説明

ボールペン用ボール及びこれを用いたボールペン

【目的】 筆記時に線切れを起こさない良好な筆跡を得ることができるボールペンを提供することを目的とするものである。
【構成】 ボールホルダーの貫通孔内に、この貫通孔の先端開口部より一部を突出して回転自在に保持され、被筆記面に対して接触してインキ転写部材となるボールを備えるボールペンにおいて、走査型プローブ顕微鏡の探針を近接または接触した状態で走査した時、前記ボール表面の算術平均粗さRaが5nm以上15nm以下、且つ、FFM電圧平均値が20mV以上100mV以下であるボールペン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インキ通路である貫通孔の先端開口部より一部を突出して回転自在に抱持され、被筆記面に対して接触してインキ転写部材となるボールペンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ボールペンは基本的にインキを収容したインキタンクと、このインキタンクに接続したペン先部材であるボールペンチップにより構成されている。ボールペンチップは、主に、被筆記面に接触してインキを転写するボールと、このボールを回転自在に抱持するボールホルダーとから構成されている。このようなボールペンの筆跡は被筆記面に接触したボールを回転させることによりインキを掻き出し、紙面に転写させることにより形成される。この際、紙などの被記録面に押し付けられる加重を受けて、ボールホルダーとボールとの当接部分には摩擦が生じる。この摩擦によって、ボールの円滑な回転が阻害され、筆跡に線切れが生じる場合があった。
【0003】
これを防止するため、インキ中に潤滑剤として脂肪酸アルカノールアミド化合物を添加する例(特許文献1)、ボールの算術平均粗さ(Ra)を0.004μm〜0.010μmに規定した例(特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−37878号公報
【特許文献2】特許3891513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の発明では、高筆圧下や滑らかな筆記感を得るためにインキ粘度を低くしたりすると、ボールホルダーとボールとの当接部分の摩擦の影響が顕著に現れるため、十分な効果は得られなかった。
特許文献2の発明では、算術平均粗さ(Ra)はボールの高低差から算出された値であり、ボールの摩擦力を考慮していないため、算術平均粗さ(Ra)のみの規定では十分な効果は得られなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ボールホルダーの貫通孔内に、この貫通孔の先端開口部より一部を突出して回転自在に保持され、被筆記面に対して接触してインキ転写部材となるボールペン用ボールにおいて、走査型プローブ顕微鏡の探針を近接または接触した状態で走査した時、前記ボール表面の算術平均粗さRaが5nm以上15nm以下であり、且つ、前記探針とボール表面との間に生じるねじれ変位に対応した信号をy軸に、測定位置座標をx軸にプロットした際に得られる信号曲線y=f(x)において、測定長さをLとしたときに下記(数1)によって導き出されるFFM電圧平均値が20mV以上100mV以下であるボールペン用ボールを要旨とする。
【0007】
【数1】

【0008】
算術平均粗さ(Ra)は、走査型プローブ顕微鏡SPA−400((株)セイコーインスツルーメント製)の原子間力顕微鏡(AFM)モードで測定する。ボール表面と探針の距離を1.0nmに設定し、測定面(20μm×20μmの範囲)を水平に走査したときの探針の上下方向の変位であるたわみ変位(DIF信号)を任意に選んだ測定点1と180度反対の測定点2、赤道上に等間隔に3点の測定点3〜5の5点測定し、得られた測定値から粗さ曲線を求め、その平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を平均した値を使用した。
【0009】
FFM電圧平均値は、走査型プローブ顕微鏡SPA−400((株)セイコーインスツルーメント製)の摩擦力顕微鏡(FFM)モードで測定する。ボール表面と探針の距離を1.0nmに設定し、測定面(20μm×20μmの範囲)を水平に走査したときの探針の横方向の変位であるねじれ変位(FFM信号)を任意に選んだ測定点1と180度反対の測定点2、赤道上に等間隔に3点の測定点3〜5の5点測定し、その平均線から測定ねじれ変位(FFM信号)までの偏差の絶対値を平均した値を使用した。前記平均線から測定ねじれ変位までの差が大きいと摩擦が大きくなり、差が小さいと摩擦が小さくなることから、前記ねじれ変位(FFM信号)の大きさ(電圧表示)は摩擦力の大きさを表している。前記ねじれ変位は、原子間力顕微鏡モードでは捉えられない横方向のねじれ変位、即ち摩擦力の情報を捉えることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のボールペンは、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)を5nm以上15nm以下にすることで線が途切れない程度に十分にインキを吐出しつつ、過剰なインキが吐出してボテなどになり難いものとすることができ、ボール表面のFFM電圧平均値を20mV以上100mV以下にすることで紙面に対して程よい抵抗を得てボールの回転を推進しつつボールホルダーとの接触がボールの回転を阻害し難いものとすることができる。
