説明

ボルト締付け軸力推定装置およびボルト締付け軸力推定方法

【課題】一旦締結したボルトを緩めることなく、ボルトの締付け軸力を推定することができるボルト締付け軸力推定装置を提供する。
【解決手段】軸力推定装置1は、ボルトBを締付けるための締付け手段2と、締付け手段2に取り付けられたトルク検出手段3および角度検出手段4と、情報処理手段5とを備えている。情報処理手段5は、締付けトルクを回転角度で積分することによって算出されるトルク積分値と、締付け軸力とを予め関連付けた軸力情報を記憶する記憶部61と、トルク検出手段3にて検出された締付けトルクを、角度検出手段4にて検出された回転角度で積分することによって、トルク積分値を算出する算出部64と、記憶部61に記憶された軸力情報と、算出部64にて算出されたトルク積分値とに基づいて、ボルトBの締付け軸力を推定する推定部65とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボルト締付け軸力推定装置およびボルト締付け軸力推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ボルトの締結状態を判断するために、ボルトの締付け軸力が用いられている。この締付け軸力は、締付けで伸びたボルトが反発して元に戻ろうとするボルトの引張力である。この締付け軸力を直接的に測定する手段がないため、ボルトの締付けトルクや、ボルトの緩めトルク等の値を測定し、これらの値から間接的に推定している。
【0003】
具体的には、例えば、特許文献1に記載された発明では、まず、ボルトの締付けトルクと、ボルトの緩めトルクとを測定し、締付けトルクと、緩めトルクとの差分であるトルク差を算出する。次に、このトルク差と、予め入力されたボルトのねじピッチとを所定の軸力予測式に代入することによって、ボルトの締付け軸力を算出し、推定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−256230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、ボルトの締付け軸力を推定するには、ボルトの締付けトルクの他、ボルトの緩めトルクを測定しなければならない。
そのため、一旦締結したボルトを緩め、ボルトの緩めトルクを測定した後、再度、ボルトの締付けをしなければならないという技術的課題があった。
また、この再度のボルトの締付けを、前回のボルトの締付けトルクと同じに行わなければならず、前回のボルトの締付けトルクと異なる場合には、推定されたボルトの締付け軸力は、実際の軸力と異なったものとなる。
そのため、再度、ボルトの締付けを、前回のボルトの締付けトルクと同一のトルクで行わなければないという、作業上注意を有するという技術的課題があった。
【0006】
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、一旦締結したボルトを緩めることなく、ボルトの締付け軸力を推定することができるボルト締付け軸力推定装置およびボルト締付け軸力推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決するためになされた本発明にかかるボルト締付け軸力推定装置は、ボルトの締付け軸力を推定するボルト締付け軸力推定装置であって、前記ボルトを締付けるための締付け手段と、前記締付け手段にて前記ボルトを締付ける際の締付けトルクを検出するトルク検出手段と、前記締付け手段にて前記ボルトを締付ける際の回転角度を検出する角度検出手段と、前記トルク検出手段にて検出された締付けトルクと、前記角度検出手段にて検出された回転角度とを取得し、これらの情報を処理する情報処理手段とを備え、前記情報処理手段は、前記締付けトルクを前記回転角度で積分することによって算出されるトルク積分値と、前記締付け軸力とを予め関連付けた軸力情報を記憶する記憶部と、前記トルク検出手段にて検出された締付けトルクを、前記角度検出手段にて検出された回転角度で積分することによって、前記トルク積分値を算出する算出部と、前記記憶部に記憶された軸力情報と、前記算出部にて算出されたトルク積分値とに基づいて、前記締付け軸力を推定する推定部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
