ホットマッサージサポーター
【課題】被施術者に効果的に温熱を与えることができ、かつ、施術者が従来と同様の感覚で被施術者にマッサージを施すことができるホットマッサージサポーターを提供する。
【解決手段】ホットマッサージサポーターは、第1〜第3の頂点部11〜13を有する平面略三角形状の第1基材10と、第4〜第6の頂点部24〜26を有する平面略三角形状の第2基材20と、第1基材10と第2基材20とを連結する連結手段30と、使用時に手首に巻き付けられるバンド部材40と、面ファスナー22,23とによって構成される。第1基材10が掌に固定されると、第1の頂点部11は手根部近傍の掌側に当接され、第2の頂点部12は小指の第3関節近傍の掌側に当接され、第3の頂点部13は人差し指の第3関節近傍の掌側に当接される。第1基材10と第2基材20とに、メッシュ状部材17,27によってポケット状に形成されたカイロ保持手段が設けられる。
【解決手段】ホットマッサージサポーターは、第1〜第3の頂点部11〜13を有する平面略三角形状の第1基材10と、第4〜第6の頂点部24〜26を有する平面略三角形状の第2基材20と、第1基材10と第2基材20とを連結する連結手段30と、使用時に手首に巻き付けられるバンド部材40と、面ファスナー22,23とによって構成される。第1基材10が掌に固定されると、第1の頂点部11は手根部近傍の掌側に当接され、第2の頂点部12は小指の第3関節近傍の掌側に当接され、第3の頂点部13は人差し指の第3関節近傍の掌側に当接される。第1基材10と第2基材20とに、メッシュ状部材17,27によってポケット状に形成されたカイロ保持手段が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージを行う者(以下、「施術者」という。)がマッサージを受ける者(以下、「被施術者」という。)に温熱を与えながらマッサージを施すことができるようカイロを保持可能にした、主に業務用に使用されるマッサージ用のサポーター(ホットマッサージサポーター)に関する。
【背景技術】
【0002】
マッサージは、一般に、被施術者の患部(肩、背中、足など)の凝りや張りをほぐすために行われる。患部の凝りや張りは血行を良くすることによってほぐされるところ、人の身体を温めると(その人の)血行が良くなることは一般に知られている。また、血行が良くなることで、人は自身の身体の心地良さを感じる。以上のような観点から、マッサージ中に患部に温熱が与えられた方がマッサージの効果は高まると言える。また、施術者の手の指が温かいほど、被施術者の血行は良好な状態となり、被施術者は心地良くマッサージを受けることができる。例えば、我が国にはいわゆる「プロ」と呼ばれるマッサージ師(業としてマッサージを行っている専門家)が多数存在するところ、顧客(被施術者)から高い評価を得ているマッサージ師の手は概して温かいようである。
【0003】
ところで、マッサージは本来的に素手で行われるものである。特にプロのマッサージ師は、被施術者の筋肉の状態等を把握しなければならないこと、微妙な力加減を要するために柔軟な指の動きが必要となること等の理由により、従来より素手でマッサージを行っている。例えば、被施術者の筋肉をほぐしたりツボを押したりすることは、(施術者の)指先を使って行われる。このため、マッサージ中には、被施術者の患部に直接あるいは薄い下着等を介して施術者の手の指が触れることになる。従って、気温の低い時期など施術者の手の指が冷たければ、マッサージの効果は低下する。逆に、上述したように、施術者の手の指が温かいほど、患部に温熱が与えられることにより、マッサージの効果は高まる。そこで、特開2004−243079号公報には、指先部分を取り除いた左右一対の手袋状用具の掌(手のひら)側にカイロを取りつけたマッサージ用具についての発明が開示されている。このマッサージ用具によると、マッサージされる部分に温熱が与えられ、マッサージの効果が高まるとされている。
【0004】
また、カイロで手を温めるという観点では、以下のような技術が知られている。特開2003−93430号公報には、手の甲側に使い捨てカイロを貼ることができるベースを設けた「手の甲使い捨てカイロベース」についての発明が開示されている。特開2001−73210号公報や特開平10−317215号公報には、掌側と手の甲側の双方にカイロを収納可能とした手袋についての発明が開示されている。
【特許文献1】特開2004−243079号公報
【特許文献2】特開2003−93430号公報
【特許文献3】特開2001−73210号公報
【特許文献4】特開平10−317215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特開2004−243079号公報に開示されたマッサージ用具によると、施術者の指先部分以外は手袋状用具に覆われている。マッサージは一般に素手で行われるので、上述のようなマッサージ用具を装着した場合には、施術者は、柔軟な指の動きが阻害され、従来(マッサージ用具を装着していないとき)と同様の感覚で被施術者にマッサージを施すことができない。このため、被施術者に温熱は与えられるが、マッサージの効果はあまり高められない。また、特開2003−93430号公報,特開2001−73210号公報,および特開平10−317215号公報に開示された手袋等は、いずれも当該手袋等の装着者自身の手を温めることを目的とするものである。
【0006】
これに対し、本発明は、特開2003−93430号公報,特開2001−73210号公報,および特開平10−317215号公報に開示された手袋等とは異なり、主に業務用に使用されるマッサージ用のサポーター(ホットマッサージサポーター)であって、マッサージを受ける者の患部を温めることを目的とするものである。また、本発明は、「指先から指の付け根(第3間接部分)に至るまでの部分や母指球・小指球近傍が何かに覆われている」ということがないため指の動きが阻害されることなく本来の素手で行われるマッサージと同様のマッサージを行うことができるという点、および掌側と手の甲側の双方に配置されたカイロからの温熱によって被施術者の患部を効果的に温めることができるという点で特開2004−243079号公報に開示されたマッサージ用具とは異なっている。
【0007】
このように、本発明は、マッサージの際に被施術者に温熱を与えることができ、かつ、施術者が従来と同様の感覚で(指の動きが阻害されることなく)被施術者にマッサージを施すことができる(主に業務用に使用される)マッサージ用のサポーター(ホットマッサージサポーター)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、手に装着されるべきホットマッサージサポーターであって、
第1、第2、および第3の頂点部を有する平面略三角形状の第1基材と、
第2基材と、
前記第2の頂点部および前記第3の頂点部と前記第2基材とを連結する連結手段と、
前記第1の頂点部近傍または前記第2基材の一方に取り付けられ手首に巻き付け可能なバンド部材と、
前記第1の頂点部が手根部近傍に、前記第2の頂点部が小指の第3関節近傍に、前記第3の頂点部が人差し指の第3関節近傍にそれぞれ当接された状態で前記第1基材が掌内に配置され、かつ、前記第2基材が手の甲に配置されるように、前記第1の頂点部近傍または前記第2基材の他方を前記バンド部材に着脱可能に固定するための固定手段と
を備え、
少なくとも前記第1基材に、カイロを保持するためのカイロ保持手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、
前記第2基材は、第4、第5、および第6の頂点部を有する平面略三角形状に形成され、
前記固定手段の一部は、少なくとも前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍に設けられ、
前記バンド部材は、前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍の一方に取り付けられ、
前記固定手段は、前記第4の頂点部が手根部近傍に、前記第5の頂点部が人差し指の第3関節近傍に、前記第6の頂点部が小指の第3関節近傍にそれぞれ当接された状態で前記第2基材が手の甲に配置されるように、前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍の他方を前記バンド部材に着脱可能に固定し、
前記第2基材に、前記カイロ保持手段が設けられていることを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、
前記連結手段は、小指を通すための穴部を有し前記第2の頂点部と前記第6の頂点部とを連結する第1の連結部材と、人指し指を通すための穴部を有し前記第3の頂点部と前記第5の頂点部とを連結する第2の連結部材とからなることを特徴とする。
【0011】
第4の発明は、第2または第3の発明において、
前記固定手段は、前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍の他方に設けられた面ファスナーであることを特徴とする。
