説明

ボール発射装置

【課題】 簡単な構成で正確かつ高速の投球が可能であり、かつ複数の変化球を投球可能なボール発射装置を得ること。
【解決手段】 直線状のボール通路を有する案内筒(9)内にボールを供給し案内筒(9)後部の入力口(10b)より筒内に高圧空気を噴射してボールを案内筒先端部(14a’)から発射し得るボール発射装置であって、案内筒内に該筒に沿って前後に移動可能なボール支持筒(25)を設けると共に、支持筒(25)の移動により案内筒(9)内に供給されたボールをその供給位置から発射位置に移動し得るように構成し、ボールがボール発射位置に位置した状態でボール周囲に圧着し、ボールを発射位置に正確に保持し、かつ圧縮空気を密閉状態とする環状シールリング(30)を設け、さらに入力口(10b)に連通する案内筒内空間(S)を密閉状態とする環状シールリング(29)を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば野球用のピッチングマシンとして適用可能なボール発射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、野球用のピッチングマシンとして、バネ等の弾性力に基づくアームの回動によりボールを発射する装置や(例えば特許文献1)、一対のローラを近接しこれらのローラの回転によりローラ間からボールを発射する装置(例えば特許文献2)等が用いられている。
【0003】
また、空気タンクの高圧空気によってボールを発射するピッチングマシンもあり、高圧空気によって発射したボールの案内筒の経路途中に複数のローラによる変化球発生用機構を設けたもの等がある(特許文献3)。
【0004】
【特許文献1】特開平9−38266号公報
【特許文献2】特開2000−107339号公報
【特許文献3】特開平11−33157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、アームの回動を利用するものは、回動するアームのブレによりボールの正確なコントロールが得がたいとの問題がある。また、ローラ式のものは一対のローラの回転速度のずれ等により、同様にボールの正確なコントロールを実現し難いとの問題がある。また、アームやローラを利用するものは、回動部分や回転部分が外部に露出するため安全性の点で課題がある。
【0006】
一方、上記高圧空気を使用するピッチングマシンは、ボール案内筒内に単に載置されているだけのボールに背後から高圧空気を噴射するものであるから、空気の噴射力が効率的にボールに作用せず、高速ボールを生成し難いとの問題がある。さらに、変化球の発生機構がローラをボールに直接接触させるものであるため、ボールの回転方向を正確に定めることができず、またローラの接触により球速の低下等を招く等の問題がある。
【0007】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたもので、高圧空気を使用して高速でボールを発射し得ると共に、複数種の回転をボールに与えることのでき、しかも安全性の高いボール発射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記目的を達成するために、
第1に、直線状のボール通路を有し、ボールを発射するボール発射筒を有する案内筒内にボール供給口からボールを供給し上記ボール発射筒後端の入力口に発射弁を介して予圧タンクを接続し、該発射弁を開放して上記入力口より筒内に高圧空気を噴射して上記ボールを案内筒先端部から発射し得るボール発射装置であって、上記案内筒内に該筒に沿って前後に移動可能な前後端開放円筒形状の中空部材を設けると共に、該中空部材を前後に移動する支持筒駆動手段を設け、上記ボール供給口の後方側において上記中空部材の外周と上記案内筒内周とを環状シール部により密閉し、上記中空部材は上記環状シール部により外周をシールされた状態で前後に移動可能とし、上記支持筒駆動手段による上記中空部材の移動により上記ボール供給口から上記案内筒内に供給されたボールを上記中空部材により上記供給位置から前のボール発射位置に移動し得るように構成し、かつ上記ボールが上記ボール発射位置に位置した状態において、ボール周囲に圧着する環状シール部を設け、該環状シール部により該ボール後方から上記入力口に連通する案内筒内空間が密閉空間となるように構成し、上記予圧タンクにコンプレッサーから球速に対応する所定圧力の空気圧を1発射分毎に充填し得るように構成し、上記1発射分の充填が終了した状態において、上記発射弁を開放することにより上記ボール発射筒後端より密閉された上記案内筒内空間内に瞬間的に1発射分の高圧空気を噴射し得るように構成し、上記1発射分の高圧空気を上記中空部材内の空間を介して上記ボール後面側に瞬時に作用させることにより、ボールを発射するものであることを特徴とするボール発射装置により構成される。
第2に、選択された球種に対応して球速及びボール案内筒の仰角が予め設定されたシーケンサーを設け、上記シーケンサーの制御により、上記予圧タンクにコンプレッサーから上記選択された球種の球速に対応する所定圧力の空気圧を1発射分毎に充填し、かつ案内筒回動手段により上記選択された球種に対応する上記ボール案内筒の発射仰角が設定されるものであることを特徴とする上記第1記載のボール発射装置により構成される。
第3に、上記ボール案内筒に、発射されたボールの方向性を安定させるボール誘導筒を設けたものであることを特徴とする上記第1又は2に記載のボール発射装置により構成される。
第4に、上記ボール案内筒に、ボールを発射させた高圧空気を大気に開放する開口部を有する空気圧開放筒を設けたものであることを特徴とする上記第1〜3の何れかに記載のボール発射装置により構成される。
第5に、上記ボール供給口の前方側において上記中空部材の前端外周面をシールする環状シールリングを設け、上記環状シール部及び上記環状シールリングにより上記案内筒内空間を密閉状態としたものであることを特徴とする上記第1〜4の何れかに記載のボール発射装置により構成される。
第6に、上記空気圧開放筒より前方のボール通路において、該通路内を通過するボール側面に高圧空気を噴射する空気導入孔を設け、該高圧空気によりボールに回転を与えるように構成したものであることを特徴とする上記第4に記載のボール発射装置により構成される。
さらに、本発明は上記目的を達成するために、
第1に、直線状のボール通路を有する案内筒内にボールを供給し該案内筒後部の入力口より筒内に高圧空気を噴射して上記ボールを案内筒先端部から発射し得るボール発射装置であって、上記案内筒内に該筒に沿って前後に移動可能な移動部材を設けると共に、該移動部材の移動により上記案内筒内に供給されたボールをその供給位置から発射位置に移動し得るように構成し、かつ上記ボールが上記ボール発射位置に位置した状態において、ボール周囲に圧着する環状シール部を設け、該環状シール部により該ボール後方の上記入力口に連通する案内筒内空間を密閉状態とするものであることを特徴とするボール発射装置により構成される。
【0009】
上記移動部材は例えば円筒形のボール支持筒(25)により構成することが好ましい。上記環状シール部は上記案内筒(ボール発射筒10)内に設けられた環状シールリング(30)により構成することが好ましい。このように構成すると、ボールがボール発射位置に位置するとボール周囲に環状シール部が密着して当該ボール後部に密閉されたボール発射室(S)が形成されるため、案内筒(10)後部から高圧空気を噴射すると発射室内の圧力が上昇し、圧縮空気の反発力によりボールを高速で発射することができる。
【0010】
