ボイラ
【課題】より簡易に構成でき、騒音を低減できるボイラを提供すること。
【解決手段】ボイラ1は、燃焼室17、該燃焼室を囲むように環状に配置される複数の水管12、複数の水管の外側に配置されるボイラ筐体11、及びボイラ筐体11に設けられ、燃焼室17において発生した燃焼ガスが排出される燃焼ガス排出部15を具備する缶体10と、燃焼ガス排出部15に接続されると共に、缶体10から排出された燃焼ガスが流通する排気流通路21を有する排気筒20と、燃焼ガス排出部15を塞ぐように缶体10と排気筒20との間に配置され、板状に構成されると共に、排気流通路21の断面積よりも小さい面積を有する排気流通穴31が形成された排気騒音低減部材30と、を備える。
【解決手段】ボイラ1は、燃焼室17、該燃焼室を囲むように環状に配置される複数の水管12、複数の水管の外側に配置されるボイラ筐体11、及びボイラ筐体11に設けられ、燃焼室17において発生した燃焼ガスが排出される燃焼ガス排出部15を具備する缶体10と、燃焼ガス排出部15に接続されると共に、缶体10から排出された燃焼ガスが流通する排気流通路21を有する排気筒20と、燃焼ガス排出部15を塞ぐように缶体10と排気筒20との間に配置され、板状に構成されると共に、排気流通路21の断面積よりも小さい面積を有する排気流通穴31が形成された排気騒音低減部材30と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラに関する。より詳細には、燃料の燃焼に伴って発生する騒音を低減できるボイラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水を加熱し、蒸気又は温水を生成するボイラは、重油や軽油等の燃料が燃焼される燃焼室と、この燃焼室を囲むように配置される複数の水管と、これら複数の水管の外側に配置されるボイラ筐体と、を有する缶体を備える。
以上のボイラでは、燃焼室における燃料の燃焼に伴い、燃焼室(缶体の内部)の圧力(以下、炉圧という)が所定の振幅で変化する。そして、この炉圧の変化により燃焼室の内部において生じた空気の振動は、騒音としてボイラの外部空間に伝播する。特に、缶体における圧力損失の小さなボイラの場合には、炉圧の振幅が大きくなると、大きな炉圧の振幅により発生した低周波の振動が外部空間に伝播してしまう。
このような、ボイラから発生する騒音を低減するために、缶体の内部に吸音材が取り付けられたボイラが提案されている(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−217810号公報
【特許文献2】特開2002−89802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2で提案されたボイラによれば、吸音材により、缶体の内部で発生した振動や騒音を吸収できる。
しかしながら、特許文献1及び2で提案されたボイラでは、吸音材を缶体の内部に取り付ける必要があるため、ボイラの製造工程が複雑になってしまう。
【0005】
従って、本発明は、より簡易に構成でき、騒音を低減できるボイラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、燃料が燃焼される燃焼室、該燃焼室を囲むように環状に配置される複数の水管、該複数の水管の外側に配置されるボイラ筐体、及び該ボイラ筐体に設けられ、前記燃焼室において発生した燃焼ガスが排出される燃焼ガス排出部を具備する缶体と、前記燃焼ガス排出部に接続されると共に、前記缶体から排出された燃焼ガスが流通する排気流通路を有する排気筒と、前記燃焼ガス排出部を塞ぐように前記缶体と前記排気筒との間に配置され、板状に構成されると共に、前記排気流通路の断面積よりも小さい面積を有する排気流通穴が形成された排気騒音低減部材と、を備えるボイラに関する。
【0007】
また、前記排気騒音低減部材は、前記排気流通穴を複数の排気流通小穴に区画する区画部を更に備えることが好ましい。
【0008】
また、前記区画部は、前記排気流通穴を略4等分する十字形状に形成されることが好ましい。
【0009】
また、前記排気流通穴は、円形に形成され、前記複数の排気流通小穴は、前記区画部に区画される部分が直線状に形成されると共に、該区画部に区画されない部分が円弧状に形成されることが好ましい。
【0010】
また、前記排気流通穴の面積は、前記排気流通路の断面積の15%〜20%であることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、燃料が燃焼される燃焼室、該燃焼室を囲むように環状に配置される複数の水管、該複数の水管の外側に配置される筐体、及び該筐体に設けられ、前記燃焼室において発生した燃焼ガスが排出される燃焼ガス排出部を具備する缶体と、
前記燃焼ガス排出部に接続されると共に、前記缶体から排出された燃焼ガスが流通する排気流通路を有する排気筒と、を備えるボイラにおける排気騒音の低減方法であって、
前記缶体と前記排気筒との間に、板状に構成されると共に、前記排気流通路の断面積よりも小さい面積を有する排気流通穴が形成された排気騒音低減部材を配置する排気騒音の低減方法に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡易に構成できて騒音を低減できるボイラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のボイラの一実施形態を示す図である。
