説明

ボックス用ホルダ

【課題】 ティッシュボックスに代表される各種のボックスに対して、小型で取り付けがしやすく、しかも安定した取り付け強度が得られるボックス用ホルダを提供する。
【解決手段】 断面略L字型の側壁部3とその端部を覆う上板部9及び下板部10で構成し、上板部9と下板部10の間隔はボックスTの側面の幅に沿うように形成され、上記側壁部3の一辺3a側には、押し込んだ状態でボックスTの側面に形成されている解体用切り込みKの上方に挿入可能で押し込みを解除すると該解体用切り込みKの下壁Mの内側に復元力で圧接する弾性舌片5が設けられ、他辺3b側には各種器材への取り付け部が形成されるボックス用ホルダ1とした。なお、取り付け部には磁石6等が用いられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティッシュ入りのボックスに代表される側面に解体用の切り込みが形成されている紙板製等のボックスを、冷蔵庫等の強磁性体製の被着物品や他の非磁性の物品等多くの被着物品に取り付けるのに適したボックス用ホルダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ティッシュボックス等に対する取り付け用としてのボックス用ホルダは多くの構造が知られていると共に多数出願されている。その内、ティッシュボックスの長手方向の側面を利用したものとしては特開平10−201659号公報に表されるように、ティッシュボックスの長手方向の寸法に一致、あるいは調整して一致させることのできる基片の両側端に側片を立設させ、そこに設けられた保持爪によりティッシュボックスを保持する構造や、特開2002−128163号公報に表されるような、ティッシュボックスの長手方向の両側面に形成される解体用穴に各々差し込む二つの鉤先部付きフックとその間を連結する基材を一体的に形成したティッシュケースホルダーが公知となっている。
【特許文献1】特開平10−201659号公報
【特許文献2】特開2002−128163号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これら従来の構成によると、前者はティッシュボックス側面を保持爪等を用いて押込んで取り付ける構造のため、確実な取り付け状態が判りにくくて不充分な取り付けとなったり、押込みすぎてティッシュボックスを潰すなどの不都合を生じやすく、後者はティッシュケースホルダーに一体的に構成された鉤先部付きフックをティッシュボックスの両側面に形成された解体用穴に強制的に差込むためティッシュボックスが損傷しやすく、更に長さの短いボックスには対応できないものであった。また、両者共にティシュボックスの長手方向の長さと略同一の基片または基材が構成されているため大型化し、梱包や収納性で不都合が生じるものであった。
そこで、本発明は小型で取り付け作業がしやすく、しかも安定した取り付け強度も得られるボックス用ホルダ提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記課題を解決するために、断面略L字型の側壁部とその端部を覆う上板部及び下板部で構成され、上板部と下板部の間隔はボックスの側面の幅に沿うように形成されており、側壁部の一片側には、押し込んだ状態でボックスの側面に形成されている解体用切り込みの上方に挿入可能で押し込みを解除すると解体用切り込みの下壁の内側に復元力で圧接する弾性舌片が切り込みを介して設けられ、他片側には各種器材への取り付け部が形成されているボックス用ホルダであって、側壁部の一片側の横方向には側壁部の他片側が折り曲げ自在に配置され、この側壁部の一片側上方向には上板部が下方向には下板部が夫々折り曲げ自在に延設状態で配置されており、上板部及び下板部における側壁部の他片側の端面を、側壁部の他片側の隣接する部位に嵌合させることにより立体的に組み立てて形成させたボックス用ホルダとすることで実施することができ、ボックスの解体用切り込みに簡単かつ確実に取り付けることができる。
なお、側壁部及び上板部並びに下板部が展開形状に構成されているので、未使用時には薄板状のものとして梱包することができるので、梱包作業性や収納性の優れたものになる。
【0005】
なお、この構成においては、上板部及び下板部における側壁部の他片側の端面の略中央には差し込み片が折り曲げ自在に突出して設けられ、側壁部の他片側の上方向及び下方向には、夫々折り曲げ自在な延設部が設けられると共にその折曲げ位置の略中央には夫々切り込みが設けられていて、この夫々の切り込み部に対して上板部及び下板部の差し込み片を嵌合可能させるのが好ましい形態となる。
