説明

ホース解体組立機

【課題】どのようなサイズの金具、ホースであっても容易にホースに挿入、取り外すことができるホース解体組立機を提供する。
【解決手段】ホースHの末端部H1の外周面に接する溝部が形成された複数のブロックが互いに近接することにより、ホースHを所定の基準軸線O上に位置決めする求芯チャック3と、アタッチメントA(金具)又は挿入ホルダBを着脱可能に保持する金具取付部10と、金具取付部10を前進又は後退させるアクチュエータ11とを有する金具固定装置2とが、共通のベース1上に搭載されてなり、求芯チャック3は、ホースHの末端部H1を支持する溝部を上面に有する第1のブロックと、第1のブロックの溝部上に支持されたホースHを位置決めする第2、第3のブロックと、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ホース等に適用されて、ホースに対してジョイント金具となるアタッチメントを容易に挿入、取り外すことができるホース解体組立機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の整備工場等では、メンテナンスのために、車両用ホースに対して他のホース又は管路に接続するジョイント金具となるアタッチメントを挿入、又は取り外しする作業が行われている。
このような作業は、複数の機器を使用して人力で行われることがあり、このため、作業能率が低下するとともに、複数の機器を使用するために多くのスペースが必要となるという問題も発生していた。
そして、このような問題を解決するために、例えば、特許文献1に示される技術が提供されている。この特許文献1に開示される「ホース末端部と金具との挿入装置」では、ホースの末端部を着脱可能に保持するホース固定装置と、ホースの末端部を金具へ挿入させる挿入治具と、ホースの末端部に嵌合装着させる金具を着脱可能に保持する金具固定装置とが、同一直線組付けライン上に配設されてなるものである。
そして、このような金具固定装置は、金具をクランプするクランプ金具を有し、該クランプ金具は、フレームに設置された流体シリンダにより、前記ホースの末端部に対して近接して、該末端部に対して連結されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−167886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記に示す特許文献1記載の技術では、金具固定装置に対して、ホースに装着するための金具が脱着自在に固定されるようになっているが、該金具固定装置に取り付け可能な金具のサイズは、予め決められた僅かな範囲のものでなければならず、規定外の金具は、取り付けることができない、という問題があった。
また、上記特許文献1記載の技術では、金具と同様、予め定められた径のホースのみを対象としているので、規定外のホースである場合には対応することができず、該ホースに対する金具の脱着ができないという問題があった。
また。上記特許文献1記載の技術では、ホースに対して金具を装着する動作を行うのみで、ホースから金具を取り外す作業を行うことができなかった。
【0005】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、どのようなサイズの金具、ホースであっても容易にホースに挿入、取り外すことができるホース解体組立機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、ホースの末端部の外周面に接する溝部が形成された複数のブロックを有し、該ブロックが互いに近接することにより、該ホースを所定の基準軸線上に位置決めする求芯チャックと、該ホースの末端部に装着させる金具又は該金具に取り付けられる挿入ホルダを着脱可能に保持する金具取付部と、該金具取付部を基準軸線に沿って前進又は後退させるアクチュエータとを有する金具固定装置とが、共通のベース上に搭載されてなり、前記求芯チャックは、昇降自在に設けられて基準軸線と平行な他の軸線に沿うように該ホースの末端部を支持する溝部を上面に有する第1のブロックと、基準軸線に対して近接離間するように設けられて前記第1のブロックの溝部上に支持された該ホースを把持して基準軸線上に位置決めする溝部を有する第2、第3のブロックと、を具備することを特徴とする。
【0007】
