説明

ペーパーウェブを艶出し処理する光沢機

【課題】広範囲にわたってペーパーウェブの艶出しをする光沢機とコストとエネルギーを節約できる方法を提供する。
【解決手段】特に、グラビア印刷に適した紙から成り、各々の場合において、上部と下部エンドロール(4.1,4.2)および中間エンドロール(5.1,5.2,5.3,5.4)を有する少なくとも1つロールスタックを備え、2つのエンドロール(4.1)の一方が、ペーパーウェブ(2)の案内に依存して、ロールスタックの第1の加工ニップ(3)の範囲を定め、ソフトニップの形態で、ロード可能加工ニップを形成するため、ロール(4.1,4.2,5.1,5.2,5.3,5.4)が、ハードロール(4.1,5.2,5.4)とソフトロール(5.1,5.3,4.2)である、ペーパーウェブ(2)の艶出しを行う光沢機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペーパーウェブを艶出し処理する光沢機(calender)に関し、特に、請求項1の前提部に従うグラビア印刷に適した紙から成るペーパーウェブ(paper web)を艶出し処理する光沢機(calender)に関する。
【背景技術】
【0002】
仕上げ面の品質(surface quality)を向上させるために、ペーパーウェブの艶出しが行われる。グラビア印刷に適し、上用紙(high quality papers)に属する紙は、特に、大きな平滑度(smoothness)が要求される。EP 0 886 695 B1は、ペーパーウェブの艶出しをする光沢機を開示しており、これは、加工ニップ(working nips)として、一つのハードロールと一つのソフトロールの各々の場合の間の、ソフトニップとして知られているものを形成する複数のロールを有している。複数の加工ニップを有することで、満足のいく印刷結果を得るのに重要な平滑度の高い艶出しを可能にする。
【0003】
しかし、オンラインまたはオフライン動作時の高速な機械速度では、この目的のために高温を選択する必要がある。ところが、高温にすると、ペーパーウェブ表面上の角質化(hornification)を引き起こす可能性がある。このことは、グラビア印刷に不利益な効果を与えてしまう。またさらに、周囲への大きな熱損失は、加熱されたロールのロール表面の高温部で発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、広範囲にわたってペーパーウェブの艶出しをする光沢機およびコストとエネルギーを節約できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴により達成される。
【0006】
その結果として、第1の加工ニップに入る前に、加工ニップの艶出し時に、最適の温度プロファイルを得るために、ペーパーウェブが、前処理部位を通過する光沢機を提供する。このために、ロールスタックの加熱されたロールのロール表面温度は、選択可能な含水量で、各々のペーパーウェブの可塑化温度よりも多少高い温度のみを選択することが要求される。例えば、10〜30度だけ高い高温のロール表面温度で加工ニップの艶出しを行うことができる。
【0007】
ハードな加熱されたロールと比較して、各々の第1のニップの範囲を定めるエンドロールの直径が大きくなるほど、ニップの長さと比較して長い処理部位を構成することを可能にする。結果的に、ソフトニップと拡張ソフトニップ(幅広ニップ)を備えたマルチニップ光沢機の艶出し効果を増大させることが可能である。
このことは、特に、SC−A,SC−B,LWC紙に当てはまる。エネルギーを節約することで、熱放散と加熱されたロールの強制対流を低減させる。さらに、熱損失量が低減されるので、熱伝導効率が大きくなる。
【0008】
循環ベルトの好適には弾性である面と共に、ウェブ処理ニップの滞留時間(dwell time)を増加させると、ペーパーウェブの加熱を著しく改善することができる。ペーパーウェブが加熱されたロールに対して均一に押圧され、例えば、熱伝導を妨害するかも知れない凹凸(unevenness)に起因する空気クッションが大幅に回避される結果になるので、満足のいく熱伝導を得ることができる。従って、提案した光沢機の利点は、ペーパーウェブがロールスタックの加工ニップを走行する直前の、循環ベルトの構成と共に、ペーパーウェブを加熱する拡大滞留部位(extended dwell section)から得られる。