また、使用するインキの粘度を、剪断速度が10/sのとき100mPa・s以上2000mPa・s以下にすることで、ボールとボールホルダーとの当接部分の潤滑性を高めることができるため、より線切れが生じにくくなる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のボールペン用ボールの基材となる素球には、タングステンカーバイドを主成分にし、バインダー成分としてクロミウムおよびコバルトを含有するボール、タングステンカーバイドを主成分にし、バインダー成分としてクロミウムを含有するボール、タングステンカーバイドを主成分にし、チタン、ニッケルを含有するボール、炭化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の無機物質の焼結体等の高硬度材料が用いられる。また、前記材料からなるボールは、走査型プローブ顕微鏡の探針を近接または接触した状態で走査した時、前記ボール表面の算術平均粗さRaが5nm以上15nm以下、且つ、前記探針とボール表面との間に生じるねじれ変位に対応した信号をy軸に、測定位置座標をx軸にプロットした際に得られる信号曲線y=f(x)において、測定長さをLとしたときに上記(数1)によって導き出されるFFM電圧平均値が20mV以上100mV以下のものが適宜使用できる。
【0012】
また、走査型プローブ顕微鏡SPA−400((株)セイコーインスツルーメント製)の摩擦力顕微鏡(FFM)モードで測定されるねじれ変位は、探針の横方向の変位であるねじれを測定することから、形状に左右させずに材料自身の摩擦力を測定することが可能である。このことから、前記ボール表面に表面処理層を設けることで、摩擦力を制御することができる。表面処理層を形成する材料としては、酸化チタン、酸化アルミニウム、シリカなどに代表される無機粒子や、カーボンブラック、アニリンブラックなどに代表される有機粒子が挙げられ、これらの粒子は単独、または水や有機溶剤などに分散された状態で使用することができる。
【0013】
また、表面処理の方法は、ボールを前記粒子の分散液に浸漬させたり、この浸漬の際に、プロペラ攪拌、ボールミル、圧力の付与、超音波振動の付与などの機械的な力を付与する方法や、イオンプレーティング、スパッタリングなどの物理的蒸着、熱CVD、プラズマCVDなどの化学的蒸着、真空アーク蒸着などが挙げられる。また、処理の際に分散液の濃度を変えることで表面処理量を変えることができることから、FFM電圧平均値の制御をすることができる。
【0014】
ボール表面の上下方向の変位である算術表面粗さ(Ra)は、アルカリ液中で処理をしてボール表面をエッチングすることで制御可能であり、具体的には水酸化ナトリウムに代表される強アルカリで1〜6分程度、トリエタノールアミンなどに代表される弱アルカリで2〜12分程度処理することで算術表面粗さ(Ra)を5nm以上15nm以下にすることができる。さらにFFM電圧平均値は、表面処理量で制御することができ、具体的には酸化チタン分散液の濃度を0.2〜1.6重量%程度、酸化アルミニウム分散液の濃度を0.4〜3.0重量%程度に調整することでFFM電圧平均値を20mV以上100mV以下にすることができる。
【0015】
本発明に係るボールを使用したボールペンとしては、このボールをステンレスなどの合金を機械的に切削、圧延加工などすることによって形成したボールホルダーに、ボールの一部を突出した状態で抱持させてボールペンチップとし、このボールペンチップにポリプロピレン製の押し出し成型パイプであるインキタンクを接続したものに好適に使用することができる。ボールホルダーの形態としては、棒材を削りだして作られるものの他に、パイプ材を加工して得られるパイプ式ボールペンチップを使用することもできる。更に、コイルスプリングなどを配置して、ボールをボールホルダーの開口部内縁に押し付ける構造のものとすることもできる。
【0016】
筆跡・塗布跡を形成するインキとしては、水を主媒体とする所謂水性インキ、有機溶剤を主媒体とする所謂油性インキのいずれをも使用することができる。
溶剤としては、水の他に、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール等の水溶性有機溶剤が使用できる。
着色剤としては、酸性染料、直接染料塩基性染料等の染料及び/又は各種のアゾ系顔料、ニトロソ系顔料、ニトロ系顔料、塩基性染料系顔料、酸性染料系顔料、建て染め染料系顔料、媒染染料系顔料、及び天然染料系顔料等の有機系顔料、黄土、バリウム黄、紺青、カドミウムレッド、硫酸バリウム、酸化チタン、弁柄、鉄黒、カーボンブラック等の無機顔料からなる着色剤が使用できる。その他に、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸等の樹脂やヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ガーガム、キサンタンガム、ヒアルロン酸等の多糖類からなる粘度調整剤、界面活性剤、防錆剤、防黴・防腐剤、場合によっては、アスコルビン酸、コウジ酸やハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、ピロガロール、タンニン酸、没食子酸等のポリフェノール類などの還元性を有する物質などが使用できる。
着色剤として顔料を用いた場合に、顔料を安定に分散させるために分散剤を使用することは差し支えない。分散剤として従来一般に用いられているスチレンアクリル酸塩やスチレンマレイン酸塩等の水溶性樹脂もしくは水可溶性樹脂や、アニオン系もしくはノニオン系の界面活性剤など、顔料の分散剤として用いられるものが使用できる。また、これらのインキ粘度は、剪断速度が10/sのときのインキ粘度が100mPa・s以上2000mPa・s以下であることが望ましい。
【0017】
