説明

ホスホジエステラーゼ−4の阻害をもたらす、ユソウボク属植物の抽出物または抽出物質の使用、ならびにその調製方法

本発明は、ホスホジエステラーゼ-4の阻害をもたらす、ユソウボク属植物の抽出物または抽出物質の使用およびその製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスホジエステラーゼ-4の阻害をもたらす、ユソウボク属植物(Guajacum sp.)の抽出物または抽出物質の使用、ならびにそれらの調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユソウボク製剤の使用は、例えばHagerROM 2002, Springer publishing company, Heidelbergに記載されている。この文献には、痛風、リウマチ、梅毒、および詳細不明の皮膚病の治療などの、よく知られた用途が述べられている。
【0003】
同種療法(homeopathy)の分野では、1985年10月10日付連邦広報(Bundesanzeiger)190号における委員会Dの製剤に関するモノグラフが、同種療法の薬剤の概念と一致した用途として、扁桃炎、咽頭炎、気管支炎および肺炎、リウマチおよび痛風について述べている。
【0004】
Guajacum officinale L.およびGuajacum sanctum L.の心材から溶融して得られた樹脂は、薬剤として使用される。前記樹脂は、HAB 1に従った、チンク剤の母液と希釈液に基づいた製剤の製造に供されている。
【0005】
委員会Eの逆症療法(allopathic)製剤についてのモノグラフは、グアヤックウッドに基づいており、1987年4月23日付連邦広報76号に掲載されている。指摘として、リウマチの病状の支持療法が述べられている。
【0006】
ドイツ特許第10131036A1号には、100gあたり、50gのコンズランゴ(Condurango)樹皮、0.60gのグアヤックウッド、0.40gのタンポポの根と葉および0.40gのペパーミント葉でできたアルコール液浸製剤(15体積%エタノール)70gから成る、エリキシル剤が記載されている。当発明者の所信によれば、HIVのウイルス量の低減に寄与するのは、主にコンズランゴ樹皮の未確認成分、およびグアヤックウッドの未確認成分のはずである。HIVウイルス量を低減させるデータは提供されていない。この出願の記載からは、当業者でも、発明者がどのようにしてその結論に達したかを推理することはできない。
【0007】
米国特許第4774229号には、哺乳動物の皮膚癌の治療方法が特許請求されている。該方法では該癌が、ハマビシ科(Zygophyllaceae)の植物抽出物と非アルカリ金属ハロゲン化物の新規混合物で、局所的に治療される。さらに、カラム5の2行目から10行目には、該混合物が脳腫瘍、乳癌、およびさらなる種類の腫瘍に対して効果的であるはずである、と記載されている。米国特許第4774229号の実施例1から6より、最初に植物材料からフェノール抽出物を調製し、次いで金属ハロゲン化物と接触させ、新規化合物、すなわちフェノール化合物と金属イオンの錯体が得られることが、当業者には明らかである。明らかに、該発明の基本概念は、濃度によっては細胞毒性が高いアンチモン、カドミウム、銅、および亜鉛の塩を、フェノール化合物との錯体に変換することによって、望ましい使用に対し、適用し易くすることである。
【0008】
開発計画に関しては、委員会Eのモノグラフに従えばリウマチ障害の支持療法に適切となる、ユソウボク属植物体各部の乾燥抽出物を調製することになった。このために、多種の抽出液が調製された。抽出液の調製には、何の問題もなかった。しかし、得られた抽出液は、濃縮時に多量の沈殿とタール様堆積物を形成したため、標準的な手法では粘稠抽出物に変換できなかった。さらに、マルトデキストリン、マンニトール、乳糖、リン酸三カルシウム、カラヤガム、アラビアゴムなどの様々な賦形剤を抽出液へ添加しても、前記多量の沈殿物とタール様堆積物が防止されなかった。粘稠抽出物、乾燥抽出物いずれの調製も、適性製造基準(GMP)に従った該手法では、実現されなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】ドイツ特許第10131036A1号
【特許文献2】米国特許第4774229号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】HagerROM 2002, Springer publishing company, Heidelberg
【非特許文献2】1985年10月10日付連邦広報190号
【非特許文献3】HAB 1
【非特許文献4】1987年4月23日付連邦広報76号
【非特許文献5】M. D. Houslay、P. SchaferおよびK. Y. J Zhangの総説、Drug Discovery Today、2005年11月、10巻、22号、1503〜1509頁