このようなボルト締付け軸力推定装置によれば、情報処理手段は、トルク検出手段にて検出された締付けトルクを、角度検出手段にて検出された回転角度で積分することによって、トルク積分値を算出し、このトルク積分値と、軸力情報とに基づいて、締付け軸力を推定している。ここで、軸力情報は、トルク積分値と、締付け軸力とを予め関連付けた情報である。
したがって、情報処理手段は、締付けトルクと、回転角度のみに基づいて、締付け軸力を推定することができるので、一旦締結したボルトを緩めることなく、ボルトの締付け軸力を推定することができる。また、一旦締結した前記ボルトを緩め、前回のボルトの締付けトルクと同一のトルクで、ボルトの締付けを再度行う必要がないため、作業を容易になすことができる。
【0009】
上記技術的課題を解決するためになされた本発明にかかるボルト締付け軸力推定方法は、ボルトの締付け軸力を推定するボルト締付け軸力推定方法であって、前記ボルトを締付ける際の締付けトルクを、前記ボルトを締付ける際の回転角度で積分することによって、トルク積分値を算出する算出ステップと、 前記トルク積分値および前記締付け軸力を予め関連付けた軸力情報と、前記算出ステップにて算出されたトルク積分値とに基づいて、前記締付け軸力を推定する推定ステップと、を有することを特徴としている。
【0010】
このようなボルト締付け軸力推定方法によれば、ボルトを締付ける際の締付けトルクを、ボルトを締付ける際の回転角度で積分することによって、トルク積分値を算出し、このトルク積分値と、軸力情報とに基づいて、締付け軸力を推定している。
したがって、締付けトルクと、回転角度のみに基づいて、締付け軸力を推定することができるので、一旦締結したボルトを緩めることなく、ボルトの締付け軸力を推定することができる。また、一旦締結した前記ボルトを緩め、前回のボルトの締付けトルクと同一のトルクで、ボルトの締付けを再度行う必要がないため、作業を容易になすことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、一旦締結したボルトを緩めることなく、ボルトの締付け軸力を推定することができるボルト締付け軸力推定装置およびボルト締付け軸力推定方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明にかかるボルト締付け軸力推定装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、締付けトルクと、回転角度との関係を示す図である。
【図3】図3は、トルク積分値と、締付け軸力との関係を示す図である。
【図4】図4は、本発明にかかるボルト締付け軸力推定方法のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明にかかるボルト締付け軸力推定装置およびボルト締付け軸力推定方法について、図面に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明にかかるボルト締付け軸力推定装置の概略構成を示すブロック図、図2は締付けトルクと回転角度との関係を示す図、図3はトルク積分値と、締付け軸力との関係を示す図、図4は本発明にかかるボルト締付け軸力推定方法のフローチャート図である。
【0014】
このボルト締付け軸力推定装置(以下、単に「軸力推定装置」という)1は、図1に示すように、ボルトBの締付け軸力を推定する装置である。
この軸力推定装置1は、前記ボルトBを締付けるための締付け手段(例えば、モンキーレンチ)2と、前記締付け手段2に取り付けられたトルク検出手段3および角度検出手段4と、前記トルク検出手段3および前記角度検出手段4に信号線Sを介して接続された情報処理手段5とを備えている。
なお、前記締付け手段2は、前記ボルトBを締付けることができるものであればよく、その具体的な構成について特に限定されるものではない。例えば、前記締付け手段2は、電動式のものであってもよく、手動式のものであってもよい。
【0015】
前記トルク検出手段3は、前記締付け手段2にて前記ボルトBを締付ける際の締付けトルクを検出するセンサである。このトルク検出手段3は、検出した締付けトルクの値を示す電気信号を、前記信号線Sを介して前記情報処理手段5に送信する。
前記角度検出手段4は、前記締付け手段2にて前記ボルトBを締付ける際の回転角度を検出するセンサである。この角度検出手段4は、検出した回転角度の値を示す電気信号を、前記信号線Sを介して前記情報処理手段5に送信する。
