説明

ボールペン

【課題】筆記ボールが脱落せず、かつ、ペン先のみをあらかじめ組み立て可能なボールペンを提供する。
【解決手段】インク収容体2の先端に接続される合成樹脂製のボール受座部材10と、ボール受座部材10の先端に位置する筆記ボール4と、ボール受座部材10の先端部分及び前記筆記ボール4を被覆する金属製のカバー部材20とを備え、ボール受座部材10の先端部分は外径が段差をもって縮径された先端縮径部12として形成され、先端縮径部12の先端部分は先端方向にかけて縮径するテーパー部13として形成され、カバー部材20の先端部分はテーパー部13に対応して形状に形成されることでテーパー部13に密着して被覆するように形成されるとともに、カバー部材20の後端縁は先端縮径部12の後端の段差部分に当接し、かつ、同カバー部材20の先端において筆記ボール4の径よりも小径で開口するカシメ部23が筆記ボール4を一部露出させつつ保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端の筆記ボールの回転によりインクを流出するボールペンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボールペンにおけるボールペンチップの材料には、切削容易性を確保するため及びインクによる腐食を防ぐために、主にフェライト系快削ステンレスが用いられている。しかし、フェライト系快削ステンレスは、微量ながら鉛を含んでおり、昨今の環境保護による重金属規制の流れから、好ましい材料とは言えない。そこで、合成樹脂材料からなるボールペンチップを用いたボールペンが開示されている(特許文献1)。また、フェライト系快削ステンレス以外の金属材料からなるボールペンチップを用いたボールペンも開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭49−76625号公報
【特許文献2】特開2001−293992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載のボールペンは、チップ外被部がボールペンチップのみでなくインク収容体までも被っており、ペン先のみを組み立てることができないので、生産効率が悪い。
そこで、本発明は、ペン先のみを組み立てることができるボールペンを提供することを第1の課題とする。
さらに、特許文献1記載のボールペンは、合成樹脂材料によりチップ外被部を形成したことから、筆記ボールに強い圧力が掛かると、チップ外皮部の先端のカシメが変形して、筆記ボールがチップ外皮部から脱落するおそれがある。また、特許文献2記載のボールペンチップは、金属の切削加工による形成であることから、製造時に大量の切削粉が発生して産業廃棄物となる。また、切削粉は切削油にまみれており、切削粉をリサイクルする際に切削油を分離する必要があるため、手間がかかる。
【0005】
そこで、本発明は、上記第1の課題に加え、筆記ボールが脱落せず、かつ、製造時に大量の切削粉が発生しないボールペンを提供することを第2の課題とする。
また、本発明は、上記第1又は第2の課題に加え、組み立て作業を簡略化することができるボールペンを提供することを第3の課題とする。
また、本発明は、上記第1、第2又は第3の課題に加え、カバー部材とボール受座部材との継ぎ目が滑らかなボールペンを提供することを第4の課題とする。
また、本発明は、上記第1、第2、第3又は第4の課題に加え、ペン先へのインクの流通性を高めたボールペンを提供することを第5の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)第1の発明
前記第1の課題を解決するために、本発明のうち第1の発明は、
インク3を収容するインク収容体2と、
前記インク収容体2の先端に接続されるボール受座部材10と、
前記ボール受座部材10の先端に位置する筆記ボール4と、
前記ボール受座部材10の先端部分及び前記筆記ボール4を被覆するカバー部材20と、を備えたボールペンであって、
前記ボール受座部材10の後端部分はインク収容体2の先端に挿着される取付け部11として形成され、
前記ボール受座部材10の先端部分は外径が段差をもって縮径された先端縮径部12として形成され、
前記ボール受座部材10の内部空間は前記取付け部11の後端から前記先端縮径部12の先端にかけて貫通するインク流通孔15として形成され、
前記ボール受座部材10の先端には前記筆記ボール4が当接するボール受座17が形成され、
前記カバー部材20の後端縁24は前記先端縮径部12の後端の段差部分18に当接し、かつ、同カバー部材20の先端において前記筆記ボール4の径よりも小径で開口するカシメ部23が該筆記ボール4を一部露出させつつ保持することを特徴とする。