第2に、上記移動部材を中空部材により構成すると共に、該中空部材外周と上記案内筒内周とを環状シール部により密閉し、当該中空部材は、上記環状シール部により外周をシールされた状態で前後に移動可能であることを特徴とする上記第1記載のボール発射装置により構成されるものである。
【0011】
上記中空部材は、例えば前後端開放円筒形のボール支持筒(25)により構成することが好ましい。上記環状シール部は、上記案内筒(ボール発射筒10)内周と中空部材の外周とをシールするオーリング(28a,28a’)により構成することが好ましい。このように構成すると、発射位置にボールを位置させた状態で、ボール後方に、中空部材(ボール支持筒(25))、案内筒(ボール発射筒(10))により密閉されたボール発射室(S)が形成され、高圧空気は上記中空部材内の空間を介してボール後面側に噴射されるため、当該高圧空気を効率的にボールに作用させることができる。
【0012】
第3に、上記ボール発射位置より前方のボール通路において、該通路内を通過するボール側面に高圧空気を噴射する空気導入孔を設け、該高圧空気によりボールに回転を与えるように構成したものであることを特徴とする上記第1又は2記載のボール発射装置により構成されるものである。
【0013】
上記空気導入孔は、例えば案内筒(第1の変化球制御筒13)に貫通形成された空気導入孔A乃至D、及び/又は上記案内筒に貫通形成された空気導入孔E乃至Hにより構成することが好ましい。このように構成すると、案内筒(第1の変化球制御筒13)内を通過するボール側面に高圧空気を噴射することによりボールに回転を与えることができ、これにより変化球を作り出すことができる。
【0014】
第4に、上記空気導入孔は、ボールの一側面に向けてボール進行方向に沿う高圧空気を噴射する第1導入孔と、ボールの他側面に向けてボール進行方向とは逆方向の高圧空気を噴射する第2導入孔からなり、これらの一対の導入孔から高圧空気を噴射するものであることを特徴とする上記第3記載のボール発射装置により構成される。
【0015】
上記第1導入孔は、例えば第1の変化球発生筒(13)内に貫通形成された空気導入孔(A乃至D)により構成することが好ましい。上記第2導入孔は、例えば第1の変化球制御筒(13)内に貫通形成された空気導入孔(E乃至H)により構成することが好ましい。一対の導入孔は例えば第1導入孔(C)と第2導入孔(F)とすることができる(図8(b)のパターン1)。このように構成すると、例えば一対の導入孔(C,F)からボール進行方向及び逆方向からボールの両側面に高圧空気を噴射することができ、これによりボール進行方向中心軸を含むボール進行方向に平行な面内において、ボールに各種の方向の回転を与えることができる。
【0016】
第5に、上記第1導入孔を上記ボール通路の上方の左右2箇所及び下方の左右2箇所に設け、上記第2導入孔を上記第1導入孔設置位置より前方側における上記ボール通路内の上方の左右2箇所及び下方の左右2箇所に設けたものであることを特徴とする上記第4記載のボール発射装置により構成される。
【0017】
上記上方の左右2箇所の第1導入孔は第1の変化球発生筒(13)における空気導入孔(A,B)、上記下方の左右2箇所の第1導入孔は第1の変化球発生筒(13)における空気導入孔(C,D)、上記上方の左右2箇所の第2導入孔は同発生筒(13)における空気導入孔(E,F)、上記下方の左右2箇所の第2導入孔は同発生筒(13)における空気導入孔(G,H)により構成することが好ましい。このように構成すると、互いにクロスする一対の空気導入孔(例えば導入孔D,E)から高圧空気を筒内に噴射することで4種の回転(上方左右斜め(パターン1,2)、下方左右斜め(パターン3,4))をボールに与えることができ、さらに互いにクロスする4つの導入孔(例えばC,FとD,E)に同時に空気を噴射することにより、さらに4つの回転(上下垂直(パターン5,6)、左右水平(パターン7,8))の4種の回転をボールに与えることができ、これにより8種類の回転をボールに与えることができる。
【0018】
第6に、上記導入孔は、ボールの一側面に向けてボール進行方向と直交する方向に高圧空気を噴射する第3導入孔と、ボールの他側面に向けてボール進行方向と直交し上記第3導入孔の噴射方向とは逆方向の高圧空気を噴射する第4導入孔とからなり、これらの一対の導入孔から高圧空気を噴射するものであることを特徴とする上記第3記載のボール発射装置により構成される。
【0019】
上記第3導入孔は例えば第2の変化球制御筒(14)における導入孔(I,J又はM、N)、上記第4導入孔は例えば同制御筒(14)における導入孔(K,L又はO,P)により構成することが好ましい。このように構成すると、ボールの進行方向に直交する右回転又は左回転をボールに与えることができる。
【0020】
第7に、上記ボール通路に、ボールの一側面に向けてボール進行方向に沿う高圧空気を噴射する第1導入孔と、ボールの他側面に向けてボール進行方向とは逆方向の高圧空気を噴射する第2導入孔を設けて第1の変化球制御筒を形成し、該第1の変化球制御筒の後段のボール通路に、ボールの一側面に向けてボール進行方向と直交する方向に高圧空気を噴射する第3導入孔と、ボールの他側面に向けてボール進行方向と直交し上記第3導入孔の噴射方向とは逆方向の高圧空気を噴射する第4導入孔を設けて第2の変化球制御筒を形成したものであることを特徴とする上記第1〜3の何れかに記載のボール発射装置により構成される。
【0021】
このように構成すると、第1の変化球制御筒(13)でボールに回転を与えない場合を含め例えば9種類の球種を作ることができ、第2の変化球制御筒(14)でボールに回転を与えない場合を含め例えば3種類の球種を作ることができ、これらの組み合わせにより例えば27種類の球種を作ることができる。
【0022】
第8に、上記ボール発射位置と上記空気導入孔との間における上記案内筒の壁面にボール発射用高圧空気を大気に開放する開口部を設けたものであることを特徴とする上記第3〜7の何れかに記載のボール発射装置により構成される。
【0023】
上記開口部は例えば案内筒(空気圧開放筒12)の上下左右面に設けられた開口(31)により構成することが好ましい。このように構成すると、ボールを発射させた高圧空気を変化球発生筒(13)に導入される前に大気圧開放することができ、当該高圧空気がその後のボール回転付与動作に影響を与えることを防止し、球種制御効率を高めることができる。
【0024】
第9に、複数の球種選択スイッチを設けて、各スイッチ毎に対応する球種を予め記憶する記憶手段と、上記各球種に対して上記各導入孔内にタンクからの高圧空気を噴射し得る開閉弁と、選択された球種に対応する上記開閉弁を駆動して何れかの上記導入孔内に高圧空気を噴射するように制御する制御部とを具備することを特徴とする上記第4〜8の何れかに記載のボール発射装置により構成される。
【0025】
上記記憶手段はシーケンサー(プログラマブルコントローラ)内の記憶装置を用いても良いし外部記憶装置を用いても良い。変化球用の開閉弁は例えば各一対の空気導入孔(例えばFとC)に同時に高圧空気を噴射するための複数のソレノイドバルブ(例えば45a)等により構成することが好ましい。上記選択された球種に対応して上記開閉弁を駆動制御する制御部は例えばシーケンサー(プログラマブルコントローラ)40等により構成することができる。
【0026】
