説明

ボトム衣類

【課題】開き部を使用した男性器の出し入れを容易にすると共に、小用時における男性器に対する圧迫を低減することが可能なボトム衣類を提供する。
【解決手段】男性用パンツ1では、第1本体布20における第1前側端部22の上端22aが、ウエスト部10と離隔し、第1本体布20と同等以上の伸縮性を有する第1連結部27を介してウエスト部10に縫着されている。また、重なり部50の少なくとも一部において、第2本体布30における第2上端部31の一部又は全部が、第2本体布30における第2前側端部32の上端32aから前面の中心L1側方向にウエスト部10まで延在し、ウエスト部10と離隔する離隔端部21bとして形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボトム衣類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
着用者が、脱がずに小用を足すことができるように、フロント部において2枚の布を重ね合わせた重なり部を備え、当該重なり部における側端の開き部から着用者の男性器を出し入れ可能なボトム衣類がある。このようなボトム衣類として、例えば、特許文献1に開示されるようなブリーフや、特許文献2に開示されるようなパンツがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−33907号公報
【特許文献2】実開平7−15011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のボトム衣類においては、外側に配置される外側布と、これに重なり合う肌側布との両方を引っ張って開き部を開口させ、男性器を取り出す必要があるので手間な場合がある。また、開き部において十分な開きが確保されない場合には、開き部から男性器を出し難いだけでなく、小用時には男性器を圧迫し排尿を止めてしまう場合がある。このため、開き部があるにもかかわらずウエスト部を下げて男性器の出し入れをしたり、ボトム衣類の裾部から男性器を出し入れしたりすることが行われている。
【0005】
本願発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、開き部を使用した男性器の出し入れを容易にすると共に、小用時における男性器に対する圧迫を低減することが可能なボトム衣類を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のボトム衣類は、着用時に外側に配置される外側布及び肌側に配置される肌側布の少なくとも一部が互いに重なる重なり部を前面の一部に備え、当該重なり部における外側布の側端部と肌側布との間に形成される開き部から着用者の男性器を出し入れ可能なボトム衣類であって、外側布における側端部の上端は、ウエスト部と離隔し、当該外側布と同等以上の伸縮性を有する連結部を介してウエスト部に縫着されており、重なり部の少なくとも一部において、外側布における上端部の一部又は全部は、外側布における側端部の上端から前面の中心側方向にウエスト部まで延在し、ウエスト部と離隔する離隔端部として形成されていることを特徴としている。
【0007】
このボトム衣類によれば、重なり部における少なくとも一部において、外側布における上端部の一部又は全部がウエスト部と離隔され、外側布における側端部の上端は、連結部を介してウエスト部に縫着されている。このため、外側布には、着用者が開き部を開ける際に引っ張る部分とウエスト部との間に、連結部とウエスト部と離隔端部とによって囲まれる開口部が形成される。開口部が形成された外側布は、この部分に開口部が形成されない布に比べて、外側布における側端部を持って着用者の胴体横もしくは、斜め前方向へ引っ張ったときの抵抗が小さくなる。これにより、外側布の側端部を着用者の胴体横もしくは、斜め前方向に引っ張ることが容易となり、男性器の通路となる開き部を大きく形成することができる。この結果、大きく開いた開き部から男性器の出し入れが容易になると共に、小用時における男性器に対する圧迫を低減することが可能となる。
【0008】
本発明のボトム衣類では、重なり部において、外側布における上端部は、離隔端部と、ウエスト部に縫着される縫着部とによって形成することができる。すなわち、重なり部の一部において、外側布における上端部の一部がウエスト部と離隔されている構成とすることができる。
【0009】
本発明のボトム衣類では、外側布における側端部の上端の位置は、上下方向において開き部の中心位置よりもウエスト部に近い上側とすることができる。このボトム衣類によれば、着用者が開き部を開ける際に開き部を大きく形成するのに好ましい、開き部の上下方向の中心位置付近を引っ張ることができる。
【0010】
本発明のボトム衣類は、着用時に外側に配置される外側布及び肌側に配置される肌側布の少なくとも一部が互いに重なる重なり部を前面の一部に備え、当該重なり部における外側布の側端部と肌側布との間に形成される開き部から着用者の男性器を出し入れ可能なボトム衣類であって、肌側布における側端部の上端は、ウエスト部と離隔し、当該肌側布と同等以上の伸縮性を有する連結部を介してウエスト部に縫着されており、重なり部の少なくとも一部において、肌側布における上端部の一部又は全部は、肌側布における側端部の上端から前面の中心側方向にウエスト部まで延在し、ウエスト部と離隔する離隔端部として形成されていることを特徴としている。
【0011】
