法

本開示は、再使用又は廃棄のために、ペルオキシゲン溶液を処理するための多段階方法に関する。該方法は、酵素及び還元剤を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、再使用又は廃棄のためにペルオキシゲン(peroxygen)溶液を処理するための多段階方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペルオキシゲン化合物は、食品表面の汚染除去処理、食品包装の汚染除去処理、定置洗浄(clean-in-place)処理、食品処理水汚染除去処理、食品接触表面汚染除去処理などの、食品及び飲料の加工を含むさまざまな適用において、汚染除去剤、漂白剤又は酸化剤として使用される。使用済みのペルオキシゲン溶液は、再使用されるか又は廃棄されなければならない。ペルオキシゲン溶液が廃棄される場合、ペルオキシゲン溶液が生物学的廃棄物処理プロセスと適合性であるために残留ペルオキシゲン濃度を減少させる必要があるかも知れない。残留ペルオキシゲン濃度が高すぎる場合、ペルオキシゲン化合物は、廃水処理プロセスにおいて使用される有益な微生物を阻害又は殺滅しうる。本開示はこの背景に対するものである。
【発明の概要】
【0003】
驚くべきことに、選択された剤を多段階方法の一部として導入することが、総溶解固形分レベルを実質的に増加させることなく、処理済み溶液が再使用されるか又は安全に生物学的廃水処理プロセスへ排出されることを可能としつつ、ペルオキシゲン溶液中のペルオキシゲン化合物のレベルを減少させることが発見された。
【0004】
本開示の第一の側面は、過酸及び過酸化水素を含むペルオキシゲン溶液を処理する方法である。該方法においては、ペルオキシゲン溶液が集められ、酵素が添加され、そして、還元剤が添加される。酵素及び還元剤は、還元剤によって分解されるペルオキシゲン化合物の1部あたり、少なくとも0.1部のペルオキシゲン化合物が酵素によって分解されるという比率で、上記溶液中のペルオキシゲン化合物を分解する。一般的に、「ペルオキシゲン化合物」は、過酸化水素及び過酸を意味する。
【0005】
本開示の第二の側面は、過酸、過酸化水素及びカルボン酸を含むペルオキシゲン溶液を処理する方法である。該方法においては、ペルオキシゲン溶液が集められ、酵素が添加され、そして還元剤が添加される。酵素及び還元剤は、還元剤によって分解されるペルオキシゲン化合物の1部あたり、少なくとも0.1部のペルオキシゲン化合物が酵素によって分解されるという比率で、上記溶液中のペルオキシゲン化合物を分解する。
【0006】
本開示の第三の側面は、過酸化水素を含むペルオキシゲン溶液を処理する方法である。該方法においては、ペルオキシゲン溶液が集められ、酵素が添加され、そして還元剤が添加される。酵素及び還元剤は、還元剤によって分解されるペルオキシゲン化合物の1部あたり、少なくとも0.1部のペルオキシゲン化合物が酵素によって分解されるという比率で、上記溶液中のペルオキシゲン化合物を分解する。
【0007】
本開示の第四の側面は、ペルオキシゲン溶液を処理する方法である。該方法においては、汚染除去、漂白、又は酸化プロセスの前又はその間に、ペルオキシゲン溶液に酵素が添加される。汚染除去、漂白、又は酸化プロセスが完了後、還元剤がペルオキシゲン溶液に添加される。酵素及び還元剤は、還元剤によって分解されるペルオキシゲン化合物の1部あたり、少なくとも0.1部のペルオキシゲン化合物が酵素によって分解されるという比率で、上記溶液中のペルオキシゲン化合物を分解する。
【0008】
本開示の他の特徴及び利益は、以下の記載及び実施例を読むことにより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、25℃における10分後の、酵素によるペルオキシゲンの分解を示すグラフである。
【図2】図2は、25℃における30分後の、還元剤によるペルオキシゲン化合物の分解を示すグラフである。
【図3】図3は、25℃における、時間の関数としての、酵素による過酸化水素の分解を示すグラフである。
【図4】図4は、温度の関数としての、酵素による過酸化水素の分解を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
本開示は、再使用又は廃棄のためにペルオキシゲン溶液を処理する方法に関する。
【0011】
ペルオキシゲン溶液は、表面を汚染除去するため、表面を漂白するため、又は表面上で酸化剤として機能するために、様々な表面に適用される。汚染除去は、物理的、化学的又は生物学的汚染を減少させるプロセスを意味しうる。表面としては、壁、床及び配水管などの環境表面、加工機器、食品包装、食品接触表面、かたまり肉(whole meat)及び切った肉(cut meat)、枝肉(carcasses)、及び果物及び野菜などのすぐに調理できる(ready-to-cook)食品及びすぐに食べられる(ready-to-eat)食品の表面、洗濯物、カーペット、内装、カーテン及び外科用ドレープなどの布地、食料品店、デリ、及びレストランで見られるようなキッチン表面、医療用器具、装置及び内視鏡などのヘルスケア表面及び患者接触表面が挙げられる。
【0012】
本明細書中に開示されるいくつかの方法においては、ペルオキシゲン溶液が上記のような汚染除去、漂白又は酸化プロセスから集められる。このペルオキシゲン溶液は、本明細書において、「最初のペルオキシゲン溶液」と呼ばれることができ、なぜなら、それが開示された方法に参加するペルオキシゲン溶液だからである。しかしながら、この「最初のペルオキシゲン溶液」は、すでに表面又は物質を処理するために使用されているかも知れず、そして、その汚染除去効果に関して少なくとも部分的に「使われた」か、又は表面若しくは物質を処理するために使用される新しい若しくは新鮮な溶液であると考えられるかもしれない、と理解される。ペルオキシゲン溶液は、バッチプロセスの一部として集められることができる。ペルオキシゲン溶液は、持続的に集められ、そしてフロースループロセスの一部として処理されることもできる。該方法においては、選択された剤が多段階プロセスにおいて最初のペルオキシゲン溶液に添加され、該溶液が再使用又は廃棄されることができる許容可能なレベルまでペルオキシゲン化合物を分解するのに十分な量で添加される。第一のステップにおいては、ペルオキシゲン化合物を分解するために酵素が使用され、そして、第二のステップにおいては、ペルオキシゲン化合物をさらに分解するために還元剤が使用される。ペルオキシゲン化合物が過酸化水素及び過酸の両方を含む場合、過酸化水素は第一のステップにおいて酵素により分解され、そして、過酸は第二のステップにおいて還元剤により分解される。
【0013】
本明細書中に開示されたいくつかの方法においては、汚染除去、漂白又は酸化プロセスの途中でペルオキシゲン溶液に酵素が添加されてよい。例えば、ペルオキシゲン溶液が、定置洗浄操作、又は無菌の食品若しくは品質保持期限延長食品のための食品包装汚染除去操作の一部として使用されている間に、酵素がペルオキシゲン溶液に添加されてよい。汚染除去、漂白、又は酸化プロセスが完了したら、還元剤がペルオキシゲン溶液に添加されてよい。
【0014】
本明細書中に開示されたいくつかの方法において、酵素は、汚染除去、漂白又は酸化プロセスの開始前にペルオキシゲン溶液に添加されてよいか、或いは、汚染除去、漂白又は酸化プロセスを開始する前にペルオキシゲン溶液の一部であってよい。
【0015】