第10に、ボール案内筒内においてボール支持筒を支持筒駆動手段により移動して該筒の前端縁でボールを発射室前方に移動させ、当該位置にてボールの周囲に上記案内筒内周面に設けられた環状シール部を圧着させることで発射室を密閉状態に設定し、選択された球種に対応する所定圧力でタンク内に空気を充填すると共に該球種に対応して案内筒回動手段により上記ボール案内筒の角度を設定し、上記動作の終了後に予告灯によりボール発射タイミングの予告動作を行い、予告動作の終了後に、上記タンクの開閉弁を開放して上記ボール発射室後部より発射室内に高圧空気を噴射して上記ボール案内筒端部からボールを発射させ、上記開閉弁の開放と共に変化球用の開閉弁を開放して、上記ボール案内筒経路途中に設けられた空気導入孔内に高圧空気を噴射し、当該高圧空気を上記案内筒内を通過するボール側面に噴射することにより、当該噴射空気によりボールに回転を与えることを特徴とするボール発射方法により構成されるものである。
【0027】
上記支持筒駆動手段は、例えばシリンダー(27)により構成することができる。上記案内筒回動手段は、例えば発射仰角変位シリンダー(7)により構成することができる。
【0028】
尚、本項において本発明の構成に対応して実施形態中の符号を付したが、これは対応関係を明確にするために便宜上付したものであり、本発明の構成がこれらの部材に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、本発明によると、高圧空気を利用して簡単な構成で極めて高速のボールを発射することのできるボール発射装置を実現することができる。
また、ボールの球速に応じた圧力(予圧)で1球毎に予圧タンクに高圧空気を充填し、発射ソレノイドバルブを開放することにより高圧空気を密閉された発射室内に噴射してボールを発射するものであるから、球速の変更にも容易に対応することができるものである。
【0030】
また、ボールを環状シール部により発射位置に正確に保持することができるため正確かつ安定してボールを発射することができる。
【0031】
また、ボール側面に高圧空気を噴射することにより変化球を生成するものであり、機械的要素がボールに接触することがないため、簡単な構成で容易に複数種の変化球を作り出すことができる。
【0032】
また、変化球を発生させる部分より前の段階でボール発射用高圧空気を大気開放するように構成したので、ボール発射用高圧空気が変化球発生に悪影響を与えることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明のボール発射装置の全体構成を示す側面図、図2は同上装置の正面図であり、これらの図において、1は上面にボール案内筒9が設けられた機枠であり、下面側に機枠高さ調整用の油圧リフト2を介して移動車輪3が設けられている。尚、ボールを発射する場合はストッパー4を下ろして当該装置を固定する。この機枠1の上面には回動軸4aを有する回動支持部4が設けられており、当該回動支持部4上にL字型取付アングル6が軸支されている。この取付アングル6は、上記機枠1上面に水平状態で上記ボール案内筒9を支持する水平支持面6aと上記機枠1の後面に沿って垂直に位置する予圧タンク支持面6bとから構成されている。
【0035】
7は発射仰角変位用シリンダーであり、その一端は上記回動支持部4の位置より前方側の上記水平支持面6a下面にアングル7aで接続固定されると共に、その下端は上記機枠1内に設けられた回動軸8に軸支されている。かかる構成により上記シリンダー7を伸縮駆動することで上記回動軸4aを中心に上記取付アングル6を矢印a,b方向に駆動可能となっている。
【0036】
9は上記水平支持面6a上に載置固定された全体として筒状のボール案内筒であり、その内部に直線状の円筒形ボール通路9aを有し、先端のボール出口14a’からボールを発射するものである。このボール案内筒9は、ボール発射筒10、該発射筒10の前端フランジに密着状態で接続された発射誘導筒11、該発射誘導筒11の前端フランジに密着状態で接続された空気圧開放筒12、該開放筒12の前端フランジに密着状態で接続された第1の変化球制御筒13、該制御筒13の前端フランジに密着状態で接続された第2の変化球制御筒14により構成されている。従って、上記シリンダー7を伸縮することにより上記回動軸4aを中心に上記案内筒9全体を矢印a又はb方向に変位させ、ボールの発射仰角を制御可能に構成されている。ボールの発射仰角を変化させるのは、球種により球速が変化するためであり、後述のように選択された球種により自動的にシリンダー7を駆動して発射仰角を変化させるように構成している。
【0037】
15は上記機枠1の後面側の予圧タンク支持面6bに固設された予圧タンクであり、上記機枠1内に設置されたコンプレッサー16から球速に対応する所定圧力の空気圧が1発射分毎に充填される。この予圧タンク15には、出力口に設けられた電磁式発射ソレノイドバルブ(発射弁)17が上記ボール発射筒10後端の入力口10b(図4参照)に接続されており、該ソレノイドバルブ17を開放することにより上記ボール発射筒10内に瞬間的に高圧空気を噴射し得るように構成されている。この予圧タンク15には、高速用圧力スイッチ18a(高速ボール発射用)、中速用圧力スイッチ18b(中速ボール発射用)、低速用圧力スイッチ18c(低速ボール発射用)の圧力スイッチ18が設けられており、上記コンプレッサー16から供給される空気圧を3段階(高圧、中圧、低圧)に切り換え可能となっている。予圧タンク15内の圧力はタンク圧力スイッチ(PS1〜PS3)(図10参照)により検出され、設定された球速に応じた圧力スイッチ(PS1〜PS3)がオンした時点で空気圧の充填が終了するように構成している。尚、一定の圧力以上に蓄圧され補球不可能な球速とならないように安全弁15aが作動するように構成している。
【0038】
19は上記ボール案内筒9の上方において上記機枠1上の支持枠1aにより支持されたボール供給函であり、その底面19aは後方に傾斜状態に設けられている。この底面19a後端部にはボール落下口19bが開口形成されており、該落下口19bから下方にボールQを1個ずつ落下供給し得るように構成している。
【0039】
20は上記ボール落下口19bと上記ボール発射筒10上面のボール供給口10aとの間に接続されたボール供給筒であり、その側面には板状の下方ストッパー21a及び上方ストッパー21bが前後方向にスライド可能に設けられている。これらのストッパー21a,21bは、図3に示すようにシリンダー27の駆動シャフト27aの伸縮駆動に連動して前後方向に開閉スライド駆動されるものであり、上記ストッパー21aが図1に示す状態から後方にスライド(開放)することにより、ボールQを上記供給口10aからボール発射筒10内に供給し、その後該ストッパー21aを閉鎖し、上方ストッパー21bをスライド(開放)して上側のボールQを閉鎖状態の下方ストッパー21a上に供給するという動作を行い、これにより上記ボール発射筒10内にボールQを1個ずつ供給するものである。上記下方ストッパー21aの下方位置にはボール充填確認用リミットスイッチLS1(図3参照)が設けられており、上記ボールQが上記発射筒10内に落下するときにボールに当接してオンし、当該ボールが上記ボール供給位置に落下したことを後述のシーケンサー40にて確認できるように構成している。尚、ストッパー21a,21bの駆動機構は後述する。
【0040】
23は上記支持枠1a前面側に固設された出力固定筒であり、その中央のボール通過筒23aは上記変化球発生筒14のボール出口14a’に対応する位置に固定されている。この固定筒23は上記ボール案内筒9のボール出口14a’を打者に見え難くして、球種の判別を不能にするためのものである。
【0041】
図2において、24aは上記支持枠1a前面側に設けられたボール発射予告灯、24bは動作異常時に点滅する異常表示灯である。次に、上記ボール案内筒9の構成をさらに詳細に説明する。
【0042】
