説明

ボイラー管および付属配管の健全性評価方法

【課題】 担当者のレベル差に左右されることなく客観的に健全性の評価を行うことができるボイラー管および付属配管の健全性評価方法を提供する。
【解決手段】 ボイラー管および付属配管の健全性評価方法は、測定肉厚値T2が必要最小肉厚値T1よりも小さい場合は、最高使用圧力とその条件下での常用温度で第1の必要最小肉厚値T3を算出しおよび最高使用温度とその条件下での常用圧力で第2の必要最小肉厚値T4を算出した後、第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4のいずれもが、測定肉厚値T2よりも小さいか否かを判断する段階を判断要素として、第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4のいずれもが測定肉厚値T2よりも小さい場合は健全性が合格していると評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力発電所などに設置されているボイラー管および付属配管の健全性評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、火力発電所などに設置されている多数のボイラー管およびこのボイラー管に付属している各種配管(付属配管)(以下、ボイラー管を含めて単に「管」とも称する)は、使用年数の増加につれて磨耗や腐食が進行してくるので、管の肉厚は徐々に減少して、耐久性が低下してくる。したがって、このままで高圧蒸気を管に流し続けると、高圧蒸気の圧力や温度によって管が破損されて、大きな事故に至るおそれがある。
【0003】
このような不慮の事故の発生を事前に防止して、安全にボイラー管および付属配管を含めた設備を稼動させるために、発電所などを運用する事業者に対しては電気事業法や資源エネルギー庁通達などにより、あるいは発電用火力設備に関する技術基準を定める省令(以下、「省令」という)により、技術基準が制定されている。そして、管においては、定期的な事業者検査(定検)によりその肉厚測定を行って、経年管理ならびに発電用火力設備の技術水準の解釈により健全性の評価が実施されている。
【0004】
従来において、このような健全性の評価は、ボイラー管および付属配管の肉厚測定を実施して、該当部の検査結果から、上記の技術基準に照らし合わせて実施され、さらに必要に応じて管の交換手配などの対応、措置が実施されていた。
【0005】
ここで、ボイラー鋼管を対象として、その耐円周割れ性を評価するようにしたボイラー鋼管の耐円周割れ性評価方法が提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平7−260656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来においてボイラー管および付属配管の健全性評価を行う場合は、ボイラー管および付属配管の肉厚測定の検査結果と、記録フォーマットに記載している該当する管の必要最小肉厚管理値との比較検討により実施されている。しかしながら、技術基準の理解については、技術基準の内容が随時変更されるだけでなく、健全性評価を行う担当者によってレベル差があるとともに、評価検討も経験に頼らざるを得ないことから、技術継承と評価手法の画一化が必要になっていた。
【0007】
また、上記の特許文献1に記載されているようなボイラー鋼管の耐円周割れ性評価方法では、ボイラー鋼管を対象とした耐円周割れ性評価方法について記載されているだけで、管の肉厚測定を行って管の健全性を評価する方法については開示されていない。
【0008】
そこで本発明は、担当者のレベル差に左右されることなく客観的に健全性の評価を行うことができるボイラー管および付属配管の健全性評価方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、ボイラー管および付属配管の測定肉厚値と、発電用火力設備の技術基準にしたがって算出された前記管の必要最小肉厚値とを比較検討して健全性を評価するボイラー管および付属配管の健全性評価方法であって、前記技術基準にしたがって最高使用温度および最高使用圧力の下で前記ボイラー管および付属配管の必要最小肉厚値T1を算出する段階と、前記ボイラー管および付属配管の実際の肉厚値T2を測定する段階と、前記測定肉厚値T2が前記必要最小肉厚値T1よりも小さい場合は、前記最高使用圧力とその条件下での常用温度で第1の必要最小肉厚値T3を算出する段階および前記最高使用温度とその条件下での常用圧力で第2の必要最小肉厚値T4を算出する段階と、前記第