ペルオキシゲン溶液は、過酸化水素を含むことができる。ペルオキシゲン溶液は、過酸化水素及び過酸を含むことができる。そして、ペルオキシゲン溶液は、過酸化水素、カルボン酸、及び対応する過酸を含むことができる。ペルオキシゲン溶液が過酸を含む場合、過酸は、単一の過酸又は混合過酸溶液であることができる。汚染除去、漂白又は酸化プロセスから得られるペルオキシゲン溶液は、水、糖、でんぷん、脂肪、油、たんぱく質、土、塩、血液、ミネラル、及び洗剤を含む、該プロセス又は他のプロセスからの廃棄物又は破片を含みうる。ペルオキシゲン溶液は、他の廃水流と併合されて、そして処理されることもできる。
【0016】
生物学的廃水処理プロセスを用いてペルオキシゲン溶液が廃棄され、そして、過酸化水素又は過酸濃度が高すぎる場合、ペルオキシゲン溶液は、生物学的廃水処理プロセスにおける有益な微生物を阻害又は殺滅する可能性がある。したがって、本方法においては、生物学的廃水処理プロセスが悪影響を受けないように、残留ペルオキシゲン化合物のレベルが減少される。したがって、ペルオキシゲン溶液は、汚染除去剤、漂白剤又は酸化剤としてプロセス中で使用された後に集められ(最初のペルオキシゲン溶液)、又は該ペルオキシゲン溶液はなお、汚染除去、漂白又は酸化プロセスの一部として使用されるかもしれない。酵素は、還元剤によって除去される総ペルオキシゲン化合物の(重量で)1部あたり、(重量で)0.1部以上を除去するのに十分な量で、ペルオキシゲン溶液に添加される。酵素が添加された後、還元剤が添加される。汚染除去、漂白又は酸化プロセスから集められた最初の溶液から処理済み溶液を識別するために、いったん酵素及び還元剤が最初のペルオキシゲン溶液に添加されると、得られる生成物は「処理済みペルオキシゲン溶液」と呼ばれる。
【0017】
ペルオキシゲン化合物濃度の所望の減少を達成するための一つの因子は、酵素又は還元剤とペルオキシゲン溶液との接触時間である。ペルオキシゲン溶液と酵素、還元剤のいずれか又はその両方との間の接触時間を増加させると、ペルオキシゲン濃度の減少を改善することができる。押し出し流れ反応器(plug flow reactors)又は完全混合型反応器(well mixed reactors)を順次に用いることは、接触時間を増加させる2つの方法である。
【0018】
1つの特別な実施態様においては、過酸化水素、カルボン酸及び対応する過酸を含むペルオキシゲン溶液が、無菌の食品又は品質保持期限延長食品のための食品包装汚染除去操作の一部として使用されることができる。酵素は、食品包装が汚染除去される汚染除去プロセスの前又はその間に添加されることができる。包装が汚染除去されると、ペルオキシゲン溶液が集められ、そして、還元剤が該ペルオキシゲン溶液に添加されることができる。ペルオキシゲン溶液が酵素及び還元剤で処理されたら、それは廃棄又はさらに処理されることができる。
【0019】
廃水処理プロセスにおいては、ペルオキシゲン溶液は、数種の他のプロセスを経由することができる。例えば、ペルオキシゲン溶液は、ふるい分け、重力沈降、沈降、平衡化、軟凝集、機械的選別、溶解空気浮上分離法(DAF)、pH調整、ろ過、浄化、消毒などの物理的及び/又は化学的分離プロセス、並びに有機化合物を除去し、及び(スルフィド及びアンモニアなどの)無機化合物と(硝化及び脱窒を介して)全窒素を酸化するための生物学的処理プロセスに供されることができる。生物学的処理は、好気的、通性又は嫌気的微生物を使用することができる。生物学的に処理された水は、残った液体を消毒し、そして湖又は川などの受水河川に放出する前に分離プロセスを用いてさらに浄化されることができる。生物学的プロセスの一つの例は、米国特許第5,733,454号に記載されたような、嫌気的廃棄物処理消化槽を含む。ペルオキシゲン溶液は、他の廃水流と併合されてもよい。そして、(最初の又は処理済み)ペルオキシゲン溶液は、公設処理場プラント(POTW)、都市汚水処理施設、産業廃棄物処理施設、又は都市又は産業エネルギー回収施設に送られることもできる。
【0020】
酵素
上記方法において使用される酵素は、過酸化水素濃度を減少させる。代表的な過酸化水素低減酵素は、カタラーゼ、ペルオキシダーゼ又はカタラーゼとペルオキシダーゼの組み合わせを含む。
【0021】
カタラーゼ酵素
カタラーゼ酵素は、過酸化水素の水及び酸素への分解を触媒する。カタラーゼ酵素の供給源は、ウシ肝臓から単離されたウシカタラーゼなどの動物供給源、ペニシリウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)、ペニシリウム・ノタトウム(Penicillium notatum)及びアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)を含む真菌から単離された真菌カタラーゼ、植物供給源、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylcoccus aureus)などの細菌供給源、並びにそれらの遺伝的変異体及び改変体を含む。真菌カタラーゼが特に好適であり、それは、非真菌カタラーゼ酵素に比べて低いカタラーゼ酵素濃度において過酸化水素を分解するそれらの能力による。さらに、ペルオキシゲン溶液中に見出されるpH及び温度環境において、真菌カタラーゼ酵素はより安定である。
【0022】
カタラーゼ分子は、極端な熱、酸化及びpHレベルによって変性しやすい。一般に、好ましい最初のペルオキシゲン溶液は、1〜10のpH及び1〜70℃(華氏34〜158度)の温度において(重量で)1〜50,000ppmの総ペルオキシゲン化合物;又は2〜9のpH及び10〜60℃(華氏50〜140度)の温度において1〜10,000ppmの総ペルオキシゲン化合物;又は3〜8のpH及び20〜50℃(華氏68〜122度)の温度で1〜5,000ppmの総ペルオキシゲン化合物を含む。
【0023】
カタラーゼは、ペルオキシゲン溶液中に自由流動的に導入されることができる。或いは、カタラーゼは、カタラーゼが過酸化水素と相互作用してこれを分解することを可能とする方法で、ペルオキシゲン溶液と流体連通する表面上に固定されることもできる。固定化されたカタラーゼは、未結合の可溶性酵素よりも安定であることができる。固定化されたカタラーゼは溶液から容易に除去されうるという利点も有する。固定化されたカタラーゼは、基材に結合された可溶性カタラーゼを含むことができる。基材の例は、ポリウレタンフォーム、ポリアクリルアミドゲル、ポリエチレン無水マレイン酸ゲル、ポリスチレン無水マレイン酸ゲル、セルロース、ニトロセルロース、シラスティックレジン、多孔質ガラス、マクロポーラスガラスメンブレン、ガラスビーズ、活性白土、ゼオライト、アルミニウム、シリカ、ケイ酸塩、及び他の無機及び有機基材を含むことができる。酵素は、担体共有結合(carrier covalent binding)、架橋、物理的吸着、イオン結合及び包括法(entrapping)を含む様々な方法で基材に結合されることができる。
【0024】
市販のカタラーゼは、液体及びスプレー乾燥形態で入手可能である。市販のカタラーゼは、活性酵素並びに酵素の安定性又は能力を高めるための追加の成分の両方を含む。いくつかの代表的な市販のカタラーゼ酵素は、Genencor CA-100及びCA-400並びにMitsubishi Gas and Chemical (MGC) のASC Super G及びASC Super 200を含む。上記方法は、少なくとも1つの真菌カタラーゼを含むことが好ましい。
【0025】
ペルオキシダーゼ酵素
ペルオキシダーゼ酵素も過酸化水素の水と酸素への分解を触媒する。ペルオキシダーゼの供給源は、動物、植物及び微生物を含む。
【0026】
