説明

ホース接続装置

【課題】配管への仮止め作業を簡単に行うことができるようにする。
【解決手段】ホルダーHOによって拡径状態に保持されたホースクランプHCが、円筒状に形成されたサポータ内に抜け止め具11によって抜け止めされた状態で組み込まれる。一方、配管Pの外周面には複数の挟持壁bf,brが突設され、これらは軸方向前後に位置ずれした組が、周方向へ位相がずれた状態で配されている。サポータの配管P差込み口の奥部には周方向に沿って被挟持壁32が張り出しており、配管Pを差し込んで前側の挟持壁bfを被挟持壁32の切欠き部33を通した後、配管PをサポータS1に対して相対的に回動させると、被挟持壁32は前後の挟持壁で挟持されて軸方向の位置決めがなされ、また回動に伴って後側の挟持壁brが傾斜面36を乗り越え、ストッパ突部34との間で雌雄方向から挟持される結果、サポータS1は配管Pに対して周方向に関する位置決めもなされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホース接続装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のホース接続装置として下記特許文献1のものが知られている。このものは、拡径状態に保持されたホースクランプを樹脂製のサポータ(位置決め具)内に収めて一体化しておいたものを、配管との接続の前に予めホース側に遊嵌状態で嵌め込んで仮付けしておくものである。サポータには、ホースに対し軸方向と周方向のそれぞれに関する位置決め手段が設けられており、内部に収容されているホースクランプを一定姿勢に保持することができるようになっていた。
【特許文献1】特開2000−249274公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ホースと配管とをホースクランプによって緊締する場合、緊締位置としてはバルジ部の直後が望ましい。バルジ部が引っ掛かりとなってホースクランプの抜けが規制されるからである。バルジ部が設けられる位置は、上記文献のもののように配管の口縁に設けられるものに限らず、口縁からやや奥方に配されたものもあるが、いずれにしてもホースを配管に差し込む場合には、仮付け状態にあるホースクランプがバルジ部を通過する深さまで差し込む必要がある。したがって、ホースはバルジ部の出っ張りを越えて差し込まねばならないため、作業者に大きな負担となる。また、そのときにはサポータも同様に拡開することがあり、その分の抵抗も加わると作業者にはさらに負担増となる。
【0004】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ホースと配管との接続作業を円滑に行うことができるホース接続装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、ホースを配管に接続するためのホース接続装置であって、リング状に回曲して形成され常には前記ホースを挿通可能な拡径状態に保持されるが、拡径状態の解除により自らのばね力により縮径状態へ移行して前記ホースを締付け可能となるホースクランプと、
内部に前記ホースクランプを抜け止め状態で収容可能な収容部が設けられ、かつ、一端側には前記ホースが差し込み可能なホース差し込み部が開口し、他端側には前記配管が差し込み可能な配管差し込み部が開口するサポータと、前記配管差し込み部に設けられ、前記配管が前記配管差し込み部へ軸方向から差し込まれて軸芯周りに相対的に回動されたときに前記配管の外周面に張り出し形成されたバルジ部と係止して前記サポータを前記ホースクランプと共に前記配管に対して保持する保持部とを備えてなることを特徴とするものである。
【0006】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記ホースクランプは両端部が径方向外方へ起立し、かつホースクランプと一体あるいは別体に形成された保持手段にて前記ホースクランプの両端を接近した状態に保持することで前記拡径状態が保持されるようになっており、一方、前記サポータは軸方向両端側へ開口する円筒状に形成されるとともに、前記両開口のうちの一方側の開口を通して前記拡径状態にあるホースクランプを組み込み可能とすることで、前記サポータの外周面が周方向に沿って連続面となっていることを特徴とするものである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のものにおいて、前記バルジ部は、前記配管の軸方向前後に間隔をおいて起立する挟持壁を有する一方、前記サポータにおける前記配管差し込み部の内周面には周方向に沿って被挟持壁が張り出し形成されるとともに、この被挟持壁には前記挟持壁のうち挿入方向前側に位置するものを通過させる切欠き部が形成され、前記挿入方向前側に位置する前側の挟持壁が前記切欠き部を通過した後、前記配管が前記サポータに対して相対的に回動したときに前記被挟持面が前記前後の挟持壁間で挟持されることを特徴とするものである。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3に記載のものにおいて、前記挟持壁は、前記配管の軸方向の前後に所定間隔位置ずれして複数個ずつが配されるとともに、各前側の挟持壁と後側の挟持壁とは周方向に重なり合いを生じないように位相がずらして配置されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項5の発明は、請求項3または請求項4に記載のものにおいて、前記配管差し込み部の内周面であって前記切欠き部より前記挿入方向前側には前記切欠き部を通過した前側の挟持壁の前止まりをする当て止め部が突設されていることを特徴するものである。
