説明

ボルトの軸力測定方法及びボルトの軸力測定装置

【課題】容易且つ精度良くボルトの軸力を測定することができるボルトの軸力測定方法及びボルトの軸力測定装置を提供することである。
【解決手段】ボルトテンショナー21のピストン26にボルト12をねじ結合して連結し、その圧力室27に油圧を供給して、ボルト12に必要ボルト締結軸力以上の引っ張り力を加えて伸長させる。ボルト12の伸長により被締結部材14から離れたナット13を被締結部材14に再度着座させ、次いで、圧力室27の油圧を開放してボルト12の引っ張り力を解除する。油圧が開放された圧力室27の圧力変化を圧力センサ33により検出し、測定器41により、この検出された圧力変化において変化率が急激に低下する点を特異点として検出し、その特異点における圧力室27の圧力値に圧力室27の受圧面積を乗じて、ボルト12の軸力を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナットにねじ結合されて被締結部材を締結するボルトの軸力(締め付け力)を測定するボルトの軸力測定方法及びその測定に用いるボルトの軸力測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ナットにねじ結合されて被締結部材を締結するボルトの軸力を測定するボルトの軸力測定方法としては、種々の方法が用いられている。
【0003】
ロードセル法は、締結するボルトの中間部やボルトと被締結部材の間にロードセルを挟み込み、その状態でボルトを締め付けてロードセルを圧縮し、当該ロードセルにより検出される圧縮力をボルトの軸力として直接検出する方法である。
【0004】
ストレインゲージ法は、ボルトの軸周辺部にストレインゲージ(歪みゲージ)を貼り付け、このストレインゲージにより、ボルトの締結時に生じる軸方向への僅かな歪み(伸長)を検出し、この歪みに基づいてボルトの軸力を算出する方法である。
【0005】
超音波法は、超音波の発振・受振機器を用いて、締結前後のボルトの軸方向の長さ寸法を精密に測定し、その測定結果から得られる締結前後のボルトの伸びに基づいてボルトの軸力を算出する方法である。例えば、特許文献1には、締結前のボルトの軸方向の一端面に超音波の発振・受振機器を配置し、ボルトの一端面から超音波を入射し、その超音波のボルトの軸方向の他端面における反射波を受振するまでの時間に基づいて締結前のボルトの軸方向長さを測定するとともに、ボルトを締め付けた後に、同様の手順で締結後のボルトの軸方向長さを測定し、これらの測定結果から算出されるボルトの伸びに基づいてボルトの軸力を算出する方法が記載されている。
【0006】
測定棒法は、ボルトの軸心に形成した深孔に測定棒を挿入し、ボルトの締結前後における測定棒の深孔からの突出量をダイアルゲージ等の長さ測定器により測定し、その測定により得られるボルトの伸びに基づいてボルトの軸力を算出する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−308342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ロードセル法やストレインゲージ法では、各ボルトにロードセルを配置したりストレインゲージを貼り付けたりする必要があるので、実験的に小数のボルトの軸力を測定する場合には使用できるが、多数のボルトが設けられた装置等の、その全てのボルトの軸力を測定しなければならない場合には、その機器の設置作業や測定作業自体が煩雑となり、その適用が困難である。
【0009】
超音波法は、その測定のための小型の測定器が開発されている。しかしながら、超音波法では、例えば、ボルトの軸方向の両端面の平行度、仕上げ面粗さ、超音波発振・受振機器の接触子の測定位置の再現の不確実性、ボルトの材質による超音波の伝達速度の相違、ボルトの材質の結晶の粗密、測定時の温度(超音波の伝達速度が変化する)、締結時のボルト内の応力分布の影響、超音波発振・受振機器の反応直線性や感度調整等、その測定精度に影響を与える要素が多くある。そのため、その測定作業には、ある程度の熟練が必要となり、高い精度で安定した測定結果を得ることが困難である。また、これらの要素による影響を、各メーカーの独自の理論や経験に基づき補正する機能を備えた測定器も開発されているが、その根拠は明らかにされておらず、メーカーの指示する測定方法によるデータを信用するしかない状況である。
【0010】
測定棒を用いた方法は、測定対象の全てのボルトに深孔を加工する必要があり、また、その深孔加工には、通常のドリル加工ではなく、特殊なガンドリルを備えた加工機が必要となるので、その加工コストが高くなるという問題点がある。また、測定棒を用いた方法では、ボルトの軸方向への伸び値を測定する基準となる基準棒長と、ボルトの軸力への換算計算に必要となる締め付け有効長との関係を理論的に求めることは、以下の理由により非常に困難であるため、経験値や概略関連式を使用してボルトの伸びを軸力に換算しているのが現状ある。つまり、実際のボルトの軸力と、それに伴い発生するボルトのねじ部、軸部、もう一方の反力側ねじ部(またはボルト頭部)の断面形状が異なり、断面毎の応力値、すなわちその部分の長さ方向変化量の特定が難しく、さらに加えて、ナットや反力側の座面の圧縮応力分布や、締めつけられるフランジの形状、挟まれるガスケットに影響される圧縮側系としての弾性係数変動、及び、ねじ部の軸方向のナットと噛み合う部分のねじ自身の倒れによる部分変形も締め付け軸力の程度により変化するため、結果、ボルトの軸方向の伸び量の分布状態は軸力の変化により変化することになり、非常に複雑である。したがって、基準となる測定棒と有効締め付け長さとの明確な関係を理論的に定量評価することは非常に困難であり、ボルトの軸力に直接関係する締め付け有効長は、経験値や一般的に締め付けフランジ厚さにボルトねじ径を加えた数値、またはそれに安全率を掛けた数値を使用して推定の軸力としてボルト引っ張り伸び量を管理している場合がほとんどである。
【0011】
本発明の目的は、容易且つ精度良くボルトの軸力を測定することができるボルトの軸力測定方法及びボルトの軸力測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のボルトの軸力測定方法は、被締結部材を締結するボルトの軸力を測定するボルトの軸力測定方法であって、液圧の供給により作動する引っ張り手段を用いて前記ボルトに引っ張り力を加える工程と、前記液圧を開放して前記引っ張り力を解除し、前記ボルトを前記被締結部材に締結させる工程と、液圧の開放により生じる前記圧力室の圧力変化の変化率が急激に低下した点を特異点として検出する工程と、前記特異点における前記圧力室の圧力値に前記圧力室の受圧面積を乗じて前記ボルトの軸力を算出する工程と、を有することを特徴とする。
【0013】
本発明のボルトの軸力測定方法は、前記圧力室の液圧を減圧手段により減圧しながら開放して、前記圧力室の減圧時間を延ばすことを特徴とする。
【0014】
本発明のボルトの軸力測定方法は、前記被締結部材を締結する複数の前記ボルトに対応する複数の前記引っ張り手段を設けるとともに、それぞれの前記引っ張り手段の前記圧力室に対応させて互いに減圧特性が相違する複数の前記減圧手段を設け、それぞれの前記引っ張り手段に対する液圧を、同時に、且つ、前記減圧手段により減圧しながら開放して、それぞれの前記圧力室の特異点の発生に時間差を生じさせることを特徴とする。
