説明

ホワイトソース及びホワイトソースルー

【課題】 適度なボディー感と優良な食感を有し、なお且つ冷凍耐性を持つホワイトソースを提供すること。
【解決手段】 ホワイトソースのボディー形成材の主体として米澱粉及び/又は米粉を用いることにより、適度なボディー感があって、つや、食感、口溶けに優れ、なお且つ冷凍耐性を持ち、冷凍保存或いは冷凍食品等に用いた場合には、優れた特性を有するホワイトソースを製造することができる。本発明において、ホワイトソースのボディー形成材は、その70%以上を、米澱粉及び/又は米粉で形成してなることが好ましい。本発明において用いられる米澱粉及び/又は米粉は、もち米澱粉及び/又はもち米粉20〜80質量%と粳米澱粉及び/又は粳米粉80〜20質量部からなることが好ましい。本発明において、用いる米澱粉は加工澱粉の形で用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適度なボディー感と優良な食感を有し、なお且つ冷凍耐性を持つホワイトソースに関し、更に詳しくは、本発明は、適度なボディー感があって、つや、食感、口溶けに優れなお且つ冷凍耐性を持った、冷凍保存或いは冷凍食品等に用いた場合には優れた特性を有するホワイトソース及びホワイトソースルーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ホワイトソースは小麦粉をバターやマーガリンなどの油脂で炒めてホワイトルーを作り、これに牛乳やブイヨン、好みに応じて調味料などを加えて加熱調理して調製し、適度な粘性を有する物にしたものである。即ち、小麦粉をボディー形成材としたとき、小麦粉をバターなどの油脂で炒めることにより、小麦粉のべたつきを抑え、小麦粉の穀物臭を軽減を図るとともに、時として、焦げ臭又は香ばしさを付与するものである。
【0003】
近年の食の完成度の追求などから、従来の小麦粉を主体とするホワイトソースよりも「つや」や「口どけ」「スムーズさ」の高い物が求められている。更に、簡便志向から、電子レンジで加熱する、或いは、単にフライするだけで食すことのできる冷凍食品が一般化し、その中でもホワイトソースを利用したグラタンやドリア、クリームコロッケなどは多くの人に好まれている。しかし、上記のような小麦粉を主体とするホワイトソースを利用した製品を冷凍保存すると、小麦粉など穀粉の老化による離水現象が発生するため、解凍後の食感が悪くなったり、更に再加熱しても、経時的に粘度が増大したり、自然解凍でも適度な粘性を得ることができない。
【0004】
これらの問題点を解消すべく種々のホワイトソース及びその製造方法が検討されている。特開平9−262077号公報には、高温で長時間保持或いは放置しても変化がなく、滑らかで、口溶けの良いホワイトソースを製造する目的で、アジピン酸架橋ワキシーコーンスターチなどの架橋澱粉を小麦粉を主体としたものに添加するホワイトソースの製造方法が開示されている。また、特開2004−173541号公報では、ペースト状食品の口溶けと貯蔵安定性を得る目的で、アミロース含量が20−35質量%のヒドロキシプロピルコーンスターチを使用するホワイトソースなどのペースト状食品の製造方法が開示されている。
【0005】
更に、特開平10−337166号公報には、冷凍耐性の目的で、ヨウ素価65−95のナタネ水添油脂40−60重量%と小麦粉60〜40重量%からなるホワイトルーの製造方法が開示されている。これらは、いずれもボディー形成材の主体として小麦粉を主体としたものであり、これらの物は、本発明に見られるような「口どけ」「滑らかさ」「つや」等の優れた食感を持ったものではなく、冷凍保存後、長時間高温加熱あるいは自然解凍状態では、滑らかさ、口溶けなどの特徴を失い、ゴム質化あるいは硬化する傾向などの欠点は解決されていない。
【0006】
また、特開平9−294568号公報には、小麦粉を用いたホワイトソース又はホワイトソースの素の製造に際し、ダマ(ままこ)ができやすいという技術上の問題点を解決するために、膨化処理米の粉及び/又は膨化処理トウモロコシの粉を用いたホワイトソース又はホワイトソースの素の製造方法が開示されている。これらのホワイトソースは、ダマができやすいという技術上の問題点を解決するものではあるが、ホワイトソースのボディー感や食感の点では、必ずしも満足の行くものとはなっていない。したがって、従来、小麦粉等をボディー形成材の主体として種々のホワイトソースが検討されているが、今日にいたるまで、適度なボディー感と優良な食感を有し、なお且つ冷凍耐性を持つ冷凍保存或いは冷凍食品等に用いた場合には、優れた特性を有するホワイトソースは見当たらない。
【0007】
【特許文献1】特開平9−262077号公報。
【特許文献2】特開平9−294568号公報。
【特許文献3】特開平10−337166号公報。
