説明

ホウ素粉末から汚染物質を除去する方法

【課題】汚染されたホウ素粉末から有機汚染物質を除去する方法を提供する。
【解決手段】有機汚染物質と混じり合っている汚染されたホウ素粉末を準備するステップ110を含む。この方法は、汚染されたホウ素粉末およびそれと混じり合っている有機汚染物質を不活性容器に配置するステップ112をさらに含む。この方法は、不活性容器、汚染されたホウ素粉末、およびそれと混じり合っている有機汚染物質を密閉空間に入れるステップ114を含む。熱源が密閉空間に準備される。この方法は、汚染されたホウ素粉末およびそれと混じり合っている有機汚染物質を高温に加熱するステップ118をさらに含む。この方法は、ホウ素粉末と混じり合っている有機汚染物質の量を減少させるように有機汚染物質を変質させるステップ120を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題はホウ素粉末から汚染物質を除去することに関する。
【背景技術】
【0002】
ホウ素粉末は多数の用途においてホウ素被覆の主構成要素として使用される。そのような用途には、限定はしないが、中性子検出、ダイカスト用ダイのための摩損保護、生体用インプラントのための耐摩耗性の改善などのために使用されるホウ素被覆が含まれる。これらの用途のうちのいくつかはホウ素粉末内の汚染物質によって悪影響を受けるが、それは、汚染物質がホウ素被覆用途にとって有害となることがあるからである。
【0003】
汚染されたホウ素粉末には様々な発生源からの有機汚染物質を含むことがある。例えば、ジェット粉砕されたホウ素粉末は、粉砕プロセスで使用される空気供給から汚染されやすいことが分かっている。具体的には、ジェットミルを作動するために圧縮空気が使用される場合、ホウ素粉末汚染物質は空気圧縮機からの潤滑油を含むことがある。この汚染は不均一な被覆などの被覆欠陥をもたらし、ガス汚染は被覆の性質の劣化をもたらすことがある。他の例の汚染物質は、ジェットミルからの重合体内張り材料、重合体内張り材料をジェットミル内壁に取り付けるために使用される接着材料、およびジェットミル内壁からの金属粒子である。
【0004】
ホウ素粉末は比較的高価な材料であり、従って、汚染されたホウ素粉末および被覆された物品は共に製造プロセスにおいて犠牲の大きい悪作用をもたらす。汚染されたホウ素粉末を回復させるいくつかの以前の方法には、各々フィルタおよび/または遠心機と組み合わせてヘキサン、塩化メチレン、およびエチレングリコールで粉末をすすぐことが含まれる。従って、ホウ素粉末粒子の表面から汚染物質を除去する改善された装置および方法が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
下記は、本発明のいくつかの例示の態様の基本的な理解を提供するために本発明の簡単化した要約を提示する。本要約は本発明の広範な概観ではない。さらに、本要約は、本発明の決定的な要素を識別するものではなく、また本発明の範囲を正確に記述するものではない。本要約の唯一の目的は、後で提示されるより詳細な説明の前置きとして簡単化した形態で本発明のいくつかの概念を提示することである。
【0006】
1つの態様によれば、本発明は、汚染されたホウ素粉末から汚染物質を除去する方法を提供する。この方法は、有機汚染物質と混じり合っている汚染されたホウ素粉末を準備するステップを含む。この方法は、汚染されたホウ素粉末およびそれと混じり合っている汚染物質を不活性容器に配置するステップをさらに含む。この方法は、不活性容器、汚染されたホウ素粉末、およびそれと混じり合っている汚染物質を密閉空間に入れるステップを含む。熱源が密閉空間に準備される。この方法は、汚染されたホウ素粉末およびそれと混じり合っている汚染物質を高温に加熱するステップをさらに含む。この方法は、ホウ素粉末と混じり合っている有機汚染物質の量を減少させるように汚染物質を変質させるステップを含む。
【0007】
別の態様によれば、本発明は、汚染されたホウ素粉末から汚染物質を除去する方法を提供する。この方法は、有機汚染物質と混じり合っている汚染されたホウ素粉末を準備するステップを含む。この方法は、汚染されたホウ素粉末およびそれと混じり合っている汚染物質を不活性容器に配置するステップをさらに含む。この方法は、不活性容器、汚染されたホウ素粉末、およびそれと混じり合っている汚染物質を密閉空間に入れるステップを含む。熱源が密閉空間に準備される。この方法は、汚染されたホウ素粉末およびそれと混じり合っている汚染物質を高温に加熱するステップをさらに含む。この方法は、処理サイクルの後のホウ素粉末中の有機汚染物質の量が可溶性残留物の約0.1重量パーセント以下となるように汚染物質を変質させるステップを含む。
【0008】