図3、図4は上記ボール発射筒10及び発射誘導筒11の詳細を示す図であり、発射筒10内部には、上記ボール発射筒10の内径より小径の前後端開放円筒形状のボール支持筒25が発射筒10内壁に沿って矢印f,g方向にスライド可能に設けられている。このボール支持筒25は、その外周面にボール発射方向(矢印f方向)と直交方向の連結ピン26が突設されており、当該ピン26が上記発射筒10壁面に開口形成された水平長孔10cを介して該発射筒10外部に突出している。当該駆動ピン26は、上記ボール誘導筒11の外周面に水平に固設されたシリンダー27の駆動シャフト27a先端部に軸支されている。従って、上記ボール支持筒25は上記発射筒10内において図3に示すボール供給位置と図4に示すボール発射位置との間を矢印f、g方向にスライド可能となっている。この駆動シリンダー27はシリンダーソレノイドバルブ27’(図10参照)のオンオフによりスライド駆動されるものであり、上記駆動シャフト27aが縮小して上記支持筒25が上記ボール発射位置(図4の位置)に位置したとき、内蔵するシリンダーリミットスイッチLS2(図10参照)がオンしてシーケンサー40により上記ボール支持筒25が上記ボール発射位置に到来したことを検出し得るように構成している。
【0043】
上記ボール発射筒10の上記ボール供給口10aより後方側の内周には、前後2段のオーリング28a,28a’を支持する環状オーリング支持部28、28’が設けられており、上記ボール支持筒25外周には常時上記オーリング28a,28a’が密着している。これにより上記入力口10bから導入される空気は支持筒25内に供給され、当該オーリング28a,28a’によるシール部分から前方側に漏れないように構成している。また、上記ボール発射筒10の上記供給口10aより前方側の内周には、弾性体からなる環状シールリング29が固設されており、上記ボール支持筒25前端が図4に示すボール発射位置に位置したとき、該支持筒25の前端外周面が上記シールリング29に圧着して、該支持筒25外周面前端部をシールするよう構成している。
【0044】
30は、上記発射筒10内周壁において上記環状シールリング29の前段に設けられたボール用の環状シールリング(弾性体からなる)であり、上記ボール支持筒25がその前端周縁25aでボールQ後部を押しながらボール発射位置に位置したとき(図4参照)、ボールQの略最大径部の外周面に環状に圧着して当該圧着部分をシールするように構成している。かかる構成により、上記ボール支持筒25が図4のボール発射位置に位置したとき、上記オーリング28a,28a’、環状シールリング29及び30により上記発射筒10内に、ボールQ後面、ボール支持筒25及びボール発射筒10により構成された完全に密閉状態のボール発射室Sが形成され、かかる密閉空間内に連通する入力口10bから高圧空気を瞬間的に噴射し得るように構成している。また、上記ボールQは上記発射位置において上記ボール後部外周が上記ボール支持筒25先端の周縁25aに圧接し、ボールQ後半部は上記ボール支持筒25内に入り込んだ状態となり、これにより当該支持筒25前端周縁25aは当該ボールQ後半部により密閉された状態となるように構成している。これによりボールQを図4に示す発射位置に正確に保持し得る。そして、かかる状態において、上記入力口10bから高圧空気を筒10内に瞬間的に噴射することにより、当該高圧空気を上記支持筒25を介して上記筒10前端に位置する上記ボールQ後面に向けて効率的に噴射し得るように構成している。
【0045】
上記シリンダー27は上記ボール誘導筒11の他側面の対称位置にも同様に設け、左右一対のシリンダー27,27により上記ボール支持筒25を駆動し得るように構成している。27bは上記ストッパー21a,21bの駆動アームであり、その上端部近傍位置を上記ボール供給筒20側面の支軸27cに回動自在に軸支され、先端部の二股部27fを上記駆動ピン26に係合されており、上記シリンダー27の伸縮動作に基づいて上記支軸27cを中心に図3と図4の状態を往復回動し得るように構成されている。この駆動アーム27bの略中央部及び後端部には長孔27d,27eが貫設されており、これらの長孔27d,27eに上記ストッパー21a,21b側縁から側面方向に突設されたピン21a’,21b’が各々係合している。従って、上記シリンダー27が伸長した図3の状態では上記アーム27bの回動により、下方ストッパー21aが後方にスライドして開き、上方ストッパー21bが閉鎖した状態となり、この時点で上記下方ストッパー21a上のボールQがボール供給位置に落下し(図3の状態)、当該位置から上記シリンダー27を縮小すると、上記駆動アーム27bの回動により上記下方ストッパー21aが閉鎖、上方ストッパー21bが開いて該ストッパー21b上のボールQを下方ストッパー21a上に供給し得るように構成されている。尚、ボール供給筒20は上記ボール発射筒10上面にその下端を支軸20aで軸支され、矢印h方向に回動可能としてボールQの詰まり等を迅速に解消できるように構成している。
【0046】
上記駆動アーム27b及びこれに関連する機構は図14、図15に示すように上記ボール供給筒20の左右位置に一対に設けられており、これにより上記ストッパー21a,21bを安定的に開閉スライドすることができる。
【0047】
図14は図3に対応するものであり、上方ストッパー21bが閉鎖した状態(同図(a))、下方ストッパー21aが開放した状態(同図(b))を示しており、図15は図4に対応するものであり、上方ストッパー21bが開放した状態(同図(a))、下方ストッパー21aが閉鎖した状態を示すものである(同図(b))。上記各ストッパー21a,21bはこれらの図に示すようにボールの載置部に半円形の切欠21a”,21b”が形成されており、これによりボールQを保持又は落下させるための上下ストッパー21a,21bのスライドストロークを短縮することができる。
【0048】
上記ボール誘導筒11内部は上記発射筒10に連通する直線的な円筒ボール通過空間11aが形成されている。この通過空間11aの直径はボール直径より若干大となるように形成されており、上記発射筒10から発射されたボールの方向性を安定させる機能を有するものである。これにより、ボールQを目標位置に向けて正確に飛ばすことができる。
【0049】
上記空気圧開放筒12は(図5参照)、その内部に上記通過空間11aと同径で該空間11aに連通する円筒ボール通過空間12aが形成されており、その上下左右外周面の各々には大気開放用の方形開口31が形成されている。尚、図5には一側面のみ示すが上下左右の各側面にも同様に方形開口31が形成されている。この開口31は上記入力口10bから噴射されたボール発射用の空気圧力を当該開口31から大気に開放することにより、その後の変化球制御筒13、14における高圧ジェット空気によるボールの回転制御に上記ボール発射用高圧空気が影響を及ぼさないようにするためのものである。この空気圧開放筒12の出力側フランジ12bには、後述の変化球発生用空気の導入孔A,Cに連通する接続口12c,12dが開口形成されている。尚、図示していないが、この接続口12c,12dの対称位置の上記フランジ12bには後述の導入孔B,Dに連通する2つの接続口12c、12dが設けられている。
【0050】
上記第1の変化球制御筒13は(図6参照)、上記開放筒12のボール通過空間12aと同一径の断面円形ボール通過空間13aが形成されている。この制御筒13のボール入力側のフランジ32には、当該制御筒13の外周面より外側位置における上側2箇所及び下側2箇所に変化球発生用の高圧ジェット空気を導入する4つの空気導入口A〜Dが設けられている。これら導入孔A〜Dは、上記制御筒13の外周の外側位置から変化球制御筒13方向(ボール進行方向)に傾斜直線状に穿孔され、該発生筒13を貫通して該筒13内に開口し、当該制御筒13内周部に4つの空気出力口A’〜D’を形成している。