ペルオキシダーゼ分子は、極端な熱、酸化及びpHレベルによって変性しやすい。一般に、好ましい最初のペルオキシゲン溶液は、1〜10のpH及び1〜70℃(華氏34〜158度)の温度において(重量で)1〜50,000ppmの総ペルオキシゲン化合物;又は2〜9のpH及び10〜60℃(華氏50〜140度)の温度において1〜10,000ppmの総ペルオキシゲン化合物;又は3〜8のpH及び20〜50℃(華氏68〜122度)の温度において1〜5,000ppmの総ペルオキシゲン化合物を含む。
【0027】
ペルオキシダーゼは、ペルオキシゲン溶液中に自由流動的に導入されることができる。或いは、ペルオキシダーゼは、ペルオキシダーゼが過酸化水素と相互作用してこれを分解することを可能とする方法で、ペルオキシゲン溶液と流体連通する表面上に固定されることもできる。固定化されたペルオキシダーゼは溶液から容易に除去されうるという利点を有する。固定化されたペルオキシダーゼは、基材に結合された可溶性ペルオキシダーゼを含むことができる。基材の例は、ポリウレタンフォーム、ポリアクリルアミドゲル、ポリエチレン無水マレイン酸ゲル、ポリスチレン無水マレイン酸ゲル、セルロース、ニトロセルロース、シラスティックレジン、多孔質ガラス、マクロポーラスガラスメンブレン、ガラスビーズ、活性白土、ゼオライト、アルミニウム、シリカ、ケイ酸塩、及び他の無機及び有機基材を含むことができる。酵素は、担体共有結合、架橋、物理的吸着、イオン結合及び包括法を含む様々な方法で基材に結合されることができる。
【0028】
市販のペルオキシダーゼは、液体及び粉末形態で入手可能である。市販のペルオキシダーゼは、活性酵素並びに酵素の安定性を高めるための追加の成分の両方を含む。いくつかの代表的な市販のペルオキシダーゼ酵素は、Sigma-Aldrich,、Genencor International及びNovozymesから入手可能なホースラディッシュペルオキシダーゼを含む。
【0029】
還元剤
還元剤は、酵素によって除去されない過酸化水素のいくらかを除去し、かつ、存在すればいくらかの過酸も除去する。代表的な還元剤は、以下の:(重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム及び重亜硫酸アンモニウム、メタ重亜硫酸ナトリウムなどの)重亜硫酸塩、(チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、及びチオ硫酸アンモニウムなどの)チオ硫酸塩、(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム及び亜硫酸アンモニウムなどの)亜硫酸塩、二酸化イオウ、(チャコール、活性炭などの)多孔質の炭素質材料、アスコルビン酸、エリソルビン酸、(マンガン、銀などの)金属触媒、及びそれらの混合物を含む。還元剤は、紫外(UV)光などの物理的プロセスであることもできる。
【0030】
酵素及び還元剤は、各添加により、ペルオキシゲン化合物濃度の顕著な低下をおこす量で添加されなければならない。酵素は常に過酸化水素を分解するであろう。還元剤は、過酸化水素又は過酸のいずれかを分解するだろう。還元剤によるのに対して酵素によってどれだけのペルオキシゲンが相対的に分解されるかということは、過酸化水素対過酸の濃度に依存するだろう。例えば、ペルオキシゲン組成物が、過酸化水素に比べて高レベルの過酸を含む場合、酵素は、過酸を還元剤が分解するのに比べてより少量の過酸化水素を分解するだろう。対照的に、過酸よりも過酸化水素が多い場合、還元剤が過酸を分解するよりもより大量の過酸化水素を酵素は分解するだろう。処理済みペルオキシゲン溶液中のTDSレベルに対して、化学的還元剤が酵素よりもずっと高い程度まで寄与するため、開示された方法は、過酸レベルに比べて顕著なレベルの過酸化水素を含むペルオキシゲン溶液に特に適している。したがって、酵素と還元剤は、還元剤によって分解されるペルオキシゲンの1部あたり、少なくとも0.1部のペルオキシゲンを酵素が分解する量でペルオキシゲン溶液に添加されることが好ましい。他の比率は、還元剤によって分解されるペルオキシゲンの1部あたり、酵素によって分解される少なくとも0.5部、少なくとも1部、及び少なくとも5部のペルオキシゲン、を含む。
【0031】
添加される酵素の量は、どの酵素が選択されるか、及び最初のペルオキシゲン溶液中の過酸化水素の濃度に依存して変化する。当業者は、上記の望ましい比率を達成するのに必要な酵素の量を計算することができるだろうが、代表的かつ非制限的な酵素濃度は、約0.01〜約100mg/L、約0.01〜約10mg/L、及び約0.05〜約5mg/L(活性酵素)を含む。同様に、添加される還元剤の量は、どの還元剤が選択されるか、及び最初のペルオキシゲン溶液中のペルオキシゲン種の濃度に依存して変化するだろう。当業者は、上記の所望の比率を達成するのに必要な還元剤の量を計算することができるだろうが、代表的かつ非制限的な還元剤濃度は、メタ重亜硫酸ナトリウムとして表して、約5〜約450,000mg/L、約10〜約90,000mg/L、及び約10〜約9,000mg/Lを含む。
【0032】
酵素及び還元剤を添加後、ペルオキシゲン溶液の総溶解固形分の増加は、100mg/L、1000mg/L、又は10,000mg/Lを超えないことが好ましい。大量に使用される場合、重亜硫酸ナトリウム及びメタ重亜硫酸ナトリウムなどの化学的還元剤は、コストを増加させ、かつ、総溶解固形分(TDS)レベルを増加させる。廃水流中の総溶解固形分の濃度は制御又は制限されることができる。廃水中のTDSレベルは、(カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、重炭酸塩、塩化物及び硫酸塩などの)無機塩イオンの存在に大きく帰因する。通常、廃水処理施設は、これらの塩イオンを除去する設備が整っていない。産業用施設又はPOTWから排出されうるTDSの濃度は、TDSが表層水及び帯水層に対して及ぼしうる悪影響によって制限されるかもしれない。
【0033】
本明細書中に開示された方法の2つの利点は、処理済みペルオキシゲン溶液中のより低レベルの還元剤及びより低レベルのTDSである。以下の仮説的例を考慮せよ。
【0034】
【表1】

【0035】
例えば、ペルオキシゲン溶液中の過酸化水素の(重量で)1部あたり、約3部の重亜硫酸ナトリウムがそれを分解するのに必要である。したがって、3000mgの過酸化水素を含む1リッターの溶液は、中和のために9000mgの重亜硫酸ナトリウムを必要とし、約9000mg/LのTDSレベルの増加をもたらす。対照的に、本開示においては、過酸化水素の中和のために、3000mg/Lの過酸化水素の溶液にわずか3mgのカタラーゼが添加され、これは、事実上、TDSレベルに何の影響も与えない。
【0036】
開示された方法においては、処理済みペルオキシゲン溶液中のペルオキシゲン化合物のレベルは、約0.1〜約1,000ppm、約0.1ppm〜約100ppm、約0.1ppm〜約10ppm、そして、約0.1ppm〜約1ppmである。或いは、処理済みペルオキシゲン溶液は、実質的にペルオキシゲン化合物を含まない。最終的に、処理済みペルオキシゲン溶液は、ペルオキシゲン化合物を含まないかもしれない。
【0037】
ペルオキシゲン溶液
開示された方法は、汚染除去、漂白、又は酸化プロセスの一部として使用されたか又は使用されているペルオキシゲン溶液に対して使用される。該方法は、主に、使われたペルオキシゲン溶液又は廃水流中に見出されるペルオキシゲン溶液の成分に焦点を合わせる。ペルオキシゲン溶液は、過酸化水素を含みうる。ペルオキシゲン溶液は、過酸化水素と過酸を含みうる。最終的に、ペルオキシゲン溶液は過酸化水素、過酸及び過酸に対応するカルボン酸を含みうる。ペルオキシゲン溶液が過酸化水素及び過酸を含む場合、該方法において、酵素は、第一のステップにおいて過酸化水素を分解するために使用され、そして、還元剤は、第二のステップにおいて過酸、そして、存在する場合には過酸化水素を分解するために使用される。