本発明の前述の態様および他の態様は、添付図面を参照しながら以下の説明を読む際、本発明が関連する当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の態様による例示の処理システムの例示の炉の図式化した断面図である。
【図2】本発明の態様に従ってホウ素粉末から有機汚染物質を除去する例示の方法の最上位流れ図である。
【図3】本発明の態様に従ってホウ素粉末から有機汚染物質を除去する例示の方法の最上位流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つまたは複数の態様を組み込む例示の実施形態が図面に記載および図示される。これらの図示の例は本発明を限定するものではない。例えば、本発明の1つまたは複数の態様は他の実施形態およびさらに他のタイプのデバイスで利用することができる。さらに、いくつかの用語は便宜のためにのみに本明細書で使用され、本発明への限定としてとらえられるべきではない。さらに、図面において、同じ参照番号は同じ要素を示すのに使用される。
【0011】
ホウ素粉末12から汚染物質を除去するための例示の処理システム10が図1に全体的に示される。1つの特定の例では、処理システム10はホウ素粉末12から有機汚染物質を除去するためのものである。有機という用語は広範で展開的な分類項目であることが理解されるべきである。一部では、この分類項目は、炭素成分を含有する材料を含む。図1は、あり得る構造/形状などの1つの例を単に示しており、他の例が本発明の範囲内にあると考えられることも理解されるべきである。
【0012】
汚染されたホウ素粉末12から有機汚染物質を除去するための処理システム10は、密閉空間の1つの例である炉16を含む。密閉空間の他の例には、限定はしないが、バッチオーブン、連続オーブン、キャビネットオーブン、タワーオーブン、焼結炉などが含まれる。炉16の内部体積部18は、炉の動作中に周囲大気が炉にほとんどまたはまったく入り込まないように確保できることが理解されるべきである。炉16のタイプおよびその構造の選択は、限定はしないが、炉加熱特性、炉サイクル時間、ホウ素粉末処理量要件などを含むいくつかの変数によって決まる。炉16は、炉16内に高温をもたらすために熱源20をさらに含む。熱源20は、ガス、電気加熱要素、赤外線、マイクロ波などのような当技術分野で知られているような典型的な炉16またはオーブン熱源のいずれかとすることができる。熱源20は概略的に示されており、単に概略的に所定の位置に示されている。構造および位置は内部体積部18を加熱するように適切に選択することができる。例のいずれにおいても、炉16は、内部体積部18からの気化した汚染物質を除去するのに使用することができる排気ポートを含むことができる。
【0013】
炉16の内部体積部18は、汚染されたホウ素粉末12のための空間を備える。ホウ素粉末12が炉16に入れられた後、炉加熱サイクルは始まることができる。炉加熱サイクルにより、ホウ素粉末12は炉16内の高温にさらされる。炉加熱サイクルの温度プロフィルは、特定の温度まで上昇させ、ある時間の間一定に保ち、次に、下降させることができる。しかし、温度プロフィルは、ホウ素粉末12への熱印加および汚染物質除去プロセスを最適化するために様々な多数の温度のものとすることができることが考えられる。1つの例では、ホウ素粉末12は約500℃の高温にさらされる。この温度はいくつかの有機汚染物質の気化を促し、この温度は、さらに、いくつかの有機汚染物質の熱分解を促すことができる。
【0014】
処理システム10はボート24をさらに含み、ボート24は、炉16内でホウ素粉末12を保持するための不活性容器の1つの例である。ボート24は、高温、非常に多くの加熱・冷却サイクルなどの影響に耐性のある材料で製作することができ、ボート24が収容しているホウ素粉末12に汚染物質を与える恐れがない。石英はボート24の材料として一般的な選択であるが、それは、石英はホウ素粉末12の除去を容易にさせる滑らかな表面を有することができ、清浄化が一般に容易であり、所期の除去の後にボート24に残っているいかなるホウ素粉末12も注意深くない観察者に容易に見えるようにすることができる表面特性を有するからである。いくつかのセラミック化合物は、さらに、ボート24の材料として一般的な選択である。ボートは様々な材料から構成し、多様な寸法および形状を有することができるが、ボート24は水平な底面および4つの垂直な側面をもつ長方形または正方形の皿のように形成することができる。ボート24は、バッチ炉で使用することができ、またはボート24が様々な加熱ゾーンを通過するようにコンベヤに乗っている連続炉で使用することができる。
【0015】