【0015】
本発明のボルトの軸力測定方法は、前記引っ張り手段は、前記被締結部材に配置されるハウジングと、前記ハウジングに形成されるシリンダと、前記シリンダに装着され、前記シリンダとにより前記圧力室を区画形成するピストンと、前記ピストンを前記ボルトに連結する連結手段と、を有するボルトテンショナーであることを特徴とする。
【0016】
本発明のボルトの軸力測定方法は、前記ナットは、前記被締結部材に配置されるシリンダと、前記ボルトにねじ結合されるねじ孔を備え、前記シリンダに軸方向に移動自在に組み付けられて前記シリンダとにより前記圧力室を区画形成するピストンと、前記シリンダまたは前記ピストンのいずれか一方の外周面にねじ結合し、前記圧力室の液圧が開放されたときに前記シリンダまたは前記ピストンのいずれか他方の端面に接して前記ピストンの荷重を支持するロックリングと、を有する液体圧ナットであり、該液体圧ナットが前記引っ張り手段としても機能することを特徴とする。
【0017】
本発明のボルトの軸力測定装置は、被締結部材を締結するボルトの軸力を測定するボルトの軸力測定装置であって、圧力室に液圧が供給されることにより作動して前記ボルトに引っ張り力を加える引っ張り手段と、前記圧力室から液圧が開放されて前記引っ張り力が解除されるときの前記圧力室の圧力変化を検出する圧力センサと、前記圧力センサが検出する前記圧力室の圧力変化の変化率が急激に低下する点を特異点として検出し、前記特異点における前記圧力室の圧力値に前記圧力室の受圧面積を乗じて前記ボルトの軸力を算出する軸力算出手段と、を有することを特徴とする。
【0018】
本発明のボルトの軸力測定装置は、前記圧力室の液圧を減圧しながら開放して、前記圧力室の減圧時間を延ばす減圧手段を備えることを特徴とする。
【0019】
本発明のボルトの軸力測定装置は、前記被締結部材を締結する複数の前記ボルトに対応する複数の前記引っ張り手段と、それぞれの前記引っ張り手段に対応する互いに減圧特性が相違する複数の前記減圧手段とを備え、それぞれの前記引っ張り手段に対する液圧を、同時に、且つ、前記減圧手段により減圧しながら開放して、それぞれの前記圧力室の特異点の発生に時間差を生じさせることを特徴とする。
【0020】
本発明のボルトの軸力測定装置は、前記引っ張り手段は、前記被締結部材に配置されるハウジングと、前記ハウジングに形成されるシリンダと、前記シリンダに装着され、前記シリンダとにより前記圧力室を区画形成するピストンと、前記ピストンを前記ボルトに連結する連結手段と、を有するボルトテンショナーであることを特徴とする。
【0021】
本発明のボルトの軸力測定装置は、前記ナットは、前記被締結部材に配置されるシリンダと、前記ボルトにねじ結合されるねじ孔を備え、前記シリンダに軸方向に移動自在に組み付けられて前記シリンダとにより前記圧力室を区画形成するピストンと、前記シリンダまたは前記ピストンのいずれか一方の外周面にねじ結合し、前記圧力室の液圧が開放されたときに前記シリンダまたは前記ピストンのいずれか他方の端面に接して前記ピストンの荷重を支持するロックリングと、を有する液体圧ナットであり、該液体圧ナットが前記引っ張り手段としても機能することを特徴とする。
【0022】
本発明のボルトの軸力測定装置は、前記軸力算出手段は、測定プロジェクト識別情報、測定日時、アプリケーション情報、前記引っ張り手段の機種及び前記圧力室の受圧面積を共通データとして予め記憶するとともに、測定した前記ボルトの識別データ、前記圧力室に加えられた予圧力値、前記特異点における前記圧力室の圧力値、算出した前記ボルトの軸力を測定データとして記憶する記憶手段を備え、前記記憶手段は外部のマイクロコンピュータとの間でデータの取り出し、取り込みが可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、液圧により作動する引っ張り手段を用いてボルトに引っ張り力を加えて軸力を発生させたときに、その液圧と引っ張り手段の圧力室の受圧面積とを乗じた値がボルトの軸力と等価であることを利用して、当該引っ張り手段によりボルトに引っ張り力を加えるとともに、引っ張り手段により加えられた軸力をナット等に受け渡してボルトを締結状態とする過程において、引っ張り手段の圧力室内の圧力変化の変化率が急激に低下する特異点を検出し、その特異点における圧力室の圧力値に引っ張り手段の受圧面積を乗じた値を締結状態となったボルトの軸力として算出するようにしている。これにより、超音波法や測定棒法のように、締め付け前後のボルトの長さの差を測定するのではなく、直接的にボルトの軸力を測定することが可能となるので、ボルトの軸力の測定精度に影響を与える変動要素を極力減じて、容易且つ精度良くボルトの軸力を測定することができる。この引っ張り手段としては、液圧(油圧)で作動するボルトテンショナーや液体圧ナットを用いることができる。
【0024】
本発明によれば、減圧手段を用いて圧力室の液圧を減圧しながら開放し、これにより、圧力室の減圧時間を延ばすようにしたので、特異点の検出を容易にして、その検出精度を高めることができる。また、特異点を検出する機器として簡易な回路で構成される安価なものを用いることを可能として、そのコストを低減することができる。
【0025】
本発明によれば、複数のボルトに対応する複数の引っ張り手段を設け、これらの引っ張り手段の圧力室に対応する減圧手段の減圧特性を相違させておき、それぞれの引っ張り手段に対する液圧を、同時に、且つ、減圧手段により減圧しながら開放することにより、それぞれの圧力室の特異点の発生に時間差を生じさせるようにしたので、多数の軸力算出手段を設けることなく、単一の軸力算出手段により多数のボルトの軸力を順次算出することを可能として、その測定作業を容易にするとともに、その測定装置のコストを低減することができる。
【0026】
本発明によれば、軸力算出手段に各種の共通データと測定データとを記憶する記憶手段を設け、この記憶手段と外部のマイクロコンピュータとの間でデータの取り出しや取り込みが可能な構造としたので、多数のボルトを備えた装置等におけるボルトの測定作業を容易にするとともに、その作業の確実性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施の形態であるボルトの軸力測定装置の構成図である。
【図2】図1に示すボルトテンショナーによるボルトの締結手順を示す断面図であり、(a)はボルトに引っ張り力を加えた状態を示す図であり、(b)はハンドルとナットアダプタとによりナットを回転させて再度被締結部材に着座させた状態を示す図である。
【図3】圧力センサにより検出される油圧の圧力変化を示す特性線図である。
【図4】微分回路の回路図である。
【図5】図1に示すボルトの軸力測定装置の変形例であって、複数のボルトの対応する複数のボルトテンショナーを設けた場合を示す図である。
【図6】図5に示す各ボルトテンショナーの圧力室の圧力変化を比較して示す特性線図である。
【図7】図1に示すボルトの軸力測定装置の変形例であって、引っ張り手段として液体圧ナットを用いる場合を示す図である。
【図8】図7に示す液体圧ナットのボルトへの締結手順を示す断面図であり、(a)はボルトに引っ張り力を加えた状態を示す図であり、(b)はロックリングを荷重支持位置にまで締め付けた状態を示す図である。