インキの乾燥、逆流を防ぐ目的でインキ逆流防止体組成物を使用することもできる。基材としては、ワセリン、スピンドル油、ヒマシ油、オリーブ油、精製鉱油、流動パラフィン、ポリブテン、α−オレフィン、α−オレフィンのオリゴマーまたはコオリゴマー、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、脂肪酸変性シリコーンオイル等の不揮発性液体又は難揮発性液体、ゲル化剤としては、表面を疎水処理したシリカ、表面をメチル化処理した微粒子シリカ、珪酸アルミニウム、膨潤性雲母、疎水処理を施したベントナイトやモンモリロナイトなどの粘土系増粘剤、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属石鹸、トリベンジリデンソルビトール、脂肪酸アマイド、アマイド変性ポリエチレンワックス、水添ひまし油、脂肪酸デキストリン等のデキストリン系化合物、セルロース系化合物が挙げられる。その他、アルコール系溶剤やグリコール系溶剤、界面活性剤、樹脂、金属酸化物等の微粒子を添加してインキ逆流防止体に必要な機能(ゲル化、着色防止、逆流防止)を向上させることもできる。
【実施例】
【0018】
ボールとして、直径0.5mmの真球状に機械的に研磨仕上げたものに、以下の処理をすることで、種々の算術平均粗さ(Ra)とFFM電圧平均値を持つボールを形成した。
【0019】
前記処理で形成したボールの算術平均粗さ(Ra)は、走査型プローブ顕微鏡SPA−400((株)セイコーインスツルーメント製)のAFMモードを用いて、マイクロカンチレバーSN−AF01で、20μm×20μmの面積中の算術平均粗さ(Ra)を測定した。
【0020】
前記処理で形成したボールのFFM電圧平均値は、走査型プローブ顕微鏡SPA−400((株)セイコーインスツルーメント製)のFFMモードを用いて、マイクロカンチレバーSN−AF01で、20μm×20μmの面積中のFFM電圧平均値を測定した。
【0021】
ボール1
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で3分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.5gを水49.5gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=8.2nm、FFM電圧平均値=44.1mVのボールを作成し、これをボール1とした。
【0022】
ボール2
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で3分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.2gを水49.8gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=8.4nm、FFM電圧平均値=24.6mVのボールを作成し、これをボール2とした。
【0023】
ボール3
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で3分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.7gを水49.3gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=7.8nm、FFM電圧平均値=92.3mVのボールを作成し、これをボール3とした。
【0024】
ボール4
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で1分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.5gを水49.5gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=5.8nm、FFM電圧平均値=47.2mVのボールを作成し、これをボール4とした。
【0025】
ボール5
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で1分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.2gを水49.8gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=5.7nm、FFM電圧平均値=26.5mVのボールを作成し、これをボール5とした。
【0026】
ボール6
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で1分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.7gを水49.3gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=6.2nm、FFM電圧平均値=91.1mVのボールを作成し、これをボール6とした。
【0027】
ボール7
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で5分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.5gを水49.5gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=13.6nm、FFM電圧平均値=48.8mVのボールを作成し、これをボール7とした。
【0028】
ボール8
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で5分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.2gを水49.8gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=12.7nm、FFM電圧平均値=23.9mVのボールを作成し、これをボール8とした。
【0029】
ボール9
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で5分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.7gを水49.3gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=14.1nm、FFM電圧平均値=95.4mVのボールを作成し、これをボール9とした。
