説明

ボルト及びこれに適合するソケットレンチ並びにこれらの組合せ

【課題】ソケットレンチのソケット部に対するボルト頭部の嵌合に際し、ソケット部の嵌合穴とボルト頭部との中心位置決めを迅速に行うと共に、その嵌合も円滑に行うことができ、しかもソケット部におけるボルト頭部の保持を簡便かつ容易に達成することができ、ボルトの取付け作業に際してその適正化と共に作業効率の向上を容易に達成することができるボルト及びこれに適合するソケットレンチ並びにこれらの組合せを提供する。
【解決手段】多角形からなるボルト頭部10aの頂面中央部に、所要深さの円筒孔12を設けると共に、この円筒孔の底部を円錐状の底面14に形成したボルト10Aと、ソケット部22における嵌合穴24内に、先端部を円錐状に突出させてボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させるように構成した支持杆26を、設けたソケットレンチ20Aとから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじ締め作業に使用するボルトおよびこれに適合するソケットレンチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ボルトの取付け及び取外し作業においては、一般にボルト頭部を受け入れる所要の係合凹部を設けたソケット部を有し、これを回転駆動するように構成したソケットレンチが使用されている。
【0003】
このようなソッケトレンチを使用してボルトの取付け作業を行う場合、前記ソケット部の係合凹部内にボルト頭部が適正に保持された状態でないと、ボルトをその取付け孔に対して円滑に取り付けることができなくなる惧れがある。従って、手動による場合のみならず、自動化装置等によるボルトの取付け作業においては、ソッケットレンチのソケット部に対して、ボルト頭部を常に適正な状態で収納保持することが、作業の適正化と作業効率の向上において極めて重要である。
【0004】
このような観点から、従来において、ビットの先端にボルト頭部が嵌合する多角形の嵌合穴を有するソケット部を設けたソケットレンチにおいて、前記ソケット部にねじ頭部係止手段を備えた構成とすることが、種々提案されている。
【0005】
例えば、ソケット部の外周面に環状溝を設け、この環状溝の溝底部から多角形の嵌合穴の少なくとも一つの角部に連通する開口を設け、前記環状溝に嵌装したリング状ばねの一部が前記開口において嵌合穴内に突出させることにより、前記嵌合穴に嵌合するボルト頭部を、前記リング状ばねの一部によって弾力的に保持するように構成したソケットレンチが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、従来においては、ソケット部を永久磁石で構成して、ボルト頭部を吸着保持することも考えられるが、この場合、砂鉄や鉄粉がソケット部に付着すると共に、ボルトが鉄などの強磁性体を使用する以外では到底実用にはならないことから、ソケット部の嵌合穴の内周面に円周溝を形成し、この円周溝内に欠円ばね線を係合配置することにより、前記嵌合穴に嵌合するボルト頭部を、前記欠円ばね線によって弾力的に保持するように構成したソケットレンチが提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開平5−39870号公報
【特許文献2】特開2001−18175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述したように、従来のソケットレンチにおいては、ボルト頭部をソケット部に設けたリング状のばねによって係合保持するように構成したものであるが、ソケット部においてボルト頭部を保持させるに際しては、多角形のボルト頭部を、ソケット部に設けた多角形の嵌合穴に適合させて嵌合させることが必要である。この場合、手作業によれば、ワンタッチ操作で完了することは困難であり、また自動化装置によればソケットレンチを回動させておく等の必要があり、作業に手間が掛かると共に煩雑な作業を伴うことから、作業効率を著しく低下させる等の難点がある。
【0009】
そこで、本発明者は鋭意研究並びに検討を重ねた結果、ボルト頭部の頂面中央部に、所要深さの円筒孔を設けると共に、この円筒孔の底部を円錐状の底面に形成し、これに対するソケットレンチは、多角形の嵌合穴を設けたソケット部における前記嵌合穴の底部中央に円筒孔を設け、この円筒孔内に、先端が前記嵌合穴内を挿通して嵌合穴の開口部より外方へ所要長さ突出し、しかもその先端部分を円錐状に突出させて、前記ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入するようにした支持杆を、ばね部材を介して弾力的に進退可能に収納配置した構成とすることにより、前記ソケットレンチのソケット部に対する前記ボルト頭部の嵌合に際し、前記支持杆の先端部をボルト頭部の円筒孔に嵌入することによって、ソケット部の嵌合穴とボルト頭部との中心位置決めを迅速に行うと共に、その嵌合も円滑に行われて、前記支持杆によるソケット部におけるボルト頭部の保持を、従来のようなリング状ばね部材を設けることなく、簡便かつ容易に達成することができることを突き止めた。
【0010】