【0038】
該方法は、過酸レベルに対して顕著なレベルの過酸化水素を含む組成物とともに使用されることが好ましい。例えば、過酸に対する過酸化水素の好ましい比率は、過酸の(重量で)1部あたり、(重量で)0.1部以上の過酸化水素を含む。過酸化水素:過酸のさらなる比率は、0.5:1、1:1、2:1、3:1、4:1及び5:1を含む。
【0039】
カルボン酸
カルボン酸は、式:R-(COOH)nの任意の化合物を含み、ここで、Rは、水素、アルキル、アルケニル、脂環式基、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロ環基であることができ、そして、nは1、2又は3である。好ましくは、Rは、水素、アルキル又はアルケニルを含む。アルキル及びアルケニルは、1〜12個の炭素原子を含み、そして置換されても非置換であることもできる。
【0040】
好適なカルボン酸の例は、多様なモノカルボン酸、ジカルボン酸及びトリカルボン酸を含む。モノカルボン酸は、例えば、蟻酸、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、アセチルサリチル酸、マンデル酸などを含む。ジカルボン酸は、例えば、アジピン酸、フマル酸、グルタル酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸などを含む。トリカルボン酸は、例えば、クエン酸、トリメリット酸、イソクエン酸、アガイシック酸(agaicic acid)などを含む。本発明の組成物中での使用に好適なカルボン酸は、その溶解度、コスト、食品添加物としての許可、匂い、純度などについて選択されることができる。本発明の組成物のために特に有用なカルボン酸は、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、乳酸、グリコール酸、クエン酸、マンデル酸、グルタル酸、マレイン酸、リンゴ酸、アジピン酸、コハク酸、酒石酸などの、水溶性のカルボン酸を含む。蟻酸、酢酸、乳酸、クエン酸、酒石酸などの水溶性のカルボン酸は食品添加物であることもできるため、これらのカルボン酸は有用であることができる。
【0041】
好ましいカルボン酸は、酢酸、オクタン酸、又はプロピオン酸、乳酸、ヘプタン酸、ノナン酸又はそれらの組み合わせを含む。
【0042】
過酸
本分野において、過酸は、過カルボン酸、ペルオキシ酸、及びペルオキシカルボン酸としても知られている。過酸は、式R--(COOOH)nの任意の化合物を含み、ここで、Rは、水素、アルキル、アルケニル、脂環式基、アリール、ヘテロアリール、又はヘテロ環基であることができ、nは、1、2、又は3である。好ましくは、Rは水素、アルキル又はアルケニルを含む。
【0043】
好ましい過酸は、カルボン酸と過酸化水素の間の酸触媒平衡反応から調製されることができる任意のペルオキシカルボン酸を含む。好ましくは、本発明の組成物は、ペルオキシ酢酸、ペルオキシオクタン酸、又はペルオキシプロピオン酸、ペルオキシ乳酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシノナン酸、又はそれらの組み合わせを含む。
【0044】
追加の任意の材料
ペルオキシゲン溶液は、安定化剤、ヒドロトロープ、界面活性剤、消泡剤、腐食防止剤、レオロジー調整剤、染料及び香料を含む、多数の追加の任意の材料を含むことができる。これらの材料は、典型的にはペルオキシゲン濃縮物の一部であり、したがって、最初の又は処理済みペルオキシゲン溶液中に存在することができる。
【0045】
安定化剤
溶液は、ペルオキシゲン溶液を調製するために使用される濃縮ペルオキシゲン材料又はペルオキシゲン溶液自体の安定化又はその不十分な酸化を防止するために、場合により安定化剤を含んでよい。
【0046】
一般に安定化剤として有用であるキレート剤又は隔離剤は、ホスホン酸及びホスホネート、ホスフェート、アミノカルボキシレート、及びそれらの誘導体、ピロホスフェート、エチレンジアミン及びエチレントリアミン誘導体、ヒドロキシ酸、及びモノ‐、ジ‐、及びトリ‐カルボンキシレート、及びそれらの対応する酸を含む。他のキレート剤は、ニトロロアセテート(nitroloacetate)及びそれらの誘導体、及びそれらの混合物を含む。アミノカルボキシレートの例は、アミノアセテート及びその塩を含む。好適なアミノアセテートは、以下の:N-ヒドロキシエチルアミノ二酢酸;ヒドロキシエチレンジアミン四酢酸;ニトリロ三酢酸(NTA);エチレンジアミン四酢酸(EDTA);N-ヒドロキシエチル‐エチレンジアミン三酢酸(HEDTA);エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(EDTA);ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA);及びアラニン‐N,N-二酢酸;n−ヒドロキシエチルイミノ二酢酸など;それらのアルカリ金属塩;及びそれらの混合物を含む。好適なアミノホスフェートは、ニトリロトリスメチレンホスフェート及び8未満の炭素原子を含むアルキル基又はアルカリ性基を有する他のアミノホスフェートを含む。代表的なポリカルボキシレートは、イミノ二コハク酸(IDS)、ポリアクリル酸ナトリウム、クエン酸、グルコン酸、シュウ酸、それらの塩、それらの混合物などを含む。追加のポリカルボキシレートは、クエン酸又はクエン酸塩タイプのキレート剤、ポリカルボキシレートポリマー及びアクリル酸又はポリアクリル酸タイプのキレート剤を含む。追加のキレート剤は、ポリアスパラギン酸又はアスパラギン酸と他のアミノ酸の共縮合産物、C4-C25‐モノ‐又はジカルボン酸及びC4-C25-モノ‐又はジアミンを含む。代表的なポリカルボキシレートポリマーは、ポリアクリル酸、マレイン酸/オレフィンコポリマー、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、ポリメタクリル酸、アクリル酸‐メタクリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド加水分解物、ポリメタクリルアミド加水分解物、ポリアミド‐メタクリルアミドコポリマー加水分解物、ポリアクリロニトリル加水分解物、ポリメタクリロニトリル加水分解物、アクリロニトリル‐メタクリロニトリルコポリマー加水分解物などを含む。
【0047】
ヒドロトロープ
溶液は、場合によりヒドロトロープカップラー又は可溶化剤を含むことができる。かかる材料は、ペルオキシゲン溶液を調製するために使用される濃縮されたペルオキシゲン材料又はペルオキシゲン溶液自体が、相安定かつ単一の高活性水性形態のままであることを確実にするために使用可能である。かかるヒドロトロープ可溶化剤又はカップラーは、相安定性を維持するが、望ましくない成分相互作用をもたらさない濃度で使用可能である。
【0048】
ヒドロトロープ可溶化剤又はカップリング剤の代表的なクラスは、アルキルスルフェート、アルキル又はアルカンスルホネート、直鎖アルキルベンゼン又はナフタレンスルホネート、第二級アルカンスルホネート、アルキルエーテルスルフェート又はスルホネート、アルキルホスフェート又はホスホネート、ジアルキルスルホコハク酸エステル、(ソルビタンエステルなどの)糖エステル及びC8-10アルキルグルコシドなどの陰イオン界面活性剤を含む。
【0049】