【0030】
ボール10
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)と平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.05gを水49.95gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=3.2nm、FFM電圧平均値=16.8mVのボールを作成し、これをボール10とした。
【0031】
ボール11
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で8分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)1.0gを水49.0gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=18.0nm、FFM電圧平均値=111.3mVのボールを作成し、これをボール11とした。
【0032】
ボール12
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)と平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.5gを水49.5gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=2.7nm、FFM電圧平均値=50.7mVのボールを作成し、これをボール12とした。
【0033】
ボール13
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で8分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.5gを水49.5gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=18.8nm、FFM電圧平均値=42.0mVのボールを作成し、これをボール13とした。
【0034】
ボール14
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で3分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.05gを水49.95gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=9.0nm、FFM電圧平均値=15.2mVのボールを作成し、これをボール14とした。
【0035】
ボール15
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で3分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)1.0gを水49.0gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=7.5nm、FFM電圧平均値=108.6mVのボールを作成し、これをボール15とした。
【0036】
ボール16
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で8分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.05gを水49.95gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=17.7nm、FFM電圧平均値=17.2mVのボールを作成し、これをボール16とした。
【0037】
ボール17
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.5mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)と平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)1.0gを水49.0gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=3.1nm、FFM電圧平均値=114.6mVのボールを作成し、これをボール12とした。
【0038】
ボール18
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径0.3mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で3分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.5gを水49.5gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=7.1nm、FFM電圧平均値=41.8mVのボールを作成し、これをボール18とした。
【0039】
ボール19
真球状に機械的に研磨仕上げしたボール径1.0mmのボール(PB−11、(株)ツバキ・ナカシマ製)を、20%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、超音波で3分処理し、水洗いをした後、前記ボールと平均粒径0.2μmの酸化アルミ(微粒子アルミナ(AKP−50、住友化学(株)製)0.5gを水49.5gに浸漬し、ボールミル(pulverisette5型、FRITSCH社製、独国)で回転数250rpmで10分間の処理し、水洗いした後、110℃、30分の加熱乾燥により、算術平均粗さ(Ra)=9.0nm、FFM電圧平均値=51.3mVのボールを作成し、これをボール19とした。