従って、本発明の目的は、ソケットレンチのソケット部に対するボルト頭部の嵌合に際し、ソケット部の嵌合穴とボルト頭部との中心位置決めを迅速に行うと共に、その嵌合も円滑に行うことができ、しかもソケット部におけるボルト頭部の保持を簡便かつ容易に達成することができ、ボルトの取付け作業に際してその適正化と共に作業効率の向上を容易に達成することができるボルト及びこれに適合するソケットレンチ並びにこれらの組合せを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するため、本発明の請求項1に記載のボルトは、ボルト頭部の頂面中央部に、所要深さの円筒孔を設けると共に、この円筒孔の底部を円錐状の底面に形成したことを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項2に記載のボルトは、多角形からなるボルト頭部の若干円形上に凹んだ頂面中央部に、所要深さの円筒孔を設けると共に、この円筒孔の開口縁部を面取りし、さらに前記円筒孔の底部には円錐状の底面を2段階に形成したことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項3に記載のボルトは、前記ボルト頭部の頂面中央部に設けた円筒孔の内周面を、テーパ形状に構成することを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項4に記載のソケットレンチは、多角形からなるボルト頭部に嵌合する多角形の嵌合穴を有するソケット部を備えたソケットレンチからなり、前記ソケット部における嵌合穴内に、先端部を円錐状に突出させて、ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させるように構成した支持杆を、設けたことを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項5に記載のソケットレンチは、多角形からなるボルト頭部に嵌合する多角形の嵌合穴を有するソケット部を備えたソケットレンチからなり、前記ソケット部における嵌合穴の底部中央に円筒孔を設け、この円筒孔内に、先端が前記嵌合穴内を挿通して嵌合穴の開口部より外方へ所要長さ突出しかつその先端部を円錐状に突出させて、前記ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させるための支持杆を、ばね部材を介して弾力的に進退可能に収納配置したことを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項6に記載のソケットレンチは、前記ソケット部の円筒孔内に設けた支持杆の先端側を、先細りのテーパ形状に構成することを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項7に記載のソケットレンチは、前記ソケット部における嵌合穴の底部中央に設けた円筒孔内に、前記円筒孔に内接する円筒体と、この円筒体の一端部において前記嵌合穴の底部に係止するように構成した多角形のフランジ部とを備えたスリーブを挿着固定し、前記スリーブ内に前記ばね部材を配置すると共に、前記支持杆の他端部を弾力的に進退可能に収納係止したことを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項8に記載のソケットレンチは、前記支持杆の先端部側に、ナットの雌ねじ部に嵌入係止させる段部を形成したことを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項9に記載のソケットレンチは、前記ソケット部に弾力的に進退可能に収納配置した前記支持杆の先端部側の外周面の一部に、単一または複数の磁極が位置するように永久磁石を設けたことを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項10に記載のソケットレンチは、前記ソケット部の嵌合穴の底部に配置したスリーブのフランジ部に、単一または複数の永久磁石を固定配置したことを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項11に記載のボルトとソケットレンチとの組合せは、多角形からなるボルト頭部の頂面中央部に、所要深さの円筒孔を設けると共に、この円筒孔の底部を円錐状の底面に形成したことを特徴とするボルトと、
多角形からなるボルト頭部に嵌合する多角形の嵌合穴を有するソケット部を備えたソケットレンチからなり、前記ソケット部における嵌合穴内に、先端部を円錐状に突出させて、ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させるように構成した支持杆を、設けたことを特徴とするソケットレンチとを組合せた構成からなる。
【0022】
本発明の請求項12に記載のボルトとソケットレンチとの組合せは、多角形からなるボルト頭部の頂面中央部に、所要深さの円筒孔を設けると共に、この円筒孔の底部を円錐状の底面に形成したことを特徴とするボルトと、
多角形からなるボルト頭部に嵌合する多角形の嵌合穴を有するソケット部を備えたソケットレンチからなり、前記ソケット部における嵌合穴の底部中央に円筒孔を設け、この円筒孔内に、先端が前記嵌合穴内を挿通して嵌合穴の開口部より外方へ所要長さ突出しかつその先端部を円錐状に突出させて、前記ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させるための支持杆を、ばね部材を介して弾力的に進退可能に収納配置したことを特徴とするソケットレンチとを組合せた構成からなる。