【図9】図1に示すボルトの軸力測定装置の変形例であって、既に締結されたボルトの軸力を測定する場合を示す図である。
【図10】図9に示すボルトテンショナーによるボルトに引っ張り力を加える手順を示す断面図であり、(a)はボルトに引っ張り力を加えた状態を示す図であり、(b)は圧力室の油圧を開放した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0029】
本発明の一実施の形態であるボルトの軸力測定方法は、図1に示すボルトの軸力測定装置11(以下、測定装置11とする)を用いて行われる。
【0030】
この測定装置11は、ボルト12に予め軸方向に向く引っ張り力を加えた状態でナット13をねじ結合させることにより、大きな締結力で被締結部材14を締結するとともに、その締結作業とともに締結するボルト12の軸力を測定するものである。この測定方法や測定装置11は、例えば、発電所等の動力プラントで用いられるガスタービンのタービンケースを被締結部材14とし、この被締結部材14をボルト12とナット13で締結するとともに、締結したボルト12の軸力つまり締結力を測定し、これを管理する場合に適用される。図示する場合では、ボルト12は、被締結部材14に植設されたスタットボルトとなっている。
【0031】
この測定装置11は、ボルト12に軸方向に向く引っ張り力を加えるための、引っ張り手段としてのボルトテンショナー21を備えている。
【0032】
このボルトテンショナー21は鋼材により円筒状に形成されたハウジング22を備えている。このハウジング22の内部には軸方向に平行な隔壁23が設けられており、この隔壁23によりハウジング22の内部が軸方向に2分され、その隔壁23よりも上側つまり被締結部材14とは反対側にはシリンダ24が設けられ、下側つまり被締結部材14の側にはナット収容室25が設けられている。
【0033】
ボルトテンショナー21は、そのハウジング22の軸心をボルト12の軸心に一致させ、当該ボルト12を覆うように被締結部材14上に配置される。ボルト12には、ボルトテンショナー21が配置される前に予めナット13が軽くねじ結合されており、ボルトテンショナー21が被締結部材14に配置されると、このナット13はハウジング22のナット収容室25に収容される。
【0034】
ハウジング22のシリンダ24には、鋼材により形成されたピストン26が軸方向に移動自在に装着されている。このピストン26は、外周面がシリンダ24の内周面に摺接する円板状の本体部26aと、本体部26aの軸方向の一端面に一体に設けられた本体部26aよりも小径のボス部26bとを備えており、このボス部26bの外周面は隔壁23の軸心に形成された貫通孔23aの内周面に摺接している。また、ピストン26の軸心には、ボルト12にねじ結合可能なサイズのねじ孔26cが軸方向に貫通して設けられている。このねじ孔26cは、ピストン26をボルト12に連結する連結手段として機能するものであり、ボルトテンショナー21は、このねじ孔26cにボルト12がねじ結合されることにより、ピストン26にボルト12が連結された状態となって被締結部材14に配置されることになる。
【0035】
ハウジング22の内部には、ピストン26とシリンダ24とにより区画されて圧力室27が形成されている。この圧力室27に油圧を供給することにより、ピストン26を被締結部材14から離れる軸方向に作動させることができ、これにより、ピストン26に連結されたボルト12に引っ張り力が加えられることになる。
【0036】
圧力室27に油圧を供給するために、ハウジング22には給油口28が設けられている。この給油口28はハウジング22の外周面に開口するとともに圧力室27に連通しており、配管31を介して油圧供給装置32に接続されている。油圧供給装置32は、配管31を通して圧力室27に油圧を供給するとともに、配管31を大気開放することにより圧力室27に供給した油圧を開放して、当該圧力を減圧することができる構成となっている。
【0037】
なお、本実施の形態においては、油圧供給装置32が圧力室27に供給する油圧の圧力は、数十〜数百Mpa程度の超高圧である。
【0038】
配管31には、圧力室27の内部の圧力を検出するための圧力センサ33が設けられている。この圧力センサ33は、圧力検出体として歪みゲージを用いた圧電式圧力センサつまり圧力トランスミッターとなっており、配管31に供給される油圧(液圧)を圧力室27の内部の圧力として検出し、これを電気信号として出力するようになっている。
【0039】
なお、圧力センサ33としては、圧力トランスミッターに限らず、油圧の圧力やその圧力変化を精度よく、且つ応答性よく検出できるものであれば、他の形式の圧力センサを用いるようにしてもよい。
【0040】
また、本実施の形態においては、圧力センサ33を給油口28に接続される配管31に設けるようにしているが、これに限らず、例えば、ハウジング22やピストン26に圧力室27にまで達する取付用ねじ孔を形成し、この取付用ねじ孔に圧力センサ33をねじ込んで装着することにより、圧力室27の内部の圧力を直接、圧力センサ33により検出する構成としてもよい。
【0041】
配管31の圧力センサ33よりも油圧供給装置32の側の部分には、減圧手段としてのオリフィス板34が設けられており、このオリフィス板34により、圧力室27の油圧が開放されたときには、その油圧はオリフィス板34によって減圧されながら開放されるようになっている。これにより、油圧が開放されたときの圧力室27の圧力の低下速度が低減され、その減圧に要する時間つまり減圧時間はオリフィス板34を設けない場合に比べて延ばされることになる。
【0042】
この測定装置11は、圧力センサ33により検出された圧力室27の圧力変化を解析し、その解析結果に基づいてボルト12の軸力を算出するために、軸力算出手段としての測定器41を備えている。
【0043】
この測定器41には圧力センサ33が接続されており、圧力センサ33が検出した油圧の圧力値つまり圧力データは電気信号としてこの測定器41に入力される。測定器41の内部には記憶手段としてのメモリ(不図示)が設けられており、圧力センサ33から入力された圧力データはこのメモリに記憶される。
【0044】
測定器41は外部接続端子を備えており、この外部接続端子を介してマイクロコンピュータ42に接続され、マイクロコンピュータ42との間でデータの通信ができるようになっている。つまり、マイクロコンピュータ42から測定器41のメモリにデータを取り入れることができるとともに、測定器41のメモリに記憶されたデータを取り出してマイクロコンピュータ42に入力することができるようになっている。
【0045】
なお、測定器41のメモリには、測定作業に先立ち、予め、マイクロコンピュータ42を通じて、その軸力測定作業に必要な共通データが入力、記憶されている。この共通データとして、ボルト12の軸力を測定するプロジェクトを識別するための測定プロジェクト識別情報、そのプロジェクトの測定日時、そのプロジェクトにおいて圧力変化の解析やボルト12の軸力の算出に用いられるアプリケーション(解析プログラム、算出プログラム)の情報、そのプロジェクトで使用するボルトテンショナー21の機種及びボルトテンショナー21の圧力室27の受圧面積が予めメモリに記憶される。また、測定器41は、このプロジェクトにおいて測定したボルト12の軸力の測定データについてもメモリに記憶するようになっている。