そして、上記発明によれば、金具固定装置の金具取付部において、該ホースの末端部に装着される金具又は該金具に取り付けられる挿入ホルダが着脱可能に保持されるように構成されているので、様々なサイズの金具であっても、挿入ホルダを介して金具取付部に取り付け、ホースの末端部に対して着脱することができる。
また、本発明によれば、求芯チャックにおいて、第1のブロックの溝部上にホースの末端部を支持した状態で、該第1のブロックを昇降させつつ、第2、第3のブロックを互いに近接させることで、該ホースの末端部を把持して所定の基準軸線上に位置決めすることができる。これによって様々な外径を有するホースに対応して該ホースの位置決めを行うことができる。
また、上記発明によれば、求芯チャックにてホースの末端部を支持し、かつ金具取付部にて金具を支持した状態で、アクチュエータにより該金具取付部を、求芯チャックに対して前進又は後退させることで、ホースの末端部に対する金具の挿入、又は取り外しを行うことができる。
すなわち、本発明のホース解体組立機では、どのようなサイズの金具、ホースであっても、支障なくその挿入、又は取り外し作業を行うことが可能となるものである。
【0008】
また、本発明では、前記求芯チャックは、上下方向に移動する出力ロッドを有するシリンダ機構と、該出力ロッドに連結されかつ該出力ロッドの軸線に対して対称となるように動作するリンク機構とを有し、該リンク機構により、前記第2、第3のブロックが基準軸線に対して互いに水平方向に沿って近接離間するように動作することを特徴とする。
【0009】
そして、上記発明によれば、求芯チャックにて、上下方向に移動する出力ロッドを有するシリンダ機構と、該出力ロッドに連結されかつ該出力ロッドの軸線に対して対称となるように動作するリンク機構とを有し、該リンク機構により、第2、第3のブロックがホースを把持するために、基準軸線に対して互いに水平方向に沿って近接離間するように動作させるようにしたので、1つのシリンダ機構とリンク機構により2つのブロックを同時かつ連動して動作させることができ、全体構成を簡素化することができる。また、シリンダ機構を上下方向に向けて配置することができるので、駆動装置が水平面方向に大型化せず、全体をコンパクトにすることができる。
【0010】
また、本発明では、前記求芯チャックに設けられた第1〜第3のブロックの溝部はV字状となるように形成されていることを特徴とする。
【0011】
そして、上記発明によれば、求芯チャックに設けられた第1〜第3のブロックの溝部をV字状に形成することにより、該溝部に安定してホースの末端部を支持することができるとともに、第2、第3のブロックが互いに近接するという動作に応じて、溝部の傾斜面に沿ってホースを特定方向に案内することができ、これにより該ホースを所定の基準軸線上に確実に位置決めすることができる。
【0012】
また、本発明では、前記金具取付部に着脱可能に保持される挿入ホルダには、金具の形状に応じたジョイント部を有することを特徴とする。
【0013】
そして、上記発明によれば、金具取付部に着脱可能に保持される挿入ホルダには、金具の形状に応じたジョイント部が設けられているので、該ジョイント部を介して様々な形状の金具を挿入ホルダに取り付けることができ、様々な形状の金具をホースの末端部に脱着させることが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、金具固定装置の金具取付部において、該ホースの末端部に装着される金具又は該金具に取り付けられる挿入ホルダが着脱可能に保持されるように構成されているので、様々なサイズの金具であっても、挿入ホルダを介して金具取付部に取り付け、ホースの末端部に対して着脱することができる。
また、本発明によれば、求芯チャックにおいて、第1のブロックの溝部上にホースの末端部を支持した状態で、該第1のブロックを昇降させつつ、第2、第3のブロックを互いに近接させることで、該ホースの末端部を把持して所定の基準軸線上に位置決めすることができる。これによって様々な外径を有するホースに対応して該ホースの位置決めを行うことができる。
また、上記発明によれば、求芯チャックにてホースの末端部を支持し、かつ金具取付部にて金具を支持した状態で、アクチュエータにより該金具取付部を、求芯チャックに対して前進又は後退させることで、ホースの末端部に対する金具の挿入、又は取り外しを行うことができる。