【0006】
また、取り付け部に磁石を配置する構成にすると、コンパクトな形状となり、強磁性体物品に磁気吸着で簡単に取り付けることができる。
【0007】
本発明は、小型のボックスには片方の解体用切り込み部のみで対応できるが、長い幅を有するボックス等にはボックスの両側面に対応すべく、一対のボックス用ホルダで構成するようにしても良い。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、ティッシュボックス等のボックスの側面に形成された一つ毎の解体用切り込み部に取り付けるボックス用ホルダとしたため、取り付け作業がしやすく、取り付けも確実にできるため安定した取り付け強度を得ることができる。
従って、小型のボックスには一つの解体用切り込み部だけで対応することができる。また、ボックスの両側に設けられた解体用切り込み部を利用する場合でも、夫々の側面に一対のボックス用ホルダを取り付ければよいことになるため、ティッシュボックス等の長手方向全体を覆う長さは必要では無く、ボックス用ホルダを小型化させる利点がある。
また、展開形状に構成しているため、未使用時には薄板状とすることができるので、収納性に優れたものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明におけるボックス用ホルダは、ティッシュボックス等のボックスの側面にミシン目等で設けられた解体用切り込みを利用して取り付けることを特徴とするものであり、以下実施例に沿って詳細に説明する。
【0010】
図1(a)及び(b)と図2(a)及び(b)は、本発明の第1の実施例を示す。
【0011】
図1(a)の展開図に表されるように、本実施例においては、ボックス用ホルダ1の基材1aは厚さ約1〜1.5mm程度のプラスチック製薄板或いは厚紙製等の板状部材を用い、各部は2a,2b,2c,2d,2e,2f、2gに表す境界線の位置でヒンジ状に折り曲げ自在に構成されている。
【0012】
3aは側壁部3の一片であり中央部の境界線2c寄りに切り込み4により弾性舌片5が形成されている。なお、縦寸法はボックスの側面が挿入可能な値に設定されティシュボックス用の場合約12cm、横寸法は4cm程度となっている。
また、切り込み4の端部は図に表すように小孔状に仕上げられ繰り返し使用にも耐えられるようになっている。
【0013】
また、3bは側壁部3の他片であり、各種器材への取り付け部が形成される。本実施例においては、板状の磁石6がA―A拡大断面図である図1(b)に示すようにカシメ具7,7により取り付けられている。なお、板状の磁石6としてはハードフェライト粉末と有機高分子粘結材からなるボンド磁石等が用いられる。但し、磁石は図に示すような1枚の板状のものに限らず複数で構成してもよく、その場合は磁力の強い小型のネオジ磁石が好ましく用いられる。さらに、取り付け方法も接着等適宜の方法で行っても良い。
【0014】
8a,8bは側壁部の他片3bからの延設部であり、境界線2dと2eの間及び2fと2gの間には下述する差し込み片11a及び11bが挿入する切り込み12a,12bが形成されている。なお、これらの切り込み12a,12bの端部も図に表されるように小孔状に仕上げるのが好ましい。
【0015】
また、9は上板部、10は下板部であり夫々の端部には差し込み片11a,11bが設けられている。この差し込み片11a,11bの根元は半円形に切り欠くのが好ましく、この場合の幅寸法は上記の切り込み12a,12bの寸法と同等もしくは若干大きめに設定しておけば差し込み状態で上記半円形の切り欠きが抜け止めとして作用することになる。
【0016】
なお、各差し込み片及び切り込みは、本実施例に限らず適宜の位置や形状で実施しても良い。
【0017】
以上の構成からなるボックス用ホルダ1は、磁石6側を外面とするように折り曲げて、上板部9の差し込み片11aと下板部10の差し込み片11bを境界線2dと2eの間及び2fと2gの間に形成された切り込み12a,12bに差込むと図2(a)に示す斜視図のように組み上げることができる。また、この状態から磁石6の配置方向を変えずに縦方向に180度回転させると図2(b)に示すようにボックス用ホルダ1'は側壁部の一片3a'及び弾性舌片5'をボックス用ホルダ1の対称位置に配置することができるので、一対の同一形状品でボックスの両側の端面に対応させることができる。
【0018】
次に、本実施例におけるボックス用ホルダの取り付け方法及び作用について、ボックスの代表であるティッシュボックスを用いて説明する。