【0010】
請求項6の発明は、請求項3ないし請求項5のいずれかに記載のものにおいて、前記サポータにおける前記配管差し込み部の内周面であって、前記被挟持壁の内外の少なくともいずれか一方側には、前記配管が前記サポータに対して相対的に回動がされたときに前記前側の挟持壁あるいは/および後側の挟持壁を周方向で挟んで前記サポータを前記配管に対して周方向に関して位置決めする位置決め部が設けられ、この位置決め部は前記前側の挟持壁あるいは前記後側の挟持壁の回動方向前側にストッパ突部を有し、回動方向後側に前記前側の挟持壁あるいは後側の挟持壁を乗り越えさせて戻り止め可能とする傾斜面が形成されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1又は請求項2に記載のものにおいて、前記バルジ部は、前記配管の外周面において複数個が同一円周上に配置される一方、前記サポータの配管差し込み部の開口縁部には鍔縁が内向きに張り出すとともに、この鍔縁のうち前記バルジ部と対応する位置には各バルジ部を通過可能な凹所が切欠き形成され、また、前記サポータの内周面であってかつ前記鍔縁より奥方には前記鍔縁と所定間隔をおいてリング状のリテーナが対向して配され前記バルジ部が前記凹所を通過したときには前記バルジ部に対して当て止め可能であり、かつ軸方向への弾性変位が許容された状態で組み付けられ、さらに前記鍔縁の内面には前記バルジ部を周方向から挟み付け可能な位置決め凹部が設けられており、前記各バルジ部が前記凹所を通過した後、前記配管が前記サポータに対して相対回動されるときに前記位置決め凹部において前記バルジ部と対向する側にはバルジ部の前進方向に沿って上り勾配となる乗り上げ面が形成され前記バルジ部がこの乗り上げ面を乗り上げていく過程では前記リテーナを奥方へ弾性変位させるようにしてあり、前記バルジ部が乗り上げ面を乗り越えたときには前記リテーナの弾性反力によって前記バルジ部が前記位置決め凹部内に押し嵌めることで、前記配管が前記サポータに対して周方向に関して位置決めされることを特徴とするものである。
【0012】
請求項8の発明は、請求項7に記載のものにおいて、前記リテーナのうち前記凹所に対応した箇所は前記サポータ対して取り付けがなされる固定部となり、それ以外の領域はサポータに対して非拘束の可動部となっていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
<請求項1の発明>
請求項1の発明によれば、ホースと配管との接続は次のようにしてなされる。まず、ホースクランプをサポータ内に拡径状態に保持したまま収容しておく。次に、配管差し込み部へ配管の一端部を軸方向に沿って差込み、その後に配管を軸心周りに相対回転させると、配管のバルジ部が配管差し込み部に形成された保持部に係止することで、サポータが配管に対して保持される。その後、ホースを拡径状態にあるホースクランプの内側を通過させつつ配管の端部へ嵌め入れる。そして、最後にホースクランプの拡径状態を解除してやれば、ホースクランプは縮径状態へと移行してホースと配管との接続部位を締付け、かくしてホースと配管との接続がなされる。
【0014】
このように、請求項1の発明によれば、従来のようにホースは配管に対しバルジ部を通過する深さまで差し込む必要がなく、その手前深さまでの差込みでよい。
このようにしても、ホースクランプはサポータと配管のバルジ部との係止により軸方向への移動が強く規制されていることから、ホースの抜けを確実に回避することができる。また、配管へサポータを装着する際にも、差し込み後の回動操作だけでよいため、作業性に優れたものとなる。
【0015】
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、ホースクランプはサポータに対しその一端側から組み込まれる。すなわち、サポータ内にホースクランプを収容する場合、サポータを半割りした二部材構成とし、ホースクランプを径方向から挟むようにして内部に組み込むようにすることも考えられるが、そのような方式では二部材化されたサポータ同士を連結する部位が外部に露出するため、跳ね石等によって同部位が損傷してしまう虞がある。しかし、請求項2の発明によれば、サポータを半割りすることなく外周面を切れ目のない連続面とすることができるため、サポータを跳ね石等による損傷を受けにくい構造とすることができる。
【0016】
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、配管をサポータに差し込むときに、前側の挟持壁を切欠き部を通過させた後に、配管をサポータに対して相対的に回動させることで、前側の挟持壁が被挟持壁の裏側に回り込むため、被挟持壁が前後の挟持壁によって挟み込まれた状態となる。かくして、サポータが配管に対して軸方向前後方向へ移動を規制された状態で取り付けられる。
【0017】
<請求項4の発明>
被挟持壁を挟持するのに同位相の挟持壁によって挟持することも可能であるがそのようにすれば、前後の挟持壁の間隔は被挟持壁の厚み相当分という狭い間隔の構造となってしまうため、前後の挟持壁の製造が困難になることがあるが、請求項4の発明のように周方向への位相をずらすようにすれば、挟持壁同士が離れるため、製造しやすくなる。