このボトム衣類によれば、重なり部における少なくとも一部において、肌側布における上端部の一部又は全部がウエスト部と離隔され、肌側布における側端部の上端は、連結部を介してウエスト部に縫着されている。このため、肌側布には、着用者が開き部を開ける際に引っ張る部分とウエスト部との間に、連結部とウエスト部と離隔端部とによって囲まれる開口部が形成される。開口部が形成された肌側布は、この部分に開口部が形成されない布に比べて、開き部から手を入れ、肌側布における側端部を持って着用者の胴体横もしくは、斜め前方向へ引っ張ったときの抵抗が小さくなる。これにより、肌側布の側端部を着用者の胴体横もしくは、斜め前方向に引っ張ることが容易となり、男性器の通路となる開き部を大きく形成することができる。この結果、大きく開いた開き部から男性器の出し入れが容易になると共に、小用時における男性器に対する圧迫を低減することが可能となる。
【0012】
本発明のボトム衣類では、重なり部において、肌側布における上端部は、離隔端部と、ウエスト部に縫着される縫着部とによって形成することができる。すなわち、重なり部の一部において、肌側布における上端部の一部がウエスト部と離隔されている構成とすることができる。
【0013】
本発明のボトム衣類では、肌側布における側端部の上端の位置は、上下方向において開き部の中心位置よりもウエスト部に近い上側とすることができる。このボトム衣類によれば、着用者が肌側布における側端部を引っ張るのに好ましい、開き部の上下方向の中心位置付近を引っ張ることができる。
【0014】
本発明のボトム衣類は、着用時に外側に配置される外側布及び肌側に配置される肌側布の少なくとも一部が互いに重なる重なり部を前面の一部に備え、当該重なり部における外側布の側端部と肌側布との間に形成される開き部から着用者の男性器を出し入れ可能なボトム衣類であって、外側布における側端部の上端は、ウエスト部と離隔し、当該外側布と同等以上の伸縮性を有する第1連結部を介してウエスト部に縫着されており、外側布における上端部の一部は、重なり部の少なくとも一部において、外側布における側端部の上端から前面の中心側方向にウエスト部まで延在し、ウエスト部と離隔する第1離隔端部として形成されており、肌側布における側端部の上端は、ウエスト部と離隔し、当該肌側布と同等以上の伸縮性を有する第2連結部を介してウエスト部に縫着されており、肌側布における上端部の一部は、重なり部の少なくとも一部において、肌側布における側端部の上端から前面の中心側方向にウエスト部まで延在し、ウエスト部と離隔する第2離隔端部として形成されていることを特徴としている。
【0015】
このボトム衣類によれば、重なり部における少なくとも一部において、外側布における上端部の一部又は全部がウエスト部と離隔され、外側布における側端部の上端は、連結部を介してウエスト部に縫着されている。このため、外側布には、着用者が開き部を開ける際に引っ張る部分とウエスト部との間に、第1連結部とウエスト部と第1離隔端部とによって囲まれる開口部が形成される。開口部が形成された外側布は、この部分に開口部が形成されない布に比べて、外側布における側端部を持って着用者の胴体横もしくは、斜め前方向へ引っ張ったときの抵抗が小さくなる。これにより、外側布の側端部を着用者の胴体横もしくは、斜め前方向に引っ張ることが容易となり、男性器の通路となる開き部を大きく形成することができる。
【0016】
さらに、このボトム衣類においては、外側布と同様に、肌側布には、着用者が開き部を開ける際に引っ張る部分とウエスト部との間に、第2連結部とウエスト部と第2離隔端部とによって囲まれる開口部が形成される。開口部が形成された肌側布は、この部分に開口部が形成されない布に比べて、開き部から手を入れ、肌側布における側端部を持って着用者の胴体横もしくは、斜め前方向への引っ張ったときの抵抗が小さくなる。これにより、肌側布の側端部を着用者の胴体横もしくは、斜め前方向に引っ張ることが容易となり、男性器の通路を大きく形成することができる。この結果、大きく開いた開き部から男性器の出し入れがより容易になると共に、小用時における男性器に対する圧迫をより低減することが可能となる。
【0017】
本発明のボトム衣類では、重なり部において、外側布における上端部は、第1離隔端部と、ウエスト部に縫着される第1縫着部とによって形成することができる。すなわち、重なり部の一部において、外側布における上端部の一部がウエスト部と離隔されている構成とすることができる。
【0018】
本発明のボトム衣類では、重なり部において、肌側布における上端部は、第2離隔端部と、ウエスト部に縫着される第2縫着部とによって形成することができる。すなわち、重なり部の一部において、肌側布における上端部の一部がウエスト部と離隔されている構成とすることができる。
【0019】
本発明のボトム衣類では、第1連結部とウエスト部と第1離隔端部とによって形成される開口部の形状と、第2連結部とウエスト部と第2離隔端部とによって形成される開口部の形状とは、前面の中心線に対して左右対称とすることができる。
【0020】
このボトム衣類によれば、外側布に形成される開口部の形状と、肌側布に形成される開口部の形状とが左右対称に形成されているので、外側布と肌側布とは均等に伸びる。これにより、着用時には、偏った圧迫のない自然な状態で男性器を保持することが可能となる。
【0021】