【0012】
第5の発明は、第1から第4までのいずれかの発明において、
前記バンド部材に面ファスナーが取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
第6の発明は、第1から第5までのいずれかの発明において、
前記カイロ保持手段は、カイロが着脱可能となるように、ポケット状に形成されていることを特徴とする。
【0014】
第7の発明は、第1から第6までのいずれかの発明において、
前記カイロ保持手段は、メッシュ状部材で形成されていることを特徴とする。
【0015】
第8の発明は、第1から第7までのいずれかの発明において、
前記連結手段は、前記第2の頂点部から前記第3の頂点部に向かう方向とは垂直方向に伸縮可能な弾性部材であることを特徴とする。
【0016】
第9の発明は、第8の発明において、
前記弾性部材は、ゴム紐であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上記第1の発明によれば、ホットマッサージサポーターには、装着状態において第1から第3の頂点部がそれぞれ手根部近傍の掌側,小指の第3関節近傍の掌側,および人差し指の第3関節近傍の掌側に当接されるように構成された平面略三角形状の第1基材が設けられ、当該第1基材には、カイロを保持するためのカイロ保持手段が設けられている。このように、掌内に適当に収まるような第1基材にカイロ保持手段が設けられているので、各指についての指先から付け根(第3間接部分)に至るまでの部分や母指球・小指球近傍の部分が何かに覆われているということはない。このため、施術者は、指の動きに制限を受けることはなく、また、被施術者の患部を直接指で揉んだり押したりすることができる。これにより、施術者は、被施術者に継続的に温熱を与えつつ、本来のマッサージ(このホットマッサージサポーターを装着していない状態でのマッサージ)と同様の感覚で被施術者にマッサージを施すことが可能となる。
【0018】
上記第2の発明によれば、施術者は、マッサージの際に、掌側と手の甲側との双方にカイロを保持することができる。このため、掌側のカイロの熱が被施術者に与えられるだけでなく、手の甲側のカイロの熱が施術者の手を伝って被施術者に与えられる。このような効果的な熱伝達によって、施術者の手から被施術者の患部に効果良く温熱を与えることが可能となる。これにより、施術者は、自身の手の両面から温熱を被施術者に与えつつ、本来のマッサージと同様の感覚で被施術者にマッサージを施すことが可能となる。
【0019】
上記第3の発明によれば、親指を除く4本の指のうち外側にある小指と人差し指とによってホットマッサージサポーターの(手への)固定が図られる。このため、ホットマッサージサポーターが施術者の手に装着された状態において、高い安定性が確保される。
【0020】
上記第4の発明によれば、第1の頂点部近傍または第4の頂点部近傍のうちバンド部材が取り付けられていない方に、固定手段としての面ファスナーが設けられている。このため、施術者は、当該面ファスナーとバンド部材とによって、片手でも比較的容易にホットマッサージサポーターを自らの手に固定することができる。
【0021】
上記第5の発明によれば、バンド部材には面ファスナーが取り付けられている。このため、施術者は、片手でも比較的容易に当該バンド部材を手首に固定することができる。
【0022】
上記第6の発明によれば、カイロ保持手段がポケット状に形成されているので、必要に応じてカイロを交換することが可能となる。このため、ホットマッサージサポーターを繰り返して使用することが可能となる。
【0023】
上記第7の発明によれば、マッサージの際に、被施術者とカイロとの間にはメッシュ状部材のみが介在することになる。このため、カイロの温熱が効率良く患部に与えられ、マッサージの効果が高められる。
【0024】
上記第8の発明によれば、連結手段が伸縮することにより第1基材と第2基材との距離が可変となっている。このため、施術者の手の大きさや形にかかわらず、ホットマッサージサポーターが当該施術者の手に容易にフィットする。
【0025】
上記第9の発明によれば、上記第8の発明と同様、施術者の手の大きさや形にかかわらず、ホットマッサージサポーターが当該施術者の手に容易にフィットする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。なお、実施形態中のホットマッサージサポーターは施術者の右手に装着されるものとして説明する。
【0027】
<1.概略構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るホットマッサージサポーターの概略平面図である。このホットマッサージサポーターは、第1〜第3の頂点部11〜13を有する平面略三角形状の第1基材10と、第4〜第6の頂点部24〜26を有する平面略三角形状の第2基材20と、第1基材10と第2基材20とを連結する連結手段30と、(このホットマッサージサポーターの使用時に)手首に巻き付けられるバンド部材40とからなる。第1基材10および第2基材20は、典型的には、綿,麻,羊毛,絹などの天然繊維からなる布状基材である。第1基材10には、第1の頂点部11から三角形状部分の中心とは反対方向に突出する舌片部18が設けられている。第2基材20についても、第1基材10と同様に、第4の頂点部24から突出する舌片部28が設けられている。なお、以下においては、図2に示すように、各基材のうち舌片部28を除く略三角形状の部分を「本体部」という。この本体部には、後述するように使い捨てカイロ等のカイロが保持される。
【0028】
第1基材10と第2基材20とは、連結手段30を実現する第1および第2の連結部材31,32によって連結されている。詳しくは、第1基材10の第2の頂点部12と第2基材20の第6の頂点部26とは、小指を通すための穴部310を有する第1の連結部材31によって連結されている。また、第1基材10の第3の頂点部13と第2基材20の第5の頂点部25とは、人差し指を通すための穴部320を有する第2の連結部材32によって連結されている。
【0029】
バンド部材40は、第1基材10の舌片部18に取り付けられている。詳しくは、図1に示すように、バンド部材40の略中央部が第1基材10の舌片部18に取り付けられている。このバンド部材40は、ホットマッサージサポーターが施術者の手に装着される際に当該施術者の手首に巻き付けられる。
【0030】
以上のように構成されたホットマッサージサポーターが施術者の手に装着されると、第1基材10は掌側に配置され、第2基材20は手の甲側に配置される。また、装着の際には、第1の連結部材31の穴部310に小指が通され、第2の連結部材32の穴部320に人差し指が通される。また、バンド部材40は手首に巻き付けられる。そして、第2基材20の舌片部28に設けられた後述の面ファスナー22,23(図3参照)が固定手段として機能し、当該面ファスナー22,23とバンド部材40とによって、第1基材10が掌に固定され、第2基材20が手の甲に固定される。このとき、第1の頂点部11は手根部近傍の掌側に当接され、第2の頂点部12は小指の第3関節近傍の掌側に当接され、第3の頂点部13は人差し指の第3関節近傍の掌側に当接される。また、第4の頂点部24は手根部近傍の手の甲側に当接され、第5の頂点部25は人差し指の第3関節近傍の手の甲側に当接され、第6の頂点部26は小指の第3関節近傍の手の甲側に当接される。
【0031】
<2.詳細構成>
次に、図3から図8を参照しつつ、本実施形態に係るホットマッサージサポーターの詳しい構成について説明する。なお、以下においては、ホットマッサージサポーターが施術者の手に装着された状態において掌や手の甲と接する面がある側を裏側といい、それとは異なる面がある側(外部から視認される面がある側)を表側という。また、第1基材10および第2基材20のことを単に「基材」ともいう。
【0032】
<2.1 カイロ保持手段>
まず、カイロを保持するための構成について説明する。図3は、このホットマッサージサポーターを表側から見た平面図であり、図4は、このホットマッサージサポーターを裏側から見た平面図である。図3に示すように、第1基材10および第2基材20の本体部の表側には、それぞれメッシュ状部材17,27が設けられている。これらのメッシュ状部材17,27に関し、図5において符号73,74の点線で示す部分については基材に縫い付けられているが、それ以外の部分については基材には縫い付けられていない。このため、基材とメッシュ状部材とによってポケットが形成されており、各基材の本体部においてカイロ19,29が格納可能となるとともに、図3で符号71,72の矢印で示す部分からカイロ19,29の着脱(出し入れ)が可能となっている。なお、第1基材10および第2基材20の裏側については、図4に示すように、メッシュ状部材は設けられていない。また、カイロ保持手段としての耐久性を高めるためには、メッシュ状部材17,27をナイロン等のテグスによって形成すれば良い。