処理システム10は、炉16中に少なくとも1つのカバーガス30(瓶タイプの供給源の例によって概略的に表されている)を導入するために少なくとも1つのポート26をさらに含むことができる。カバーガス30は、1つのガスまたはガスの組合せからなる特別な雰囲気を炉16内に供給することができる。1つの例では、水素がカバーガス30として使用される。水素は炉16内に還元雰囲気を与える。水素還元雰囲気の1つの特質は、長い炭素鎖をより短くてより容易に揮発する有機化合物に分解するのを促進することである。この特質は、典型的な工業用圧縮空気供給材料からの潤滑油などの有機汚染物質のうちのいくつかを排除するのに特に有用である。この潤滑油は、具体的には、熱分解に耐えるような配合になっている。潤滑油を構成する炭素鎖を分解することにより、より熱分解されやすい得られた有機汚染物質の気化がもたらされうる。さらに、水素カバーガス30はホウ素粉末12の酸化を最小にする。水素還元雰囲気と約500℃の炉16の温度との組合せにより、ホウ素粉末12の酸化の可能性が低下する。酸化速度が低いと、下流の製造プロセスにおけるホウ素被覆欠陥が排除される傾向がある。カバーガスを含むことの別の利点は、反応性または不活性カバーガスが対流することである。内部体積部18内の対流作用は、ホウ素粉末12への熱の移送を速めるのに役立ち、さらに、ホウ素粉末12の表面からの気化した化合物を追い出すのに役立つ。
【0016】
処理システム10は、汚染物質の熱分解の後の冷却サイクルで使用することもできる。ホウ素粉末12の酸化を低減するために、ホウ素粉末12は、内部体積部18と、内部体積部18内の保護の特別な雰囲気とから取り出すのに先立って冷却することができる。冷却サイクルの1つの例は、ホウ素粉末12を内部体積部18から取り出すのに先立ってホウ素粉末12の温度を約100℃未満に低下させることを含む。
【0017】
長い炭素鎖をより短くてより容易に揮発する有機化合物に分解し、有機汚染物質を気化させることを介してホウ素粉末12中の有機汚染物質を除去すると、約0.1重量パーセント以下の可溶性残留物をもつホウ素粉末12を生成することができる。不純物のこのレベルはホウ素粉末12の親水性の性質に影響を与えない可溶性残留物の許容レベルであると考えることができる。ホウ素粉末12内の可溶性残留物の量を決定するのに使用することができる1つの溶剤は、塩化メチレンであり当技術分野で既知の方法を介する。
【0018】
長い炭素鎖を分解し、有機汚染物質を気化させるために炉16を使用してホウ素粉末12から有機汚染物質を除去する方法と、関連するプロセスシステムとは、ホウ素粉末12から有機汚染物質を除去するための1つの解決策である。さらに、有機汚染物質を除去するのに炉16を使用するのは、ホウ素粉末12から有機汚染物質を除去する他のケミカルウォッシュ法に対する比較的簡単な代替策である。さらに、還元雰囲気でカバーガス30として水素を使用すると、ホウ素粉末12の酸化の可能性が低下する。
【0019】
下流の製造用途での純度要件を満たすためにホウ素粉末12から有機汚染物質を除去する例示の方法が図2に全体的に記載される。この方法は図1に示した例示の炉16に関連して実行することができる。この方法は、有機汚染物質と混じり合っている汚染されたホウ素粉末12を準備するステップ110を含む。有機汚染物質は、空気圧縮機用油、接着材料、およびジェットミルの内部で使用される重合体内張り材料の粒子などの発生源からジェットミル動作の間にホウ素粉末12に導入されることがある。
【0020】
この方法は、処理炉16で使用される不活性容器の1つの例であるボート24に、汚染されたホウ素粉末12を配置するステップ112を含む。ボート24は、高温、非常に多くの加熱・冷却サイクルなどの影響に耐性のある材料で製作することができ、ボート24が収容しているホウ素粉末12に汚染物質を与える恐れがない。石英およびいくつかのセラミック化合物はボート24の構造材料にとって一般的な選択である。
【0021】
この方法は、汚染されたホウ素粉末12および不活性容器を密閉空間に入れるステップ114を含む。この方法は、密閉空間に熱源20を準備するステップ116を含む。熱源20は、ガス、電気加熱要素、赤外線、マイクロ波などのような典型的な熱源の任意の1つまたは組合せとすることができる。密閉空間の例には、限定はしないが、バッチオーブン、連続オーブン、キャビネットオーブン、タワーオーブン、焼結炉などが含まれる。
【0022】
この方法は、汚染されたホウ素粉末12を高温に加熱するステップ118をさらに含む。熱源20は作動され、炉16内の温度を上昇させる。1つの例では、熱源20は密閉空間内のホウ素粉末12を約500℃の高温にさらす。
【0023】
この方法は、ホウ素粉末12と混じり合っている有機汚染物質の量を減少させるように有機汚染物質を変質させるステップ120を含む。1つの例では、有機汚染物質の変質は、有機汚染物質を形成する長い炭素鎖の分解である。炉16内の水素カバーガス30は、長い炭素鎖のこの分解を促進する還元性の特別な雰囲気を供給する。有機汚染物質の変質は、有機汚染物質の気化とすることもできる。多くの場合、有機汚染物質の変質のこれらの2つの形態は有機汚染物質を排除するように協働して働く。潤滑油がホウ素粉末12内の有機汚染物質となることがあり、この潤滑油は、具体的には、熱分解に耐えるような配合になっている。潤滑油を構成する炭素鎖を炉16中で還元雰囲気によって分解することにより、より熱分解されやすい得られた分解済み有機汚染物質の気化がもたらされうる。