本発明のボトム衣類は、外側布における側端部の上端の位置は、上下方向において開き部の中心位置よりもウエスト部に近い上側とすることができる。このボトム衣類によれば、着用者が開き部を開ける際に開き部を大きく形成するのに好ましい、開き部の上下方向の中心位置付近を引っ張ることができる。
【0022】
このボトム衣類によれば、肌側布における側端部の上端の位置は、上下方向において開き部の中心位置よりもウエスト部に近い上側とすることができる。このボトム衣類によれば、着用者が肌側布における側端部を引っ張るのに好ましい、当該側端部の上下方向の中心位置付近を引っ張ることができる。
【発明の効果】
【0023】
このボトム衣類によれば、開き部を使用した男性器の出し入れを容易にすると共に、小用時における男性器に対する圧迫を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係る男性用パンツを前面側から示す正面図である。
【図2】図1の男性用パンツを背面側から示す背面図である。
【図3】図1の男性用パンツの着用者が開き部を開けた際の上方向から見た前面の一部を拡大した一部拡大図である。
【図4】本発明の他の一実施形態に係る男性用パンツを前面側から示す正面図である。
【図5】本発明の更なる他の一実施形態に係る男性用パンツを前面側から示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付すこととする。
【0026】
図1は本発明の一実施形態に係る男性用パンツを前面側から示す正面図、図2は図1の男性用パンツを背面側から示す背面図、図3は図1の男性用パンツの着用者が開き部を開けた際の上方向から見た前面の一部を拡大した図である。なお、本実施形態において説明のために使用する「前面」とは、着用状態において着用者の胴体の前中心線L1を中心とする左脇線L2から右脇線L3までの範囲をいい、「背面」とは、着用状態において着用者の胴体の後中心線L4を中心とする左脇線L2から右脇線L3までの範囲をいう。また、本実施形態における「左右方向」は、特に断りのない場合、図1の前面側からみた左右方向として説明する。なお、説明中「上」、「下」等の方向を示す語は、図面に示された状態に基づいた便宜的な語である。
【0027】
図1〜図3に示すパンツ(ボトム衣類)1は、陰茎(男性器)を出し入れ可能な開き部51が前面に設けられたボクサータイプ(フィットタイプ)の男性用パンツであり、ウエスト部10と、第1本体布(外側布)20と、第2本体布(肌側布)30と、クロッチ布40とを備えている。
【0028】
ウエスト部10は、着用状態において着用者のウエストラインに位置する帯状の部材であり、第1本体布20及び第2本体布30の縫着部21a,31aに沿って延びている。ウエスト部10は、第1本体布20及び第2本体布30の縫着部21a,31aに縫着されている。ウエスト部10に用いる部材としては、ゴム等を含む伸縮性のあるテープ等を例示することができる。
【0029】
第1本体布20及び第2本体布30は、着用状態において着用者の腹部、臀部及び大腿部を覆う部分である。第1本体布20と第2本体布30とは、前面の一部において互いに重なる重なり部50を有している。第1本体布20及び第2本体布30に用いる素材としては、伸縮性を有するベア天竺、ツーウェイトリコット、ツーウェイラッセル等を使用することが好ましい。
【0030】
第1本体布20は、図1に示すように、重なり部50において第2本体布30の外側に配置されている。第1本体布20は、第1本体布20の上端である第1上端部21と、第1本体布20の前面における側端である第1前側端部(外側布における側端部)22と、第1本体布20の背面における側端である第1後側端部23(図2参照)と、第1本体布20の下端である第1下端部24とを有している。
【0031】
第1上端部21は、ウエスト部10に縫着される第1縫着部21aと、ウエスト部10と縫着されないでウエスト部10と離隔して延在する第1離隔端部(外側布における離隔端部)21bとを有している。第1縫着部21aは、前中心線L1から右脇線L3を経て、図2に示すように後中心線L4まで延在する。図1に戻り、第1離隔端部21bは、後述する第1本体布20における第1前側端部22の上端22aから右斜め上方向に向かってウエスト部10における前中心線L1まで延在する。第1離隔端部21bは、伸縮性のあるテープ状部材25が縫着、接着等されている。第1離隔端部21bに設けられる素材としては、第1離隔端部21bの長さ方向において第1本体布20と同程度以上の伸縮性を有するテープ状部材を用いることが好ましい。
【0032】
第1前側端部22における上端22aは、ウエスト部10と離隔しており、後述する第1連結部27を介してウエスト部10に縫着されている。第1前側端部22における下端22bは、第2本体布30及びクロッチ布40に縫着されている。第1前側端部22には、伸縮性のあるテープ状部材26が縫着、接着等されている。第1前側端部22に設けられる素材としては、第1前側端部22の長さ方向において第1本体布20と同程度以上の伸縮性を有するテープ状部材を用いることが好ましい。
【0033】
第1後側端部23は、図2に示すように、背面における後中心線L4に沿って後述する第2後側端部33と縫着されている。
【0034】
図1に戻り、第1下端部24は、着用状態において着用者の股部分を覆うクロッチ布40に縫着される(一部は第2本体布30にも縫着される)股部24aと、下端を折り返して縫着される裾部24bとを有している。
【0035】