【0046】
図2は、図1に示すボルトテンショナーによるボルトの締結手順を示す断面図であり、(a)はボルトに引っ張り力を加えた状態を示す図であり、(b)はハンドルとナットアダプタとによりナットを回転させて再度被締結部材に着座させた状態を示す図である。
【0047】
次に、このボルトテンショナー21を用いたボルト12とナット13の締結手順について、図2に基づいて説明する。
【0048】
まず、被締結部材14の挿通孔14aに挿通されたボルト12の先端にナット13をねじ結合し、このナット13の座面を被締結部材14の表面に着座させる。このとき、ナット13を軽くねじ結合するだけでよく、大きな締結力を生じるように強くねじ結合する必要はない。
【0049】
次に、ボルト12にねじ結合されたナット13の外側にナットアダプタ43を装着する。このナットアダプタ43は、ナット13の外周面に係合してナット13とともに回転する構成のものであり、その外周面にはハンドル44が係合可能な係合孔43aが設けられている。
【0050】
ナット13にナットアダプタ43を装着したら、次に、ボルトテンショナー21をボルト12とナット13をナット収容室25に収容するように被締結部材14上に配置する。このとき、ハウジング22の軸心をボルト12の軸心と一致させ、ピストン26をハウジング22とともに回転させることにより、ボルト12の先端をピストン26のねじ孔26cにねじ結合させ、当該ボルト12をピストン26に連結する。このように、ボルトテンショナー21は、そのピストン26がボルト12の先端に連結されるとともに、そのボルト12にねじ結合されたナット13をナット収容室25に収容した状態となって被締結部材14に配置される(図1に示す状態)。
【0051】
ボルトテンショナー21の配置が完了したら、次に、油圧供給装置32を作動させ、ボルトテンショナー21の圧力室27に油圧を供給する。圧力室27に油圧が供給されると、圧力室27の内部の圧力が徐々に上昇し、その圧力がある程度にまで上昇すると、その圧力つまり油圧によりピストン26が被締結部材14から離れる軸方向に移動し、ボルト2はピストン26から引っ張り力を加えられて軸方向に伸長する。圧力室27の圧力が規定の圧力にまで高められるとボルト12は所定の長さ寸法だけ伸びた状態となり、図2(a)に示すように、ピストン26がボルト12に加える引っ張り力とボルト12の軸力とが釣り合って、ナット13と被締結部材14との間にボルト12が伸びた分の隙間が生じた状態に保持される。
【0052】
ここで、ボルト12に引っ張り力を加えるために圧力室27に供給される油圧の規定値は、ボルト12に加えられる引っ張り力が、必要ボルト締結軸力よりも大きくなる値(以下、予圧力値とする)に設定される。つまり、この締結作業においては、ボルト12は、ボルトテンショナー21により、必要ボルト締結軸力を生じる以上の長さにまで伸ばされることになる。なお、必要ボルト締結軸力とは、締結作業後の被締結部材14を締結した状態のボルト12が所望の締結力を生じるために必要なボルト12の軸力のことである。
【0053】
ボルトテンショナー21によるボルト12の引っ張り作業が完了すると、次いで、ナット13を再度被締結部材14に着座させる作業が行われる。この作業は、ナット収容室25に形成された窓部25aからナット収容室25の内部に差し込んだハンドル44をナットアダプタ43の係合孔43aに係合させ、このハンドル44でナットアダプタ43を回転させることにより行われる。この作業により、図2(b)に示すように、ナット13は被締結部材14の締結面に接する位置にまでねじ込まれて、被締結部材14に着座する。
【0054】
なお、本実施の形態においては、ナットアダプタ43とハンドル44とを用いてナット13を回転させるようにしているが、これに限らず、スパナやレンチ等の他の道具を用いてナット13を回転させるようにしてもよい。
【0055】
ナット13を被締結部材14に着座させたら、次に、油圧供給装置32を油圧供給モードから油圧開放モードに切り替えて、圧力室27の油圧を開放する。圧力室27の油圧が開放されると、圧力室27の圧力つまり油圧が徐々に減圧し、ボルトテンショナー21がボルト12に加えていた引っ張り力が解除される。引っ張り力が解除されると、ボルト12は軸方向に収縮しようとするが、このときナット13は既に被締結部材14の締結面に着座しているので、ボルト12の収縮量は引っ張り力により伸ばされた伸び量よりも小さくなり、ボルト12は大きな残留軸力を生じた状態のままで被締結部材14を締結することになる。
【0056】
ボルト12に対する引っ張り力を解除して、ボルト12を被締結部材14に締結させた後は、油圧が開放されたボルトテンショナー21をボルト12から取り外して、ボルトテンショナー21を用いたボルト12とナット13の締結作業は完了する。
【0057】
このように、この測定装置11では、ボルトテンショナー21によりボルト12に予め必要ボルト締結軸力以上の引っ張り力を加え、そのボルト12にねじ結合されたナット13を被締結部材14に着座させた後、ボルトテンショナー21の油圧を開放して、ボルト12の軸力をナット13に預けることにより、ボルト12に大きな残留軸力を生じさせた状態のまま被締結部材14を締結することができる。これにより、ボルト12を大きな残留軸力を生じたまま被締結部材14に締結させることができるので、締結時におけるボルト12の軸力つまり締結力を大きくして、被締結部材14を確実に締結することができる。なお、この締結状態におけるボルト12の残留軸力が所定のボルト締め付け軸力となる。
【0058】
図3は、圧力センサにより検出される油圧の圧力変化を示す特性線図である。
【0059】
一方、本発明のボルトの軸力測定方法は、ボルトテンショナー21を用いた上記のボルト締結作業において、ボルト12に引っ張り力を加えるボルトテンショナー21の油圧が開放されたときの圧力室27の圧力変化を圧力センサ33により検出し、この圧力センサ33により検出された圧力室27の圧力変化を測定器41により解析し、その圧力変化の変化率が急激に低下する点、つまり、圧力降下速度の変化(減圧加速度)が急変する点を特異点として検出し、その特異点における圧力室27の圧力に圧力室27の受圧面積を乗じて、締結状態となったボルト12の軸力を算出するものである。以下に、その手順について説明する。
【0060】
ボルト12に加えた引っ張り力を解除するために、油圧供給装置32を油圧供給モードから油圧開放モードに切り替えて、ボルトテンショナー21の圧力室27から油圧を開放すると、圧力室27の圧力は、図3に示す特性線図に示されるように、必要締結ボルト軸力以上の軸力をボルト12に発生させるための圧力値つまり予圧力値から、時間の経過とともに徐々に減圧して、圧力0に到達する。
【0061】
この減圧過程において、測定器41は、油圧の開放により生じる圧力室27の圧力変化の変化率が急激に低下する点を特異点として検出することになる。つまり、測定器41は、油圧開放時に圧力センサ33により検出される圧力室27の圧力の減圧の変化率を時間軸で解析し、その変化率が急激に低下する点を特異点として検出する。この解析は、測定器41のメモリに記憶されたアプリケーションの解析プログラム等により行われる。
【0062】