ウェブ処理ニップのペーパーウェブの拡大加熱の結果として、技術的に要求される深さまで、ペーパーウェブの均一な加熱が可能である。このために、80〜160度の範囲のロール表面温度で通常十分である。温度作用の時間延長のために、温度レベルが低下される。熱機械的艶出し動作の温度レベルの低下は、ペーパーウェブを用いる繊維状材料可塑化温度のその含水量のみによって実質的に決定される。ここで、ベルトの好適には弾性である面により、接触圧が均一になるので、加熱されたロールからペーパーウェブへの熱伝導を均一にする。
【0009】
接触圧は、好適には、ベルトの引張力により設定される。ベルトの接線方向の引張力により、通常、プラスチック、ゴム、プラスチック被覆キャリア材、あるいはゴム被覆キャリア材から成るベルトに、径方向の引張力よりもはるかに小さな荷重が加わる。径方向引張力の場合、プラスチックは、層集成体の積層が剥離する傾向がある。ベルトの熱荷重は小さいため、ベルトの製品寿命が長くなる。
【0010】
本発明に係る光沢機は、艶出し作業のコストとエネルギーを節約するように、ニップの圧力と温度を同時に用いることで、予想される利点と効果を実現することに成功した。
【0011】
熱の所望の浸透深さを達成するのに必要なウェブ処理ニップの滞留時間は、案内ロールを用いて、加熱されたロールの円周に対する押圧の長さを調節することで最適化できる。
【0012】
ウェブ処理ニップの制御された局所圧力増加は、プレスロールとして付加的に動作する循環ベルトの案内ロールにより、好適には設定できる。
【0013】
本発明のさらなる改良点は、以下の説明と従属請求項から知ることができる。
以下において、添付図面に示す例示的実施形態を用いて、本発明を以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の例示的実施形態に係る光沢機を図式的に示す。
【0015】
【図2】第2の例示的実施形態に係る光沢機を図式的に示す。
【0016】
【図3】第3の例示的実施形態に係る光沢機を図式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、特に、グラビア印刷に適した紙から成るペーパーウェブ2を艶出しする光沢機1に関する。図1は、各々の場合において、上部エンドロール4.1、下部エンドロール4.2、および中間エンドロール5.1,5.2を有する、少なくとも1つのロールスタックを備える第1の例示的実施形態に係わる光沢機を図式的に示す。走行方向Lのペーパーウェブ2の案内に依存して、2つのエンドロールのうちの一方、ここでは、上部エンドロール4.1が、ロールスタックの第1の加工ニップ3の範囲を定める(delimits)。ロールスタックは、ソフトニップの形態でロード可能な加工ニップを形成するために、ハードロール4.1,5.2およびソフトロール5.1,4.2として構成された、複数のロール4.1,4.2,5.1,5.2を備えている。第1の加工ニップ3の範囲を定めるエンドロール4.1は、ハードな加熱されたロールで、その直径は、ハードな加熱された中間ロール5.2の直径よりも大きい。またさらに、エンドロール4.1の外壁は、第1の加工ニップ3の上流に配設されたウェブ処理ニップ8の接触面10を形成している。ウェブ処理ニップ8の他の接触面9は、案内ロール11,12,13上で循環するベルト14により形成される。そのため、拡張処理部位とウェブ処理ニップ8を構成する、2つの接触面9,10を有している。
【0018】
ウェブ処理ニップ8は、好適には、ハードな加熱されたエンドロール4.1の巻付角度に沿って延びている。循環ベルト14は、ペーパーウェブ2に対向する側面上に弾性面を有する。案内ロール11,12,13は、ウェブ処理ニップ8のペーパーウェブ2に圧力負荷を加えるベルト14のベルト引張力を制御する。
【0019】