【0024】
下流の製造用途での純度要件を満たすためにホウ素粉末12から有機汚染物質を除去する別の例示の方法が図3に全体的に記載される。この方法は図1に示した例示の炉16に関連して実行することができる。この方法は、有機汚染物質と混じり合っている汚染されたホウ素粉末12を準備するステップ210を含む。有機汚染物質は、空気圧縮機用油、接着材料、およびジェットミルの内部で使用される重合体内張り材料の粒子などの発生源からジェットミル動作の間にホウ素粉末12に導入されることがある。
【0025】
この方法は、処理炉16で使用される不活性容器の1つの例であるボート24に、汚染されたホウ素粉末12を配置するステップ212を含む。ボート24は、高温、非常に多くの加熱・冷却サイクルなどの影響に耐性のある材料で製作することができ、ボート24が収容しているホウ素粉末12に汚染物質を与える恐れがない。石英およびいくつかのセラミック化合物はボート24の構造材料にとって一般的な選択である。
【0026】
この方法は、汚染されたホウ素粉末12および不活性容器を密閉空間に入れるステップ214を含む。この方法は、密閉空間に熱源20を準備するステップ216を含む。熱源20は、ガス、電気加熱要素、赤外線、マイクロ波などのような典型的な熱源の任意の1つまたは組合せとすることができる。密閉空間の例には、限定はしないが、バッチオーブン、連続オーブン、キャビネットオーブン、タワーオーブン、焼結炉などが含まれる。
【0027】
この方法は、汚染されたホウ素粉末12を高温に加熱するステップ218をさらに含む。熱源20は作動され、炉16内の温度を上昇させる。1つの例では、熱源20は密閉空間内のホウ素粉末12を約500℃の高温にさらす。
【0028】
この方法は、ホウ素粉末12と混じり合っている有機汚染物質の量を減少させて、ホウ素粉末中の有機汚染物質の量が可溶性残留物の約0.1重量パーセント以下となるように有機汚染物質を変質させるステップ220を含む。1つの例では、有機汚染物質の変質は、有機汚染物質を形成する長い炭素鎖の分解である。炉16内の水素カバーガス30は、長い炭素鎖のこの分解を促進する還元性の特別な雰囲気を供給する。有機汚染物質の変質は、有機汚染物質の気化とすることもできる。多くの場合、有機汚染物質の変質のこれらの2つの形態は有機汚染物質を排除するように協働して働く。潤滑油がホウ素粉末12内の有機汚染物質となることがあり、この潤滑油は、具体的には、熱分解に耐えるような配合になっている。潤滑油を構成する炭素鎖を炉16中で還元雰囲気によって分解することにより、より熱分解されやすい得られた分解済み有機汚染物質の気化がもたらされうる。
【0029】
この方法は、密閉空間からホウ素粉末12を取り出すのに先立ってホウ素粉末12を約100℃未満に冷却するステップをさらに含むことができる。ホウ素粉末12の起こりうる酸化を低減するために、ホウ素粉末12は密閉空間内で冷却サイクルの間特別な雰囲気内に保持される。1つの例では、特別な雰囲気は、ホウ素粉末12の起こりうる酸化を減少させる水素ガスである。次に、ホウ素粉末12は、密閉空間から取り出される前に約100℃未満に冷却される。様々な冷却プロファイルが冷却サイクルのために考えられる。
【0030】
説明した例では、この方法および装置は、ホウ素粉末被覆溶液を作る前にホウ素粉末12を清浄化する、すなわち、ホウ素粉末粒子の表面から油膜を除去するための手段を準備する。長い炭素鎖をより短くてより容易に揮発する有機化合物に分解し、有機汚染物質を気化させることを介してホウ素粉末12中の有機汚染物質を除去すると、約0.1重量パーセント以下の可溶性残留物を有するホウ素粉末12を生成することができる。不純物のこのレベルはホウ素粉末12の親水性の性質に影響を与えない可溶性残留物の許容レベルであると考えることができる。さらに、有機汚染物質をほとんどまたはまったく含まない得られたホウ素粉末12は下流のホウ素粉末被覆欠陥を減少または排除し、被覆プロセスにおける再現性を改善する。
【0031】
本明細書は、例を使用して、最良の形態を含む発明を開示し、さらに、当業者が、任意のデバイスまたはシステムを製作および使用し、任意の組み込んだ方法を実行することを含めて本発明を実施することができるようにする。本発明の特許の範囲は特許請求の範囲によって規定され、当業者が思いつく他の例を含むことができる。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字どおりの意味と異ならない構造要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文字どおりの意味と実質的に差がない均等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0032】