【0016】
前記トルク検出手段3としては、歪式トルクセンサーを用いることができる。
また、前記角度検出手段4としては、レゾルバ、ロータリーエンコーダ等を用いることができる。尚、トルク検出手段3及び角度検出手段4として、上記手段を示したが、「締め付けトルク」および「回転角度」を検出し、これらの値を示す電気信号を、前記信号線Sを介して前記情報処理手段5に送信することができるものであればよく、その具体的な構成について特に限定されるものではない。
【0017】
前記情報処理手段5は、CPU(Central Processing Unit)や、メモリなどによって構成され、所定のプログラムに従って情報処理を実行するコンピュータである。この情報処理手段5は、前記トルク検出手段3にて検出された締付けトルクと、前記角度検出手段4にて検出された回転角度とを取得し、これらの情報を処理する本体部6と、前記本体部6にて処理された情報を表示する液晶ディスプレイなどによって構成された表示部7とを備えている。
【0018】
前記本体部6は、情報処理に用いられる情報を記憶する記憶部61と、送受信部62と、数値化処理部63と、算出部64と、推定部65とを備えている。
前記送受信部62は、外部機器との間でデータの送受信を行う。具体的には、前記トルク検出手段3および前記角度検出手段4から送信された電気信号の受信や、前記本体部6にて処理された情報を前記表示部7に表示するための電気信号の送信などを行う。
前記数値化処理部63は、前記トルク検出手段3および前記角度検出手段4から送信され、前記送受信部62にて受信された電気信号を数値化する。すなわち、前記トルク検出手段3にて検出された締付けトルクと、前記角度検出手段4にて検出された回転角度とを数値化する。
【0019】
前記算出部64は、前記数値化処理部63にて数値化された締付けトルクを、前記数値化処理部63にて数値化された回転角度で積分することによって、トルク積分値を算出する。
前記推定部65は、前記記憶部61に記憶された軸力情報と、前記算出部64にて算出されたトルク積分値とに基づいて、前記ボルトBの締付け軸力を推定する。
【0020】
ここで、前記記憶部61に記憶された軸力情報は、締付けトルクを回転角度で積分することによって算出されるトルク積分値と、締付け軸力とを予め関連付けた情報である。
この軸力情報は、例えば、前記ボルトBと、対象物との間に潤滑油を塗布して摩擦力を変化させて、トルク積分値と、締付け軸力とを予め測定しておくことによって生成することができる。
なお、軸力情報を生成する際には、締付け軸力は、例えば、前述した特許文献1に記載された発明を用いることによって推定してもよく、前記ボルトBと、対象物との間にロードセルなどのセンサを挟み込むことによって測定してもよい。
【0021】
ここで、まず、締付けトルクを回転角度で積分することによって算出されるトルク積分値と、締付け軸力との間に一定の関係があり、トルク積分値を求めることにより、締付け軸力を求められることについて説明する。
先ず、締付けトルクは、ボルトBの軸力(締付け軸力)と、前記ボルトBと対象物との間の摩擦力の和である。したがって、前記ボルトBと対象物との間の摩擦力が異なると、同じ締付けトルクであっても、ボルトBの軸力は異なる。
即ち、締付けトルクを回転角度で積分したトルク積分値も、前記ボルトBと対象物との間の摩擦力の影響を受け、同一の締付けトルクであっても、摩擦力が大きければ、回転角度が小さく、ボルトBの軸力(締付け軸力)は小さくなり、一方、摩擦力が小さく、回転角度が大きければ、ボルトBの軸力(締付け軸力)が大きく、ボルトBの軸力(締付け軸力)は大きくなる。
【0022】
更に、上記関係について図2を参照して説明する。尚、図2は、横軸を回転角度とし、縦軸を締付けトルクとして、これらの測定結果をプロットしたグラフである。
例えば、前記トルク検出手段3にて検出される締付けトルクが、予め決めた特定の値(目標値:図2破線)となるように、前記締付け手段2を回転させるとともに、前記角度検出手段4にて前記締付け手段2の回転角度を所定の間隔で検出する。
その結果、ボルトと対象物との間の摩擦力が大きい場合には、図2(A)に示すように、回転角度は小さくなり、トルク積分値(図2の斜線部の面積)は小さくなる。
一方、ボルトと対象物との間の摩擦力が小さい場合には、前記した予め決めた特定の値と同一の締付けトルク(目標値:図2破線)で前記締付け手段2を回転させても、図2(B)に示すように、回転角度は大きくなり、トルク積分値(図2の斜線部の面積)は大きくなる。