【0051】
また、ボール出力側のフランジ34にも同様に上記制御筒13の外周面より外側位置における上側2箇所及び下側2箇所に変化球発生用の高圧ジェット空気を導入する4つの導入口E〜Hが設けられており、これらの導入口E〜Hは上記フランジ34から変化球制御筒13方向(ボール進行方向とは逆方向)に傾斜直線状に穿孔され、該制御筒13を貫通して該筒13内に開口して、当該制御筒13内周部に4つの空気出力口E’〜H’を形成している。これらの導入孔を概念的に示すと図8(a)に示すように、ボール進行方向(矢印f方向)に対して前段にA〜Dの4つの導入孔が穿孔され、後段にE〜Hの4つの導入孔が穿孔されており、前段と後段で計8つの導入孔A〜Hが設けられている。
【0052】
これら導入孔A〜D,E〜Hの穿孔方向は、図6(b)のフランジ32方向から見ると、制御筒13の円形断面に外接する正方形の対角線の方向であり、図6(c)に示すように同図6(b)のX−X線断面から見ると、導入孔A,D(E,H)から各出力口A’,D’(E’、H’)方向に向けて、制御筒13外周面に対して角度θを以って穿設されている。尚、導入孔B,C,F、Gの穿孔方向も、上記図6(c)に示す上記導入孔A,D,E,Hの穿孔方向と同一である。
【0053】
例えば、前段の導入孔Aと後段の導入孔Hに同時に高圧ジェット空気を導入することにより、図6(c)に示すように、導入孔AからボールQの一側面に向けてボール進行方向に沿う高圧空気(図中ハッチング部分)を噴射し、導入孔HからボールQの他側面に向けてボール進行方向に沿う高圧空気(図中ハッチング部分)を噴射し、当該高圧空気流によりボールQに同図中矢印方向の回転を与えるものである。
【0054】
上記各導入孔への空気の導入は、前段(A〜D)と後段(E〜H)のクロスする上下の導入孔を一対として、これら一対の導入孔に同時に行なわれる。即ち、図8(b)に示すように、各一対の導入孔であるFとC、EとD、AとH,BとGの各々に同時に空気が導入され、これら一対の導入孔の出力口から同時に空気が噴射する。この組み合わせにより、図8(b)に示すようにボール進行方向から見て斜め方向回転であるパターン1からパターン4の4種の回転(上方左斜め、上方右斜め、下方左斜め、下方右斜め)をボールに与えることができる。尚、図8(b)(c)は圧縮空気の噴射方向とボールの回転方向を概念的に表現したものであり、記号mは紙面表から裏の方向、記号nは紙面の裏から表の方向を示す。尚、実際の噴射方向は紙面に垂直ではなく、図6(c)に示すように制御筒13の外周面から角度θだけ制御筒13の中心軸方向に傾斜した方向であるが、空気の噴射方向の理解を容易にするために、上述のような記号m,nを便宜上使用した。また、同図(b)(c)中、ボールQは紙面の裏から表方向に移動しており、ボール内の矢印は各パターンにおけるボールの回転方向を示すものである。
【0055】
さらに、上記パターン1と2を同時に行なうことにより、即ち、導入孔FとC、導入孔EとDから同時に空気を噴射することにより、パターン5に示すようにボールに上向垂直方向の回転を与えることができる。同様にパターン3と4、パターン1と3、パターン2と4を組み合わせることにより、パターン6からパターン8に示す進行方向に対して垂直又は水平の回転をボールに与えることができる。このように、対向する一対の導入孔から空気を噴射することにより、8種類の回転をボールに与えることができるものである。即ち、当該第1の変化球制御筒13により、ボールの進行方向中心軸を含むボール進行方向に平行な平面内において複数種の回転をボールQに与えることができる。
【0056】
上記第2の変化球制御筒14は(図7参照)、上記ボール通過空間13aに連続するボール通過空間14aが形成されており、その制御筒14の外周には図7(a)Y−Y線断面図(同図(b))で示すように、上方から下方向けた2つの変化球発生用の空気導入孔I,Jと下方から上方に向けた2つの変化球発生用の導入孔K,Lが貫通状態で穿孔されており、該筒14内を通過するボールの一側面に上方から下方向けて又は該ボールの他側面に下方から上方に向けて高圧ジェット空気を噴射し得るように構成している。さらに上記制御筒14の外周における上記各導入孔I〜Lの後段には同図Z−Z線断面図(同図(c))で示すように、右方から左方向に向けた2つの変化球発生用の導入孔M,Oと左方から右方に向けた2つの変化球発生用の導入孔N,Pが穿孔されており、上記前段に引き続いて上記ボールQの一側面に右方から左方に向けて又は該ボールの他側面に左方から右方に向けて高圧ジェット空気を噴射し得るように構成している。尚、これら導入孔の関係を図9(a)に概念的に示す。
【0057】
これらの導入孔への圧縮空気の導入は、前段においては例えばIとLを一対としてこれらの導入孔に空気を噴射してボールBにボール進行方向に直交する方向の左回転を与え(図7中矢印参照)、さらに後段の導入孔NとOを一対としてこれらの導入孔に圧縮空気を導入することにより、再度同一方向の左回転を与えるものである(図9(b)パターン1参照)。また、ボールに進行方向に直交する右回転を与える場合は、前段において導入孔J,Kを一対としてこれらの導入孔に空気を噴射し、さらに後段において導入孔M,Pを一対としてこれらの導入孔に同時に空気を噴射することにより進行方向に直交する右回転を与えることができる(図9(b)パターン2参照)。当該制御筒14の入力側フランジ14bの側面には接続口14c、14dが穿設されており、これらの接続口は上記第1の変化球制御筒13の空気導入孔E,Gに連通している。尚、当該フランジ14bの他側面の対称位置には、同様に接続口14c,14d(図示せず)が設けられており、これらの接続口は上記制御筒13の空気導入孔F,Hに連通している。
【0058】
そして、上記第1の変化球制御筒13の9種類の変化(変化を与えない場合を含む)と第2の変化球制御筒14の3種類の変化(変化を与えない場合を含む)を組み合わせると少なくとも27種類の変化球を生成することができるものである。
【0059】
図16は上記第2の変化球制御筒14の他の実施形態を示すものであり、上記第2の変化球制御筒14の上下方向の空気導入孔I,J,K,Lを廃止して左右方向の空気導入孔M,N,O,Pをボールの進行方向に沿って3段階に設けたものである。尚、この場合の1段の空気導入孔M,N,O,Pの断面図は図7(c)に示すものとなる。この場合、ボールに進行方向に直交する左回転を与える場合は、各段階の空気導入孔のN、Oから空気を噴射し、ボールに進行方向に直交する右回転を与える場合は、各段階の空気導入孔のM,Pから空気を噴射すれば良い。このように空気導入孔を3段階とすることにより、より強い回転をボールに与えることができる。
【0060】
次に本発明の電気的構成を説明する。図10に示すように、本発明の動作は、シーケンサー40内に記憶された動作プログラム(図12,13に示す)により行なわれる。当該シーケンサー40の入力部には、自動手動切換スイッチ41、ボール発射スイッチ42、高速用圧力スイッチPS1,中速用圧力スイッチPS2,低速用圧力スイッチPS3、7種類の球種選択スイッチ43(選択スイッチ43a〜43gにより構成される)、及びボール供給確認用のリミットスイッチLS1、ボール支持筒25のシリンダー確認用リミットスイッチLS2、タンク圧力無確認用圧力スイッチPS4、乱数球種選択スイッチ46が接続されている。この球種選択スイッチ43は、例えば上記27種類の球種の内の何れかに各スイッチが対応付けられており、これらの対応付けをシーケンサー40内の記憶手段(図示せず)に記憶するように構成されている。そして、何れかの選択スイッチを操作すると、シーケンサー40において対応付けられた球種にセットされるように構成されている。また、球種に対応して球速及び仰角も予め設定されており、球種が選択されると、シーケンサー40内で、選択された球種に対応して上記高中低速用圧力スイッチPS1〜PS3の何れかが自動的に選択され、さらに仰角ソレノイドバルブ7b又は7cが駆動されるように構成されている。尚、どのスイッチにどのパターンの球種を選択するかは任意に設定可能であるし、さらに多くの球種選択スイッチ43を設けても良い。