第1連結部27は、第1前側端部22の上端22aとウエスト部10とを繋ぐ部材であって、第1前側端部22に設けられているテープ状部材26をそのまま延長することによって形成されている。第1連結部27は、第1前側端部22の長さ方向において第1本体布20と同等以上の伸縮性を有していることが好ましい。第1連結部27は、上述したように第1前側端部22に設けられるテープ状部材26と一体的に形成されていてもよいし、第1前側端部22の上端22aとウエスト部10とを繋ぐ別部材として形成されてもよい。この場合、第1連結部27は、上下方向に延びるテープ状部材として形成されることが好ましい。
【0036】
以上に述べた構成のパンツ1において、重なり部50における第1前側端部22と第2本体布30との間に、着用者の陰茎を出し入れ可能な開き部が形成される。
【0037】
本実施形態のパンツ1は、図1に示すように、第1前側端部22の上端22aがウエスト部と離隔し、第1連結部27を介してウエスト部10に縫着されている点と、重なり部50の一部において、第1上端部21の一部である第1離隔端部21bが、第1前側端部22の上端22aから前中心線L1側方向にウエスト部10まで延在し、ウエスト部10と縫着されないで離隔している点とに特徴を有する。以下、本実施形態のパンツ1が、上記特徴を有することによる作用効果について詳細に説明する。
【0038】
上記特徴を有することにより、重なり部50において第1本体布20には、着用者が開き部51を開ける際に引っ張る部分(第1前側端部22の一部22c)とウエスト部10との間に、第1連結部27とウエスト部10と第1離隔端部21bとによって囲まれる開口部60が形成される。第1本体布20には、このような開口部60が形成されるので、第1本体布20は、開口部60が形成されていない場合と比べると引っ張りに対する抵抗が小さくなる。これにより、着用者が開き部51を利用して陰茎を出し入れする際に、第1本体布20を、例えば図3の矢印方向に示される胴体斜め前方向に引っ張ることが容易となり、開き部51における開きを大きく確保することができる。この結果、開き部51から陰茎を出し入れすることが容易となる。
【0039】
また、開き部51における開きを大きく確保することができるので、小用時に、開き部51を形成する第1前側端部22によって陰茎の下部にある尿道が圧迫されることが低減される。この結果、着用者は、快適に排尿をすることができる。
【0040】
また、第1前側端部22の上端22aの位置は、図1に示すように、上下方向における開き部51の中心位置よりもウエスト部10に近い上側にあることが好ましい。また、第1前側端部22における上端22aのウエスト部10からの距離が、開き部51の上下方向における長さの3分の1ぐらいであることがさらに好ましい。なぜなら、着用者が開き部51を開口する際に指で掴む第1前側端部22の位置は、一般的に、上下方向における開き部51の中心位置近傍であることが多い。第1前側端部22の上端22aの位置を、上下方向における開き部51の中心位置よりも上側に設けることによって、着用者が指で掴む開き部51の位置22cとウエスト部10との間に確実に開口部60が形成される。また、開き部51を大きく形成するのに好ましい、第1前側端部22の上下方向における中心位置付近を引っ張ることができる。
【0041】
第2本体布30は、図1に示すように、重なり部50において第1本体布20の肌側に配置されている。第2本体布30は、第2本体布30の上端である第2上端部31と、第2本体布30の前面における側端である第2前側端部(肌側布における側端部)32と、第2本体布30の背面における側端である第2後側端部33(図2参照)と、第2本体布30の下端である第2下端部34とを有している。
【0042】
第2上端部31は、ウエスト部10に縫着される第2縫着部31aと、ウエスト部10と縫着されないでウエスト部10と離隔して延在する第2離隔端部(肌側布における離隔端部)31bとを有している。第2縫着部31aは、前中心線L1から左脇線L2を経て、図2に示すように後中心線L4まで延在する。図1に戻り、第2離隔端部31bは、後述する第2本体布30における第2前側端部32の上端32aから左斜め上方向に向かってウエスト部10における前中心線L1まで延在する。第2離隔端部31bには、伸縮性のあるテープ状部材35が縫着、接着等されている。第2離隔端部31bに設けられる素材としては、第2離隔端部31bの長さ方向において第2本体布30と同程度以上の伸縮性を有するテープ状部材を用いることが好ましい。
【0043】
第2前側端部32における上端32aは、ウエスト部10と離隔しており、後述する第2連結部37を介してウエスト部10に縫着されている。第2前側端部32における下端32bは、第1本体布20及びクロッチ布40に縫着されている。第2前側端部32には、伸縮性のあるテープ状部材36が縫着、接着等されている。第2前側端部32に設けられる素材としては、第2前側端部32の長さ方向において第2本体布30と同程度以上の伸縮性を有するテープ状部材を用いることが好ましい。
【0044】
第2後側端部33は、図2に示すように、背面における後中心線L4に沿って前述した第1後側端部23と縫着されている。
【0045】
図1に戻り、第2下端部34は、着用状態において着用者の股部分を覆うクロッチ布40に縫着される(一部は第1本体布20にも縫着される)股部34aと、下端を折り返して縫着される裾部34bとを有している。