すなわち、本発明のホース解体組立機では、どのようなサイズの金具、ホースであっても、支障なくその挿入、又は取り外し作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ホース解体組立機の全体を示す側面図である。
【図2】ホース解体組立機の金具固定装置2及び求芯チャック3の主要部を示す側面図である。
【図3】挿入ホルダBに挿入したアタッチメントAを金具固定装置2に装着する様子を示す側面図である。
【図4】特殊な形状のアタッチメントAを金具固定装置2に装着する様子を示す側面図である。
【図5】図1に示す求芯チャック3を矢印V方向から見たシリンダ機構23及びリンク機構24の正面図。
【図6】金具固定装置2へのアタッチメントAの装着手順を示す図である。
【図7】図6に続く金具固定装置2へのアタッチメントAの装着手順を示す図である。
【図8】図7で装着したアタッチメントAを求芯チャック3に装着したホースHの末端部H1に挿入した状態を示す図である。
【図9】求芯チャック3の第1のブロック20がホースHの末端部H1を支持している状態を示す図であって、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図10】求芯チャック3の第2、第3のブロック21・22がホースHの末端部H1を挟持しつつある状態を示す図であって、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図11】求芯チャック3の第2、第3のブロック21・22がホースHの末端部H1を挟持した状態を示す図であって、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図12】ホースHの末端部H1からアタッチメントAを引き抜くために、これらアタッチメントA及びホースHを、金具固定装置2及び求芯チャック3にそれぞれ装填した状態を示す図である。
【図13】ホースHの末端部H1からアタッチメントAを引き抜いた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施例1]
本発明の実施例1について図1〜図13を参照して説明する。
図1は本発明に係わるホース解体組立機の全体を示す側面図であって、符号1で示されるベース上に、ホースH及び該ホースHに脱着されるジョイント金具となるアタッチメントAの中心軸線(この軸線を基準軸線Oと表現する)に沿うように、金具固定装置2、求芯チャック3、ホース置台4が直列配置される構成とされている。
【0017】
金具固定装置2は、図2に示されるように、アタッチメントAを着脱可能に保持する取付座10Aを有し、基準軸線Oに沿うように矢印(イ)−(ロ)方向にスライド自在な金具取付部10と、ピストンロッド11Aの先端に設けられて該金具取付部10を基準軸線Oに沿って前進(矢印(イ)方向)又は後退(矢印(ロ)方向)させるアクチュエータ11とを有する。
なお、アタッチメントAが、形状不適合で金具取付部10の取付座10Aに直接装着できない場合には、挿入ホルダBを介して取付座10Aに装着するようにする。具体的には、図3で示すような小径のアタッチメントAの場合には、該アタッチメントAの左端に位置する乳首部A1を、挿入ホルダBのジョイント部B1に挿入することで、該アタッチメントAを金具取付部10の取付座10Aに装着する。また、図4で示すような先端が2つに割れた特殊形状のアタッチメントAの場合には、該アタッチメントAの上側に位置する配管部A2を、挿入ホルダBのジョイント部B1に挿入かつ締結手段(符号B3で示す)で固定することで、該アタッチメントAを金具取付部10の取付座10Aに装着する。
【0018】
前記金具取付部10は、図1〜図4に示すように水平軸12Aを中心に回転自在な押さえ部材12を有し、アタッチメントA又は挿入ホルダBが装填された状態で、押さえ部材12が閉じられた場合には、押さえ部材12によりこれらアタッチメントA又は挿入ホルダBが上方から支持される。そして、この状態で、アクチュエータ11が伸長して前記金具取付部10が矢印(イ)方向に前進することで、アタッチメントA又は挿入ホルダBに装着されたアタッチメントAが、ホースHの末端部H1に挿入可能となる。
一方、前記金具取付部10の押さえ部材12が開放された場合には、これらアタッチメントA又は挿入ホルダBが金具取付部10から取外し可能となる。
