説明

ボイドパンタグラフを使用する方法

ボイドパンタグラフ(12)を使用する方法は、複合ボイドパンタグラフ(12,TP)を含むテストシート(10)を生成することを伴う。ここで、前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)のそれぞれは、パンタグラフ前景(14)及びパンタグラフ背景(16)を含む。前記テストシート(10)が印刷され、前記印刷されたテストシート(10)から、隠され又は半ば隠されているパンタグラフ前景(14)及びパンタグラフ背景(16)を有する前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の少なくとも1つが識別される。前記印刷されたテストシート(10)がスキャンされ、前記スキャンされたテストシート(10)から、顕在化したパンタグラフ前景(14)を有する前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の少なくとも1つが識別される。ワークフローは、i)印刷された後は隠され又は半ば隠されているパンタグラフ前景(14)及びパンタグラフ背景(16)、及び、ii)スキャン後は顕在化するパンタグラフ前景(14)の両方を有する前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の少なくとも1つについて、進展される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ボイドパンタグラフ(void pantograph)を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボイドパンタグラフは、様々なセキュリティ文書について、コピーであることの証拠となる背景(copy-evident backgrounds)を生成するために使用される。
ボイドパンタグラフのいくつかの顕著な例は、例えば、複写された画像上に「VOID」又は「COPY」と表示するチェック(check)の背景として使用されるものである。
ボイドパンタグラフは、パッケージ、ラベル、文書などに使用され得る。
一般に、パンタグラフ手法(approach)は、可読であり影響され(acted upon)得る様々な別の情報を、見かけ上(in plain sight)隠すために使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本開示の実施形態の特徴及び利点が、以下の詳細な説明及び図面を参照することにより明らかとなろう。ここで、同様の参照符号は、全く同一ではないが、同様の構成部分に対応する。
簡潔にするため、以前に説明された機能を有する参照符号又は特徴は、これらが出現する別の図面に関連して説明され得、又はされ得ない。
【0004】
【図1】ボイドパンタグラフを使用する方法の実施形態を示すフローチャートである。
【図2】複合テストパンタグラフを含むコンピュータによって生成されたテストシートの実施形態を示す図である。
【図3A】画像の概略図である。
【図3B】ボイドパンタグラフが印刷された後の図3Aの画像を介して形成されたボイドパンタグラフを示す図である。
【図3C】ボイドパンタグラフがスキャンされた後の図3Bのボイドパンタグラフを示す図である。
【図4】図2のテストシートのテストボイドパンタグラフの1つの部分の拡大図を示す図である。ここで、この例示的な描写において、テストボイドパンタグラフは、同じ黒画素密度について異なるドットサイズで生成される。
【図5】図2のテストシートのテストボイドパンタグラフの1つの部分の拡大図を示す図である。ここで、この例示的な描写において、テストボイドパンタグラフは、異なるドットサイズ及び異なる黒画素密度で生成される。
【図6】図2のテストシートのテストボイドパンタグラフの1つの部分の拡大図の概略を示す図である。ここで、この例示的な描写においても、テストボイドパンタグラフは、異なるドットサイズ及び異なる黒画素密度で生成される。
【発明を実施するための形態】
【0005】
詳細な説明
本明細書に開示された実施形態は、テスト用ボイドパンタグラフのテストシート(test sheet)を利用して、このようなボイドパンタグラフの1つ又は複数を組み込む印刷物(printed material)についての1つ又は複数のワークフローを生成する。
ワークフローは、必ずしも推測的に(a priori)知られていないが、その代わり、1つ又は複数のボイドパンタグラフが印刷及びスキャンの後にどのように出現するかの機能(function)である。
【0006】
本明細書に開示された方法の実施形態が、フローチャートとして図1に示されている。
他の各図面が、図1の方法の様々なステップの記載の至る所で参照されることが、理解される。
【0007】
参照符号100に示すように、方法は、複合ボイドパンタグラフ(multiple void pantograph)を含むテストシートを生成することを含む。
このようなテストシート10の限定されない例が、図2に示される。
テストシート10は、複合ボイドパンタグラフ12を含み、これらボイドパンタグラフ12のそれぞれは、画像から生成される。
テストシート10上のボイドパンタグラフ12は、i)その後の展開(subsequent deployment)についての1つ又は複数のパンタグラフ12を識別するため、及び、ii)識別された1つ又は複数のパンタグラフ12についてのワークフロー、又は識別された1つ又は複数のパンタグラフ12に関連するワークフローを生成するために使用されるテストパンタグラフ(TP)であることが、理解される。
【0008】
1つのボイドパンタグラフ12を生成するステップは、図3A〜図3Cにおいて概略的に示される。
ボイドパンタグラフ12は、画像18から生成される。画像18の概略的な限定されない例が、図3Aに示される。
画像18は、デジタルカメラ、ビデオカメラ(camcorder)又はスキャナを用いて取得された画像を含む、任意のデジタル化された画像であり得る。
画像18はまた、イメージングソフトウェア、グラフィックソフトウェア又はこれらと同様のものによって生成され得る。
画像18は、任意の望ましい画像であり得、場合によっては、テキスト、形状(shapes)、グリフ(glyph)、ワークフローを起動し例示化(instantiate)し継続し完了する等の組み込まれた情報、セキュリティアプリケーション、又は、可読であり解釈され得る他の情報を、組み込み得る。
【0009】
画像18は、1つ又は複数のフィルタを使用してフィルタリングされる。
このようなフィルタの限定されない例は、エッジフィルタ(例えば、Sobel法、Canny法、Laplace法、近傍分散(neighborhood variance)法、勾配法等)、カラーフィルタ、色相(hue)フィルタ、色度(chroma)フィルタ、彩度(saturation)フィルタ、輝度(brightness)フィルタ、明度(intensity)フィルタ、ルミナンス(luminance)フィルタ、テクスチャ(texture)フィルタ、ローカルエントロピフィルタ、粒状性(graininess)フィルタ、特定形状フィルタ、閾値(Otsu等)フィルタ、画質(sharpness)フィルタ、畳み込み(convolution)フィルタ、又は他のイメージングフィルタを含む。
