説明

ポイント管理支援システム、ポイント管理支援方法、およびコンピュータプログラム

【課題】店舗独自のポイント制度を残しつつ、顧客が他店で得たポイントが使用できるようにする。
【解決手段】システム1に、店舗Aの第一ポイントを店舗Bの第二ポイントに交換する際の交換条件を記憶するデータベース1A1と、消費者が店舗Bで買い物をする際に自らの第一ポイントを第二ポイントに交換して使用したい場合に、それを何点の第二ポイントに交換できるのかを交換条件に基づいて算出する、交換ポイント算出部103と、その消費者の交換する分の第一ポイントの点数を、その消費者に与えられた未使用の第一ポイントの点数から減らす他店ポイント交換処理部104と、その消費者に対して、算出された点数の第一ポイントを与えるように指令する交換点数情報通知部105と、その消費者に対して与えた第一ポイントの点数分の金銭を店舗Bから店舗Aに補填する処理を行う代金補填処理部121と、を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品を購入しまたはサービスの提供を受けた消費者に対して与えられるポイントの管理の支援を行うシステムおよび方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、消費者に商品を販売しまたはサービスを提供する店舗において、消費者が支払った代金または料金の金額に応じて消費者に対してポイントを与えるポイントシステムが積極的に導入されるようになった。このポイントは、「サービスポイント」などと呼ばれることもある。消費者は、与えられたポイントの点数と引き換えに、景品を受け取ることができる。または、ポイントを現金のように利用して、そのポイントを発行した店舗で商品を購入したりサービスの提供を受けたりすることができる。
【0003】
また、顧客にとってより利便性の高いポイントシステムが幾つか提案されている。特許文献1に記載されるポイントカードシステムによると、新たにポイントカードを発行するのではなく、既に顧客が所有しているカードをそのままポイントカードとして使用する。よって、低コストで、かつ、より利用しやすいポイントカードシステムを実現できる。また、複数種類のカードにそれぞれ記録されている特定情報と、ポイントの残高とを対応付けることにより、所有しているカードのうちの1枚を携帯していれば、ポイントカードシステムを利用できる。特に、複数の財布を使い分けている顧客は、登録した複数のカードを各財布に1枚ずつ入れておけば、どの財布を携帯していてもポイントカードシステムを利用できる。
【0004】
特許文献2に記載されるシステムによると、異業種の複数の店舗または各種施設などにおいて顧客は1枚のポイントカードを共通的に利用することができる。
【特許文献1】特開2002−133526号公報
【特許文献2】特開2002−92739号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献2に記載されるポイントカードシステムは、既に独自のポイント制度を導入している店舗に適用する場合に次のような問題点がある。すなわち、既に顧客に発行したその店舗の独自のポイントを、そのポイントカードシステムで用いられる共通のポイントに置き換えなければならない。また、独自のポイント制度をそのまま使用したほうが、キャンペーン期間中にポイントを通常よりも多く発行したり、ポイントの有効期限を決めたりすることが容易である。つまり、特許文献2に記載されるポイントカードシステムを導入すると、他の店舗と協調しなければならないが、独自のポイント制度であれば、それが無用であり柔軟にポイント制度を運用することができる。
【0006】
しかし、その一方、多くの顧客は、どの店舗で発行されたかに関わらずポイントを自由に使用できれば便利である、と考えている。特許文献1、2に記載されるシステムでは、この要望に応えることはできない。
【0007】
本発明は、このような問題点に鑑み、店舗の独自のポイント制度を残しつつ、顧客が他の店舗から得たポイントが使用できるようにすることを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るポイント管理支援システムは、商品を購入しまたはサービスの提供を受けた消費者に対して与えたポイントに関する管理の支援を行うポイント管理支援システムであって、第一の事業者が消費者に対して与える第一の単位のポイントを第二の事業者が消費者に対して与える第二の単位のポイントに交換する際の交換条件を示す交換条件情報を記憶する交換条件情報記憶手段と、消費者が前記第二の事業者から商品を購入しまたはサービスの提供を受ける際に自らの前記第一の単位のポイントの全部または一部の点数を前記第二の単位のポイントに交換して使用する旨の申出を行った場合に、何点の前記第二の単位のポイントに交換することができるのかを前記交換条件情報に基づいて算出する、交換ポイント算出手段と、前記申出を行った消費者の交換する分の前記第一の単位のポイントの点数を、当該消費者に与えられた未使用の前記第一の単位のポイントの点数から消費させるための処理を行う、ポイント消費手段と、前記申出を行った消費者に対して、前記交換ポイント算出手段によって算出された点数の前記第一の単位のポイントを与えるための処理を行う、ポイント付与手段と、前記申出を行った消費者に対して与えた前記第一の単位のポイントの点数分の金銭が前記第二の事業者から前記第一の事業者に対して補填されるための処理を行う交換補填処理手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、店舗の独自のポイント制度を残しつつ、顧客が他の店舗から得たポイントが使用できるようにすることができる。請求項2、3に記載の発明によると、ポイント交換に応じた事業者は、自らの広告をWebページに掲載してもらえるので、新たな顧客を獲得するための拡販に繋げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1はポイント共用システムPKSの全体的な構成の例を示す図、図2はポイント管理支援システム1のハードウェア構成の例を示す図、図3はポイント管理支援システム1の機能的構成の例を示す図、図4は店舗ポイントシステム2の機能的構成の例を示す図である。