ここで、予圧力値から必要ボルト締結軸力が安定的にナット13で保持されるまでの間、つまりナット13が完全に被締結部材14に着座するまでの間は、引っ張り力により伸長したボルト12に蓄積された歪み弾性エネルギーが徐々に解放されることにより、圧力室27の圧力は急勾配で減圧する。つまり、ボルト12に蓄積された巨大な歪み弾性エネルギーがピストン26を圧力室27の容積を狭める方向に移動させて圧力室27の内部から油圧を強制的に排除しようとするため、ナット13が被締結部材14に完全に着座するまでの間は、圧力室27の減圧曲線は強制排出曲線となる。
【0063】
一方、ナット13が被締結部材14に完全に着座すると、圧力室27の残圧は、その後、圧力室27から自然に排出されることになる。つまり、ナット13が被締結部材14に完全に着座した後は、ボルト12の歪み弾性エネルギーによる圧力室27の強制的な容積変化が生じないので、圧力室27の圧力は緩やかな勾配で排出され、その減圧曲線は自然排出曲線になる。
【0064】
このように、ナット13が被締結部材14に完全に着座したときを境として、圧力室27の圧力変化の変化率が急激に変化することになる。つまり、圧力室27の圧力変化の変化率が急激に変化する点(強制排出曲線と自然排出曲線の変曲交点)における圧力が、締結状態となったボルト12の軸力に相当する圧力となる。
【0065】
本実施の形態では、図4に示すような、コンデンサー51、抵抗52からなる微分回路53と、ノイズ減少のためのフィルター回路(不図示)とを組み合わせた検出回路(電気回路)を測定器41に設け、圧力センサ33からマイクロ秒毎に出力される検出信号つまり電気信号(電圧V1)をこの検出回路に連続して入力し、この検出回路の出力値(電圧V0)が所定の閾値以上となったときに、圧力室27の圧力の変化率が急激に変化したと判断し、その点を特異点として検出するようにしている。
【0066】
なお、本実施の形態においては、圧力室27の圧力変化の変化率が急激に低下する特異点を検出する方法として、微分回路53を備えた検出回路を用いた方法を用いているが、これに限らず、例えば、圧力センサ33からのマイクロ秒単位で連続して入力される圧力値の、直近の所定数(例えば60)毎の平均値を順次算出するとともに、算出した平均値の差が予め設定した閾値以上に大きくなったときに特異点を検出するなど、他の方法により特異点を検出するようにしてもよい。また、図4に示す微分回路はCR回路となっているが、これに限らず、LR回路、RCL回路等であってもよく、さらに、電圧基準(並列)のものに限らず、電流基準(直列)のものであってもよい。
【0067】
微分回路53の出力に基づき特異点が検出されると、次いで、測定器41は、その特異点における圧力室27の圧力値に予め共通データとしてメモリに記憶されているボルトテンショナー21の圧力室27の受圧面積(ピストン26の軸方向に垂直且つ圧力室27を区画する面の面積)を乗じて、ボルト12の軸力を算出する。上述のように、特異点における圧力室27の圧力は、締結状態となったボルト12の軸力に相当する圧力となるので、これに圧力室27の受圧面積を乗じることにより、被締結部材14を締結した状態のボルト12の軸力を得ることができる。
【0068】
特異点における圧力室27の圧力値と圧力室27の受圧面積からボルト12の軸力を算出するための算出式としては、測定器41のメモリに予め記憶されたアプリケーションの算出プログラムが用いられる。
【0069】
このようなボルト12の軸力の測定に際して、測定器41は、そのメモリに、その測定データとして、その測定したボルト12が装置のどの位置にあるボルトであるか等の情報を含むボルト識別データ、ボルトテンショナー21がボルト12に加えた予圧力値、特異点における圧力室27の圧力値(油圧の値)、特異点における圧力値に圧力室27の受圧面積を乗じて算出されたボルト12の軸力の値等が測定データとして記憶される。そして、これらの測定データはマイクロコンピュータ42に送られ、そのモニター42aに、圧力室27の減圧曲線や算出したボルト12の軸力等のデータが表示される。
【0070】
このように、本発明では、ボルトテンショナー21を用いてボルト12に必要ボルト締結軸力以上の引っ張り力を加えるとともに、このボルトテンショナー21の圧力室27から油圧を開放してボルト12に対する引っ張り力を解除し、その油圧がボルト12に引っ張り力を加える予圧力値から圧力0にまで減圧する過程を圧力センサ33により検出し、その検出結果から、圧力室27の圧力変化の変化率が急激に低下する点を特異点として検出し、その特異点における圧力室27の圧力に圧力室27の受圧面積を乗じて、ボルト12の軸力を算出するようにしている。つまり、本発明では、超音波法や測定棒法のように、締め付け前後のボルトの長さの差を測定し、これをボルトの軸力と比例する代用特定値としてボルトの軸力を算出するのではなく、ボルトテンショナー21の油圧の減圧特性からナット13が完全に被締結部材14に着座した特異点を検出し、その特異点における圧力値に圧力室27の受圧面積を乗じてボルト12の軸力を算出するようにしている。このような本願発明では、特異点の検出精度がそのままボルト12の軸力の測定精度となり、直接的にボルト12の軸力を測定することが可能となるので、ボルト12の軸力の測定精度に影響を与える変動要素を極力減じて、容易且つ精度良くボルト12の軸力を測定することができる。
【0071】
また、ボルトテンショナー21を用いてボルト12とナット13を締結する作業過程において、そのボルトテンショナー21の油圧の圧力値を利用した簡単な方法でボルト12の軸力を測定することができるので、ボルト12の軸力を確認しながら、簡単な操作でボルト12の軸力を目標となる軸力に調整することが可能となる。
【0072】
さらに、このような簡単な操作で、ボルト12の締結とその軸力の測定とを行うことができるので、連続的に多数のボルト12を締め付ける作業を、迅速に且つ正確に行うことができるようになる。
【0073】
なお、圧力室27から開放される油圧の減圧は非常に短時間で完了するが、電子機器の発達により高周波200メガヘルツのオシロスコープも市販されているように、測定しようとする現象つまり特異点がマイクロ秒単位の発生事象でも、圧力センサ33からの検出信号(電気信号)を微分回路53等の電気回路を用いて精度よく検出することができる。
【0074】
一方で、油圧を開放する手段として手動のニードル弁を用いる場合には、ニードル弁を操作して油圧を開放するときに弁抵抗値が変動し、特異点が時間軸上で変動するおそれがある。この変動は、圧力センサ33から入力される検出信号の周波数が十分大きければ測定上問題はないが、測定周波数が小さいと、特異点の判定が不安定になるおそれがある。
【0075】
しかしながら、本発明では、油圧供給装置32と圧力室27とを接続する配管31に一定の流量抵抗をもつオリフィス板34を設け、このオリフィス板34により圧力室27の油圧を減圧して開放する構成として油圧の減圧時間を延ばしているので、低周波数による測定でも特異点を精度よく検出することができる。このように、配管31に適切なオリフィス板34を設けて油圧の減圧時間を延ばすことにより、測定点密度を、例えば1/100秒周期程度として、数点の測定データを電子数値的に近似値処理する実用精度上も問題ない測定器41を、低コストで製作することが可能となる。この場合、微分回路53等の電気(電子)回路を、出力周波数がより小さい、つまり分解能がより低い単純な電気(電子)回路として、そのコストを低減するとともに、上述の特異点の検出精度を確保することができるようにするために、圧力変化の減圧曲線を時間軸上で延ばすためのオリフィス板34の抵抗係数は、その測定時間が無為に延長されない範囲でなるべく大きくするのがよい。