【特許文献4】特開2004−173541号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、適度なボディー感と優良な食感を有し、なお且つ冷凍耐性を持つホワイトソースを提供すること、特に、本発明の課題は、適度なボディー感があって、つや、食感、口溶けに優れ、なお且つ冷凍耐性を持った、冷凍保存或いは冷凍食品等に用いた場合には、優れた特性を有するホワイトソース又はホワイトソースルーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意種々検討を重ねた結果、ホワイトソースのボディー形成材の主体として米澱粉及び/又は米粉を用いることにより、適度なボディー感があって、つや、食感、口溶けに優れ、なお且つ冷凍耐性を持った、冷凍保存或いは冷凍食品等に用いた場合には、優れた特性を有するホワイトソースを製造することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。本発明において、ホワイトソースのボディー形成材は、その70%以上を、米澱粉及び/又は米粉で形成してなることが好ましい。本発明において用いられる米澱粉及び/又は米粉は、もち米澱粉及び/又はもち米粉20〜80質量%と粳米澱粉及び/又は粳米粉80〜20質量部からなることが好ましい。
【0010】
本発明で用いられるもち米粉或いは粳米粉又はもち米澱粉或いは粳米澱粉は、ジャポニカ種或いはインディカ種から調製されるが、粳米澱粉及び粳米粉は、インディカ種から調製された粳米澱粉及び粳米粉が特に好ましい。本発明においては、用いる米澱粉を加工澱粉の形で用いることができる。
【0011】
すなわち具体的には本発明は、ホワイトソースのボディー形成材の主体として米澱粉及び/又は米粉を用いてなることを特徴とするホワイトソース又はホワイトソースルー(請求項1)や、ホワイトソースのボディー形成材の70%以上を、米澱粉及び/又は米粉で形成してなることを特徴とする請求項1記載のホワイトソース又はホワイトソースルー(請求項2)や、米澱粉及び/又は米粉が、もち米澱粉及び/又はもち米粉20〜80質量%と粳米澱粉及び/又は粳米粉80〜20質量部からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のホワイトソース又はホワイトソースルー(請求項3)や、もち米粉或いは粳米粉が、ジャポニカ種或いはインディカ種から製造されたもち米粉或いは粳米粉であり、又は、もち米澱粉或いは粳米澱粉が、ジャポニカ種或いはインディカ種のもち米から分離されたもち米澱粉或いは粳米から分離された粳米澱粉であることを特徴とする請求項3記載のホワイトソース又はホワイトソースルー(請求項4)や、粳米澱粉及び/又は粳米粉がインディカ種の粳米澱粉及び/又は粳米粉である請求項4記載のホワイトソース又はホワイトソースルー(請求項5)や、米澱粉を加工澱粉の形で用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のホワイトソース又はホワイトソースルー(請求項6)からなる。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、適度なボディー感があって、かつ、つや、食感、口溶け等の優れた特性のホワイトソースを提供することができ、更に、本発明のホワイトソースは冷凍耐性に優れ、冷凍保存或いは冷凍食品等に用いた場合には、優れた特性を有するホワイトソースとして提供することができる。すなわち、本発明のホワイトソースの提供により、従来、小麦粉を主体とするホワイトソースを利用した製品を冷凍保存した場合に発生する、穀粉の老化による離水現象、解凍後の食感の悪化、再加熱による粘度の増大、自然解凍における不適正な粘度等の問題を解消し、食味、食感のよいホワイトソースを提供することができる。本発明においては、本発明のホワイトソースを、ホワイトソースルーとして、調製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、ホワイトソースのボディー形成材の主体として米澱粉及び/又は米粉を用いたホワイトソース及びホワイトソースルーからなる。即ち、本発明は、従来、小麦粉が主体として用いられてきたホワイトソースのボディー形成に関与する成分の代わりに、米澱粉及び/又は米粉を用いる事により、適度なボディー感があって、軽くて切れが良く、つや、食感、口溶けに優れ、滑らかな食感を有し、なお且つ冷凍耐性を持ったホワイトソースを得ることを目的としたものである。
【0014】
ここで、「米澱粉及び/又は米粉が主体となる」とは、ホワイトソースのボディー形成材のうち、米澱粉及び/又は米粉を概ね70質量%以上用いることを意味し、ホワイトソースのボディー形成材のうち、米澱粉及び/又は米粉をこの範囲で添加することが好ましい。また、量的に少量でボディー形成効果のある増粘多糖類を一部併用することも可能であるが、その場合には全体の粘性の概ね5割以上、好ましくは7割以上が米澱粉及び/又は米粉で形成されるものである。
【0015】