【0023】
本発明の請求項13に記載のボルトとソケットレンチとの組合せは、多角形からなるボルト頭部の頂面中央部に、所要深さの円筒孔を設けると共に、この円筒孔の底部を円錐状の底面に形成したことを特徴とするボルトと、
多角形からなるボルト頭部に嵌合する多角形の嵌合穴を有するソケット部を備えたソケットレンチからなり、前記ソケット部における嵌合穴の底部中央に円筒孔を設け、この円筒孔内に、先端が前記嵌合穴内を挿通して嵌合穴の開口部より外方へ突出しないように構成配置しかつその先端部を円錐状に突出させて、前記ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させるための支持杆を、ばね部材を介して弾力的に進退可能に収納配置したことを特徴とするソケットレンチとの組合せ
【0024】
本発明の請求項14に記載のボルトとソケットレンチとの組合せは、多角形からなるボルト頭部の頂面中央部に、所要深さの円筒孔を設けると共に、この円筒孔の底部を円錐状の底面に形成したことを特徴とするボルトと、
多角形からなるボルト頭部に嵌合する多角形の嵌合穴を有するソケット部を備えたソケットレンチからなり、前記ソケット部における嵌合穴の底部中央に円筒孔を設け、この円筒孔内に、この円筒孔に内接する円筒体と、この円筒体の一端部において前記嵌合穴の底部に係止するように構成した多角形のフランジ部とを備えたスリーブを挿着固定し、前記スリーブ内に前記ばね部材を配置すると共に、前記ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させるための支持杆を、前記ばね部材を介して弾力的に進退可能に収納配置したことを特徴とするソケットレンチとを組合せた構成からなる。
【0025】
本発明の請求項15に記載のボルトとソケットレンチとの組合せは、前記ソケット部の円筒孔内に設けた支持杆の先端側を、先細りのテーパ形状に構成すると共に、前記支持杆の先端が嵌合する前記ボルト頭部の頂面中央部に設けた円筒孔の内周面を、テーパ形状に構成してくさび状に結合するよう設定することを特徴とする。
【0026】
本発明の請求項16に記載のボルトとソケットレンチとの組合せは、前記ソケットレンチのソケット部に弾力的に進退可能に収納配置した前記支持杆の先端部側の外周面の一部に、単一または複数の磁極が位置するように永久磁石を設けたことを特徴とする。
【0027】
本発明の請求項17に記載のボルトとソケットレンチとの組合せは、前記ソケットレンチのソケット部の嵌合穴の底部に配置したスリーブのフランジ部に、単一または複数の永久磁石を固定配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明の請求項1に記載のボルトによれば、ボルト頭部の頂面中央部に、所要深さの円筒孔を設けると共に、この円筒孔の底部を円錐状の底面に形成した構成とすることにより、多角形からなるボルト頭部に嵌合する多角形の嵌合穴を有するソケット部の前記嵌合穴内に、先端部を円錐状に突出させて、前記ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させる支持杆を設けた構成からなるソケットレンチを使用することによって、前記ソケットレンチのソケット部に対する前記ボルト頭部の嵌合に際し、前記支持杆の先端部をボルト頭部の円筒孔に嵌入することによって、ソケット部の嵌合穴とボルト頭部との中心位置決めを迅速に行うと共に、その嵌合も円滑に行われて、前記支持杆によるソケット部におけるボルト頭部の保持を確実に行い、ボルトの取付け作業に際し、その適正化と共に作業効率の向上を容易に達成することができる。
【0029】
本発明の請求項2に記載のボルトによれば、特に円筒孔の底部を、円錐状の底面として2段階に深く凹むように構成することにより、アプセット(冷間圧造)によるボルト頭部の一体的成形を可能とし、ボルト製造線材の頭部における素材分子の密度を高めて、ボルトの軽量化と共にその強靭化を図ることができる等の利点が得られる。
【0030】
本発明の請求項3に記載のボルトによれば、ボルト頭部の頂面中央部に設けた円筒孔に嵌合するソケットレンチのソケット部の円筒孔内に設けた支持杆に対して、その先端側を先細りのテーパ形状に構成することによって、前記支持杆との嵌合をくさび状にして緩みのない結合とすることができる。
【0031】
本発明の請求項4および11に記載のソケットレンチ並びにボルトとの組合せによれば、多角形からなるボルト頭部に嵌合する多角形の嵌合穴を有するソケット部の前記嵌合穴内に、先端部を円錐状に突出させて、ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させる支持杆を設けた構成とすることにより、ボルト頭部の頂面中央部に、所要深さの円筒孔を設けたボルトを使用することにより、ソケット部の嵌合穴とボルト頭部との中心位置決めを迅速に行うと共に、その嵌合も円滑に行われて、従来のように嵌合穴内にリング状ばね等を設けることなく、前記支持杆によるソケット部におけるボルト頭部の保持を確実に行い、ボルトの取付け作業に際し、その適正化と共に作業効率の向上を容易に達成することができる。
【0032】