【図2】図1に示すボイラを分解して示す図である。
【図3】図1のX−X線断面図である。
【図4】本発明のオリフィス部材の一実施形態を示す図であり、図4(a)は平面図を、図4(b)は側面図を示す。
【図5】図5(a)〜図5(g)は、それぞれ、オリフィス部材の他の形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のボイラの好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態のボイラ1は、図1及び図2に示すように、缶体10と、排気筒20と、排気騒音低減部材としてのオリフィス部材30と、を備える。
【0015】
缶体10は、図1及び図2に示すように、ボイラ筐体11と、複数の水管12と、下部管寄せ13と、上部管寄せ14と、燃焼ガス排出部15と、バーナ16と、を備える。また、缶体10の内部には、燃焼室17、及び燃焼ガス通路18が形成される。
ボイラ筐体11は、円筒形状に構成され、缶体10の外形の主要部を構成する。このボイラ筐体11は、高さ方向が鉛直方向に沿うように配置される。ボイラ筐体11の周面の上部には、開口111が形成されている。
【0016】
複数の水管12は、ボイラ筐体11の内部に上下方向に延びて配置される。複数の水管12は、図1〜図3に示すように、内側水管群121と、この内側水管群121の外側に配置される外側水管群122と、を構成する。内側水管群121は、複数の水管12がボイラ筐体11の中心軸と同軸となるように環状に配置されて構成される。本実施形態では、内側水管群121は、図3に示すように、ボイラ筐体11における開口111が形成された側と反対側に位置する部分を除いて、隣り合って配置される水管12同士が当接して配置される。
外側水管群122は、複数の水管12がボイラ筐体11の中心軸と同軸となるように、環状に配置されて構成される。また、外側水管群122は、内側水管群121との間に所定の空間が形成されるようにボイラ筐体11の内面の近傍に配置される。換言すれば、ボイラ筐体11は、外側水管群122(複数の水管12)の外側に配置されている。
【0017】
下部管寄せ13は、ボイラ筐体11の内部における下部に配置される。この下部管寄せ13は、環状の容器により構成される。下部管寄せ13には、複数の水管12(内側水管群121及び外側水管群122)の下端部が連結される。
上部管寄せ14は、ボイラ筐体11の内部における上部に配置される。この上部管寄せ14は、環状の容器により構成される。上部管寄せ14には、複数の水管12(内側水管群121及び外側水管群122)の上端部が連結される。
【0018】
燃焼ガス排出部15は、ボイラ筐体11の上部に配置される。より具体的には、燃焼ガス排出部15は、略90度屈曲した屈曲部151を有する筒状に構成される。そして、燃焼ガス排出部15は、燃焼ガス排出部15の基端部152が開口111を塞ぐように、ボイラ筐体11に連結される。燃焼ガス排出部15の先端部153は、図1及び図2に示すように、上方に向けて開口している。この燃焼ガス排出部15の先端部153には、外方に向かって延出したフランジ部154が形成されており、このフランジ部154には、周方向に所定間隔をあけて設けられた複数のボルト挿入穴155(図2参照)が形成されている。
燃焼ガス排出部15における燃焼ガスの流通路の断面積は、ボイラ筐体11の開口111の開口面積と略等しく構成される。
【0019】
バーナ16は、ボイラ筐体11の上面の中央部に配置される。バーナ16は、燃料噴射ノズル及び空気供給ノズル(いずれも図示せず)を含んで構成される。バーナ16は、燃料噴射ノズルから燃料をボイラ筐体11の内部に向けて噴射すると共に、空気供給ノズルから空気をボイラ筐体11の内部に供給して、燃料を燃焼させる。
【0020】
燃焼室17は、図1〜図3に示すように、内側水管群121に囲まれた空間により構成される。換言すれば、内側水管群121(複数の水管12)は、燃焼室17を囲むように環状に配置されている。この燃焼室17では、バーナ16の燃料噴射ノズルから噴射された燃料が燃焼され、燃焼ガスが発生する。
燃焼ガス通路18は、図1及び図2に示すように、内側水管群121の外側とボイラ筐体11の内面との間の空間により構成される。この燃焼ガス通路18には、燃焼室17で発生した燃焼ガスが流通する。
【0021】
排気筒20は、図1及び図2に示すように、排気流通路21を有する筒状に構成される。この排気筒20は、後述するオリフィス部材30を介して、燃焼ガス排出部15に接続される。より具体的には、排気筒20は、太さが略均一な筒状部材により構成される。この排気筒20の基端部には、外方に向かって延出したフランジ部22が形成されており、このフランジ部22には、周方向に所定間隔をあけて設けられた複数のボルト挿入穴23(図2参照)が形成されている。
排気筒20の排気流通路21の断面積は、燃焼ガス排出部15における燃焼ガスの流通路の断面積と略等しく構成される。
以上の排気筒20には、燃焼ガス通路18を流通し、缶体10(燃焼ガス排出部15)から排出された燃焼ガスが流通する。
【0022】
オリフィス部材30は、図4(a)に示すように、缶体10における燃焼ガス排出部15と排気筒20との間に配置される。このオリフィス部材30は、図4(a)及び図4(b)に示すように、板状に構成され、排気流通穴31と、この排気流通穴31を区画する区画部32と、複数のボルト挿通穴33と、を備える。