【0011】
図1に示すように、ポイント共用システムPKSは、ポイント管理支援システム1、複数の店舗ポイントシステム2、および通信回線3などによって構成される。ポイント管理支援システム1と各店舗ポイントシステム2とは、通信回線3を介して互いに接続されている。通信回線3として、インターネット、公衆回線、または専用線などが用いられる。
【0012】
ポイント管理支援システム1は、複数の店舗(例えば、本屋、スーパマーケット、カメラ量販店、家電量販店、ビデオレンタル店、旅行代理店、またはクリーニング店など)が顧客に対してそれぞれ独自に発行するポイントを、相互に使用できるように支援するための処理を行う。つまり、ポイント管理支援システム1によると、顧客は、ある店舗で与えられたポイントを金券または割引券のように使用して他の店舗で商品を購入しまたはサービスの提供を受けることができる。
【0013】
以下、このようなポイントの相互利用を支援するサービスを「ポイント相互利用支援サービス」と記載する。また、各店舗が発行する独自のポイントを「独自ポイント」と記載することがある。店舗は、他の店舗の独自ポイントを顧客が使用できるようにするためには、このポイント相互利用支援サービスに加入しなければならない。
【0014】
さらに、ポイント管理支援システム1は、最初から複数の店舗で共通に使用できるように定められたポイント制度に係るポイントの管理を支援するための処理を行う。以下、このような管理を支援するサービスを「共通ポイント支援サービス」と記載する。また、このポイント制度の下で用いられるポイントを「共通ポイント」と記載することがある。店舗は、この共通ポイント支援サービスに加入することによって、顧客に対して共通ポイントを発行したり顧客が共通ポイントを使用して買い物ができるようしたりすることができる。
【0015】
ポイント管理支援システム1は、例えば、IDC(Internet Data Center)を有する企業などに設置され運営される。以下、IDCを有する企業Xがポイント管理支援システム1を運営する場合を例に説明する。
【0016】
図2に示すように、ポイント管理支援システム1は、CPU10a、RAM10b、ROM10c、ハードディスク10d、および通信インタフェース10eなどによって構成される。
【0017】
ハードディスク10dには、ポイント相互利用支援サービスおよび共通ポイント支援サービスを、加入者である各店舗に提供するためのソフトウェアがインストールされている。すなわち、図3に示すポイント情報通知部101、ポイント情報取得部102、交換ポイント算出部103、他店ポイント交換処理部104、交換点数情報通知部105、代金補填処理部121、使用料金徴収処理部122、Web広告処理部131、共通ポイント交換処理部132、共通ポイント消費処理部141、交換レートデータベース1A1、蓄積共通ポイントデータベース1A2、および店舗データベース1A3などの機能を実現するためのプログラムおよびデータがインストールされている。これらのプログラムおよびデータは必要に応じてRAM10bにロードされ、CPU10aによってプログラムが実行される。
【0018】
なお、図1には、ポイント管理支援システム1を1台のサーバ機で実現する例を示しているが、複数台のサーバ機などに分散して実現する場合もある。
【0019】
店舗ポイントシステム2は、ポイント相互利用支援サービスまたは共通ポイント支援サービスに加入する店舗ごとに設置されている。店舗ポイントシステム2として、パーソナルコンピュータまたはワークステーションなどが用いられる。店舗ポイントシステム2には、図4に示す指令受付部201、交換ポイント問合せ部202、独自ポイント交換要求部203、蓄積ポイント通知部204、共通ポイント交換要求部205、独自ポイント消費処理部206、画面表示部207、共通ポイント使用要求部208、顧客データベース2A1、およびポイント規則データベース2A2などの機能を実現するためのプログラムおよびデータがインストールされている。
【0020】
店舗は、ポイント相互利用支援サービスまたは共通ポイント支援サービスに加入する際に新しいパーソナルコンピュータなどの機器を導入し店舗ポイントシステム2を構築してもよいし、既に独自ポイントの管理のために使用しているパーソナルコンピュータなどに図4に示す各機能のためのプログラムおよびデータをインストールすることによって店舗ポイントシステム2を構築してもよい。また、図1には、ポイント管理支援システム1の場合と同様に、店舗ポイントシステム2を1台のパーソナルコンピュータで実現する例を示しているが、複数台のパーソナルコンピュータなどに分散して実現する場合もある。
【0021】
次に、図3に示すポイント管理支援システム1の各部および図4に示す店舗ポイントシステム2の各部の処理内容などについて、店舗SH1〜SH6の6つの店舗がポイント相互利用支援サービスおよび共通ポイント支援サービスに加入している場合を例に、説明する。また、顧客からのポイントの交換に関する問合せに応対するための処理、ある店舗の独自ポイントを他の店舗の独自ポイントに交換して使用する場合の処理、および共通ポイントに関する処理に大別して説明する。
【0022】
〔顧客からのポイントの交換に関する問合せに応対するための処理〕
図5はポイント発行テーブルTPの例を示す図、図6は各独自ポイントおよび共通ポイントの価値の例を示す図、図7は顧客データベース2A1の例を示す図、図8は交換レートテーブルHTの例を示す図、図9は使用料金レートテーブルUTの例を示す図、図10は蓄積共通ポイントデータベース1A2の例を示す図、図11は店舗データベース1A3の例を示す図、図12は交換ポイント画面HG1の例を示す図である。
【0023】