【0018】
<請求項5の発明>
請求項5の発明によれば、配管をサポータに差し込んだときには前側の挟持壁が当て止め部に当たって軸方向に関する位置決めがなされるため、続いてなされる回動操作を円滑に行うことができる。
【0019】
<請求項6の発明>
請求項6の発明によれば、サポータが配管に対して相対回動されたときに、前側あるいは/及び後側の挟持壁が位置決め部によって周方向から挟まれるため、サポータと配管との周方向に関する位置決めを行うことができる。このため、サポータ内に収容されているホースクランプも同時に周方向に関する位置決めがなされるため、拡径解除の作業がしやすくなる。
【0020】
<請求項7の発明>
請求項7の発明によれば、バルジ部は配管とサポータとが相対的に回動されたときに、乗り上げ面の傾斜に沿って登っていくと共に、リテーナを奥方へ撓ませている。したがって、バルジ部が乗り上げ面を乗り越えると、リテーナの弾性反力によってバルジ部は位置決め凹部内に押し嵌められ、かくして配管とサポータ、ひいてはここに収容されている拡径状態のホースクランプとが周方向及び軸方向に関して位置決めされる。
【0021】
<請求項8の発明>
請求項8の発明によれば、リテーナは凹所を通過したバルジ部が突き当てられる部位がサポータに対する固定部であるため、バルジ部を確実に前止まりすることができる。逆に、その他の領域はサポータに対して取り付けがなされていない可動部であるため、良好な撓み性を得てバルジ部に対する押し戻し動作の発揮に有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図14によって説明する。図1に示すように、本実施形態のホース接続装置JはホースHを金属製配管Pに接続するためのものである。ホースHはゴム材等の可撓性材料によって成形されたものであり、配管PはホースHの内側に嵌め入れ可能なパイプによって形成されている。この配管Pの外周面で端部寄りにはバルジ部bf,brがロー付け等によって突設されている。バルジ部は、それぞれ板状に形成された図示4個の挟持壁bf,brによって構成されている。これらは周方向に180度離間した二つのものを組として、各組同士は軸方向前後に所定間隔をおいて配されている。さらに、前後の組では周方向に90度位相がずれた配置となっている。
【0023】
本実施形態のホース接続装置Jは、ホースクランプHCとこれを収容するサポータS1とからなっている。まず、ホースクランプHCから説明すると、ホースクランプHCは金属製の帯板状ばね材により形成され、一端側は所定長さ範囲に亘って長孔部1が形成され、他端側は幅狭部2となっている。そして、幅狭部2の一部を長孔部1内に適合させつつ全体を円環状に回曲してクリップ本体3が形成されている。また、長孔部1及び幅狭部2の各端部は共に径方向外方へほぼ同じ高さをもって起立し第1・第2の摘み片4,5を形成している。第1摘み片4は幅狭部2の端部が方形状をなして拡張され、係止板6となっている。この係止板6には、後述するホルダーHOの係止部7との係止及び解離を行うために、幅狭のロック孔8と幅広の解除孔9とを上下に配しかつ相互が連通する形態で貫通して形成されている。
【0024】
かくして、ホースクランプHCはホルダーHOによって第1・第2の摘み片4,5同士が接近した状態に保持可能であり、そのときにはクリップ本体3の内径が配管P及びホースHの外径よりも充分に大きくこれらへ遊挿可能な拡径状態となっている。一方、ホルダーHOの係止が解かれて第1・第2の両摘み片4,5が離間した状態にあるときには、クリップ本体3はホースと配管Pとの接続部位を緊締可能な縮径状態となっている。
【0025】
次に、サポータS1について説明すると、この実施形態ではサポータS1はサポータ本体10とクリップ本体3の抜け止めを行う抜け止め具11とからなっている。
サポータ本体10は合成樹脂材にて一体に成形されたものであり、全体は段付きの円筒状をなし、単一の部材によって形成されていることから、外周面には何らの合わせのための構造が突出することもなく周方向に連続したものとなっている。また、サポータ本体10における配管Pと対向する側は小径部12が形成され、その端部には配管差込み口13(配管差し込み部)が開口している。一方、サポータ本体10においてホースHと対向する側は大径部14が形成され、その端部にはホース差し込み口15(ホース差し込み部)が開口している。大径部14はホースHを差し込み可能であるとともに、拡径状態にあるホースクランプHCをも差し込み可能であり、内部はホースクランプHCに対する収容空間16(収容部)となっている。
【0026】