【0033】
図6は、図3のA−A線断面図である。図6に示すように、基材20の表側にメッシュ状部材27が設けられており、符号72の矢印で示す部分から本体部へのカイロの出し入れが可能になっている。以上のように、本実施形態においては、基材にメッシュ状部材が設けられることによってカイロ保持手段が実現されている。また、そのカイロ保持手段は、ポケット状に形成されることによって、カイロの着脱が可能となるように構成されている。
【0034】
<2.2 バンド部材および固定手段>
次に、ホットマッサージサポーターを施術者の手に固定するための構成について説明する。上述したように、第1基材10の舌片部18にはバンド部材40が取り付けられている。このバンド部材40は、施術者の手首の親指側の略半分に巻回されるための第1のバンド部材41と施術者の手首の小指側の略半分に巻回されるための第2のバンド部材42とによって構成されている。第2のバンド部材42の表側には、図3に示すように、面ファスナー43が取り付けられている。また、図4に示すように、第1のバンド部材41の裏側にも、面ファスナー44が取り付けられている。それらの面ファスナー43,44のうち一方はループで、他方はフックとなっている。すなわち、第2のバンド部材42の表側に取り付けられた面ファスナー43と第1のバンド部材41の裏側に取り付けられた面ファスナー44とが互いに係合可能に構成されている。
【0035】
また、図3に示すように、第2基材20の舌片部28には、固定手段としての2つの面ファスナー22,23が設けられている。それらの面ファスナー22,23のうち一方はループで、他方はフックとなっている。すなわち、第4の頂点部24近傍に設けられた面ファスナー22と第2基材20の端部に設けられた面ファスナー23とが互いに係合可能に構成されている。これにより、第2基材20の舌片部28が図7に示すように折り返されることによって、両面ファスナー22,23が互いに係合される。
【0036】
図8は、このホットマッサージサポーターを施術者の手に固定する手順について説明するための図である。まず、第1の連結部材31の穴部310に小指が通され、第2の連結部材32の穴部320に人差し指が通されることによって、第2基材20が図8(a)に示すように手の甲に配置される。次に、手首の小指側略半分に第2のバンド部材42が巻き付けられることによって、第2のバンド部材42の先端部近傍が第2基材20上の2つの面ファスナー22,23の間に配置される(図8(b)参照)。次に、手首の親指側略半分に第1のバンド部材41が巻き付けられることによって、第1のバンド部材41の先端部近傍が第2基材20上の2つの面ファスナー22,23の間に配置される(図8(c)参照)。このとき、第2のバンド部材42に取り付けられた面ファスナー43と第1のバンド部材41に取り付けられた面ファスナー44とが互いに係合する。最後に、第2基材20の舌片部28が図7に示すように折り返されることにより、当該舌片部28によってバンド部材40が挟持される(図8(d)参照)。このとき、舌片部28に設けられている2つの面ファスナー22,23が互いに係合する。以上のようにして、第1基材10は掌に固定され、第2基材20は手の甲に固定される。
【0037】
<2.3 連結手段>
次に、第1基材10と第2基材20とを連結するための構成について説明する。上述したように、本実施形態においては、連結手段30は、第2の頂点部12と第6の頂点部26とを連結する第1の連結部材31と、第3の頂点部13と第5の頂点部25とを連結する第2の連結部材32とによって構成されている。ここで、第1および第2の連結部材31,32には穴部310,320が設けられているところ、それらの穴部310,320は、各連結部材31,32の中心よりも第1基材10寄りの位置に設けられている。また、各連結部材31,32は、第2の頂点部12から第3の頂点部13に向かう方向とは垂直方向(図3で符号39で示す方向)に伸縮可能な弾性部材(例えば、ゴム紐)によって実現されている。
【0038】
<3.効果>
図9および図10は、このホットマッサージサポーターが施術者の手に装着された状態を示す図である。なお、図9は掌側から見た図であり、図10は手の甲側から見た図である。本実施形態によれば、マッサージの際にカイロ保持手段にカイロを格納しておくことにより、施術者はカイロによる温熱を継続的に被施術者に与えながらマッサージを施すことが可能となる。ここで、図9および図10において施術者の手の指に着目すると、指先から指の付け根(第3間接部分)に至るまで、何かに覆われているということはない。このため、施術者は、被施術者の患部を直接指で揉んだり押したりすることができる。また、第1基材10の形状は平面略三角形状であって、第1の頂点部11は手根部近傍に当接され、第2の頂点部12は小指の第3関節近傍に当接され、第3の頂点部13は人差し指の第3関節近傍に当接されるように構成されている。このため、第1基材10は掌内に適当に収まり、施術者の手の母指球・小指球近傍の部分が何かに覆われているということはない。従って、施術者は、マッサージを行う際に、指の動きに制限を受けることはない。以上より、施術者は、被施術者に継続的に温熱を与えつつ、本来のマッサージ(このホットマッサージサポーターを装着していない状態でのマッサージ)と同様の感覚で被施術者にマッサージを施すことが可能となる。その結果、従来よりも高いマッサージ効果が得られる。さらに、本実施形態によれば、掌側と手の甲側との双方にカイロを保持することができる。このため、施術者の掌側のカイロの熱が被施術者に与えられるだけでなく、施術者の手の甲側のカイロの熱が施術者の手を伝って被施術者に与えられる。これにより、施術者の手から被施術者の患部に、より温かい熱を継続的に与えることが可能となる。
【0039】
以上のように、本実施形態に係るホットマッサージサポーターよれば、施術者の手の両面に配置されたカイロによって被施術者に効果的に温熱を与えることができ、かつ、指の動きが阻害されることなく本来の素手で行われるマッサージと同様のマッサージを被施術者に施すことが可能となる。
【0040】
また、本実施形態におけるカイロ保持手段はメッシュ状部材17,27で形成されている。このため、被施術者とカイロとの間にはメッシュ状部材17,27のみが介在することになる。その結果、カイロの温熱が効率良く患部に与えられ、マッサージの効果が高められる。また、メッシュ状部材17,27をナイロン等のテグスで形成することにより、メッシュ部分が破れにくくなり、このホットマッサージサポーターの耐久性が高められる。また、本実施形態におけるカイロ保持手段はポケットになっている。このため、必要に応じてカイロを交換することができる。これにより、ホットマッサージサポーターを繰り返して使用することが可能となる。
【0041】
さらに、第1基材10と第2基材20とを連結する第1および第2の連結部材31,32には、小指を通すための穴部310と人差し指を通すための穴部320とが設けられている。このため、親指を除く4本の指のうち外側にある小指と人差し指とによってホットマッサージサポーターの(手への)固定が図られるので、ホットマッサージサポーターが施術者の手に装着された状態において、高い安定性が確保される。これにより、マッサージ中にこのホットマッサージサポーターが施術者の手からずれることが抑制される。また、第1および第2の連結部材31,32は伸縮可能であるので、施術者の手の大きさや形にかかわらず、ホットマッサージサポーターが当該施術者の手に容易にフィットする。
【0042】
さらにまた、本実施形態によれば、このホットマッサージサポーターを施術者の手に固定するために、第2基材20の舌片部28およびバンド部材40に面ファスナーが取り付けられている。施術者はホットマッサージサポーターが装着される手(例えば、右手)とは異なる方の手(例えば、左手)のみで(すなわち片手で)装着作業を行わなければならないところ、固定するための構成が面ファスナーで実現されているので、片手でも比較的容易にホットマッサージサポーターを自らの手に固定することができる。
【0043】
<4.変形例>
以下、上記実施形態の変形例について説明する。
【0044】
<4.1 バンド部材についての変形例>
上記実施形態においては、バンド部材40は、手首の親指側の略半分に巻回されるための第1のバンド部材41と手首の小指側の略半分に巻回されるための第2のバンド部材42とによって構成されていた。すなわち、バンド部材40の略中央部が第1基材10の舌片部18に取り付けられていた。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば図11に示すように、バンド部材45の一端が第1基材10の舌片部18に取り付けられた構成であっても良い。この場合、図11で符号46で示す部分については表側に、図11で符号47で示す部分については裏側に、一方がループで他方がフックとなるように面ファスナーを備える構成にすれば良い。
【0045】