【0061】
上記シーケンサー40の出力部には、ボール支持筒25のシリンダー27駆動用ソレノイドバルブ27’、仰角制御用シリンダー7駆動用のソレノイドバルブ7b,7c、予圧タンク15に空気を導入するためのタンクソレノイドバルブ44、発射用ソレノイドバルブ17、ボール発射予告灯24a及び異常表示灯24b、インターバル用タイマー45、及び変化球発生用の6個の変化球用ソレノイドバルブ45a〜45fが接続されており、これらの出力側機器は図12,13に示す動作手順に従ってシーケンサー40により駆動制御されるものである。
【0062】
上記変化球発生用のソレノイドバルブ45a〜45fは、図11に示すように各々導入孔F,C、導入孔E,D、導入孔A,H、導入孔B,Gに空気を同時に噴射するソレノイドバルブ45a〜45d、導入孔I,L,N,Oに空気を同時に噴射するソレノイドバルブ45e、導入孔J,K,M,Pに同時に空気を噴射するソレノイドバルブ45fにより構成されている。そして、上記ソレノイドバルブ45aは導入孔F,Cに連通する接続口14c(左側)、12d(右側)に空気ホースで接続され、上記バルブ45bは導入孔E,Dに連通する接続口14c(右側),12d(左側)に空気ホースで接続され、上記バルブ45cは導入孔A,Hに連通する接続口12c(右側)、14d(左側)に空気ホースで接続され、上記バルブ45dは導入孔B,Gに連通する接続口12c(左側)、14d(右側)に空気ホースで接続されている。また、上記バルブ45eは上記導入孔I,L,N,Oに空気ホースで接続され、上記バルブ45fは上記導入孔J,K,M,Pに空気ホースで接続されており、各バルブを開放することにより空気タンク47,48から上記各導入孔内に高圧ジェット空気を噴射するものである。
【0063】
尚、上記自動手動切換スイッチ41、ボール発射スイッチ42、球種選択スイッチ43、乱数球種選択スイッチ46は、手元スイッチボックス(図示せず)内に収納すると共に上記シーケンサー40と有線で接続し、打者の手元で操作できるようにすることが好ましい。また、上記ボール発射スイッチ42は、打者の足元又はベース下に設置して打者の足又はバット先端で操作可能に構成することもできる。
【0064】
本発明は上述のように構成されているものであるから、以下その動作を説明する。
(1)手動動作
まず、打者は、自動手動切換スイッチ41で手動を選択する(図12P1)。尚、打者はここで手元の球種選択スイッチ(43a乃至43g)で球種を選択する。ここでは球種選択スイッチ43a(球種1)を選択したものとする(図12P2)。シーケンサー40は手動であること及び球種選択スイッチ43aが選択されたことを認識し(図12P2)、タンク圧力無確認圧力スイッチPS4がオフ(即ち、予圧タンク15の圧力がゼロ)であることを検出する(図12P3)。その後、シリンダーソレノイドバルブ27’をオンしてシリンダー27を駆動する(図12P4)。ここで、シーケンサー40は、乱数発生動作を開始すると共に(図12P6)、異常表示灯24b点滅用に内部タイマーの計時動作(例えば3秒)を開始する(図12P7)。上記シリンダーソレノイドバルブ27’がオンすると、シリンダー27の駆動シャフト27aが伸張駆動され、ボール支持筒25が後方のボール供給位置(図3の位置)まで移動する(図12P5)。
【0065】
すると、上記駆動シャフト27aの伸長に連動して下方ストッパー21aが開放し、これによりボールQが発射筒10内のボール供給位置(図3の位置)に落下供給される(図12P8、P9)。ここで、シーケンサー40はボール供給確認リミットスイッチLS1にてボール供給がなされたことを認識し(図12P10)、シリンダーソレノイドバルブ27’をオフすると共に(図12P11)、異常表示灯24b点滅用の上記内部タイマーの計時動作を中止する(図12P10、P7)。
【0066】
尚、上記ステップP10において、何らかの理由でボールBがボール供給位置に落下せず、上記ボール供給確認リミットスイッチLS1が所定時間内(上記内部タイマーの3秒以内)にオンしない場合は、シーケンサー40は異常が発生したと判断し、異常表示灯24bを点滅(0.5秒間隔)させてその旨を打者に通告し(図12P12)、処理を中止する。
【0067】
上記ソレノイドバルブ27’がオフされると(図12P11)、シリンダー27の駆動シャフト27aが縮小し、これによりボール支持筒25が上記供給位置にあるボールQをその前端周縁25aで後方から押しながら前進し、図4のボール発射位置で停止する(図12P14)。このとき、シリンダー27の駆動シャフト27aの縮小によりボール供給下方ストッパー21aは閉鎖し、上方ストッパー21bは開放し、上記ストッパー21a上にボールを供給する。尚、上記ステップP11の後内部タイマーの計時動作が開始される(図12P13)。シリンダーリミットスイッチLS2がオンすると、シーケンサー40はボール支持筒10の前進移動が完了したことを認識して(図12P15)、異常表示灯の内部タイマーの計時動作を中止すると共に(図12P13)、タンクソレノイドバルブ44をオンして予圧タンク15への空気の充填を開始する(図12P17)。また、同時にシーケンサー40は上記ステップP17において、乱数の発生を停止し、これにより停止した時点の乱数に対応した何れかの球種が設定され、シーケンサー40内の記憶手段に記憶される。
【0068】
上記ボール支持筒25の前進過程において、該支持筒25の外周はオーリング28a,28a’によりシールされた状態を維持しており、また、該支持筒25の前端外周面はシールリング29に当接して該リング29によりシールされる。上記ボールQは図4に示す発射位置においてその外周に環状シールリング30が圧着し、さらに支持筒25前縁25aとボールQ後半部との圧着により、発射位置に正確に保持され、かつボール発射室Sが完全に密閉された空間となる。
【0069】
尚、シーケンサー40はステップP15においてシリンダーリミットスイッチLS2が所定時間内(例えば3秒以内)にオンしない場合は、ボール支持筒25がボール発射位置まで達しておらず異常が発生したと判断して、上記異常検知内部タイマーで設定されている所定時間、異常灯24bを点滅(0.2秒間隔)させてその旨を打者に通告し(図12P16)、処理を中止する。
【0070】
上記タンクソレノイドバルブ44がオンされると予圧タンク15にコンプレッサー16から選択された球種の所定圧力まで空気圧の充填が開始される(図12P18)。ここで打者が予め手元操作部の球種選択スイッチ43か或いは乱数球種選択スイッチ46の何れかで選択された球種の球速に対応する圧力が充填される(図12P19)。ここでは、打者は上述のように球種選択スイッチ43aを押圧し、これにより第1の変化球制御筒13におけるパターン1、第2の変化球制御筒14におけるパターン1が選択されたとする。尚、乱数球種発生スイッチ46をオンした場合は、上記ステップP17で既に定められた球種の球速に設定される。
【0071】