【0040】
インキ1
WaterBlack256L(黒色染料の14%水溶液、オリエント化学工業(株)製) 40.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
グリセリン 8.0重量部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、ICIジャパン製) 0.2重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.3重量部
アスコルビン酸ナトリウム 0.5重量部
水 41.0重量部
上記成分のうち、ケルザンARの全量を水5重量部を攪拌しながら加え1時間攪拌してケルザンARの溶液を得た。この液と残りの成分を混合し均一になるまで1時間攪拌して黒色水性インキを得た。このものの粘度は剪断速度10/sで520mPa・sであった。
【0041】
インキ2
WaterBlack256L(黒色染料の14%水溶液、オリエント化学工業(株)製) 40.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
グリセリン 8.0重量部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、ICIジャパン製) 0.2重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.2重量部
アスコルビン酸ナトリウム 0.5重量部
水 41.1重量部
上記成分のうち、ケルザンARの全量を水5重量部を攪拌しながら加え1時間攪拌してケルザンARの溶液を得た。この液と残りの成分を混合し均一になるまで1時間攪拌して黒色水性インキを得た。このものの粘度は剪断速度10/sで150mPa・sであった。
【0042】
インキ3
WaterBlack256L(黒色染料の14%水溶液、オリエント化学工業(株)製) 40.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
グリセリン 8.0重量部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、ICIジャパン製) 0.2重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.5重量部
アスコルビン酸ナトリウム 0.5重量部
水 40.8重量部
上記成分のうち、ケルザンARの全量を水5重量部を攪拌しながら加え1時間攪拌してケルザンARの溶液を得た。この液と残りの成分を混合し均一になるまで1時間攪拌して黒色水性インキを得た。このものの粘度は剪断速度10/sで1830mPa・sであった。
【0043】
インキ4
WaterBlack256L(黒色染料の14%水溶液、オリエント化学工業(株)製) 40.0重量部
エチレングリコール 10.0重量部
グリセリン 8.0重量部
プロクセルGXL(1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンの20%ジプロピレングリコール溶液、ICIジャパン製) 0.2重量部
ケルザンAR(キサンタンガム、三晶(株)製) 0.1重量部
アスコルビン酸ナトリウム 0.5重量部
水 41.2重量部
上記成分のうち、ケルザンARの全量を水5重量部を攪拌しながら加え1時間攪拌してケルザンARの溶液を得た。この液と残りの成分を混合し均一になるまで1時間攪拌して黒色水性インキを得た。このものの粘度は剪断速度10/sで76mPa・sであった。
【0044】
インキ5
プリンテックス35(カーボンブラック、デグサヒュルスジャパン(株)製)
6.0重量部
SPILON VIOLET C−RH(油性染料、保土谷化学工業(株)製)
16.3重量部
VALIFAST YELLOW C−GNH(油性染料、オリエント化学工業(株)
製) 3.1重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 52.4重量部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル 14.2重量部
ヒタノール1501(フェノール樹脂、日立化成工業(株)製) 3.5重量部
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 1.6重量部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 0.4重量部
NIKKOL Decaglyn 5−SV(ペンタステアリン酸デカグリセリル、日光ケミカルズ(株)製) 0.5重量部
NIKKOL HCO−10(ポリエキシエチレン硬化ヒマシ油、日光ケミカルズ(株)
製) 1.0重量部
NIKKOLTOP−0V(トリオレイルリン酸、東邦化学工業(株)製)1.0重量部
上記成分のうち、ジエチレングリコールモノメチルエーテルとエチレングリコールモノイソプロピルエーテルの全量と、エスレックBL−1の全量を70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからプリンテックス35の全量を加えダイノーミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い10回通しを行い黒色のペーストを得た。次いで、このペーストに残りの材料の全量を加え、70℃で3時間攪して黒色油性インキを得た。このものの粘度は剪断速度10/sで570mPa・sであった。
【0045】
インキ6
プリンテックス35(カーボンブラック、デグサヒュルスジャパン(株)製)
6.0重量部
SPILON VIOLET C−RH(油性染料、保土谷化学工業(株)製)
16.3重量部
VALIFAST YELLOW C−GNH(油性染料、オリエント化学工業(株)