【0007】
「ボール受座部材10」は、インク収容体2の先端に接続され、インク収容体2に収容されたインク3をボールペンの筆記先端へ流動させるためのものである。ここで「先端」とは、ボールペンの筆記先端の側を意味し、「後端」とは、筆記先端の反対側を意味する。
ボール受座部材10とインク収容体2との接続は、たとえば、ボール受座部材10の取付け部11の外径をインク収容体2の内径よりも僅かに大きく形成し、取付け部11をインク収容体2の先端に圧入して嵌着させてもよい。
「インク流通孔15」は、取付け部11の後端から先端縮径部12の先端にかけてボール受座部材10を貫通し、インク収容体2に収容されるインク3をボール受座部材10の先端へ流通させるように形成される。インク流通孔15は、円孔状に形成されることが望ましいが、たとえば、歯車孔状、ネジ孔状等に形成されてもよい。
【0008】
「筆記ボール4」としては、ステンレス鋼製の球体を用いることが望ましいが、その他に超硬合金製、合成樹脂製、ジルコニア製等の球体を用いることができる。
「カバー部材20」は、ボール受座部材10の先端部分である先端縮径部12までを被覆する部材であって、ボール受座部材10の全体を被覆するものではなく、当然インク収容体2にまでにも至らないものである。
「カシメ部23」は、筆記ボール4を回転自在に保持するように、カバー部材20の先端において筆記ボール4の径よりも小径で開口する。これにより、筆記ボール4の一部がカシメ部23から露出するものの、筆記ボール4がカバー部材20から脱落しないようになっている。
【0009】
カバー部材20とボール受座部材10との嵌着は、接着材による接合、超音波による溶着等も可能であるが、ボール受座部材10への悪影響が少ない圧入が望ましい。
(2)第2の発明
前記第2の課題を解決するために、本発明のうち第2の発明は、前記第1の発明の特徴に加え、
前記ボール受座部材10は、合成樹脂の射出成形にて形成され、
前記カバー部材20は、金属のプレス加工にて形成されることを特徴とする。
ボール受座部材10は、たとえば、ポリアセタールのような合成樹脂によって形成される。
【0010】
カバー部材20は、金属によって形成される。その金属は、環境保護の観点から、鉛を含まないことが望ましく、たとえば、オーステナイト系ステンレス鋼を挙げることができる。
なお、カバー部材20の先端を内方にかしめてカシメ部23を形成してもよいが、金属をプレス加工してカバー部材20を成形する際にカシメ部23も成形することが望ましい。
(3)第3の発明
前記第3の課題を解決するために、本発明のうち第3の発明は、前記第1又は第2の発明の特徴に加え、
前記取付け部11は、前記ボール受座部材10の後端部分の外径が段差をもって縮径された部分として形成され、
前記先端縮径部12の先端部分は先端方向にかけて縮径するテーパー部13として形成され、
前記カバー部材20の先端部分は前記テーパー部13に対応して先端方向にかけて縮径した形状に形成されることで該テーパー部13に密着して被覆するように形成されることを特徴とする。
【0011】
これにより、インク収容体2の先端と取付け部11の先端の段差部分とが当接するまでインク収容体2の先端に取付け部11を挿入させると、ボール受座部材がインク収容体2の先端に挿着されるように形成することができる。
また、カバー部材20の後端縁24が先端縮径部12の後端の段差部分18に当接すると、カバー部材20の先端部分が先端縮径部12のテーパー部13に密着し、カバー部材20が先端縮径部12を被覆するように形成することができる。
(4)第4の発明
前記第4の課題を解決するために、本発明のうち第4の発明は、前記第1、第2又は第3の発明の特徴に加え、
前記カバー部材20の後端縁24における外径と、前記先端縮径部12の後端の段差部分18における外径とが略同一であることを特徴とする。
【0012】
つまり、カバー部材とボール受座部材との継ぎ目において、両者の外周が略同レベルになっている。したがって、ボールペンの外周におけるカバー部材とボール受座部材との継ぎ目には、ほとんど段差がない。
なお、「略同一」とは、完全一致はもちろんのこと、設計上の誤差範囲までをも含む意味である。
(5)第5の発明
前記第5の課題を解決するために、本発明のうち第5の発明は、前記第1、第2、第3又は第4の発明の特徴に加え、
前記インク流通孔15における先端側の周囲には等配された複数の軸方向の溝であるインク誘導溝16が形成されることを特徴とする。
【0013】