【0023】
また、締付けトルクは、前記したようにボルトBの軸力(締付け軸力)と、前記ボルトBと対象物との間の摩擦力の和であるため、摩擦力が大きい場合(トルク積分値が小さい場合)には、ボルトBの軸力(締付け軸力)は小さくなる。
一方、摩擦力が小さい場合(トルク積分値が大きい場合)には、ボルトBの軸力(締付け軸力)は大きくなる。
このように、締付けトルクにおけるトルク積分値とボルトBの軸力(締付け軸力)との間には一定の関係があり、トルク積分値を求めることにより、ボルトBの軸力(締付け軸力)を推定することができる。
【0024】
次に、軸力情報について図3に基づいて説明する。なお、図3は、横軸をトルク積分値とし、縦軸を締付け軸力として、これらの測定結果をプロットした図である。
この軸力情報は、予め測定され、記憶部61に記憶される。
この軸力情報を求めるには、少なくとも摩擦条件が異なる環境下で、トルク積分値および締付け軸力を測定する。例えば、ロードセルにより締付け軸力を測定し、トルク検出手段3及び角度検出手段4からトルク積分値を求める。
図3のXに示すように、前記ボルトBと対象物との間に潤滑油を塗布しない環境下において、締付け軸力(kN)を測定し、トルク積分値を求めると、摩擦力が大きい場合には、トルク積分値および締付け軸力は小さくなる。
また、図3のYに示すように、前記ボルトBと、対象物との間に潤滑油を塗布した環境下で、同様にトルク積分値および締付け軸力を測定する。このように摩擦力が小さい場合には、トルク積分値および締付け軸力は大きくなる。
【0025】
そして、トルク積分値の測定結果と、締付け軸力の測定結果とに基づいて、トルク積分値から締付け軸力を算出するための近似式(y=ax+b)を導出し(図3参照)、この近似式を軸力情報として前記記憶部61に記憶する。
前記推定部65は、前記算出部64にて算出されたトルク積分値を前記記憶部61に記憶された近似式に代入することによって、前記ボルトBの締付け軸力を算出し、推定する。
【0026】
なお、軸力情報は、トルク積分値と、締付け軸力とを予め関連付けた情報であればよく、その具体的な構成について特に限定されるものではない。例えば、トルク積分値の測定結果と、締付け軸力の測定結果とに基づいて、ルックアップテーブルを生成し、このルックアップテーブルを軸力情報として前記記憶部61に記憶してもよい。
【0027】
次に、前記軸力推定装置1にて実行されるボルト締付け軸力推定方法について、図4を参照して説明する。
このボルト締付け軸力推定方法において、最も特徴ある点は、前記軸力推定装置1の使用者は、前記締付け手段2を回転させて前記ボルトBを締結することによって、前記ボルトBの締付け軸力を推定することができることにある。
【0028】
まず、使用者によって、前記締付け手段2が回転すると、図4に示すように、前記トルク検出手段3は、検出した締付けトルクの値を示す電気信号を、前記信号線Sを介して前記情報処理手段5に送信し、前記角度検出手段4は、検出した回転角度の値を示す電気信号を、前記信号線Sを介して前記情報処理手段5に送信する(送信ステップ:S1)。
【0029】
前記送信ステップS1において、前記トルク検出手段3および前記角度検出手段4から電気信号が送信されると、前記送受信部62は、この電気信号を受信する。
そして、前記数値化処理部63は、前記送受信部62にて受信された電気信号に基づいて、前記トルク検出手段3にて検出された締付けトルクと、前記角度検出手段4にて検出された回転角度とを数値化し、これらを前記記憶部61に記憶する(数値化ステップ:S2)。
【0030】
次に、前記情報処理手段5は、前記トルク検出手段3にて検出された締付けトルクを所定の目標値と比較し、締付けトルクが所定の目標値以上であるか否かを判定する(判定ステップ:S3)。
そして、前記情報処理手段5は、締付けトルクが所定の目標値より小さいと判定した場合には、前記送信ステップS1および数値化ステップS2を所定の間隔で繰り返し実行する。
【0031】
また、前記判定ステップS3において、締付けトルクが所定の目標値以上であると判定された場合には、前記算出部64は、前記数値化処理部63にて数値化された締付けトルクを、前記数値化処理部63にて数値化された回転角度で積分することによって、トルク積分値を算出する(算出ステップ:S4)。
【0032】