【0023】
オリフィス部材30は、缶体10(燃焼ガス排出部15)に設けられたフランジ部154の外形及び排気筒20に設けられたフランジ部22の外形と略同形同大の円板状に構成される。
排気流通穴31は、オリフィス部材30の中央部に形成される。この排気流通穴31は、排気流通路21の断面積よりも小さい面積を有する。本実施形態では、排気流通穴31は、円形に形成される。
【0024】
区画部32は、排気流通穴31を複数の排気流通小穴311に区画する。本実施形態では、区画部32は、十字形状に形成され、円形の排気流通穴31を略4等分している。即ち、区画部32は、排気流通穴31を4つの扇型の排気流通小穴311に区画している。
【0025】
ここで、排気流通路21の断面積が700cm2〜1500cm2程度の場合、排気流通穴31の面積(複数の排気流通小穴311の合計面積)は、低周波の騒音を好適に防ぐ観点から、好ましくは排気流通路21の断面積の15%〜20%である。
排気流通穴31の面積が排気流通路21の断面積の15%未満となった場合には、缶体10の圧力損失が大きくなりすぎてしまい、燃焼室17に空気を導入する送風機の動力を大きくする必要が生じる。また、排気流通穴31の面積が排気流通路21の断面積の20%を超えた場合には、低周波の騒音の低減効果が低下してしまう。
【0026】
複数のボルト挿通穴33は、オリフィス部材30の外縁の近傍に周方向に所定間隔をあけて配置される。複数のボルト挿通穴33は、缶体10に設けられたフランジ部154に形成されたボルト挿入穴155及び排気筒20の基端部に設けられたフランジ部22に形成されたボルト挿入穴23に対応する位置に形成される。
【0027】
以上のオリフィス部材30は、図1及び図2に示すように、燃焼ガス排出部15と排気筒20との間に、燃焼ガス排出部15を塞ぐように介在配置される。そして、燃焼ガス排出部15と排気筒20との間に配置されたオリフィス部材30は、缶体10と排気筒20とを連結する複数のボルト40を複数のボルト挿通穴33に挿通させることにより、缶体10と排気筒20との間に固定される。
【0028】
オリフィス部材30の排気流通穴31の形状は、図4(a)及び図5(a)に示す形状に限らない。
例えば、図5(b)に示すように、排気流通穴31を正方形に形成し、この排気流通穴31を十字状の区画部32により4つの正方形の排気流通小穴311に区画してもよい。
また、図5(c)及び図5(d)に示すように、複数の円形や三角形の排気流通穴31を中央部に形成してオリフィス部材30を構成してもよい。
また、図5(e)〜図5(g)に示すように、区画部32を設けず、円形、三角形又は正方形の単一の排気流通穴31を有するオリフィス部材30を用いてもよい。
【0029】
以上のボイラ1では、まず、燃焼室17において燃料が燃焼される。ここで、燃焼室17における燃料の燃焼に伴い、燃焼ガスが発生し、燃焼室17(缶体10)の内部の圧力(以下、炉圧という)は、所定の振幅で変化する。次いで、燃焼室17において発生した燃焼ガスは、燃焼室17を囲むように配置された複数の水管12(内側水管群121)の内部を流通する水を加熱する。次いで、燃焼ガスは、燃焼室17から燃焼ガス通路18を通り、更に複数の水管12(内側水管群121及び外側水管群122)の内部を流通する水を加熱する。そして、燃焼ガス通路18を通った燃焼ガスは、燃焼ガス排出部15から排気筒20に移動する。
ここで、本実施形態では、燃焼室17で発生した燃焼ガスは、ボイラ筐体11における開口111が形成された側と反対側に位置する部分に設けられた内側水管群121が配置されていない部分から、燃焼ガス通路18に移動する。そして、燃焼室17から燃焼ガス通路18に移動した燃焼ガスは、図1に示すように、二手に分かれて燃焼ガス通路18を流通し、燃焼ガス排出部15に向かう。
【0030】
尚、複数の水管12の内部には、複数の水管12の下部に配置された下部管寄せ13から水が供給される。そして、複数の水管12の内部において加熱された水は、蒸気となり、上部管寄せ14から蒸気供給管(図示せず)に供給される。
【0031】
ここで、燃焼ガス排出部15と排気筒20との接続部分には、オリフィス部材30が配置されている。これにより、燃焼ガス排出部15から排気筒20に流通する燃焼ガスの流量は、オリフィス部材30により抑制される。そして、燃焼ガス排出部15から排気筒20に流通する燃焼ガスの流量が抑制されることにより、缶体10において所定の圧力損失が生じ、炉圧の振幅は小さくなる。
【0032】
以上説明した本実施形態のボイラ1によれば、以下のような効果を奏する。
【0033】
(1)缶体10における燃焼ガス排出部15と排気筒20との間に、排気流通路21の断面積よりも面積の小さい排気流通穴31が形成されたオリフィス部材30を配置した。これにより、缶体10(燃焼ガス排出部15)から排気筒20に排出される排気の流量を抑制できるので、炉圧の振幅を小さくできる。よって、燃焼室17における燃料の燃焼に伴って発生する低周波の振動を低減でき、この低周波の振動に起因する騒音の発生を低減できる。また、排気筒20の太さを細く構成することなく、缶体10から排出される燃焼ガスの流量を調整できる。よって、排気筒20を細く構成することに起因する燃焼開始時の燃焼不良等を防げると共に、燃焼開始時の圧力損失と定常燃焼時の圧力損失との差を小さくできる。