また、上記実施形態においては、掌側に固定される第1基材10にバンド部材40が設けられている例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、手の甲側に固定される第2基材20にバンド部材40が設けられていても良い。さらに、バンド部材40は長手方向に伸縮可能なゴム紐等の弾性部材であっても良く、この場合には、バンド部材40に面ファスナーを備える必要はない。
【0046】
<4.2 固定手段についての変形例>
上記実施形態においては、第2基材20の舌片部28に設けられた面ファスナー22,23によって固定手段が実現されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図12に示すように、第2基材20の舌片部28に設けられたボタン53とバンド部材50の両端部に設けられたボタン穴51,52とによって固定手段が実現されても良い。また、スナップボタンによって固定手段が実現されても良い。この場合、例えば、図13に示すように、第2基材の舌片部28と第2のバンド部材62の端部とにスナップボタンの雄部材63,64を設け、第1のバンド部材61の端部の両面にスナップボタンの雌部材65,66を設ける構成にすれば良い。
【0047】
<4.3 カイロ保持手段についての変形例>
上記実施形態においては、図14で符号81で示す位置にポケットの入口部が設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図14で符号82,83,84で示す位置にポケットの入口部が設けられていても良い。また、上記実施形態においては、カイロ保持手段がメッシュ状部材で実現されている例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、薄手の布のようにカイロの温熱を施術者に与えることができるものであれば、本発明を適用することができる。さらに、カイロ保持手段が粘着手段になっていて、カイロが第1基材10および第2基材20に貼り付け可能に構成されていても良い。さらにまた、上記実施形態においては、第1基材10と第2基材20の双方にカイロ保持手段が設けられている例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、第1基材10のみにカイロ保持手段が設けられていても良い。
【0048】
<4.4 連結手段についての変形例>
上記実施形態においては、小指を通すための穴部310を有する第1の連結部材31と人差し指を通すための穴部320を有する第2の連結部材32とによって連結手段30が構成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図15で示すように、第2の頂点部12と第6の頂点部26とを連結する比較的幅狭の第1の連結部材33と第3の頂点部13と第5の頂点部25とを連結する比較的幅狭の第2の連結部材34とによって連結手段30が構成され、装着時にそれらの連結部材33,34の間に小指,薬指,中指,および人差し指を通すようにしても良い。また、図16に示すように、小指,薬指,中指,および人差し指を通すための穴部350〜380を有する第1〜第4の連結部材35〜38によって連結部材が構成されていても良い。さらに、上記実施形態においては、連結手段は伸縮可能な弾性部材によって実現されていたが、本発明はこれに限定されず、伸縮することのない部材で実現されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態に係るホットマッサージサポーターの概略平面図である。
【図2】上記実施形態において、基材の本体部について説明するための図である。
【図3】上記実施形態に係るホットマッサージサポーターを表側から見た平面図である。
【図4】上記実施形態に係るホットマッサージサポーターを裏側から見た平面図である。
【図5】上記実施形態において、メッシュ状部材について説明するための図である。
【図6】上記実施形態において、図3のA−A線断面図である。
【図7】上記実施形態において、固定手段について説明するための図である。
【図8】上記実施形態において、ホットマッサージサポーターを施術者の手に固定する手順について説明するための図である。
【図9】上記実施形態に係るホットマッサージサポーターが人の手に装着された状態を掌側から見た図である。
【図10】上記実施形態に係るホットマッサージサポーターが人の手に装着された状態を手の甲側から見た図である。
【図11】上記実施形態の変形例(バンド部材の一端が第1基材の舌片部に取り付けられる例)について説明するための図である。
【図12】上記実施形態の変形例(固定手段がボタンで実現される例)について説明するための図である。
【図13】上記実施形態の変形例(固定手段がスナップボタンで実現される例)について説明するための図である。
【図14】上記実施形態の変形例(ポケットの入口部が上記実施形態とは異なる場所に設けられる例)について説明するための図である。
【図15】上記実施形態の変形例(連結手段が比較的幅狭の第1および第2の連結部材で構成される例)説明するための図である。
【図16】上記実施形態の変形例(連結手段が第1〜第4の連結部材で構成される例)について説明するための図である。
【符号の説明】
【0050】
10…第1基材
11〜13…第1〜第3の頂点部
17,27…メッシュ状部材
18,28…舌片部
19,29…カイロ
20…第2基材
22,23,43,44…面ファスナー
24〜26…第4〜第6の頂点部
31…第1の連結部材
32…第2の連結部材
40…バンド部材
310,320…穴部
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージを行う者(以下、「施術者」という。)がマッサージを受ける者(以下、「被施術者」という。)に温熱を与えながらマッサージを施すことができるようカイロを保持可能にした、主に業務用に使用されるマッサージ用のサポーター(ホットマッサージサポーター)に関する。
【背景技術】
【0002】
マッサージは、一般に、被施術者の患部(肩、背中、足など)の凝りや張りをほぐすために行われる。患部の凝りや張りは血行を良くすることによってほぐされるところ、人の身体を温めると(その人の)血行が良くなることは一般に知られている。また、血行が良くなることで、人は自身の身体の心地良さを感じる。以上のような観点から、マッサージ中に患部に温熱が与えられた方がマッサージの効果は高まると言える。また、施術者の手の指が温かいほど、被施術者の血行は良好な状態となり、被施術者は心地良くマッサージを受けることができる。例えば、我が国にはいわゆる「プロ」と呼ばれるマッサージ師(業としてマッサージを行っている専門家)が多数存在するところ、顧客(被施術者)から高い評価を得ているマッサージ師の手は概して温かいようである。
【0003】
ところで、マッサージは本来的に素手で行われるものである。特にプロのマッサージ師は、被施術者の筋肉の状態等を把握しなければならないこと、微妙な力加減を要するために柔軟な指の動きが必要となること等の理由により、従来より素手でマッサージを行っている。例えば、被施術者の筋肉をほぐしたりツボを押したりすることは、(施術者の)指先を使って行われる。このため、マッサージ中には、被施術者の患部に直接あるいは薄い下着等を介して施術者の手の指が触れることになる。従って、気温の低い時期など施術者の手の指が冷たければ、マッサージの効果は低下する。逆に、上述したように、施術者の手の指が温かいほど、患部に温熱が与えられることにより、マッサージの効果は高まる。そこで、特開2004−243079号公報には、指先部分を取り除いた左右一対の手袋状用具の掌(手のひら)側にカイロを取りつけたマッサージ用具についての発明が開示されている。このマッサージ用具によると、マッサージされる部分に温熱が与えられ、マッサージの効果が高まるとされている。
【0004】
また、カイロで手を温めるという観点では、以下のような技術が知られている。特開2003−93430号公報には、手の甲側に使い捨てカイロを貼ることができるベースを設けた「手の甲使い捨てカイロベース」についての発明が開示されている。特開2001−73210号公報や特開平10−317215号公報には、掌側と手の甲側の双方にカイロを収納可能とした手袋についての発明が開示されている。
【特許文献1】特開2004−243079号公報
【特許文献2】特開2003−93430号公報
【特許文献3】特開2001−73210号公報
【特許文献4】特開平10−317215号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特開2004−243079号公報に開示されたマッサージ用具によると、施術者の指先部分以外は手袋状用具に覆われている。マッサージは一般に素手で行われるので、上述のようなマッサージ用具を装着した場合には、施術者は、柔軟な指の動きが阻害され、従来(マッサージ用具を装着していないとき)と同様の感覚で被施術者にマッサージを施すことができない。このため、被施術者に温熱は与えられるが、マッサージの効果はあまり高められない。また、特開2003−93430号公報,特開2001−73210号公報,および特開平10−317215号公報に開示された手袋等は、いずれも当該手袋等の装着者自身の手を温めることを目的とするものである。