【0019】
また、前記求芯チャック3は、ホースHの末端部H1の外周面に接する溝部20A〜22Aが形成された複数のブロック20〜22を有し、該ブロック20〜22が互いに近接又は離間することにより、該ホースHを基準軸線O上に位置決めする。
具体的には、前記求芯チャック3は、図5に示すように、昇降自在に設けられてホースHの末端部H1を支持する溝部20Aを上面に有する第1のブロック20と、基準軸線Oに対して近接離間するように設けられて前記第1のブロック20の溝部20A上に支持された該ホースHを基準軸線O上に位置決め固定する溝部21A・22Aを有する第2ブロック21及び第3のブロック22と、これらブロック20〜22を駆動する駆動手段(後述する昇降手段、シリンダ機構23、リンク機構24)とを具備する。
【0020】
図5に示すように、第1のブロック20は、ホースHの末端部H1を安定して支持するためにV字状の傾斜面を有する溝部20Aをその上面に有するものであって、図示しない昇降手段によって上下動するように構成されている。そして、このような第1のブロック20では、下降位置において基準軸線Oと平行な他の軸線(図9に符号OAに示す)に沿うようにホースHを支持し、上昇位置において軸線OA上にあるホースHを基準軸線O又は該基準軸線Oの近傍まで上昇させる。
第2のブロック21、第3のブロック22は、基準軸線Oを挟んで互いに対向するように配置され、その上下に沿う対向面の中間部に、ホースHの末端部H1を支持するためにV字状の傾斜面を有する溝部21A・22Aが形成されている。また、これら第2のブロック21、第3のブロック22は、平面視した場合に櫛葉状に形成されており、これらが互いに噛み合うことで、これら第2のブロック21、第3のブロック22の溝部21A・22A間にホースHの末端部H1を把持して、該ホースHの末端部H1を基準軸線Oに位置させる。
また、これら第2のブロック21及び第3のブロック22は、垂直な軸線OBに沿って上下方向に移動する出力ロッド23Aを有するシリンダ機構23と、該出力ロッド23Aに連結されかつ該出力ロッド23Aの軸線OBに対して対称となるように動作するリンク機構24とを有している。
該リンク機構24は、第2のブロック21とシリンダ機構23の出力ロッド23Aとの間に、ベース1上の固定軸25及び互いを連結する連結ピン26を介して複数のリンク片27が連結され、かつ、第3のブロック21とシリンダ機構23の出力ロッド23Aとの間に、ベース1上の固定軸28及び互いを連結する連結ピン29を介して複数のリンク片30が連結されている。
そして、このような構成のリンク機構24では、シリンダ機構23の出力ロッド23Aが軸線OBに沿って下降した場合に、該軸線OBに対して対称となるリンク片27及び30の動作によって、第2のブロック21及び第3のブロック22が互いに近接するように移動し、これによってこれらブロック21・22間に配置されたホースHの末端部H1が把持される。一方、シリンダ機構23の出力ロッド23Aが上昇した場合に、軸線OBに対して対称となるリンク片27及び30の動作によって、第2のブロック21及び第3のブロック22が互いに離間するように移動し、これによってこれらブロック21・22間に配置されたホースHの末端部H1が開放される。
【0021】
前記ホース置台4は、ホースHの余長部分を載置するためのテーブルであって、例えば、図1に符号4Aで示すように、ホースHを支持するための把持手段が複数設けられている。
【0022】
次に、金具固定装置2に対してアタッチメントAを挿入ホルダBとともに脱着するための動作、求芯チャック3に対してホースHの末端部H1を脱着するための動作、について説明する。
〔ホースHの末端部H1へのアタッチメントAの挿入〕
例えば、図6で示すような小径のアタッチメントAの場合には、該アタッチメントAの左端に位置する乳首部A1を、挿入ホルダBのジョイント部B1に挿入した後、金具固定装置2において、図7で示すように、該挿入ホルダBに挿入されたアタッチメントAを、金具取付部10の取付座10Aに装着する。その後、押さえ部材12を倒して、金具取付部10の取付座10Aに装着したアタッチメントAを固定する。
【0023】