【0034】
(2)騒音を低減するオリフィス部材30を、缶体10と排気筒20との接続部に介在させて配置した。これにより、缶体10の内部に騒音を低減する部材を配置することなく、簡易な構成で騒音を低減できる。また、既存のボイラに対しても、大掛かりな工事を行うことなく、容易にオリフィス部材30を取り付けられる。
【0035】
(3)オリフィス部材30を、区画部32を含んで構成し、排気流通穴31を、複数の排気流通小穴311により構成した。これにより、排気流通穴31(複数の排気流通小穴311)を通過する燃焼ガスの流れを整流でき、排気流通穴31を燃焼ガスが通過するときに発生する音を低減できる。よって、低周波の振動に起因する騒音の発生を低減しつつ、オリフィス部材30を配置することに起因する音の発生を低減できる。
【0036】
(4)区画部32を十字形状に形成し、複数の排気流通小穴311を、排気流通穴31を略4等分した形状に形成した。これにより、複数の排気流通小穴311による整流効果をより向上できるので、オリフィス部材30を配置することに起因する音の発生をより低減できる。
【0037】
(5)排気流通穴31の面積(複数の排気流通小穴311の合計面積)を、排気流通路21の断面積の15%〜20%とした。これにより、低周波の騒音の低減効果を好適に得つつ、缶体10の圧力損失が過度に大きくなることを防げる。
【実施例】
【0038】
以下、実施例及び比較例により、本発明をより詳細に説明する。
以下の実施例においては、それぞれ異なる形状の排気流通穴が形成されたオリフィス部材30、30b〜30g(図5(a)〜図5(g)参照)を、ボイラ(三浦工業株式会社製)における缶体と排気筒との接続部分に介在させて取り付け、実施例1〜実施例7のボイラとした。また、オリフィス部材を取り付けていないボイラを、比較例のボイラとした。
【0039】
実施例1〜7及び比較例のボイラを稼動させて、ボイラから発生する騒音について、評価した。
ボイラから発生する低周波騒音は、ボイラの正面から約2m離れた位置に低周波騒音計(リオン株式会社製、商品名:NA−18A)を配置し、10秒間の1/3オクターブバンド分析(中心周波数12.5Hz)の最大値を測定した。評価結果を以下の表1に示す。
【0040】
【表1】
[騒音の評価]
×:低周波騒音が発生した。
△:低周波騒音はなくなったが、排ガス流通穴を通過するときに発生すると考えられる笛吹音が発生した。
○:低周波騒音はなくなったが、わずかな笛吹音が発生した。
◎:低周波騒音はなく、かつ、笛吹音も発生しなかった。
【0041】
表1に示したように、オリフィス部材を取り付けた実施例1〜7のボイラでは、低周波騒音の発生を抑制できた。また、単一の排気流通穴を有するオリフィス部材を取り付けた実施例6及び7のボイラでは、オリフィス部材を配置することに起因すると考えられる笛吹音が発生したが、複数の排気流通小穴により排気流通穴を構成した実施例1〜4のオリフィス部材を取り付けたボイラでは、実施例6及び7のボイラに比して、笛吹音を低減できた。更に、円形の排気流通穴を十字状の区画部により、4つの扇型の排気流通小穴に区画した実施例1のボイラでは、低周波騒音の発生を防ぎ、かつ、笛吹音の発生も防ぐことができた。
【0042】
以上、本発明の好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述した各実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、オリフィス部材における排気流通穴の形状は、上述の形状に限らない。
【符号の説明】
【0043】
1 ボイラ
10 缶体
11 ボイラ筐体
12 水管
15 燃焼ガス排出部
17 燃焼室
18 燃焼ガス通路
20 排気筒
21 排気流通路
30 オリフィス部材(排気騒音低減部材)
31 排気流通穴
32 区画部
311 排気流通小穴
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラに関する。より詳細には、燃料の燃焼に伴って発生する騒音を低減できるボイラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水を加熱し、蒸気又は温水を生成するボイラは、重油や軽油等の燃料が燃焼される燃焼室と、この燃焼室を囲むように配置される複数の水管と、これら複数の水管の外側に配置されるボイラ筐体と、を有する缶体を備える。
以上のボイラでは、燃焼室における燃料の燃焼に伴い、燃焼室(缶体の内部)の圧力(以下、炉圧という)が所定の振幅で変化する。そして、この炉圧の変化により燃焼室の内部において生じた空気の振動は、騒音としてボイラの外部空間に伝播する。特に、缶体における圧力損失の小さなボイラの場合には、炉圧の振幅が大きくなると、大きな炉圧の振幅により発生した低周波の振動が外部空間に伝播してしまう。
このような、ボイラから発生する騒音を低減するために、缶体の内部に吸音材が取り付けられたボイラが提案されている(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−217810号公報
【特許文献2】特開2002−89802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2で提案されたボイラによれば、吸音材により、缶体の内部で発生した振動や騒音を吸収できる。