【0006】
これに対し、本発明は、特開2003−93430号公報,特開2001−73210号公報,および特開平10−317215号公報に開示された手袋等とは異なり、主に業務用に使用されるマッサージ用のサポーター(ホットマッサージサポーター)であって、マッサージを受ける者の患部を温めることを目的とするものである。また、本発明は、「指先から指の付け根(第3間接部分)に至るまでの部分や母指球・小指球近傍が何かに覆われている」ということがないため指の動きが阻害されることなく本来の素手で行われるマッサージと同様のマッサージを行うことができるという点、および掌側と手の甲側の双方に配置されたカイロからの温熱によって被施術者の患部を効果的に温めることができるという点で特開2004−243079号公報に開示されたマッサージ用具とは異なっている。
【0007】
このように、本発明は、マッサージの際に被施術者に温熱を与えることができ、かつ、施術者が従来と同様の感覚で(指の動きが阻害されることなく)被施術者にマッサージを施すことができる(主に業務用に使用される)マッサージ用のサポーター(ホットマッサージサポーター)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、手に装着されるべきホットマッサージサポーターであって、
第1、第2、および第3の頂点部を有する平面略三角形状の第1基材と、
第2基材と、
前記第2の頂点部および前記第3の頂点部と前記第2基材とを連結する連結手段と、
前記第1の頂点部近傍または前記第2基材の一方に取り付けられ手首に巻き付け可能なバンド部材と、
前記第1の頂点部が手根部近傍に、前記第2の頂点部が小指の第3関節近傍に、前記第3の頂点部が人差し指の第3関節近傍にそれぞれ当接された状態で前記第1基材が掌内に配置され、かつ、前記第2基材が手の甲に配置されるように、前記第1の頂点部近傍または前記第2基材の他方を前記バンド部材に着脱可能に固定するための固定手段と
を備え、
少なくとも前記第1基材に、カイロを保持するためのカイロ保持手段が設けられていることを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、
前記第2基材は、第4、第5、および第6の頂点部を有する平面略三角形状に形成され、
前記固定手段の一部は、少なくとも前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍に設けられ、
前記バンド部材は、前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍の一方に取り付けられ、
前記固定手段は、前記第4の頂点部が手根部近傍に、前記第5の頂点部が人差し指の第3関節近傍に、前記第6の頂点部が小指の第3関節近傍にそれぞれ当接された状態で前記第2基材が手の甲に配置されるように、前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍の他方を前記バンド部材に着脱可能に固定し、
前記第2基材に、前記カイロ保持手段が設けられていることを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、第2の発明において、
前記連結手段は、小指を通すための穴部を有し前記第2の頂点部と前記第6の頂点部とを連結する第1の連結部材と、人指し指を通すための穴部を有し前記第3の頂点部と前記第5の頂点部とを連結する第2の連結部材とからなることを特徴とする。
【0011】
第4の発明は、第2または第3の発明において、
前記固定手段は、前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍の他方に設けられた面ファスナーであることを特徴とする。
【0012】
第5の発明は、第1から第4までのいずれかの発明において、
前記バンド部材に面ファスナーが取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
第6の発明は、第1から第5までのいずれかの発明において、
前記カイロ保持手段は、カイロが着脱可能となるように、ポケット状に形成されていることを特徴とする。
【0014】
第7の発明は、第1から第6までのいずれかの発明において、
前記カイロ保持手段は、メッシュ状部材で形成されていることを特徴とする。
【0015】
第8の発明は、第1から第7までのいずれかの発明において、
前記連結手段は、前記第2の頂点部から前記第3の頂点部に向かう方向とは垂直方向に伸縮可能な弾性部材であることを特徴とする。
【0016】
第9の発明は、第8の発明において、
前記弾性部材は、ゴム紐であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上記第1の発明によれば、ホットマッサージサポーターには、装着状態において第1から第3の頂点部がそれぞれ手根部近傍の掌側,小指の第3関節近傍の掌側,および人差し指の第3関節近傍の掌側に当接されるように構成された平面略三角形状の第1基材が設けられ、当該第1基材には、カイロを保持するためのカイロ保持手段が設けられている。このように、掌内に適当に収まるような第1基材にカイロ保持手段が設けられているので、各指についての指先から付け根(第3間接部分)に至るまでの部分や母指球・小指球近傍の部分が何かに覆われているということはない。このため、施術者は、指の動きに制限を受けることはなく、また、被施術者の患部を直接指で揉んだり押したりすることができる。これにより、施術者は、被施術者に継続的に温熱を与えつつ、本来のマッサージ(このホットマッサージサポーターを装着していない状態でのマッサージ)と同様の感覚で被施術者にマッサージを施すことが可能となる。
【0018】
上記第2の発明によれば、施術者は、マッサージの際に、掌側と手の甲側との双方にカイロを保持することができる。このため、掌側のカイロの熱が被施術者に与えられるだけでなく、手の甲側のカイロの熱が施術者の手を伝って被施術者に与えられる。このような効果的な熱伝達によって、施術者の手から被施術者の患部に効果良く温熱を与えることが可能となる。これにより、施術者は、自身の手の両面から温熱を被施術者に与えつつ、本来のマッサージと同様の感覚で被施術者にマッサージを施すことが可能となる。
【0019】
上記第3の発明によれば、親指を除く4本の指のうち外側にある小指と人差し指とによってホットマッサージサポーターの(手への)固定が図られる。このため、ホットマッサージサポーターが施術者の手に装着された状態において、高い安定性が確保される。
【0020】
上記第4の発明によれば、第1の頂点部近傍または第4の頂点部近傍のうちバンド部材が取り付けられていない方に、固定手段としての面ファスナーが設けられている。このため、施術者は、当該面ファスナーとバンド部材とによって、片手でも比較的容易にホットマッサージサポーターを自らの手に固定することができる。
【0021】
上記第5の発明によれば、バンド部材には面ファスナーが取り付けられている。このため、施術者は、片手でも比較的容易に当該バンド部材を手首に固定することができる。
【0022】
上記第6の発明によれば、カイロ保持手段がポケット状に形成されているので、必要に応じてカイロを交換することが可能となる。このため、ホットマッサージサポーターを繰り返して使用することが可能となる。
【0023】
上記第7の発明によれば、マッサージの際に、被施術者とカイロとの間にはメッシュ状部材のみが介在することになる。このため、カイロの温熱が効率良く患部に与えられ、マッサージの効果が高められる。
【0024】
上記第8の発明によれば、連結手段が伸縮することにより第1基材と第2基材との距離が可変となっている。このため、施術者の手の大きさや形にかかわらず、ホットマッサージサポーターが当該施術者の手に容易にフィットする。
【0025】
上記第9の発明によれば、上記第8の発明と同様、施術者の手の大きさや形にかかわらず、ホットマッサージサポーターが当該施術者の手に容易にフィットする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。なお、実施形態中のホットマッサージサポーターは施術者の右手に装着されるものとして説明する。
【0027】