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4のいずれもが、前記測定肉厚値T2よりも小さいか否かを判断する段階とを有し、前記判断する段階を判断要素として、前記第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4のいずれもが前記測定肉厚値T2よりも小さい場合は前記健全性が合格していると評価することを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のボイラー管および付属配管の健全性評価方法において、前記必要最小肉厚値T1より実際の肉厚値T2が小さい場合であって,前記第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4の両者が前記測定肉厚値T2よりも小さい場合は、前記両者のうち大きな値の方を必要最小肉厚として採用することを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のボイラー管および付属配管の健全性評価方法において、前記判断する段階の後で、次回の検査までに前記ボイラー管および付属配管の肉厚が減少して前記第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4のいずれか一方よりも小さくなるか否かを判断する段階を有することを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のボイラー管および付属配管の健全性評価方法において、前記技術基準は、前記ボイラー管および付属配管の設置時の技術基準と、肉厚測定時の技術基準とを備え、前記肉厚値T1、T3、T4を設置時の技術基準にしたがって算出するか、肉厚測定時の技術基準にしたがって算出するかを設定する段階を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、測定肉厚値T2が必要最小肉厚値T1よりも小さい場合は、最高使用圧力とその条件下での常用温度で第1の必要最小肉厚値T3を算出しおよび最高使用温度とその条件下での常用圧力で第2の必要最小肉厚値T4を算出した後、第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4のいずれもが、測定肉厚値T2よりも小さいか否かを判断する段階を判断要素として、第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4のいずれもが測定肉厚値T2よりも小さい場合は健全性が合格していると評価するので、健全性を評価する担当者のレベル差に左右されることなく客観的に健全性の評価を行うことができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1記載の発明において、必要最小肉厚値T1より実際の肉厚値T2が小さい場合であって,第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4の両者が測定肉厚値T2よりも小さい場合は、両者のうち大きな値の方を必要最小肉厚として採用するので、実運用条件下での温度または圧力を算出根拠に用いて健全性を評価でき、運用レベルでの評価を行うことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、次回の検査までに管の肉厚が必要最小肉厚値T3、T4よりも小さくなるか否かが判断されるため、必要に応じた適切な対応、措置を迅速に行うことが可能となる。すなわち、次回の検査までに管の肉厚が必要最小肉厚値T3、T4よりも小さくなると判断された場合には、管の交換手配やボイラーの運用条件の変更などを対応、措置を迅速に採ることができ、設備の健全な運用を維持することが可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、肉厚値T1、T3、T4を設置時の技術基準にしたがって算出するか、肉厚測定時の技術基準にしたがって算出するかが設定されるため、技術基準の変更にかかわらず、より客観的かつ画一的な健全性の評価を行うことができる。すなわち、技術基準の変更履歴を熟知していない担当者であっても、設定された技術基準にしたがって健全性を評価することができ、より客観的かつ画一的な評価が得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係るボイラー管および付属配管の健全性評価方法を示すフローチャートである。以下、同フローチャートを参照して、ボイラー管および付属配管の健全性を評価する方法について説明する。