【非特許文献6】Torphy T. J.、Zhou H. L.、Cieslinski L. B. (1992年)「Stimulation of beta adrenoreceptors in a human monocye cell line (U937) up-regulates cyclic AMP-specific phosphodiesterase activity」、J. Pharmacol. Exp. Ther.、263巻、3号、1195〜1205頁
【非特許文献7】Schilling R. J.、Morgan D. R.およびKilpatrick B. F.、(1994年)「A high throughput assay for cyclic nucleotide phosphodiesterases」、Anal. Biochem.、216巻、154〜158頁
【非特許文献8】Mullershausen F.、Friebe A.、Feil R.、Thompson W. J.、Hofmann F.、Koesling D.、(2003年)「Direct activation of PDE5 by cGMP: long-term effects within NO/cGMP signaling」、J. of Cell Biology、160巻、5号、719〜727頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、ユソウボク属植物、具体的にはGuajacum sanctum L.、Guajacum officinale L.、Guajacum coulteri GrayおよびGuajacum parvifolium Planchから成る群より選択される種の、乾燥抽出物の調製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、独立請求項の特徴によって、特徴付けられる。好ましい実施形態は従属請求項で規定されている。
【0013】
驚くべきことに、上述した濃縮の最中に起こる多量の沈殿およびタール様堆積物は、得られたアルコールまたは水性アルコール抽出液を、アラビアゴムの水溶液に(量的に)制御しながら添加し、減圧エバポレータ中制御しながら濃縮すると、完全に回避できることが見出された。これを実施するときには、該工程中にアルコールおよび水の濃度を維持し、アラビアゴムおよび該抽出物中に含まれる植物抽出物質いずれもが沈殿しないようなやり方で、前記添加および前記濃縮を実現しなければならない。
【0014】
この全く予期していなかった効果は、今は説明が可能で、すなわち、抽出液中に溶解している抽出物質に対して過剰のアラビアゴムが存在しなければならず、アラビアゴムは、主に水性媒体中ならびに少量のアルコールを含んだ水性媒体中で、準乳液および安定な懸濁液を形成できるからである。
【0015】
堆積物も相分離もなく、直接にまたはさらなる濃縮ステップの後に乾燥抽出物へと転換できる、均一な粘稠抽出物が生じる。該乾燥抽出物は、粘稠抽出物、特に、さらに濃縮された粘稠抽出物の、通常のスプレードライ、ベルト乾燥、または攪拌翼乾燥によって得ることができる。
【0016】
抽出液ならびにそれから調製される乾燥抽出物は、様々なインビトロ薬理試験系でアッセイされた。これらの試験では、80%m/mエタノールで調製された抽出液はそれ自体、シクロオキシゲナーゼIの穏やかな阻害剤であることが判明した。COX1に対するIC50値は30μg/mlであった。ヒト白血球エラスターゼHLEは60μg/mlで50%阻害された。ヒトマクロファージからのインターロイキン1-βの放出は、45μg/mlで50%阻害された。インターロイキン6の放出は、7μg/mlで50%阻害された。腫瘍壊死因子αの放出は、7μg/mlで50%阻害された。
【0017】
興味深いことに、抽出液ならびに得られたその乾燥抽出物の両者は、顆粒球に基づく5-リポキシゲナーゼ試験系において、上記の試験系と比較して、有意に低い濃度でロイコトリエン合成を阻害する。IC50値0.5μg/mlが得られた。
【0018】
驚くべきことに、本発明の方法に従って調製された乾燥抽出物は、PDE4と略称されるヒトホスホジエステラーゼ-4を、インビトロ薬理試験系において、IC50値0.2μg/mlで阻害することが見出された。
【0019】
これらの結果のために、本発明の方法に従って調製された乾燥抽出物を、PDE5と略称されるヒトホスホジエステラーゼ-5のインビトロ薬理試験系においてアッセイすることによって、該抽出物がこれらホスホジエステラーゼの一方に特異性を有するかどうかを確定した。IC50値1.5μg/mlである阻害が、見出された。
【0020】
該抽出物の阻害効果の強度における著しい差から、該抽出物はホスホジエステラーゼ-4に対する顕著な特異性を有するという結論に至った。
