説明

ホウ素含有水の処理方法、及びホウ素含有水の処理装置

【課題】薬剤の使用量及び汚泥の発生量を減少することを可能とする、効率的なホウ素含有水の処理方法を提供する。
【解決手段】実施形態のホウ素含有水の処理方法は、ホウ素含有水を濃縮してホウ素濃縮液を得る第1の工程を含む。また、前記ホウ素濃縮液を層状無機水酸化物と接触させ、前記ホウ素濃縮液中のホウ素を前記層状無機水酸化物に吸着させて除去する第2の工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ホウ素含有水の処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホウ酸やホウ砂は、ガラス、ボロン系合金鉄、化学工業、釉薬、表面処理剤用途で使用されており、これらの事業場からはホウ素含有廃液が排出される。また、原料としてホウ素化合物を使用していない事業場においても、例えば発電所から発生する排煙脱硫廃液、ゴミ焼却場の洗煙廃液や埋め立て処分場浸出廃液などの中には、ホウ素化合物が含まれていることが多い。
【0003】
ホウ素化合物は動物や植物にとって必須微量元素であるが、過剰摂取は植物の成長阻害や動物の生殖阻害毒性や神経・消化器系の障害が懸念されている。海水や地下水に多く含まれるホウ素は、過剰摂取により生育阻害を引き起こすなど生体への有害性が明らかにされており、水質汚濁防止法排出基準が10mg/L、飲料水としての水質基準が国内において1.0mg/L以下、WHOガイドラインにおいて0.5mg/L以下と、極めて厳しい規制が敷かれている。
【0004】
しかしながら、水中からのホウ素除去は技術的に困難であり、高濃度ホウ素を含有している火力発電所廃液、低濃度ホウ素を含有している地下水や海水淡水化など、種々多様なホウ素含有廃液からのホウ素除去は依然として大きな技術的課題の一つである。
【0005】
一般にホウ素含有水中からホウ素を除去する方法としては、消石灰と硫酸アルミニウムとにより不溶性沈殿物として除去する凝集沈殿法、ホウ素吸着樹脂を用いてホウ素を吸着除去する吸着樹脂法、逆浸透膜法、蒸発濃縮法、溶媒抽出法などが知られている。
【0006】
しかしながら、消石灰のようなカルシウム化合物及び硫酸アルミニウムのようなアルミニウム化合物を添加し、ホウ素を不溶性沈殿物として除去する方法は、高濃度ホウ素含有水を対象とした場合、ホウ素を十分に除去するためには大量の薬剤を用いる必要があり、薬剤の使用量、汚泥発生量ともに増大する。したがって、薬剤コストが増大するとともに、汚泥処理が困難になる。
【0007】
ホウ素吸着樹脂法は、高濃度のホウ素を含有する廃液を処理するには、ホウ素吸着樹脂のホウ素吸着量が小さいので多量のホウ素吸着樹脂が必要となる。また、吸着樹脂を再生する頻度が高くなり、樹脂そのもののコストだけではなく再生処理に必要な再生用薬剤コストがかかるという問題がある。
【0008】
これらの問題を解決するために、アルミニウム化合物及びカルシウム化合物を用いた凝集沈殿法とホウ素吸着樹脂を用いた吸着樹脂法とを組み合わせることで、ホウ素含有水を処理する方法が提案されている(特許文献1、2)。しかしながら、この方法でも、多量の薬剤を添加する必要があり、発生汚泥量も多くなり、汚泥処理が困難である。
【0009】
したがって、ホウ素含有廃液からホウ素を効率的に除去することができ、なおかつ、ホウ素処理時の発生汚泥量を低減することができるホウ素処理方法の開発が望まれているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭57−81881号公報
【特許文献2】特開昭57−180493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、薬剤の使用量及び汚泥の発生量を減少することを可能とする、効率的なホウ素含有水の処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実施形態のホウ素含有水の処理方法は、ホウ素含有水を濃縮してホウ素濃縮液を得る第1の工程を含む。また、前記ホウ素濃縮液を層状無機水酸化物と接触させ、前記ホウ素濃縮液中のホウ素を前記層状無機水酸化物に吸着させて除去する第2の工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態におけるホウ素含有水の処理装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1に示すホウ素含有水の処理装置の変形例を示す概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0015】
(ホウ素含有水の処理方法)
【0016】
<第1の工程>