第1の加工ニップ3の範囲を定めるエンドロール4.1の直径は、1.2〜2.0mの範囲にある。ハードな加熱された中間ロール5.2の直径は、0.6〜1.2mの範囲にある。エンドロール4.1,4.2は、好適には、横断方向のペーパーウェブの特性プロファイル(property profiles)の同時調整をする、制御された撓みロール(deflection rolls)である。全てのロール4,1,4.2,5.1,5.2は、好適には、専用の電力駆動を備えている。ロールスタックのロールのスタッキングは、垂直、水平、または斜めに配設できる。
【0020】
ロールスタックは、少なくとも1つの端部荷重円筒により、および/または個々の荷重要素により荷重を加えることができ、これらはロール4,1,4.2,5.1,5.2に作用し、それにより、加工ニップの各々の線荷重を設定できる。光沢機は、オンラインまたはオフランで用いることができる。
【0021】
ソフトニップ3のニップの長さは、ソフトロールまたは弾性ベルトを有するシューロールとしてのロールの種類に依存して、3〜40mmの範囲にあるのが好ましい。加熱されたエンドロール4.1は、各々のペーパーウェブ2とその含水量の可塑化温度の関数として、例えば、80〜160度のロール表面温度に加熱される。
【0022】
接触面9は循環接触面であり、案内ロール11,12,13上を循環するベルト14により形成される。他の接触面10は、ハードな加熱されたロール4.1の循環外壁により形成される。ウェブ処理ニップ8は、加熱されたロール4.1の巻付角度に沿って延びている。ウェブ処理ニップ8の長さを変化させる巻付角度は、ペーパーウェブ2への熱の所望の浸透深さの関数として設定できる。選択可能滞留時間は、加熱されたエンドロール4.1の円周上のベルト14の押圧の長さを調節することで、案内ロール11,12,13を用いて最適化される。ロール4.1の円周上の押圧の長さは、好適には、0.25〜5.0mまで可変に設定できる。
【0023】
循環ベルト14は、熱伝導の熱効率を向上させるために、弾性面を有する加熱されたロール4.1に対してペーパーウェブを押圧する。
【0024】
ウェブ処理ニップ8の接触圧は、ベルト14の引張力により設定される。ベルト14の最大引張応力は、200KN/mに制限することが好ましい。ウェブ処理ニップ8の前処理領域で達成できる圧縮応力は、例えば、0.01〜0.5MPaの範囲の値を想定できる。これは、ベルト引張力と加熱されたエンドロール4.1の選択された寸法に依存している。
【0025】
ウェブ処理ニップ8に入る前に、ペーパーウェブ2は、部分的部位に沿って加熱されたエンドロール4.1の周囲に巻き付けることができる。
【0026】
加熱されたエンドロール4.1の表面温度は、好適には、ベルト14の下のペーパーウェブ2の滞留時間内で、艶出し動作の各々の目的のために、ガラス転移温度が最適な浸透深さで達成されるように調節される。高品質の艶出しをするには、約10μmの浸透深さで十分である。表面温度、およびウェブ処理ニップ8の前処理部位の長さは、ペーパーウェブ2の可塑化される表面領域のガラス転移温度を実質的に超えない温度で、動作が可能になるように最適化される。このようにして前処理され、ノズルおよび/または蒸気湿潤装置(steam moisteners)を備えた光沢機1の上流側で湿らされたペーパーウェブ2は、ニップ3の前処理部位の直後、および後続のニップで艶出しされる。ニップ3は、加熱されたエンドロール4.1の巻部の直後に配設される。もし技術的に要求されれば、光沢機1の直後または間を湿らせることも可能である。
【0027】
循環ベルト14は、ベルト14の引張力により設定できる、接触圧を均一にする弾性面を有することが好ましい。加熱されたエンドロール4.1から発せられたペーパーウェブ2への熱伝導は、このように構成された循環ベルト14により、周囲に対してウェブ処理ニップ8で熱的に遮蔽される。周囲への熱放散が低減されるので、ペーパーウェブ2への熱の伝導は改善される。もし弾性面が熱絶縁体である場合には、ペーパーウェブ2への熱伝導はさらに改善される。従って、循環ベルト14の弾性面は、10W/mK以下、より好ましくは5W/mK以下、最も好ましいのは1W/mK以下の熱伝導率を有する材料で形成するのが好ましい。弾性面の硬度は、50Shore A〜92 ShoreDの範囲にあるのが好ましい。
