説明

ボス付き一体型円筒状ブラシ及びその製造方法、並びにその円筒状ブラシを使用した360度型歯ブラシ

【課題】 ディスク型の放射状羽根30を軸方向に重ねて円筒形状のブラシヘッド20を形成した360度型歯ブラシにおいて、放射状羽根30の配列ピッチを大きくし、植毛密度を適切化する。放射状羽根30の間からスペーサを排除して、生産性を上げ、衛生状態をよくする。
【解決手段】 放射状羽根30における環状コア部の一方の表面又は両方の表面に環状突起を形成する。放射状羽根30を所定枚数重ね合せ、各羽根30の環状コア部を融着により一体して、中心部に筒状コア部21をもつボス付き一体型の円筒状ブラシ20を形成する。この円筒状ブラシ20をブラシヘッドとしてブラシハンドルの先端部に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシのブラシヘッドなどに使用されるボス付き一体型円筒状ブラシ、その製造方法、及びその円筒状ブラシをブラシヘッドに使用した360度型歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
歯ブラシの一種として、特許文献1に記載されるような360度型歯ブラシが知られている。この歯ブラシは、ブラシハンドルの先端部に円筒形状の放射状ブラシヘッドを有している。放射状ブラシヘッドは、内側をブラシハンドルの先端部が貫通する環状コア部からから多数本の糸材が外周側へ放射状に延出したディスク型の放射状羽根から構成されており、より詳しくは、所定枚数の放射状羽根を環状のスペーサを介して中心線方向に積層することにより構成されている。そして個々の放射状羽根は、例えば特許文献2に記載された方法により製造することが可能である。特許文献2に記載された放射状羽根の製造方法を図15〜図19により説明する。
【0003】
【特許文献1】特許第3646119号公報
【特許文献2】特開2003−220080号公報
【0004】
放射状羽根の製造装置は、図13に示すように、加工ベッドbの上に配置された糸開き治具d、糸押さえe、溶着ヘッドf及び押し切りポンチgを具備している。加工ベッドbは、所定本数の糸材を束ねて形成された糸束aが貫通する貫通孔を有しており、その下に糸上げチャックcを装備している。糸開き治具dは環状の糸押さえeの内側に同心状に組み合わされており、糸開き治具d及び糸押さえe、溶着ヘッドf、並びに押し切りポンチgは、図示されない駆動機構により、加工ベッドbの貫通孔の真上に選択的に搬送される。
【0005】
製造作業では、まず第1ステップとして、加工ベッドbの貫通孔に下から差し通された糸束aを、加工ベッドbの下方に設けられた糸上げチャックcにより押し上げて、加工ベッドbの上に所定長露出させる。
【0006】
第2ステップとして、図14に示すように、糸束aの露出部分の中心部に、下端面が円錐状に形成された糸開き治具dを押し付けることにより、その露出部分を周囲に開く。第3ステップとして、図15に示すように、糸開き治具dの外側に組み合わされた環状の糸押さえeを下降させて、途中まで開いた糸材を加工ベッドbの貫通孔周囲に押し付け、糸束aの露出部分を周囲へ完全に開く。
【0007】
第4ステップとして、図16に示すように、糸束aの露出部分を糸押さえeで放射状に開いたまま、糸開き治具dを上昇させて側方へ退避させ、代わりに溶着ヘッドfを貫通孔の真上へ移動させて下降させ、放射状に開いた糸材の中心部を環状に溶着する。最後に第5ステップとして、図17に示すように、溶着ヘッドfを上昇させて側方へ退避させ、代わりに押し切りポンチgを貫通孔の真上へ移動させて下降させ、環状溶着部の内側を分離除去する。
【0008】
こうしてディスク型の放射状羽根が製造される。製造された放射状羽根は、ブラシハンドルの先端部が貫通する貫通孔を中心部に有すると共に、その貫通孔の周囲に溶着部からなる環状コア部を有しており、更にそのコア部全周から外周側へ放射状に延出した多数本の糸材(羽根部)を有している。
【0009】
そして、製造された放射状羽根をブラシハンドルの先端部に複数枚重ね合わせて嵌め込み固定する。これにより、円筒形状の放射状ブラシヘッドをハンドル先端部に有する360度型歯ブラシが製造されることは、前述したとおりである。
【0010】
このようにして製造される360度型歯ブラシは、ブラシハンドルの周方向において方向性がなく、老人や子供でも非常に扱いやすいという特徴がある。また、歯茎のマッサージや舌苔の除去にも非常に適する。しかしながら、そのような特徴の一方で次のような問題点もある。
【0011】