店舗SH1〜SH6は、それぞれ、顧客に対して独自ポイントを発行(付与)している。何円分の買い物に対して何点のポイントを発行するかなどの、独自ポイントを発行する規則も、従来通り、店舗SH1〜SH6がそれぞれに定めている。例えば、店舗SH1においては、図5のポイント発行テーブルTPのように係る規則が定められている。各店舗の店舗ポイントシステム2のポイント規則データベース2A2には、それぞれの規則に基づくポイント発行テーブルTPが格納されている。
【0024】
さらに、店舗SH1〜SH6は、独自ポイント1点につき商品またはサービスの代金を何円割り引くのか、つまり、独自ポイント1点当たりの価値を、それぞれに定めている。また、企業Xは、共通ポイント1点当たりの価値を定めている。本実施形態では、共通ポイントおよび各店舗の独自ポイントの価値が図6のように定められているものとする。
【0025】
このように、本実施形態のポイント共用システムPKSにおいては、独自ポイントおよび共通ポイントの種類の数だけ、ポイントの単位が存在する。つまり、7種類のポイントの単位が存在する。以下、ポイント共用システムPKSで取り扱われるポイントの単位を「ポイント単位」と記載する。なお、複数の独自ポイントまたは共通ポイント同士の1点当たりの価値が偶然同じである場合もあるが、ポイント共用システムPKSにおいては、これらのポイント同士は互いに異なる単位(種類)のポイントとして取り扱われる。
【0026】
店舗SH1〜SH6のポイント規則データベース2A2には、上に述べた自店舗のポイント発行テーブルTPのほか、図6に示すポイント価値の情報のうち少なくとも自店舗に係るポイント価値の情報および共通ポイントに係るポイント価値の情報が格納されている。
【0027】
また、店舗SH1〜SH6は、従来通り、それぞれ、自店舗の顧客に対してポイントカードを発行している。このポイントカードには、それを識別するための番号(以下、「独自カード番号」と記載する。)が記録されている。また、企業Xは、共通ポイント用のポイントカードを加盟店の顧客に対して発行している。この共通ポイント用のポイントカードには、それを識別するための番号(以下、「共通カード番号」と記載する。)が記録されている。なお、1枚のカードを、店舗の発行するポイントカードとしても共通ポイント用のポイントカードとしても使用できるようにしてもよい。この場合は、1枚のカードに独自カード番号および共通カード番号の両方を記録しておけばよい。
【0028】
ポイントカードおよび共通ポイントカードとして、RFID(Radio Frequency Identification)を内蔵したカードを用いてもよいし、磁気ストライプ式のカードを用いてもよい。
【0029】
顧客は、店舗SH1〜SH6で商品を買いまたはサービスの提供を受けるごとに、その代金に応じた独自ポイントが、代金を支払った店舗から与えられる。例えば、店舗SH1で買い物をした場合は、店舗SH1の独自ポイントが与えられる。または、顧客は、独自ポイントの代わりに共通ポイントを与えてもらうこともできる。
【0030】
なお、店舗は、顧客から要望があった場合は、独自ポイントの代わりに、共通ポイント支援サービスの規則に従って共通ポイントを発行することができる。その際、店舗は、発行した共通ポイントに対応する金額を企業Xに納めなければならない。
【0031】
店舗SH1〜SH6の顧客データベース2A1には、それぞれ、自店舗がポイントカードを発行した顧客(つまり、自店舗の会員)に関する情報が格納されている。例えば、店舗SH1には、図7に示すように、発行したポイントカードごとに、独自カード番号、そのポイントカードの持ち主である顧客の氏名および住所、蓄積された未使用の独自ポイントの点数(残点数)、およびその蓄積された独自ポイントの有効期限などに関する情報が、顧客情報7Cとして格納されている。店舗SH2〜SH6の顧客データベース2A1にも、それぞれが顧客に発行したポイントカードごとに顧客情報7Cが格納されている。
【0032】
図3において、ポイント管理支援システム1の交換レートデータベース1A1は、ある店舗の独自ポイントを他の店舗の独自ポイントまたは共通ポイントに交換する際の条件に関する情報が格納されている。本実施形態では、係る交換条件として、図8に示すように、あるポイント単位の独自ポイントから他のポイント単位の独自ポイントまたは共通ポイントへの交換レート(交換率、変換率)を示す交換レートテーブルHTが格納されている。
【0033】
交換レートテーブルHTに示される交換レートは、企業Xによるポイント管理支援システム1の運営の費用に鑑み、図6に示されるポイント価値に基づいて算出される等価な交換レートよりも低く設定されている。
【0034】
例えば、店舗SH1の独自ポイントは「2円/1点」の価値を有するのに対して店舗SH2の独自ポイントは「20円/1点」の価値を有するので、店舗SH1の独自ポイントを店舗SH2の独自ポイントに交換する際の交換レートは、等価交換を行う場合であれば「2/20=0.1」となる。しかし、交換レートテーブルHTには、店舗SH1の独自ポイントから店舗SH2の独自ポイントへの交換レートとして、「0.08」が示されている。これは、上述の通り、ポイント管理支援システム1の運営の費用に鑑みて設定されている。つまり、企業Xは、店舗SH1の独自ポイントから店舗SH2の独自ポイントへのポイント交換を行った場合に、両者のレート差「0.1−0.08=0.02」分のポイントに相当する金額を、顧客から徴収することになる。以下、単に「交換レート」と記載するときは、交換レートテーブルHTに示される交換レートを指すものとする。等価交換の交換レートは、「等価交換レート」と記載する。
【0035】
また、一般に、店舗は、同業者である他の店舗(つまり、ライバル店)が発行した独自ポイントを自店舗で使用されることに抵抗がある。そこで、店舗SH1〜SH6は、ライバル店の独自ポイントから自店舗の独自ポイントへの交換レートを低めに設定することができる。反対に、他の特定の店舗の顧客の来店を促したい場合は、その特定の店舗の独自ポイントから自店舗の独自ポイントへの交換レートを高めに設定することができる。
【0036】