本発明の請求項5、12および13に記載のソケットレンチ並びにボルトとの組合せによれば、ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させる支持杆を設けるに際し、ソケット部における嵌合穴の底部中央に円筒孔を設け、この円筒孔内に、先端が前記嵌合穴内を挿通して嵌合穴の開口部より外方へ所要長さ突出しかつその先端部を円錐状に突出させて、前記ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させるための支持杆を、ばね部材を介して弾力的に進退可能に収納配置することによって、極めて簡単な構成により、ソケット部の嵌合穴とボルト頭部との中心位置決めを容易かつ迅速に達成することができる。
【0033】
本発明の請求項6および15に記載のソケットレンチ並びにボルトとの組合せによれば、ボルト頭部の頂面中央部に設けた円筒孔の内部に、ソケットレンチのソケット部の円筒孔内に設けた支持杆の先端部を嵌合する場合において、テーパ接触によるいくさび状の緩みのない適正な結合を達成することができる。従って、この場合、前記ボルトの円筒孔およびソケットレンチの支持杆の製造に際しての仕上がり寸法が設定寸法より多少の誤差を生じても、前述したように常に適正な結合を達成することができる。
【0034】
本発明の請求項7および14に記載のソケットレンチ並びにボルトとの組合せによれば、ソケット部における嵌合穴の底部中央に設けた円筒孔内に、前記円筒孔に内接する円筒体と、この円筒体の一端部において前記嵌合穴の底部に係止するように構成した多角形のフランジ部とを備えたスリーブを挿着固定し、前記スリーブ内に前記ばね部材を配置すると共に、前記支持杆の他端部を弾力的に進退可能に収納係止する構成とすることにより、前記支持杆の構成をメンテナンス可能な部品による組立て方式となり、その製造の容易化と共に製造コストの低減を図ることができる。
【0035】
本発明の請求項8に記載のソケットレンチによれば、支持杆の先端部にナットの雌ねじ部に嵌入係止させる段部を形成することによって、前記ボルト頭部の嵌合のみならず、ナットとの嵌合も可能にして、ボルトおよびナットの取付けおよび取外し作業を有効に行うことができる。
【0036】
本発明の請求項9および16に記載のソケットレンチによれば、ソケット部に対してボルト頭部を嵌合する場合において、支持杆の先端部をボルト頭部の円筒孔に嵌入する際に、永久磁石の吸引作用によって、ソケット部の嵌合穴とボルト頭部との中心位置決めを迅速に行うと共に、ボルト頭部の前記支持杆への保持ないしソケット部の嵌合穴内への嵌入を確実にして円滑かつ適正に行うことができる。
【0037】
本発明の請求項10および17に記載のソケットレンチによれば、ソケット部に対してボルト頭部を嵌合する場合において、支持杆の先端部をボルト頭部の円筒孔に嵌入する際に、永久磁石の吸引作用によって、ボルト頭部のソケット部の嵌合穴内への嵌入および保持を確実にして円滑かつ適正に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係るボルトの一実施例を示す側面断面図である。
【図2】図1に示すボルトの平面図である。
【図3】図1に示すボルトの変形例を示す側面断面図である。
【図4】図3に示すボルトの平面図である。
【図5】本発明に係るボルトに適合するソケットレンチの一実施例を示す要部概略側面断面図である。
【図6】図5に示すソケットレンチの先端部側から見た平面図である。
【図7】図1に示すボルトに図5に示すソケットレンチを適用して嵌合した状態を示す概略断面説明図である。
【図8】図7に示すボルトとソケットレンチの嵌合によりボルトの取付け作業を行う状態を示す概略側面断面図である。
【図9】本発明に係るボルトに適合するソケットレンチの別の実施例を示す要部概略側面断面図である。
【図10】図5に示すソケットレンチの変形実施例を示す要部概略側面断面図である。
【図11】図10に示すソケットレンチの先端部側から見た平面図である。
【図12】本発明に係るボルトに適合するソケットレンチのさらに別の実施例を示す要部概略側面断面図である。
【図13】図12に示すソケットレンチの先端部側から見た平面図である。
【図14】本発明に係るボルトおよびナットに適合するソケットレンチのさらにまた別の実施例を示す要部概略側面断面図である。
【図15】本発明に係るボルトとソケットレンチとの組合せのさらに別の実施例を示す概略断面説明図である。
【図16】図15に示すボルトとソケットレンチとの組合せの変形実施例を示す概略断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
次に、本発明に係るボルト及びこれに適合するソケットレンチ並びにこれらの組合せの実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【実施例1】
【0040】
ボルトの構成例1
図1および図2は、本発明に係るボルトの一実施例を示す概略構成図である。すなわち、図1および図2において、参照符号10Aは頭部を六角形に形成した六角ボルトを示し、このボルト10Aのボルト頭部10aの頂面中央部に、所要深さの円筒孔12を設けると共に、この円筒孔12の底部を円錐状の底面14に形成した構成からなる。なお、このように構成される本実施例のボルト10Aを製造するに際しては、アプセット(冷間圧造)によるボルト頭部10aの一体的成形を行うことにより、前記六角形からなるボルト頭部10aの頂面11は、若干円形上に凹んだ形状を有し、その中央部に所要深さの円筒孔12を形成すると共に、この円筒孔12の開口縁部を面取り13した構成とすることができる。