【0076】
なお、本発明の測定方法では、オリフィス板34を通すことにより油圧の減圧時間を延ばして特異点を精度よく検出できればよいのであり、油圧の温度や粘度の変化、またはオリフィス板34の製作精度による減圧特性の相違により、圧力室27の油圧の減圧曲線の特徴が変化しても、その変化によってはボルト12の軸力の測定結果の精度は影響されない。
【0077】
図5は図1に示すボルトの軸力測定装置の変形例であって、複数のボルトの対応する複数のボルトテンショナーを設けた場合を示す図であり、図6は図5に示す各ボルトテンショナーの圧力室の圧力変化を比較して示す特性線図である。
【0078】
図5に示す変形例では、複数のボルト12を備えた装置等に対して、複数のボルト12の締結作業と軸力の測定を一括して行うために、測定装置11には、それぞれのボルト12に対応した複数のボルトテンショナー21が設けられている。各ボルトテンショナー21は、図1に示すものと同様の構造となっており、その給油口28には、それぞれ油圧供給装置32に接続された主配管31aから分岐する副配管31bに接続されている。
【0079】
副配管31bには、それぞれ圧力室27の圧力を減圧して開放するための減圧手段である調整式減圧弁61が設けられている。これらの調整式減圧弁61は、それぞれ減圧特性が調整可能な調整式となっており、各調整式減圧弁61は、互いに減圧特性が相違するように調整されている。
【0080】
なお、本実施の形態においては、減圧手段として減圧特性を調整可能な調整式減圧弁61を用い、それぞれの調整式減圧弁61を互いの減圧特性を相違させるように調整するようにしているが、これに限らず、互いに減圧特性が相違する複数種類のオリフィス板34を各副配管31bに設けるようにしてもよい。
【0081】
各副配管31bには、それぞれ圧力センサ33が設けられ、これらの圧力センサ33により対応するボルトテンショナー21の圧力室27の圧力が検出される。測定器41は多数の入力端子を備えた多チャンネル型となっており、各圧力センサ33はそれぞれ個別に測定器41に接続され、測定器41は各圧力センサ33から入力される圧力データを個別に解析・処理できるようになっている。
【0082】
このような測定装置11により、複数のボルト12の軸力を一括して測定する作業においても、まず、それぞれのボルト12の先端にナット13をねじ結合するとともに、各ナット13にナットアダプタ43を装着し、次いで、各ボルト12を、対応するボルトテンショナー21のピストン26にねじ結合により連結して、当該ボルトテンショナー21を被締結部材14上に配置する。
【0083】
各ボルトテンショナー21の対応するボルト12への配置を完了したら、次に、油圧供給装置32を作動させて各ボルトテンショナー21の圧力室27に油圧を一斉に供給する。これにより、複数のボルトテンショナー21が同時に作動を開始し、複数のボルト12に一斉に引っ張り力が加えられる。
【0084】
各ボルト12に所定の引っ張り力が加えられると、次いで、ナットアダプタ43を回転させて各ナット13を被締結部材14に着座させる作業が行われる。全てのナット13について着座作業が終了すると、油圧供給装置32を油圧供給モードから油圧開放モードに切り替え、各ボルトテンショナー21の圧力室27から油圧を同時に開放する。つまり、各ボルトテンショナー21の圧力室27は全て主配管31aにより油圧供給装置32に接続されているので、油圧供給装置32が油圧開放モードに切り替えられると、全てのボルトテンショナー21の圧力室27の油圧が同時に開放されることになる。
【0085】
また、各ボルトテンショナー21の圧力室27に対応する調整式減圧弁61は、それぞれ互いに減圧特性が相違するように設定されているので、各ボルトテンショナー21の圧力室27から同時に油圧を開放しても、各圧力室27の圧力が減圧する時間は互いに相違することになる。つまり、図6に示すように、各ボルトテンショナー21の圧力室27の減圧曲線は、互いに時間軸のスケールがずれた状態となり、圧力変化の変化率が急激に低下する特異点の発生時刻もボルト12毎にずれ、各ボルト12に対応した複数の特異点が一本の時間軸上に発生することになる。これにより、単一の測定器41により、各ボルトテンショナー21の圧力室27における圧力変化の特異点を順次検出することが可能となる。
【0086】
各ボルトテンショナー21の圧力室27の特異点を検出した測定器41は、その特異点を検出した順に、当該特異点における対応する圧力室27の圧力値に、その圧力室27の受圧面積を乗じ、当該ボルト12の軸力を算出することになる。
【0087】
このように、本発明では、図5に示すような、複数のボルトテンショナー21を設けた測定装置11において、各ボルトテンショナー21の圧力室27に対応する調整式減圧弁61の減圧特性を相違させておき、各ボルトテンショナー21の圧力室27の油圧を同時に、且つ、対応する調整式減圧弁61により減圧しながら開放して、それぞれの圧力室27の圧力変化の特異点の発生に時間差を生じさせるようにしたので、多数の測定器41を設けることなく、単一の測定器41により、各ボルトテンショナー21の圧力室27の圧力変化の特異点を精度良く検出することができる。これにより、図1に示すような単一のボルトテンショナー21を備えた測定装置11を各ボルト12に順次設置して測定を繰り返す必要を無くして、多数のボルト12の軸力測定を容易にすることができる。
【0088】
図7は図1に示すボルトの軸力測定装置の変形例であって、引っ張り手段として液体圧ナットを用いる場合を示す図である。また、図8は図7に示す液体圧ナットのボルトへの締結手順を示す断面図であり、(a)はボルトに引っ張り力を加えた状態を示す図であり、(b)はロックリングを荷重支持位置にまで締め付けた状態を示す図である。
【0089】
図7に示す変形例では、ボルト12にねじ結合されるナットとして液体圧ナット71を用いている。そして、この液体圧ナット71に油圧を供給することによりボルト12に予め引っ張り力を加え、その状態で液体圧ナット71を被締結部材14に着座させて被締結部材14を強固に締結するとともに、液体圧ナット71に供給した油圧を開放するときの圧力変化に基づいてボルト12の軸力を算出するようにしている。つまり、この変形例では、液体圧ナット71を引っ張り手段として機能させるようにしている。
【0090】
この液体圧ナット71は、鋼材により底付き円筒状に形成されて被締結部材14上に配置されるシリンダ72と、鋼材により円柱状に形成されてシリンダ72に軸方向に移動自在に組み付けられるピストン73とを備えている。ピストン73の外周面はシリンダ72の内周面に摺接しており、圧力室27はシリンダ72とピストン73との間に区画形成されている。
【0091】