交換レートデータベース1A1には、交換レートテーブルHTのほか、使用料金レートテーブルUTが格納されている。この使用料金レートテーブルUTは、あるポイント単位のポイントを他のポイント単位のポイントに交換する際に、交換を求める顧客から徴収すべきポイント管理支援システム1の使用料金を算出するために用いられる。本実施形態では、顧客の交換前のポイントから使用料金として徴収すべきポイントのレートが、交換前後のポイント単位間ごとに定められており、使用料金レートテーブルUTは、図9に示すように、これらのレートを示している。このレートは、図8と図9とを比較して分かるように、等価交換レートと交換レートとの差にほぼ等しい。以下、このレートを「使用料金レート」と記載する。
【0037】
交換レートテーブルHTおよび使用料金レートテーブルUTの各値は、ポイント管理支援システム1の運営費および店舗SH1〜SH6からの要望などに応じて、企業Xの担当者によって設定される。また、交換レートテーブルHTおよび使用料金レートテーブルUTの内容は適宜変更することができる。
【0038】
図3の蓄積共通ポイントデータベース1A2は、顧客が店舗SH1〜SH6で買い物をするなどして獲得した、未使用の共通ポイントの点数を示す情報が格納されている。本実施形態では、図10に示すように、係る情報として、顧客ごとに、その顧客の未使用の共通ポイントの点数(残点数)、その共通ポイントの有効期限、およびその顧客の共通カード番号を示す共通ポイント蓄積情報7Dが格納されている。
【0039】
店舗データベース1A3には、図11に示すように、店舗SH1〜SH6ごとに、その店舗を識別する識別情報、その店舗が開設する広告用のWebページのURL(以下、「広告用ページURL」と記載する。)、および広告用のバナー画像のURL(以下、「バナーURL」と記載する。)などを示す店舗情報7Eが格納されている。
【0040】
図4において、店舗ポイントシステム2の指令受付部201は、その店舗ポイントシステム2が設置されている店舗の店員の指令を受け付ける。すなわち、店員は、店舗ポイントシステム2のキーボードまたはマウスなどの入力デバイスを操作して、顧客の要望に対応するための指令を入力する。指令受付部201は、係る指令を検知する。そして、その指令に係る処理が実行されるように店舗ポイントシステム2の各部を制御する。
【0041】
例えば、店舗SH2を訪れた顧客が、他の店舗である店舗SH1の独自ポイントを利用して店舗SH2で取り扱われる商品を購入することを所望したとする。そこで、自分の持っている店舗SH1の独自ポイントの点数は店舗SH2の独自ポイントの何点分に相当するのかを店員に尋ねたとする。つまり、自分の店舗SH1の独自ポイントを店舗SH2の独自ポイントに交換したとすれば何点になるのかを尋ねたとする。店員は、顧客の店舗SH1のポイントカードの独自カード番号(例えば、「A00003」)および所定のコマンドなどを自店の店舗ポイントシステム2に入力する。
【0042】
すると、その入力された内容が指令受付部201によって受け付けられ、ポイント管理支援システム1のポイント情報通知部101、ポイント情報取得部102、および交換ポイント算出部103、店舗SH1の蓄積ポイント通知部204、および店舗SH2の交換ポイント問合せ部202は、顧客からの質問に対する回答のための情報を取得するための処理を、次のように実行する。
【0043】
交換ポイント問合せ部202は、ポイント管理支援システム1に対して、店員が入力した交換前の独自ポイントのポイント単位、交換後の独自ポイントのポイント単位、および顧客のポイントカードの独自カード番号などを示す交換ポイント問合せ情報7Fを送信することによって、問合せの処理を行う。本例では、店舗SH2の交換ポイント問合せ部202は、顧客の交換前後の独自ポイントがそれぞれ店舗SH1、SH2の独自ポイントであることおよび独自カード番号が「A00003」であることを示す交換ポイント問合せ情報7Fを送信する。
【0044】
ポイント情報取得部102は、店舗ポイントシステム2からの交換ポイント問合せ情報7Fを受信すると、その交換ポイント問合せ情報7Fの内容に基づいて、顧客が持っている他の店舗の独自ポイントを問い合わせる。すなわち、本例では、店舗SH1の店舗ポイントシステム2に対して、「A00003」の独自カード番号を有するポイントカードに蓄積されている店舗SH1の独自ポイントを問い合わせる。なお、係る問合せは、その独自カード番号が示される蓄積ポイント問合せ情報7Gを店舗SH1に送信することによって行われる。
【0045】
店舗ポイントシステム2の蓄積ポイント通知部204は、ポイント管理支援システム1から蓄積ポイント問合せ情報7Gを受信すると、それに示される独自カード番号の顧客情報7Cをローカルの顧客データベース2A1(図7参照)の中から検索し、見つかった顧客情報7Cに示される「残点数」の値つまり問合せに係る顧客のポイントカードに蓄積されている独自ポイントの点数を示す蓄積ポイント回答情報7Hをポイント管理支援システム1に送信する。本例では、「A00003」の顧客情報7Cを検索し、「771点」を示す蓄積ポイント回答情報7Hをポイント管理支援システム1に送信する。
【0046】
ポイント管理支援システム1の交換ポイント算出部103は、送信されてきた蓄積ポイント回答情報7Hに示される独自ポイントの点数を、交換ポイント問合せ情報7Fに示される交換後のポイント単位の点数に交換(変換)したとすれば何点になるのかを、交換レートデータベース1A1の交換レートテーブルHT(図8参照)に基づいて算出する。本例では、771点の店舗SH1の独自ポイントを店舗SH2の独自ポイントに交換した場合の点数の問合せを受けているので、交換レートテーブルHTの中から店舗SH1の独自ポイントから店舗SH2の独自ポイントへの交換レート(0.08)を抽出し、その交換レートおよびその顧客の持っている点数(771点)を次の(1)式に代入することによって算出する。
Py=Rt×Px …… (1)
ただし、Pyは、変換(交換)後のポイント単位の点数である。Pxは、変換(交換)前のポイント単位の点数である。Rtは抽出した交換レートである。