本発明で用いる米澱粉及び/又は米粉は、ジャポニカ種やインディカ種など各種品種の粳米から分離した粳米澱粉ともち米から分離したもち米澱粉、及びそれらの加工澱粉と、もち米粉及び粳米粉からなる。加工澱粉としては、次亜塩素酸ソーダ処理澱粉、熱処理澱粉、酸化澱粉、架橋澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱粉及びこれらを適宜組み合わせた加工澱粉、これらをα―化したα―化澱粉が挙げられる。これらの加工澱粉は常法に従って製造されたものを使用することができる。従来ホワイトソースのボディー形成材としては、小麦粉を主体にしてつくられコーンフラワーや米粉などの穀粉、コーンスターチなどの澱粉や加工澱粉が用いられているが、それらはあくまでも基本的に小麦粉が主体となっている。
【0016】
本発明はホワイトソースのボディー形成材として、このような米澱粉及び/又は米粉を主として用いるが、その場合にもち米澱粉20〜80質量%と粳米澱粉80〜20質量部の比率の混合物を用いると、より本発明の効果が具現化して好ましく、更に粳米澱粉としてアミロース含量の高いインディカ種からの澱粉を用いると、口溶けがよりよくなって特に好ましい。
【0017】
従来の小麦粉を主体とするホワイトソースは、小麦粉をバターやマーガリンなどの油脂で炒めてホワイトルーを作り、これに牛乳やブイヨン、好みに応じて調味料などを加えて加熱調理して調製し、適度な粘性を有するものにして製造したものである。本発明では、米澱粉及び/又は米粉を主体として用いること以外は、従来のホワイトソースの製造法を用いることができる。本発明では、従来法と異なり、直接牛乳やブイヨンなどの所望の副原料に米澱粉及び/又は米粉を加え、米澱粉及び/又は米粉が糊化してボディーを形成するように加熱調理する方法によりホワイトソースをつくることもできる。
また、米澱粉及び/又は米粉を主体として、あらかじめ調味料等を加え、ホワイトソースのルーとして調製することもできる。
【0018】
本発明においては、少量の小麦粉を添加することも可能である。添加する小麦粉は加熱処理をしなくても、少量であれば、小麦粉のべたつき等は十分カバーできるし、また、場合によっては、焙焼小麦粉等を添加することにより香ばしさを付与することも可能である。よって、小麦粉を主体として用いる場合のように、油で炒めてルーを作る工程を省略することができる。またどうしても、小麦粉を油脂等で炒めることによって得られた風味が必要な時、上記のように小麦粉からつくったルーが使えるが、その場合、30%程度以下の添加が可能である。しかし、50%程度以上の添加では冷凍解凍後の離水の現象が見られ、好ましくない。
【0019】
本発明において、使用する油脂はバターのほかマーガリン、動物油脂、植物油脂、などホワイトソースの製造に通常使用されているものであれば、使用することができる。また、上記のとおり、所望により小麦粉、コーンスターチなどの未加工澱粉質、架橋澱粉、架橋エーテル化澱粉、架橋エステル化澱粉などの加工澱粉を追加して用いることもできる。本発明において、米澱粉及び/又は米粉の使用量は、ホワイトソースより調製される食品の種類により異なるが、3〜10質量%程度の範囲で用い、強いボディーを望む場合には使用量を多くし、それぞれの食品に望ましいボディーを形成することができる。
【0020】
近年、簡便性の傾向が日々に増加し、一般消費者が簡単な調理で食する又はそのまま食することができる商品が増えてきた反面、生産者が製造してから一般消費者が喫食するまで一定時間がかかるので、そのため、クリームコロッケ、グラタン、ドリア、クリームシチュー、パスタソース、スープなど、ホワイトソースを使用した加工食品には、経時変化に伴う温度変化によって、その表面にしわや食感にボテつき感が生じ、クリーミーさや滑らかさを欠けるなど外観、食感の低下が見られる。本発明で調製したホワイトソースは、なめらかさ、口溶け、後味、つやなどの点で優れる他、冷凍解凍耐性も有し、電子レンジ、オーブンレンジなど加熱するだけで、すぐにその場で食べるだけでなく、更に弁当類などに入れて自然解凍して、数時間後に加熱せず食べても良い食感が得られる。更に、米澱粉及び/又は米粉のみをボディー形成材とし、小麦粉を使用しないホワイトソースは小麦アレルギー患者向きにとって好都合である。
【0021】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0022】
表1に示した処方により、米澱粉を用いてホワイトソースを調製した。その際、米澱粉として表3に示す割合で、架橋もち米澱粉と架橋インディカ種うるち米澱粉とを用いた。架橋もち米澱粉は、市販の松谷化学工業株式会社製の「松谷もみじ」を、架橋インディカ種うるち米澱粉としては、レミー社「7−331」を使用した。まず、無塩バターを溶解し、これに米澱粉を添加混合し、牛乳を加え、攪拌しながら95℃まで加熱し、各種調味料を加え、味を調えて、ホワイトソースを得た。得られたホワイトソースを冷凍し、1週間後にレンジ加熱したものを表2に示す評価基準に従って評価し、その結果を表3に示す。尚対照例区には小麦粉を用い、比較例区には小麦粉50部とヒドロキシプロピルリン酸化ワキシーコーンスターチ(松谷化学工業株式会社製:パインエース#1)50部を用いた。結果、実施区2〜実施区4で良好なホワイトソースが得られた。
【0023】
【表1】