ここで、ボイラー管および付属配管が127mm以下の場合については、発電用火力設備の技術基準の解釈の第12条の第1号に規定された、図2に示すような[必要最小肉厚の計算式]が適用される。なお本説明では対象設備の設計時期に合わせ昭和58年当時の発電用火力設備の技術基準の細目を定める告示の第10条の第1号に規定された図3の計算式で、T1は鋼管の必要最小肉厚(mm)、Pは最高使用圧力(kgf/cm)、dは鋼管の外径(mm)、Sは材料の許容応力(kgf/mm)、α=0.0mmを示している。また、上記の技術基準は、ボイラー管および付属配管の設置時における技術基準と、肉厚測定時における技術基準と、さらにその間に変更された時における技術基準とを備えている。
【0018】
まず、上記の技術基準のなかからいつの時点の技術基準にしたがって必要最小肉厚値T1および後述する必要最小肉厚値T3、T4を算出するかを設定する。続いて、サンプル管として(材料:STBA24 外径:50.8φ×肉厚:5.0mm)の仕様の再熱器管を用いて、省令の第6条の規定に基づいて、最高使用温度および最高使用圧力の下で、例えば図4の設計条件および管材料の許容応力値の条件を図3の計算式に代入して、必要最小肉厚値T1を算出する(ステップS1)。このステップ1の例では、最高使用温度が593℃、最高使用圧力が52.0kgf/cm、外径が50.8mm、許容応力が3.06kgf/mmに設定された条件の下で、必要最小肉厚値T1≒4.24mmを算出した例を示している。次に、測定により最小肉厚値T2=3.9mmを得る(ステップS2)。
【0019】
次に、上記のようにして測定された最小肉厚値T2が、算出された必要最小肉厚値T1よりも大きいか否かを判断する(ステップS3)。T2>T1の関係が満足されている場合には、問題がないのでフローはステップ9に進んで健全性は合格と評価される。しかしながら、この例ではT2=3.9<T1≒4.24の関係にあり、このままでは測定肉厚値T2が必要最小肉厚値T1よりも小さいので、フローはステップS10に進んで、健全性は不合格と評価されることになる。このため、健全性の再評価が行われる。
【0020】
ここで、上記の省令の第6条の規定では「最高使用圧力又は最高使用温度」とあるのは、これら2つの組合せでなく(最高使用圧力とその条件下での温度)と(最高使用温度とその条件下での圧力)の厳しい側で設計するという意味である。・・・との記載があることから、実運用条件下での温度または圧力を算出根拠に用いて健全性を再評価する、と解釈することができる。したがって、この解釈に基づいて、(最高使用圧力とその条件下での温度)と(最高使用温度とその条件下での圧力)の厳しい側での、必要最小肉厚を算出するようにする。
【0021】
まず、サンプル管の最高使用圧力とその条件下での温度で、例えば図5の設計条件および許容応力値の条件を図3の計算式に代入して、必要最小肉厚値T3を算出する(ステップS4)。このステップ4の例では、最高使用圧力が52.0kgf/cm、常用温度が581.3℃、外径が50.8mm、許容応力が3.47kgf/mmに設定された条件の下で、必要最小肉厚値T3≒3.80mmを算出した例を示している。
【0022】
次に、サンプル管の最高使用温度とその条件下での圧力で、例えば図6の設計条件および許容応力値の条件を図3の計算式に代入して、必要最小肉厚値T4を算出する(ステップS5)。このステップ5の例では、最高使用温度が593℃、常用圧力が43.4kgf/cm、外径が50.8mm、許容応力が3.05kgf/mmに設定された条件の下で、必要最小肉厚値T4≒3.63mmを算出した例を示している。
【0023】
次に、上記のようにして算出した必要最小肉厚値T3、T4のいずれもが、前記のように測定された最小肉厚値T2よりも小さいか否かを判断する(ステップS6)。T3>T2、T4>T2の関係がともに満足されている場合には、測定された最小肉厚値T2が2つの必要最小肉厚値T3、T4のいずれよりも小さいので、フローはステップS10に進んで、再評価によっても健全性は不合格となる。しかしながら、この例では、T3≒3.80<T2=3.9、T4≒3.63<T2=3.9の関係にあり、両方の必要最小肉厚値T3、T4がともに測定された最小肉厚値T2よりも小さいので、再評価により健全性が合格と評価されることになる。しかしながらこの場合は、2つの必要最小肉厚値T3、T4のうち、条件の厳しい側のT3≒3.80mmが必要最小肉厚として採用される。
【0024】