<1.概略構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るホットマッサージサポーターの概略平面図である。このホットマッサージサポーターは、第1〜第3の頂点部11〜13を有する平面略三角形状の第1基材10と、第4〜第6の頂点部24〜26を有する平面略三角形状の第2基材20と、第1基材10と第2基材20とを連結する連結手段30と、(このホットマッサージサポーターの使用時に)手首に巻き付けられるバンド部材40とからなる。第1基材10および第2基材20は、典型的には、綿,麻,羊毛,絹などの天然繊維からなる布状基材である。第1基材10には、第1の頂点部11から三角形状部分の中心とは反対方向に突出する舌片部18が設けられている。第2基材20についても、第1基材10と同様に、第4の頂点部24から突出する舌片部28が設けられている。なお、以下においては、図2に示すように、各基材のうち舌片部28を除く略三角形状の部分を「本体部」という。この本体部には、後述するように使い捨てカイロ等のカイロが保持される。
【0028】
第1基材10と第2基材20とは、連結手段30を実現する第1および第2の連結部材31,32によって連結されている。詳しくは、第1基材10の第2の頂点部12と第2基材20の第6の頂点部26とは、小指を通すための穴部310を有する第1の連結部材31によって連結されている。また、第1基材10の第3の頂点部13と第2基材20の第5の頂点部25とは、人差し指を通すための穴部320を有する第2の連結部材32によって連結されている。
【0029】
バンド部材40は、第1基材10の舌片部18に取り付けられている。詳しくは、図1に示すように、バンド部材40の略中央部が第1基材10の舌片部18に取り付けられている。このバンド部材40は、ホットマッサージサポーターが施術者の手に装着される際に当該施術者の手首に巻き付けられる。
【0030】
以上のように構成されたホットマッサージサポーターが施術者の手に装着されると、第1基材10は掌側に配置され、第2基材20は手の甲側に配置される。また、装着の際には、第1の連結部材31の穴部310に小指が通され、第2の連結部材32の穴部320に人差し指が通される。また、バンド部材40は手首に巻き付けられる。そして、第2基材20の舌片部28に設けられた後述の面ファスナー22,23(図3参照)が固定手段として機能し、当該面ファスナー22,23とバンド部材40とによって、第1基材10が掌に固定され、第2基材20が手の甲に固定される。このとき、第1の頂点部11は手根部近傍の掌側に当接され、第2の頂点部12は小指の第3関節近傍の掌側に当接され、第3の頂点部13は人差し指の第3関節近傍の掌側に当接される。また、第4の頂点部24は手根部近傍の手の甲側に当接され、第5の頂点部25は人差し指の第3関節近傍の手の甲側に当接され、第6の頂点部26は小指の第3関節近傍の手の甲側に当接される。
【0031】
<2.詳細構成>
次に、図3から図8を参照しつつ、本実施形態に係るホットマッサージサポーターの詳しい構成について説明する。なお、以下においては、ホットマッサージサポーターが施術者の手に装着された状態において掌や手の甲と接する面がある側を裏側といい、それとは異なる面がある側(外部から視認される面がある側)を表側という。また、第1基材10および第2基材20のことを単に「基材」ともいう。
【0032】
<2.1 カイロ保持手段>
まず、カイロを保持するための構成について説明する。図3は、このホットマッサージサポーターを表側から見た平面図であり、図4は、このホットマッサージサポーターを裏側から見た平面図である。図3に示すように、第1基材10および第2基材20の本体部の表側には、それぞれメッシュ状部材17,27が設けられている。これらのメッシュ状部材17,27に関し、図5において符号73,74の点線で示す部分については基材に縫い付けられているが、それ以外の部分については基材には縫い付けられていない。このため、基材とメッシュ状部材とによってポケットが形成されており、各基材の本体部においてカイロ19,29が格納可能となるとともに、図3で符号71,72の矢印で示す部分からカイロ19,29の着脱(出し入れ)が可能となっている。なお、第1基材10および第2基材20の裏側については、図4に示すように、メッシュ状部材は設けられていない。また、カイロ保持手段としての耐久性を高めるためには、メッシュ状部材17,27をナイロン等のテグスによって形成すれば良い。
【0033】
図6は、図3のA−A線断面図である。図6に示すように、基材20の表側にメッシュ状部材27が設けられており、符号72の矢印で示す部分から本体部へのカイロの出し入れが可能になっている。以上のように、本実施形態においては、基材にメッシュ状部材が設けられることによってカイロ保持手段が実現されている。また、そのカイロ保持手段は、ポケット状に形成されることによって、カイロの着脱が可能となるように構成されている。
【0034】
<2.2 バンド部材および固定手段>
次に、ホットマッサージサポーターを施術者の手に固定するための構成について説明する。上述したように、第1基材10の舌片部18にはバンド部材40が取り付けられている。このバンド部材40は、施術者の手首の親指側の略半分に巻回されるための第1のバンド部材41と施術者の手首の小指側の略半分に巻回されるための第2のバンド部材42とによって構成されている。第2のバンド部材42の表側には、図3に示すように、面ファスナー43が取り付けられている。また、図4に示すように、第1のバンド部材41の裏側にも、面ファスナー44が取り付けられている。それらの面ファスナー43,44のうち一方はループで、他方はフックとなっている。すなわち、第2のバンド部材42の表側に取り付けられた面ファスナー43と第1のバンド部材41の裏側に取り付けられた面ファスナー44とが互いに係合可能に構成されている。
【0035】
また、図3に示すように、第2基材20の舌片部28には、固定手段としての2つの面ファスナー22,23が設けられている。それらの面ファスナー22,23のうち一方はループで、他方はフックとなっている。すなわち、第4の頂点部24近傍に設けられた面ファスナー22と第2基材20の端部に設けられた面ファスナー23とが互いに係合可能に構成されている。これにより、第2基材20の舌片部28が図7に示すように折り返されることによって、両面ファスナー22,23が互いに係合される。
【0036】
図8は、このホットマッサージサポーターを施術者の手に固定する手順について説明するための図である。まず、第1の連結部材31の穴部310に小指が通され、第2の連結部材32の穴部320に人差し指が通されることによって、第2基材20が図8(a)に示すように手の甲に配置される。次に、手首の小指側略半分に第2のバンド部材42が巻き付けられることによって、第2のバンド部材42の先端部近傍が第2基材20上の2つの面ファスナー22,23の間に配置される(図8(b)参照)。次に、手首の親指側略半分に第1のバンド部材41が巻き付けられることによって、第1のバンド部材41の先端部近傍が第2基材20上の2つの面ファスナー22,23の間に配置される(図8(c)参照)。このとき、第2のバンド部材42に取り付けられた面ファスナー43と第1のバンド部材41に取り付けられた面ファスナー44とが互いに係合する。最後に、第2基材20の舌片部28が図7に示すように折り返されることにより、当該舌片部28によってバンド部材40が挟持される(図8(d)参照)。このとき、舌片部28に設けられている2つの面ファスナー22,23が互いに係合する。以上のようにして、第1基材10は掌に固定され、第2基材20は手の甲に固定される。
【0037】
<2.3 連結手段>
次に、第1基材10と第2基材20とを連結するための構成について説明する。上述したように、本実施形態においては、連結手段30は、第2の頂点部12と第6の頂点部26とを連結する第1の連結部材31と、第3の頂点部13と第5の頂点部25とを連結する第2の連結部材32とによって構成されている。ここで、第1および第2の連結部材31,32には穴部310,320が設けられているところ、それらの穴部310,320は、各連結部材31,32の中心よりも第1基材10寄りの位置に設けられている。また、各連結部材31,32は、第2の頂点部12から第3の頂点部13に向かう方向とは垂直方向(図3で符号39で示す方向)に伸縮可能な弾性部材(例えば、ゴム紐)によって実現されている。
【0038】
<3.効果>
図9および図10は、このホットマッサージサポーターが施術者の手に装着された状態を示す図である。なお、図9は掌側から見た図であり、図10は手の甲側から見た図である。本実施形態によれば、マッサージの際にカイロ保持手段にカイロを格納しておくことにより、施術者はカイロによる温熱を継続的に被施術者に与えながらマッサージを施すことが可能となる。ここで、図9および図10において施術者の手の指に着目すると、指先から指の付け根(第3間接部分)に至るまで、何かに覆われているということはない。このため、施術者は、被施術者の患部を直接指で揉んだり押したりすることができる。また、第1基材10の形状は平面略三角形状であって、第1の頂点部11は手根部近傍に当接され、第2の頂点部12は小指の第3関節近傍に当接され、第3の頂点部13は人差し指の第3関節近傍に当接されるように構成されている。このため、第1基材10は掌内に適当に収まり、施術者の手の母指球・小指球近傍の部分が何かに覆われているということはない。従って、施術者は、マッサージを行う際に、指の動きに制限を受けることはない。以上より、施術者は、被施術者に継続的に温熱を与えつつ、本来のマッサージ(このホットマッサージサポーターを装着していない状態でのマッサージ)と同様の感覚で被施術者にマッサージを施すことが可能となる。その結果、従来よりも高いマッサージ効果が得られる。さらに、本実施形態によれば、掌側と手の甲側との双方にカイロを保持することができる。このため、施術者の掌側のカイロの熱が被施術者に与えられるだけでなく、施術者の手の甲側のカイロの熱が施術者の手を伝って被施術者に与えられる。これにより、施術者の手から被施術者の患部に、より温かい熱を継続的に与えることが可能となる。