しかしながら、特許文献1及び2で提案されたボイラでは、吸音材を缶体の内部に取り付ける必要があるため、ボイラの製造工程が複雑になってしまう。
【0005】
従って、本発明は、より簡易に構成でき、騒音を低減できるボイラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、燃料が燃焼される燃焼室、該燃焼室を囲むように環状に配置される複数の水管、該複数の水管の外側に配置されるボイラ筐体、及び該ボイラ筐体に設けられ、前記燃焼室において発生した燃焼ガスが排出される燃焼ガス排出部を具備する缶体と、前記燃焼ガス排出部に接続されると共に、前記缶体から排出された燃焼ガスが流通する排気流通路を有する排気筒と、前記燃焼ガス排出部を塞ぐように前記缶体と前記排気筒との間に配置され、板状に構成されると共に、前記排気流通路の断面積よりも小さい面積を有する排気流通穴が形成された排気騒音低減部材と、を備えるボイラに関する。
【0007】
また、前記排気騒音低減部材は、前記排気流通穴を複数の排気流通小穴に区画する区画部を更に備えることが好ましい。
【0008】
また、前記区画部は、前記排気流通穴を略4等分する十字形状に形成されることが好ましい。
【0009】
また、前記排気流通穴は、円形に形成され、前記複数の排気流通小穴は、前記区画部に区画される部分が直線状に形成されると共に、該区画部に区画されない部分が円弧状に形成されることが好ましい。
【0010】
また、前記排気流通穴の面積は、前記排気流通路の断面積の15%〜20%であることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、燃料が燃焼される燃焼室、該燃焼室を囲むように環状に配置される複数の水管、該複数の水管の外側に配置される筐体、及び該筐体に設けられ、前記燃焼室において発生した燃焼ガスが排出される燃焼ガス排出部を具備する缶体と、
前記燃焼ガス排出部に接続されると共に、前記缶体から排出された燃焼ガスが流通する排気流通路を有する排気筒と、を備えるボイラにおける排気騒音の低減方法であって、
前記缶体と前記排気筒との間に、板状に構成されると共に、前記排気流通路の断面積よりも小さい面積を有する排気流通穴が形成された排気騒音低減部材を配置する排気騒音の低減方法に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡易に構成できて騒音を低減できるボイラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のボイラの一実施形態を示す図である。
【図2】図1に示すボイラを分解して示す図である。
【図3】図1のX−X線断面図である。
【図4】本発明のオリフィス部材の一実施形態を示す図であり、図4(a)は平面図を、図4(b)は側面図を示す。
【図5】図5(a)〜図5(g)は、それぞれ、オリフィス部材の他の形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のボイラの好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態のボイラ1は、図1及び図2に示すように、缶体10と、排気筒20と、排気騒音低減部材としてのオリフィス部材30と、を備える。
【0015】
缶体10は、図1及び図2に示すように、ボイラ筐体11と、複数の水管12と、下部管寄せ13と、上部管寄せ14と、燃焼ガス排出部15と、バーナ16と、を備える。また、缶体10の内部には、燃焼室17、及び燃焼ガス通路18が形成される。
ボイラ筐体11は、円筒形状に構成され、缶体10の外形の主要部を構成する。このボイラ筐体11は、高さ方向が鉛直方向に沿うように配置される。ボイラ筐体11の周面の上部には、開口111が形成されている。
【0016】
複数の水管12は、ボイラ筐体11の内部に上下方向に延びて配置される。複数の水管12は、図1〜図3に示すように、内側水管群121と、この内側水管群121の外側に配置される外側水管群122と、を構成する。内側水管群121は、複数の水管12がボイラ筐体11の中心軸と同軸となるように環状に配置されて構成される。本実施形態では、内側水管群121は、図3に示すように、ボイラ筐体11における開口111が形成された側と反対側に位置する部分を除いて、隣り合って配置される水管12同士が当接して配置される。
外側水管群122は、複数の水管12がボイラ筐体11の中心軸と同軸となるように、環状に配置されて構成される。また、外側水管群122は、内側水管群121との間に所定の空間が形成されるようにボイラ筐体11の内面の近傍に配置される。換言すれば、ボイラ筐体11は、外側水管群122(複数の水管12)の外側に配置されている。
【0017】
下部管寄せ13は、ボイラ筐体11の内部における下部に配置される。この下部管寄せ13は、環状の容器により構成される。下部管寄せ13には、複数の水管12(内側水管群121及び外側水管群122)の下端部が連結される。
上部管寄せ14は、ボイラ筐体11の内部における上部に配置される。この上部管寄せ14は、環状の容器により構成される。上部管寄せ14には、複数の水管12(内側水管群121及び外側水管群122)の上端部が連結される。
【0018】