カップリング剤は、n−オクタンスルホネート、(ナトリウムキシレンスルホネート又はナフタレンスルホネートなどの)アルキルアリールスルホネートなどの芳香族スルホネート、及び商標名DOWFAX(商標)のもとに販売されるものなどのアルキル化ジフェニルオキシドジスルホン酸、好ましくはこれらのヒドロトロープの酸形態、も含む。
【0050】
組成物は、場合により、界面活性剤又は界面活性剤の混合物を含むことができる。界面活性剤は、市販の陰イオン、非イオン性、陽イオン、双性、及び両イオン性界面活性剤並びにそれらの混合物を含むことができる。ある実施態様においては、界面活性剤は、非イオン性又は陰イオン界面活性剤を含む。界面活性剤の検討のためには、Kirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, Third Edition, volume 8, pages 900-912を参照のこと。
【0051】
非イオン性界面活性剤は、界面活性剤分子の一部として、ポリアルキレンオキシドポリマーを有するものを含むことができる。これらの界面活性剤は、キャッピングされるか又はされないことができる。かかる非イオン性界面活性剤は、例えば、塩素‐、ベンジル‐、メチル‐、エチル‐、プロピル‐、ブチル‐などのアルキル‐キャップされた脂肪アルコールのポリエチレングリコールエーテル;アルキルポリグリコシドなどのポリアルキレンオキシドを含まない非イオン性のもの;ソルビタン及びシュークロースエステル並びにそれらのエトキシレート;アルコキシル化エチレンジアミン;アルコールエトキシレートプロポキシレート、アルコールプロポキシレート、アルコールプロポキシレートエトキシレートプロポキシレート、アルコールトキシレートブトキシレート、(トリデシルアルコールアルコキシレート、エチレンオキシド付加物などの)脂肪アルコールエトキシレートなどのアルコールアルコキシレート;ノニルフェノールエトキシレート、ポリオキシエチレングリコールエーテルなど;グリセロールエステル、ポリオキシエチレンエステル、エトキシル化脂肪酸及び脂肪酸のグリコールエステルなど;ジエタノールアミン縮合産物、モノアルカノールアミン縮合産物、ポリオキシエチレン脂肪酸アミドなどのカルボキシリックアミド;PLURONIC(BASF-Wyandotte)の商標のもとに市販されているものなどのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマーを含む、ポリアルキレンオキシドブロックコポリマー;Tomah Corporationから市販されているエトキシル化アミン及びエーテルアミンなどの非イオン性化合物を含む。ABIL B8852(Goldschmidt)などのシリコーン界面活性剤も使用可能である。
【0052】
非イオン性界面活性剤は、直鎖及び第二級アルコールエトキシレート(トリデシルアルコールアルコキシレート、エチレンオキシド付加物などの脂肪アルコールエトキシレート)、アルキルフェノールエトキシレート、エトキシ/プロポキシブロック界面活性剤などを含むことができる。好ましい直鎖及び第二級アルコールエトキシレート(トリデシルアルコールアルコキシレート、エチレンオキシド付加物などの脂肪アルコールエトキシレート)の例は、LAE24-5の商標名のもとに販売されている、直鎖、炭素数12〜14の第一級アルコールの5モルエトキシレート、(C12-14H25-29)--O--(CH2CH2O)5H、(そのうちの一つが、LAE24-7の商標名のもとに市販されている)直鎖、炭素数12〜14の第一級アルコールの7モルエトキシレート、(C12-14H25-29)--O--(CH2CH2O)7H、(そのうちの一つが、LAE24-12の商標名のもとに販売されている)直鎖、炭素数12〜14の第一級アルコールの12モルエトキシレート、(C12-14H25-29)--O--(CH2CH2O)12Hなどを含む。
【0053】
陰イオン界面活性剤は、例えば、アルキルカルボキシレート(カルボン酸塩)及びポリアルコキシカルボキシレート、アルコールエトキシレートカルボキシレート、ノニルフェノールエトキシレートカルボキシレートなどのカルボキシレート;アルキルスルホネート、(直鎖ドデシルベンゼンスルホン酸又はその塩などの)アルキルベンゼンスルホネート、アルキルアリールスルホネート、スルホン化脂肪酸エステルなどのスルホネート;硫酸化アルコール、硫酸化アルコールエトキシレート、硫酸化アルキルフェノール、アルキルスルフェート、スルホスクシネート、アルキルエーテルスルフェートなどのスルフェート;並びにアルキルホスフェートエステル、エトキシル化アルコールホスフェートエステルなどのホスフェートエステルを含むことができる。
【0054】
界面活性物質は、分子の親水性部分の電荷が陽性である場合に、陽イオン性として分類される。pHが中性付近又はそれより低くならない限りその中の親水性物質が電荷を担持しないが、その後は陽イオン性となる(アルキルアミンなどの)界面活性剤もこのグループに含まれる。
【0055】
陽イオン界面活性剤は、いくつかのペルオキシゲン溶液中に見出されうる。陽イオン界面活性剤は、少なくとも1つの長い炭素鎖の疎水性基及び少なくとも1つの陽性荷電した窒素を含む化合物を含むことができる。長い炭素鎖の基は、単純な置換によって直接的に;又は架橋官能基又はいわゆる中断されたアルキルアミン及びアミドアミン中の基によって間接的に窒素原子に結合されることができる。かかる官能基は、分子をより親水性及び/又はより水分散性に、補助界面活性剤混合物によってより容易に水に可溶化されるように及び/又はより水溶性にすることができる。水溶解度の増加のためには、追加の第一級、第二級又は第三級アミノ基が導入されることができるか又はアミノ窒素が低分子量のアルキル基で四級化されることができる。さらに、窒素は、様々な不飽和度の分岐鎖若しくは直鎖部分又は飽和若しくは不飽和のヘテロ環の一部であることができる。加えて、陽イオン界面活性剤は、1超の陽イオン性窒素原子を有する複雑な連結を含むことができる。
【0056】
陽イオン界面活性剤は、牛脂アミンエトキシレート第四級アンモニウム化合物のような牛脂第四級アンモニウム界面活性剤などの第四級アンモニウム界面活性剤を含むことができる。例えば、牛脂アミンエトキシレート第四級アンモニウム化合物は、メチル基、牛脂部分、及び2つのエトキシレート部分に結合した第四級窒素を含むことができる。エトキシレート部分は、6〜10のエトキシレート基を含むことができる。
【0057】
アミンオキシド、両性化合物及び両性イオンとして分類される界面活性化合物は、それ自体、典型的には中性付近〜酸性のpHの溶液中で陽イオン性であり、界面活性剤の分類と重複することができる。ポリオキシエチル化陽イオン界面活性剤は、通常、アルカリ性溶液中では非イオン性界面活性剤様の挙動、酸性溶液中では陽イオン界面活性剤様の挙動を示す。
【0058】
大量の市販の陽イオン界面活性剤の大部分は、例えば、"Surfactant Encyclopedia"、Cosmetics & Toiletries, Vol. 104(2) 86-96 (1989)に記載されたように、4つの主要クラス及び追加のサブグループに分割されることができる。第一のクラスは、アルキルアミン及びそれらの塩を含む。第二のクラスは、アルキルイミダゾリンを含む。第三のクラスは、エトキシル化アミンを含む。第四のクラスは、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンゼン塩、ヘテロ環式アンモニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩などの第四級のものを含む。
【0059】
消泡剤