収容空間16内にホースクランプHCが収容されているときには、クリップ本体3の一方の側縁が大径部14と小径部12との境界部分の段差壁17に当接し、クリップ本体3の外周面が収容空間16の内周面に沿ってほぼ密着するようになっている。また、大径部14の天井面側にはホースクランプHCの両摘み片4,5を突出させるための窓孔18が方形状に開口している。ホース差し込み口15の開口縁からは窓孔18の中央に向けて導通路19が延び、両摘み片4,5を導通路19を通して窓孔18へと導入可能である。さらに、窓孔18において導通路19と反対側には導通路19とほぼ同幅をもって逃がし凹所20が連通して形成されている。そして、クリップ本体3の側縁が段差壁17に当接しているときに、第2摘み片5の一方の側縁が逃がし凹所20へ入り込み、他方の側縁は導通路19へ入り込んだ状態となっている。具体的には、拡径状態にあるホースクランプHCがサポータS1内に収容されているときには、第2摘み片5の両側縁が逃がし凹所20及び導通路19における周方向の一端側に寄せられ、その位置において次述する抜け止め具11によって位置決めがなされる。しかし、上記した拡径状態が解除されるときには、第1摘み片4側は縮径状態に対応した位置に移行可能であり、窓孔18はそのような第1摘み片4の移動動作を許容できる長さ寸法をもって開口している。なお、実施形態1では窓孔18は第1摘み片4の移動方向とは反対方向へもその開口領域が広がっている。これは、軽量化のためであり、また、図示のものは窓孔18と反対側にも開口48が設けられ、水抜きの役割を果たしている。
【0027】
収容空間16へ収容されたホースクランプHCは抜け止め具11によって抜け止めがなされる。抜け止め具11は合成樹脂材にて一体に成形されたものであり、全体として略C字状に形成されている。そして、全体はホース差し込み口15の口縁に対しやや窄められた状態で嵌着可能であり、抜け止め具11の装着によってクリップ本体3は抜け止め具11と段差壁17との間で挟まれた状態で保持される。また、抜け止め具11の外周面において周方向中央部には他所よりも厚肉に形成された肉厚部21が形成され、導通路19に対し整合状態で嵌合される。この肉厚部21の一つのコーナは方形状に切欠かれて掛け止め部22が形成され、第2摘み片5の一方の側縁部と係止可能である。このことによって、図10に示すように、第2摘み片5の一方の側縁部は導通路19の開口縁と掛け止め部22との間で挟まれ、第2摘み片5を周方向に関する双方向への移動を規制し、もってホースクランプHCが拡径状態にあるときにはホースクランプHC全体を周方向へ位置決めしうる。
【0028】
抜け止め具11の外周面において肉厚部21を周方向に挟んだ位置には一対の上部突起23が形成され、両上部突起23が設けられている側と反対側で抜け止め具11の切れ目を周方向に挟んだ位置にも一対の下部突起24が形成され、サポータS1側の対応位置に貫通して形成された受け孔37,38へそれぞれ嵌め入れられ、これにより、抜け止め具11がサポータS1に固定される。さらに、抜け止め具11の内周面にはホースHの挿入方向に沿って縮径するテーパ状の案内面25が全周に亘って形成され、ホースHの差し込みを円滑にすることができる。
【0029】
次に、ホースクランプHCを拡径状態に保持するためのホルダーHOについて説明すると(図7〜図9参照)、ホルダーHOは金属製の所定形状の板材を曲げ加工して形成したものである。ホルダーHOは一端部が略U字状に屈曲しており、その屈曲端はサポータS1の外周面において逃がし凹所20の一端部付近に形成されたホルダー装着部26へ差し込まれている。すなわち、ホルダー装着部26の側端面には差し込み孔27が軸方向外方へ向けて開口しかつその上面には引っ掛け孔28が開口しホルダーHOの一端部に配された差込み片46に切起こされた係止爪29を弾性的に係止させている。ホルダーHOはホルダー装着部26に係止されている部分からサポータS1に対し径方向外方へ起立片47を立ち上げた後、両摘み片4,5の後方を横切るようにしてサポータS1の他端側へ向け軸方向に沿って延出している。但し、ホルダー装着部26は小径部12の開口端からやや内側へ入り込んだ位置に形成されていることから、ホルダーHOはホルダー装着部26に差し込まれて立ち上がる部分をホルダーHOから軸方向外方へ突出させない。
【0030】
また、ホルダーHOにおける延出部分の一方の側縁のほぼ中央部からはホースクランプHCを拡径状態に保持するための係止部7が突出形成されている。係止部7は付け根部分は幅広に形成され、先端側に向けて徐々に幅狭となるようにしてあるが、突出端では再び幅広でになりかつ先端に向けてやや下り勾配をなす拡幅部30が形成されている。この拡幅部30の横幅は第1摘み片4の解除孔9の横幅よりも小さいが、ロック孔8の横幅よりは大きく設定されている。したがって、拡幅部30を第2摘み片5の長孔部を通して解除孔9へ差し込み、その後にロック孔8側へずらして位置させれば拡幅部30はクリップ本体3の弾性反力を受けた状態でロック孔8に係止し、これによってホースクランプHCが拡径状態に保持される。
【0031】
ホルダーHOにおいて係止部7が設けられているのと反対側の側縁は内側へかつ外面側へ弧状に折り返され、拡幅部30とロック孔8との係止を解除するための操作部31となっている。この操作部31はホルダー装着部26に取り付けられている部分を固定端とする片持ち状をなしていることから、操作部31の端部側を押圧すると固定端側を支点とするてこ作用により、係止部7を比較的軽い力で解除孔9側へ変位させることができる。また、ホルダーHOは操作部31の自由端がサポータS1から軸方向外方へ突出しないよう、また操作部31の上端が両摘み片4,5の突出端から径方向外方へ突出しないように配されている。
【0032】