製) 3.1重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 52.6重量部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル 14.2重量部
ヒタノール1501(フェノール樹脂、日立化成工業(株)製) 3.5重量部
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 1.6重量部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 0.2重量部
NIKKOL Decaglyn 5−SV(ペンタステアリン酸デカグリセリル、日光ケミカルズ(株)製) 0.5重量部
NIKKOL HCO−10(ポリエキシエチレン硬化ヒマシ油、日光ケミカルズ(株)製) 1.0重量部
NIKKOLTOP−0V(トリオレイルリン酸、東邦化学工業(株)製)1.0重量部
上記成分のうち、ジエチレングリコールモノメチルエーテルとエチレングリコールモノイソプロピルエーテルの全量と、エスレックBL−1の全量を70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからプリンテックス35の全量を加えダイノーミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い10回通しを行い黒色のペーストを得た。次いで、このペーストに残りの材料の全量を加え、70℃で3時間攪して黒色油性インキを得た。このものの粘度は剪断速度10/sで210mPa・sであった。
【0046】
インキ7
プリンテックス35(カーボンブラック、デグサヒュルスジャパン(株)製)
6.0重量部
SPILON VIOLET C−RH(油性染料、保土谷化学工業(株)製)
16.3重量部
VALIFAST YELLOW C−GNH(油性染料、オリエント化学工業(株)
製) 3.1重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 52.0重量部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル 14.2重量部
ヒタノール1501(フェノール樹脂、日立化成工業(株)製) 3.5重量部
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 1.6重量部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 0.8重量部
NIKKOL Decaglyn 5−SV(ペンタステアリン酸デカグリセリル、日光ケミカルズ(株)製) 0.5重量部
NIKKOL HCO−10(ポリエキシエチレン硬化ヒマシ油、日光ケミカルズ(株)製) 1.0重量部
NIKKOLTOP−0V(トリオレイルリン酸、東邦化学工業(株)製)1.0重量部
上記成分のうち、ジエチレングリコールモノメチルエーテルとエチレングリコールモノイソプロピルエーテルの全量と、エスレックBL−1の全量を70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからプリンテックス35の全量を加えダイノーミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い10回通しを行い黒色のペーストを得た。次いで、このペーストに残りの材料の全量を加え、70℃で3時間攪して黒色油性インキを得た。このものの粘度は剪断速度10/sで1680mPa・sであった。
【0047】
インキ8
プリンテックス35(カーボンブラック、デグサヒュルスジャパン(株)製)
6.0重量部
SPILON VIOLET C−RH(油性染料、保土谷化学工業(株)製)
16.3重量部
VALIFAST YELLOW C−GNH(油性染料、オリエント化学工業(株)
製) 3.1重量部
ジエチレングリコールモノメチルエーテル 51.8重量部
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル 14.2重量部
ヒタノール1501(フェノール樹脂、日立化成工業(株)製) 3.5重量部
エスレックBL−1(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 1.6重量部
エスレックBH−3(ポリビニルブチラール、積水化学工業(株)製) 1.0重量部
NIKKOL Decaglyn 5−SV(ペンタステアリン酸デカグリセリル、日光ケミカルズ(株)製) 0.5重量部
NIKKOL HCO−10(ポリエキシエチレン硬化ヒマシ油、日光ケミカルズ(株)
製) 1.0重量部
NIKKOLTOP−0V(トリオレイルリン酸、東邦化学工業(株)製)1.0重量部
上記成分のうち、ジエチレングリコールモノメチルエーテルとエチレングリコールモノイソプロピルエーテルの全量と、エスレックBL−1の全量を70℃で攪拌、混合溶解した後、これを室温まで放冷してからプリンテックス35の全量を加えダイノーミル(ビーズミル、(株)シンマルエンタープライズ製)で直径0.3mmのジルコニアビーズを用い10回通しを行い黒色のペーストを得た。次いで、このペーストに残りの材料の全量を加え、70℃で3時間攪して黒色油性インキを得た。このものの粘度は剪断速度10/sで2210mPa・sであった。
【0048】
ボールペン1
ボール1を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ビクーニャ(BX155)に組み込み、インキ5と組み合わせた。
【0049】
ボールペン2
ボール2を、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BLN55)に組み込み、インキ2と組み合わせた。
【0050】
ボールペン3
