説明

ホイールの取付方法、及びハブ

【課題】軽合金ホイール7の取付作業の簡略化及び低コスト化を図りつつ、車両の走行中の振動を抑えて、車両の乗り心地性及び操縦安定性を向上させること。
【解決手段】
軽合金ホイール7をハブ5にセットした後に、芯出しコレット3の貫通穴11に芯出しボルト25を貫通させて、ネジ穴27にねじ込むことにより、コレット側テーパ3tをハブ側テーパ23tに圧接させつつ、芯出しコレット3の先端部をハブスリーブ23とホイールハブ穴31との間に挿入する。これにより、芯出しコレット3の先端部をハブスリーブ23に押付けつつ、芯出しコレット3の先端部によってホイールディスク29をホイールハブ穴31の内側から押圧して、ハブ5に対する軽合金ホイール7の芯出しを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハブにおけるハブフランジにホイールを取付けるホイールの取付方法、及びハブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のホイール取付構造について図5を参照して説明する。
【0003】
ここで、図5は、従来のホイール取付構造を説明する図である。
【0004】
図5に示すように、従来のホイール取付構造101は、車両のハブ103に軽合金ホイール(ホイールの一例)105をブレーキディスク107を介して取付けるための構造であって、従来のホイール取付構造101の具体的な構成は、次のようになる。
【0005】
即ち、軽合金ホイール105におけるホイールディスク109には、複数の取付穴111が円周方向に間隔を置いて形成されており、ブレーキディスク107における各取付穴111に整合する位置には、貫通穴113がそれぞれ形成されている。また、ハブ103におけるハブフランジ115には、複数のスタッドボルト(固定ボルトの一例)117が円周方向に間隔を置いて設けられており、各スタッドボルト117は、対応する取付穴111及び貫通穴113にそれぞれ貫通している。そして、各スタッドボルト117の先端部には、ホイールディスク109をハブフランジ115側へ押圧可能な押圧ナット119が螺合してそれぞれ設けられている。
【0006】
なお、図示は省略するが、ホイール取付構造101が複数のスタッドボルト117及び複数の押圧ナット119を備える代わりに、ホイールディスク109における各取付穴111に整合する位置にそれぞれ形成されたネジ穴と、各ネジ穴に螺合してそれぞれ設けられかつ取付穴111及び貫通穴113に貫通してあってホイールディスク109をブレーキディスク107側へ押圧可能な押圧ボルトとを備えることもある。
【0007】
ここで、ハブ103に対する軽合金ホイール105の芯出しを行うことができるように、各取付穴111の内周には、穴側テーパ111tが形成されており、各押圧ナット119(又は各押圧ボルトの頭部)の外周には、対応する穴側テーパ111tに圧接可能なナット側テーパ119t(又はボルト側テーパ)がそれぞれ形成されている。また、複数の穴側テーパ111t及び複数のナット側テーパ119t(又はボルト側テーパ)が形成される代わりに、ホイールディスク109の中央に形成されたホイールハブ穴121を、ハブフランジ115の一側に形成されたハブスリーブ123に嵌合可能に構成しても構わない。
【0008】
従って、ホイールディスク109の接合面をブレーキディスク107の接合面に接触又は対向させた状態の下で、複数の押圧ナット119(又は複数の押圧ボルト)を締め付けることにより、複数の押圧ナット119のナット側テーパ119t(又は複数の押圧ボルトのボルト側テーパ)を対応する取付穴111の穴側テーパ111tに圧接させつつ、複数の押圧ナット119(又は複数の押圧ボルト)によってホイールディスク109をハブフランジ115側へ押圧する。これにより、ハブ103に対する軽合金ホイール105の芯出しを行いつつ、ホイールディスク109とハブフランジ115を接合(締結)して、軽合金ホイール105をハブ103にブレーキディスク107を介して取付けることができる。
【0009】
また、ホイールハブ穴121をハブスリーブ123に嵌合可能に構成した場合には、ホイールディスク109とハブフランジ115を接合する前に、ホイールディスク109のホイールハブ穴121をハブスリーブ123に嵌合させることにより、ハブ103に対する軽合金ホイール105の芯出しを行う。
【0010】
なお、本発明に関連する先行技術として特許文献1及び特許文献2に示すものがある。