画像18をフィルタリングするためにフィルタの1つが選択され得ること、又は、画像18をフィルタリングするために複数のフィルタが選択され得ることが、理解されよう。
フィルタは、そのフィルタに関する特性に基づいて、パンタグラフ前景14(図3C参照)及びパンタグラフ背景16(図3C参照)について1つ又は複数の領域を指定する。
例えば、エッジフィルタが画像18をフィルタリングするために選択される場合、フィルタリングプロセスは、エッジ画素とエッジでない画素とを識別する。
そして、フィルタリングされた画素は、少なくとも部分的に、どの画素がパンタグラフ12のそれぞれの領域を形成するのに適しているかに応じて、パンタグラフ前景14又はパンタグラフ背景16に割り当てられる。
これらの前景及び背景画素は、自動的に、又は、双方のサンプルを印刷して印刷されたサンプルに基づいて選択されることによって、選択され得る。
一実施形態では、より高い情報領域(例えば、より高いエッジコンテンツ、イメージエントロピ、又はイメージ高頻度(high frequency)コンテンツ)が、より低い情報領域から分離されて、よいボイドパンタグラフ画像を生成する。
エッジフィルタに関する例において、エッジ画素は、パンタグラフ前景14に割り当てられ得、エッジでない画素は、パンタグラフ背景16に割り当てられ得る。
【0010】
本明細書では、語句「パンタグラフ前景」は、オブジェクト上に印刷された後は隠され(covert)又は半ば隠され(semi-covert)ている(図3B参照)が、オブジェクトの印刷された領域がスキャンされた後は明らか(patent)又は顕在化する(overt)(図3C参照)パンタグラフ12の部分を参照する。
言い換えれば、パンタグラフ前景14は、印刷後は(詳しく調べれば)人間の目で見え得る(図3B)が、印刷後、パンタグラフ背景16及びオブジェクト前景(図示せず)の両方と区別することはほとんどできない。
図3Bに示すように、前景14と背景16とは、これらが互いに明らかに区別できないほど渾然一体となっているように見える。
また、本明細書では、語句「パンタグラフ背景」は、オブジェクト上に印刷された後は隠され(covert)又は半ば隠され(semi-covert)ており(図3B参照)、オブジェクトの印刷された領域がスキャンされた後も視覚的に同じままである(図3C参照)パンタグラフ12の部分を参照する。
【0011】
画像18の領域がパンタグラフ前景14又はパンタグラフ背景16に適しているとして識別されると、前景14及び/又は背景16の特性は、テストシート10を生成するために、操られ(manipulated)、変更等され得る。
これらの特性の例は、ドットサイズ、ドット形状(shape)、ドット方向(orientation)、ドット色、ドット分布法、ドット間隔パターン等を含む。
【0012】
図2に示すように、複合テストパンタグラフ12,TPは、パンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16の複数のペアをテストするために、単独のテストシート10において用いられ得る。
以下の表1は、図2のテストシート10について、パンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16の様々なペアを例示し、63個のテストパンタグラフ12,TPを含む。
この例において、黒画素比率(pixel percent coverage)が、各組み合わせについて示される。ここで、1番目の数字は前景の割合であり、2番目の数字は背景の割合である。
示されるように、複数の前景画素比率値が、様々な背景画素比率値とともにテストされる。
図2に示されるテストシート10のサイズは1つの例であるが、表1に示されたペアがテストシート10に対応することが、理解されよう。ここで、テストボイドパンタグラフ12,TPを含む各領域は1"x1"であり、その結果、単独のA4レターサイズのテストシート10となる。
【0013】
【表1】

【0014】
テストシート10の生成において、任意の望ましい特性が選択されて、他の特性が変化する間、変化しないままであり得ることが、理解されよう。
例えば、図2のテストシート10において、様々な前景14が様々な背景16に対してテストされる(例えば、0.04、0.06、0.08等)。
この特定のテストシート10では、9個の異なる背景画素比率値がそれぞれの前景14に対してテストされ得るように、9個のテストパンタグラフ12,TPにおいて前景画素比率値のそれぞれは、変化しないままである。
【0015】
他の実施形態では、望ましいパンタグラフ背景16の設定値(setting)が選択され、設定され得る。
望ましい背景16の設定値が決定されると、テストシート10を生成するために前景14の特性が直ちに変更され得る。
【0016】
上述した場合のいずれかにおいて、パンタグラフ前景14またはパンタグラフ背景16の一方について静的な特性を維持することによって、パンタグラフ背景16またはパンタグラフ前景14の他方の特性が直ちに(readily)テストされ得る。
簡単に上述したように、テストパンタグラフTPは、実際のボイドパンタグラフ12の配置(deployment)について最良の特性を決定するため、異なる特性を試みるために使用される。
【0017】
限定されない例示において、テストパンタグラフTP,12は2値(binary)であり、差分(differential)ドットサイズ及び差分黒画素濃度(concentration)を用いて生成される。
このようなテストパンタグラフTP,12の部分の3つの開示されるバージョンが、図4〜図6に示される。
これらの特性は本明細書において例示の目的で使用されるが、他の特性構成が使用され得ることが、理解されよう。
例えば、ドット形状、ドット方向、ドット密度、ドット色、ドット分布法、ドット間隔パターン、又はこれらの結合が、テストシート10の様々なテストパンタグラフTP,12を生成するために使用され得る。
【0018】
1つの例において、1インチ当たり600ドット(600dpi)のプリンタがテストパンタグラフTP,12を印刷するために使用される場合、2x2画素ドット(例えば前景14を作成すること)及び1x1画素ドット(例えば背景16を作成すること)がドットサイズについて選択され得る。
黒インク範囲(coverage)の比率はドット配置の密度を変更することによって変化し得る。
望ましい静的背景16を選択するために、前景14の特性を変更する前に複数の密度がテストされる。
例えば、背景16のインク範囲比率は、背景16の全領域の5%範囲から50%範囲の幅の異なる値でテストされる。
これらの特性は、上述したのと同様のテストシート10を使用してテストされ得る。
広範囲のテストシート10がより小さく望ましい範囲に絞り込むために使用された後で、任意の他の変形(variance)が次の(つまり、ずらされ(staggered)、絞り込まれ、又はさらに限定された範囲の)テストシート10において使用され得ることが、理解されよう。