ボール3を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ビクーニャ(BX155)に組み込み、インキ7と組み合わせた。
【0051】
ボールペン4
ボール4を、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BLN55)に組み込み、インキ3と組み合わせた。
【0052】
ボールペン5
ボール5を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ビクーニャ(BX155)に組み込み、インキ6と組み合わせた。
【0053】
ボールペン6
ボール6を、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BLN55)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
【0054】
ボールペン7
ボール7を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ビクーニャ(BX155)に組み込み、インキ6と組み合わせた。
【0055】
ボールペン8
ボール8を、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BLN55)に組み込み、インキ3と組み合わせた。
【0056】
ボールペン9
ボール9を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ビクーニャ(BX155)に組み込み、インキ5と組み合わせた。
【0057】
ボールペン10
ボール18を、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、スリッチ(BG203)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
【0058】
ボールペン11
ボール19を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ローリー(BP130)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
【0059】
ボールペン12
ボール1を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ビクーニャ(BX155)に組み込み、インキ8と組み合わせた。
【0060】
ボールペン13
ボール2を、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BLN55)に組み込み、インキ4と組み合わせた。
【0061】
ボールペン14
ボール3を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ビクーニャ(BX155)に組み込み、インキ8と組み合わせた。
【0062】
ボールペン15
ボール4を、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BLN55)に組み込み、インキ4と組み合わせた。
【0063】
ボールペン16
ボール5を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ビクーニャ(BX155)に組み込み、インキ8と組み合わせた。
【0064】
ボールペン17
ボール6を、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BLN55)に組み込み、インキ4と組み合わせた。
【0065】
ボールペン18
ボール7を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ビクーニャ(BX155)に組み込み、インキ8と組み合わせた。
【0066】
ボールペン19
ボール8を、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BLN55)に組み込み、インキ4と組み合わせた。
【0067】
ボールペン20
ボール9を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ビクーニャ(BX155)に組み込み、インキ8と組み合わせた。
【0068】
ボールペン21
ボール18を、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、スリッチ(BG203)に組み込み、インキ4と組み合わせた。
【0069】
ボールペン22
ボール19を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ローリー(BP130)に組み込み、インキ8と組み合わせた。
【0070】
ボールペン23(比較例)
ボール10を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ビクーニャ(BX155)に組み込み、インキ5と組み合わせた。
【0071】
ボールペン24(比較例)
ボール11を、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BLN55)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
【0072】
ボールペン25(比較例)
ボール12を、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BLN55)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
【0073】
ボールペン26(比較例)
ボール13を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ビクーニャ(BX155)に組み込み、インキ5と組み合わせた。