【特許文献1】特表2006−520445号公報
【特許文献2】特表2001−502992号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、取付穴111の位置公差及び穴側テーパ111tの位置公差を小さくすること、換言すれば、穴側テーパ111tの偏心精度(加工精度)を高めることが機械加工上の理由により困難であることから、ハブ103に対する軽合金ホイール105の芯出しを行う際に、穴側テーパ111tの位置公差の大きさ分の偏心誤差が生じ易く、軽合金ホイール105の芯出し精度を高めることは容易でない。また、スタッドボルト117とハブ103の嵌め合いに伴う誤差、スタッドボルト117と押圧ナット119のネジに起因する誤差も、軽合金ホイール105の芯出し精度を高めることの妨げになる。更に、ホイールハブ穴121をハブスリーブ123に嵌合可能に構成した場合にあっても、軽合金ホイールの105取付上の理由によりホイールハブ穴121の内周面とハブスリーブ123の外周面とのクリアランスが必要であることから、ハブ103に対する軽合金ホイール105の芯出しを行う際に、そのクリアランス分の偏心誤差が生じ易く、軽合金ホイール105の芯出し精度を高めることは容易でない。そのため、車両の走行中における振動が大きくなって、車両の乗り心地性及び操縦安定性を向上させることが困難になるという問題がある。
【0012】
一方、特許第3281496号公報に示すような技術を用いることによって軽合金ホイール105の取付時の偏心を解消しようとすると、専用の大掛かりな芯出し装置が必要になって、軽合金ホイール105の取付作業の煩雑化及び高コスト化を招くことになる。
【0013】
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができるため、専用の大掛かりな芯出し装置を用いることなく、ハブに対するホイールの芯出しを高精度に行うことができる、新規な構成のホイールの取付方法及びハブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の特徴(請求項1に記載の発明の特徴)は、ハブにおける円柱状(段付円柱状を含む)又は筒状(段付筒状を含む)のハブ本体の外周面に形成されたハブフランジにホイールを取付ける方法であって、前記ハブ本体の一端側に同芯上に形成された筒状のハブスリーブに、前記ホイールにおけるホイールディスクの中央に形成されたホイールハブ穴を遊嵌させるように、前記ホイールを前記ハブにセットする第1ステップと、前記第1ステップの終了後に、筒状の芯出しコレットを用い、前記芯出しコレットの先端部に形成されたコレット側テーパを、前記ハブスリーブの外周に形成されたハブ側テーパ及び/又は前記ホイールハブ穴の内周に形成されたホイール側テーパに圧接させつつ、前記芯出しコレットの先端部を前記ハブスリーブと前記ホイールハブ穴との間に挿入することにより、前記芯出しコレットの先端部を前記ハブスリーブに押付けつつ、前記芯出しコレットの先端部によって前記ホイールディスクを前記ホイールハブ穴の内側から押圧して、前記ハブに対する前記ホイールの芯出しを行う第2ステップと、前記第2ステップの終了後に、前記ホイールディスクと前記ハブフランジを接合(締結)する第3ステップと、前記第3ステップの終了後に、前記芯出しコレットの先端部を前記ハブスリーブと前記ホイールハブ穴との間から離脱させる第4ステップと、を備えたことを要旨とする。
【0015】
第1の特徴によると、前記コレット側テーパが筒状の前記芯出しコレットの先端部に形成されているため、旋盤等による機械加工によって前記コレット側テーパの偏心精度(加工精度)を容易に高めることができる。同様に、前記ハブ側テーパが筒状の前記ハブスリーブの外周に形成され、前記ホイール側テーパが前記ホイールハブ穴の内周に形成されているため、旋盤等による機械加工によって前記ハブ側テーパ及び前記ホイール側テーパの偏心精度(加工精度)を容易に高めることができる。そのため、前記コレット側テーパを前記ハブ側テーパ及び/又は前記ホイール側テーパに圧接させつつ、前記芯出しコレットの先端部を前記ハブスリーブと前記ホイールハブ穴との間に挿入するだけで、専用の大掛かりな芯出し装置を用いることなく、前記軽合金ホイールの芯出し精度を十分に高めることができる。
【0016】