本実施形態のホウ素含有水の処理方法は、最初に、ホウ素含有水を濃縮してホウ素濃縮液を得る。水中のホウ素は、高濃度になるほど、B(OH)、B(OH)、B(OH)2−などのポリマーイオンの形態で存在する。したがって、ホウ素濃縮液中では、ホウ素が上述したポリマーイオンの形態で多量に存在するようになるので、特に以下に説明する層状無機水酸化物と接触させた場合に、その吸着除去原理に基づいて、ホウ素の除去を容易かつ効率的に行うことができるようになる。
【0017】
具体的には、ホウ素濃縮液中のホウ素の濃度が300mg/L以上となるように濃縮することが好ましい。これによって、ホウ素濃縮液中の、上述したポリマーイオンの割合が増大するので、以下に説明する層状無機水酸化物によるホウ素の除去を簡易かつ効率的に行うことができるようになる。
【0018】
なお、特に限定されるものではないが、ホウ素濃縮液中のホウ素の濃度の上限は5000mg/Lであることが好ましい。この値を超えてホウ素を濃縮させても、最早上述したポリマーイオンの濃度を増大させることができず、また濃縮操作に伴うエネルギー消費が増大するので、省エネルギーの観点からも好ましくない。
【0019】
なお、濃縮方法は特に制限されないが、例えば、蒸発濃縮法、電気透析法、膜分離法が挙げられる。特に、蒸発濃縮法は、ポリマーイオンが存在する水であっても、スケールトラブルを発生する可能性が小さいために、ホウ素含有水を濃縮するのに適している。
【0020】
一方、本実施形態のホウ素含有水の処理方法においては、火力発電所等からの廃液のように、ホウ素含有水が数十mg/L以上のフッ化物イオン濃度を含む場合、ホウ素含有水を濃縮する工程の前処理工程として、前凝集分離工程を設けることが好ましい。ホウ素含有水中にフッ化物イオンが含まれていると、このホウ素含有水を濃縮することによってフッ化物イオン濃度が高くなるので、濃縮装置などがフッ素化イオンにより腐食されるおそれがある。
【0021】
前凝集分離工程においては、フッ化物イオンを含むホウ素含有水にカルシウムイオンを添加し、必要に応じてpH調整剤を添加する。生成した不溶性沈殿物を固液分離することにより、フッ化物イオンを除去することができる。カルシウムイオン源としては、塩化カルシウム、消石灰、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウムなどが挙げられる。pH調整剤としては、消石灰、水酸化ナトリウム、塩酸、硫酸などを使用することができる。また、pH調整剤は、ホウ素含有水のpHが5以上となるように添加することが好ましい。
【0022】
<第2の工程>
本実施形態のホウ素含有水の処理方法は、上述のようにしてホウ素濃縮液を得た後、このホウ素濃縮液を層状無機水酸化物と接触させ、ホウ素濃縮液中のホウ素を層状無機水酸化物に吸着させて除去する。
【0023】
本実施形態における層状無機水水酸化物は、水中において、一般式[Ma2+(1−X)b3+(X](OH)][An−(X/n)・mHO] (n:1〜2、1.6<m<2.3)で表され、ブルーサイト層[Ma2+(1−X)b3+(X](OH)] と中間層[An−(X/n)・mHO] (Aは陰イオンであり、X及びYは原子比を表わす。また、nは陰イオンの価数である)とによる層状構造で構成されている無機化合物であればよい。なお、Mは:Ca、Mg、Zn、Mn、Co、Ni、Feからなる群より選ばれる少なくとも一種の2価の元素、Mb:Al、Fe、La、Ce、Cr、Mnからなる群より選ばれる少なくとも一種の3価の元素である。
【0024】
さらに、本実施形態における層状無機水酸化物において、2価の元素Maと3価の元素Mbとの割合(原子比)Xは、0.2≦X≦0.33なる関係を満足することが好ましい。0.2≦X≦0.33の範囲において構造が安定化し、これによってホウ素吸着量が増大する。特に、2価の元素Maは少なくともMgを含み、3価の元素Mbは少なくともAlを含むことが好ましい。この場合、上記層状無機水酸化物は、一般式[{Mg1−Y(他2価の元素)1−X{Al1−Z(他の3価の元素)]O1+X/2(0.25≦X≦0.33、0<Y≦0.5、0≦z≦0.5)で表される。
【0025】
また、本実施形態におけるホウ素吸着剤は、一般式(Ma(1−X)b(X))O(1+X/2) (Ma:2価の元素、Mb:3価の元素)であり、MgAl型スピネル構造を呈する複合酸化物でもよい。この複合酸化物は、水の存在下において、一般式[Ma2+(1−X)b3+(X](OH)][An−(X/n)・mHO] (n:1〜2、1.6<m<2.3)(Aは陰イオンであり、X及びYは原子比を表わす。)で表される層状無機水酸化物となる。この複合酸化物を水に浸漬させると、前述した層状無機水酸化物となり、ホウ素の吸着を行うことができるようになる。
【0026】