【0047】
ポイント情報通知部101は、ポイント情報取得部102によって得られた交換前の独自ポイントに関する情報および交換ポイント算出部103によって算出された結果を、交換ポイント情報7Jとして問合せ元の店舗ポイントシステム2に送信(通知)する。本例では、交換前のポイント単位およびその点数である「店舗SH1の独自ポイント」および「771点」と交換後のポイント単位およびその点数である「店舗SH2の独自ポイント」および「61.68点」とを示す交換ポイント情報7Jを、店舗SH2の店舗ポイントシステム2に送信する。
【0048】
そして、店舗ポイントシステム2の交換ポイント問合せ部202は、ポイント管理支援システム1に対する問合せの結果を示す交換ポイント情報7Jを受信し、画面表示部207は、その交換ポイント情報7Jに基づいて交換ポイント画面HG1を表示する。本例では、店舗SH2の店舗ポイントシステム2には、図12に示すような交換ポイント画面HG1が表示される。そのほか、交換レートおよび等価交換レートを一緒に表示するようにしてもよい。独自ポイントの有効期限に関する情報を取得し前記の各情報と一緒に表示するようにしてもよい。
【0049】
または、複数またはすべての店舗の独自ポイントについて一度に問合せを行うようにしてもよい。この場合は、有効期限の順に並べ替えて表示してもよいし、交換レートのよいものの順に並べ替えて表示してもよい。
【0050】
なお、本例では、店舗SH1の独自ポイントの所定の点数を店舗SH2の独自ポイントに交換した場合に得られる点数を問い合わせる場合について説明したが、店舗SH2の独自ポイントを所定の点数だけ得るためには店舗SH2の独自ポイントが何点必要であるかを問い合わせることも可能である。この場合は、ポイント管理支援システム1の交換ポイント算出部103は、(1)式を用いてPxを求めればよい。
【0051】
ここで、店舗SH2の店員は、交換ポイント画面HG1を見ながら顧客からの質問に回答する。顧客は、それを聞いて、自分の持っている店舗SH1の独自ポイントを店舗SH2の独自ポイントに交換して店舗SH2の商品を購入しまたはサービスの提供を受けるためにそれを使用するかどうかを、決める。
【0052】
〔ある店舗の独自ポイントを他の店舗の独自ポイントに交換して使用する場合の処理〕
顧客は、店舗SH1の独自ポイントを店舗SH2の独自ポイントに交換して使用する場合は、何点分の店舗SH1を交換するのかを店舗SH2の店員に申し出る。店員は、店舗ポイントシステム2を操作して、今回交換される店舗SH1の独自ポイントのポイント単位および点数などの情報および交換の指令を入力する。
【0053】
すると、指令受付部201によってその内容が受け付けられる。そして、ポイント管理支援システム1の他店ポイント交換処理部104、交換点数情報通知部105、代金補填処理部121、使用料金徴収処理部122、およびWeb広告処理部131、申出を受けた店舗(つまり、ここでは店舗SH2)の店舗ポイントシステム2の独自ポイント交換要求部203、および使用される独自ポイントを発行した店舗(つまり、ここでは店舗SH1)の店舗ポイントシステム2の独自ポイント消費処理部206が、独自ポイントの交換のための処理を、次のように実行する。
【0054】
店舗ポイントシステム2の独自ポイント交換要求部203は、ポイント管理支援システム1に対して、交換対象の独自ポイントのポイント単位およびその点数および交換を申し出た顧客のカード番号などを示すポイント交換要求情報7Kを送信することによって、交換の処理を実行するように要求する。以下、店舗SH2の独自ポイント交換要求部203が、カード番号が「A00003」である顧客の店舗SH1の独自ポイント100点を店舗SH2の独自ポイントに交換すべき旨を示すポイント交換要求情報7Kを送信した場合を例に説明する。
【0055】
ポイント管理支援システム1の他店ポイント交換処理部104は、ポイント交換要求情報7Kを受信すると、ポイント交換要求情報7Kに基づいて次のような処理を行う。
【0056】
まず、そのポイント交換要求情報7Kに基づいて、交換対象の独自ポイントを顧客の持っている独自ポイントから減らすように、それを発行した店舗の店舗ポイントシステム2に対して指令する。ここでは、カード番号が「A00003」である顧客が持っている独自ポイントから100点分の独自ポイントを減らすように店舗SH1の店舗ポイントシステム2に対して指令する。この指令は、消費指令情報7Bを送信することによって行う。
【0057】
すると、その指令を受けた店舗ポイントシステム2の独自ポイント消費処理部206は、カード番号が「A00003」である顧客情報7Cを顧客データベース2A1(図7参照)から検索し、指令通りに、その顧客情報7Cの残点数から100点を減らす処理を行う。つまり、交換のために使用された独自ポイントを消費させる処理を行う。そして、処理が完了した旨を示す消費完了情報7Nをポイント管理支援システム1に送信(通知)する。
【0058】
その消費完了情報7Nを受信すると、他店ポイント交換処理部104は、前の(1)式に基づいて、交換対象である店舗SH1の独自ポイント100点が店舗SH2の独自ポイント何点分に交換できるかを算出する。ここでは、図8に示される交換レートの通り、「0.08×100点=8点」、つまり、店舗SH2の独自ポイント8点分に交換できると算出する。
【0059】
ポイント管理支援システム1の交換点数情報通知部105は、他店ポイント交換処理部104によって算出された点数を示す交換点数情報7Aを、要求元(ここでは店舗SH2)の店舗ポイントシステム2に送信(通知)する。この交換点数情報7Aは、次に説明するように、店舗SH2の独自ポイントを発行する発行指令の役割を果たす。
【0060】
この交換点数情報7Aを受けた店舗ポイントシステム2の画面表示部207は、顧客が所望した通りにポイントの交換が行われた旨のメッセージを含む画面を表示する。また、交換点数情報7Aが受信されたら、店舗SH2は、その交換点数情報7Aに示される点数(つまり、8点)だけ店舗SH2の独自ポイントをその顧客に対して発行する。顧客データベース2A1にその顧客の顧客情報7Cが格納されているのであれば、その顧客情報7Cの残点数に加算することによって独自ポイントを発行する。格納されていない場合は、金券を手渡すなどして発行すればよい。