第1の問題は、ブラシヘッドを構成する個々の放射状羽根の機械的強度が総じて低く、且つその機械的強度にバラツキがあることである。すなわち、放射状羽根の機械的強度は、放射状羽根部の結合部である環状コア部の機械的強度に依存する。この環状コア部は毛束の融着により形成される小径で薄い環状板体であるために、本質的に機械的強度の確保が容易でない。その上、融着条件のバラツキにより、偏心したり厚みが不均一になり、機械強度上のバラツキも大きい。このため、機械的強度が極端に低い放射状羽根がブラシヘッドに混入する危険性が大きく、そのような低強度の放射状羽根がブラシヘッドに混入した場合は、歯ブラシの使用中にこの放射状羽根が早期脱落する危険が生じる。このため、機械的強度の低い放射状羽根を選別排除する作業が必要であり、その作業に非常な手数がかかるのである。
【0012】
第2の問題は植毛密度である。放射状羽根を複数枚重ね合わせて形成されるブラシヘッドにおいては、植毛密度が大きすぎ、とりわけ中心線方向における植毛密度が過大になり、使用感が良くないばかりか、歯茎や口腔内粘膜、エナメル質を傷つけるおそれがある。また、放射状羽根が接近し過ぎることにより通気性が悪化し衛生上よくないとか、毛先が歯間に入り難いといった問題がある。
【0013】
これらの問題を解決するために、特許文献1に記載の360度型歯ブラシでは、小さな環状スペーサを交互に嵌め込みながら放射状羽根を重ね、中心線方向における植毛密度を意図的に低下させているが、スペーサを使用することによる部品点数の増大、組立工数の増大によるコスト上昇が非常に大きな問題であった。またスペーサの挿入に伴って異物が混入するとか、スペーサの介在により隙間の数が増加し衛生状態が悪化するといった問題もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、ブラシハンドルなどへの取付けが容易であり、しかも高強度であるボス付き一体型円筒状ブラシ及びその製造方法を提供することにある。本発明の別の目的は、そのボス付き一体型円筒状ブラシを使用したブラシ強度が高く、且つ経済的で衛生的な360度型歯ブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明のボス付き一体型円筒状ブラシは、中心部に設けられた筒状コア部と、その筒状コア部の中心線方向の一部全周から多数本の糸材が外周側へ放射状に延出して形成されており、且つ前記筒状コア部の中心線方向に所定間隔で設けられた複数のディスク型放射状羽根部とを具備している。
【0016】
このようなボス付き一体型円筒状ブラシは、中心部に貫通孔が設けられ、その貫通孔の周囲に環状コア部が設けられると共に、その環状コア部の周囲全周から多数本の糸材が外周側へ放射状に延出したディスク型の放射状羽根を中心線方向に重ね合せ、各放射状羽根の環状コア部の少なくとも内面近傍を溶着して筒状に一体化することにより、簡単に且つ経済的に製造することができる。
【0017】
本発明のボス付き一体型円筒状ブラシにおいては、例えばブラシハンドルの先端部に円筒状のブラシヘッドを構成する場合に、その円筒状ブラシを装着すればよく、多数枚の放射状羽根を積層する手間が不要となる。その円筒状ブラシに機械的強度の低い放射状羽根が混入しても、その放射状羽根の環状コア部が隣接する放射状羽根の環状コア部と溶着して一体化し強化されるため、その離脱が防止される。その結果、放射状羽根が脱離し難い高強度の円筒状ブラシが得られる。
【0018】
円筒状ブラシを構成する放射状羽根は、環状コア部の一方の表面又は両方の表面に一体的に形成された突起を有するものでもよいし、有しないものでもよい。また、隣接する放射状羽根の間にスペーサーを介在させてもよいし、介在させないくてもよい。円筒状ブラシの中心線方向における植毛密度を調整する(低下させる)ためには、突起及び/又はスペーサーが必要であり、スペーサーを使用せず突起を用いる方が、円筒状ブラシの組立は容易である。この突起は、円周方向に連続する環状突起であってもよいし、円周方向に間欠的に設けられた複数の突起群であってもよい。
【0019】
また、本発明の360度型歯ブラシは、上記ボス付き一体型円筒状ブラシをブラシハンドルの先端部に装備したものであり、ブラシヘッドの組立が簡単であり、ブラシヘッドの交換も可能である。ブラシヘッドが高強度で、放射状羽根の離脱の危険がない。
【0020】
円筒状ブラシを構成する放射状羽根においては、次のような態様が可能である。環状コア部から放射状に延出する多数本の糸材により構成される羽根部においては、糸長の長い糸材と糸長の短い糸材を混在させることができる。また、糸径の大きい糸材と糸径の小さい糸材を混在させることができる。更に両者を組み合わせ、糸径の大きい糸材を長くし、糸径の小さい糸材を短くするようなことも可能である。これらにより、ブラシ剛性や感触、ブラッシング能力等を広範囲に調整することができる。