上記複合酸化物において、2価の元素MzはCa,Mg及びZnからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、3価の元素MbはAl,Fe,La及びCeからなる群より選ばれる少なくとも一種である。Ma及びMbがこれ以外の元素であると、上記複合酸化物はスピネル構造を採らず、また、水中に浸漬した場合にハイドロタルサイト構造の層状無機水酸化物とならない。結果として、ホウ素吸着能を奏することができない。
【0027】
なお、2価の元素Maは少なくともMgを含み、3価の元素Mbは少なくともAlを含むことが好ましい。これによって、上記作用効果が増長され、より高いホウ素吸着能を得ることができるようになる。すなわち、複合酸化物におけるスピネル構造の割合が増し、結果として水中に浸漬した場合に得られる層状無機水酸化物において安定した層状構造を得ることができ、これによって、高いホウ素吸着能を得ることができる。
【0028】
さらに、本実施形態における層状無機水酸化物において、2価の元素Maと3価の元素Mbとの割合Xは、0.25≦X≦0.33なる関係を満足することが好ましい。0.25≦X≦0.33の範囲において構造が安定化し、ホウ素吸着量が増大する。
【0029】
また、上記複合酸化物においても、2価の元素Maが少なくともMgを含み、3価の元素Mbが少なくともAlを含むことが好ましい。この場合、上記複合酸化物は、一般式[{Mg1−Y(Ca、Zn)1−X{Al1−Z(Fe、La、Ce)]O1+X/2(0.25≦X≦0.33、0<Y≦0.5、0≦z≦0.5)で表される。
【0030】
なお、上記複合酸化物は以下のようにして製造することができる。すなわち、最初に、例えばMaCl及びMbClを原料とし、これらの原料を、Ma及びMbが上記一般式におけるXの範囲を満足するように秤量して水溶液を調整する。次いで、この水溶液をアルカリ水溶液に滴下することによって沈殿物を得、固液分離を行うことによって沈殿物を取り出す。取り出した沈殿物は、上述したような一般式[Ma2+(1−X)b3+(X](OH)][An−(X/n)・mHO] (n:1〜2、1.6<m<2.3、0.25≦X≦0.33)(Ma:少なくとも一種の2価の元素、Mb:少なくとも一種の3価の元素)で表されるような、ハイドロタルサイト構造の層状無機水酸化物となっている。
【0031】
次いで、層状無機水酸化物を200℃以上500℃未満の温度で熱処理する。すると、上述のような一般式で表される層状無機水酸化物において、層構造が崩壊し、上述した一般式(Ma(1−X)b(X))O(1+X/2)(Ma:Ca,Mg及びZnからなる群より選ばれる少なくとも一種の2価の元素、Mb:Al,Fe,La及びCeからなる群より選ばれる少なくとも一種の3価の元素;0.25≦X≦0.33)であり、MgAl型スピネル構造を呈する複合酸化物を得ることができる。
【0032】
なお、ホウ素濃縮液のpHは6以上とすることが好ましい。この場合、以下に示すような反応式に基づいて、ホウ素濃縮液中のホウ酸のイオン化が進行するため、以下に示す層状無機水酸化物によるホウ素の吸着作用が向上する。
BO+ HO→B(OH)+ H
【0033】
また、ホウ素濃縮液のpHを6以上から12以下の範囲に保つことにより、装置の腐食やスケールトラブルを防止することができる。なお、より好ましいpH範囲はpH8以上pH12以下である。この範囲において、特に層状無機水酸化物を用いたホウ素の除去効率が高くなる。これは、上記反応式に基づく、ホウ酸のイオン化の進行に加えて、層状無機水酸化物の構成成分の水中遊離量が小さく、安定して存在することにより、ホウ素除去能が高くなるものと考えられる。
【0034】
ホウ素濃縮液のpHが6未満の場合は適宜pH調整剤を添加して、ホウ素濃縮液のpHが6以上となるようにする。具体的には、水酸化ナトリウムや消石灰を用いることができる。一方、ホウ素濃縮液のpHが12を超えるような強アルカリの場合は、塩酸や硫酸などを用いて、上記pHの範囲に収めることができる。なお、ホウ素濃縮液のpH値が、本来的に上記pHの範囲内にある場合は、上記pH調整剤を添加する必要はない。
【0035】
なお、ホウ素濃縮液のpH調整は、ホウ素濃縮液を生成した後、このホウ素濃縮液に対して直接行うこともできるし、ホウ素濃縮液を得る前のホウ素含有水に対して予め行うこともできる。
【0036】
次に、本実施形態の層状無機水酸化物を用いた場合の、ホウ素吸着について説明する。水中において、一般式[Ma2+(1−X)b3+(X](OH)][An−(X/n)・mHO] (n:1〜2、1.6<m<2.3)で表される層状構造の無機化合物において、ブルーサイト層[Ma2+(1−X)b3+(X)(OH)] は2価の金属イオンMa2+の一部を3価の金属イオンMb3+で置換することで正の電荷を帯びるため、中間層[An−(X/n)・mHO] (Aは陰イオン)が負の電荷を持つことで全体として電気的中性が保たれる。負電荷を持つ中間層では陰イオンの交換が可能であるため、層状無機水酸化物はイオン交換体としての機能を持つ。