次に、サポータS1を配管Pに対して保持するための保持構造について説明する。小径部12の内周面であって配管差込み口13の口縁からやや奥方へ入り込んだ位置には配管P側の前後の挟持壁bf,brによって挟持される被挟持壁32(保持部)が、周方向に沿って内向きに張り出し形成されている。この被挟持壁32は90度角度毎に四箇所が切欠かれ切欠き部33となっている。また、被挟持壁32において各切欠き部33を幅方向から挟む一方側の端部には中空のストッパ突部34が軸方向外方へ突出形成されている。各切欠き部33は前側の挟持壁bfを通過可能な開口幅をもって形成され、その奥方には前側の挟持壁bfを前止まりさせるための当て止め部35がそれぞれ設けられている。各当て止め部35はサポータS1の内周面から被挟持壁32と同じ張り出し幅をもって張り出し形成されるとともに、被挟持壁32との間の軸方向に関する前後間隔は前側挟持壁bfの厚みよりも僅かに広い程度に設定されている。したがって、前側挟持壁bfが対応する当て止め部35に突き当てられたときには、後側挟持壁brが周方向に関して隣り合う切欠き部33の手前に留められ、かつその側方にはストッパ突部34の側面が臨んでいる。したがって、両前側挟持壁bfをいずれかの切欠き部33を通過させて当て止め部35に突き当てた後は、サポータS1は配管Pに対して一方向、つまりストッパ突部34による回動の規制のない方向へのみ回動が許容されることになる。回動がなされている間は前後の挟持壁bf,brによって被挟持壁32が挟持され、後側挟持壁brが回動方向前方にあるストッパ突部34に当接するまでの間が回動のストロークということになる。また、配管差込み口13の口縁内周面(被挟持壁32の手前側の面)であって、ストッパ突部34から周方向へ離間した位置にはストッパ突部34へ向かうにつれて上り勾配となる傾斜面36が形成されている。後側挟持壁brはサポータS1の回動に伴い小径部12の壁面を僅かに膨出変形させながら傾斜面36を乗り上げ、乗り越え後には傾斜面36の終端面とストッパ突部34との間において、周方向に位置決めされた状態で収められる。
【0033】
次に、上記のように構成された実施形態1の作用効果を具体的に説明すると、配管PとホースHとの接続に先立ち、ホース接続装置Jの組み立てがなされる。まず、縮径状態にあるホースクランプHCを拡径状態にすべく、適当な治具によって両摘み片4,5を摘み操作して相互を接近させておき、同治具にて拡径状態を保持しておく。次に、拡径状態に保持されているホースクランプHCを、ホース差し込み口15側に位置させるとともに、両摘み片4,5を導通路19の入り口側に適合させ、そのまま軸方向に沿って押し込む。そして、クリップ本体3の側縁が段差壁17に突き当たるまで押し込むとともに、第2摘み片5の一方側の側縁を逃がし凹所20の一方の端部(図10における下方側の端部)に当接する位置にホースクランプHC全体を保持しておく。
【0034】
その一方で、サポータS1に対してホルダーHOを装着するべく、その一端部をホルダー装着部26へと差し込み、ホルダーHOの係止部7がホースクランプHC側へ向くようにしておく。次に、ホースクランプHCをホルダーHO側へ向けて回動させ、第2摘み片5を逃がし凹所20の他方の端部(図10における上方側の端部)に当て止める。その際に、ホルダーHOの拡幅部30を第1摘み片4の解除孔9へ貫通させた後にロック孔8側へ移動させる。そして、両摘み片4,5を治具による摘み操作から解放してやると、ホースクランプHCの弾発力により操作部31が第2摘み片5に圧接し、拡幅部30がロック孔8周りに圧接状態で係止して解除孔9側への戻りが規制されるため、両摘み片4,5は接近した状態で保持され、ホースクランプHC全体が拡径状態に保持される。
【0035】
次に、抜け止め具11をホース差し込み口15側において肉厚部21を導通路19に適合するように位置させてそのままホース差し込み口15へと窄み変形させながら嵌め入れる。そして、上部突起23及び下部突起24がそれぞれ対応する受け孔37,38に適合すると、抜け止め具11は復帰して各突起23,24と受け孔37,38とが嵌り合って、抜け止め具11の装着がなされる。これにより、クリップ本体3は抜け止め具11と段差壁17との間で挟持されて軸方向への位置決めがなされるとともに、第2摘み片5を肉厚部21の掛け止め部22と導通路19の開口縁との間で挟んで周方向への位置決めもなされる。こうしてサポータS1にホースクランプHCがアッセンブリーされたホース接続装置Jが組み立てられる。
【0036】
続いて、配管差込み口13から配管Pの差込みを行う。このときには、前側挟持壁bfを切欠き部33と対応させ、当て止め部35に突き当たるまで配管Pの端部を小径部12内に押し込む。そして、サポータS1を配管Pの軸心周りの一方向(図2,3であれば反時計周り方向)に回動させると、前側の挟持壁bfは対応する被挟持壁32の内面側を摺接し、後側の挟持壁brは別の位置にある被挟持壁32の外面側を摺接する。そして、後側挟持壁brが傾斜面36を乗り越えて傾斜面36の終端部とストッパ突部34との間に嵌め入れられると、後側は戻り止めとそれ以上の回動規制がなされ、これによってホース接続装置Jと配管Pとは周方向に関する位置決めがなされるとともに、前後の挟持壁bf,brが被挟持壁32を軸方向から挟むことによって軸方向に関する位置決めも併せてなされる。したがって、ホースクランプHCにおける両摘み片4,5の位置を作業環境に応じて最適な方向を向けて位置決めすることが可能となる。
【0037】