【0021】
したがって、驚くべきことに、本発明に従って調製された乾燥抽出物がホスホジエステラーゼ-4を阻害し、少なくとも1種のホスホジエステラーゼ-4を阻害する抽出物質を明らかに含有していることが見出された。上述したその他のインビトロ薬理試験系と比較すると、該阻害は、有意に低いIC50値で起こる。
【0022】
合成PDE阻害剤、例えばロリプラムで得られた現在の薬理および臨床報告を考慮すると、ホスホジエステラーゼ-4の阻害が、部分的な重病全種の治療に対し、大いに関係することになることは明らかである。この点に関し、M. D. Houslay、P. SchaferおよびK. Y. J Zhangの総説、Drug Discovery Today、2005年11月、10巻、22号、1503頁〜1509頁は注目される。この論説にのみ、少なくとも1つの窒素原子を含む、そうした活性成分が言及されている。
【発明を実施するための形態】
【0023】
次の例は本発明を例証するものである。
【実施例1】
【0024】
辺材含有量が低く、切片サイズ約1mmから約2mmのGuajacum sanctum L.の心材6.5kgを30℃〜45℃の間の温度で、2時間にわたり、80重量部のエタノールと20重量部の水の混合物で、攪拌しながら抽出した。薬剤と抽出剤混合物の重量比は、1:7であった。このようにして抽出された薬剤は層濾過によって分離した。
【0025】
エバポレータ中、300gのアラビアゴムを1.7kgの水に温度30℃で攪拌しながら溶解すると、15%m/mのアラビアゴム溶液となった。該アラビアゴム溶液に、最初は1.2kgの上記得られた抽出液を加え、減圧下(300mbar〜20mbar)で濃縮し、昇温を開始した。蒸留開始直後、該抽出液の残部を(量的に)制御しながら、抽出液の全量が収縮し濃縮するまで、連続的にエバポレータ中添加した。該混合物の濃縮の間、得られた粘稠抽出物の乾燥物質の含有量が30〜40%m/mに達するまで、抽出液を制御しながら添加するか、必要に応じて水を添加してエタノールの濃度を15〜35%m/mに維持した。
【0026】
粘稠抽出物を調製する間、濃縮中の混合物の均一性を目視でモニターした。該方法によって得られた粘稠抽出物は、淡褐色で自由流動性であり、密度も均一であった。
【0027】
該粘稠抽出物を減圧下(300mbar〜20mbar)および高温下(40℃〜55℃)で、45%〜55%の乾燥物質含有量が達成されるまで、さらに濃縮した。さらに濃縮された粘稠抽出物(乾燥物質含有量50%で2kg)は、淡褐色であり、濃厚な流動性を示し、稠度が均一であった。該高濃厚粘稠抽出物を圧力150mbar〜10mbarの減圧下、温度40℃〜55℃で、乾燥器内で乾燥した。アラビアゴム賦形剤30%m/mを含有する淡褐色の抽出物、1kgが得られた。
【実施例2】
【0028】
実施例1と同様にして得られた乾燥抽出物を用い、下記の引用文献に従って、PDE4アッセイを実行した。
【0029】
PDE4をU937細胞から単離する方法:Torphy T. J.、Zhou H. L.、Cieslinski L. B. (1992年)、「Stimulation of beta adrenoreceptors in a human monocye cell line (U937) up-regulates cyclic AMP-specific phosphodiesterase activity」、J. Pharmacol. Exp. Ther.、263巻、3号、1195頁〜1205頁
【0030】
3H-cAMPをPDE4のトレーサーとしたPDEの同定方法:Schilling R. J.、Morgan D. R.およびKilpatrick B. F.、(1994年)「A high throughput assay for cyclic nucleotide phosphodiesterases」、Anal. Biochem.、216巻、154頁〜158頁
【0031】
本発明に従って調製された該乾燥抽出物を、90%v/vのエタノールに溶解し、該試験系におけるエタノールの最高濃度が1%v/vになるように希釈した。このように溶解した抽出物を、その阻害活性について、賦形剤を含まない抽出物に基づいて計算した下記の濃度で、アッセイした。
【0032】
【表1】

【0033】
したがって、アッセイした本発明に従って調製した乾燥抽出物では、IC50値0.2μg/mlという結果が得られた。
【0034】
対照物質としてPDE4の特異的阻害剤であるロリプラムの阻害活性を、比較のために、下記の濃度でアッセイした。
【0035】
【表2】

【0036】
したがって、アッセイした対照物質ロリプラムに対しては、IC50値0.8μg/mlという結果が得られた。
【実施例3】
【0037】
実施例1と同様にして得られた乾燥抽出物を用い、下記の引用文献に従って、PDE5アッセイを実行した。