【0028】
ベルト14は、1つ以上の弾性層を備えた平坦なキャリア材から形成するのが好ましい。高強度のプラスチックファイバ、グラスファイバ、またはカーボンファイバを、キャリア材として使用することができる。この種の複合材料は、高引張強度を有している。ベルトの機械的強度を高めるには、上述したファイバから成る補助繊維ベルトまたは補助ベルトも組み込むことができる。またさらに、循環ベルト14は、弾性層が設けられたキャリア材から構成できるので、キャリア材を金属または金属帯板から形成することも可能である。十分に薄い、弾性層である場合、金属硬度により、循環ベルト14に対向するペーパーウェブ2のその側面を確実に艶出しできる。ベルト14の弾性面の粗さは、0.5〜5μmの範囲にあるのが好ましい。ベルト14の弾性面の既存の平滑度は、ペーパーウェブ2の平滑度として再現できる。ベルト14は、例えば、熱耐性表面被覆(heat resistant coating)を有し、例えば、シリコンから形成されている。熱耐性表面被覆により、高摩耗強度と平滑面を実現する。
【0029】
ウェブ処理ニップ8の前処理部位も、特に、ペーパーウェブ2を事前平滑するのに役立つ。
【0030】
またさらに、循環ベルト14は、7%以下の低伸長のみを有することが好ましい。ベルト14の引張応力のために、ベルト14のベルト引張力の設定時に起こる伸長は、艶出しを中断させない。ベルト14は、少なくともペーパーウェブ2と同じ厚さを有している。ベルト14の厚さは、その幅と長さに依存しており、4〜20mmの間であってよい。
【0031】
案内ロール11,13の少なくとも1つは、追加径方向圧力荷重により、走行方向Lの部位に沿って、ベルト14をウェブ処理ニップ8に押圧するプレスロールとして構成できる。案内ロール11,13は、好適には、ウェブ処理ニップ8の入口側、および/または出口側上のプレスロールとして構成されている。ここで、径方向圧力荷重は、出口側よりも入口側上で低く、または逆に設定できる。この種のプレスロールは、制御された撓みロールであってもよい。
【0032】
図1は、ベルト14が、60度を越える温度だけ、加熱されたハードロール4.1の周囲に巻かれた光沢機1を示す。巻付角度は、60〜270度の範囲の値にあることが好ましい。循環無端ベルト14は、加熱されたロール4.1の周囲にループ状に3つの案内ロール11,12,13により案内されている。ここで、ベルト14は、案内ロール12により引っ張られる。ペーパーウェブ2に加わるベルト14の接触圧は、この引張力により定義される。ベルト14の引張力を大きくすると、ペーパーウェブ2の接触圧も大きくなり、ペーパーウェブ表面の平坦化、すなわち事前平滑化(presmoothening)を促進する。
【0033】
ウェブ処理ニップ8で調節されたペーパーウェブ2は、同じ加熱されたロール4.1で構成された直後のニップ3およびロール5.1,5.2および4.2で構成された後続のニップで最終的に艶出しされる。この連続したニップの線荷重は、達成される艶出し効果に適合できる。2〜55N/mm2の中間圧縮応力を、紙を用いてニップ中で設定できる。上述した範囲の上部領域の圧縮応力により、SC,LWC,およびMWC紙、または上質コーティング紙(wood-free coated papers)などの上質紙の艶出しを可能にする。2つのロール4.1,5.1の間にベルト14を案内することなく、2つのロール4.1,5.1を直接押圧することで正確なプロファイル規定(profile regulation)が可能である。製造許容誤差または熱膨張による、おそらく、存在するであろういかなるベルト14の厚さの差も艶出し結果に影響を与えない。
【0034】
加熱されたエンドロール4.1の温度とベルト14の下に形成された処理部位の長さは、表面に近いペーパーウェブ2のその領域のみが実質的に加熱され、ペーパーウェブ2の内側が可塑化温度またはガラス転移温度以下を維持する調節部位が生成されるように設定される。表面に近く、可塑化温度以上に加熱される、ペーパーウェブ2のその層の厚さは、ペーパーウェブ表面の最大の凹凸よりも数倍大きい。そのため、加熱される層の厚さは、処理されるペーパーウェブ2の粗さに依存している。ウェブ処理ニップ8の長さと走行方向Lのペーパーウェブ2の速度は、ウェブ処理ニップ8中のペーパーウェブ2の滞留時間を定義するので、ペーパーウェブ2への熱浸透深さと変形温度まで加熱される層の厚さも定義する。