【実施例2】
【0041】
ボルトの構成例2
図3および図4は、本発明に係るボルトの別の実施例を示す概略構成図である。なお、説明の便宜上、図1および図2に示す実施例と同一の構成部分については同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。すなわち、図3および図4において、本実施例のボルト10Bは、基本的構成が前記実施例1のボルト10Aと同一である。特に、本実施例のボルト10Bにおいては、前記円筒孔12の底部は、円錐状の底面14を2段階(15)に形成したものである。このように本実施例のボルト10Bを構成することにより、特に円筒孔12の底部を、円錐状の底面14、15として2段階に深く凹むように構成することにより、アプセット(冷間圧造)によるボルト頭部10aの一体的成形を可能とし、ボルト製造線材の頭部における素材分子の密度を高めて、ボルト10Bの軽量化と共にその強靭化を図ることができる。なお、本発明に係るボルトの変形例として、図3および図4に破線で示すように、フランジ部16を設けたフランジ付きボルトとして構成することもできる。
【実施例3】
【0042】
ソケットレンチの構成例1
図5および図6は、本発明に係るソケットレンチの一実施例を示す概略構成図である。すなわち、図5および図6において、参照符号20Aは六角形からなるボルト頭部10a(図1参照)を嵌合する六角形の嵌合穴24を有するソケット部22を備えたソケットレンチを示し、前記ソケットレンチ20Aのソケット部22における嵌合穴24内に、先端部28を円錐状に突出させて、ボルト頭部10aに形成した円筒孔12(図1参照)に嵌入させるように構成した支持杆26を設けた構成からなる。この場合、前記ソケット部22における嵌合穴24の底部中央に円筒孔25を設け、この円筒孔25内に、先端が前記嵌合穴24内を挿通して嵌合穴24の開口部より外方へ所要長さ突出しかつその先端部28を円錐状に突出させて、前記ボルト頭部10aに形成した円筒孔12に嵌入させるための支持杆26を、ばね部材30を介して弾力的に進退可能に収納配置する。なお、前記支持杆26は、嵌合穴24の底部中央に設けた円筒孔25に嵌入させる境界部に、若干の突出段部27を設けて、この突出段部27に対して前記円筒孔25の開口部側内周面に、係止リングばね29を取付けることにより、前記円筒孔25から脱落しないように係止することができる。
【0043】
また、本実施例のソケットレンチの構成において、ボルト頭部10aに形成した円筒孔12に嵌入させるように構成した支持杆26は、図示しないが、その長さ寸法を短く設定し、支持杆26の先端部28が嵌合穴24の開口部より外方へ突出しないようにした構成配置とすることもできる。
【実施例4】
【0044】
ボルトとソケットレンチの組合せ構成例1
図7および図8は、本発明に係るボルトとソケットレンチとの組合せの一実施例を示す概略構成図である。なお、説明の便宜上、図1ないし図6に示すボルトおよびソケットレンチの各実施例と同一の構成部分については同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0045】
図7は、図1および図2に示す実施例1のボルト10Aと、図5および図6に示す実施例3のソケットレンチ20Aとの組合せによる、ソケットレンチ20Aのソケット部22の嵌合穴24内に対する、ボルト頭部10aの嵌合状態を示すものである。この場合、ソケット部22の嵌合穴24とボルト頭部10aとの中心位置決めを迅速に行うと共に、その嵌合も円滑に行われて、従来のように嵌合穴24内にリング状ばね等を設けることなく、支持杆26によるソケット部22におけるボルト頭部10aの保持を確実に行うことができる。
【0046】
図8は、図1および図2に示す実施例1のボルト10Aと、図5および図6に示す実施例3のソケットレンチ20Aとの組合せによる、ソケットレンチ20Aのソケット部22の嵌合穴24内に、ボルト頭部10aを嵌合させて、ボルト10Aの取付け作業を行う状態を示すものである。この場合、支持杆26によるソケット部22におけるボルト頭部10aの保持を確実に行い、ボルト10Aの取付け対象物Wに対する取付け作業に際し、その適正化と共に作業効率の向上を容易に達成することができる。
【実施例5】
【0047】
ソケットレンチの構成例2
図9は、本発明に係るソケットレンチの別の実施例を示す概略構成図である。本実施例のソケットレンチ20Bは、六角形からなるボルト頭部10aに嵌合する六角形の嵌合穴24を有するソケット部22を備えたソケットレンチ20Bであって、前記ソケット部22における嵌合穴24内に、先端部28を円錐状に突出させて、ボルト頭部10aに形成した円筒孔12に嵌入させるための支持杆26を設けた構成からなる。この場合、前記ソケット部22における嵌合穴24の底部中央に円筒孔25を設け、この円筒孔25内に、先端が前記嵌合穴24内に位置しかつその先端部28を円錐状に突出させて、前記ボルト頭部10aに形成した円筒孔12に嵌入させる支持杆26を収納固定する。なお、前記支持杆26は、嵌合穴24の底部中央に設けた円筒孔25に嵌入させる境界部に、若干の突出段部27を設けて、この突出段部27に対して前記円筒孔25の開口部側内周面に、係止リングばね29を取付けることにより、前記円筒孔25から脱落しないように係止することができる。
【0048】