燃焼ガス排出部15は、ボイラ筐体11の上部に配置される。より具体的には、燃焼ガス排出部15は、略90度屈曲した屈曲部151を有する筒状に構成される。そして、燃焼ガス排出部15は、燃焼ガス排出部15の基端部152が開口111を塞ぐように、ボイラ筐体11に連結される。燃焼ガス排出部15の先端部153は、図1及び図2に示すように、上方に向けて開口している。この燃焼ガス排出部15の先端部153には、外方に向かって延出したフランジ部154が形成されており、このフランジ部154には、周方向に所定間隔をあけて設けられた複数のボルト挿入穴155(図2参照)が形成されている。
燃焼ガス排出部15における燃焼ガスの流通路の断面積は、ボイラ筐体11の開口111の開口面積と略等しく構成される。
【0019】
バーナ16は、ボイラ筐体11の上面の中央部に配置される。バーナ16は、燃料噴射ノズル及び空気供給ノズル(いずれも図示せず)を含んで構成される。バーナ16は、燃料噴射ノズルから燃料をボイラ筐体11の内部に向けて噴射すると共に、空気供給ノズルから空気をボイラ筐体11の内部に供給して、燃料を燃焼させる。
【0020】
燃焼室17は、図1〜図3に示すように、内側水管群121に囲まれた空間により構成される。換言すれば、内側水管群121(複数の水管12)は、燃焼室17を囲むように環状に配置されている。この燃焼室17では、バーナ16の燃料噴射ノズルから噴射された燃料が燃焼され、燃焼ガスが発生する。
燃焼ガス通路18は、図1及び図2に示すように、内側水管群121の外側とボイラ筐体11の内面との間の空間により構成される。この燃焼ガス通路18には、燃焼室17で発生した燃焼ガスが流通する。
【0021】
排気筒20は、図1及び図2に示すように、排気流通路21を有する筒状に構成される。この排気筒20は、後述するオリフィス部材30を介して、燃焼ガス排出部15に接続される。より具体的には、排気筒20は、太さが略均一な筒状部材により構成される。この排気筒20の基端部には、外方に向かって延出したフランジ部22が形成されており、このフランジ部22には、周方向に所定間隔をあけて設けられた複数のボルト挿入穴23(図2参照)が形成されている。
排気筒20の排気流通路21の断面積は、燃焼ガス排出部15における燃焼ガスの流通路の断面積と略等しく構成される。
以上の排気筒20には、燃焼ガス通路18を流通し、缶体10(燃焼ガス排出部15)から排出された燃焼ガスが流通する。
【0022】
オリフィス部材30は、図4(a)に示すように、缶体10における燃焼ガス排出部15と排気筒20との間に配置される。このオリフィス部材30は、図4(a)及び図4(b)に示すように、板状に構成され、排気流通穴31と、この排気流通穴31を区画する区画部32と、複数のボルト挿通穴33と、を備える。
【0023】
オリフィス部材30は、缶体10(燃焼ガス排出部15)に設けられたフランジ部154の外形及び排気筒20に設けられたフランジ部22の外形と略同形同大の円板状に構成される。
排気流通穴31は、オリフィス部材30の中央部に形成される。この排気流通穴31は、排気流通路21の断面積よりも小さい面積を有する。本実施形態では、排気流通穴31は、円形に形成される。
【0024】
区画部32は、排気流通穴31を複数の排気流通小穴311に区画する。本実施形態では、区画部32は、十字形状に形成され、円形の排気流通穴31を略4等分している。即ち、区画部32は、排気流通穴31を4つの扇型の排気流通小穴311に区画している。
【0025】
ここで、排気流通路21の断面積が700cm2〜1500cm2程度の場合、排気流通穴31の面積(複数の排気流通小穴311の合計面積)は、低周波の騒音を好適に防ぐ観点から、好ましくは排気流通路21の断面積の15%〜20%である。
排気流通穴31の面積が排気流通路21の断面積の15%未満となった場合には、缶体10の圧力損失が大きくなりすぎてしまい、燃焼室17に空気を導入する送風機の動力を大きくする必要が生じる。また、排気流通穴31の面積が排気流通路21の断面積の20%を超えた場合には、低周波の騒音の低減効果が低下してしまう。
【0026】
複数のボルト挿通穴33は、オリフィス部材30の外縁の近傍に周方向に所定間隔をあけて配置される。複数のボルト挿通穴33は、缶体10に設けられたフランジ部154に形成されたボルト挿入穴155及び排気筒20の基端部に設けられたフランジ部22に形成されたボルト挿入穴23に対応する位置に形成される。
【0027】
以上のオリフィス部材30は、図1及び図2に示すように、燃焼ガス排出部15と排気筒20との間に、燃焼ガス排出部15を塞ぐように介在配置される。そして、燃焼ガス排出部15と排気筒20との間に配置されたオリフィス部材30は、缶体10と排気筒20とを連結する複数のボルト40を複数のボルト挿通穴33に挿通させることにより、缶体10と排気筒20との間に固定される。
【0028】
オリフィス部材30の排気流通穴31の形状は、図4(a)及び図5(a)に示す形状に限らない。
例えば、図5(b)に示すように、排気流通穴31を正方形に形成し、この排気流通穴31を十字状の区画部32により4つの正方形の排気流通小穴311に区画してもよい。
また、図5(c)及び図5(d)に示すように、複数の円形や三角形の排気流通穴31を中央部に形成してオリフィス部材30を構成してもよい。
また、図5(e)〜図5(g)に示すように、区画部32を設けず、円形、三角形又は正方形の単一の排気流通穴31を有するオリフィス部材30を用いてもよい。
【0029】