溶液は、場合により消泡剤を含むことができる。一般に、消泡剤は、シリカ及びシリコーン;脂肪族酸又はエステル;アルコール;スルフェート又はスルホネート;アミン又はアミド;フルオロクロロハイドロカーボンなどのハロゲン化化合物;植物油、ワックス、鉱油並びにそれらの硫酸化誘導体;並びに、中でも、アルキル及びアルカリジホスフェート及びトリブチルホスフェートなどのホスフェート及びホスフェートエステル;そして、それらの混合物を含むことができる。食品グレードの消泡剤が好ましい。ジメチルシリコーン、グリコールポリシロキサン、メチルフェノールポリシロキサン、トリアルキル又はテトラアルキルシラン、疎水性シリカ消泡剤及びそれらの混合物などのシリコーンはすべて、消泡適用において使用される。一般に入手可能な市販の消泡剤は、有機エマルジョン中に結合したシリコーンである、Armour Industrial Chemical CompanyのArdefoam(商標);シリコーン及び非シリコーンタイプの消泡剤である、Kirusable Chemical CompanyのFoam Kill(商標)又はKresseo(商標)、並びにシリコーンエステル;そして、中でも、どちらも食品グレードタイプのシリコーンである、Dow Corning CorporationのAnti-Foam A(商標)及びDC-200などのシリコーンを含む。
【0060】
腐食防止剤
溶液は、場合により、腐食防止剤を含む。有用な腐食防止剤は、短鎖二価カルボン酸、短鎖三価カルボン酸などのポリカルボン酸、並びにホスフェートエステル、そして、それらの混合物を含む。有用なホスフェートエステルは、アルキルホスフェートエステル、モノアルキルアリールホスフェートエステル、ジアルキルアリールホスフェートエステル、トリアルキルアリールホスフェートエステル、及びWitco Chemical Companyから商業的に入手可能なEmphos PS 236などのそれらの混合物を含む。他の有用な腐食防止剤は、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール及びメルカプトベンゾチアゾール(mercaptobenzothiazole)などのトリアゾール、並びに、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸などのホスホネート及びオレイン酸ジエタノールアミド及びココアンホヒドロキシプロピルスルホネートナトリウムなどの界面活性剤との組み合わせを含む。有用な腐食防止剤は、ジカルボン酸などのポリカルボン酸を含む。好ましい酸は、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸及びそれらの混合物を含む。最も好ましいのは、SOKALAN(商標)DCSの名前でBASFにより販売されている原材料である、アジピン酸、グルタル酸及びコハク酸の混合物である。
【0061】
レオロジー調整剤
溶液は場合により、1つ以上のレオロジー調整剤を含むことができる。
有用な水溶性又は水分散性のレオロジー調整剤は、無機又は有機として分類可能である。有機増粘剤は、さらに、天然及び合成ポリマーに分割可能であり、後者はさらに、合成天然ベースのもの及び合成石油ベースのものに再分割される。
【0062】
無機増粘剤は、表面積対サイズの比が大きい粒子を生成するために、通常、燻蒸されているか又は沈澱されている、コロイド状ケイ酸マグネシウムアルミニウム(VEEGUM(商標))、コロイド粘土(Bentonites)、又はシリカ(CAB--O−SILS(商標))などの化合物である。好適な天然のヒドロゲル増粘剤は、主に、植物由来の滲出物である。例えば、トラガント、カラヤ及びアカシアゴム;及びカラギーナン、ローカストビーンゴム、グアーゴム及びペクチンなどの抽出物;又はキサンタンゴムなどの純粋な培養発酵産物。化学的には、これらの材料のすべてが陰イオン性複合多糖の塩である。適用される合成天然ベースの増粘剤は、セルロース誘導体であって、直鎖の無水グルコースポリマー上の遊離のヒドロキシル基がエーテル化又はエステル化されて一群の物質を生じさせ、これは水に溶解して粘ちょうな溶液を生じる。この一群の物質は、アルキル及びヒドロキシアルキルセルロース、特に、メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、を含む。合成石油ベースの水溶性ポリマーは、好適なモノマーの直接的重合によって調製され、その代表的なものは、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、及びポリエチレンイミンである。
【0063】
染料及び香料
溶液は場合により、様々な染料、香料を含む付臭剤及び他の美観促進剤を含むことができる。好ましい染料は、FD&C染料、D&C染料などを含む。
【0064】
開示のより完全な理解のために、以下の実施例がいくつかの実施態様を例解するために示される。これらの実施例及び実験は、例示的であって、制限的なものでないと理解されるべきである。特に指示されない限り、すべての部は重量による。
【実施例】
【0065】
実施例1
実施例1の目的は、ペルオキシゲン溶液中の過酸化水素及びペルオキシ酢酸のレベルに対するカタラーゼ酵素の影響を特徴づけすることであった。様々なレベルのカタラーゼ酵素Optimase(登録商標)CA 400L(Genencor International, Rochester, NY)を、25℃でペルオキシゲン溶液に添加して、10分間混合しながら保持した。酵素濃度は、活性酵素の濃度を測定することは留意すべきである。ペルオキシゲン溶液は、Oxonia Active(登録商標)(Ecolab Inc., St. Paul, MN)から調製し、そして、実験開始時には、2952ppmの過酸化水素及び650ppmのペルオキシ酢酸を含有していた。10分間の露出後、過酸化水素及びペルオキシ酢酸のレベルを測定した。
【0066】
結果を図1に示し、カタラーゼのペルオキシゲン溶液への添加が、過酸化水素の顕著な除去を引き起こしたが、ペルオキシ酢酸の有意な除去はもたらさなかったことを実証した。
【0067】
実施例2
実施例2の目的は、ペルオキシゲン溶液中の過酸化水素及びペルオキシ酢酸のレベルに対する還元剤、重亜硫酸ナトリウムの影響を特徴づけすることであった。様々なレベルの重亜硫酸ナトリウム(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)を、25℃でペルオキシゲン溶液に添加し、30分間保持した。ペルオキシゲン溶液は、Oxonia Active(登録商標)(Ecolab Inc., St. Paul, MN)から調製し、そして、実験開始時には225ppmの過酸化水素及び50ppmのペルオキシ酢酸を含有した。30分間の露出後、過酸化水素及びペルオキシ酢酸のレベルを測定した。
【0068】
結果を図2に示し、そしてペルオキシゲン溶液への重亜硫酸ナトリウムの添加が、過酸化水素及びペルオキシ酢酸の顕著な除去をもたらしたことを実証する。過酸化水素の除去の割合は、ペルオキシ酢酸の除去の割合に比例した。
【0069】
実施例3
実施例3の目的は、カタラーゼを用いた、ペルオキシゲン溶液からの過酸化水素の除去に対する、露出時間の影響を特徴付けすることであった。カタラーゼ酵素、Optimase(登録商標)CA 400L(Genencor International, Rochester, NY)を、ペルオキシゲン溶液に添加して、最終濃度0.116mg/Lとなった。ペルオキシゲン溶液は、Oxonia Active(登録商標)(Ecolab Inc., St. Paul, MN)から調製し、実験開始時に、2893ppmの過酸化水素及び634ppmのペルオキシ酢酸を含有した。2分の間隔で、過酸化水素レベルを測定した。