【0046】
第2連結部37は、第2前側端部32の上端32aとウエスト部10とを繋ぐ部材であって、第2前側端部32に設けられているテープ状部材36をそのまま延長することによって形成されている。第2連結部37は、第2前側端部32の長さ方向において第2本体布30と同等以上の伸縮性を有していることが好ましい。第2連結部37は、上述したように第2前側端部32に設けられるテープ状部材36と一体的に形成されていてもよいし、第2前側端部32の上端32aとウエスト部10とを繋ぐ別部材として形成されてもよい。この場合、第2連結部37は、上下方向に延びるテープ状部材として形成されることが好ましい。
【0047】
本実施形態のパンツ1は、第2前側端部32の上端32aがウエスト部10と離隔しており、第2連結部37を介してウエスト部10に縫着されている点と、重なり部50の一部において、第2上端部31の一部である第2離隔端部31bが、第2前側端部32の上端32aから前中心線L1側方向にウエスト部10まで延在し、ウエスト部10と縫着されないで離隔している点とに更に特徴を有する。以下、本実施形態のパンツ1が、上記特徴を有することによる作用効果について詳細に説明する。
【0048】
上記特徴を有することにより、重なり部50において第2本体布30には、着用者が開き部51を利用して陰茎を出し入れする際に、開き部51から手を入れて引っ張る部分(第2前側端部32の一部32c)とウエスト部10との間に、第2連結部37とウエスト部10と第2離隔端部31bとによって囲まれる開口部80が形成される。第2本体布30には、このような開口部80が形成されるので、第2本体布30は、開口部80が形成されていない場合と比べると引っ張りに対する抵抗が小さくなる。これにより、開き部51を利用して陰茎を出し入れする際に、図3に示すように、左手で第1前側端部22の一部22cを引っ張り、大きく形成された第1前側端部22と第2本体布30との間に右手を入れて第2前側端部32の一部32c(図1参照)を掴み、陰茎の取り出しに支障とならない例えば図3における右方向に、第2前側端部32を動かすことが容易となる。
【0049】
また、第2前側端部32の上端32aの位置は、図1に示すように、上下方向における開き部51の中心位置よりもウエスト部10に近い上側にあることが好ましい。また、第2前側端部32の上端32aのウエスト部10からの距離が、開き部51の上下方向における長さの3分の1ぐらいであることがさらに好ましい。なぜなら、着用者が開き部51を開口する際に、開き部51から手を入れて指で掴む第2前側端部32の位置は、一般的に、上下方向における開き部51の中心位置近傍であることが多い。第2前側端部32の上端32aの位置を、上下方向における開き部51の中心位置よりも上側に設けることによって、着用者が指で掴む第2前側端部32の位置32cとウエスト部10との間に確実に開口部80が形成される。また、第2前側端部32を引っ張るのに好ましい、第2前側端部32の上下方向における中心位置付近を引っ張ることができる。
【0050】
次に、上記のように構成された男性用パンツ1の着用者が、開き部51を使って陰茎を出し入れする際の作用効果について、図3を用いて説明する。
【0051】
着用者が、陰茎を出し入れする際には、図3に示すように、まず、開き部51の上下方向における中央部付近(第1前側端部22の一部22c)を左手の指で掴んで、第1本体布20を胴体斜め前方向(図3に示す矢印方向)に引っ張る。本実施形態のパンツ1においては、第1本体布20において、着用者が左手の指で掴む第1前側端部の中央部付近(第1前側端部22の一部22c)とウエスト部10との間に上述したような開口部60が形成されているので、開口部60のない布に比べて引っ張りに対する抵抗が小さい。これにより、第1前側端部22を引っ張って開き部51を大きく開くことができる。また、第1前側端部22と第2本体布30との間に右手を入れやすくなり、第2前側端部32(図1参照)を掴みやすくなる。
【0052】
次に、着用者は、大きく開かれた開き部51から右手を入れ、図1に示す第2前側端部(第2前側端部32の一部32c)を右手の指で掴んで、第2前側端部32を開き部51から陰茎が出し入れするのに支障のない方向(例えば、図3に示す右方向や右下方向)に引っ張る。本実施形態のパンツ1では、第2本体布30において、着用者が右手の指で掴む第2前側端部32の一部分32cとウエスト部10との間に、上述したような開口部80が形成されているので、開口部80のない布に比べて引っ張りに対する抵抗が小さい。これにより、第2前側端部32を陰茎の出し入れに支障がない位置にまで容易に大きく動かすことができる。
【0053】
このように、本実施形態のパンツ1では、開き部51を大きく開けることが可能になると共に、第2前側端部32を陰茎の出し入れに支障がない位置にまで容易に大きく動かすことが可能となる。このため、第1本体布20と第2本体布30との間に、陰茎を出し入れするための通路となる空間が大きく確保される。この結果、着用者は、陰茎を出し入れすることが容易になると共に、小用時に、第1前側端部22によって陰茎の下部の尿道が圧迫されるようなことが低減され、快適に排尿をすることができる。
【0054】
また、上記実施形態のパンツ1では、図1に示すように、第1本体布20及び第2本体布30に開口部60,80がそれぞれ形成されるので、第1本体布20及び第2本体布30が着用状態において下方向に伸びやすくなっている。このため、男性器の一部である陰嚢を直接保持する第2本体布30及び外側から支持する第1本体布20は、陰嚢を圧迫のない状態で保持することが可能となる。