本発明によれば、以上の段階まででも、従来例に比べて健全性を評価する担当者のレベル差に左右されることなく、客観的に健全性の評価を行うことができるという効果を得ることができる。すなわち、ステップ6における比較検討により、上記の測定肉厚値T2=3.9mmのサンプル管は、通常運転時の必要最小肉厚を十分満足することから、該当する管は健全であり設備に運用には支障なしと判断することができる。しかしながら、さらに高い精度で健全性を評価できるようにするため、次のステップへ進んで、次回の定期検査までの健全性を評価できるように備える。
【0025】
次に、次回定検までの減肉による上記の必要最小肉厚値T3、T4までの到達見込は十分にあるか否かを判断する(ステップS7)。すなわち、このステップS7では、次回の検査までにサンプル管の肉厚が減少して第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4のいずれか一方よりも小さくなるか否かを判断する。これには、図7に示すように、減肉率を算出して、これに基づいて上記したように必要最小肉厚として採用されたなサンプル管の必要最小肉厚値T3=3.80mmまでの到達時間を算出すると、9、174Hrが導き出せる。そして、次回の定検を平成19年2月に計画したとすると、例えば4年間にわたる運転予想時間は略2500Hrになり、9、174Hrに対して余裕があることになる。
【0026】
したがって、次回定検までには十分に運用できるので健全性は合格であると評価することができる。すなわち、高い精度で健全性を評価できるようになる。これによって、次回の検査までに管の肉厚が必要最小肉厚値T3、T4よりも小さくなるか否かが判断されるため、必要に応じた適切な対応、措置を迅速に行うことが可能となる。すなわち、次回の検査までに管の肉厚が必要最小肉厚値T3、T4よりも小さくなると判断された場合には、管の交換手配やボイラーの運用条件の変更などを対応、措置を迅速に採ることができ、設備の健全な運用を維持することが可能となる。なお、ステップ7において十分な到達時間が算出されない場合は、運転予想時間を考慮して経過観察を行うようにする(ステップS8)。
【0027】
以上のような本実施形態に係るボイラー管および付属配管の健全性評価方法によれば、予め技術基準にしたがってサンプル管の必要最小肉厚値T1を算出し、一方サンプル管の実際の肉厚値T2を測定した後、測定肉厚値T2が必要最小肉厚値T1よりも小さい場合は、最高使用圧力とその条件下での常用温度で第1の必要最小肉厚値T3を算出しおよび最高使用温度とその条件下での常用圧力で第2の必要最小肉厚値T4を算出した後、 第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4のいずれもが、測定肉厚値T2よりも小さいか否かを判断する段階を判断要素として、第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4のいずれもが測定肉厚値T2よりも小さい場合は健全性が合格していると評価するので、健全性を評価する担当者のレベル差に左右されることなく客観的に健全性の評価を行うことができる。
【0028】
また、上記の判断する段階の後で、次回の検査までにボイラー管および付属配管の肉厚が減少して第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4のいずれか一方よりも小さくなるか否かを判断する段階を有するので、担当者のレベル差に左右されることなく客観的に、かつ高い精度で健全性の評価を行うことができる。また、過去から現在までの技術基準が複数ある場合に、いつの時点の技術基準にしたがって必要最小肉厚値T1および必要最小肉厚値T3、T4を算出するかを設定する段階を有しているため、技術基準の変更の有無にかかわらず、より客観的かつ画一的な健全性の評価を行うことができる。すなわち、技術基準の変更履歴を熟知していない担当者であっても、設定された技術基準にしたがって健全性を評価することができ、より客観的かつ画一的な評価が得られる。
【0029】
以上、この発明の実施形態について説明したが、具体的な構成は、本実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。例えば、サンプル管に例をあげて健全性を評価する例で説明したが、これに限らずボイラー管および付属配管に対してもそのまま適用することができる。また、健全性の評価に用いたサンプル管の仕様は一例を示したものであり、目的、用途などに応じて種々の仕様のものにも適用することができる。また、必要最小肉厚の算出に用いた温度、圧力、管外径、許容応力などの設計条件なども、設置されるボイラー管および付属配管の規模、場所などの設置条件に応じて任意に変更することができる。また、次回定検までにボイラー管および付属配管の必要最小肉厚までの到達時間を算出する場合、運転予想時間に応じた減肉の度合いをカーブ特性に表して、この特性をきめ細かく観察することで正確に管の交換時期を把握することが可能となる。なお,必要最小肉厚値T1よりも外径基準による厚さの最小値T0が大きいボイラー管および付属配管の場合は、その最小値T0により健全性を評価する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係るボイラー管および付属配管の健全性評価方法を示すフローチャート。