1つの限定しない例では、パンタグラフ背景16についての10%範囲は、適した濃度である。
このような範囲は、輝度を増加させる(つまり、知覚的な黒さ(perceptual blackness)が減少する)が、ドットはコピーされた場合に完全には消滅しない。したがって、前景14のパターンをテストするのに適したドロップアウト背景が得られる。
配置された(deployed)ボイドパンタグラフ12についての望ましい特性及び配置されたボイドパンタグラフ12に関するワークフローの少なくとも一部に応じて、他の背景16がより適している可能性があると考えられる。
【0019】
図4は、背景16(1x1画素ドットを含む)及び前景14(2x2画素ドットを含む)の両方が10%黒ドット密度(black dot density)で印刷される、テストパンタグラフTP,12の1つの例の開示された図を示す。
この特定の例において、「ランダムの」ドット配置は、モアレパターン等を回避するために使用される。
【0020】
図5及び図6は、テストパンタグラフTP,12の別の例の開示された図を示す。
このテストパンタグラフTP,12において、前景14のドット/画素の異なる相対的な濃度が、前景14及び背景16のどの組み合わせが所与のプリンタ及びスキャナと最適に働くかを決定するために、使用される(例えば、インクジェットプリンタで印刷した後のドットゲインは、紙の繊維にインクが広がることに少なくとも部分的に起因して、レーザージェットプリンタで印刷した後のドットよりもサイズがより近似したドットを作る傾向がある)。
図5において、パンタグラフ背景16のより小さいドット(600dpiにおいて1x1)と比較した場合に、50%高濃度の黒画素が、パンタグラフ前景14のより大きなドット(600dpiにおいて2x2)について使用される。
図6において、より小さなドットは、より大きなドットよりも、50%高濃度の黒画素を有する。
【0021】
テストパンタグラフTPを生成して最適なボイドパンタグラフ12の特性(例えば密度)を検出する場合、1つ又は複数の前景14の特性が変化する間、任意の背景16の特性が一定となり得る。逆の場合も同様である。
1つの限定しない例では、前景14の濃度が例えば1%又はそれ以下について4%から25%(つまり、背景の10%黒画素について40%から250%)に変化する間、背景16の黒画素濃度(例えば10%黒画素)は、一定となり得る。
本明細書では記載されていないが、パンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16の両方が変化してテストシート10を生成し得ることが、理解されよう。
【0022】
図2〜図6の例は、前景14の指定が重ならないテストパンタグラフTP,12を示す。
しかしながら、2又はそれ以上の前景14のパターンが重なり合い得ることが、理解されよう。
限定しない例において、5%黒画素範囲濃度の前景14が、2つのパンタグラフ12の複数の領域に(又は、印刷された領域のほとんどにわたって)、配置され得る。従って、10%黒画素範囲濃度の前景14が、2つの前景14が重なり合う部分に配置される。
この例において、背景16の黒画素範囲濃度は、前景14の黒画素範囲濃度に応じて、0%、5%又は10%であり得る。
この例において、印刷された領域全体について、特定の領域の前景14の黒画素範囲濃度に特定の領域の背景16の黒画素範囲濃度を加えた合計は、10%となる。
場合によっては、このことは、コピーの間ボイドパンタグラフTP,12を目立たなくする(obscure)のに役立つ。つまり、この重なりが、印刷後は隠され、スキャン後に顕在化するといった、最も望ましいパンタグラフ前景14を生成する。
この重なり手法の効果は、使用されるプリンタ、スキャナ、及び素地(substrate)(紙など)の、少なくとも一部に応じて、可変である。
【0023】
テストシート10は、生成されると、図1の参照符号102に示すように、印刷される。
印刷されたテストシート10から、1つ又は複数のテストボイドパンタグラフ12,TPが、隠され又は半ば隠されているパンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16を有するとして、識別される(図1の参照符号104参照)。
一般的に、前景14が実質的に背景16と区別できずに見える任意のペアは、次の配置について潜在的に適切な組み合わせであるとして、識別され得る。
印刷されたテストパンタグラフ12,TPの前景14と背景16との類似性は、手動で(人間の監視者によって)査定及び評価され(evaluated and assessed)、又は、自動化された(例えば機械画像)プロセスによって点数付け(score)される。
【0024】
その後、図1の参照符号106に示すように、テストシート10はスキャンされる。
スキャンされたテストシート10から、1つ又は複数のテストボイドパンタグラフ12,TPが、顕在化したパンタグラフ前景14を有するとして、識別される(図1の参照符号108参照)。
一般的には、背景16と区別して見える任意の前景14は、次の配置について潜在的に適切な候補として識別され得る。
印刷されスキャンされたテストパンタグラフ12,TPの前景14と背景16との差異は、手動で(人間の監視者によって)査定及び評価され、又は、自動化された(例えば機械画像)プロセスによって点数付けされる。
【0025】
印刷後に識別されたテストボイドパンタグラフ12,TPは、スキャン後に識別されたテストボイドパンタグラフ12,TPと比較される。
i)印刷された後は隠され又は半ば隠されているパンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16、及び、ii)スキャン後は顕在化するパンタグラフ前景14の両方を有するとして識別された、任意のテストボイドパンタグラフ12,TPは、オブジェクト上の印刷された領域のボイドパンタグラフ12として配置されるのに適している。
ゼロの、1つのテストパンタグラフ12又は複合テストパンタグラフ12がこの点について識別され得ることが、理解されよう。
しばしば、テストシート10は、いくつかの効果的なボイドパンタグラフ12、印刷後又はスキャン後に見える/区別できることのない前景14を有するいくつかのボイドパンタグラフ12、及び/又は、印刷後に見える/区別できる前景14を有するいくつかのボイドパンタグラフ12を含む。
後の例は、効果的なボイドパンタグラフ12ではない。
オブジェクト配置に適しているとして識別されたテストパンタグラフ12,TPがない場合、適切な、配置可能なボイドパンタグラフ12を生成するために、別のテストシート10が生成され得る。
【0026】
テストボイドパンタグラフ12,TPが、i)印刷された後は隠され又は半ば隠されているパンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16、及び、ii)スキャン後は顕在化するパンタグラフ前景14の両方を有するとして識別されると、図1の参照符号110に示すように、ワークフローが選択されたボイドパンタグラフ12,TPについて進展され得る。