【0037】
上述のように、第1の工程におけるホウ素濃縮液中で、ホウ素は、B(OH)、B(OH)、B(OH)2−などのポリマーイオンの形態で存在し、さらに上述したpH調整においては、B(OH)のイオンの形態で存在する。したがって、このような陰イオンが、上記層状無機水酸化物の中間層との間でイオン交換を行うので、結果として、ホウ素含有水中のホウ素が上記層状無機水酸化物に吸着されるようになる。
【0038】
このように本実施形態では、イオン交換体として機能する層状無機水酸化物を用い、ホウ素含有水中のホウ素を、層状無機水酸化物のイオン交換を通じて吸着及び除去するので、ホウ素除去能が極めて高い。したがって、例えば、消石灰と硫酸アルミニウムとを用い不溶性沈殿物としてホウ素除去する従来の凝集沈殿法と比較し、特に多量のホウ素を除去する場合においても、これら薬剤を多量に使用する必要がなく、発生する汚泥量も少なくなる。
【0039】
なお、本実施形態における汚泥は、上述したイオンを吸着除去した後の層状無機水酸化物が相当するが、上述のように、層状無機水酸化物はホウ素除去能が極めて高いので、上述した従来の技術に比して、発生する汚泥の量は極めて少なくなる。
【0040】
上述した層状無機水酸化物によるホウ素の吸着除去は、上述した層状無機水酸化物をホウ素濃縮液に接触させることによって実施する。層状無機水酸化物をホウ素濃縮液と接触させる具体的な方法としては、例えば、層状無機水酸化物の粉末、またはバインダーを用いた造粒粉をホウ素濃縮液中に投入し、沈降させる方法が挙げられる。この方法は、比較的大量の排水を処理する場合に有効な方法である。この方法によると、水質浄化設備が比較的大型になることが懸念点であるが、大量の排水を一度に処理できるという利点がある。
【0041】
また、上記層状無機水酸化物を膜に担持させ、この膜をホウ素濃縮液中に浸漬させることによっても、ホウ素イオン、すなわちホウ素の回収を行うことができるようになる。さらには、層状無機水酸化物の粉末あるいは造粒粉等をカラムに充填し、このカラム中にホウ素濃縮液を導入することで接触させ、ホウ酸イオン、すなわちホウ素の回収を行うこともできる。これらの方法は、処理装置が比較的小規模となるが、排水処理量も限定されるので、少量の排水を処理するのに好適である。
【0042】
<第3の工程>
本実施形態においては、層状無機水酸化物によってホウ素除去したホウ素濃縮液の残留液を、ホウ素吸着樹脂と接触させ、残留液中のホウ素を吸着して除去することができる。
【0043】
この場合、上述した層状無機水酸化物によって吸着除去できなかったホウ素濃縮液中のB(OH)、B(OH)、B(OH)2−などのポリマーイオン、及びB(OH)のイオン等を上記ホウ素吸着樹脂によって吸着除去することができるので、ホウ素濃縮液、すなわちホウ素含有水からのホウ素の除去をより完全に行うことができるようになる。
【0044】
ホウ素吸着樹脂は、水中のホウ素を選択的に吸着する能力を有する樹脂である。使用するホウ素吸着樹脂に特に制限はなく、市販のホウ素吸着樹脂を使用することができる。例えば、N−グルカミン型樹脂の使用が適している。
【0045】
本実施形態においては、第1の工程においてホウ素含有水を濃縮するので、ホウ素含有樹脂を接触させる水量を大幅に低減することができる。その結果、使用するホウ素吸着樹脂量を削減し、樹脂の再生頻度を減少することができる。また、ホウ素の吸着量が飽和したホウ素吸着樹脂は、再生して繰返し使用することができる。ホウ素吸着樹脂の再生方法には特に制限はなく、例えば、硫酸を用いてホウ素を樹脂から溶離させたのち、水酸化ナトリウムを用いてもとのN−グルカミン型樹脂に再生することができる。
【0046】
なお、第3の工程を経た処理液は、第1の工程又は第2の工程に帰還させて循環処理することができる。
【0047】
第3の工程は、本実施形態における必須の工程ではないので、必要に応じて省略することができる。
【0048】
(ホウ素含有水の処理装置)
図1は、本実施形態におけるホウ素含有水の処理装置の概略構成を示す図である。図1に示すホウ素含有水の処理装置は、上流側から下流側に向けて順次、蒸発濃縮塔11、第1の吸着除去槽15及び第2の吸着除去槽16が、それぞれ配管22及び23を介して配列されている。なお、第1の吸着除去槽15内には、上述した層状無機水酸化物の粉末、またはバインダーを用いた造粒粉が充填されている。また、第1の吸着除去槽16内には、N−グルカミン型樹脂等のホウ素吸着樹脂が充填されている。さらに、蒸発濃縮塔11の上方には、配管21を介して凝縮器12が設けられている。
【0049】