【0038】
PDE5の単離方法:Mullershausen F.、Friebe A.、Feil R.、Thompson W. J.、Hofmann F.、Koesling D.、(2003年)「Direct activation of PDE5 by cGMP: long-term effects within NO/cGMP signalling」、J. of Cell Biology、160巻、5号、719頁〜727頁
【0039】
3H-cGMPをPDE5のトレーサーとしたPDEの同定方法:Schilling R. J.、Morgan D. R.およびKilpatrick B. F.、(1994年)「A high throughput assay for cyclic nucleotide phosphodiesterases」、Anal. Biochem.、216巻、154頁〜158頁
【0040】
本発明に従って調製された乾燥抽出物を90%v/vエタノールに溶解し、該試験系における最高濃度が1%v/vエタノールになるように希釈した。このようにして溶解した抽出物を、その阻害活性について、賦形剤を含まない該抽出物に基づいて計算した下記の濃度で、アッセイした。
【0041】
【表3】

【0042】
したがって、アッセイした本発明に従って調製された乾燥抽出物では、IC50値1.5μg/mlという結果が得られた。
【0043】
対照物質としてPDE5の特異的阻害剤であるシルデナフィルの阻害活性を、比較のために下記の濃度でアッセイした。
【0044】
【表4】

【0045】
したがって、アッセイした対照物質シルデナフィルについては、IC50値8nMという結果が得られた。
【0046】
実施例2および3に示された結果より、本発明に従って調製された乾燥抽出物、またはそこに含まれる少なくとも1種の抽出物質は、ホスホジエステラーゼ-4の阻害が要求され、また効果的である、疾患の治療における使用に最適であると結論することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のアルコール、または少なくとも1種のアルコールと水の混合物で植物各部を抽出する、ユソウボク属植物、具体的にはGuajacum sanctum L.、Guajacum officinale L.、Guajacum coulteri GrayおよびGuajacum parvifolium Planchから成る群より選択される各植物種から乾燥抽出物を調製する方法であって、
得られた抽出液を制御しながらアラビアゴム水溶液に添加し、さらに制御しながら濃縮し、前記添加および前記濃縮を、前記工程の間にアルコールおよび水の濃度を維持し、アラビアゴムも植物抽出物質も沈殿しないように実施し、
このように得られた粘稠抽出物を乾燥するか、このように得られた粘稠抽出物をさらに濃縮した後に乾燥することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記植物の心材または心材および辺材の混合物のいずれかを抽出し、前記木材を粉体または切片、具体的には切片サイズ約1mmから約2mmで抽出することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アルコールが1〜5個の炭素原子を有するアルコール、特にエタノールであり、また、少なくとも1種のアルコールおよび水の前記混合物が、30〜90m/m%のアルコールおよび70〜10m/m%の水、好ましくは75〜85m/mアルコールおよび25〜15m/m%の水から成り、好ましくはエタノールが用いられるものであることを特徴とする、請求項1から2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
抽出される植物の重量部あたり、1〜20重量部、特に6〜12重量部の溶媒を使用することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記抽出が、温度30℃〜50℃、期間2〜4時間で実施されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
抽出物質の重量部あたり0.2〜0.6重量部、特に0.4重量部のアラビアゴムを使用することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
アラビアゴム10〜30%、特に15%の水溶液が最初に供給されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記混合物を濃縮する間、アルコール濃度が15〜35m/m%、特に25m/m%存在し、粘稠抽出物中の乾燥物質の含量が30〜40m/m%に達するまで、前記濃度を維持することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