ボイドパンタグラフ画像が大きく異なる場合に、(図2に示すように)ただ1つの画像の代わりに、画像のセットをスキャンする適切なサンプルセットが生成されテストされ得ることが、理解されよう。
本明細書で使用されるように、ワークフローは選択されたボイドパンタグラフ12,TPについての配置仕様(deployment specifications)のリストであり得、又は、ワークフローは、配置されたボイドパンタグラフ12の正確な読み取りを介して開始された任意のものであり得る。
1つの実施形態では、ワークフローは、ボイドパンタグラフ12の最終用途(end-use)に基づく。
このような最終用途は、例えば、鑑識(forensics)、認証、品質/検査アプリケーション、又は他の任意の望ましい最終用途を含み得る。
【0027】
1つの実施形態では、選択されたボイドパンタグラフ12,TPを生成するためにどの特性が使用されたかを判断し又は識別することによって、配置仕様のリストが生成され得る。
特性がワークフローを生成したユーザに知られている(つまり、そのユーザはテストシート10も生成した)場合、そのユーザは、その特性を単にコンパイル(compile)し得る。
このような特性の例は、配置に使用されるプリンタ、配置に使用される素地(substrate)、ボイドパンタグラフ12を最適に進展させるコピー機又はスキャナ、パンタグラフ前景14の特性及びパンタグラフ背景16の特性(例えば、ドットサイズ、ドット形状、ドット方向、ドット色、ドット分布法、ドット間隔パターン、黒画素比率等)、画像特徴を記憶するデータベース、ボイドパンタグラフ12を分類するために使用される特性(例えば、テキストグラフィックス、グリフ等)、特定のプリンタにボイドパンタグラフ12をリンクさせるために使用される特性(この特性の限定しない例は、ボイドパンタグラフ12についての配置仕様(specs)、画像18についてのフィルタリングプロセス、ボイドパンタグラフ12に変換され得る画像18のセット等)、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0028】
1つ又は複数の特性が知られていない場合、又は、新たなプリンタについて最良の設定を決定することが望ましい場合、ユーザは、さらに、選択されたボイドパンタグラフ12,TPを解析して特性を識別し得る。
選択されたボイドパンタグラフ12,TPのさらなる解析は、鑑識目的のワークフローを進展させること(例えば、配置されたボイドパンタグラフ12が、使用された特定のプリンタ及び/又はコピー機の証拠を提供することが望ましい場合)、又は、較正(calibration)ワークフローを実行すること(例えば、配置されたボイドパンタグラフ12の可読性を保証するため)に望ましい可能性もあり得ることが、理解されよう。
【0029】
図1の参照符号112に示すように、さらなる解析は、既存のセグメンテーションソフトウェアを用いて、ボイドパンタグラフ12,TP内の関心(interest)領域を識別することを含む。
セグメンテーションの結果として、ボイドパンタグラフ12,TPが集合して、有効な関心領域になる。
セグメンテーションは、ボイドパンタグラフ12,TPを閾値化する(thresholding)ことを含む。セグメンテーションは、それを二値化し(binarize)、任意のインク領域を黒のままにし、任意のインクのない領域を白のままにする。
エロージョン(erosion)又は細線化(thinning)プロセスは、任意の関連する(connected)黒領域で実行され得る。
このプロセスは、ボイドパンタグラフ12,TPの小さいドットを完全に消去し、大きなドットを、消去はしないが、縮小させる。
一般的に、1画素境界エロージョン(1-pixel boundary erosion)は、このステップを実行するのに十分であるが、ボイドパンタグラフ12,TPに使用されるドットサイズ(つまり、形状、方向、濃度/黒比率(percentage-black-coverage)等)の、少なくとも一部に応じて、変化し得る。
場合によっては、1つ又は複数のより小さいドットは完全には消去されない可能性があるが、一般的に、関心領域を識別することを妨げることはない。
【0030】
エロージョン又は細線化の後、ボイドパンタグラフ12,TPは、拡張(dilation)又は膨張(fattening)される。
このプロセスは、より大きなドットをこれらの元のサイズに戻すが、消去された小さいドットを再構成しない。
エロージョン及び拡張は、x方向及びy方向のそれぞれになされ得る。
例えば、いくつかのドット構成の各方向における1だけのエロージョンの後に、そのドット構成の各方向における1だけの拡張が続く。
2x2又はより大きなドットは、2つの単なるエロージョンの後、残存し、拡張オペレーションの後、元のサイズに戻る。
【0031】
そして、1つ又は複数の関心領域は、残存するドットを用いて識別され、又は形成され得る。
一実施形態において、ランレングススミアリング(run length smearing)(例えば、画素の黒比率の逆数の平方根を用いること)は、余剰のドット(dots left over)を集めてそれらのオリジナルの関連する形状又は形(shape or form)にするために使用される。
これらの形は、1つ又は複数の形式の解析を受け得る関心領域である。
他の実施形態においては、ランレングススミアリングは実行されず、関心領域は膨張したドットで構成される。
ランレングススミアリングが実行されない場合、膨張したドットにおける前景14対背景16を識別するため、そして、関心領域を識別するために、テクスチャ解析が使用され得る。
他の実施形態においてランレングススミアリングが実行されない場合、エロージョン及び膨張の後で関心領域を識別するために、簡単な膨張/密度マップが使用され得る。
【0032】
参照符号114に示すように、関心領域が、人間による評価、機械による評価又はこれらの両方を介して解析され得る。
人間による評価は、一般的には、元の画像(例えば図3Aの画像18)と比較されたときに関心領域がどのように見えるかといった視覚に関連する。
一実施形態において、評価を行う人間は、例えば、セキュアなレジストリ(secure registry)に記憶され得る元の画像18にアクセスする。
他の実施形態において、元の画像18は、テストシート10の他の場所に明白に印刷され得、それゆえ、セキュアなレジストリにアクセスすることなく、視覚が用いられうる(visual perception may be made)。
一般的に、人は、視覚的に、スキャンされたテストボイドパンタグラフ12,TPの関心領域が、元の画像18の対応する領域のように見えるかを解析する。
コピーすると顕在化する保護ブリッジ(overt-to-copy protection bridge)を生成するため、及び/又は、ボイドパンタグラフ12,TPが可変であるべきかを特定する(つまり、ある画像及び/又はオブジェクトから次の画像及び/又はオブジェクトに変化するボイドパンタグラフ12,TPの一部を選択すること)ために、人間の評価は、ワークフローが、元の画像18の一部がボイドパンタグラフ12,TPから除去されるべきであるかを特定すべきかを判断するために使用され得る。
【0033】