前記算出ステップS4において、トルク積分値が算出されると、前記推定部65は、前記記憶部61に記憶された軸力情報と、前記算出部64にて算出されたトルク積分値とに基づいて、ボルトBの締付け軸力を推定する(推定ステップ:S5)。
そして、前記推定ステップS5において、締付け軸力が推定されると、前記本体部6は、この締付け軸力を表示するための電気信号を前記表示部7に送信する。
【0033】
このように、本発明にかかる締付け軸力推定装置1によれば、前記情報処理手段5は、前記トルク検出手段3にて検出された締付けトルクを、前記角度検出手段4にて検出された回転角度で積分することによって、トルク積分値を算出し、このトルク積分値と、軸力情報とに基づいて、締付け軸力を推定している。
したがって、前記情報処理手段5は、締付けトルクと、回転角度のみに基づいて、締付け軸力を推定することができるので、一旦締結した前記ボルトBを緩めることなく、前記ボルトBの締付け軸力を推定することができる。また、一旦締結した前記ボルトBを緩め、前回のボルトの締付けトルクと同一のトルクで、ボルトの締付けを再度行う必要がないため、作業を容易に行うことができる。
【0034】
また同様に、本発明にかかるボルト締付け軸力推定方法によれば、ボルトを締付ける際の締付けトルクを、ボルトを締付ける際の回転角度で積分することによって、トルク積分値を算出し、このトルク積分値と、軸力情報とに基づいて、締付け軸力を推定している。
したがって、締付けトルクと、回転角度のみに基づいて、締付け軸力を推定することができるので、一旦締結した前記ボルトBを緩めることなく、前記ボルトBの締付け軸力を推定することができる。また、一旦締結した前記ボルトBを緩め、前回のボルトの締付けトルクと同一のトルクで、ボルトの締付けを再度行う必要がないため、作業を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0035】
1 軸力推定装置
2 締付け手段
3 トルク検出手段
4 角度検出手段
5 情報処理手段
6 本体部
7 表示部
61 記憶部
62 送受信部
63 数値化処理部
64 算出部
65 推定部
B ボルト
S 信号線
S1 送信ステップ
S2 数値化ステップ
S3 判定ステップ
S4 算出ステップ
S5 推定ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボルトの締付け軸力を推定するボルト締付け軸力推定装置であって、
前記ボルトを締付けるための締付け手段と、前記締付け手段にて前記ボルトを締付ける際の締付けトルクを検出するトルク検出手段と、前記締付け手段にて前記ボルトを締付ける際の回転角度を検出する角度検出手段と、前記トルク検出手段にて検出された締付けトルクと、前記角度検出手段にて検出された回転角度とを取得し、これらの情報を処理する情報処理手段とを備え、
前記情報処理手段は、
前記締付けトルクを前記回転角度で積分することによって算出されるトルク積分値と、前記締付け軸力とを予め関連付けた軸力情報を記憶する記憶部と、
前記トルク検出手段にて検出された締付けトルクを、前記角度検出手段にて検出された回転角度で積分することによって、前記トルク積分値を算出する算出部と、
前記記憶部に記憶された軸力情報と、前記算出部にて算出されたトルク積分値とに基づいて、前記締付け軸力を推定する推定部と、
を備えることを特徴とするボルト締付け軸力推定装置。
【請求項2】
ボルトの締付け軸力を推定するボルト締付け軸力推定方法であって、
前記ボルトを締付ける際の締付けトルクを、前記ボルトを締付ける際の回転角度で積分することによって、トルク積分値を算出する算出ステップと、
前記トルク積分値および前記締付け軸力を予め関連付けた軸力情報と、前記算出ステップにて算出されたトルク積分値とに基づいて、前記締付け軸力を推定する推定ステップと、
を有することを特徴とするボルト締付け軸力推定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−108883(P2013−108883A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254948(P2011−254948)
【出願日】平成23年11月22日(2011.11.22)
【出願人】(000157083)トヨタ自動車東日本株式会社 (1,164)
【Fターム(参考)】