本発明の第2の特徴(請求項2に記載の発明の特徴)は、第1の特徴に加えて、前記第2ステップにおいて、前記芯出しコレットにおける基端面に形成された貫通穴に芯出しボルトを貫通させて、前記ハブ本体の一端面に形成されたネジ穴にねじ込むことにより、前記コレット側テーパを前記ハブ側テーパ及び/又は前記ホイール側テーパに圧接させつつ、前記芯出しコレットの先端部を前記ハブスリーブと前記ホイールハブ穴との間に挿入すると共に、前記第4ステップにおいて、前記芯出しボルトを緩めて、前記芯出しボルトと前記ネジ穴との螺合状態を解除して、前記芯出しコレットの先端部を前記ハブスリーブと前記ホイールハブ穴との間から離脱させることを要旨とする。
【0017】
本発明の第3の特徴(請求項3に記載の発明の特徴)は、ホイールを取付可能なハブであって、円柱状又は筒状のハブ本体と、該ハブ本体の外周面に形成されたハブフランジと、前記ハブ本体の一端側に同心上に形成された筒状のハブスリーブと、を備え、前記ハブスリーブの外周に、前記ホイールの取付けに用いられる筒状の芯出しコレットの先端部に形成されたコレット側テーパと圧接可能な圧接部が形成され、前記ハブ本体の一端面に、前記芯出しコレットの基端面に形成された貫通穴を貫通した芯出しボルトと螺合可能なネジ穴が形成されたことを要旨とする。
【0018】
第3の特徴によると、前記ハブ側テーパが筒状の前記ハブスリーブの外周に形成されているため、旋盤等による機械加工によって前記圧接部の偏心精度(加工精度)を容易に高めることができる。そのため、筒状の芯出しコレットを用い、前記芯出しコレットの先端部に形成されたコレット側テーパを前記圧接部に圧接させつつ、前記芯出しコレットの先端部を前記ハブスリーブと前記ホイールハブ穴との間に挿入するだけで、専用の大掛かりな芯出し装置を用いることなく、前記軽合金ホイールの芯出し精度を十分に高めることができる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1から請求項3のうちのいずれかの請求項に記載の発明によれば、前記芯出しコレットの先端部を前記ハブスリーブと前記ホイールハブ穴との間に挿入するだけで、専用の大掛かりな芯出し装置を用いることなく、前記軽合金ホイールの芯出し精度を十分に高めることができるため、前記ホイールの取付作業の簡略化及び低コスト化を図りつつ、車両の走行中の振動を抑えて、車両の乗り心地性及び操縦安定性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態について図1から図4を参照して説明する。
【0021】
ここで、図1は、本発明の実施形態に係るホイール取付構造を含めて、本発明に係るホイールの取付方法を説明する図、図2は、図1における矢視部IIの拡大図、図3は、本発明の実施形態に係るホイールの取付方法を説明する図、図4は、本発明の実施形態に係るホイールの取付方法に用いる芯出しコレットの斜視図である。
【0022】
図1、図2、及び図4に示すように、本発明の実施形態に係るホイール取付構造1は、筒状の芯出しコレット3を用いて、車両のハブ5にアルミホイール等の軽合金ホイール7をブレーキディスク9を介して取付けるため構造である。
【0023】
ここで、芯出しコレット3の基端面の中央には、貫通穴11が形成されており、芯出しコレット3の先端部が拡縮方向へ弾性変形するように、芯出しコレット3には、先端側から基端側に向かって延びる複数のスリット13が形成されている。また、芯出しコレット3の先端部内周には、コレット側テーパ3tが形成されている。なお、芯出しコレットの先端部内周にコレット側テーパ3tが形成される代わりに(或いは形成されると共に)、芯出しコレットの先端部外周に別のコレット側テーパ(図示省略)が形成されるようにしても構わない。
【0024】
ハブ5は、ナックル15にベアリング17を介して回転可能に支持された段付円柱のハブ本体19と、このハブ本体19の外周面に形成されたハブフランジ21と、ハブ本体19の一端側に同芯上に形成された筒状のハブスリーブ23とを備えている。なお、ハブ本体19は、円柱状(段付円柱状を含む)でなく、円筒状(段付円筒状を含む)であっても構わない。また、ハブスリーブ23の外周には、コレット側テーパ3tに圧接可能な圧接部としてのハブ側テーパ23tが形成されている。更に、ハブ本体19の一端面には、芯出しコレット3の貫通穴11を貫通した芯出しボルト25と螺合可能なネジ穴27が形成されている。
【0025】
軽合金ホイール7は、ホイールディスク29と、このホイールディスク29の周縁に形成されたホイールリム(図示省略)とを備えている。また、ホイールディスク29の中央には、ハブスリーブ23に遊嵌可能なホイールハブ穴31が形成されている。なお、ホイールハブ穴31の内周に別のコレット側テーパに圧接可能なホイール側テーパ(図示省略)が形成されるようにしても構わない。