【0024】
【表2】

【0025】
【表3】

【実施例2】
【0026】
架橋もち米澱粉(松谷化学工業株式会社製:松谷もみじ)を50部と表4に示すうるち米粉、うるち米澱粉を50部の割合で用いて、実施例1のホワイトソースを作り表2の評価基準に従って評価した。なお、アセチル化インディカ種うるち米澱粉は、松谷化学工業株式会社製、「松谷ききょう」を用いた。結果、表4のようにインディカ種うるち米粉及びインディカ種うるち米澱粉又は、インディカ種うるち米澱粉の化工澱粉を使ったホワイトソースが、良好であった。
【0027】
【表4】

【実施例3】
【0028】
もち米澱粉を50部と、表5に示すうるち米粉を50部の割合で用いて、実施例1のホワイトソースを作り表2の評価基準に従って評価した。結果、表5の米粉添加ホワイトソースの評価のようにインディカ種うるち米粉を使ったホワイトソースが、良好であった。
【0029】
【表5】

【実施例4】
【0030】
表1に示した処方中の米澱粉の0〜100%を小麦粉に置き換え、ホワイトソースを調製した。その際、米澱粉としては、架橋もち米澱粉50部とインディカ種うるち米澱粉50部を混合したものを用いた。架橋もち米澱粉は、市販の松谷化学工業株式会社製の「松谷もみじ」を、インディカ種うるち米澱粉としては、未加工品を用いた。まず、小麦粉を無塩バターで炒め100℃まで加熱し、これを冷却し50℃に調整し牛乳を加え、これに米澱粉/米粉混合物を添加し、攪拌しながら、95℃まで加熱し、各種調味料を加え、味を調えて、ホワイトソースを得た。得られたホワイトソースを冷凍し、1週間後にレンジ加熱したものを表2に示す評価基準に従って評価し、その結果を表6に示す。結果、表6(米澱粉/米粉と小麦粉の混合によるホワイトソース)のように米澱粉の%が概ね70%以上で良好なホワイトソースを得られることが判った。
【0031】
【表6】

【実施例5】
【0032】
表7に示した処方により、米澱粉[架橋もち米澱粉(松谷化学工業株式会社製の「松谷もみじ」)50部とインディカ種うるち米澱粉50部を混合したもの]を用いてオニオンスープを調製した。まず、無塩バターを溶解し、これにオニオンペーストを添加し、更に牛乳を加え。攪拌しながら水溶きした澱粉液を添加、95℃まで加熱し、各種調味料で味を調えて、オニオンスープを得た。結果、できたスープは、口当たりが良好で、つやがあり、滑らかなものであった。
【0033】
【表7】