蒸発濃縮塔11は、以下に説明するように、ホウ素含有水を濃縮してホウ素濃縮液を得るための濃縮手段であり、第1の吸着除去槽15は、以下に説明するように、ホウ素濃縮液中のホウ素を層状無機水酸化物に接触させて除去するための吸着除去手段である。また、第2の吸着除去槽16は、以下に説明するように、ホウ素濃縮液の残留液中のホウ素をホウ素吸着樹脂に接触させて除去するための追加の吸着除去手段である。なお、上述した説明から明らかなように、第2の吸着除去槽16は必須の構成要素ではない。
【0050】
次に、図1に示すホウ素含有水の処理装置10を用いたホウ素含有水の処理方法について簡単に説明する。
【0051】
最初に、ホウ素含有水S1を蒸発濃縮塔11内に導入し、蒸発濃縮法によってホウ素含有水S1を濃縮し、ホウ素濃縮液S2を得る。このホウ素濃縮液S2は、配管22を通って第1の吸着除去槽15に移送し、第1の吸着除去槽15内に充填された層状無機水酸化物によって、ホウ素濃縮液S2中のホウ素を上述したようにイオン交換によって吸着除去する。ホウ素を吸着した後の層状無機水酸化物は、第1の吸着除去槽15の下方から汚泥Qとして外部に放出する。なお、第1の吸着除去槽15では、必要に応じてpH調整剤Pを添加し、例えばそのpH値を6以上とすることができる。
【0052】
一方、蒸発濃縮塔11内で発生した蒸気は、配管21を通って凝縮器12に移送して、凝縮水Lとして外部に放出し、必要に応じて再利用することができる。
【0053】
次いで、第1の吸着除去槽15において、ホウ素が吸着除去された後のホウ素濃縮液S2の残留液S2’は、配管23を通って第1の吸着除去槽16に移送し、残留液S2’中のホウ素をホウ素吸着樹脂によって吸着除去する。残留液S2’からホウ素吸着樹脂によってホウ素が吸着除去された後において、残留液S2’は処理水S3として第2の吸着除去槽16の下方から外部に放出される。なお、この処理水S3は、必要に応じて、蒸発濃縮塔11あるいは第1の吸着除去槽15に戻し、再度上述したような操作を繰り返し行うこともできる。
【0054】
図2は、図1に示すホウ素含有水の処理装置の変形例を示す図である。図2に示すホウ素含有水の処理装置30は、蒸発濃縮塔11の前段において、pH調整槽18が配管24を介して設けられている点で、図1に示すホウ素含有水の処理装置10と相違する。すなわち、図2に示すホウ素含有水の処理装置30では、最初に、ホウ素含有水S1をpH調整槽18に導入し、必要に応じてpH調整剤Pを添加し、例えばそのpH値を6以上とする。すなわち、図2に示す処理装置においては、ホウ素濃縮液S2のpH調整を、pH調整槽18を設けることにより、ホウ素含有水の段階で予め行うものである。
【0055】
上述したように、ホウ素濃縮液S2のpH調整は、ホウ素濃縮液S2に対して直接行うこともできるし、ホウ素含有水S1において予め行うことができるので、図2に示す処理装置30においては、ホウ素濃縮液S2のpH調整をホウ素含有水S1において予め行う装置構成を示したものである。
【0056】
pH調整された後のホウ素含有水S1は、配管24を通って蒸発濃縮塔11に導入し、その後は図1に関連した処理方法に従って、ホウ素含有水の処理を行う。
【実施例】
【0057】
(実施例1)
ホウ素250mg/Lを含有する排水を4倍に蒸発濃縮して、ホウ素1000mg/Lを含有する濃縮水を得た。この濃縮水に、Mg2Al(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物を50g/Lになるように添加し、次いで、水酸化ナトリウムを用いてpHを9に調整し、15分間撹拌した。その後、上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は108mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の89.2%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は65.9g/Lであった。結果を表1に示す。
【0058】
(実施例2)
Mg2Al(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物の量を25g/Lとした以外は、実施例1と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は188mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の81.2%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は36.2g/Lであった。結果を表1に示す。
【0059】
(実施例3)