このように構成することによっても、前述した実施例4と同様に、ソケットレンチ20Bのソケット部22に対するボルト頭部10aの嵌合に際し、ソケット部22の嵌合穴24とボルト頭部10aとの中心位置決めを迅速に行うと共に、その嵌合も円滑に行うことができ、しかもソケット部22におけるボルト頭部10aの保持を簡便かつ容易に達成することができ、ボルト10Aの取付け作業に際してその適正化と共に作業効率の向上を容易に達成することができる。
【実施例6】
【0049】
ソケットレンチの構成例3
図10および図11は、本発明に係るソケットレンチの変形例を示す概略構成図である。図10および図11に示すソケットレンチ20Cは、その基本的な構成が、前述した図5および図6に示す実施例3に記載のソケットレンチ20Aと同じである。従って、図5および図6に示す実施例3と同一の構成部分については同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。そこで、本実施例のソケットレンチ20Cは、ソケット部22に弾力的に進退可能に収納配置した支持杆26の先端部側の外周面の一部において、図10および図11に示すように、単一または複数の磁極が位置するように永久磁石32を設けたものである。
【0050】
このようにソケットレンチ20Cを構成することにより、ソケット部22に対してボルト頭部10aを嵌合する場合において、支持杆26の先端部28をボルト頭部10aの円筒孔12に嵌入する際に、永久磁石32の吸引作用によって、ソケット部22の嵌合穴24とボルト頭部10aとの中心位置決めを迅速に行うと共に、ボルト頭部10aの前記支持杆26への保持ないしソケット部22の嵌合穴24内への嵌入を確実にして円滑かつ適正に行うことができる。
【実施例7】
【0051】
ソケットレンチの構成例4
図12および図13は、本発明に係るソケットレンチのさらに別の実施例を示す概略構成図である。すなわち、図12および図13に示すソケットレンチ20Dは、ソケット部22における嵌合穴24の底部中央に円筒孔25を設け、この円筒孔25内に、この円筒孔25に内接する円筒体35と、この円筒体35の一端部において前記嵌合穴24の底部に係止するように構成した六角形のフランジ部36とを備えたスリーブ34を挿着固定し、前記スリーブ34内にばね部材30を配置すると共に、前記ボルト頭部10aに形成した円筒孔12に嵌入させるための支持杆26を、前記ばね部材30を介して弾力的に進退可能に収納配置した構成からなる。なお、前記支持杆26は、嵌合穴24の底部中央に設けた円筒孔25内に挿着固定するスリーブ34に嵌入させる境界部に、若干の突出段部27を設けて、この突出段部27に対して前記フランジ部36の内向き側に、係止部37を設けることにより、前記スリーブ34から脱落しないように係止することができる。また、参照符号38は、前記スリーブ34を嵌合穴24の円筒孔25内に挿着固定するための止めねじ具を示す。
【0052】
このようにソケットレンチ20Dを構成することにより、支持杆26構成をメンテナンス可能な円筒体35とフランジ部36からなるスリーブ34と、支持杆26と、ばね部材30とからなる部品による組立て方式となり、その製造の容易化と共に製造コストの低減を図ることができる。
【0053】
また、本実施例のソケットレンチ20Dにおいては、図12および図13に示すように、ソケット部22の嵌合穴24の底部に配置したスリーブ34のフランジ部36に、単一または複数の永久磁石40を固定配置した構成とすることができる。このようにソケットレンチ20Dを構成することにより、ソケット部22に対してボルト頭部10aを嵌合する場合において、支持杆26の先端部28をボルト頭部10aの円筒孔12に嵌入する際に、永久磁石40の吸引作用によって、ボルト頭部10aのソケット部22の嵌合穴24内への嵌入および保持を確実にして、ボルト10Aの取付け作業を円滑かつ適正に行うことができる。
【実施例8】
【0054】
ソケットレンチの構成例5
図14は、本発明に係るソケットレンチのさらにまた別の実施例を示す概略構成図である。すなわち、図14に示すソケットレンチ20Eは、図7および図8に示す実施例4のソケットレンチ20Aの変形例を示すものであり、本発明に係るボルト10のみならず、ナット50の取付けおよび取外し作業に際しても、有効に使用することができるように構成したものである。従って、本実施例のソケットレンチ20Eにおいては、図7に示すソケットレンチ20Aの構成において、支持杆26の先端部側に、ナット50の雌ねじ部52に嵌入係止させる段部26aを形成したことを特徴とする。その他の構成は、図7に示す構成と同じであり、同一の構成部分には同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、本実施例のソケットレンチ20Eにおいては、前述した図10および図11に示す実施例6のソケットレンチ20Cと同様にして、図示する支持杆26の段部26a付近に、永久磁石32を設けることにより、ナット50の保持並びにソケット部22の嵌合穴24内への嵌入および保持を確実にして、ナット50の取付け作業を円滑かつ適正に行うことができる。また、本実施例のソケットレンチ20Eは、図9および図12にそれぞれ示すソケットレンチ20B、20Dの支持杆26として応用することができる。
【実施例9】
【0055】
ボルトとソケットレンチの組合せ構成例2