【図2】本発明の実施形態に係るボイラー管および付属配管の健全性評価方法に用いられる必要最小肉厚を算出する計算式を示す図。
【図3】本発明の実施形態に係るボイラー管および付属配管の健全性評価方法に用いられる必要最小肉厚を算出する計算式を示す図。
【図4】本発明の実施形態に係るボイラー管および付属配管の健全性評価方法に用いられる必要最小肉厚を具体的に算出する例を示す図。
【図5】本発明の実施形態に係るボイラー管および付属配管の健全性評価方法に用いられる必要最小肉厚を具体的に算出する例を示す図。
【図6】本発明の実施形態に係るボイラー管および付属配管の健全性評価方法に用いられる必要最小肉厚を具体的に算出する例を示す図。
【図7】本発明の実施形態に係るボイラー管および付属配管の健全性評価方法に用いられる必要最小肉厚までの到達見込みを具体的に算出する例を示す図。
【符号の説明】
【0031】
T0 外径基準による厚さの最小値
T1 必要最小肉厚値(計算式により算出した値)
T2 測定肉厚値(実際の肉厚値)
T3 最高使用圧力と常用温度下で算出される第1の必要最小肉厚値
T4 最高使用温度と常用圧力下で算出される第2の必要最小肉厚値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラー管および付属配管の測定肉厚値と、発電用火力設備の技術基準にしたがって算出された前記管の必要最小肉厚値とを比較検討して健全性を評価するボイラー管および付属配管の健全性評価方法であって、
前記技術基準にしたがって最高使用温度および最高使用圧力の下で前記ボイラー管および付属配管の必要最小肉厚値T1を算出する段階と、
前記ボイラー管および付属配管の実際の肉厚値T2を測定する段階と、
前記測定肉厚値T2が前記必要最小肉厚値T1よりも小さい場合は、前記最高使用圧力とその条件下での常用温度で第1の必要最小肉厚値T3を算出する段階および前記最高使用温度とその条件下での常用圧力で第2の必要最小肉厚値T4を算出する段階と、
前記第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4のいずれもが、前記測定肉厚値T2よりも小さいか否かを判断する段階と、を有し、
前記判断する段階を判断要素として、前記第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4のいずれもが前記測定肉厚値T2よりも小さい場合は前記健全性が合格していると評価する、
ことを特徴とするボイラー管および付属配管の健全性評価方法。
【請求項2】
前記必要最小肉厚値T1より実際の肉厚値T2が小さい場合であって,前記第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4の両者が前記測定肉厚値T2よりも小さい場合は、前記両者のうち大きな値の方を必要最小肉厚として採用する、
ことを特徴とする請求項1に記載のボイラー管および付属配管の健全性評価方法。
【請求項3】
前記判断する段階の後で、次回の検査までに前記ボイラー管および付属配管の肉厚が減少して前記第1および第2の必要最小肉厚値T3、T4のいずれか一方よりも小さくなるか否かを判断する段階を有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のボイラー管および付属配管の健全性評価方法。
【請求項4】
前記技術基準は、前記ボイラー管および付属配管の設置時の技術基準と、肉厚測定時の技術基準とを備え、前記肉厚値T1、T3、T4を設置時の技術基準にしたがって算出するか、肉厚測定時の技術基準にしたがって算出するかを設定する段階を有する、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のボイラー管および付属配管の健全性評価方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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