【0055】
さらに、上記実施形態のパンツ1では、図1に示すように、開口部60と開口部80とが、前中心線L1を軸として左右対称な形状に形成されている。これにより、第1本体布20及び第2本体布30は、同等の伸縮性を有することとなり、下及び横方向に向けて均等に伸びるようになる。この結果、第1本体布20及び第2本体布30は、陰嚢を圧迫のない自然な状態で保持することが可能となる。
【0056】
また、上記実施形態のパンツ1では、上述したような開口部60が形成されているので、着用者が第1前側端部(第1前側端部22の一部22c)を指で掴んで引っ張ったとしても、これに連動してウエスト部10が引っ張られる量は少なくなる。これにより、着用者が、排尿時に開き部51を使用して陰茎を取り出したとしても、ウエスト部10がずり下がりにくくなり、シャツ等が着崩れにくくなる。このことは、着用者が第2前側端部32の一部分32cを指で掴んで引っ張ったときも同様である。
【0057】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0058】
上記実施形態のパンツ1においては、第1本体布20及び第2本体布30の両方にそれぞれ第1離隔端部21b及び第1連結部27、第2離隔端部31b及び第2連結部37が形成されている例を挙げて説明したがこれに限定されるものではなく、第1本体布20及び第2本体布30の少なくとも一方に、第1離隔端部21b及び第1連結部27、又は第2離隔端部31b及び第2連結部37が形成されていればよい。
【0059】
例えば、図4に示すように、第1本体布20にのみ第1離隔端部21b及び第1連結部27が形成されるような構成のパンツ(ボトム衣類)2であってもよい。図4に示すパンツ2は、第1前側端部22の上端22aがウエスト部10と離隔し、第1連結部27を介してウエスト部10に縫着されている点と、重なり部50の全部において、第1上端部21の全部である第1離隔端部21bが、第1前側端部22の上端22aから前中心線L1側方向にウエスト部10まで延在し、ウエスト部10と縫着されないで離隔している点とに特徴を有する。第1連結部27は、第1前側端部22に設けられているテープ状部材26をそのまま延長することによって形成されている。この場合であっても、第1連結部27とウエスト部10と第1離隔端部21bとによって囲まれる開口部60Aが形成される。したがって、上記パンツ1と同様に、第1前側端部22を、大きく斜め前方向へ引っ張ることが容易となり、陰茎の通路となる開き部51を大きく形成することができる。この結果、開き部51を使用した陰茎の出し入れが容易になると共に、小用時における陰茎に対する圧迫を低減することが可能となる。
【0060】
図示は省略するが、図4に示す第1本体布20の構成を第2本体布30にのみ適用した場合、すなわち、第2本体布30にのみ第2離隔端部31b及び第2連結部37が形成されていてもよく、この場合も同様の効果を得ることができる。
【0061】
また、例えば、図5に示すように、第2本体布30にのみ、第2離隔端部31b及び第2連結部37が形成されるような構成のパンツ(ボトム衣類)3であってもよい。図5に示すパンツ3は、第2前側端部32の上端32aがウエスト部10Aと離隔し、第2連結部37を介してウエスト部10Aに縫着されている点と、重なり部50の一部において、第2上端部31の一部である第2離隔端部31bが、第2前側端部32の上端32aから前中心線L1側方向にウエスト部10Aまで延在し、ウエスト部10Aと縫着されないで離隔している点とに特徴を有する。第2連結部37は、第2前側端部32に設けられているテープ状部材36をそのまま延長することによって形成されている。この場合であっても、第2連結部37とウエスト部10Aと第2離隔端部31bとによって囲まれる開口部80Aが形成される。したがって、上記パンツ1と同様に、第2前側端部(第2前側端部32の一部32c)を掴み、例えば第2前側端部32を開き部51のある方向に引っ張って、陰茎を開き部51から出し入れするのに支障がない位置にまで動かすことが容易となる。この結果、開き部51を使用した陰茎の出し入れが容易になると共に、小用時における陰茎に対する圧迫を低減することが可能となる。
【0062】
また、図示はしないが、上記実施形態のパンツ1に形成される開口部60は、重なり部50の範囲を越えて形成されるようなものであってもよい。すなわち、図4に示すパンツ2では、第1上端部21における第1縫着部21aと第1離隔端部21bとの境界が重なり部50の右端にあるが、この境界が重なり部50を越えて、重なり部50の右端よりも右側にあってもよい。この場合、重なり部50の全部において、第1上端部21の全部である第1離隔端部21bが、ウエスト部10Aと縫着されないで離隔していることになる。このようなパンツでは、開口部60Aのうち重なり部50ではない位置に形成される一部分において、外側から着用者の肌が見えることとなるが、ボトム衣類に本願発明を適用した場合、着用時に着崩れしにくいという効果をもたらす。これは、ハイウエストタイプにおいて、顕著に現れる。このことは、第2本体布30に形成される開口部80についても適用することができ、上記と同様の効果を得ることができる。
【0063】