得られた濃縮抽出物がアルコール濃度0から10m/m、特に5m/m%までさらに濃縮されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記乾燥抽出物を、粘稠抽出物、特にさらに濃縮した粘稠抽出物のスプレードライ、ベルト乾燥または攪拌翼乾燥によって得ることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記乾燥抽出物が、NDGAと略称されるノルジヒドログアヤレト酸を含まないことを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ユソウボク属植物、具体的にはGuajacum sanctum L.、Guajacum officinale L.、Guajacum coulteri GrayおよびGuajacum palvifolium Planchより成る群より選択される植物種に由来し、PDE4と略称されるホスホジエステラーゼ-4の阻害をもたらす抽出物または抽出物質の使用であって、少なくとも1種の疾患、具体的には慢性閉塞性肺疾患、COPD、クローン病、潰瘍性大腸炎、アルツハイマー病、パーキンソン病、記憶疾患、鬱病、サルコイドーシス、嚢胞性繊維症、多発性硬化症、急性リンパ性白血病、T細胞白血病、慢性リンパ性白血病、B細胞白血病、B細胞リンパ腫、グリア芽種、星状細胞種およびレトロウイルス感染症より成る群から選択される疾患の治療用薬剤における有効成分としての使用。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか一項に記載の方法に従って得られた乾燥抽出物の、少なくとも1種の疾患、具体的には慢性閉塞性肺疾患、COPD、クローン病、潰瘍性大腸炎、アルツハイマー病、パーキンソン病、記憶疾患、鬱病、サルコイドーシス、嚢胞性繊維症、多発性硬化症、急性リンパ性白血病、T細胞白血病、慢性リンパ性白血病、B細胞白血病、B細胞リンパ腫、グリア芽種、星状細胞種およびレトロウイルス感染症より成る群から選択される疾患の治療用薬剤における有効成分としての使用。
【請求項14】
ユソウボク属植物、具体的にはGuajacum sanctum L.、Guajacum officinale L.、Guajacum coulteri GrayおよびGuajacum palvifolium Planchより成る群より選択される植物種に由来し、PDE4と略称されるホスホジエステラーゼ-4の阻害をもたらす抽出物または抽出物質を有効成分として含むことを特徴とする、少なくとも1種の疾患、具体的には慢性閉塞性肺疾患、COPD、クローン病、潰瘍性大腸炎、アルツハイマー病、パーキンソン病、記憶疾患、鬱病、サルコイドーシス、嚢胞性繊維症、多発性硬化症、急性リンパ性白血病、T細胞白血病、慢性リンパ性白血病、B細胞白血病、B細胞リンパ腫、グリア芽種、星状細胞種およびレトロウイルス感染症より成る群から選択される疾患の治療用薬剤。
【請求項15】
前記有効成分が請求項1から11のいずれか一項に記載の方法に従って得られた乾燥抽出物に含有されていることを特徴とする、請求項14に記載の薬剤。
【請求項16】
ユソウボク属植物、具体的にはGuajacum sanctum L.、Guajacum officinale L.、Guajacum coulteri GrayおよびGuajacum parvifolium Planchより成る群より選択される植物種に由来し、PDE4と略称されるホスホジエステラーゼ-4の阻害をもたらす抽出物または抽出物質の使用であって、少なくとも1種の疾患、具体的には慢性閉塞性肺疾患、COPD、クローン病、潰瘍性大腸炎、アルツハイマー病、パーキンソン病、記憶疾患、鬱病、サルコイドーシス、嚢胞性繊維症、多発性硬化症、急性リンパ性白血病、T細胞白血病、慢性リンパ性白血病、B細胞白血病、B細胞リンパ腫、グリア芽種、星状細胞種およびレトロウイルス感染症より成る群から選択される疾患の治療用薬剤を調製するための使用。
【請求項17】
前記有効成分が請求項1から11のいずれか一項に従って得られた乾燥抽出物中に含有されることを特徴とする、請求項16に記載の使用。

【公表番号】特表2009−541366(P2009−541366A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516852(P2009−516852)
【出願日】平成19年7月4日(2007.7.4)
【国際出願番号】PCT/CH2007/000325
【国際公開番号】WO2008/003185
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(508374140)マックス−ツェラー・ゾーネ・アーゲー (1)
【Fターム(参考)】