【0035】
境界層のペーパーウェブ2に混入される周囲の空気は、加熱されたエンドロール4.1からペーパーウェブ2への熱伝導を阻害する。熱伝導の大幅な改善は、境界層を除去することで達成される。このことは、例えば、加熱されたエンドロール4.1の外壁とウェブ処理装置7の上流の入口側のペーパーウェブ2の表面との間で接着接触する接触部を介して起り得る。またさらに、案内ロール11を加熱されたエンドロール4.1に対し押圧することが適切である。これらの処置の結果として、熱伝導を阻害する境界層は、ペーパーウェブ2の走行方向に抗してずれて、ウェブ処理ニップ8中の熱伝導をさらに増大させることができる。
【0036】
図2は、ペーパーウェブ2の走行方向に互いの背後に配設された、光沢機1の2つのロールスタックを備えた光沢機の構成を示す。その結果、ペーパーウェブ2の両側の艶出しが可能である。図示した光沢機の構成において、最初に、下部ペーパーウェブ側が、第1のロールスタックのニップ中で艶出しされ、続いて、上部ペーパーウェブ側が、第2のロールスタックのニップ中で艶出しされる。加熱されたロール4.1,5.2の温度と2つのロールスタック中の線荷重は、互いに独立して設定できる。その結果、艶出し結果(ペーパーウェブの両側の異なる平滑度)に対する、ペーパーウェブ2の両面性(two-sideness)を最小化できる、または所望により、目標の両面性も設定できる。代替方法として、上部ペーパーウェブ側も最初に艶出しできる。
【0037】
図3は、複数のハードな加熱された中間ロール5.1,5.3を備え、その全ての直径が、第1のニップ3の範囲を定める上部エンドロール4.1の直径よりも小さいマルチニップ光沢機を示す。同じことが、下部エンドロール4.2が、第1のニップ3の範囲を定める代替的実施形態についても言える。その他の点では、上記の説明は相応して適用される。ニップとニップを構成するロール数は、達成されるペーパーウェブ2の平滑度により決定される。図3は、6つのロールを備えるロールスタックを示す。代替例として、ロールスタックは、8ないし10のロールも備えてもよい。
【0038】
例示的追加実施形態(図示せず)によれば、追加ウェブ処理ニップを、加熱中間ロール5.2,5.4に設けることができる。
【0039】
上記で説明した例示的実施形態の場合、ベルト14をウェブ処理ニップ8の外部で冷却できる。ベルト14の戻り領域は、冷却位置として設けることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペーパーウェブ(2)、特に、グラビア印刷に適した紙から成るペーパーウェブ(2)を艶出しする光沢機(1)であって、
該光沢機は、各々の場合において、上部と下部エンドロール(4.1,4.2)および中間エンドロール(5.1,5.2,5.3,5.4)を有する少なくとも1つロールスタックを備え、
前記2つのエンドロールの一方(4.1)が、ペーパーウェブ(2)の案内に依存して、前記ロールスタックの第1の加工ニップ(3)の範囲を定め、
ソフトニップの形態で、ロード可能加工ニップを形成するため、前記ロール(4.1,4.2,5.1,5.2,5.3,5.4)が、ハードロール(4.1,5.2,5.4)とソフトロール(5.1,5.3,4.2)であり、
ここで、前記第1の加工ニップ(3)の範囲を定める前記エンドロール(4.1)は、ハードな加熱されたロールであり、その直径が、ハードな加熱された中間ロール(5.2,5.4)の直径よりも大きく、その外壁(9)が、前記第1の加工ニップ(3)の上流に配設されたウェブ処理ニップ(8)の2つの接触面(9,10)の一方を形成し、他方の接触面(10)が、案内ロール(11,12,13)を循環するベルト(14)により形成されたことを特徴とする光沢機。
【請求項2】
前記ウェブ処理ニップ(8)は、前記ハードな加熱されたエンドロール(4.1)の巻付角度に沿って延びることを特徴とする請求項1に記載の光沢機(1)。
【請求項3】