ピストン73の軸心には、ボルト12にねじ結合可能なサイズのねじ孔73aが軸方向に貫通して設けられている。このねじ孔73aは、ボルト12をピストン73に連結する連結手段として機能するものである。また、ピストン73の外周面には鋼材によりリング上に形成されたロックリング74がねじ結合されており、このロックリング74はピストン73に対して回転させられることにより、その軸方向端面(荷重支持面)がシリンダ72の軸方向端面に接近離反する方向つまり軸方向に移動するようになっている。
【0092】
シリンダ72には圧力室27に連通する給油口28が設けられ、図1に示す測定装置11と同様に、この給油口28には配管31を介して油圧供給装置32が接続され、配管31には圧力センサ33と減圧手段としてのオリフィス板34が設けられ、圧力センサ33は軸力算出手段としての測定器41に接続されている。また、測定器41にはマイクロコンピュータ42が接続される。測定器41のメモリには、この場合、液体圧ナット71の機種や、その圧力室27の受圧面積等のデータが予め入力されることになる。
【0093】
このような構成により、ピストン73に形成されたねじ孔73aにボルト12をねじ結合させ、ボルト12をピストン73に連結させた状態として、液体圧ナット71を被締結部材14に配置し、この状態で油圧供給装置32を作動させて液体圧ナット71の圧力室27に油圧を供給することにより、ピストン73を被締結部材14から離れる軸方向に移動させて、ボルト12に引っ張り力を加えることができる。
【0094】
ボルト12に所定の引っ張り力が加えられると、図8(a)に示すように、ボルト12が伸長し、ロックリング74の軸方向端面とシリンダ72の軸方向端面との間に隙間が生じるので、図8(b)に示すように、ロックリング74を回転させてその軸方向端面をピストン73の軸方向端面に当接つまり着座させる。この状態のまま、油圧供給装置32を油圧供給モードから油圧開放モードに切り替えて圧力室27の油圧を開放すると、ボルト12の軸力はロックリング74を介してシリンダ72に支持され、ボルト12は大きな残留軸力を生じたまま強固に被締結部材14を締結することになる。
【0095】
なお、本実施の形態においては、ロックリング74をピストン73の外周面にねじ結合させ、その軸方向端面をシリンダ72の軸方向端面に当接させてピストン73の荷重をシリンダ72に支持させるようにしているが、これに限らず、ロックリング74をシリンダ72の外周面にねじ結合し、その軸方向端面をピストン73の軸方向端面に当接させてピストン73の荷重をシリンダ72に支持させる構成としてもよい。
【0096】
一方、図7に示すような測定装置11を用いた測定方法においても、図1に示す場合と同様に、圧力室27の油圧を開放したときの圧力室27の圧力変化を圧力センサ33により検出し、その検出された圧力データを測定器41により解析して、当該圧力変化の変化率が急激に低下した点を特異点として検出する。そして、検出した特異点における液体圧ナット71の圧力室27の圧力値に、予めメモリに記憶されている液体圧ナット71の圧力室27の受圧面積(ピストン73の受圧面積)を乗じて、ボルト12の軸力が算出される。
【0097】
このような液体圧ナット71を用いたボルト12の締結作業においても、液体圧ナット71によりボルト12に残留軸力を生じさせたまま被締結部材14を締結する作業を行いつつ、ボルト12の軸力を測定することができるので、ボルト12の軸力を確認しながら、簡単な操作でボルト12の軸力を目標となる軸力に調整することが可能となる。
【0098】
図9は図1に示すボルトの軸力測定装置の変形例であって、既に締結されたボルトの軸力を測定する場合を示す図である。また、図10は図9に示すボルトテンショナーによるボルトに引っ張り力を加える手順を示す断面図であり、(a)はボルトに引っ張り力を加えた状態を示す図であり、(b)は圧力室の油圧を開放した状態を示す図である。
【0099】
図1、図7に示す測定方法では、ボルト12に予め引っ張り力を加えた状態でナット13をねじ結合して被締結部材14を強固に締結する締結作業とともにボルト12の軸力を測定するようにしている。しかしながら、本願のボルトの軸力測定方法は、このような場合に限らず、例えば、トルクレンチやボルトヒータ等を用いて既に締結状態とされたボルト12の軸力を測定する場合にも適用することができる。
【0100】
この場合、引っ張り手段としては、例えば図1に示すボルトテンショナー21と基本的に同様な構成であるが、ナットアダプタ43とハンドル44及びハウジング22の窓部25aが設けられない構成のボルトテンショナー21が用いられる。
【0101】
図9に示すように、既にナット13がねじ結合されて被締結部材14を締結した状態のボルト12を、ボルトテンショナー21のピストン26のねじ孔26cにねじ結合させてピストン26に連結する。そして、図10(a)に示すように、この状態でボルトテンショナー21の圧力室27に油圧を供給し、ボルト12に所定の引っ張り力を加える。次いで、圧力室27の油圧を開放し、図10(b)に示すように、ナット13を元のように被締結部材14に完全に着座させる。この油圧の開放時の圧力室27の圧力変化を、図1に示す測定装置11の場合と同様な手法で、圧力センサ33により検出するとともに測定器41により解析し、圧力変化の変化率が急激に低下する特異点を検出する。そして、その検出した特異点における圧力室27の圧力値に、予めメモリに記憶されている圧力室27の受圧面積(ピストンの受圧面積)を乗じて、ボルト12の軸力を算出する。
【0102】
このように、本発明は、ナット13からの突出量がピストン26に設けられたねじ孔26cにねじ結合により連結される十分な長さがあるボルト12であれば、既にナット13とともに被締結部材14を締結した状態のボルト12であっても、その軸力も測定することができる。
【0103】
なお、図5、図7〜10においては、前述した部材に対応する部材には、同一の符号を付してある。
【0104】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記実施の形態においては、軸力が測定されるボルト12はスタットボルトとされているが、これに限らず、頭部と軸部が一体となった通常のボルトであってもよい。
【0105】
また、前記実施の形態においては、減圧手段としてオリフィス板34や調整式減圧弁61を用いているが、これに限らず、例えば固定流量抵抗型の減圧弁など、油圧を減圧して開放することができるものであれば、他の構成の減圧手段を用いるようにしてもよい。
【0106】
さらに、前記実施の形態においては、油圧が供給されることによるボルトテンショナー21や液体圧ナット71の部品変形つまり部品の拡大、縮小変形による圧力室27の受圧面積の変化は非常に小さく、その変形は、最終的に算出されるボルト12の軸力の測定結果に大きな影響を与える要素とはならないので、圧力室27の受圧面積を定数として扱うようにしているが、これに限らず、油圧が加えられることによる圧力室27の受圧面積の変化を計算により算出し、その受圧面積の変化分を補正してボルト12の軸力を算出するようにしてもよい。
【0107】
さらに、前記実施の形態においては、引っ張り手段として、図1、図9に示すボルトテンショナー21や図7に示す液体圧ナット71を用いているが、これに限らず、油圧や水圧等の液圧により作動して、当該液圧によりボルト12に引っ張り力を加えることができる構成のものであれば、他の構成の引っ張り手段を用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0108】