【0026】
続いて、本発明の実施形態に係るホイール取付構造1の具体的な構成について説明する。
【0027】
即ち、ホイールディスク29には、複数の取付穴33が円周方向に等間隔に形成されている。また、ブレーキディスク9における各取付穴33に整合する位置には、貫通穴35がそれぞれ形成されている。
【0028】
ハブフランジ21には、複数のスタッドボルト(固定ボルトの一例)37が円周方向に等間隔に設けられており、各スタッドボルト37は、対応する取付穴33及び貫通穴35にそれぞれ貫通してあって、なお、各スタッドボルト37の首下部部分には、ローレット加工が施されている。また、各スタッドボルト37の先端部には、ホイールディスク29をハブフランジ21側(ホイール取付部側)へ座金39を介して押圧可能な押圧ナット41が螺合してそれぞれ設けられている。
【0029】
なお、ホイール取付構造1が複数のスタッドボルト37及び複数の押圧ナット41を備える代わりに、ホイールディスク29における各取付穴33に整合する位置にそれぞれ形成されたネジ穴と、各ネジ穴に螺合してそれぞれ設けられかつ取付穴33及び貫通穴35に貫通してあってホイールディスク29をハブフランジ21側へ押圧可能な押圧ボルトとを備えるようにしても構わない。
【0030】
続いて、本発明の実施形態に係るホール取付方法について説明する。
【0031】
本発明に係るホイールの取付方法は、ハブ5におけるハブフランジ21に軽合金ホイール7を取付ける方法であって、次に示すようなステップ1からステップ4を備えている。
【0032】
ステップ1
筒状のハブスリーブ23にホイールディスク29のホイールハブ穴31を遊嵌させるように、軽合金ホイール7をハブ5にセットする。
【0033】
ステップ2
ステップ1の終了後に、図1及び図2に示すように、芯出しコレット3の貫通穴11に芯出しボルト25を貫通させて、ハブ本体19のネジ穴27にねじ込むことにより、コレット側テーパ3tをハブ側テーパ23tに圧接させつつ、芯出しコレット3の先端部をハブスリーブ23とホイールハブ穴31との間に挿入する。これにより、芯出しコレット3の先端部をハブスリーブ23に押付けつつ、芯出しコレット3の先端部によってホイールディスク29をホイールハブ穴31の内側から押圧して、ハブ5に対する軽合金ホイール7の芯出しを行う。
【0034】
なお、コレット側テーパ3tをハブ側テーパ23tに圧接させる代わりに(或いは圧接させると共に)、別のコレット側テーパをホイール側テーパに圧接させるようにしても構わない。
【0035】
ステップ3
ステップ2の終了後に、複数の押圧ナット41(又は複数の押圧ボルト)を締め付けることにより、複数の押圧ナット41(複数の押圧ボルト)によってホイールディスク29をハブフランジ21側へ押圧する。これにより、ホイールディスクとハブフランジを接合(締結)する。
【0036】
ステップ4
ステップ3の終了後に、芯出しボルト25を緩めて、芯出しボルト25とネジ穴27との螺合状態を解除して、図4に示すように、芯出しコレット3の先端部をハブスリーブ23とホイールハブ穴31との間から離脱させる。
【0037】
以上により、ハブ5におけるハブフランジ21に軽合金ホイール7を取付けることができる。
【0038】
続いて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
【0039】
コレット側テーパ3tが筒状の芯出しコレット3の先端部に形成されているため、旋盤等による機械加工によってコレット側テーパ3tの偏心精度(加工精度)を容易に高めることができる。同様に、ハブ側テーパ23tが筒状のハブスリーブ23の外周に形成され、ホイール側テーパがホイールハブ穴31の内周に形成されているため、旋盤等による機械加工によってハブ側テーパ23t及びホイール側テーパの偏心精度(加工精度)を容易に高めることができる。そのため、コレット側テーパ3tをハブ側テーパ23t及び/又はホイール側テーパに圧接させつつ、芯出しコレット3の先端部をハブスリーブ23とホイールハブ穴31との間に挿入するだけで、専用の大掛かりな芯出し装置を用いることなく、軽合金ホイール7の芯出し精度を十分に高めることができる。
【0040】
以上の如き、本発明の実施形態によれば、軽合金ホイール7の取付作業の簡略化及び低コスト化を図りつつ、車両の走行中の振動を抑えて、車両の乗り心地性及び操縦安定性を向上させることができる。