このインク誘導溝16がインク流通孔15に設けられていることで、筆記ボール4がボール受座17に当接してインク流通孔15の先端を塞いでいても、インク流通孔15のインク3はインク誘導溝16を通ってボール受座部材10の先端側へ流通する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、上述のように構成されているので、以下に記す効果を奏する。
すなわち、本発明のうち第1の発明によると、ボールペンの筆記先端部分(ボール受座部材、筆記ボール及びカバー部材)をあらかじめ組み立てておくことができる。したがって、インク収容体の径に対応した複数種類の筆記先端部分をあらかじめ組み立てておき、必要に応じてボール受座部材とインク収容体とを接続することができるので、ボールペンの生産効率を向上することができる。
また、従来のボールペンでは、インク収容体の先端に、いわゆる「継手」を介してボールペンチップが装着される。これに対し、第1の発明に係るボールペンでは、インク収容体の先端に、継手を介さずにボール受座部材が装着される。つまり、ボール受座部材は、従来のボールペンチップの機能に加え、さらに従来の継手の機能をも備えている。これにより、ボールペンの部品点数を減らすことができ、また、ボールペンの組み立て作業を簡略化することができる。
【0015】
また、本発明のうち第2の発明によると、上記第1の発明の効果に加え、以下に記す効果を奏する。すなわち、金属製のカバー部材を用いることで、カシメ部の変形を抑制することができるため、筆記ボールが脱落することを防止することができる。また、合成樹脂製のボール受座部材を用いることで、筆記の際にボール受座が筆記ボールに押圧されて僅かに弾性変形するようになる。これにより、金属製のボール受座部材を用いるよりも、柔らかい筆記感触にすることができる。
また、カバー部材は、切削加工ではなく、プレス加工にて形成される。したがって、カバー部材の製造時に大量の切削粉が発生しないため、切削粉をリサイクルする必要がなく、切削にともなう金属の損失を防止することができるので、ボールペンの製造コストを低廉にすることができる。また、カバー部材をプレス加工で形成することにより、切削加工で形成するよりも加工時間を短縮することができるため、ボールペンの生産性を大幅に向上することができる。
【0016】
また、本発明のうち第3の発明によると、上記第1又は第2の発明の効果に加え、以下に記す効果を奏する。すなわち、インク収容体の先端と取付け部の先端の段差部分とが当接すると、ボール受座部材がインク収容体の先端に挿着され、また、カバー部材の後端縁が先端縮径部の後端の段差部分に当接すると、カバー部材の先端部分が先端縮径部のテーパー部に密着し、カバー部材が先端縮径部を被覆するように形成することができる。これにより、インク収容体、ボール受座部材及びカバー部材を容易に嵌着することができるため、ボールペンの組み立て作業を簡略化することができる。
また、本発明のうち第4の発明によると、上記第1、第2又は第3の発明の効果に加え、以下に記す効果を奏する。すなわち、ボールペンの外周におけるカバー部材とボール受座部材との継ぎ目には、ほとんど段差が生じない。したがって、カバー部材とボール受座部材との継ぎ目を滑らかにすることができる。
【0017】
また、本発明のうち第5の発明によると、上記第1、第2、第3又は第4の発明の効果に加え、以下に記す効果を奏する。すなわち、筆記ボールがボール受座に当接してインク流通孔の先端を塞いでいても、インク流通孔のインクはインク誘導溝を通ってボール受座部材の先端側へ流通するので、ペン先へのインクの流通性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係るボールペンリフィルについての(A)正面図、(B)正面断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るボールペンリフィルの筆記先端部分の正面断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るボール受座部材についての(A)正面図、(B)正面断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るボール受座部材のテーパー部についての(A)斜視図、(B)平面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るカバー部材についての(A)斜視図、(B)正面断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るボールペンリフィルの組み立て工程を示す正面断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るボールペンについての(A)一部断面正面図、(B)正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るボールペンリフィル1は、インク3を収容する合成樹脂製の管状のインク収容体2と、インク収容体2の先端に接続される合成樹脂製のボール受座部材10と、ボール受座部材10の先端に位置する金属製の筆記ボール4と、ボール受座部材10の先端部分及び筆記ボール4を被覆する金属製のカバー部材20と、を備えている。