【0021】
また、円筒状ブラシにおいては、直径の大きい糸材を用いた硬質の放射状羽根と直径の小さい糸材を用いた軟質の放射状羽根とが混在する構成が可能である。また、長い糸材を用いた大径の放射状羽根と、短い糸材を用いた少径の放射状羽根とが混在する構成が可能である。更に両者を組み合わせ、硬質で大径の放射状羽根と軟質で小径の放射状羽根とを混在させることも可能である。これらの構成により、ブラシヘッドの硬さや感触、ブラッシング能力等を広範囲に調整することができる。また歯間等への毛先の侵入を容易ならしめることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のボス付き一体型円筒状ブラシは、筒状コア部の中心線方向に所定間隔でディスク状の放射状羽根部を設けた構成を採用している。換言すれば、多数枚のディスク型放射状羽根を中心線方向に積層して環状コア部を一体化した構成を採用している。このためブラシハンドルへの装着が容易である。放射状羽根の間から隙間を可及的に排除できるので衛生的である。更に高強度で、機械的強度が低い放射状羽根が混入した場合もその混入が問題にならず、選別作業を不要にする。これらのために経済性に優れ、品質安定性にも優れる。
【0023】
本発明の360度型歯ブラシは、ボス付き一体型円筒状ブラシからなるブラシヘッドをブラシハンドルの先端部に有するので、生産性が高くて経済性に優れ、衛生面でも優れる。しかも高強度で使用途中に羽根部が脱落するおそれがない。適度な植毛密度を簡単に確保でき、使用感が良好である。また、歯茎や口腔内粘膜、エナメル質を傷つけるおそれがない。ブラシヘッドにおける通気性が良くなり衛生状態が改善される。毛先が歯間に入りやすくなり、ブラッシング能力も優れる。スペーサを使用せずとも適切な植毛密度を確保できるので、生産性が高くて経済性に優れ、衛生面でも優れたものになる。
【0024】
また、ボス付き一体型円筒状ブラシに使用されるディスク型放射状羽根として、放射状に広がる多数本の糸材を結合する環状コア部の一方の表面又は両方の表面に突起が一体的に形成された放射状羽根を使用した場合は、ブラシヘッドにおける軸方向の植毛密度をスペーサーなしで低減できる。これにより、歯ブラシの使用感が良くなると共に、歯茎や口腔内粘膜、エナメル質を傷つけるおそれがなくなる。また、通気性が良くなり衛生状態が改善される。更に、毛先が歯間に入りやすくなり、ブラッシング能力も向上する。更に又、スペーサの排除により、生産性が高くて経済性に優れ、衛生状態も更に良好となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す360度型歯ブラシの外観図、図2は同360度型歯ブラシに使用されているブラシヘッドの縦断側面図、図3は同ブラシヘッドに使用されている放射状羽根の正面図及びA−A断面図、図4〜図6は同ブラシヘッドの製造方法及び製造装置の説明図、図7及び図8は同ブラシヘッドを用いて360度型歯ブラシを製造する際の製造方法及び製造装置の説明図である。
【0026】
本実施形態においては、360度型歯ブラシは、図1に示すように、棒状のブラシハンドル10の先端部11に円筒形状のブラシヘッド20を有している。円筒形状のブラシヘッド20は、図2に示すように、ナイロン樹脂からなるボス付き一体型の円筒状ブラシであり、より詳しくは、中心部に円筒形状の筒状コア部21を有すると共に、その筒状コア部21の中心線方向複数箇所から周囲全周へ多数本の糸材が放射状に突出して構成された複数のディスク型の放射状羽根部22,22・・・とを有している。
【0027】
このボス付き一体型円筒状ブラシは、所定枚数の放射状羽根30から製造されている。個々の放射状羽根30は、図3に示すように、歯ブラシに使用されるナイロン樹脂系の糸材を加工して形成されたディスク型の放射状羽根であり、より詳しくは、ブラシハンドル10の先端部11が貫通する貫通孔31を中心部に有している。貫通孔31の周囲には環状の盤体からなるコア部32が設けられており、この環状コア部32からは多数本の糸材が周方向に均一密度で放射状に延出して、環状の羽根部33を形成している。そして環状コア部32の一方の表面には、断面が半円形状の環状突起34が全周にわたって一体的に形成されている。
【0028】
そして、ボス付き一体型円筒状ブラシは、ディスク型の放射状羽根30を中心線方向に所定枚数重ね合わせると共に、隣接する放射状羽根30,30の間で環状コア部32,32同士を、少なくとも内面近傍で溶着して一体化することにより構成される。すなわち、所定枚数の放射状羽根30における環状コア部32が溶着により一体化したものが筒状コア部21である。