【0041】
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、その他、種々の態様で実施可能である。また、本発明に包含される権利範囲は、これらの実施形態に限定されないものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係るホイール取付構造を含めて、本発明に係るホイールの取付方法を説明する図である。
【図2】図1における矢視部IIの拡大図である。
【図3】本発明の実施形態に係るホイールの取付方法を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態に係るホイールの取付方法に用いる芯出しコレットの斜視図である。
【図5】従来のホイール取付構造を説明する図である。
【符号の説明】
【0043】
1 ホイール取付構造
3 芯出しコレット
3t コレット側テーパ
5 ハブ
7 軽合金ホイール
9 ブレーキディスク
11 貫通穴
19 ハブ本体
21 ハブフランジ
23 ハブスリーブ
23t ハブ側テーパ
25 芯出しボルト
27 ネジ穴
29 ホイールディスク
31 ホイールハブ穴
33 取付穴
35 貫通穴
37 スタッドボルト
41 押圧ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブにおける円柱状又は筒状のハブ本体の外周面に形成されたハブフランジにホイールを取付ける方法であって、
前記ハブ本体の一端側に同芯上に形成された筒状のハブスリーブに、前記ホイールにおけるホイールディスクの中央に形成されたホイールハブ穴を遊嵌させるように、前記ホイールを前記ハブにセットする第1ステップと、
前記第1ステップの終了後に、筒状の芯出しコレットを用い、前記芯出しコレットの先端部に形成されたコレット側テーパを、前記ハブスリーブの外周に形成されたハブ側テーパ及び/又は前記ホイールハブ穴の内周に形成されたホイール側テーパに圧接させつつ、前記芯出しコレットの先端部を前記ハブスリーブと前記ホイールハブ穴との間に挿入することにより、前記芯出しコレットの先端部を前記ハブスリーブに押付けつつ、前記芯出しコレットの先端部によって前記ホイールディスクを前記ホイールハブ穴の内側から押圧して、前記ハブに対する前記ホイールの芯出しを行う第2ステップと、
前記第2ステップの終了後に、前記ホイールディスクと前記ハブフランジを接合する第3ステップと、
前記第3ステップの終了後に、前記芯出しコレットの先端部を前記ハブスリーブと前記ホイールハブ穴との間から離脱させる第4ステップと、
を備えたことを特徴とするホイールの取付方法。
【請求項2】
前記第2ステップにおいて、前記芯出しコレットにおける基端面に形成された貫通穴に芯出しボルトを貫通させて、前記ハブ本体の一端面に形成されたネジ穴にねじ込むことにより、前記コレット側テーパを前記ハブ側テーパ及び/又は前記ホイール側テーパに圧接させつつ、前記芯出しコレットの先端部を前記ハブスリーブと前記ホイールハブ穴との間に挿入すると共に、
前記第4ステップにおいて、前記芯出しボルトを緩めて、前記芯出しボルトと前記ネジ穴との螺合状態を解除して、前記芯出しコレットの先端部を前記ハブスリーブと前記ホイールハブ穴との間から離脱させることを特徴とする請求項1に記載のホイールの取付方法。
【請求項3】
ホイールを取付可能なハブであって、
円柱状又は筒状のハブ本体と、
該ハブ本体の外周面に形成されたハブフランジと、
前記ハブ本体の一端側に同心上に形成された筒状のハブスリーブと、を備え、
前記ハブスリーブの外周に、前記ホイールの取付けに用いられる筒状の芯出しコレットの先端部に形成されたコレット側テーパと圧接可能な圧接部が形成され、前記ハブ本体の一端面に、前記芯出しコレットの基端面に形成された貫通穴を貫通した芯出しボルトと螺合可能なネジ穴が形成されたことを特徴とするハブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−230372(P2008−230372A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−71423(P2007−71423)
【出願日】平成19年3月19日(2007.3.19)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)