【0061】
係る画面が表示されたら、店舗SH2の店員は、顧客が持っていた店舗SH1の独自ポイントが交換レートテーブルHTの交換レートで店舗SH2の独自ポイントに交換されたことを顧客に伝える。そして、顧客は、店舗SH2における従来通りの独自ポイントの規則に従って、交換された独自ポイントを使用して買い物をする。
【0062】
ところで、本例のように店舗SH2において使用された独自ポイントは、店舗SH2の独自ポイントに交換されているとはいえ、元々は、他の店舗である店舗SH1が発行したものである。したがって、店舗SH2にとっては、他の店舗の独自ポイントを店舗SH2の独自ポイントに交換されて使用されても、その使用分は儲けにならない。また、ポイント管理支援システム1を運営する企業Xにとっても、ポイント相互利用支援サービスの使用料金を徴収しなければ、運営費が賄えない。
【0063】
そこで、ポイント管理支援システム1の代金補填処理部121および使用料金徴収処理部122は、それぞれ、他の店舗の独自ポイントが自店舗の独自ポイントに交換され使用された店舗(本例では、店舗SH2)に対する今回のポイント交換分の現金を補填する処理および今回の一連の処理のためのポイント相互利用支援サービスの使用料金を徴収する処理を行う。
【0064】
具体的には、今回の交換対象であった店舗SH1の独自ポイントの点数に相当する金額が今回使用された独自ポイントによる割引分の現金およびポイント相互利用支援サービスの使用料金のために次のように分けられる。使用料金徴収処理部122は、ポイント交換要求情報7Kに示される今回の交換対象である店舗SH1の独自ポイントの点数のうちの、図9の使用料金レートテーブルUTに示される今回の独自ポイントの交換の方向(本例では、店舗SH1の独自ポイントから店舗SH2への交換)に対応する使用料金レート分の現金を店舗SH1から徴収するための処理を行う。つまり、店舗SH1の独自ポイント100点が店舗SH2の独自ポイントに交換されたのだから「0.40」の使用料金レートが適用され、40点分の金額つまり80円(図6参照)を徴収する。
【0065】
代金補填処理部121は、その残りの点数分つまり60点分の現金を店舗SH1から徴収するための処理を行う。なお、店舗SH1の独自ポイントの価値は、前に図6で説明した通り、予め決められている。また、現金を徴収する技術は、公知の電子マネーの技術などを用いればよい。
【0066】
以上の処理によって、店舗SH2において、顧客は、他の店舗の独自ポイントを店舗SH2の独自ポイントに交換し使用することができる。
【0067】
Web広告処理部131は、企業Xが運営するポータルサイトに、今回のポイント交換に応じた店舗のバナー広告を掲載するための処理を行う。上の例の場合は、店舗SH2のバナー広告を掲載するための処理を行う。店舗SH2のバナー広告の画像のURLおよびその画像のリンク先とするWebページのURLは、それぞれ、店舗データベース1A3に記憶されているその店舗SH2の店舗情報7Eに示されるバナーURLおよび広告用ページURLを参照すればよい。掲載する回数または期間は、交換したポイントの点数またはその価値が大きいほど多くなりまたは長くなるように決定してもよいし、交換した回数が多いほど多くなりまたは長くなるように決定してもよい。バナー広告を掲載する技術は、公知のものを用いればよい。
【0068】
そのポータルサイトにアクセスしたインターネットユーザは、バナー広告をクリックすることによって、店舗SH2の広告用のWebページに移動することができる。
【0069】
〔共通ポイントに関する処理〕
ポイント管理支援システム1の共通ポイント交換処理部132、共通ポイント消費処理部141、および店舗ポイントシステム2の共通ポイント交換要求部205は、独自ポイントを共通ポイントに交換するための処理を次のように行う。
【0070】
店舗の店員は、顧客からその店舗の独自ポイントを共通ポイントに交換したい旨の申出を受けると、交換する独自ポイントの点数、その顧客の共通カード番号、その顧客のその店舗のポイントカードの独自カード番号、および所定の指令をその店舗の店舗ポイントシステム2に入力する。以下、店舗SH2の独自ポイント50点を共通ポイントに交換したい旨の申出を受けた場合を例に説明する。
【0071】
すると、店舗SH2の共通ポイント交換要求部205は、店舗SH2の独自ポイント50点を共通ポイントに交換する旨およびその顧客の共通カード番号を示す共通ポイント交換情報7Lをポイント管理支援システム1に送信する。また、店舗SH2の顧客データベース2A1の中から、その顧客の独自カード番号に対応する顧客情報7Cを検索し、申出のあった点数すなわち50点をその顧客情報7Cの残点数から減らす。
【0072】
ポイント管理支援システム1の共通ポイント交換処理部132は、共通ポイント交換情報7Lを受信すると、それに示される店舗SH2の独自ポイント50点が何点分の共通ポイントに相当するのかを、交換レートテーブルHT(図8参照)に示される店舗SH2の独自ポイントから共通ポイントへの交換レートに基づいて算出する。これにより、「50点×1.60=80点」が算出される。そして、算出された共通ポイントの点数を、その共通ポイント交換情報7Lに示される共通カード番号に係る共通ポイント蓄積情報7D(図10参照)の残点数に加算する。
【0073】
さらに、共通ポイント交換処理部132は、加算した分の共通ポイントが店舗SH2から発行されたものとして取り扱われるように、所定の処理を行う。例えば、公知の電子マネーの技術を用いて、加算した分の共通ポイントに相当する金額を店舗SH2から徴収するための処理を行う。
【0074】
以上の処理によって、店舗SH2の独自ポイントから共通ポイントへの交換の処理が完了する。
【0075】