本明細書で上述したように、機械による評価も、テストボイドパンタグラフ12,TPの関心領域を解析するために使用され得る。
1つの例において、機械による評価は、コピーの前後に前景14及び背景16内の画素を自動的に評価するために、及び、1つ又は複数の選択されたテストボイドパンタグラフ12,TPが、ドット平均サイズ、分布、又は前景14及び背景16の比較におけるこれら2つの一次結合等の「パンタグラフ格付け」の最も大きな差異を有することを検証するために、使用され得る。
【0034】
ボイドパンタグラフ12,TPに組み込まれた(embedded)パターン(例えば、このようなパターンは画像18の使用の結果として存在する)を解析するのに適した任意のタイプのパターン認識プロセスが使用され得ることが、理解されよう。
機械による評価は、テストボイドパンタグラフ12,TPが特定のテキスト、形状又はグリフを含む場合(及び、ワークフローが選択されたボイドパンタグラフ12,TPの可読性をテストすることを伴う場合)、及び/又は、ワークフローが使用されたプリンタ及び/又はコピー機の証拠を提供することが望ましい場合に、特に有益であり得る。
1つの例として、特定のテキストが元の画像18に含まれる場合、このようなテキストを解釈するために、テストボイドパンタグラフ12,TPの関心領域において光学文字認識(OCR)が実行され得る。
他の例として、特定の形状が元の画像18に含まれる場合、このような形状を解釈するために、テストボイドパンタグラフ12,TPの関心領域において、(例えば、フリーマン、チェーン、コーディングなどといった)形状解析が実行され得る。
形状解析は、ロゴ又は他のグラフィックがボイドパンタグラフ12,TPを形成するのに使用される場合に特に有益であり得る。
形状解析は、ボイドパンタグラフ12,TPのリバースエンジニアリングをより困難にすることも望まれ得る。
【0035】
人間による評価又は機械による評価のいずれかは、元の画像18(ユーザがこのような画像18にアクセスする場合)をスキャンされたテストボイドパンタグラフ12,TPと比較するために使用され得る。
この解析の結果は、望ましいワークフローを進展させるのに有益であり得る。
【0036】
1つの例として、パターン認識解析は、統計的有意性を基準として(with statistical significance)、テストボイドパンタグラフ12,TPを印刷するのに使用されるプリンタを識別する。
パターン認識プロセスが成功した場合、その解析の結果は、テストシートを印刷するのに使用されるプリンタの仕様を示す。
例えば、あるプリンタが、前景14と背景16との閉じられた範囲の設定に対してのみ有効なボイドパンタグラフ12を提供するであろうことが知られている可能性がある。
ユーザが、コピーされたシート上の複数のボイドパンタグラフ12,TPの中で、特定のタイプのプリンタを示す設定を有するボイドパンタグラフ12,TPを見る場合、このタイプのプリンタが使用されたとの結論が下され得る。
重要なことには、これは、多くの他のプリンタのパターンを排除するだろう。
【0037】
他の例において、パターン認識解析は、選択されたテストボイドパンタグラフ12,TPの特性をも示し得る。
例えば、この結果は、シート10上の選択されたテストボイドパンタグラフ12,TPの1つが、10%の黒画素比率の背景16と、6.67%、8.33%又は10%のいずれかの黒画素比率の前景14とを有し、一方、シート10上の他の選択されたテストボイドパンタグラフ12,TPが、10%の黒画素比率の背景16と、11.67%、13.33%又は15%のいずれかの黒画素比率の前景14とを有することを示し得る。
各前景14の中間点は、それぞれの前景14を生成するのに使用された可能性のあった割合として選択され得る。
そして、これらの前景14及び背景16のペアは、例えばセキュアなレジストリに以前に記憶された同様のデータと比較され得る。
これらのペアは、この以前に記憶されたデータに基づいて、品質測定基準(quality metrics)の適切なセットを用いて格付け(grade)され得る。
例えば、印刷及びスキャン後の10%背景の上の8.33%前景14は、インクジェットプリンタを使用して印刷された、以前に記憶された印刷されスキャンされたボイドパンタグラフの70%に一致するか、又は類似する。
同様に、印刷及びスキャン後の10%背景の上の13.33%前景14は、インクジェットプリンタを使用して印刷された、以前に記憶された印刷されスキャンされたボイドパンタグラフの98%に一致するか、又は類似する。
このように、このテストボイドパンタグラフ12,TPはインクジェットプリンタで印刷されたと、より確実に結論を下すことができる。
おそらくより重要なことには、他の(70%における)テストボイドパンタグラフ12,TPはインクジェットプリンタで印刷されなかったと結論を下すことができる。
テストボイドパンタグラフ12,TPをスキャンするのに使用されたコピー機を識別するために、同様の比較がなされ得る。
【0038】
上述した例で使用されるタイプの解析は、プリンタ又はコピー機の証拠を配置されたボイドパンタグラフ12に盛り込むことが望ましいときに、特に適当であり得る。
例えば、配置されたボイドパンタグラフ12は、あるプリンタ/コピー機の組み合わせについてのみ発生するようになっていてもよく、前景14が印刷及びスキャンの後で出現しない場合に、不適切なプリンタ又はコピー機(例えばMFP)が使用されたと分かる。
これによって、人は、適切な装置が下流段階で使用されることを検証することができる。
【0039】
さらに、プリンタ及び/又はコピー機を識別することは、配置されたボイドパンタグラフ12を解析するときに下流段階でも使用され得ることが、理解されよう。
このことは、使用されたプリント技術を決定するのに特に適切であり得、プリンタ又はコピー機の製造の識別、及び、場合によっては、プリンタ自身のモデル/SKUをも導き得る。
しかしながら、上述の注意(caveat)を前提とすると、複数のプリンタ、及びプリンタとコピー機との組み合わせが、同様の有効なボイドパンタグラフ12仕様を有しうるので、場合によっては、使用されたプリンタ及びコピー機を絞り込むことが可能であり得るが、製造及び/又はモデル/SKUを識別することができない可能性がある。
【0040】
さらに別の例において、パターン認識解析は、潜在的なセキュリティグリフが、異なるテストボイドパンタグラフ12,TPの仕様VPで生成されるときに、使用され得る。
この解析は、どの潜在的なセキュリティグリフが読み取り易いかを検証するのに役立つ。
これは、ワークフローがボイドパンタグラフ12に組み込まれる場合に、特に望ましい可能性がある。
(特定のボイドパンタグラフのインスタンス化、プリンタ、スキャナ及び素地に応じた様々なセキュリティペイロード密度とともに)含まれ直ちに解釈され得るグリフの例は、1D、2D及び3D(マルチグレイ(multi-gray)レベル)のバーコード、変調伝達関数(MTF)目標、グラフィカル英数字(異なるグリフが異なる英数字文字を表すコードセット)、及び曲率ベース(curvature-based)のグリフ(例えば組みひも飾り(guilloche))である。
【0041】