【0029】
次に、放射状羽根20からブラシヘッド20である円筒状ブラシを製造する方法及び装置について説明する。放射状羽根30の製造方法及び製造装置についてはその後で説明する。
【0030】
円筒状ブラシの製造装置80は、図4〜図6に示すように、垂直なベース81の中段部に取付けられた水平な固定台82と、固定台82の上方に設けられた水平な押さえプレート83と、固定台82の下方に設けられた水平なヒーター支持台84とを備えている。固定台82が昇降駆動されないのに対し、押さえプレート83及びヒーター支持台84は、固定台82の上側及び下側でベース81に沿って上下方向に昇降駆動される。
【0031】
固定台82は、ワーク支持棒85を先端部に垂直に支持する。ワーク支持棒85は固定台82から離脱可能であり、固定台82から分離された状態で所定枚数の放射状羽根30を刺し通して保持すると共に、所定枚数の放射状羽根30を保持した状態で固定台82に垂直にセットされる。固定台83にセットされたワーク支持棒85は、下方から押されたときに上方へ抜け出ることが可能である。ワーク支持棒85の外径は、放射状羽根30の中心貫通孔31に挿入され得るように、その貫通孔31の内径と同一かこれより僅かに小さく設定されている。
【0032】
押さえプレート83は、固定台82の基部に垂直に設けられた位置決め棒86に案内されて昇降移動する。この昇降により、押さえプレート83は上側の退避位置と下側の押圧位置との間を往復移動し、上側の退避位置では、所定枚数重ねた放射状羽根30の総厚より大きな隙間を固定台82との間に確保して、この間への放射状羽根30のセットを可能とすると共に、ワーク支持棒85の固定台82へのセットを可能とする。
【0033】
ヒーター支持台84は、垂直な丸棒状のヒーター87を先端部に支持している。ヒーター87は電気ヒーターであって、上方の固定台82に支持されたワーク支持棒85の真下に同心状に配置されている。ヒーター87の外径は、筒状コア21を形成するための材料確保のために、放射状羽根30の貫通孔31の内径より大きく設定されており、ワーク支持棒85の外径より大である。換言すれば、筒状コア21を形成するための材料確保のために、放射状羽根30の貫通孔31の内径は、製品内径である筒状コア21の内径より小さく設定されているのである。
【0034】
円筒状ブラシの製造作業では、先ず図4に示すように、押さえプレート83を上側の退避位置に固定し、ワーク支持棒85を固定台82から分離する。分離されたワーク支持棒85には、円筒状ブラシを構成するのに必要な枚数の放射状羽根30を重ねて嵌め込む。このとき、各放射状羽根30の向きを同じにする。すなわち環状コア部32の片面に設けられた環状突起34を同じ側に向ける。
【0035】
ワーク支持棒85への放射状羽根30の取付けが終わると、図5に示すように、そのワーク支持棒85を固定台82に取付ける。そして、押さえプレート83を下降させ、所定枚数の放射状羽根30を積層方向に押圧して相互に密着させる。こうして固定台82上に所定枚数の放射状羽根30が固定されると、図6に示すように、ヒーター支持台84を上昇させる。これにより、ワーク支持棒85がヒーター87に押されて上方へ抜け、ワーク支持棒85に代わって、予め所定温度に加熱されたヒーター87が所定枚数の放射状羽根30内に串刺し状態に押し込まれる。
【0036】
ここで、ヒーター87の外径は放射状羽根30の貫通孔31の内径より大である。このため、ヒーター87の挿入に伴って、所定枚数の放射状羽根30では、各環状コア部32が内側から加熱されて溶融し、各環状コア部32の少なくとも内周面近傍が筒状に一体化して筒状コア部21となる。一方、各放射状羽根30の放射状の羽根部33はそのまま残ってディスク型の放射状羽根部22になる。かくして、放射状羽根部22が所定間隔で筒状コア部21の周囲に一体形成されたボス付き一体型円筒状ブラシが完成する。
【0037】
ボス付き一体型円筒状ブラシが完成すると、図7に示すように、ブラシハンドル10の先端部11に、ブラシヘッド20としての円筒状ブラシを嵌め込む。嵌め込んだ円筒状ブラシが抜けないように、ブラシハンドル10の先端部11は、円筒状ブラシの内径よりも少し大径に設計されている。ブラシヘッド20の取付けが終わると、溶着機60の上にブラシハンドル10が下向きにセットされ、溶着機60がエアシリンダーにより上昇してブラシハンドル10の先端面に押し付けられることにより、その先端面近傍が太く加工される。かくして、ブラシハンドル10の先端部に、ブラシヘッド20であるボス付き一体型円筒状ブラシが固定される。溶着時間はタイマーセットとし、加圧速度、加圧力、加熱温度は室温等も考えて合わせ適当に設定される。