また、第1離隔端部21bは、下方向に向かって凸状にカーブするように延在するものであってもよい。言い換えれば、第1前側端部22に近づくにしたがって、左右方向に対する傾きが大きくなるように延在するものであってもよい。さらに、第1離隔端部21bは、上方向に向かって凹状にカーブするように延在するものであってもよい。言い換えれば、第1前側端部22に近づくにしたがって、左右方向に対する傾きが小さくなるように延在するものであってもよい。第2離隔端部31bについても同様に、下方向に向かって凸状にカーブするように延在するものであってもよいし、上方向に向かって凹状にカーブするように延在するものであってもよい。
【0064】
また、上記実施形態のパンツ1におけるウエスト部は、図5に示すような伸縮性のある上辺布で構成されるウエスト部10Aのようなものであってもよい。また、図示はしないが、袋状にした生地とする構成、袋状にした生地の中にゴムを入れる構成、としてもよい。また、幅広ウエストテープとする構成、ニッパーのような保護ベルトを付帯する構成、腹巻機能の付いたウエスト部とする構成等のハイウエストタイプとしてもよい。また、ウエスト部は、着用状態において着用者のへそラインより7〜12cm下方に位置するローウエストタイプ(ローライズタイプ)としてもよい。
【0065】
また、上記実施形態のパンツ1における第1連結部27は、第1前側端部22の設けられたテープ状部材26と一体的に構成される例を挙げて説明したがこれに限定されるものではない。例えば、第1前側端部22の設けられたテープ状部材26と第1離隔端部21bに設けられたテープ状部材25とが一体的に構成され、別部材の第1連結部27が第1前側端部22の上端22aに縫着される構成であったり、別々の部材が互いに縫着される構成であったりしてもよい。また、図示はしないが、第1連結部27を複数設け、2又以上に分かれるような構成であってもよく、第2連結部37も同様である。
【0066】
また、上記実施形態のパンツ1では、第1本体布20の一部と、第2本体布30の一部を重ね合わせて重なり部50を構成したがこれに限定されるものではない。例えば、重なり部を外側フロント布及び肌側フロント布の2枚の布により構成(本願発明でいう外側布と肌側布とのそれぞれ全部が重なるように構成)し、この2枚の布の側端部に本体布を縫着するような構成であってもよい。この場合、着用時に第1本体布20と第2本体布30の全部が互いに重なる重なり部50を前面の一部に備えることとなる。また、第1本体布20の第1後側端部23が、背面における後中心線L4に沿って第2本体布30の第2後側端部33と縫着されているのではなく、第1本体布及び第2本体布に該当する1枚の布として構成してもよい。
【0067】
また、上記実施形態のパンツ1,2,3では、第1離隔端部21b、第2離隔端部31b、第1前側端部22、第2前側端部32に、伸縮性のあるテープ状部材が設けられている例を挙げて説明したが、例えば、端始末不要な素材を用いたり、当該端部を折り返して縫着したりすることにより、それぞれの端部を形成してもよい。
【0068】
また、上記実施形態は、本願発明をボクサータイプの男性用パンツに適用した例を挙げて説明したがこれに限定されるものではなく、ブリーフ、左右の脚部の長さを更に下方に伸ばしたロングタイプのパンツ、タイツ、ステテコ、トランクス等に適用することもできる。
【0069】
また、本体素材が非伸縮性素材の場合は、第1及び第2離隔端部21b,31b、第1及び第2前側端部22,32にギャザーを設け、伸縮性を有するテープ状部材を用いることにより、同等の効果を得ることができる。
【0070】
さらに、本願発明は、上記に説明した日常履きのパンツ等に適用できるだけではなく、スポーツ時のコンディションを整えるようなボトム、スタイルサイエンス技術を取り入れたボトム、一般的な補整機能を有するボトム等に適用することができ、また、各ボトムのショートタイプ、ロングタイプにも適用することもできる。この場合には、上記実施形態における第1本体布20及び第2本体布30に該当する部分の素材として、例えば、ツーウェイラッセル、ツーウェイトリコット、ダブルラッセル等を用いた経編素材を用いることが好ましい。
【0071】
日常履きのパンツ等に使用される素材よりもパワーの強い、ツーウェイラッセル等を用いた経編素材によって構成されるボトムに本願発明を適用することで、開き部を使用した陰茎の出し入れが更に容易となり、小用時における陰茎の下部の尿道に対する圧迫を低減できるという効果も、更に高いものになると考えられる。
【符号の説明】
【0072】
1,2,3…パンツ(ボトム衣類)、10,10A…ウエスト部、20…第1本体布(外側布)、21…第1上端部(外側布における上端部)、21a…第1縫着部(外側布における縫着部)、21b…第1離隔端部(外側布における離隔端部)、22…第1前側端部(外側布における側端部)、22a…第1前側端部の上端(外側布における側端部の上端)、22b…第1前側端部の下端、22c…第1前側端部の一部、23…第1後側端部、24…第1下端部、24a…股部、24b…裾部、25,26…テープ状部材、27…第1連結部(外側布における連結部)、30…第2本体布(肌側布)、31…第2上端部(肌側布における上端部)、31a…第2縫着部(肌側布における縫着部)、31b…第2離隔端部(肌側布における離隔端部)、32…第2前側端部(肌側布における側端部)、32a…第2前側端部の上端(肌側布における側端部の上端)、32b…第2前側端部の下端、32c…第2前側端部の一部、33…第2後側端部、34…第2下端部、34a…股部、34b…裾部、35,36…テープ状部材、37…第2連結部(肌側布における連結部)、40…クロッチ布、50…重なり部、51…開き部、60,80,60A…開口部、L1…前中心線、L2…左脇線、L3…右脇線、L4…後中心線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用時に外側に配置される外側布及び肌側に配置される肌側布の少なくとも一部が互いに重なる重なり部を前面の一部に備え、当該重なり部における前記外側布の側端部と前記肌側布との間に形成される開き部から着用者の男性器を出し入れ可能なボトム衣類であって、