配置に適したテストボイドパンタグラフ12,TPが選択され、それらについての任意の解析が終了すると、望ましいワークフローが生成される(参照符号110に示す)。
場合によっては、ワークフローは、テストボイドパンタグラフ12,TPの解析に、少なくとも部分的に基づき得る。
【0042】
簡単に上述したように、一実施形態においては、ワークフローは、選択されたテストボイドパンタグラフ12,TPの較正を伴い得る。
このような場合、以前に記載したセグメンテーションステップ及び解析ステップが実行される。
このようなステップは、ボイドパンタグラフ12が正しいプリンタで印刷され、印刷及びスキャンの後で正しく読み取られ得ることを確実にするために、実行される。
一般的に、複数のテストボイドパンタグラフ12,TPの構成は、同時に印刷されてスキャンされ、そして、使用されることを意図されたワークフローにおいて最も読みやすいものが、配置候補として選択される。
【0043】
他の実施形態では、ワークフローは、以前記載された配置仕様のリストであり得る。
このワークフローは、正しいボイドパンタグラフ12が生成されオブジェクトに配置されるように、プリンタに送られ得る。
この仕様は、例えば、これらに関連するオブジェクトを認証するために、ダウンストリームをスキャンされ読み取られたボイドパンタグラフ12と比較するため、セキュアなレジストリにセーブされ得る。
【0044】
さらに別の実施形態では、ワークフローは、配置されたボイドパンタグラフ12の性格な読み取りを介して開始されるあらゆるものである。
例えば、ワークフローは、パンタグラフ12のスキャン又は正確な読み取りの後で明らかにされるボイドパンタグラフ12に組み込まれた/符号化されたメッセージ及び/又は命令を含み得る。
直接の人間の検証又は解釈が望ましいときは、ボイドパンタグラフ12自身がメッセージであることが、理解されよう。
他の場合では、ボイドパンタグラフ12自身はメッセージではないが、ボイドパンタグラフ12のパターンは、他の場所に保持された画像のレジストリについて、トークン又はルックアップである。
配置されたボイドパンタグラフ12が解析されるとき(本明細書において以下でさらに説明される)、関心点又は関心領域が決定され、以前に識別されバックエンド/セキュアレジストリに記憶された関心点/関心領域に最も適合することは、ボイドパンタグラフ12が表すもの(例えばトークン、ノンス(nonce)、ルックアップ、ジョブエントリポイント、ワークフローキー又は同様のもの)を示し、それで、関連するワークフローがインスタンス化(instantiate)される。
【0045】
このようなワークフローは、例えば、誰かが文書を偽造していることを適切な権限者(authority)に通知し、コピー機をシャットダウンし、コピーされた文書の画像とともに電子メールをバックエンドサーバに送信し、設定を読み取り又は印刷元を決定し(本明細書で上述したように)、及び/又は、そのコピーについての設定、指標付け(indexing)、アーカイビング、情報を転々とさせること(moving information around)によるインデックスデータへの作用、アカウントへの作用、バランス、手順の承認、要求の進行等を最適化するための命令又はメッセージを含み得る。
【0046】
場合によっては、ワークフローは自動化され得る(例えば、使用されたコピー機によって使用可能である)ことが理解されよう。
一般的に、ボイドパンタグラフ12が人間によって正確に読み取られる場合には、人間が手動でワークフローを開始し、ボイドパンタグラフ12がソフトウェアを介して正確に読み取られた場合には、ボイドパンタグラフ12を復号し、次の適切なソフトウェアタスクが開始される。
【0047】
ボイドパンタグラフ12,TPが選択され、それによって、ワークフローが生成された後、本方法はさらに、ボイドパンタグラフ12を生成すること、及び、図1の参照符号116に示すように、オブジェクトの印刷された領域にボイドパンタグラフ12を配置することを含む。
【0048】
少なくとも画像(例えば図3Aに示された画像18)の一部が、望ましい配置特性/以前に選択された配置特性を用いて、ボイドパンタグラフ12に変換される。
画像18をボイドパンタグラフ12に変換することは、画像18をスキャンし変形する(transform)ことによって実行される。
画像18を変形することは、前述したフィルタリングプロセスを介して決定されるように、画像18の適切な画素をパンタグラフ前景14及びパンタグラフ背景16に割り当てることを含む。
【0049】
画像18をボイドパンタグラフ12に変換するとき、画像18は前景(例えば、一般的な高関心(例えば高頻度、高エントロピ、高エッジ(edginess))を含む領域)及び背景の領域にまでフィルタリングされる。
かなり目立った(so-marked)前景領域は、分散された前景14のパンタグラフドットに置き換えられ(上書きされ)、背景領域は、分散された背景16のパンタグラフドットに上書きされる。
【0050】
生成されたボイドパンタグラフ12は、オブジェクトの背景としてオブジェクト(図示せず)に印刷される。
本明細書で使用される用語「オブジェクト」は広く解釈され、限定されないが、任意のタイプのオブジェクト、製品、文書又はパッケージを含み得ることが、理解されよう。
同様に、用語「パッケージ」は、本明細書において、製品を収容し、製品を表示し、又は他のやり方でブランド商品を識別するための任意のユニットを含むように広く解釈される。
このようなパッケージの限定されない例は、箱、バッグ、ラベル、コンテナ、クラムシェル、バンド、テープ、ラップ、ひも、ボトル、瓶、容器(dispenser)、インサーション(insert)、他の文書、又は同様のもの、あるいはこれらの組み合わせを含む。
【0051】
オブジェクトに印刷された任意の普通の情報(例えばテキスト、絵、ロゴ、グラフィックス、表及び同様のもの)が、オブジェクトの主要なペイロード(payload)であり、それゆえ、オブジェクトの前景を形成する。
一実施形態では、オブジェクトに印刷されたボイドパンタグラフ12は、背景に印刷されたドットのように見える(図3B参照)。
普通の情報は、一般的には、スキャンが発生した後でボイドパンタグラフ前景14が読み取られることを望ましくなく妨げることがないように、印刷される。
一実施形態では、普通の情報は、ボイドパンタグラフ12上に全く印刷されない。
他の実施形態では、普通の情報は、スキャンの後、ボイドパンタグラフ前景14の全て又は一部が、パンタグラフ背景16及びオブジェクトの普通の情報/前景の両方と区別可能であるような方法で、ボイドパンタグラフ12上に印刷される。
【0052】
ワークフローが組み込まれた/符号化された情報を含む場合、このような情報は、ステガノグラフィー(steganographic)であって、ボイドパンタグラフ12に直接組み込まれ/符号化される。
このような情報は可変であり、それゆえ、一連の(例えば大規模にシリアル化された(mass serialized))各ボイドパンタグラフ12のそれぞれについて異なり得る。
いくつかの実施形態では、その情報は、認証情報、セキュリティ情報、命令、メッセージ、又はこれらの組み合わせである。