11 ボルトの軸力測定装置
12 ボルト
13 ナット
14 被締結部材
14a 挿通孔
21 ボルトテンショナー(引っ張り手段)
22 ハウジング
23 隔壁
23a 貫通孔
24 シリンダ
25 ナット収容室
25a 窓部
26 ピストン
26a 本体部
26b ボス部
26c ねじ孔(連結手段)
27 圧力室
28 給油口
31 配管
31a 主配管
31b 副配管
32 油圧供給装置
33 圧力センサ
34 オリフィス板(減圧手段)
41 測定器(軸力算出手段)
42 マイクロコンピュータ
42a モニター
43 ナットアダプタ
43a 係合孔
44 ハンドル
51 コンデンサー
52 抵抗
53 微分回路
61 調整式減圧弁(減圧手段)
71 液体圧ナット
72 シリンダ
73 ピストン
73a ねじ孔
74 ロックリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被締結部材を締結するボルトの軸力を測定するボルトの軸力測定方法であって、
液圧の供給により作動する引っ張り手段を用いて前記ボルトに引っ張り力を加える工程と、
前記液圧を開放して前記引っ張り力を解除し、前記ボルトを前記被締結部材に締結させる工程と、
液圧の開放により生じる前記圧力室の圧力変化の変化率が急激に低下した点を特異点として検出する工程と、
前記特異点における前記圧力室の圧力値に前記圧力室の受圧面積を乗じて前記ボルトの軸力を算出する工程と、を有することを特徴とするボルトの軸力測定方法。
【請求項2】
請求項1記載のボルトの軸力測定方法において、前記圧力室の液圧を減圧手段により減圧しながら開放して、前記圧力室の減圧時間を延ばすことを特徴とするボルトの軸力測定方法。
【請求項3】
請求項2記載のボルトの軸力測定方法において、前記被締結部材を締結する複数の前記ボルトに対応する複数の前記引っ張り手段を設けるとともに、それぞれの前記引っ張り手段の前記圧力室に対応させて互いに減圧特性が相違する複数の前記減圧手段を設け、それぞれの前記引っ張り手段に対する液圧を、同時に、且つ、前記減圧手段により減圧しながら開放して、それぞれの前記圧力室の特異点の発生に時間差を生じさせることを特徴とするボルトの軸力測定方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のボルトの軸力測定方法において、
前記引っ張り手段は、
前記被締結部材に配置されるハウジングと、
前記ハウジングに形成されるシリンダと、
前記シリンダに装着され、前記シリンダとにより前記圧力室を区画形成するピストンと、
前記ピストンを前記ボルトに連結する連結手段と、を有するボルトテンショナーであることを特徴とするボルトの軸力測定方法。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のボルトの軸力測定方法において、
前記ナットは、
前記被締結部材に配置されるシリンダと、
前記ボルトにねじ結合されるねじ孔を備え、前記シリンダに軸方向に移動自在に組み付けられて前記シリンダとにより前記圧力室を区画形成するピストンと、
前記シリンダまたは前記ピストンのいずれか一方の外周面にねじ結合し、前記圧力室の液圧が開放されたときに前記シリンダまたは前記ピストンのいずれか他方の端面に接して前記ピストンの荷重を支持するロックリングと、を有する液体圧ナットであり、
該液体圧ナットが前記引っ張り手段としても機能することを特徴とするボルトの軸力測定方法。
【請求項6】
被締結部材を締結するボルトの軸力を測定するボルトの軸力測定装置であって、
圧力室に液圧が供給されることにより作動して前記ボルトに引っ張り力を加える引っ張り手段と、
前記圧力室から液圧が開放されて前記引っ張り力が解除されるときの前記圧力室の圧力変化を検出する圧力センサと、
前記圧力センサが検出する前記圧力室の圧力変化の変化率が急激に低下する点を特異点として検出し、前記特異点における前記圧力室の圧力値に前記圧力室の受圧面積を乗じて前記ボルトの軸力を算出する軸力算出手段と、を有することを特徴とするボルトの軸力測定装置。
【請求項7】
請求項6記載のボルトの軸力測定装置において、前記圧力室の液圧を減圧しながら開放して、前記圧力室の減圧時間を延ばす減圧手段を備えることを特徴とするボルトの軸力測定装置。
【請求項8】
請求項7記載のボルトの軸力測定装置において、前記被締結部材を締結する複数の前記ボルトに対応する複数の前記引っ張り手段と、それぞれの前記引っ張り手段に対応する互いに減圧特性が相違する複数の前記減圧手段とを備え、それぞれの前記引っ張り手段に対する液圧を、同時に、且つ、前記減圧手段により減圧しながら開放して、それぞれの前記圧力室の特異点の発生に時間差を生じさせることを特徴とするボルトの軸力測定装置。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載のボルトの軸力測定装置において、
前記引っ張り手段は、
前記被締結部材に配置されるハウジングと、
前記ハウジングに形成されるシリンダと、
前記シリンダに装着され、前記シリンダとにより前記圧力室を区画形成するピストンと、
前記ピストンを前記ボルトに連結する連結手段と、を有するボルトテンショナーであることを特徴とするボルトの軸力測定装置。
【請求項10】
請求項6〜8のいずれか1項に記載のボルトの軸力測定装置において、
前記ナットは、
前記被締結部材に配置されるシリンダと、
前記ボルトにねじ結合されるねじ孔を備え、前記シリンダに軸方向に移動自在に組み付けられて前記シリンダとにより前記圧力室を区画形成するピストンと、
前記シリンダまたは前記ピストンのいずれか一方の外周面にねじ結合し、前記圧力室の液圧が開放されたときに前記シリンダまたは前記ピストンのいずれか他方の端面に接して前記ピストンの荷重を支持するロックリングと、を有する液体圧ナットであり、
該液体圧ナットが前記引っ張り手段としても機能することを特徴とするボルトの軸力測定装置。
【請求項11】
請求項6〜10のいずれか1項に記載のボルトの軸力測定装置において、前記軸力算出手段は、測定プロジェクト識別情報、測定日時、アプリケーション情報、前記引っ張り手段の機種及び前記圧力室の受圧面積を共通データとして予め記憶するとともに、測定した前記ボルトの識別データ、前記圧力室に加えられた予圧力値、前記特異点における前記圧力室の圧力値、算出した前記ボルトの軸力を測定データとして記憶する記憶手段を備え、前記記憶手段は外部のマイクロコンピュータとの間でデータの取り出し、取り込みが可能であることを特徴とするボルトの軸力測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−149841(P2011−149841A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−11680(P2010−11680)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【出願人】(596131986)
【出願人】(596169406)
【出願人】(596169417)
【出願人】(596169428)
【出願人】(598119061)
【Fターム(参考)】