その後、求芯チャック3において、図9に示すように、第1のブロック20の溝部20A上に、ホースHの末端部H1を載置した後、図示しない昇降機構によって該第1のブロック20を上昇させて、該ホースHの末端部H1の軸線OAを、先のアタッチメントAの軸線となる基準軸線O又は該基準軸線Oの近傍に一致させる。その後、図10及び図11に示すように、シリンダ機構23の出力ロッド23Aを下降させることで、軸線OBに対して対称となるリンク片27及び30の動作によって、第2のブロック21及び第3のブロック22を互いに近接するように移動させ、これによってホースHの末端部H1を、これらブロック21・22の溝部21A・22A間に把持して、該ホースHの末端部H1を基準軸線O上に位置させる。
なお、このとき、図9に示すように、ブロック21・22の溝部21A・22Aと、ホースHの末端部H1との間に、弾性を有するチャック補助パッド30を介在させることで、ホースHを把持する際の滑り止めとしても良い。
【0024】
その後、図8に示すように、アクチュエータ11を駆動して金具取付部10を矢印(イ)方向にスライドさせることで、該金具取付部10に装着されたアタッチメントA先端の結合部(図6、図7に符号A3で示す)を、求芯チャック3に装着されたホースHの末端部H1内に挿入する。アタッチメントAをホースHの末端部H1内に挿入する作業が完了した場合には、金具固定装置2、求芯チャック3のそれぞれにおいて、前述した装着作業と逆の手順の作業を行うことで、これら金具固定装置2、求芯チャック3から、連結が完了したアタッチメントA及びホースHを取り外す。
【0025】
〔ホースHの末端部H1からのアタッチメントAの取り外し〕
まず、連結状態にあるホースHの末端部H1及びアタッチメントAについて、図12に示すように、まず、ホースHの末端部H1を求芯チャック3に取り付け、かつアタッチメントAを金具固定装置2に取り付ける。このときの取り付け作業は、先の図6〜図8、図9〜図11で示した作業と同様であるが、異なる点は、図12に示すようにこれらホースH及びアタッチメントAの装填時に、アクチュエータ11を駆動して金具固定装置2の金具取付部10を矢印(イ)方向にスライドさせて、求芯チャック3に近接した位置に予め配置させておく点である。
そして、図13で示すように、アクチュエータ11を駆動して金具固定装置2の金具取付部10を矢印(ロ)方向にスライドさせることにより、ホースHの末端部H1からのアタッチメントAを引き抜き、これによってホースHからのアタッチメントAの取り外し作業が完了する。
ホースHからのアタッチメントAの取り外し作業が完了した場合には、金具固定装置2、求芯チャック3のそれぞれにおいて、前述したアタッチメントA及びホースHの装着作業と逆の手順で作業を行うことで、これら金具固定装置2、求芯チャック3から、アタッチメントA及びホースHをそれぞれ取り外す。
【0026】
以上詳細に説明したように本実施例のホース解体組立機によれば、金具固定装置2の金具取付部10において、該ホースHの末端部H1に装着されるアタッチメントA又は該アタッチメントAに取り付けられる挿入ホルダBが着脱可能に保持されるように構成されているので、様々なサイズのアタッチメントAであっても、挿入ホルダBを介して金具取付部10に取り付け、ホースHの末端部H1に対して着脱することができる。
また、上記ホース解体組立機によれば、求芯チャック3において、第1のブロック20の溝部20A上にホースHの末端部H1を支持した状態で、該第1のブロック20を昇降させつつ、第2、第3のブロック21・22を互いに近接させることで、該ホースHの末端部H1を把持して所定の基準軸線O上に位置決めすることができる。これによって様々な外径を有するホースHに対応して該ホースHの把持及び位置決めを行うことができる。
また、上記ホース解体組立機によれば、求芯チャック3にてホースHの末端部H1を支持し、かつ金具取付部10にてアタッチメントAを支持した状態で、アクチュエータ11により該金具取付部10を、求芯チャック3に対して前進(矢印(イ)方向)又は後退(矢印(ロ)方向)させることで、ホースHの末端部H1に対するアタッチメントAの挿入、又は取り外しを行うことができる。
すなわち、本発明のホース解体組立機では、どのようなサイズのアタッチメントA、ホースHであっても、支障なくその挿入、又は取り外し作業を行うことが可能となるものである。
【0027】