上記シーケンサー40はステップP2で球種選択スイッチ43aが選択されていることを認識しているので、当該スイッチ43aに対応するタンク圧力スイッチPS1〜PS3の何れかがオンするまで予圧タンク15に圧縮空気を充填し、該スイッチPS1〜PS3の何れかがオンしたことを検出すると(図12P20)、タンクソレノイドバルブ44をオフして該タンク15への空気の充填を完了する(図12P21)。これにより、予圧タンク15において球速に対応した所定圧力の空気の充填が完了する。また、シーケンサー40は、選択された球種に対応する仰角ソレノイドバルブ7c又は7bをオンして仰角制御用シリンダー7を駆動する(図12P22)。これにより、該シリンダー7が伸張又は縮小してボール案内筒9が回動軸4aを中心に矢印a又はb方向に回動して球種に対応した発射仰角が設定される(図12P23)。
【0072】
上記タンク圧力ソレノイドバルブ44がオフした時点で(図12P21)、シーケンサー40は発射予告灯24aを点灯させる(図12P24)。これにより打者は、発射準備が完了したことを認識することができる。次に、打者は発射予告灯24aが点灯したことを確認して、足もとの発射ボタン42をオンする(図12P25)。すると、シーケンサー40は発射予告灯24aを3秒の間、0.5秒間隔で点滅させる(図12P27)。打者はこの点滅(0.5秒間隔)が開始するとまもなくボールが発射されることを認識することができる。
【0073】
その後、シーケンサー40はボール発射の1秒前になると、予告灯24aを0.2秒間隔で点滅する(図12P29)。従って、打者は予告灯24aの点滅間隔が早くなると1秒後にボールが発射されることを認識することができる。
【0074】
シーケンサー40は上記予告灯24aの点滅を終了した後、発射ソレノイドバルブ17をオンすると共に選択された球種に対応する変化球用のソレノイドバルブ45a〜45dの何れか(例えば図8のパターン1)及び45e〜45fの何れか(例えば図9のパターン1)をオンする(図12P30)。上記発射ソレノイドバルブ17がオンすると、予圧タンク15の開閉弁が瞬間的に開放し、該予圧タンク15から高圧の圧縮空気が発射室S内に瞬時に噴射され、これにより発射室S内の圧力が瞬時に高まり、発射室S内の圧縮空気の反発力によりボールBは図4の発射位置から矢印f方向に高速で発射される(図12P31)。尚、シーケンサー40はボールが発射された後、所定時間後に発射ソレノイドバルブ17をオフして開閉弁を閉じる(図12P32)。
【0075】
発射されたボールは、ボール発射筒10から誘導筒11、空気圧開放筒12内を通過して、第1の変化球制御筒13に移行するが、上記発射室S内に噴射された高圧空気は上記開放筒12に設けられた開口31から大気に開放される。従って、上記制御筒13移行後の変化球制御動作に上記噴射用空気が悪影響を及ぼすことはない。
【0076】
上記第1の変化球制御筒13内にボールが移行すると、当該制御筒13内の導入孔F,Cから高圧ジェット空気が同時に噴射しているので、上記導入孔Cからボール一側面にボール進行方向に沿う高圧ジェット空気が噴射されると共に、導入孔Fからボール他側面にボール進行方向とは逆方向の高圧ジェット空気が噴射され、これによりボールに上方左斜め方向の回転(図8(b)パターン1参照)が与えられ、該ボールは該方向に回転しながら次の第2の変化球制御筒14内に移行する。
【0077】
上記第2の変化球制御筒14内にボールが移行すると、当該制御筒14内の導入孔I,L及び導入孔N,Oから高圧ジェット空気が同時に噴射しているので、これらの導入孔から制御筒14内に噴射される高圧ジェット空気がボール左右側面に噴射され、これにより該ボールにボール進行方向に直交する左回転の回転が与えられ(図9(b)パターン1参照)、当該回転が与えられたボールは当該制御筒14のボール出口14a’からボール通過筒23aを通って打者に向けて所定の仰角を以って高速で発射される。
【0078】
これにより、上記第1及び第2の変化球制御筒13,14により所定の回転が付与されたボールは、当該回転方向に基づく変化球として打者方向に高速で発射されるのである。
【0079】
当該ボールの発射が完了すると(図12P32)、シーケンサー40は変化球用のバルブ45a〜45d,45e〜45fを閉じると共に、ステップP3に戻ってタンク圧力がゼロであることを確認し、P4以下の上記と同様の動作を繰り返す。尚、上記手動動作では球種はその都度選択可能であるが、ステップP19において打者が一度球種を設定するとシーケンサー40にて当該球種を記憶して、その後は打者が球種選択ボタン43で球種の変更を行なわない限り、発射スイッチ42を押す度に(P25)、1球ずつボールを発射するように構成することもできる。
【0080】
(2)自動動作
次に、自動動作を図13に基づいて説明する。この自動動作においては、図12の手動動作におけるステップS25の発射ボタン42オンの検出動作と、ステップS24の予告灯24aの点灯動作が存在せず、予告タイマーのカウント前にインターバルタイマー45により投球と投球の時間間隔を調整するインターバルを設ける点(図13P25’)、及び自動動作を停止又は開始するステップP2’が存在する点においてのみ相違しており、その他の動作は図12の手動動作と同様であるので、同一部分には手動操作と同一符号を付して説明は省略する。この自動動作において自動手動切換スイッチ41を操作して自動を選択すると(図13P2)、発射ボタン42を押すことなく自動的にボールが所定間隔で次々に発射されることになる。この場合は、上記乱数発生機能により、球種をランダムに発生させることができるし、特定の球種に固定することも可能である。また、打者はボールの発射のタイミングを、手動動作と同様に予告灯24aの点滅間隔の変化(0.5秒から0.2秒)により容易に知ることができる。
【0081】
以上のように、本発明によれば、ボール支持筒25によりボール発射室S前側にボールQを移動させ、環状シールリング30,29等により密閉されたボール発射室Sを形成し、さらに高圧空気を瞬間的に噴射して発射室S先端に位置するボールを発射するように構成したものであるから、当該発射室S内の圧力を効果的にボール後面に作用させることができ、これにより極めて高速のボールを発射することができるものである。
【0082】
また、ボールをボール支持筒25、環状シールリング30等により発射位置に正確に保持することができるため、一発毎に正確かつ安定してボールを発射することができる。
【0083】
また、ボールQの球速に応じた圧力(予圧)で1球毎に予圧タンク15に高圧空気を充填し、発射ソレノイドバルブ17を開放することにより高圧空気を密閉された発射室S内に噴射してボールを発射するものであるから、球速の変更にも容易に対応することができるものである。
【0084】
また、第1又は第2の変化球制御筒13,14において、ボール側面に高圧空気を噴射してボール案内筒9内を移動するボールに回転を与えるものであるから、変化球を発生させるための機械的駆動部分が存在せず、簡単な構成で効果的に変化球を作り出すことができる。
【0085】
また、ボール発射筒10と第1の変化球発生筒13との間に大気開放用の開口31を設けたので、ボール発射用の高圧空気が変化球発生動作に影響を及ぼすことはなく、高圧ジェット空気の噴射により確実にボールに回転を与えることができる。
【0086】
また、第1の変化球発生筒13において合計8つの空気導入孔A〜Hを設けて対応する一対の導入孔に高圧ジェット空気を噴射し得るように構成したので、当該制御筒13において少なくとも8種類の回転をボールに与えることができ、これとボールに回転を与えない場合を含め合計9種類の球種を作り出すことができる。
【0087】