限定しない例として、透かし(watermark)、コピー検出パターン、及びライン/ハーフトーン(halftoning)/モアレパターンが、ボイドパンタグラフ12において拡大縮小され(scaled)、描写され得る。
情報が包含されたパターンは、その生成の間にボイドパンタグラフ12に組み込まれる。
場合によっては、その情報又はその情報についてのトークンは、ボイドパンタグラフ12を形成するために使用される画像18に組み込まれる。
【0053】
情報をボイドパンタグラフ12に符号化することの代用として、又は情報をボイドパンタグラフ12に符号化することに加えて、他のステガノグラフィーの手法が、本明細書で開示されるボイドパンタグラフ12とともに利用され得る。
この限定しない例においては、元の画像18の部分(「全て」の対語として)は、ボイドパンタグラフ12の生成の間に使用され得る。
この実施形態では、ボイドパンタグラフ12に含まれない画像18の部分は、ボイドパンタグラフ12において見かけ上隠されるワークフローを有効にするために使用され得る。
例えば、ボイドパンタグラフ12において利用されない画像18の部分は、セキュアなレジストリに記憶され得、レジストリのボイドパンタグラフ12及びオブジェクトの両方にリンクされ得る。
画像18の部分がボイドパンタグラフ12から抽出される場合(以下の本明細書でさらに説明される)、画像18の部分は、オブジェクトを認証してそれらに関連するワークフローを有効にするために、(セキュアなレジストリの)元の画像18にアクセスする人によって使用され得る。
【0054】
意図的な変更は、大規模シリアル化(mass serialization)、データ隠蔽、又は他のセキュリティ関連タスク(例えば、パンタグラフ12は、他の明白に(すなわち可変の印刷領域を繰り返して)印刷された特徴物にリンクされ得る)に一致する(consistent with)ボイドパンタグラフ12に対してもなされ得る。
【0055】
参照符号118に示すように、配置された後、オブジェクトの印刷された領域は、任意の時に、スキャンされ得る。
スキャンによって、ボイドパンタグラフ12の前景14は、背景16及びオブジェクト前景に印刷された情報と視覚的に区別可能なプロパティ(property)を明示する。
スキャンの後のボイドパンタグラフ12の限定しない例が、図3Cに示されている。
【0056】
配置されたボイドパンタグラフ12に直接関係する任意のワークフロー(つまり、ワークフローは配置特性の較正又は生成を伴わない)は、ボイドパンタグラフ12が正確に読み取られた後で開始され得る。
正確な読み取り(図1の参照符号120参照)は、前景14が明らかにされた後(例えば、ボイドパンタグラフ12自身がメッセージである場合)、又は、ボイドパンタグラフ12の特徴物が既存のセグメンテーションソフトウェアを用いて容易に識別され解析された後で、実行され得る。
上記を繰り返すと(to reiterate from above)、セグメンテーションは、配置されたボイドパンタグラフ12の関心領域を識別するために使用され得、このような関心領域が解析され得る(例えば人間による評価、機械による評価、又はこれらの両方)。
【0057】
限定しない例として、配置されたボイドパンタグラフ12はセグメント化(segment)され得、グリフ解析は関心領域を解析するために使用され得る。
上述したように、グリフは、例えば1D及び2Dのバーコードの、セキュリティに特化したマーク及びパターンを含み、例えば、ボイドパンタグラフ12に関連するワークフローについてのトークン又はノンスとして使用され得る。
バーコードは、さらなるソフトウェアシステムタスクをインスタンス化するために一般に読み取られる。
本明細書で説明したボイドパンタグラフ12は、バーコード又は他のデータ包含マーカーとして論理的に読み取られ得るものとなっている。
グリフはボイドパンタグラフ前景14に含まれ得、それゆえ、スキャンに応じて浮かび上がる(emerge)。
グリフは、適切なセキュリティ印刷及びイメージング、検査、認証及び/又は鑑識アルゴリズムを用いて直接解析され得る関心領域に、セグメント化される。
正確に読み取られると、ワークフローは明らかにされ、実行され得る。
【0058】
いくつかの実施形態が詳細に説明されたが、開示された実施形態が修正され得ることは、当業者にとって明らかである。
したがって、前述の記載は、限定ではなく例示であると見なされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイドパンタグラフ(12)を使用する方法であって、
複合ボイドパンタグラフ(12,TP)を含むテストシート(10)を生成することであって、前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)のそれぞれは、パンタグラフ前景(14)及びパンタグラフ背景(16)を含む、生成することと、
前記テストシート(10)を印刷することと、
前記印刷されたテストシート(10)から、隠され又は半ば隠されているパンタグラフ前景(14)及びパンタグラフ背景(16)を有する前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の少なくとも1つを識別することと、
前記印刷されたテストシート(10)をスキャンすることと、
前記スキャンされたテストシート(10)から、顕在化したパンタグラフ前景(14)を有する前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の少なくとも1つを識別することと、
i)印刷された後は隠され又は半ば隠されているパンタグラフ前景(14)及びパンタグラフ背景(16)、及び、ii)スキャン後は顕在化するパンタグラフ前景(14)の両方を有する前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の少なくとも1つについて、ワークフローを進展させることと
を含む方法。
【請求項2】
ワークフローを進展させることの前に、
i)印刷された後は隠され又は半ば隠されているパンタグラフ前景(14)及びパンタグラフ背景(16)、及び、ii)スキャン後は顕在化するパンタグラフ前景(14)の両方を有する前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の少なくとも1つをセグメント化して、前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の前記少なくとも1つについて、少なくとも1つの関心領域を識別することと、
前記少なくとも1つの関心領域を解析することと
を含み、
前記ワークフローは、前記解析に基づく
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの関心領域を解析することは、
前記少なくとも1つの関心領域上でパターン認識プロセスを実行することと、
前記パターン認識プロセスから、統計的有意性を基準として、前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の前記少なくとも1つを印刷するために使用されたプリンタを識別することと