10 処理システム
12 ホウ素粉末
16 炉
18 内部体積部
20 熱源
24 ボート
26 ポート
30 カバーガス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染されたホウ素粉末から汚染物質を除去する方法であって、
有機汚染物質と混じり合っている汚染されたホウ素粉末を準備するステップと、
前記汚染されたホウ素粉末およびそれと混じり合っている前記汚染物質を不活性容器に配置するステップと、
前記不活性容器、前記汚染されたホウ素粉末、およびそれと混じり合っている前記汚染物質を密閉空間に入れるステップと、
前記密閉空間に熱源を準備するステップと、
前記汚染されたホウ素粉末およびそれと混じり合っている前記汚染物質を高温に加熱するステップと、
前記有機汚染物質の量を減少させるように前記汚染物質を変質させるステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記汚染物質を変質させる前記ステップが、前記有機汚染物質を形成する炭素鎖を分解するステップである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記汚染物質を変質させる前記ステップが、前記有機汚染物質を気化させるステップである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記高温が約500℃である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記密閉空間内に特別な雰囲気を供給するステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記特別な雰囲気が水素である、請求項5記載の方法。
【請求項7】
処理サイクルの後の前記ホウ素粉末中の前記有機汚染物質の量が可溶性残留物の約0.1重量パーセント以下である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記密閉空間から前記ホウ素粉末を取り出すのに先立って前記ホウ素粉末を約100℃未満に冷却するステップをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
汚染されたホウ素粉末から汚染物質を除去する方法であって、
有機汚染物質と混じり合っている汚染されたホウ素粉末を準備するステップと、
前記汚染されたホウ素粉末およびそれと混じり合っている前記汚染物質を不活性容器に配置するステップと、
前記不活性容器、前記汚染されたホウ素粉末、およびそれと混じり合っている前記汚染物質を密閉空間に入れるステップと、
前記密閉空間に熱源を準備するステップと、
前記汚染されたホウ素粉末およびそれと混じり合っている前記汚染物質を高温に加熱するステップと、
処理サイクルの後の前記ホウ素粉末中の前記有機汚染物質の量が可溶性残留物の約0.1重量パーセント以下となるように前記汚染物質を変質させるステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記汚染物質を変質させる前記ステップが、前記有機汚染物質を形成する炭素鎖を分解するステップである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記汚染物質を変質させる前記ステップが、前記有機汚染物質を気化させるステップである、請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記高温が約500℃である、請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記密閉空間内に特別な雰囲気を供給するステップをさらに含む、請求項9記載の方法。
【請求項14】
前記特別な雰囲気が水素である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記密閉空間から前記ホウ素粉末を取り出すのに先立って前記ホウ素粉末を約100℃未満に冷却するステップをさらに含む、請求項9記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2013−100215(P2013−100215A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−185064(P2012−185064)
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)