【0019】
ティッシュボックスTにおける長手方向の側面は、図3の取り付け前の斜視図に表すように上折り返し面Dと下折り返し面Eの端面を重ねてその間を接着にて固定するように形成されており、上折り返し面Dにおける下端中央部の下部に位置する下折り返し面Eに、ミシン目等で解体用切り込みKが形成されている。なお、この解体用切り込みKの形状は図示する円弧状以外のものもあるが、以下に示すボックス用ホルダ1の取り付けにおける作用は同じであるので説明は省略する。また、図中に示すPはティッシュ取り出し口である。
【0020】
そして、先ず、ティシュボックスTにおける一方の長手方向の側面側に、ボックス用ホルダ1をその上面部9及び下面部10が嵌入可能で、かつ、弾性舌片5がティシュボックスTの解体用切り込みKに対峙するように配置する。この時、図の想像線に示すようにティシュボックスTの解体用切り込みKの上壁Lは押し込まれて下壁Mと分離されるようにしておき、ボックス用ホルダ1の弾性舌片5も大きく押し込んだ状態にしておく。
【0021】
次に、ボックス用ホルダ1の弾性舌部5を押し込んだ状態でティシュボックスTの解体用切り込みKの上方に差し込んだ後、弾性舌片5の押し込みを解除すると、図4の取り付け状態の拡大断面図に表されるように弾性舌片5は元の状態に復元しようとする力が作用して、ティシュボックスTにおける解体用切り込みKの下壁Mの内面に圧接する。この時、ティシュボックスTの側面はボックス用ホルダ1の一片3aで移動不可能に保持されているので、ティシュボックスTの側面にはボックス用ホルダ1がその狭着力で取り付けられることになる。
【0022】
さらに、ティシュボックスTにおける長手方向の他方の側面側にも同様な手順でボックス用ホルダ1'を取り付ければ、図5に示す取り付け完了状態の斜視図の如く、ティシュボックスTの両側面にボックス用ホルダ1,1'が取り付けられる。この状態でボックス用ホルダ1,1'の磁石6,6'を図示しない強磁性体物品に近づければ磁気吸着力によりティシュボックスTを強磁性体物品に取り付けることができる。
【0023】
なお、ボックスが小型の場合は必ずしもボックス用ホルダをボックスの両側に用いる必要が無いことは言うまでもない。
【0024】
図6は、本発明の参考例を示す。
この参考例は、第1の実施例が展開形状であったのに換え、最初から仕上がり状態になるよう一体成形されたものである。即ち、図6(a)の斜視図に表されるようにボックス用ホルダ21における基材22は、厚さ2mm程度のプラスチック等の材料が使用され側壁部23及び上板部24並びに下板部25が一体的に成形されている。そして、B−B拡大断面図である図6(b)に表されるように、側壁部23の一片23aには、切り欠き溝26を介して弾性舌片27が形成され、他片23bには磁石28が接着等により取り付けられている。この実施例においてはヒンジ要素が無いため、高硬度の材料を使うことができて堅牢なものとすることができると共に一体成形品であるため自由な形状を採用することができ、特に弾性舌片27の形状については曲げや耐久性に適した湾曲形状等を採用できる利点がある。
【0025】
なお、本発明における各種器材への取り付け構造はこれまで述べた磁石以外でも変形して実施することができる。例えば、磁石に換えて両面粘着テープ等による接着構造で実施しても良いし、図7(a)に表すように側壁部の他片33bに切り欠き部34を設けて、同部に、図示しない各種器材に形成された鉤状の突起物を引っ掛けることによる取り付け構造としても良い。また、図7(b)に表すような吸盤36を図7(c)の断面図に示すように他片33bに取り付ければ吸盤による吸着力で取り付けることもできる。この時、上記切り欠き部34を図7(a)で表すような略瓢箪型切り欠き部35に形成しておけば吸盤36は着脱自在となるため、引っ掛け及び吸着の両構造を実施できることになる。
【0026】
さらに、図8に示すように磁石48を有する取り付け部43の上部及び下部に略瓢箪型切り欠き部45,45に形成すれば、磁気吸着、引っ掛け、吸着の3種類の取り付け構造を実施することもできる。なお、この略瓢箪型切り欠き部45は同一のボックス用ホルダを二つで一対の使用を前提として上部及び下部に夫々設けたが、異なるボックス用ホルダで一対を構成する場合は、上部1箇所で行ってよいことは自明である。
【0027】
本発明は、ティッシュボックスに使用することを主体に説明したが、それ以外でも、側面に孔部が形成された或いは形成することのできるボックスであれば良く、同様な構成から成るティッシュ以外の収納品用のボックス、薄板樹脂を紙同様に仕上げたボックス等、各種のボックスに使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による第1の実施例を表し、(a)は展開図、(b)はA−A拡大断面図を示す。