を含む
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの関心領域を解析することは、
前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の前記少なくとも1つの画像特性と、少なくとも1つのプリンタで以前に印刷された他のボイドパンタグラフの以前に記憶された画像特性とを関連付けること
を含む
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
統計的有意性を基準として、前記解析から、前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の前記少なくとも1つを印刷するために使用されたプリンタを識別すること
をさらに含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
印刷すること及びスキャンすることの後に、
i)印刷された後は隠され又は半ば隠されているパンタグラフ前景(14)及びパンタグラフ背景(16)、及び、ii)スキャン後は顕在化するパンタグラフ前景(14)の両方を有する複数の前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)を識別することと、
前記セグメント化するステップについて、スキャンの後で、対応するパンタグラフ背景(16)と比較して最も区別できるパンタグラフ前景(14)を有する複数の前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の少なくとも1つを選択することと
をさらに含む請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
セグメント化することは、
前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の少なくとも1つを閾値化して、前記パンタグラフ(12,TP)を黒及び白の領域に二値化することと、
前記パンタグラフ(12,TP)の関連する黒領域のエロージョンを実行して、前記パンタグラフ(12,TP)の前記関連する黒領域内で、少なくともいくつかの画素を縮小し、少なくともいくつかの他の画素を消去することと、
前記パンタグラフ(12,TP)について任意の残存する画素の拡張を行うことと、
前記拡張された残存する画素を用いて少なくとも1つの関心領域を形成することと
を含む
請求項2〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ワークフローを進展することは、
複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の前記少なくとも1つについて配置特性のリストをコンパイルすること
を含む
先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記配置特性のリストは、配置に使用されるプリンタ、配置に使用される素地、前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の前記少なくとも1つを最適に進展させるコピー機又はスキャナ、パンタグラフ前景(14)の特性、パンタグラフ背景(16)の特性、画像特徴を記憶するデータベース、前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の前記少なくとも1つを分類するために使用される特性、プリンタに前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の前記少なくとも1つをリンクさせるために使用される特性、又はこれらの組み合わせの少なくとも1つを含む
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ワークフローを進展することは、
次の配置の前に、前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)の前記少なくとも1つに符号化される命令を生成すること
を含む
先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
オブジェクト上の印刷された領域に前記複合ボイドパンタグラフ(12)の前記少なくとも1つを配置することと、
前記印刷された領域をスキャンして、前記配置されたボイドパンタグラフ(12)の前記パンタグラフ前景(14)を顕在化することと、
前記配置されたボイドパンタグラフ(12)を正確に読み取り、前記ワークフローを開始することと
をさらに含む先行する請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記配置されたボイドパンタグラフ(12)を正確に読み取ることは、人間を介して手動で実行され、
前記人間を介してワークフローを開始すること
をさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記配置されたボイドパンタグラフ(12)を正確に読み取ることは、ソフトウェアを使用して自動で実行され、
前記配置されたボイドパンタグラフ(12)を復号することと、
前記復号に応じて、次の適切なソフトウェアタスクを開始することと
をさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記配置されたボイドパンタグラフ(12)を正確に読み取ることは、
前記配置されたボイドパンタグラフ(12)をセグメント化して、前記少なくとも1つの関心領域を識別することと、
前記少なくとも1つの関心領域においてパターン認識プロセスを行うことと、
品質測定基準セットを用いて前記配置されたボイドパンタグラフ(12)を格付けすることと
を含む
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
テストシート(10)を生成することの前に、
それぞれの画像を使用して前記複合ボイドパンタグラフ(12,TP)のそれぞれを生成すること
をさらに含む先行する請求項のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−519411(P2012−519411A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552006(P2011−552006)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/035358
【国際公開番号】WO2010/098759
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(511076424)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (155)
【氏名又は名称原語表記】Hewlett‐Packard Development Company, L.P.
【Fターム(参考)】