【0038】
ブラシヘッド20の取付けが完了すると、ブラシハンドル10はコンベアにより次の工程へ送られる。この工程では、図8に示すように、完成したブラシヘッド20の外周面を毛先丸め加工機70により加工する。先丸め加工機70は、400番前後のサンドペーパーの表面の対角線方向に幅10mmほどの600番サンドペーパーを接着したものをドラム71の表面に固定し、そのドラム71を駆動モータ72で回転させる構成になっている。そして、この回転するドラム71の表面にブラシヘッド20の外周面を接触させ、この状態でブラシヘッド20を回転させながら軸方向へ移動させる。これにより、ブラシヘッド20における各毛先が丸く加工される。ペーパー部分のテンションは糸材の材質や直径等を考慮して適当に調整される。
【0039】
本実施形態においては、以上の工程を経て360度型歯ブラシが完成する。完成した360度型歯ブラシの特徴は次のとおりである。
【0040】
ブラシヘッド20がボス付き一体型円筒状ブラシにより構成されており、その円筒状ブラシをブラシハンドル10の先端部11に装着するだけで、360度型歯ブラシが完成する。このため、360度型歯ブラシの組立作業がすこぶる簡単である。また、ボス付き一体化型円筒状ブラシをブラシハンドルの先端部に脱着可能に装着するのも簡単であり、これによりヘッド取り替え形式が可能となる。
【0041】
ボス付き一体型円筒状ブラシは所定枚数の放射状羽根30により構成されている。放射状羽根30の一つの問題点は、周囲の羽根部33を結合する環状コア部32が溶着部であるため、機械的強度にバラツキがあることである。このため、所定枚数の放射状羽根30を単に重ねただけの前述のブラシヘッド20の場合は、環状コア部32の機械的強度が弱い放射状羽根30が混入するおそれがあり、混入した機械的強度が弱い放射状羽根30は使用途中で早期に脱落する危険性が高い。このため、環状コア部32の機械的強度やその機械的強度が弱い放射状羽根30の混入等をチェックする必要があり、これに多大の手間がかかっていた。
【0042】
しかるに、円筒状ブラシの場合は、積層された所定枚数の放射状羽根30の各環状コア部32が環状突起34と共に相互に融着し、ボス部とも呼ぶべき高強度の筒状コア部21を形成する。このため、混入した放射状羽根30の環状コア部32の機械的強度の低さは問題にならない。放射状羽根30における環状コア部32の機械的強度の低さの問題が解決されることが、ボス付き一体型円筒状ブラシの最大の特徴である。
【0043】
このようにボス型一体化円筒ブラシヘッドは非常に高強度である。その引張試験の結果を、通常の植毛型回転ブラシ、環状突起付き放射状羽根の各場合と比較して表1に示す。環状突起付き放射状羽根ヘッドも十分に高強度であるが、ボス付き一体型円筒ブラシヘッドはそれよりも更に高強度である。
【0044】
【表1】

【0045】
円筒状ブラシに使用される放射状羽根30においては、ディスク状の環状コア部32の一方の表面にボス状の環状突起34が一体的に形成されている。このため、隣接する羽根間にスペーサを介在させずとも、放射状羽根30を同じ方向に向けて積み重ねるだけで、隣接する放射状羽根30の羽根部33間に所定の隙間が確保される。このため、円筒形状のブラシヘッド20においては、中心線方向における植毛密度を適正範囲まで低減させることができる。これにより使用感が良くなる上に、歯茎や口腔内粘膜、エナメル質を傷つけるおそれがなくなる。また通気性が良くなり、衛生状態が改善される。更に、毛先が歯間に入りやすくなるとか、最終臼歯に届きやすくなるといった利点も生じる。
【0046】
後述するが、前記環状突起34は環状コア部32の形成と同時に形成され、形成に余分なコストを要しない。したがって、これが製品コストを高める原因にはならない。
【0047】
環状突起34からなるボス部の高さは0.1〜0.4mmが好ましい。これが低すぎるとブラシヘッドの軸方向における植毛密度が十分に低下しない。逆に高すぎる場合は植毛密度が過疎になりすぎ、実用上の支障が生じる。また、このボス部は溶着部からの樹脂流入により形成される。余り高いボス部は樹脂量の確保の点から形成が困難である。
【0048】
円筒状ブラシの製造においては、スペーサを使用する必要がないために、部品点数の増加が避けられ、且つ製造工程が大幅に合理化される。これらのため製造コストの大幅引き下げが可能になる。また、異物の混入が避けられ、衛生状態が更に改善される。放射状羽根30とスペーサを交互に通す作業は非常に非能率であり、時間的ロスが膨大であった。放射状羽根30のみの差し込みにより、組立時間が半減し、大量生産、製品価格の大幅ダウンが実現する。
【0049】