図15および図16は、本発明に係るボルトとソケットレンチとの組合せのさらに別の実施例を示す概略構成図である。なお、説明の便宜上、図1ないし図6に示すボルトおよびソケットレンチの各実施例と同一の構成部分については同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0056】
図15は、前述した図7および図8に示す実施例4のボルトとソケットレンチとの組合せにおいて、ソケットレンチ20Aのソケット部22に設けた支持杆26の先端側で、ボルト頭部10aに形成した円筒孔12に嵌合する部分の外周面26bを、先細りとなるテーパ形状に構成したものである。これに対応して、前記ボルト頭部10aの円筒孔12の内周面12aを、同様のテーパ形状に構成したものである。この場合、前記テーパ形状としての傾斜角度は、ボルトのねじ軸に対して、例えば3°〜45°の範囲で適宜設定することができる。このように構成した本実施例においては、図示のように、前記ボルト頭部10aの円筒孔12の内部(12a)に、前記ソケットレンチ20Aの支持杆26の先端部(26b)をくさび状にして緩みのない適正な嵌合を達成することができる。
【0057】
従って、本実施例のボルトとソケットレンチとの組合せによれば、前記ボルトの円筒孔12およびソケットレンチ20Aの支持杆26の製造に際しての仕上がり寸法が、設定寸法より多少の誤差を生じても、前述したように常に適正な結合を達成することができる。なお、このようなソケットレンチ20Aの支持杆26とボルト頭部10aの円筒孔12とのテーパ形状による結合構成については、前述した図9に示す実施例5、図10および図11に示す実施例6、そして図12および図13に示す実施例7におけるソケットレンチ20B、20C、20Dとボルトとの組合せにおいても、それぞれ適用することができる。
【0058】
図16は、前記図15に示す実施例の変形例を示すものである。すなわち、本実施例においては、ソケットレンチ20Aのソケット部22に設けた支持杆26について、その円錐状先端部28がボルト10Aとの嵌合前において、ソケット部22の嵌合穴24の開口部より外部に突出しないような構成配置としたものである。その他の構成は、前記図15に示す実施例と同一である。従って、図15に示す実施例と同一の構成部分については、それぞれ同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。このように構成した本実施例においては、図示のように、ソケットレンチ20Aのソケット部22内にボルト頭部10aを完全に収納保持することができ、例えばソケットレンチ20Aの移動操作に際しても、より確実なソケットレンチ20Aとボルトとの結合を達成することができる。
【0059】
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は前述した実施例に限定されることなく、例えば六角形以外の種々の多角形ボルトおよびこれに適合する多角形のソケットレンチとすること、またソケットレンチにおける支持杆として、ソケット部の嵌合穴への設置手段につき、進退自在な構成とする場合もしくは進退しない固定手段とする場合において、公知の種々の手段を採用することができるばかりでなく、永久磁石の設置についても種々の設計変更が可能であり、その他本発明の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0060】
10A、10B 六角形ボルト 10a ボルト頭部
11 凹んだ頂面 12 円筒孔
12a テーパ形状の内周面 13 面取り
14 円錐状の底面 15 2段目の円錐状底面
16 フランジ部 20A、20B ソケットレンチ
20C、20D ソケットレンチ 22 ソケット部
24 嵌合孔 25 円筒孔
26 支持杆 26a 段部
26b テーパ形状の外周面 27 突出段部
28 円錐状先端部 29 係止リングばね
30 ばね部材 32 永久磁石
34 スリーブ 35 円筒体
36 六角形フランジ部 37 係止部
38 止めねじ具 40 永久磁石
50 ナット 52 雌ねじ部
W ボルトの取付け対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角形からなるボルト頭部の頂面中央部に、所要深さの円筒孔を設けると共に、この円筒孔の底部を円錐状の底面に形成したことを特徴とするボルト。
【請求項2】
多角形からなるボルト頭部の若干円形上に凹んだ頂面中央部に、所要深さの円筒孔を設けると共に、この円筒孔の開口縁部を面取りし、さらに前記円筒孔の底部には円錐状の底面を2段階に形成したことを特徴とするボルト。
【請求項3】
前記ボルト頭部の頂面中央部に設けた円筒孔の内周面を、テーパ形状に構成することを特徴とする請求項1または2記載のボルト。
【請求項4】
多角形からなるボルト頭部に嵌合する多角形の嵌合穴を有するソケット部を備えたソケットレンチからなり、前記ソケット部における嵌合穴内に、先端部を円錐状に突出させて、ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させるように構成した支持杆を、設けたことを特徴とするソケットレンチ。
【請求項5】
多角形からなるボルト頭部に嵌合する多角形の嵌合穴を有するソケット部を備えたソケットレンチからなり、前記ソケット部における嵌合穴の底部中央に円筒孔を設け、この円筒孔内に、先端が前記嵌合穴内を挿通して嵌合穴の開口部より外方へ所要長さ突出しかつその先端部を円錐状に突出させて、前記ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させるための支持杆を、ばね部材を介して弾力的に進退可能に収納配置したことを特徴とするソケットレンチ。