水酸化ナトリウムを用いて濃縮水のpHを6とした以外は、実施例1と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は185mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の81.5%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は65.8g/Lであった。結果を表1に示す。
【0060】
(実施例4)
水酸化ナトリウムを用いて濃縮水のpHを12とした以外は、実施例1と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は136mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の86.4%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は65.9g/Lであった。結果を表1に示す。
【0061】
(実施例5)
ホウ素250mg/Lを含有する排水を1.2倍に蒸発濃縮して、ホウ素300mg/Lを含有する濃縮水を得た以外は、実施例1と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は59.1mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の80.3%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は65.8g/Lであった。結果を表1に示す。
【0062】
(実施例6)
Mg2Al(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物の量を25g/Lとした以外は、実施例5と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は74.1mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の75.7%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は36.1g/Lであった。結果を表1に示す。
【0063】
(実施例7)
Mg2Al(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物に代えて、Mg2Fe(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は143mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の85.7%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は65.8g/Lであった。結果を表1に示す。
【0064】
(実施例8)
Mg2Al(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物に代えて、Mg2Ce(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は175mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の82.5%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は65.8g/Lであった。結果を表1に示す。
【0065】
(実施例9)
Mg2Al(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物に代えて、Ca2Al(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は181mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の81.9%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は66.1g/Lであった。結果を表1に示す。
【0066】
(実施例10)
Mg2Al(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物に代えて、Ca2Fe(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は186mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の81.4%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は66.0g/Lであった。結果を表1に示す。
【0067】
(実施例11)