【0074】
ボールペン27(比較例)
ボール14を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ビクーニャ(BX155)に組み込み、インキ5と組み合わせた。
【0075】
ボールペン28(比較例)
ボール15を、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BLN55)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
【0076】
ボールペン29(比較例)
ボール16を、ぺんてる(株)製の水性ゲルインキボールペン、エナージェル(BLN55)に組み込み、インキ1と組み合わせた。
【0077】
ボールペン30(比較例)
ボール17を、ぺんてる(株)製の油性インキボールペン、ビクーニャ(BX155)に組み込み、インキ5と組み合わせた。
【0078】
線切れ評価試験
ボールペン1〜30、のボールペンサンプルを、自転式連続螺旋筆記試験機(TS−4C−20、精機工業研究所)にて、筆記用紙(NS−55カエデ、リンテック(株))に筆記速度7cm/秒、筆記角度70゜、筆記荷重100gの条件で、100m筆記し、筆跡に発生した線切れ(直径約3cmの円上に発生した未筆記部の距離が1cm以上のもの)の数を目視で確認した。
【0079】
【表1】

【0080】
ボールペン1〜22は、走査型プローブ顕微鏡の探針を近接または接触した状態で走査した時、ボール表面の算術平均粗さRaが5nm以上15nm以下、且つ、前記探針とボール表面との間に生じるねじれ変位に対応した信号をy軸に、測定位置座標をx軸にプロットした際に得られる信号曲線y=f(x)において、測定長さをLとしたときに下記(数1)によって導き出されるFFM電圧平均値が20mV以上100mV以下にすることにより、ボールのボールホルダーとボールとの当接部分への摩擦力をなくすことができるため、ボールが円滑に回転し線切れを起こさない良好な筆跡を得ることができた。
【0081】
【数1】

【0082】
中でも1〜11のボールペンは、インキ粘度を剪断速度が10/sのとき100mPa・s以上2000mPa・s以下にすることにより、ボールとボールホルダーとの当接部分の潤滑性を高めることができるため、ボールペン12〜22よりも線切れを起こさない良好な結果を得ることができた。
【0083】
これに対して比較例に該当するボールペン23、24、29、30のボールペンは、走査型プローブ顕微鏡の探針を近接または接触した状態で走査した時、ボール表面の算術平均粗さRaが5nm未満15nmを越える値であり、且つ、前記探針とボール表面との間に生じるねじれ変位に対応した信号をy軸に、測定位置座標をx軸にプロットした際に得られる信号曲線y=f(x)において、測定長さをLとしたときに上記(数1)によって導き出されるFFM電圧平均値が20mV未満100mVを越える値であることで、ボールのボールホルダーとボールとの当接部分への摩擦力が大きくなってしまうため、筆記時にボールが円滑に回転せず線切れを起こしてしまい、良好な筆跡を得ることができない。
【0084】
また、比較例に該当するボールペン25、26のボールペンは、走査型プローブ顕微鏡の探針を近接または接触した状態で走査した時、前記探針とボール表面との間に生じるねじれ変位に対応した信号をy軸に、測定位置座標をx軸にプロットした際に得られる信号曲線y=f(x)において、測定長さをLとしたときに上記(数1)によって導き出されるFFM電圧平均値は20mV以上100mV以下であるが、ボール表面の算術平均粗さRaが5nm未満15nmを越える値であることで、十分なインキ吐出を確保することができないため線切れを起こしてしまい、良好な筆跡を得ることができない。
【0085】
また、比較例に該当するボールペン27、28のボールペンは、走査型プローブ顕微鏡の探針を近接または接触した状態で走査した時、ボール表面の算術平均粗さRaが5nm以上15nm以下であるが、前記探針とボール表面との間に生じるねじれ変位に対応した信号をy軸に、測定位置座標をx軸にプロットした際に得られる信号曲線y=f(x)において、測定長さをLとしたときに上記(数1)によって導き出されるFFM電圧平均値が20mV未満100mVを越える値であることで、ボールのボールホルダーとボールとの当接部分への摩擦力が大きくなってしまうため、筆記時にボールが円滑に回転せず線切れを起こしてしまい、良好な筆跡を得ることができない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールホルダーの貫通孔内に、この貫通孔の先端開口部より一部を突出して回転自在に保持され、被筆記面に対して接触してインキ転写部材となるボールペン用ボールにおいて、走査型プローブ顕微鏡の探針を近接または接触した状態で走査した時、前記ボール表面の算術平均粗さRaが5nm以上15nm以下であり、且つ、前記探針とボール表面との間に生じるねじれ変位に対応した信号をy軸に、測定位置座標をx軸にプロットした際に得られる信号曲線y=f(x)において、測定長さをLとしたときに下記(数1)によって導き出されるFFM電圧平均値が20mV以上100mV以下であるボールペン用ボール。
【数1】

【請求項2】
剪断速度が10/sのときのインキ粘度(25℃)が100mPa・s以上2000mPa・s以下である請求項1記載のボールペン用ボールを用いたボールペン。

【公開番号】特開2013−27999(P2013−27999A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163995(P2011−163995)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000005511)ぺんてる株式会社 (899)
【Fターム(参考)】