ボール受座部材10は、合成樹脂としてポリアセタールを射出成形して形成される。
図2及び図3に示すように、ボール受座部材10の後端部分には、外径が段差をもって縮径される取付け部11が形成されている。取付け部11の外径は、インク収容体2の内径よりも僅かに大きく形成されている。そして、インク収容体2の先端に取付け部11を挿入し、取付け部11の先端側のフランジ部19がインク収容体2の先端に当接するまで取付け部11を圧入することで、ボール受座部材10がインク収容体2の先端に固定される。
【0020】
図3に示すように、ボール受座部材10の先端部分には、外径が段差をもって縮径された先端縮径部12が形成されている。先端縮径部12の先端部分は、先端方向にかけて縮径するテーパー部13が形成されている。つまり、テーパー部13は、その後端から先端へ向けて外径が小さくなるテーパー状に形成されている。また、先端縮径部12の後端部分は、外径がほぼ等しい略円柱状の円柱部14が形成されている。
図2及び図3に示すように、ボール受座部材10の内部空間には、取付け部11の後端から先端縮径部12の先端にかけて貫通するインク流通孔15が形成されている。インク流通孔15は、その後端から先端へ向けて内径が段状又はテーパー状に小さくなる断面円形状に形成されている。
【0021】
図4に示すように、テーパー部13におけるインク流通孔15の先端側の周囲には、放射状に等配された4本のインク誘導溝16が形成されている。インク誘導溝16の溝幅は、内周側よりも外周側の方が広い断面略扇状に形成されている。
テーパー部13の先端には、筆記ボール4の後端が当接するボール受座17が形成されている。ボール受座17は、筆記ボール4の凸面に対応した凹曲面状に形成されている。
図5に示すように、カバー部材20の先端部分には、ボール受座部材10のテーパー部13に対応して先端方向にかけて縮径したカバー円錐部21が形成されている。カバー円錐部21の内径は、テーパー部13の外径と略同一に形成されている。したがって、カバー円錐部21は、テーパー部13に密着して被覆する(図2参照)。
【0022】
カバー部材20は、鉛を含まない金属としてオーステナイト系ステンレス鋼をプレス加工して形成される。そして、カバー部材20を製造する際に切削加工を行わないので、大量の切削粉が発生しない。
図5に示すように、カバー部材20の後端部分には、ボール受座部材10の円柱部14に対応する形状のカバー円筒部22が形成されている。カバー円筒部22の内径は、円柱部14の外径よりも僅かに小さく形成されている。そして、カバー円筒部22に円柱部14を圧入することにより、カバー円筒部22が円柱部14に密着して被覆する(図2参照)。
図2に示すように、テーパー部13を被覆したカバー部材20の後端縁24は、先端縮径部12の後端の段差部分18に当接している。また、カバー部材20の後端縁24は、その外径が先端縮径部12の後端の段差部分18における外径と略同一になるように形成されている。したがって、カバー部材20とボール受座部材10との継ぎ目にほとんど段差が生じていない。つまり、カバー部材20とボール受座部材10との継ぎ目が滑らかになっている。
【0023】
図5に示すように、カバー部材20の先端には、筆記ボール4の径よりも小径で開口するカシメ部23が形成されている。カシメ部23は、筆記ボール4を一部露出させつつ保持する。カシメ部23は、ステンレス鋼をプレス加工してカバー部材20を成形する際に、同時に成形される。
次に、本実施の形態に係るボールペンの組み立て工程のうち、ボール受座部材10に筆記ボール4及びカバー部材20を取り付ける工程について、図6を参照しつつ説明する。
まず、ボール受座部材10の先端、つまりボール受座17が鉛直上方を向くようにボール受座部材10を固定して、ボール受座17に筆記ボール4を乗せる(図6(A)、(B)参照)。次に、ボール受座部材10の先端縮径部12にカバー部材20をカバー円筒部22側から被せる。そして、カバー部材20の後端縁24が先端縮径部12の後端の段差部分18に当接するまで、カバー部材20の円筒部22にボール受座部材10の円柱部14を圧入させる(図6(C)参照)。カバー部材20の後端縁24が先端縮径部12の後端の段差部分18に当接すると、カバー円錐部21がテーパー部13に密着し、また、筆記ボール4の一部がカシメ部23から露出するようになる。