ホースHとの接続現場では、ホースHの端部がホース差し込み口15から案内面25を介して差し込まれ、クリップ本体3の内周側を通して各当て止め部35の内面側に突き当てられる深さまで差込みがなされる。その場合、ホースHは配管Pの一般部への嵌め込みだけでよく、従来のようなバルジ部を乗り越えさせる必要がないことから、ホースHの差込みに大きな操作力が不要である。かくして、ホースHが配管Pに対して正規深さまで嵌め込まれたら、ホルダーHOの操作部31の押し下げを行う。これに伴い、係止部7全体が下方へ変位するため、拡幅部30がロック孔8との係止を解いて解除孔9へと移動する。すると、ホースクランプHCの弾性反力によって第1摘み片4は窓孔18内を移動し、クリップ本体3が縮径状態へと移行する。これにより、ホースHは配管Pとの接続部分において緊締され、接続作業が完了する。
【0038】
ところで、従来であればホースの抜けの規制をホースクランプとバルジ部との引っ掛かりを利用してホースクランプの移動を規制することによって行ってきた。しかし、本実施形態1ではこれに代えて、ホースクランプHCと一体化されているサポータS1をバルジ部bに係止することによって行っている。したがって、従来であればホースHはバルジ部bを乗り越える深さまで差し込まねばならず、ホースHの差込みには大きな力を必要としていたが、本実施形態ではバルジ部bの乗り越えがなく、配管Pの一般部への嵌め込みですむため、差し込み作業は従来よりも軽い力で済む。
【0039】
また、ホースHとの接続に先立ってなされる、配管Pへのホース接続装置Jの取り付けは配管Pに対しサポータS1を相対的に回動させるだけの操作でよいため、組付け作業性に優れる。そして、被挟持壁32を軸方向前後で挟みつける挟持壁bf,brを周方向へ位相をずらすことで相互間の距離が確保されるため、挟持壁bf,brをロー付け等する場合に作業がしやすい。加えて、サポータS1と配管Pの軸方向に関する位置決めのためのサポータS1側の構造としては、被挟持壁32のみで足りるため、サポータS1側の構造を簡素なものとすることができる。
【0040】
さらに、拡径状態にあるホースクランプHCをサポータS1へ組み込むにあたり、サポータS1を半割りされた二部材によって構成するのでなく、単一部材によって構成されるようにしたから、連結構造が外部に露出することがなく、跳ね石対策に有効となる。
【0041】
さらにまた、実施形態1ではホルダーHOがサポータS1に対して一体化されているため、部品管理がしやすく、拡径解除後もサポータS1にそのまま残るため、再度、ホースクランプHCを拡径状態にすることもできる。また、従来のホルダーレスタイプのように拡径状態を保持するための構造部(ホルダーHO)がホースクランプHCとは別個に形成されるため、これをサポータS1のどこに取り付けるかであるとか、どのような形態にするかの設計の自由度が高められる。したがって、実施形態1におけるホルダーHOは、てこ作用を利用して拡径解除を行うものであるが、操作部31のアーム長を長くした形態をとることも容易であり、解除操作の際の作業者負担の軽減に寄与する。しかし、操作部31のアーム長さを充分に確保するにしても、サポータS1に対し軸方向から突出しないようにしてあり、また両摘み片4,5よりも低い位置に配置するようにしたため、異物の衝突によって不用意に拡径状態が解除されてしまう虞も少ない。
【0042】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図15から図18によって説明する。実施形態2が実施形態1と異なる点は、配管PとサポータS2との位置決め構造である。他の構造は実施形態1と同様であるため、同様の構造については同一の符号を付すことで説明は省略する。
【0043】
実施形態1のバルジ部bは軸方向前後で位置ずれをした挟持壁bf,brによって構成されていたが、実施形態2のバルジ部bではこのような軸方向についての位置ずれはなく、図示2個を同一円周上で周方向に関して対称に配置する構造となっている。したがって、実施形態1が配管P側の挟持壁bf,brによってサポータS2側の構造(被挟持壁32)を軸方向から挟持するものであったのに対し、本実施形態ではサポータS2側の構造によってバルジ部bを挟持するようにしてある。
【0044】
サポータS2において配管差込み口13の口縁には周方向に沿って内向きに鍔縁39が張り出し形成されている。この鍔縁39には約90度角度間隔毎に方形の凹所40が切欠き形成され、対称位置にあるもの同士が配管P側の両バルジ部bを通過させうる。鍔縁39は各凹所40によって四片の領域に分割されるのであるが、各分割領域のそれぞれの内面にはサポータS2を配管Pに対して周方向への位置決めするための位置決め凹部41が形成されている。位置決め凹部41は上記した各分割領域のほぼ全長さ範囲に亘って形成されており、周方向両端には一対の乗り上げ面42が周方向に間隔をおいて配され、共に奥方へ向けて突出している。また、対向する乗り上げ面42は相互に接近する方向へかつ周方向に沿って上り勾配が設定され、対をなす乗り上げ面42が相互に対向する面は切り立って形成され、さらに両乗り上げ面42の周方向に関する間隔はバルジ部bの幅寸法より僅かに広く設定されている。さらに、乗り上げ面42におけるサポータS2の軸方向後端面同士は連結されてバルジ部bを軸方向へ抜け止めする。さらにまた、位置決め凹部41内にバルジ部bが収められることによって、配管PとサポータS2とは周方向の双方向へ位置決めされた状態に保持される。
【0045】