かくして、本実施形態においては、特徴的で高品質な360度型歯ブラシが経済的に製造され、市場に低価格で提供される。
【0050】
上記実施形態では、円筒状ブラシ20を製造するために、環状コア部32の片面に突起34を有する放射状羽根30を使用したが、環状コア部32の両面に突起34を有する放射状羽根30を使用することもできる。また、突起34のない放射状羽根30を使用することも可能であり、隣接する放射状羽根30,30の間にスペーサを介在させることもできる。スペーサを介在させた場合は、その一部が放射状羽根30,30の一部と共に溶融して、筒状コアが形成される。
【0051】
突起34付きの放射状羽根30を使用する場合は、突起34の内側に環状の空間ができる。スペーサーを使用するときもそのお大きさによってはスペーサーの内側に環状の空間ができる。放射状羽根30を融着するとき、これらの環状空間を埋めて筒状コア21を形成する必要性から、放射状羽根30の内径とヒーター87の外径との径差を大きし、コア形成材料を多く確保することが必要になる。一方、突起34がない放射状羽根30を使用するような場合は、この環状空間ができないため、放射状羽根30の内径とヒーター87の外径との径差は実質的に不必要となる。
【0052】
最後に、放射状羽根30の製造方法及び装置について説明する。図9〜図11は同放射状羽根の製造方法及び製造装置の説明図である。
【0053】
放射状羽根の製造装置40は、図9に示すように、ナイロン樹脂系の糸材51を束ねて構成された糸束50から放射状羽根30を製造する。この製造のために、製造装置40は加工ベッド41と、その上に設けられた円筒状の溶着ヘッド42とを備えている。加工ベッド41は、糸束50が通過する貫通孔41dを有しており、その下に糸束50を押し上げる押し上げチャック44,45を備えている。
【0054】
加工ベッド41の表面には、環状刃部41aが貫通孔41dに接して設けられている。環状刃部41aは外周側から内周側へ向かって高くなり、内周面は貫通孔43の内周面に連続している。環状刃部41aの外周側には環状凹部41bが環状刃部41aに接して設けられている。環状凹部41bは、放射状羽根30の環状突起34を形成するためのものであり、当該環状突起34の断面形状に対応する半円形状の断面形状を有している。環状凹部41bの更に外周側には、若干の隙間をあけて別の環状凹部41cが設けられている。この環状凹部41cは、放射状羽根30の外径を揃えるための切断に使用される。
【0055】
円筒状の溶着ヘッド42は、加工ベッド41の貫通孔41d上に同心状に配置されており、図示されない駆動機構により昇降駆動される。この溶着ヘッド42は超音波振動による溶着を行う溶着ホーンであり、図示されない振動子により駆動される。溶着ヘッド42の中心部に設けられた貫通孔は空気孔42cであり、糸束50を周囲へ開くのに使用される。溶着ヘッド42の先端部は熱切断ポンチを兼ねており、内周縁部42aが加工ベッド41の環状刃部41aと組み合わさって刃物を形成するように、空気孔42cは拡大されている。溶着ヘッド42の環状の先端面は溶着面42bである。
【0056】
操業では、加工ベッド41の貫通孔に糸束50が下側(裏面側)から上側(表面側)へ刺し通され、加工ベッド41の下に設けられた押し上げチャック44による押し上げで、加工ベッド71の上に所定量露出する。露出量は放射状羽根30の半径より大きく設定されている。糸束50が加工ベッド41の上に所定量露出されると、溶着ヘッド42は空気を下方へ吹き出し且つ振動しなががら下降する。溶着ヘッド42からの吹き出し空気は下方の糸束50の露出部分の中心部に衝突する。これにより、糸束50の露出部分は周囲へ均等に開く。この状態で溶着ヘッド42が下降を続け、周囲へ開いた糸束50を加工ベッド41に押し付ける。これにより、糸束50の露出部分は、図10に示すように、周囲へ完全に開き放射状になる。溶着ヘッド42の振動は糸束50の露出部分を周囲へ均等かつスムーズに開放するのに寄与する。
【0057】
溶着ヘッド42による糸束50の開放が終わると、その開いた糸束50が環状の糸押さえ47により固定される。糸押さえ47は、加工ベッド41の上方に溶着ヘッド42を取り囲むように同心配置されており、溶着ヘッド42とは独立に昇降駆動される。糸押さえ47の下面は、糸束50を美しく開かせるためにテフロンコーティング面47aとされ、摩擦係数を軽減されている。糸押さえ47の外周側には環状の切断刃48が取付けられている。切断刃48は、加工ベッド41の表面に設けられた環状凹部41cに対応している。したがって、糸押さえ48の下降により、糸束50が放射状に固定されると同時に、切断刃48により、その放射状の糸束50が所定外径に切断される。