以上のボイラ1では、まず、燃焼室17において燃料が燃焼される。ここで、燃焼室17における燃料の燃焼に伴い、燃焼ガスが発生し、燃焼室17(缶体10)の内部の圧力(以下、炉圧という)は、所定の振幅で変化する。次いで、燃焼室17において発生した燃焼ガスは、燃焼室17を囲むように配置された複数の水管12(内側水管群121)の内部を流通する水を加熱する。次いで、燃焼ガスは、燃焼室17から燃焼ガス通路18を通り、更に複数の水管12(内側水管群121及び外側水管群122)の内部を流通する水を加熱する。そして、燃焼ガス通路18を通った燃焼ガスは、燃焼ガス排出部15から排気筒20に移動する。
ここで、本実施形態では、燃焼室17で発生した燃焼ガスは、ボイラ筐体11における開口111が形成された側と反対側に位置する部分に設けられた内側水管群121が配置されていない部分から、燃焼ガス通路18に移動する。そして、燃焼室17から燃焼ガス通路18に移動した燃焼ガスは、図1に示すように、二手に分かれて燃焼ガス通路18を流通し、燃焼ガス排出部15に向かう。
【0030】
尚、複数の水管12の内部には、複数の水管12の下部に配置された下部管寄せ13から水が供給される。そして、複数の水管12の内部において加熱された水は、蒸気となり、上部管寄せ14から蒸気供給管(図示せず)に供給される。
【0031】
ここで、燃焼ガス排出部15と排気筒20との接続部分には、オリフィス部材30が配置されている。これにより、燃焼ガス排出部15から排気筒20に流通する燃焼ガスの流量は、オリフィス部材30により抑制される。そして、燃焼ガス排出部15から排気筒20に流通する燃焼ガスの流量が抑制されることにより、缶体10において所定の圧力損失が生じ、炉圧の振幅は小さくなる。
【0032】
以上説明した本実施形態のボイラ1によれば、以下のような効果を奏する。
【0033】
(1)缶体10における燃焼ガス排出部15と排気筒20との間に、排気流通路21の断面積よりも面積の小さい排気流通穴31が形成されたオリフィス部材30を配置した。これにより、缶体10(燃焼ガス排出部15)から排気筒20に排出される排気の流量を抑制できるので、炉圧の振幅を小さくできる。よって、燃焼室17における燃料の燃焼に伴って発生する低周波の振動を低減でき、この低周波の振動に起因する騒音の発生を低減できる。また、排気筒20の太さを細く構成することなく、缶体10から排出される燃焼ガスの流量を調整できる。よって、排気筒20を細く構成することに起因する燃焼開始時の燃焼不良等を防げると共に、燃焼開始時の圧力損失と定常燃焼時の圧力損失との差を小さくできる。
【0034】
(2)騒音を低減するオリフィス部材30を、缶体10と排気筒20との接続部に介在させて配置した。これにより、缶体10の内部に騒音を低減する部材を配置することなく、簡易な構成で騒音を低減できる。また、既存のボイラに対しても、大掛かりな工事を行うことなく、容易にオリフィス部材30を取り付けられる。
【0035】
(3)オリフィス部材30を、区画部32を含んで構成し、排気流通穴31を、複数の排気流通小穴311により構成した。これにより、排気流通穴31(複数の排気流通小穴311)を通過する燃焼ガスの流れを整流でき、排気流通穴31を燃焼ガスが通過するときに発生する音を低減できる。よって、低周波の振動に起因する騒音の発生を低減しつつ、オリフィス部材30を配置することに起因する音の発生を低減できる。
【0036】
(4)区画部32を十字形状に形成し、複数の排気流通小穴311を、排気流通穴31を略4等分した形状に形成した。これにより、複数の排気流通小穴311による整流効果をより向上できるので、オリフィス部材30を配置することに起因する音の発生をより低減できる。
【0037】
(5)排気流通穴31の面積(複数の排気流通小穴311の合計面積)を、排気流通路21の断面積の15%〜20%とした。これにより、低周波の騒音の低減効果を好適に得つつ、缶体10の圧力損失が過度に大きくなることを防げる。
【実施例】
【0038】
以下、実施例及び比較例により、本発明をより詳細に説明する。
以下の実施例においては、それぞれ異なる形状の排気流通穴が形成されたオリフィス部材30、30b〜30g(図5(a)〜図5(g)参照)を、ボイラ(三浦工業株式会社製)における缶体と排気筒との接続部分に介在させて取り付け、実施例1〜実施例7のボイラとした。また、オリフィス部材を取り付けていないボイラを、比較例のボイラとした。
【0039】
実施例1〜7及び比較例のボイラを稼動させて、ボイラから発生する騒音について、評価した。
ボイラから発生する低周波騒音は、ボイラの正面から約2m離れた位置に低周波騒音計(リオン株式会社製、商品名:NA−18A)を配置し、10秒間の1/3オクターブバンド分析(中心周波数12.5Hz)の最大値を測定した。評価結果を以下の表1に示す。
【0040】
【表1】
[騒音の評価]
×:低周波騒音が発生した。
△:低周波騒音はなくなったが、排ガス流通穴を通過するときに発生すると考えられる笛吹音が発生した。
○:低周波騒音はなくなったが、わずかな笛吹音が発生した。
◎:低周波騒音はなく、かつ、笛吹音も発生しなかった。
【0041】