Mg2Al(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物に代えて、MgAl(OH)Cl・2HO で示される層状無機水酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は112mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の87.8%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は65.9g/Lであった。結果を表1に示す。
【0068】
(実施例12)
Mg2Al(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物に代えて、MgAl(OH)10Cl・2.5HO で示される層状無機水酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は139mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の87.7%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は65.9g/Lであった。結果を表1に示す。
【0069】
(実施例13)
Mg2Al(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物に代えて、MgAl(OH)8(NO3)・1.5HO で示される層状無機水酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は123mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の87.7%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は65.9g/Lであった。結果を表1に示す。
【0070】
(実施例14)
Mg2Al(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物に代えて、MgAl2(OH)12(SO4)・3HO で示される層状無機水酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は151mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の84.9%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は65.9g/Lであった。結果を表1に示す。
【0071】
(比較例1)
ホウ素250mg/Lを含有する排水を濃縮することなく、Mg2Al(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物を50g/Lになるように添加し、次いで、水酸化ナトリウムを用いてpHを9に調整し、15分間撹拌した。その後、上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は87.3mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の65.1%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は65.9g/Lであった。結果を表1に示す。
【0072】
(比較例2)
Mg2Al(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物を25g/Lになるように添加する以外は、比較例1と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は104.3mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の58.3%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は36.3g/Lであった。結果を表1に示す。
【0073】
(比較例3)
ホウ素250mg/Lを含有する排水を4倍に蒸発濃縮して、ホウ素1000mg/Lを含有する濃縮水を得た。この濃縮水に、硫酸アルミニウム25g/L及び水酸化カルシウム25g/Lになるように添加し、15分間撹拌した。その後、上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は322mg/Lであった。凝集沈殿処理によりホウ素の67.8%が除去されていることが判明した。また、ホウ素除去後の汚泥量は135g/Lであった。結果を表2に示す。
【0074】
(比較例4)