【0058】
放射状に開いた糸束50の外径切断と並行して、溶着ヘッド42が放射状に開いた糸束50の中心部を加圧し、先端の環状の溶着面42bでその中心部を環状に溶着する。溶着を行いながら、溶着ヘッド42の内周縁部42aが加工ベッド41の環状刃部41aに向かって押圧されることにより、溶着部の内側が環状に熱切断され、その内側が除去される。ここで糸材はナイロン樹脂を主成分としている。このため、溶着と同時に溶融材料の一部が加工ベッド41の表面に設けられた凹部41bに流入する。かくして、環状コア部32の一方の表面に断面が半円形状の環状突起34が一体的に形成された放射状羽根30が製造される。
【0059】
本実施形態においては、このようにして糸束50から放射状羽根30が定位置で迅速に製造される。具体的には、糸束50の開放、固定、外径切断、中心部の環状溶着、溶着部内側の切除が定位置で連続的に行われ、特に糸束50の開放、中心部の環状溶着、溶着部内側の除去は、溶着ヘッド42により同時的に行われる。したがって、毛束50から放射状羽根30が特に高能率に製造される。
【0060】
加工ベッド41上で製造された放射状羽根30は、溶着部である環状コア部32の内側が除去されることにより糸束50から分離される。残った毛束50の先端部は溶着により余剰に固着している。溶着ヘッド42及び糸押さえ47が元の位置へ上昇すると、図11に示すように、別の糸上げチャック45により、糸束50が例えば2mmほど押し上げられ、先端の余剰溶着部52が水平方向のカッター46により除去される。これにより、糸束50の先端部がさばかれ、次の放射状羽根の製造に備える。切断された余剰溶着部52は、側方に設けられたエアブロー49により吸引される。溶着ヘッド42及び糸押さえ47が元の位置へ上昇すると、製造された放射状羽根30も解放され、前記エアブロー49により吸引される。
【0061】
これを繰り返すことにより、毛束50から放射状羽根30が高能率に連続製造される。製造された放射状羽根30から円筒状ブラシが製造され、360度歯ブラシに組立られることは前述したとおりである。
【0062】
図12は放射状羽根の別の例を示す断面図である。
【0063】
この放射状羽根30においては、環状コア部32の両方の表面に環状突起34,34が設けられている。環状コア部2の両面に環状突起34,34を設ける方法としては、加工ベッド41の表面に形成された環状凹部41bに対応する環状凹部を、溶着ヘッド42の環状の先端溶着面42bにも形成すればよい。これにより、環状コア部32の形成と同時に、その両面に環状突起34,34を形成することができる。
【0064】
この放射状羽根30を重ねて形成した円筒状ブラシにおいては、隣接する放射状羽根30,30の間で対向する環状突起34,34が重なり、スペーサが形成されることにより、軸方向における植毛密度が低下する。この場合の環状突起34の高さは、環状突起34を片面に設ける場合の1/2とすればよい。環状コア部32の両方の表面に環状突起34,34を設けた放射状羽根30は方向性がないので、円筒状ブラシへの組立の際の取扱が容易である。
【0065】
参考までに、放射状羽根30における糸材の太さ及び羽根径について説明する。一般の歯ブラシに使用されている糸材の太さは通常0.15〜0.2mmである。これに対し、本発明の360度型歯ブラシでは、ブラシヘッドの一方の側面で歯をブラッシングするとき、他方の側面で口腔粘膜がこすられる。このため、一般の歯ブラシに使用されている糸材より細い0.08〜0.14mm径の糸材が、本発明の放射状羽根における糸材としては好ましい。更に具体的に言うならば、普通の硬さのブラシとしては0.11〜0.14mm径の糸材が適当であり、歯茎や口腔にやさしい柔らかめのブラシとしては0.08〜0.10mm径の糸材が適当である。前述した太い糸材は前者であり、細い糸材は後者である。
【0066】
羽根径については、一般の歯ブラシのヘッド部の太さと同じ15〜18mmが使用感、ブラッシング性などの点から適当である。ブラシ部における糸材が長い大径羽根とブラシ部における糸材が短い小径羽根が混在したブラシヘッドの場合は、大径羽根の直径が通常径に相当し、小径羽根の直径はこれの0.8〜0.95倍が適当である。ここにおける径差が小さいと、径差を付与する意味が薄れる。径差が大きすぎる場合は短い糸材が歯茎に当たらなくなる。一つの放射状羽根のブラシ部において長い糸材と短い糸材が混在している場合も、この径差に準じる糸長差が望まれる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態を示す360度型歯ブラシの外観図である。