【0039】
以上のように、本実施形態に係るホットマッサージサポーターよれば、施術者の手の両面に配置されたカイロによって被施術者に効果的に温熱を与えることができ、かつ、指の動きが阻害されることなく本来の素手で行われるマッサージと同様のマッサージを被施術者に施すことが可能となる。
【0040】
また、本実施形態におけるカイロ保持手段はメッシュ状部材17,27で形成されている。このため、被施術者とカイロとの間にはメッシュ状部材17,27のみが介在することになる。その結果、カイロの温熱が効率良く患部に与えられ、マッサージの効果が高められる。また、メッシュ状部材17,27をナイロン等のテグスで形成することにより、メッシュ部分が破れにくくなり、このホットマッサージサポーターの耐久性が高められる。また、本実施形態におけるカイロ保持手段はポケットになっている。このため、必要に応じてカイロを交換することができる。これにより、ホットマッサージサポーターを繰り返して使用することが可能となる。
【0041】
さらに、第1基材10と第2基材20とを連結する第1および第2の連結部材31,32には、小指を通すための穴部310と人差し指を通すための穴部320とが設けられている。このため、親指を除く4本の指のうち外側にある小指と人差し指とによってホットマッサージサポーターの(手への)固定が図られるので、ホットマッサージサポーターが施術者の手に装着された状態において、高い安定性が確保される。これにより、マッサージ中にこのホットマッサージサポーターが施術者の手からずれることが抑制される。また、第1および第2の連結部材31,32は伸縮可能であるので、施術者の手の大きさや形にかかわらず、ホットマッサージサポーターが当該施術者の手に容易にフィットする。
【0042】
さらにまた、本実施形態によれば、このホットマッサージサポーターを施術者の手に固定するために、第2基材20の舌片部28およびバンド部材40に面ファスナーが取り付けられている。施術者はホットマッサージサポーターが装着される手(例えば、右手)とは異なる方の手(例えば、左手)のみで(すなわち片手で)装着作業を行わなければならないところ、固定するための構成が面ファスナーで実現されているので、片手でも比較的容易にホットマッサージサポーターを自らの手に固定することができる。
【0043】
<4.変形例>
以下、上記実施形態の変形例について説明する。
【0044】
<4.1 バンド部材についての変形例>
上記実施形態においては、バンド部材40は、手首の親指側の略半分に巻回されるための第1のバンド部材41と手首の小指側の略半分に巻回されるための第2のバンド部材42とによって構成されていた。すなわち、バンド部材40の略中央部が第1基材10の舌片部18に取り付けられていた。しかし、本発明はこれに限定されず、例えば図11に示すように、バンド部材45の一端が第1基材10の舌片部18に取り付けられた構成であっても良い。この場合、図11で符号46で示す部分については表側に、図11で符号47で示す部分については裏側に、一方がループで他方がフックとなるように面ファスナーを備える構成にすれば良い。
【0045】
また、上記実施形態においては、掌側に固定される第1基材10にバンド部材40が設けられている例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、手の甲側に固定される第2基材20にバンド部材40が設けられていても良い。さらに、バンド部材40は長手方向に伸縮可能なゴム紐等の弾性部材であっても良く、この場合には、バンド部材40に面ファスナーを備える必要はない。
【0046】
<4.2 固定手段についての変形例>
上記実施形態においては、第2基材20の舌片部28に設けられた面ファスナー22,23によって固定手段が実現されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図12に示すように、第2基材20の舌片部28に設けられたボタン53とバンド部材50の両端部に設けられたボタン穴51,52とによって固定手段が実現されても良い。また、スナップボタンによって固定手段が実現されても良い。この場合、例えば、図13に示すように、第2基材の舌片部28と第2のバンド部材62の端部とにスナップボタンの雄部材63,64を設け、第1のバンド部材61の端部の両面にスナップボタンの雌部材65,66を設ける構成にすれば良い。
【0047】
<4.3 カイロ保持手段についての変形例>
上記実施形態においては、図14で符号81で示す位置にポケットの入口部が設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図14で符号82,83,84で示す位置にポケットの入口部が設けられていても良い。また、上記実施形態においては、カイロ保持手段がメッシュ状部材で実現されている例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、薄手の布のようにカイロの温熱を施術者に与えることができるものであれば、本発明を適用することができる。さらに、カイロ保持手段が粘着手段になっていて、カイロが第1基材10および第2基材20に貼り付け可能に構成されていても良い。さらにまた、上記実施形態においては、第1基材10と第2基材20の双方にカイロ保持手段が設けられている例を挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、第1基材10のみにカイロ保持手段が設けられていても良い。
【0048】
<4.4 連結手段についての変形例>
上記実施形態においては、小指を通すための穴部310を有する第1の連結部材31と人差し指を通すための穴部320を有する第2の連結部材32とによって連結手段30が構成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図15で示すように、第2の頂点部12と第6の頂点部26とを連結する比較的幅狭の第1の連結部材33と第3の頂点部13と第5の頂点部25とを連結する比較的幅狭の第2の連結部材34とによって連結手段30が構成され、装着時にそれらの連結部材33,34の間に小指,薬指,中指,および人差し指を通すようにしても良い。また、図16に示すように、小指,薬指,中指,および人差し指を通すための穴部350〜380を有する第1〜第4の連結部材35〜38によって連結部材が構成されていても良い。さらに、上記実施形態においては、連結手段は伸縮可能な弾性部材によって実現されていたが、本発明はこれに限定されず、伸縮することのない部材で実現されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態に係るホットマッサージサポーターの概略平面図である。
【図2】上記実施形態において、基材の本体部について説明するための図である。
【図3】上記実施形態に係るホットマッサージサポーターを表側から見た平面図である。
【図4】上記実施形態に係るホットマッサージサポーターを裏側から見た平面図である。
【図5】上記実施形態において、メッシュ状部材について説明するための図である。
【図6】上記実施形態において、図3のA−A線断面図である。
【図7】上記実施形態において、固定手段について説明するための図である。
【図8】上記実施形態において、ホットマッサージサポーターを施術者の手に固定する手順について説明するための図である。
【図9】上記実施形態に係るホットマッサージサポーターが人の手に装着された状態を掌側から見た図である。
【図10】上記実施形態に係るホットマッサージサポーターが人の手に装着された状態を手の甲側から見た図である。
【図11】上記実施形態の変形例(バンド部材の一端が第1基材の舌片部に取り付けられる例)について説明するための図である。
【図12】上記実施形態の変形例(固定手段がボタンで実現される例)について説明するための図である。
【図13】上記実施形態の変形例(固定手段がスナップボタンで実現される例)について説明するための図である。
【図14】上記実施形態の変形例(ポケットの入口部が上記実施形態とは異なる場所に設けられる例)について説明するための図である。
【図15】上記実施形態の変形例(連結手段が比較的幅狭の第1および第2の連結部材で構成される例)説明するための図である。