【請求項6】
前記ソケット部の円筒孔内に設けた支持杆の先端側を、先細りのテーパ形状に構成することを特徴とする請求項4または5記載のソケットレンチ。
【請求項7】
前記ソケット部における嵌合穴の底部中央に設けた円筒孔内に、前記円筒孔に内接する円筒体と、この円筒体の一端部において前記嵌合穴の底部に係止するように構成した多角形のフランジ部とを備えたスリーブを挿着固定し、前記スリーブ内に前記ばね部材を配置すると共に、前記支持杆の他端部を弾力的に進退可能に収納係止したことを特徴とする請求項5または6記載のソケットレンチ。
【請求項8】
前記支持杆の先端部側に、ナットの雌ねじ部に嵌入係止させる段部を形成したことを特徴とする請求項4ないし7のいずれかに記載のソケットレンチ。
【請求項9】
前記ソケット部に弾力的に進退可能に収納配置した前記支持杆の先端部側の外周面の一部に、単一または複数の磁極が位置するように永久磁石を設けたことを特徴とする請求項4ないし8のいずれかに記載のソケットレンチ。
【請求項10】
前記ソケット部の嵌合穴の底部に配置したスリーブのフランジ部に、単一または複数の永久磁石を固定配置したことを特徴とする請求項7記載のソケットレンチ。
【請求項11】
多角形からなるボルト頭部の頂面中央部に、所要深さの円筒孔を設けると共に、この円筒孔の底部を円錐状の底面に形成したことを特徴とするボルトと、
多角形からなるボルト頭部に嵌合する多角形の嵌合穴を有するソケット部を備えたソケットレンチからなり、前記ソケット部における嵌合穴内に、先端部を円錐状に突出させて、前記ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させるように構成した支持杆を、設けたことを特徴とするソケットレンチとの組合せ。
【請求項12】
多角形からなるボルト頭部の頂面中央部に、所要深さの円筒孔を設けると共に、この円筒孔の底部を円錐状の底面に形成したことを特徴とするボルトと、
多角形からなるボルト頭部に嵌合する多角形の嵌合穴を有するソケット部を備えたソケットレンチからなり、前記ソケット部における嵌合穴の底部中央に円筒孔を設け、この円筒孔内に、先端が前記嵌合穴内を挿通して嵌合穴の開口部より外方へ所要長さ突出しかつその先端部を円錐状に突出させて、前記ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させるための支持杆を、ばね部材を介して弾力的に進退可能に収納配置したことを特徴とするソケットレンチとの組合せ。
【請求項13】
多角形からなるボルト頭部の頂面中央部に、所要深さの円筒孔を設けると共に、この円筒孔の底部を円錐状の底面に形成したことを特徴とするボルトと、
多角形からなるボルト頭部に嵌合する多角形の嵌合穴を有するソケット部を備えたソケットレンチからなり、前記ソケット部における嵌合穴の底部中央に円筒孔を設け、この円筒孔内に、先端が前記嵌合穴内を挿通して嵌合穴の開口部より外方へ突出しないように構成配置しかつその先端部を円錐状に突出させて、前記ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させるための支持杆を、ばね部材を介して弾力的に進退可能に収納配置したことを特徴とするソケットレンチとの組合せ。
【請求項14】
多角形からなるボルト頭部の頂面中央部に、所要深さの円筒孔を設けると共に、この円筒孔の底部を円錐状の底面に形成したことを特徴とするボルトと、
多角形からなるボルト頭部に嵌合する多角形の嵌合穴を有するソケット部を備えたソケットレンチからなり、前記ソケット部における嵌合穴の底部中央に円筒孔を設け、この円筒孔内に、この円筒孔に内接する円筒体と、この円筒体の一端部において前記嵌合穴の底部に係止するように構成した多角形のフランジ部とを備えたスリーブを挿着固定し、前記スリーブ内に前記ばね部材を配置すると共に、前記ボルト頭部に形成した円筒孔に嵌入させるための支持杆を、前記ばね部材を介して弾力的に進退可能に収納配置したことを特徴とするソケットレンチとの組合せ。
【請求項15】
前記ソケット部の円筒孔内に設けた支持杆の先端側を、先細りのテーパ形状に構成すると共に、前記支持杆の先端が嵌合する前記ボルト頭部の頂面中央部に設けた円筒孔の内周面を、テーパ形状に構成してくさび状に結合するよう設定することを特徴とする請求項11ないし14のいずれかに記載のボルトとソケットレンチとの組合せ。
【請求項16】
前記ソケットレンチのソケット部に弾力的に進退可能に収納配置した前記支持杆の先端部側の外周面の一部に、単一または複数の磁極が位置するように永久磁石を設けたことを特徴とする請求項11ないし15のいずれかに記載のボルトとソケットレンチとの組合せ。
【請求項17】
前記ソケットレンチのソケット部の嵌合穴の底部に配置したスリーブのフランジ部に、単一または複数の永久磁石を固定配置したことを特徴とする請求項14または15記載のボルトとソケットレンチとの組合せ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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