【図2】同360度型歯ブラシに使用されている円筒状ブラシの縦断側面図である。
【図3】同ブラシヘッドに使用されている放射状羽根の正面図及びA−A断面図である。
【図4】同円筒状ブラシの製造方法及び製造装置の説明図で、放射状羽根の積層工程を示す。
【図5】同円筒状ブラシの製造方法及び製造装置の説明図で、放射状羽根の加圧工程を示す。
【図6】同円筒状ブラシの製造方法及び製造装置の説明図で、放射状羽根の融着工程を示す。
【図7】同ブラシヘッドを用いて360度型歯ブラシを製造する場合の製造方法及び製造装置の説明図で、円筒状ブラシの固定工程を示す。
【図8】同ブラシヘッドを用いて360度型歯ブラシを製造する場合の製造方法及び製造装置の説明図で、円筒状ブラシの研磨工程を示す。
【図9】同放射状羽根の製造方法及び製造装置の説明図で開放工程を示す。
【図10】同放射状羽根の製造方法及び製造装置の説明図で溶着除去工程を示す。
【図11】同放射状羽根の製造方法及び製造装置の説明図で余剰溶着部の除去工程を示す。
【図12】放射状羽根の別の例を示す断面図である。
【図13】従来の放射状羽根の製造装置の説明図である。
【図14】従来装置による製造方法の説明図で開放工程を示す。
【図15】従来装置による製造方法の説明図で開放工程を示す。
【図16】従来装置による製造方法の説明図で溶着工程を示す。
【図17】従来装置による製造方法の説明図で除去工程を示す。
【符号の説明】
【0068】
10 ブラシハンドル
20 ブラシヘッド(円筒状ブラシ)
21 筒状コア
22 放射状羽根部
30 ディスク型放射状羽根
31 貫通孔
32 環状コア部
33 羽根部
34 突起
40 放射状羽根の製造装置
41 加工ベッド
42 溶着ヘッド
44,45 チャック
46 カッター
47 糸押さえ
48 切断刃
49 エアブロー
50 糸束
80 円筒状ブラシの製造装置
81 ベース
82 固定台
83 押さえプレート
84 ヒーター支持台
85 ワーク支持棒
87 ヒーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心部に設けられた筒状コア部と、その筒状コア部の中心線方向の一部全周から多数本の糸材が外周側へ放射状に延出して形成されており、且つ前記筒状コア部の中心線方向に所定間隔で設けられた複数のディスク型で放射状の羽根部とを有するボス付き一体型円筒状ブラシ。
【請求項2】
中心部に貫通孔が設けられており、その貫通孔の周囲に環状コア部が設けられると共に、その環状コア部の周囲全周から多数本の糸材が外周側へ放射状に延出したディスク型の放射状羽根を中心線方向に積層し、且つ各放射状羽根の環状コア部の少なくとも内面近傍を融着して筒状に一体化することにより形成された請求項1に記載のボス付き一体型円筒状ブラシ。
【請求項3】
前記放射状羽根は、前記環状コア部の一方の表面又は両方の表面に一体的に形成された突起を有する請求項2に記載のボス付き一体型円筒状ブラシ。
【請求項4】
隣接する放射状羽根の間にスペーサを有する請求項2に記載のボス付き一体型円筒状ブラシ。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載のボス付き一体型円筒状ブラシをブラシハンドルの先端部に装備してなる360度型歯ブラシ。
【請求項6】
中心部に貫通孔が設けられており、その貫通孔の周囲に環状コア部が設けられると共に、その環状コア部の周囲全周から多数本の糸材が外周側へ放射状に延出したディスク型の放射状羽根を中心線方向に積層する積層工程と、積層された複数枚の放射状羽根の環状コア部の少なくとも内面近傍を融着して筒状に一体化する融着工程とを含む円筒状ブラシの製造方法。
【請求項7】
前記融着工程においては、積層された複数枚の放射状羽根の中心貫通孔に棒状のヒーターを刺し通して、複数枚の放射状羽根の環状コア部を内側から加熱溶融することにより、筒状コア部を形成する請求項6に記載の円筒状ブラシの製造方法。
【請求項8】
棒状のヒーターを放射状羽根の中心貫通孔より大径として、筒状コア部を形成するための材料を確保する請求項7に記載の円筒状ブラシの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−44105(P2007−44105A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−229071(P2005−229071)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(504217144)株式会社樋口製作所 (9)
【出願人】(504075924)タイガー化成株式会社 (2)
【Fターム(参考)】