前記循環ベルト(14)は、前記ペーパーウェブ(2)に対向する側面に弾性面を有することを特徴とする請求項1または2に記載の光沢機(1)。
【請求項4】
前記案外ロール(11,12,13)は、前記ウェブ処理ニップ(8)の圧力荷重のために、前記ベルト(14)のベルト引張力を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光沢機(1)。
【請求項5】
前記第1の加工ニップ(3)の範囲を定める前記エンドロール(4.1)の直径は、1.2〜2.0mの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光沢機(1)。
【請求項6】
前記ハードな加熱された中間ロール(5.2,5.4)の直径は、0.6〜1.2mの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光沢機(1)。
【請求項7】
前記ベルト(14)の前記弾性面は、10W/mK以下の熱伝導率を有する材料から構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光沢機(1)。
【請求項8】
少なくとも1つの案内ロール(11,13)は、追加径方向圧力を用いて、通過方向の部位に沿って前記ウェブ処理ニップ(8)の前記ウェブ(2)を押圧するプレスロールとして構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光沢機(1)。
【請求項9】
前記加熱されたエンドロール(4.1)の前記外壁(9)と前記ペーパーウェブ(2)の表面との間を接着接触する接触部位は、前記入口側の前記ウェブ処理ニップ(8)の上流に配設されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光沢機(1)。
【請求項10】
前記光沢機(1)は、各々の場合において、前記第1の加工ニップ(3)の上流の一つのウェブ処理ニップ(8)を有する2つのロールスタックを備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光沢機(1)。
【請求項11】
一つのロールスタックにおいて、前記上部エンドロール(4.1)は、前記第1の加工ニップ(3)の範囲を定め、他方のエンドロールスタックにおいて、前記下部エンドロール(4.1)は、前記第1の加工ロール(3)の範囲を定めることを特徴とする請求項10に記載の光沢機(1)。
【請求項12】
前記第1の加工ニップ(3)と同様に、前記ソフトニップの長さは、3〜40mmの範囲にあることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光沢機(1)。
【請求項13】
前記全てのロール(4.1,4.2,5.1,5.2,5.3、5.4)は、専用の電力駆動を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の光沢機(1)。
【請求項14】
ロールスタックのスタッキングは、垂直、水平、または斜めに配設されたことを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の光沢機(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−531536(P2012−531536A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518048(P2012−518048)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/003900
【国際公開番号】WO2011/000530
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(507392808)アンドリッツ キスタース ゲーエムベーハー (8)
【氏名又は名称原語表記】Andritz Kuesters GmbH
【住所又は居所原語表記】Eduard−Kuesters−Str.1,47805 Krefeld,Germany
【Fターム(参考)】