また、第2の変化球発生筒14において合計8つ(図16の場合は12個)の空気導入孔I〜Pを設けて、ボール進行方向とは直交する左右2種類の回転をボールに与えるように構成したため、ボールに回転を与えない場合を含め合計3種類の球種を作り出すことができる。これにより、上記第1の変化球制御筒13での回転方向と合わせて少なくとも27種類の球種を作ることができる。
【0088】
また、機械的構成要素がボールに接触することなく、圧縮空気のみで変化球を生成することができるため、変化球発生動作が球速に大きな影響を与えることもなく、高い投球精度を実現することができる。
【0089】
また、ボールのボール発射位置へのセットからボールの発射に至るまでをシーケンサー40により自動的に行なうように構成したので、球種、球速の選択等を行なうだけで、複数の球種に対応した極めて操作性良好なボール発射装置及び方法を提供し得る。
【0090】
また、ボール案内筒9をボール発射筒10、誘導筒11、大気開放筒12、第1、第2の変化球制御筒13,14の分割構造とすることにより分割容易でメンテナンス性、可搬性が高いボール発射装置を実現することができる。
【0091】
尚、上記実施形態では、主に野球ボールの発射を前提に説明したが、本発明の装置はこれに限定されず、ソフトボール、テニスその他の各種球技用のボール発射装置として使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明に係るボール発射装置の側面図である。
【図2】同上装置の正面図である。
【図3】同上装置のボール発射筒近傍の側面図である。
【図4】同上装置のボール発射筒近傍の側面断面図である。
【図5】同上装置の大気圧開放筒の側面図である。
【図6】(a)は第1の変化球制御筒の側面図、(b)は同上制御筒の背面図、(c)刃(b)図のX−X線断面図である。
【図7】(a)は第2の変化球制御筒の側面図、(b)は(a)図のY−Y線断面図、(c)は(a)図のZ−Z線断面図である。
【図8】(a)は第1の変化球制御筒における空気導入孔の設置位置を概念的に示す図、(b)は同制御筒におけるパターン1〜パターン4までの高圧空気の噴射方向とボールの回転方向を概念的に示す図、(c)は同制御筒におけるパターン5からパターン8までの高圧空気の噴射方向とボールの回転方向を概念的に示す図である。
【図9】(a)は第2の変化球制御筒における空気導入孔の設置位置を概念的に示す図、(b)(c)は同制御筒における高圧空気の噴射方向とボールの回転方向を概念的に示す図である。
【図10】同上装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図11】同上装置の変化球用ソレノイドバルブの構成を示す図である。
【図12】同上装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図13】同上装置の動作手順を示すフローチャートである。
【図14】(a)は同上装置の上方ストッパー近傍の横断面図、(b)は同上装置の下方ストッパー近傍の横断面図である。
【図15】(a)は同上装置の上方ストッパー近傍の横断面図、(b)は同上装置の下方ストッパー近傍の横断面図である。
【図16】第2の変化球制御筒の他の実施形態の側面図である。
【符号の説明】
【0093】
7 仰角制御用シリンダー
9 ボール案内筒
9a ボール通路
10b 入力口
13 第1の変化球制御筒
14 第2の変化球制御筒
15 予圧タンク
17 発射ソレノイドバルブ
24a 発射予告灯
25 ボール支持筒
28a,28a’ オーリング
30 環状シールリング
31 方形開口
40 シーケンサー
43 球種選択スイッチ
45a〜45f 変化球用ソレノイドバルブ
A〜H,I〜P 空気導入孔
S 発射室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線状のボール通路を有し、ボールを発射するボール発射筒を有する案内筒内にボール供給口からボールを供給し上記ボール発射筒後端の入力口に発射弁を介して予圧タンクを接続し、該発射弁を開放して上記入力口より筒内に高圧空気を噴射して上記ボールを案内筒先端部から発射し得るボール発射装置であって、
上記案内筒内に該筒に沿って前後に移動可能な前後端開放円筒形状の中空部材を設けると共に、該中空部材を前後に移動する支持筒駆動手段を設け、
上記ボール供給口の後方側において上記中空部材の外周と上記案内筒内周とを環状シール部により密閉し、上記中空部材は上記環状シール部により外周をシールされた状態で前後に移動可能とし、
上記支持筒駆動手段による上記中空部材の移動により上記ボール供給口から上記案内筒内に供給されたボールを上記中空部材により上記供給位置から前のボール発射位置に移動し得るように構成し、
かつ上記ボールが上記ボール発射位置に位置した状態において、ボール周囲に圧着する環状シール部を設け、該環状シール部により該ボール後方から上記入力口に連通する案内筒内空間が密閉空間となるように構成し、
上記予圧タンクにコンプレッサーから球速に対応する所定圧力の空気圧を1発射分毎に充填し得るように構成し、
上記1発射分の充填が終了した状態において、上記発射弁を開放することにより上記ボール発射筒後端より密閉された上記案内筒内空間内に瞬間的に1発射分の高圧空気を噴射し得るように構成し、
上記1発射分の高圧空気を上記中空部材内の空間を介して上記ボール後面側に瞬時に作用させることにより、ボールを発射するものであることを特徴とするボール発射装置。
【請求項2】
選択された球種に対応して球速及びボール案内筒の仰角が予め設定されたシーケンサーを設け、
上記シーケンサーの制御により、上記予圧タンクにコンプレッサーから上記選択された球種の球速に対応する所定圧力の空気圧を1発射分毎に充填し、かつ案内筒回動手段により上記選択された球種に対応する上記ボール案内筒の発射仰角が設定されるものであることを特徴とする請求項1記載のボール発射装置。
【請求項3】
上記ボール案内筒に、発射されたボールの方向性を安定させるボール誘導筒を設けたものであることを特徴とする請求項1又は2記載のボール発射装置。
【請求項4】
上記ボール案内筒に、ボールを発射させた高圧空気を大気に開放する開口部を有する空気圧開放筒を設けたものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のボール発射装置。
【請求項5】
上記ボール供給口の前方側において上記中空部材の前端外周面をシールする環状シールリングを設け、
上記環状シール部及び上記環状シールリングにより上記案内筒内空間を密閉状態としたものであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のボール発射装置。
【請求項6】
上記空気圧開放筒より前方のボール通路において、該通路内を通過するボール側面に高圧空気を噴射する空気導入孔を設け、該高圧空気によりボールに回転を与えるように構成したものであることを特徴とする請求項4に記載のボール発射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−66444(P2009−66444A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334000(P2008−334000)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【分割の表示】特願2003−70764(P2003−70764)の分割
【原出願日】平成15年3月14日(2003.3.14)
【出願人】(596017602)共和技研株式会社 (5)