また、本実施例のホース解体組立機によれば、求芯チャック3にて、上下方向に移動する出力ロッド23Aを有するシリンダ機構23と、該出力ロッド23Aに連結されかつ該出力ロッド23Aの軸線OBに対して対称となるように動作するリンク機構24とを有し、該リンク機構24により、第2、第3のブロック21・22が基準軸線Oに対して互いに水平方向に沿って近接離間するように動作させるようにしたので、1つのシリンダ機構23とリンク機構24により2つのブロック21・22を同時かつ連動して動作させることができ、全体構成を簡素化することができる。また、シリンダ機構23を上下方向に向けて配置することができるので、駆動装置が水平面方向に大型化せず、全体をコンパクトにすることができる。
【0028】
また、本実施例のホース解体組立機によれば、求芯チャック3に設けられた第1〜第3のブロック20〜22の溝部20A〜22Aを傾斜面に形成することにより、該溝部20A〜22Aに安定してホースHの末端部H1を支持することができるとともに、該ブロック20〜22が互いに近接するという動作に応じて、ホースHを溝部20A〜22Aの傾斜面に沿って特定方向に案内することができ、これにより該ホースHを所定の基準軸線O上に確実に位置決めすることができる。
【0029】
また、本実施例のホース解体組立機によれば、金具取付部10に着脱可能に保持される挿入ホルダBには、アタッチメントAの形状に応じたジョイント部B1が設けられているので、該ジョイント部を介して様々な形状のアタッチメントAを挿入ホルダBに取り付けることができ、様々な形状のアタッチメントAをホースHの末端部H1に脱着させることが可能となる。
【0030】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
車両用ホース等に適用されて、ホースに対してジョイント金具となるアタッチメントを容易に挿入、取り外すことができるホース解体組立機に関する。
【符号の説明】
【0032】
1 ベース
2 金具固定装置
3 求芯チャック
4 ホース置台
10 金具取付部
11 アクチュエータ
20 第1のブロック
20A 溝部
21 第2のブロック
21A 溝部
22 第3のブロック
22A 溝部
23 シリンダ機構
24 リンク機構
A アタッチメント(金具)
B 挿入ホルダ
B1 ジョイント部
H ホース
H1 ホースの末端部
O 基準軸線
OA 平行な他の軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホースの末端部の外周面に接する溝部が形成された複数のブロックを有し、該ブロックが互いに近接することにより、該ホースを所定の基準軸線上に位置決めする求芯チャックと、
該ホースの末端部に装着させる金具又は該金具に取り付けられる挿入ホルダを着脱可能に保持する金具取付部と、該金具取付部を基準軸線に沿って前進又は後退させるアクチュエータとを有する金具固定装置とが、共通のベース上に搭載されてなり、
前記求芯チャックは、昇降自在に設けられて基準軸線と平行な他の軸線に沿うように該ホースの末端部を支持する溝部を上面に有する第1のブロックと、基準軸線に対して近接離間するように設けられて前記第1のブロックの溝部上に支持された該ホースを把持して基準軸線上に位置決めする溝部を有する第2、第3のブロックと、を具備することを特徴とするホース解体組立機。
【請求項2】
前記求芯チャックは、上下方向に移動する出力ロッドを有するシリンダ機構と、該出力ロッドに連結されかつ該出力ロッドの軸線に対して対称となるように動作するリンク機構とを有し、該リンク機構により、前記第2、第3のブロックが基準軸線に対して互いに水平方向に沿って近接離間するように動作することを特徴とする請求項1記載のホース解体組立機。
【請求項3】
前記求芯チャックに設けられた第1〜第3のブロックの溝部はV字状となるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のホース解体組立機。
【請求項4】
前記金具取付部に着脱可能に保持される挿入ホルダには、金具の形状に応じたジョイント部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のホース解体組立機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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