【実施例6】
【0034】
表8に示した配合表により、カップマカロニグラタンを調製した。まず、グラタンマカロニとブロッコリーを茹で、鍋にサラダ油をひき、鶏肉を炒め、器に茹でたグラタンマカロニ5g、ブロコリー4g、ソテーした鶏肉4gをのせ、実施例1で得たホワイトソース25gを加え、とろけるチーズを2g散らしてのせ、焼き目をつける。それを−25℃で10分間急速冷凍後、冷凍保存する。電子レンジ(600w)1分加熱調理。この場合、米澱粉は、架橋もち米澱粉(松谷化学工業株式会社製の「松谷もみじ」)50部とインディカ種うるち米澱粉50部を混合したものを使った。結果、冷凍後解凍処理を行っても、離水が非常に少なく良好なグラタンを得た。
【0035】
【表8】

【実施例7】
【0036】
表9に示した処方により、クリームコロッケを製造した。まず、無塩バターを溶解し、これに米澱粉を添加した。この混合物を攪拌しながら100℃まで加熱し、ルーを得た。ルーの品温を50℃に調製し、牛乳を加え、攪拌しながら95℃まで加熱し、各種調味料、生クリーム、オニオンソテー、カニ(缶)を加え炊き込む、味を調えて、クリームコロッケの中種を得た。10℃以下に冷却後、型抜き成型、衣を付け、それを−25℃で10分間急速冷凍後、冷凍保存した。一週間後、180℃、7分フライ調理した。米澱粉は、架橋もち米澱粉(松谷化学工業株式会社製の「松谷もみじ」)50部とインディカ種うるち米澱粉50部を混合したものを使用した。結果、冷凍後、フライ調理したが、良好なクリームコロッケが得られた。このコロッケは、調理後も冷めても滑らかな食感を示した。フライ前に冷凍し、フライ調理後すぐに食することができ、冷凍食品としては良好なものであった。
【0037】
【表9】

【実施例8】
【0038】
表10に示した処方により、固形ルーを調製した。まず、無塩バターを溶解し、これに米澱粉を添加した。この混合物を攪拌しながら100℃まで加熱し、調味料、脱脂粉乳、香辛料を加え均一に混合した。この混合物を型に流し込み、冷却し固形ルーを得た。
得られた固形ルーを適量、鍋に入れ、加熱溶解後、牛乳を加え、あらかじめ炒めておいたオニオンペーストとブイヨンを加え、加熱混合してホワイトソースを得た。米澱粉は、架橋もち米澱粉(松谷化学工業株式会社製の「松谷もみじ」)50部とインディカ種うるち米澱粉50部を混合したものを使用した。
結果、できたホワイトソースは、つやがあり、口溶けにも優れたものであった。
【0039】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホワイトソースのボディー形成材の主体として米澱粉及び/又は米粉を用いてなることを特徴とするホワイトソース又はホワイトソースルー。
【請求項2】
ホワイトソースのボディー形成材の70%以上を、米澱粉及び/又は米粉で形成してなることを特徴とする請求項1記載のホワイトソース又はホワイトソースルー。
【請求項3】
米澱粉及び/又は米粉が、もち米澱粉及び/又はもち米粉20〜80質量%と粳米澱粉及び/又は粳米粉80〜20質量部からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のホワイトソース又はホワイトソースルー。
【請求項4】
もち米粉或いは粳米粉が、ジャポニカ種或いはインディカ種から製造されたもち米粉或いは粳米粉であり、又は、もち米澱粉或いは粳米澱粉が、ジャポニカ種或いはインディカ種のもち米から分離されたもち米澱粉或いは粳米から分離された粳米澱粉であることを特徴とする請求項3記載のホワイトソース又はホワイトソースルー。
【請求項5】
粳米澱粉及び/又は粳米粉がインディカ種の粳米澱粉及び/又は粳米粉である請求項4記載のホワイトソース又はホワイトソースルー。
【請求項6】
米澱粉を加工澱粉の形で用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のホワイトソース又はホワイトソースルー。