なお、店舗SH2を訪れた顧客は、店舗SH1の独自ポイントを店舗SH2の独自ポイントに交換する場合と同様に、共通ポイントに交換すれば何点になるのかを、店員に尋ねることができる。このとき、店員は、所定の操作を行い、ポイント管理支援システム1に対して問合せを行う。すると、ポイント管理支援システム1の交換ポイント算出部103は、交換レートテーブルHTに示される店舗SH2の独自ポイントから共通ポイントへの交換レートに基づいて、問合せに係る点数を算出し、これを回答する。
【0076】
また、顧客は、共通ポイントを使用して買い物をすることもできる。この場合は、買い物をする店舗の店舗ポイントシステム2の共通ポイント使用要求部208およびポイント管理支援システム1の共通ポイント消費処理部141は、次のような処理を行う。
【0077】
共通ポイント使用要求部208は、顧客が使用することを所望した共通ポイントの点数およびその顧客の共通カード番号を示す共通ポイント使用情報7Mをポイント管理支援システム1に送信する。
【0078】
共通ポイント消費処理部141は、受信した共通ポイント使用情報7Mに示される共通カード番号の共通ポイント蓄積情報7Dを蓄積共通ポイントデータベース1A2から検索し、その共通ポイント蓄積情報7Dに示される残点数から、その共通ポイント使用情報7Mに示される点数を減らす。これにより、共通ポイントが消費される。
【0079】
図13はポイント交換に関する問合せの処理の流れの例を説明するフローチャート、図14はある独自ポイントを他の独自ポイントに交換する際の処理の流れの例を説明するフローチャート、図15は独自ポイントを共通ポイントに交換する際の処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【0080】
次に、ポイント管理支援システム1および店舗ポイントシステム2の全体的な処理の流れを、フローチャートを参照して説明する。
【0081】
図13において、例えば、店舗SH2に訪れた顧客が、ある点数分の店舗SH1の独自ポイントを店舗SH2の独自ポイントに交換すると何点になるのかを店員に尋ねた場合は、店舗SH2の店舗ポイントシステム2は、顧客の尋ねた内容を示す交換ポイント問合せ情報7Fをポイント管理支援システム1に送信する(#201)。
【0082】
ポイント管理支援システム1は、その交換ポイント問合せ情報7Fを受信すると、(1)式および交換レートテーブルHT(図8参照)に基づいて、交換した場合の点数を算出し(#101)、その算出結果を示す交換ポイント情報7Jを、問合せ元の店舗ポイントシステム2に送信する(#102)。
【0083】
なお、顧客の所有する独自ポイントの全点数を交換対象とした場合について問合せがあった際には、ポイント管理支援システム1は、その独自ポイントを発行した店舗(つまり、店舗SH1)の店舗ポイントシステム2に対して、蓄積ポイント問合せ情報7Gを送信することによって、その顧客が有する点数を問い合わせる。そして、その店舗の店舗ポイントシステム2から得られた回答(蓄積ポイント回答情報7H)に基づいて、交換した場合の点数を算出する(#101)。
【0084】
問合せ元の店舗ポイントシステム2は、交換ポイント情報7Jを受信すると、その内容を表示する(#202)。店員は、それを見て、顧客に対する回答を行う。
【0085】
また、例えば、店舗SH2に訪れた顧客が、店舗SH2の独自ポイントを共通ポイントに交換すると何点になるのかを店員に尋ねた場合も、基本的に図13の通りに処理が実行される。すなわち、店舗SH2の店舗ポイントシステム2は、顧客の尋ねた内容を示す交換ポイント問合せ情報7Fをポイント管理支援システム1に送信する(#201)。
【0086】
ポイント管理支援システム1は、(1)式および交換レートテーブルHTに基づいて、交換した場合の点数を算出し(#101)、その算出結果を店舗SH2の店舗ポイントシステム2に送信する(#102)。
【0087】
店舗SH2の店舗ポイントシステム2は、算出結果を受信し表示する(#202)。店員は、それを見て、顧客に対する回答を行う。
【0088】
図14において、例えば、店舗SH2に訪れた顧客が、自分の持っている店舗SH1の独自ポイントを店舗SH2の独自ポイントに交換し使用することを店員に申し出た場合は、店舗SH2の店舗ポイントシステム2は、交換対象の独自ポイントの点数およびその顧客の店舗SH1のポイントカードのカード番号などを示すポイント交換要求情報7Kを店舗ポイントシステム2に送信することによって、交換のための処理を依頼する(#231)。
【0089】
ポイント管理支援システム1は、ポイント交換要求情報7Kを受信すると、交換対象である店舗SH1の独自ポイントの点数をその顧客の持っている未使用の独自ポイントの点数(残点数)から減らすように、店舗SH1の店舗ポイントシステム2に指令(依頼)する(#131)。
【0090】
すると、店舗SH1の店舗ポイントシステム2は、ポイント管理支援システム1からの指令通りに、その顧客の残点数から、今回の交換対象分の点数を減らす処理を行う(#241)。
【0091】
店舗SH1への指令の処理と並行してまたは前後して、ポイント管理支援システム1は、今回の交換によって店舗SH2の独自ポイントが何点になるのかを、(1)式および交換レートテーブルHTに基づいて算出する(#132)。
【0092】
ポイント管理支援システム1は、今回の交換対象分の点数を減らす処理の完了通知を店舗SH1の店舗ポイントシステム2から受信したら、ステップ#132の算出結果つまり今回の交換によって顧客が受け取れる店舗SH2の独自ポイントの点数を示す交換点数情報7Aを、店舗SH2の店舗ポイントシステム2に通知する(#133)。
【0093】
店舗SH2の店舗ポイントシステム2は、交換点数情報7Aを受信するとその内容を表示する(#232)。店舗SH2の店員は、それを見て、交換が完了したことを顧客に教える。そして、顧客は、得られた点数分の店舗SH2の独自ポイントを使用して、店舗SH2での買い物の代金の割引を受けることができる。
【0094】