サポータS2内において、鍔縁39より奥方には鍔縁39と所定間隔をおいてリテーナ43が配されている。リテーナ43は配管PとサポータS2との初期嵌合時にはバルジ部bの突き当てを受け止め、配管PとサポータS2とが相対的に回動されたときにバルジ部bを位置決め凹部41内に収容させる役割を果たすとともに、位置決め凹部41内に収容されたバルジ部bが軸方向(抜け方向)へ移動するのを規制する役割を果たす。すなわち、リテーナ43は適度の弾性を有する合成樹脂材によってリング状に一体に形成されており、その外周縁には90度角度間隔ごとの四箇所に抜け止め突起44が突出形成されている。一方、サポータS2の小径部12の外周面において各凹所40と対応する位置には取付け孔45が貫通し、これらへ各抜け止め突起44が嵌め入れられることによってリテーナ43全体の取り付けがなされている。したがって、リテーナ43は凹所40と対応する位置で固定されていることから、配管PとサポータS2との初期嵌合時に凹所40を通過したバルジ部bが突き当てられても、後退方向へ弾性変位することはない。逆に、リテーナ43のうち鍔縁39の各分割領域に対応した範囲はいずれもサポータS2による拘束がなく、軸方向への弾性変位が許容されている。そして、前記乗り上げ面42の頂部とリテーナ43との軸方向に関する間隔は、バルジ部の厚み寸法より充分に小さく設定されていることから、配管PとサポータS2との相対的な回動に伴いバルジ部bが乗り上げ面42上を通過する過程では、リテーナ43はバルジ部bによって奥方へ弾性変位させられ、バルジ部bが乗り上げ面42を通過した時点でリテーナ43の弾性反力によって外方へ押し戻され、位置決め凹部41内に収容される。
【0046】
なお、リテーナ43の内周面において各抜け止め突起44と対応する位置にはそれぞれ半円状の切欠部49が形成されているが、これはリテーナをサポータS2内に自動機で組み込む場合のための位置決め用のものであり、組付けの条件によっては省略可能である。
【0047】
上記のように構成された実施形態2のものにおいても、拡径状態に保持されたホースクランプHCをサポータS2内に組み込んで一体化したもとで、ホース接続装置Jが配管Pへの装着現場へ搬入される。同現場においては、配管差込み口13を通して配管Pの差込みがなされ、バルジ部bを凹所40を通過させてリテーナ43に突き当てる。そして、配管PとサポータS2とを相対的に回動させれば、リテーナ43の弾性反力によってバルジ部bは乗り上げ面42を通過後に自動的に位置決め凹部41内に収容され、これによりサポータS2と配管Pとは周方向及び軸方向に関して共に位置決めされる。したがって、本実施形態のものにおいても、ホース接続装置Jの配管Pへの装着作業を円滑に行うことができる。また、配管PへホースHを差し込む場合にもホースHはその端部がバルジ部bに突き当たる位置で差し込み深さが規制されるため、実施形態1と同様、ホースHの差込み作業は軽い力で済む。
【0048】
さらに、本実施形態では実施形態1のようにバルジ部bを軸方向前後にずらす等の配慮も無用であるため、実施形態1に比較して配管Pの構成を簡素なものとすることができる、という効果も得られる。
【0049】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0050】
(1)挟持壁の数は図示のものに限定されるべきものでなく、したがって周方向の角度間隔も適宜に変更可能であり、前後の組で周方向に重なり合いを生じるものであってもよい。
【0051】
(2)バルジ部は配管Pに対してロー付け等されるものの他、配管P成形時に同時に形成されるものであってもよい。
【0052】
(3)拡径状態の保持は必ずしもホルダーHOによらなくともよく、前述したホルダーレスタイプのものを利用することも可能である。
【0053】
(4)サポータは、必ずしもサポータ本体と抜け止め具の二部材から構成される必要はなく、両者を一体化して単一部材によって構成されるものであってもよい。たとえば、サポータ本体に弾性変形可能な抜け止め手段を構成し、ホースクランプに対して弾性係止するような構成が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】実施形態1におけるホース接続装置の分解斜視図
【図2】サポータに配管を差し込んだ後で、回動操作を行う前の状態を示す背面図
【図3】回動後の状態を示す背面図
【図4】サポータ本体の平面図
【図5】サポータ本体の底面図
【図6】縮径状態のホースクランプの斜視図
【図7】ホルダーの平面図
【図8】同じく正面図
【図9】同じく側面図
【図10】接続装置の平面図
【図11】ホースクランプが拡径状態にあるときの接続装置の側断面図
【図12】同じく縮径状態にあるときの接続装置の側断面図
【図13】ホースクランプが拡径状態にあるときの接続装置の正断面図
【図14】同じく縮径状態にあるときの接続装置の正断面図
【図15】実施形態2における接続装置の分解斜視図
【図16】リテーナの正面図
【図17】サポータに配管を差し込んだ後で、回動操作する前の状態を一部破断して示す正面図
【図18】同じく回動操作後の状態を一部破断して示す正面図
【符号の説明】
【0055】
4,5…摘み片
7…係止部
16…収容空間
31…操作部
32…被挟持壁(保持部)
b…バルジ部
bf,br…挟持壁
H…ホース
HO…ホルダー
J…ホース接続装置
P…配管
S1,S2…サポータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホースを配管に接続するためのホース接続装置であって、