【0070】
図3に結果を示し、ペルオキシゲン溶液へのカタラーゼの添加が、開始レベルの過酸化水素の約50、90及び99%を、1、5、及び10分でそれぞれ除去したことを実証する。
【0071】
実施例4
実施例4の目的は、カタラーゼを用いた、ペルオキシゲン溶液からの過酸化水素の分解に対する、露出温度の影響を特徴付けすることであった。様々なレベルのカタラーゼ酵素Optimase(登録商標)CA 400L(Genencor International, Rochester, NY)を、異なる温度のペルオキシゲン溶液に添加した。ペルオキシゲン溶液は、Oxonia Active(登録商標)(Ecolab Inc., St.Paul, MN)から調製し、実験開始時には約2950ppmの過酸化水素及び約650ppmのペルオキシ酢酸を含有した。10分間の露出後、過酸化水素のレベルを測定した。開始濃度におけるわずかな相違を明らかにするためにデータを正規化し、線形モデルに適合させるためにlog変換した。
【0072】
結果を図4に示し、ペルオキシゲン溶液中の過酸化水素の分解に関するカタラーゼの有効性が、約25〜50℃の温度範囲内でより効果的であったことを実証している。ペルオキシゲン溶液中の過酸化水素の除去に関するカタラーゼの有効性は、50℃超及び4℃の温度において減少した。
【0073】
実施例5
実施例5の目的は、2つの異なるプロセス:(1)還元剤、重亜硫酸ナトリウムのみを用いるプロセス、及び(2)カタラーゼ酵素に続いて重亜硫酸ナトリウムを用いるプロセス、を用いて中和されたペルオキシゲン溶液中のTDSのレベルを比較することであった。第一の実験においては、最小レベルの重亜硫酸ナトリウム(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)をペルオキシゲン溶液に添加して、過酸化水素及びペルオキシ酢酸の両方を分解した。第二の実験においては、第一のステップにおいて、最小レベルのカタラーゼ酵素Optimase(登録商標)CA 400L(Genencor International, Rochester, NY)をペルオキシゲン溶液に添加して、25℃においてわずか10分間以内で過酸化水素を分解した。第二のステップにおいては、最小レベルの重亜硫酸ナトリウムをペルオキシゲン溶液に添加して、残ったペルオキシゲン化合物を分解した。両実験におけるペルオキシゲン溶液を、Oxonia Active(登録商標)(Ecolab Inc., St. Paul, MN)から調製し、実験開始時には、2952ppmの過酸化水素及び650ppmのペルオキシ酢酸を含有した。
【0074】
結果を表1に示し、そして還元剤、重亜硫酸ナトリウムのみを用いて処理した(プロセス1)ペルオキシゲン溶液中のTDSのレベルが、カタラーゼ酵素に続いて重亜硫酸ナトリウムを用いるプロセス(プロセス2)よりも13.6倍高かったことを実証している。
【0075】
【表2】

【0076】
実施例6
実施例6の目的は、実施例5に記載のプロセス2の変法、具体的には、添加の順序を逆にしたプロセス(すなわち、最初に重亜硫酸ナトリウム、そしてカタラーゼを添加した)、を用いて処理したペルオキシゲン溶液中の総ペルオキシゲン化合物のレベルを比較することであった。この新しいプロセスを、プロセス3と呼ぶ。この実験においては、第一のステップにおいて、実施例5、プロセス2において使用したと同じレベルの重亜硫酸ナトリウム(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)をペルオキシゲン溶液に添加した。第二のステップにおいては、実施例5、プロセス2において使用したと同じレベルのカタラーゼ酵素Optimase(登録商標)CA 400L(Genencor International, Rochester, NY)をペルオキシゲン溶液に添加した。実験において使用したペルオキシゲン溶液は、Oxonia Active(登録商標)(Ecolab Inc., St. Paul, MN)から調製し、そして、実験開始時には、2886ppmの過酸化水素及び636ppmのペルオキシ酢酸を含有した。
【0077】
結果を表2に示し、添加の順序を逆にすること(すなわち、最初に還元剤、そして酵素を添加すること)は、ペルオキシゲン化合物の分解において有効でなかったことを示している。
【0078】
【表3】

【0079】
実施例7
実施例7の目的は、ペルオキシゲン化合物に対する酵素の比率を変化させた場合に、ペルオキシゲン溶液中の過酸化水素分解の効率がいかに影響されるかを特徴付けすることであった。カタラーゼ酵素Optimase(登録商標)CA 400L(Genencor International, Rochester NY)を、2つの異なるペルオキシゲン溶液に添加して、0.039mg/Lの最終酵素濃度とした。ペルオキシゲン溶液は、Oxonia Active(登録商標)(Ecolab Inc., St. Paul, MN)から調製し、実験開始時に2943ppmの過酸化水素及び650ppmのペルオキシ酢酸(ペルオキシゲン溶液1)又は、実験開始時に577ppmの過酸化水素及び129ppmのペルオキシ酢酸(ペルオキシゲン溶液2)を含有した。55℃において10分間露出後、過酸化水素のレベルを測定した。
【0080】
結果を表3に示し、そして、過酸化水素に対する酵素の比率が増加すると、ペルオキシゲン溶液中の過酸化水素の分解がより効果的であることを実証している。したがって、ペルオキシゲン溶液が希釈される前に、規定量の酵素をペルオキシゲン溶液に添加することが好ましいと言える。
【0081】
【表4】

【0082】
実施例8
実施例8の目的は、商業規模の飲料プラントの品質保持期限延長食品の包装ラインに対する、開示された方法の有効性を決定することであった。試薬の用量、接触時間及び温度の影響も評価した。
【0083】
様々な濃度のOxonia Activeを、包装ライン上の容器に適用した。容器を処理後、使用済みのペルオキシゲン溶液を集めた。様々な濃度のカタラーゼ酵素(Optimase CA-400L)を溶液に添加し、反応させた。その後、様々な濃度のBC1002(Ecolab Inc., St. Paul, MNから商業的に入手可能な、30%メタ重亜硫酸ナトリウム溶液)を、溶液に添加し、反応させた。酵素とメタ重亜硫酸ナトリウムの添加後にサンプルを集め、そして分析した。結果を以下に示す。
【0084】
表4は、20分間の接触時間における5,000部の過酸化水素に対する1部のカタラーゼの用量が、概して、過酸化水素濃度を、使用した試験方法の検出限界未満まで減少させることを示す。より高濃度では、わずか10分間で減少した。
【0085】
【表5】

【0086】
表5は、温度が上昇すると、カタラーゼによる過酸化水素の分解が増加することを示し、これは、低濃度のペルオキシゲンを含む組成物にとって望ましいかもしれない。
【0087】
【表6】

【0088】
表6及び7は、10分間の接触時間において、過酢酸の1部あたり、BC1002(30%メタ重亜硫酸ナトリウム)由来のメタ重亜硫酸ナトリウムの1.75〜2.6部の用量が、過酢酸の濃度を適切に減少させたことを示す。
【0089】
【表7】

【0090】
【表8】

【0091】
表8は、1部の過酢酸に対して1.75部のメタ重亜硫酸ナトリウムの比率における、BC1002(30%メタ重亜硫酸ナトリウム)中のメタ重亜硫酸ナトリウムが過酢酸濃度を減少させる能力に対する温度の効果を決定した。表8は、過酢酸の減少に対して温度は非常にわずかな効果を有することを示す。