【図2】本発明による第1の実施例における組み立て状態の斜視図を表し、(a)は図1を手順どおり組み立てた場合、(b)は(a)における磁石の配置方向を同一として180度回転した状態を示す。
【図3】本発明による第1の実施例におけるティッシュボックスに対するボックス用ホルダの取り付け前の斜視図を示す。
【図4】本発明による第1の実施例におけるティッシュボックスに対するボックス用ホルダの取り付け状態を表す拡大断面図を示す。
【図5】本発明による第1の実施例におけるティッシュボックスに対するボックス用ホルダの取り付け完了状態を表す斜視図を示す。
【図6】本発明の参考例を表し、(a)は斜視図、(b)はB−B拡大断面図を示す。
【図7】本発明による取り付け構造の変形例を表し、(a)は切り欠き部形状を表す側壁部他片の略図、(b)は吸盤の斜視図、(c)は吸盤取り付け状態の中央断面図を示す。
【図8】本発明による取り付け構造の他の変形例を表す、側壁部他辺の正面図を示す。
【符号の説明】
【0029】
T ティッシュボックス
k 解体用切り込み
L 上壁
M 下壁
1、1'ボックス用ホルダ
1a 基材
2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g 境界線
3 側壁部
3a 一片
3b 他片
4 切り込み
5 弾性舌片
6 磁石
7 カシメ具
8a、8b 延設部
9 上板部
10 下板部
11a、11b 差し込み片
12a、12b 切り込み
21 ボックス用ホルダ
22 基材
23 側壁部
23a 一片
23b、33b、43b 他片
24 上板部
25 下板部
26 切り欠き溝
27 弾性舌片
28、48 磁石
34 切り欠き部
35、45 略瓢箪型切り欠き部
36 吸盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面略L字型の側壁部とその端部を覆う上板部及び下板部で構成され、上記上板部と上記下板部の間隔はボックスの側面の幅に沿うように形成されており、上記側壁部の一片側には、押し込んだ状態でボックスの側面に形成されている解体用切り込みの上方に挿入可能で押し込みを解除すると該解体用切り込みの下壁の内側に復元力で圧接する弾性舌片が切り込みを介して設けられ、他片側には各種器材への取り付け部が形成されているボックス用ホルダであって、
上記側壁部の一片側の横方向には上記側壁部の他片側が折り曲げ自在に配置され、該側壁部の一片側上方向には上記上板部が下方向には上記下板部が夫々折り曲げ自在に延設状態で配置されており、
上記上板部及び上記下板部における上記側壁部の他片側の端面を、上記側壁部の他片側の隣接する部位に嵌合させることにより立体的に組み立てて形成させたことを特徴とするボックス用ホルダ
【請求項2】
上記上板部及び上記下板部における上記側壁部の他片側の端面の略中央には差し込み片が折り曲げ自在に突出して設けられ、
上記側壁部の他片側の上方向及び下方向には、夫々折り曲げ自在な延設部が設けられると共にその折曲げ位置の略中央には夫々切り込みが設けられていて、該夫々の切り込み部に対して上記上板部及び上記下板部の差し込み片を嵌合可能としたことを特徴とする請求項1に記載のボックス用ホルダ
【請求項3】
取り付け部は磁石が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のボックス用ホルダ
【請求項4】
ボックスの両側面に対応すべく、一対のボックス用ホルダで構成することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のボックス用ホルダ

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−89141(P2006−89141A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−356080(P2005−356080)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【分割の表示】特願2002−261169(P2002−261169)の分割
【原出願日】平成14年9月6日(2002.9.6)
【出願人】(000110893)ニチレイマグネット株式会社 (24)
【Fターム(参考)】