【図16】上記実施形態の変形例(連結手段が第1〜第4の連結部材で構成される例)について説明するための図である。
【符号の説明】
【0050】
10…第1基材
11〜13…第1〜第3の頂点部
17,27…メッシュ状部材
18,28…舌片部
19,29…カイロ
20…第2基材
22,23,43,44…面ファスナー
24〜26…第4〜第6の頂点部
31…第1の連結部材
32…第2の連結部材
40…バンド部材
310,320…穴部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手に装着されるべきホットマッサージサポーターであって、
第1、第2、および第3の頂点部を有する平面略三角形状の第1基材と、
第2基材と、
前記第2の頂点部および前記第3の頂点部と前記第2基材とを連結する連結手段と、
前記第1の頂点部近傍または前記第2基材の一方に取り付けられ手首に巻き付け可能なバンド部材と、
前記第1の頂点部が手根部近傍に、前記第2の頂点部が小指の第3関節近傍に、前記第3の頂点部が人差し指の第3関節近傍にそれぞれ当接された状態で前記第1基材が掌内に配置され、かつ、前記第2基材が手の甲に配置されるように、前記第1の頂点部近傍または前記第2基材の他方を前記バンド部材に着脱可能に固定するための固定手段と
を備え、
少なくとも前記第1基材に、カイロを保持するためのカイロ保持手段が設けられていることを特徴とする、ホットマッサージサポーター。
【請求項2】
前記第2基材は、第4、第5、および第6の頂点部を有する平面略三角形状に形成され、
前記固定手段の一部は、少なくとも前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍に設けられ、
前記バンド部材は、前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍の一方に取り付けられ、
前記固定手段は、前記第4の頂点部が手根部近傍に、前記第5の頂点部が人差し指の第3関節近傍に、前記第6の頂点部が小指の第3関節近傍にそれぞれ当接された状態で前記第2基材が手の甲に配置されるように、前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍の他方を前記バンド部材に着脱可能に固定し、
前記第2基材に、前記カイロ保持手段が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のホットマッサージサポーター。
【請求項3】
前記連結手段は、小指を通すための穴部を有し前記第2の頂点部と前記第6の頂点部とを連結する第1の連結部材と、人指し指を通すための穴部を有し前記第3の頂点部と前記第5の頂点部とを連結する第2の連結部材とからなることを特徴とする、請求項2に記載のホットマッサージサポーター。
【請求項4】
前記固定手段は、前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍の他方に設けられた面ファスナーであることを特徴とする、請求項2または3に記載のホットマッサージサポーター。
【請求項5】
前記バンド部材に面ファスナーが取り付けられていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載のホットマッサージサポーター。
【請求項6】
前記カイロ保持手段は、カイロが着脱可能となるように、ポケット状に形成されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載のホットマッサージサポーター。
【請求項7】
前記カイロ保持手段は、メッシュ状部材で形成されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載のホットマッサージサポーター。
【請求項8】
前記連結手段は、前記第2の頂点部から前記第3の頂点部に向かう方向とは垂直方向に伸縮可能な弾性部材であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載のホットマッサージサポーター。
【請求項9】
前記弾性部材は、ゴム紐であることを特徴とする、請求項8に記載のホットマッサージサポーター。
【請求項1】
手に装着されるべきホットマッサージサポーターであって、
第1、第2、および第3の頂点部を有する平面略三角形状の第1基材と、
第2基材と、
前記第2の頂点部および前記第3の頂点部と前記第2基材とを連結する連結手段と、
前記第1の頂点部近傍または前記第2基材の一方に取り付けられ手首に巻き付け可能なバンド部材と、
前記第1の頂点部が手根部近傍に、前記第2の頂点部が小指の第3関節近傍に、前記第3の頂点部が人差し指の第3関節近傍にそれぞれ当接された状態で前記第1基材が掌内に配置され、かつ、前記第2基材が手の甲に配置されるように、前記第1の頂点部近傍または前記第2基材の他方を前記バンド部材に着脱可能に固定するための固定手段と
を備え、
少なくとも前記第1基材に、カイロを保持するためのカイロ保持手段が設けられていることを特徴とする、ホットマッサージサポーター。
【請求項2】
前記第2基材は、第4、第5、および第6の頂点部を有する平面略三角形状に形成され、
前記固定手段の一部は、少なくとも前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍に設けられ、
前記バンド部材は、前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍の一方に取り付けられ、
前記固定手段は、前記第4の頂点部が手根部近傍に、前記第5の頂点部が人差し指の第3関節近傍に、前記第6の頂点部が小指の第3関節近傍にそれぞれ当接された状態で前記第2基材が手の甲に配置されるように、前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍の他方を前記バンド部材に着脱可能に固定し、
前記第2基材に、前記カイロ保持手段が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のホットマッサージサポーター。
【請求項3】
前記連結手段は、小指を通すための穴部を有し前記第2の頂点部と前記第6の頂点部とを連結する第1の連結部材と、人指し指を通すための穴部を有し前記第3の頂点部と前記第5の頂点部とを連結する第2の連結部材とからなることを特徴とする、請求項2に記載のホットマッサージサポーター。
【請求項4】
前記固定手段は、前記第1の頂点部近傍または前記第4の頂点部近傍の他方に設けられた面ファスナーであることを特徴とする、請求項2または3に記載のホットマッサージサポーター。
【請求項5】
前記バンド部材に面ファスナーが取り付けられていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載のホットマッサージサポーター。
【請求項6】
前記カイロ保持手段は、カイロが着脱可能となるように、ポケット状に形成されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載のホットマッサージサポーター。
【請求項7】
前記カイロ保持手段は、メッシュ状部材で形成されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載のホットマッサージサポーター。
【請求項8】
前記連結手段は、前記第2の頂点部から前記第3の頂点部に向かう方向とは垂直方向に伸縮可能な弾性部材であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載のホットマッサージサポーター。
【請求項9】
前記弾性部材は、ゴム紐であることを特徴とする、請求項8に記載のホットマッサージサポーター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−273536(P2009−273536A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125420(P2008−125420)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【特許番号】特許第4204637号(P4204637)
【特許公報発行日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(508142675)株式会社レアーライブ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【特許番号】特許第4204637号(P4204637)
【特許公報発行日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(508142675)株式会社レアーライブ (1)
【Fターム(参考)】
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