表1に示したように、オリフィス部材を取り付けた実施例1〜7のボイラでは、低周波騒音の発生を抑制できた。また、単一の排気流通穴を有するオリフィス部材を取り付けた実施例6及び7のボイラでは、オリフィス部材を配置することに起因すると考えられる笛吹音が発生したが、複数の排気流通小穴により排気流通穴を構成した実施例1〜4のオリフィス部材を取り付けたボイラでは、実施例6及び7のボイラに比して、笛吹音を低減できた。更に、円形の排気流通穴を十字状の区画部により、4つの扇型の排気流通小穴に区画した実施例1のボイラでは、低周波騒音の発生を防ぎ、かつ、笛吹音の発生も防ぐことができた。
【0042】
以上、本発明の好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述した各実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、オリフィス部材における排気流通穴の形状は、上述の形状に限らない。
【符号の説明】
【0043】
1 ボイラ
10 缶体
11 ボイラ筐体
12 水管
15 燃焼ガス排出部
17 燃焼室
18 燃焼ガス通路
20 排気筒
21 排気流通路
30 オリフィス部材(排気騒音低減部材)
31 排気流通穴
32 区画部
311 排気流通小穴
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料が燃焼される燃焼室、該燃焼室を囲むように環状に配置される複数の水管、該複数の水管の外側に配置されるボイラ筐体、及び該ボイラ筐体に設けられ、前記燃焼室において発生した燃焼ガスが排出される燃焼ガス排出部を具備する缶体と、
前記燃焼ガス排出部に接続されると共に、前記缶体から排出された燃焼ガスが流通する排気流通路を有する排気筒と、
前記燃焼ガス排出部を塞ぐように前記缶体と前記排気筒との間に配置され、板状に構成されると共に、前記排気流通路の断面積よりも小さい面積を有する排気流通穴が形成された排気騒音低減部材と、を備えるボイラ。
【請求項2】
前記排気騒音低減部材は、前記排気流通穴を複数の排気流通小穴に区画する区画部を更に備える請求項1に記載のボイラ。
【請求項3】
前記区画部は、前記排気流通穴を略4等分する十字形状に形成される請求項2に記載のボイラ。
【請求項4】
前記排気流通穴は、円形に形成され、
前記複数の排気流通小穴は、前記区画部に区画される部分が直線状に形成されると共に、該区画部に区画されない部分が円弧状に形成される請求項2又は3に記載のボイラ。
【請求項5】
前記排気流通穴の面積は、前記排気流通路の断面積の15%〜20%である請求項1〜4のいずれかに記載のボイラ。
【請求項6】
燃料が燃焼される燃焼室、該燃焼室を囲むように環状に配置される複数の水管、該複数の水管の外側に配置される筐体、及び該筐体に設けられ、前記燃焼室において発生した燃焼ガスが排出される燃焼ガス排出部を具備する缶体と、
前記燃焼ガス排出部に接続されると共に、前記缶体から排出された燃焼ガスが流通する排気流通路を有する排気筒と、を備えるボイラにおける排気騒音の低減方法であって、
前記缶体と前記排気筒との間に、板状に構成されると共に、前記排気流通路の断面積よりも小さい面積を有する排気流通穴が形成された排気騒音低減部材を配置する排気騒音の低減方法。
【請求項1】
燃料が燃焼される燃焼室、該燃焼室を囲むように環状に配置される複数の水管、該複数の水管の外側に配置されるボイラ筐体、及び該ボイラ筐体に設けられ、前記燃焼室において発生した燃焼ガスが排出される燃焼ガス排出部を具備する缶体と、
前記燃焼ガス排出部に接続されると共に、前記缶体から排出された燃焼ガスが流通する排気流通路を有する排気筒と、
前記燃焼ガス排出部を塞ぐように前記缶体と前記排気筒との間に配置され、板状に構成されると共に、前記排気流通路の断面積よりも小さい面積を有する排気流通穴が形成された排気騒音低減部材と、を備えるボイラ。
【請求項2】
前記排気騒音低減部材は、前記排気流通穴を複数の排気流通小穴に区画する区画部を更に備える請求項1に記載のボイラ。
【請求項3】
前記区画部は、前記排気流通穴を略4等分する十字形状に形成される請求項2に記載のボイラ。
【請求項4】
前記排気流通穴は、円形に形成され、
前記複数の排気流通小穴は、前記区画部に区画される部分が直線状に形成されると共に、該区画部に区画されない部分が円弧状に形成される請求項2又は3に記載のボイラ。
【請求項5】
前記排気流通穴の面積は、前記排気流通路の断面積の15%〜20%である請求項1〜4のいずれかに記載のボイラ。
【請求項6】
燃料が燃焼される燃焼室、該燃焼室を囲むように環状に配置される複数の水管、該複数の水管の外側に配置される筐体、及び該筐体に設けられ、前記燃焼室において発生した燃焼ガスが排出される燃焼ガス排出部を具備する缶体と、
前記燃焼ガス排出部に接続されると共に、前記缶体から排出された燃焼ガスが流通する排気流通路を有する排気筒と、を備えるボイラにおける排気騒音の低減方法であって、
前記缶体と前記排気筒との間に、板状に構成されると共に、前記排気流通路の断面積よりも小さい面積を有する排気流通穴が形成された排気騒音低減部材を配置する排気騒音の低減方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2013−76475(P2013−76475A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214885(P2011−214885)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
[ Back to top ]