【0092】
【表9】

【0093】
表9は、メタ重亜硫酸ナトリウム及び過酢酸の間の反応に対する、過酢酸の開始濃度及び接触時間の効果を決定した。表9は、1.75:1の比率のBC1002のメタ重亜硫酸ナトリウムと過酢酸の反応が、概して10分未満で完了したようであるが、過酢酸のより高い開始濃度ではより少ない残留物を得たようでもあることを示し、反応速度が濃度依存的であることを示唆している。
【0094】
【表10】

【0095】
上記の要約、詳細な説明及び実施例は、開示及びいくつかの特定の実施例を理解するための妥当な基礎を提供する。本発明は様々な実施態様を包含することができるため、上記の情報は、制限的であることを目的としない。本発明は、請求項中に存在する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペルオキシゲン溶液の処理方法であって、以下のステップ:
a)過酸及び過酸化水素を含む最初のペルオキシゲン溶液を集め;
b)前記最初のペルオキシゲン溶液に酵素を添加し;そして、
c)前記最初のペルオキシゲン溶液に還元剤を添加し、ここで、前記還元剤によって分解される前記ペルオキシゲン化合物の1部あたり、少なくとも0.1部の前記ペルオキシゲン化合物が前記酵素によって分解され;
d)前記酵素及び還元剤の添加の結果として、処理済みペルオキシゲン溶液を形成する、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記過酸が、以下の:過酢酸、過オクタン酸及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記酵素が、以下の:カタラーゼ、ペルオキシダーゼ及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記還元剤が、以下の、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、二酸化イオウ、チャコール、活性炭、アスコルビン酸、エリソルビン酸、金属触媒、UV光、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記最初のペルオキシゲン溶液のpHが、約1〜約10である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記最初のペルオキシゲン溶液の温度が、約1℃〜約70℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記最初のペルオキシゲン溶液中の前記ペルオキシゲン化合物の濃度が、約1ppm〜約50000ppmである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記最初のペルオキシゲン溶液が、食品及び飲料プラント、ヘルスケア施設、キッチン、レストラン、クリーニング店又は廃水処理プラントにおける汚染除去プロセス、漂白プロセス又は酸化プロセスから集められる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記処理済みペルオキシゲン溶液が、以下の:浮上分離法、沈降、軟凝集、pH調整、ろ過、好気的生物学的プロセス、嫌気的生物学的プロセス、浄化、消毒及びそれらの組み合わせからなる群から選ばれるプロセスを用いてさらに処理される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記処理済みペルオキシゲン溶液が、施設において再使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記処理済みペルオキシゲン溶液が、環境中へ排出される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記処理済みペルオキシゲン溶液中の前記ペルオキシゲン化合物の濃度が、約0.1ppm〜約1000ppmである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記処理済みペルオキシゲン溶液中の総溶解固形分の増加が、10000ppmを超えない、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記最初の又は処理済みペルオキシゲン溶液が、以下の:カルボン酸、安定化剤、ヒドロトロープ、界面活性剤、消泡剤、腐食防止剤、レオロジー調整剤、染料、香料、水、糖、塩、脂肪、油、タンパク質、でんぷん、洗剤、ミネラル、土、血液及びそれらの混合物から成る群から選ばれる材料をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記酵素及び還元剤が、前記ペルオキシゲン溶液が汚染除去、漂白又は酸化プロセスにおいて使用された後であるが、それが他の廃水流と併合される前に、前記ペルオキシゲン溶液に添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記酵素及び還元剤が、前記ペルオキシゲン溶液が汚染除去、漂白、又は酸化プロセスにおいて使用され、そして他の廃水流と併合された後に、前記ペルオキシゲン溶液に添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記酵素及び還元剤が、前記汚染除去、漂白又は酸化プロセスと同じ場所において添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記酵素及び還元剤が、公設処理場プラント、産業廃棄物処理施設、又は都市若しくは産業エネルギー回収施設においてプロセスに添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ペルオキシゲン溶液の処理方法であって、以下のステップ:
a)過酸化水素を含む最初のペルオキシゲン溶液を集め;
b)前記ペルオキシゲン溶液に酵素を添加し;
c)前記ペルオキシゲン溶液に還元剤を添加し、ここで、前記還元剤によって分解される前記ペルオキシゲン化合物の1部あたり、少なくとも0.1部の前記ペルオキシゲン化合物が前記酵素によって分解され;そして、
d)前記酵素及び還元剤の添加の結果として、処理済みペルオキシゲン溶液を形成する、
を含む、前記方法。
【請求項20】
ペルオキシゲン溶液の処理方法であって、以下の:
a)汚染除去、漂白、又は酸化プロセスの前又はその間に、ペルオキシゲン溶液に酵素を添加し;そして、
b)前記汚染除去、漂白、又は酸化プロセスが完了した後に、前記ペルオキシゲン溶液に還元剤を添加し、ここで、前記還元剤によって分解される前記ペルオキシゲン化合物の1部あたり、少なくとも0.1部の前記ペルオキシゲン化合物が前記酵素によって分解され;
c)前記酵素及び還元剤の添加の結果として、処理済みペルオキシゲン溶液を形成する、
を含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−521116(P2013−521116A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555528(P2012−555528)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050873
【国際公開番号】WO2011/107942
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(510250467)イーコラブ ユーエスエー インコーポレイティド (16)
【Fターム(参考)】