リング状に回曲して形成され常には前記ホースを挿通可能な拡径状態に保持されるが、拡径状態の解除により自らのばね力により縮径状態へ移行して前記ホースを締付け可能となるホースクランプと、
内部に前記ホースクランプを抜け止め状態で収容可能な収容部が設けられ、かつ、一端側には前記ホースが差し込み可能なホース差し込み部が開口し、他端側には前記配管が差し込み可能な配管差し込み部が開口するサポータと、
前記配管差し込み部に設けられ、前記配管が前記配管差し込み部へ軸方向から差し込まれて軸芯周りに相対的に回動されたときに前記配管の外周面に張り出し形成されたバルジ部と係止して前記サポータを前記ホースクランプと共に前記配管に対して保持するための保持部とを備えてなることを特徴とするホース接続装置。
【請求項2】
前記ホースクランプは両端部が径方向外方へ起立し、かつホースクランプと一体あるいは別体に形成された保持手段にて前記ホースクランプの両端を接近した状態に保持することで前記拡径状態が保持されるようになっており、
一方、前記サポータは軸方向両端側へ開口する円筒状に形成されるとともに、前記両開口のうちの一方側の開口を通して前記拡径状態にあるホースクランプを組み込み可能とすることで、前記サポータの外周面が周方向に沿って連続面となっていることを特徴とする請求項1記載のホース接続装置。
【請求項3】
前記バルジ部は、前記配管の軸方向前後に間隔をおいて起立する挟持壁を有する一方、前記サポータにおける前記配管差し込み部の内周面には周方向に沿って被挟持壁が張り出し形成されるとともに、この被挟持壁には前記挟持壁のうち挿入方向前側に位置するものを通過させる切欠き部が形成され、前記挿入方向前側に位置する前側の挟持壁が前記切欠き部を通過した後、前記配管が前記サポータに対して相対的に回動したときに前記被挟持面が前記前後の挟持壁間で挟持されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホース接続装置。
【請求項4】
前記挟持壁は、前記配管の軸方向の前後に所定間隔位置ずれして複数個ずつが配されるとともに、各前側の挟持壁と後側の挟持壁とは周方向に重なり合いを生じないように位相がずらして配置されていることを特徴とする請求項3に記載のホース接続装置。
【請求項5】
前記配管差し込み部の内周面であって前記切欠き部より前記挿入方向前側には前記切欠き部を通過した前側の挟持壁の前止まりをする当て止め部が突設されていることを特徴する請求項3又は請求項4に記載のホース接続装置。
【請求項6】
前記サポータにおける前記配管差し込み部の内周面であって、前記被挟持壁の内外の少なくともいずれか一方側には、前記配管が前記サポータに対して相対的に回動がされたときに前記前側の挟持壁あるいは/および後側の挟持壁を周方向で挟んで前記サポータを前記配管に対して周方向に関して位置決めする位置決め部が設けられ、この位置決め部は前記前側の挟持壁あるいは前記後側の挟持壁の回動方向前側にストッパ突部を有し、回動方向後側に前記前側の挟持壁あるいは後側の挟持壁を乗り越えさせて戻り止め可能とする傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載のホース接続装置。
【請求項7】
前記バルジ部は、前記配管の外周面において複数個が同一円周上に配置される一方、前記サポータの配管差し込み部の開口縁部には鍔縁が内向きに張り出すとともに、この鍔縁のうち前記バルジ部と対応する位置には各バルジ部を通過可能な凹所が切欠き形成され、また、前記サポータの内周面であってかつ前記鍔縁より奥方には前記鍔縁と所定間隔をおいてリング状のリテーナが対向して配され前記バルジ部が前記凹所を通過したときには前記バルジ部に対して当て止め可能であり、かつ軸方向への弾性変位が許容された状態で組み付けられ、さらに前記鍔縁の内面には前記バルジ部を周方向から挟み付け可能な位置決め凹部が設けられており、
前記各バルジ部が前記凹所を通過した後、前記配管が前記サポータに対して相対回動されるときに前記位置決め凹部において前記バルジ部と対向する側にはバルジ部の前進方向に沿って上り勾配となる乗り上げ面が形成され前記バルジ部がこの乗り上げ面を乗り上げていく過程では前記リテーナを奥方へ弾性変位させるようにしてあり、前記バルジ部が乗り上げ面を乗り越えたときには前記リテーナの弾性反力によって前記バルジ部が前記位置決め凹部内に押し嵌めることで、前記配管が前記サポータに対して周方向に関して位置決めされることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のホース接続装置。
【請求項8】
前記リテーナのうち前記凹所に対応した箇所は前記サポータ対して取り付けがなされる固定部となり、それ以外の領域はサポータに対して非拘束の可動部となっていることを特徴とする請求項7記載のホース接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−215602(P2008−215602A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−58171(P2007−58171)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(000151597)株式会社東郷製作所 (78)
【Fターム(参考)】