【0024】
このように、ボールペンリフィル1の筆記先端部分(ボール受座部材10、筆記ボール4及びカバー部材20)をあらかじめ組み立てておいて、これをあとからインク収容体2へ挿着することが可能となっている。
そして、ボールペンリフィル1を合成樹脂製の筒状の軸筒5に装着すると、図7に示すようなボールペン30となる。軸筒5は合成樹脂にて筒状に形成されており、軸筒5の後端には尾栓6が装着されている。また、軸筒5の先端には、その外周が先端方向にかけてテーパー状に縮径された先端部材7が螺着されている。この先端部材7の先端に形成された開口からボールペンリフィル1のカバー部材20が突出している。また、軸筒5の先端部分にはキャップ8が着脱自在に装着されている。このキャップ8には、その先端部分から後端の後方まで伸びたクリップ9が設けられている。
【0025】
なお、本実施の形態に係るボールペン30は、インク収容体2が軸筒5に挿着されており、筆記の際に軸筒5を握るようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、筆記の際にインク収容体2を握るように軸筒5を備えていないボールペンも含むものである。つまり、本発明は、インク収容体2が軸筒5の機能をも兼ね備えたボールペンも含むものである。
【符号の説明】
【0026】
1 ボールペンリフィル 2 インク収容体 3 インク
4 筆記ボール 5 軸筒 6 尾栓
7 先端部材 8 キャップ 9 クリップ
10 ボール受座部材 11 取付け部 12 先端縮径部
13 テーパー部 14 円柱部 15 インク流通孔
16 インク誘導溝 17 ボール受座 18 段差部分
19 フランジ部
20 カバー部材 21 カバー円錐部 22 カバー円筒部
23 カシメ部 24 後端縁
30 ボールペン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを収容するインク収容体と、
前記インク収容体の先端に接続されるボール受座部材と、
前記ボール受座部材の先端に位置する筆記ボールと、
前記ボール受座部材の先端部分及び前記筆記ボールを被覆するカバー部材と、を備えたボールペンであって、
前記ボール受座部材の後端部分はインク収容体の先端に挿着される取付け部として形成され、
前記ボール受座部材の先端部分は外径が段差をもって縮径された先端縮径部として形成され、
前記ボール受座部材の内部空間は前記取付け部の後端から前記先端縮径部の先端にかけて貫通するインク流通孔として形成され、
前記ボール受座部材の先端には前記筆記ボールが当接するボール受座が形成され、
前記カバー部材の後端縁は前記先端縮径部の後端の段差部分に当接し、かつ、同カバー部材の先端において前記筆記ボールの径よりも小径で開口するカシメ部が該筆記ボールを一部露出させつつ保持することを特徴とするボールペン。
【請求項2】
前記ボール受座部材は、合成樹脂の射出成形にて形成され、
前記カバー部材は、金属のプレス加工にて形成されることを特徴とする請求項1記載のボールペン。
【請求項3】
前記取付け部は、前記ボール受座部材の後端部分の外径が段差をもって縮径された部分として形成され、
前記先端縮径部の先端部分は先端方向にかけて縮径するテーパー部として形成され、
前記カバー部材の先端部分は前記テーパー部に対応して先端方向にかけて縮径した形状に形成されることで該テーパー部に密着して被覆するように形成されることを特徴とする請求項1又は2記載のボールペン。
【請求項4】
前記カバー部材の後端縁における外径と、前記先端縮径部の後端の段差部分における外径とが略同一であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のボールペン。
【請求項5】
前記インク流通孔における先端側の周囲には等配された複数の軸方向の溝であるインク誘導溝が形成されることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のボールペン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−148423(P2012−148423A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6797(P2011−6797)
【出願日】平成23年1月17日(2011.1.17)
【出願人】(000005957)三菱鉛筆株式会社 (692)
【Fターム(参考)】