前記外側布における側端部の上端は、ウエスト部と離隔し、当該外側布と同等以上の伸縮性を有する連結部を介して前記ウエスト部に縫着されており、
前記重なり部の少なくとも一部において、前記外側布における上端部の一部又は全部は、前記外側布における側端部の上端から前記前面の中心側方向に前記ウエスト部まで延在し、前記ウエスト部と離隔する離隔端部として形成されている、
ことを特徴とするボトム衣類。
【請求項2】
前記重なり部において、前記外側布における上端部は、前記離隔端部と、前記ウエスト部に縫着される縫着部とによって形成されている、
請求項1に記載のボトム衣類。
【請求項3】
前記外側布における側端部の上端の位置は、上下方向において前記開き部の中心位置よりも前記ウエスト部に近い上側である、
請求項1又は2に記載のボトム衣類。
【請求項4】
着用時に外側に配置される外側布及び肌側に配置される肌側布の少なくとも一部が互いに重なる重なり部を前面の一部に備え、当該重なり部における前記外側布の側端部と前記肌側布との間に形成される開き部から着用者の男性器を出し入れ可能なボトム衣類であって、
前記肌側布における側端部の上端は、ウエスト部と離隔し、当該肌側布と同等以上の伸縮性を有する連結部を介して前記ウエスト部に縫着されており、
前記重なり部の少なくとも一部において、前記肌側布における上端部の一部又は全部は、前記肌側布における側端部の上端から前記前面の中心側方向に前記ウエスト部まで延在し、前記ウエスト部と離隔する離隔端部として形成されている、
ことを特徴とするボトム衣類。
【請求項5】
前記重なり部において、前記肌側布における上端部は、前記離隔端部と、前記ウエスト部に縫着される縫着部とによって形成されている、
請求項4に記載のボトム衣類。
【請求項6】
前記肌側布における側端部の上端の位置は、上下方向において前記開き部の中心位置よりも前記ウエスト部に近い上側である、
請求項4又は5に記載のボトム衣類。
【請求項7】
着用時に外側に配置される外側布及び肌側に配置される肌側布の少なくとも一部が互いに重なる重なり部を前面の一部に備え、当該重なり部における前記外側布の側端部と前記肌側布との間に形成される開き部から着用者の男性器を出し入れ可能なボトム衣類であって、
前記外側布における側端部の上端は、ウエスト部と離隔し、当該外側布と同等以上の伸縮性を有する第1連結部を介して前記ウエスト部に縫着されており、
前記外側布における上端部の一部は、前記重なり部の少なくとも一部において、前記外側布における側端部の上端から前記前面の中心側方向に前記ウエスト部まで延在し、前記ウエスト部と離隔する第1離隔端部として形成されており、
前記肌側布における側端部の上端は、ウエスト部と離隔し、当該肌側布と同等以上の伸縮性を有する第2連結部を介して前記ウエスト部に縫着されており、
前記肌側布における上端部の一部は、前記重なり部の少なくとも一部において、前記肌側布における側端部の上端から前記前面の中心側方向に前記ウエスト部まで延在し、前記ウエスト部と離隔する第2離隔端部として形成されている、
ことを特徴とするボトム衣類。
【請求項8】
前記重なり部において、前記外側布における上端部は、前記第1離隔端部と、前記ウエスト部に縫着される第1縫着部とによって形成されている、
請求項7に記載のボトム衣類。
【請求項9】
前記重なり部において、前記肌側布における上端部は、前記第2離隔端部と、前記ウエスト部に縫着される第2縫着部とによって形成されている、
請求項7又は8に記載のボトム衣類。
【請求項10】
前記第1連結部と前記ウエスト部と前記第1離隔端部とによって形成される開口部の形状と、前記第2連結部と前記ウエスト部と前記第2離隔端部とによって形成される開口部の形状とは、前記前面の中心線に対して左右対称である、
請求項7〜9の何れか1項に記載のボトム衣類。
【請求項11】
前記外側布における側端部の上端の位置は、上下方向において前記開き部の中心位置よりも前記ウエスト部に近い上側である、
請求項7〜10の何れか1項に記載のボトム衣類。
【請求項12】
前記肌側布における側端部の上端の位置は、上下方向において前記開き部の中心位置よりも前記ウエスト部に近い上側である、
請求項7〜11の何れか1項に記載のボトム衣類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−197537(P2012−197537A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62572(P2011−62572)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(306033379)株式会社ワコール (116)
【Fターム(参考)】