ホウ素250mg/Lを含有する排水を1.2倍に蒸発濃縮して、ホウ素300mg/Lを含有する濃縮水を得た以外は、比較例2と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は89.4mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の70.2%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は135g/Lであった。結果を表2に示す。
【0075】
(比較例5)
Mg2Al(OH)6Cl・1.5HOで示される層状無機水酸化物に代えて、硫酸アルミニウム25g/L及び水酸化カルシウム25g/Lを用いた以外は、比較例1と同様にしてホウ素含有水からのホウ素の除去操作を実施した。上澄み液を分離したところ、上澄み液中のホウ素濃度は79.3mg/Lであった。したがって、層状無機化合物によりホウ素の68.3%が除去されていることが判明した。なお、ホウ素除去後の層状無機化合物汚泥量は135g/Lであった。結果を表2に示す。
【0076】
なお、上記実施例及び比較例は、図1又は図2に示すような処理装置10又は30を用いて行うことができる。
【0077】
【表1】

【0078】
【表2】

【0079】
表1の結果より、ホウ素含有水を濃縮した後に層状無機水酸化物に接触させてホウ素除去を実施した場合は、ホウ素含有水を濃縮しないで層状無機水酸化物に接触させてホウ素除去を実施した場合よりも、ホウ素除去率が向上することが判明した。
【0080】
また、実施例1,3及び4の比較より、層状無機水酸化物の量を一定とした場合においては、濃縮液のpHが6よりも高く、pH9又は12の状態において、ホウ素除去率が向上していることが分かる。
【0081】
さらに、表1及び表2から明らかなように、層状無機水酸化物に代えて硫酸アルミニウム及び水酸化アルミニウムを用いた場合は、ホウ素除去率が低く、汚泥発生量も増大していることが分かる。
【0082】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として掲示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホウ素含有水を濃縮してホウ素濃縮液を得る第1の工程と、
前記ホウ素濃縮液を層状無機水酸化物と接触させ、前記ホウ素濃縮液中のホウ素を前記層状無機水酸化物に吸着させて除去する第2の工程と、
を具えることを特徴とする、ホウ素含有水の処理方法。
【請求項2】
前記第1の工程において、前記ホウ素濃縮液は、前記ホウ素含有水から蒸発濃縮法によって得ることを特徴とする、請求項1に記載のホウ素含有水の処理方法。
【請求項3】
前記ホウ素濃縮液中のホウ素濃度が、300mg/L以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のホウ素含有水の処理方法。
【請求項4】
前記ホウ素濃縮液のpHを6以上とすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載のホウ素含有水の処理方法。
【請求項5】
前記ホウ素含有水及び前記ホウ素濃縮液の少なくとも一方にpH調整剤を添加することを特徴とする、請求項4に記載のホウ素含有水の処理方法。
【請求項6】
前記層状無機水酸化物によってホウ素除去した前記ホウ素濃縮液の残留液を、ホウ素吸着樹脂と接触させ、前記残留液中のホウ素を吸着して除去する第3の工程を具えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載のホウ素含有水の処理方法。
【請求項7】
ホウ素含有水を濃縮してホウ素濃縮液を得るための濃縮手段と、
前記ホウ素濃縮液を層状無機水酸化物と接触させ、前記ホウ素濃縮液中のホウ素を前記層状無機水酸化物に吸着させて除去するための吸着除去手段と、
を具えることを特徴とする、ホウ素含有水の処理装置。
【請求項8】
前記ホウ素含有水及び前記ホウ素濃縮液の少なくとも一方にpH調整剤を添加するためのpH調整手段を具えることを特徴とする、請求項7に記載のホウ素含有水の処理装置。
【請求項9】
前記吸着除去手段によってホウ素除去した前記ホウ素濃縮液の残留液を、ホウ素吸着樹脂と接触させ、前記残留液中のホウ素を吸着して除去するための追加の吸着除去手段を備えることを特徴とする、請求項7又は8のいずれか一に記載のホウ素含有水の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−183477(P2012−183477A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47980(P2011−47980)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】