さらに、ポイント管理支援システム1は、次のような処理を行う。今回交換されたポイントの使用によって店舗SH2が損をしないように、店舗SH2に対して儲けを補填する処理を行う(#134)。ポイント相互利用支援サービスの使用料を徴収するための処理を行う(#135)。ポイントの交換に応じた店舗SH2のバナー広告を企業Xのポータルサイトに掲載するための処理を行う(#136)。
【0095】
図15において、例えば、店舗SH2に訪れた顧客が、自分の持っている店舗SH2の独自ポイントを共通ポイントに交換したい旨を店員に申し出た場合は、店舗SH2の店舗ポイントシステム2は、ポイント管理支援システム1に対して、共通ポイント交換情報7Lを送信することによって交換の処理を行うように依頼するとともに(#251)、交換対象の独自ポイントの点数を、その顧客の残点数から減らしておく(#252)。
【0096】
ポイント管理支援システム1は、共通ポイント交換情報7Lを受信すると、交換対象の独自ポイントの点数が何点分の共通ポイントになるのかを算出する(#151)。そして、その顧客の共通ポイントの残点数に、算出された点数を加算する(#152)。
【0097】
本実施形態によると、店舗の独自のポイント制度を残しつつ、顧客が他の店舗から得たポイントが使用できるようにすることができる。つまり、店舗にとっての利便性および顧客にとっての利便性の両方を従来よりも高めることができる。
【0098】
また、ポイント交換に応じた事業者は、自らの広告をWebページに掲載してもらえるので、新たな顧客を獲得するための拡販に繋げることができる。
【0099】
ポイント管理支援システム1には、各店舗の独自ポイントを共通ポイントに交換するための手段が設けられている。これにより、顧客は、各店舗それぞれの独自ポイントを共通ポイントに交換し1つに束ねることができるので、ポイントの有効活用を図りポイント制度の恩恵にあずかる機会を増やすことができる。また、一般に、リピータ客は従来通り店舗の独自ポイントを希望し、いわゆる一見客は共通ポイントを希望することが多いが、本実施形態によると、これらの希望に簡単に対応することができる。
【0100】
本実施形態では、ある店舗の独自ポイントを他の店舗の独自ポイントに交換する際に、ポイント管理支援システム1のポイント相互利用支援サービスの使用料金を顧客から徴収したが、店舗から徴収するようにしてもよい。この場合は、いずれか一方の店舗から徴収するようにしてもよいし両方の店舗から徴収するようにしてもよい。使用料金は、交換した回数に応じて徴収してもよいし、交換した点数に応じて徴収してもよいし、月会費または年会費として一定の金額を徴収してもよい。
【0101】
または、ポイントの交換を申し出た顧客から使用料金を徴収する場合であっても、交換する点数に応じてではなく1回ごとに定額の使用料金を徴収するようにしてもよい。または、月会費または年会費として一定の金額を徴収してもよい。または、これらの徴収方法を組み合わせてもよい。
【0102】
店舗ポイントシステム2を適用することができる店舗の形態は様々である。例えば、同一の経営者が各地で直接経営しまたは経営ノウハウを提供するチェーン店にも適用することができる。このような店舗では、そのチェーン独自のポイント制度を採用していることが多いが、その場合は、そのポイント制度の下で発行されたポイントの単位を、本実施形態における1ポイント単位として取り扱えばよい。または、商店街や、百貨店、ショッピングセンタなどのような複数の店舗が出店する場所においても、その場所独自のポイント制度を採用していることが多いが、その場合もやはり、そのポイント制度の下で発行されたポイントを、本実施形態における1つのポイント単位として取り扱えばよい。
【0103】
または、クレジットカード会社、航空会社、またはインターネットショップなどの事業者も、ポイント共用システムPKSを利用することによって、他の事業者(店舗)の独自ポイントの交換に応じたり、共通ポイントを採用したりすることができる。
【0104】
代金補填処理部121および使用料金徴収処理部122による処理は、所定の期間分を所定の時に纏めて行うようにしてもよい。例えば、1ヶ月分を纏めて月末に行うようにしてもよい。
【0105】
ポイント共用システムPKSに参加する店舗以外の広告の掲載希望も受け付け、それによって得られた広告収入を、ポイント管理支援システム1の運営料金に充ててもよい。
【0106】
その他、ポイント共用システムPKS、ポイント管理支援システム1、店舗ポイントシステム2の全体または各部の構成、処理内容、処理順序、データベースの構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】ポイント共用システムの全体的な構成の例を示す図である。
【図2】ポイント管理支援システムのハードウェア構成の例を示す図である。
【図3】ポイント管理支援システムの機能的構成の例を示す図である。
【図4】店舗ポイントシステムの機能的構成の例を示す図である。
【図5】ポイント発行テーブルの例を示す図である。
【図6】各独自ポイントおよび共通ポイントの価値の例を示す図である。
【図7】顧客データベースの例を示す図である。
【図8】交換レートテーブルの例を示す図である。
【図9】使用料金レートテーブルの例を示す図である。
【図10】蓄積共通ポイントデータベースの例を示す図である。
【図11】店舗データベースの例を示す図である。
【図12】交換ポイント画面の例を示す図である。
【図13】ポイント交換に関する問合せの処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図14】ある独自ポイントを他の独自ポイントに交換する際の処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【図15】独自ポイントを共通ポイントに交換する際の処理の流れの例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0108】
PKS ポイント共用システム
1 ポイント管理支援システム
103 交換ポイント算出部(交換ポイント算出手段)
104 他店ポイント交換処理部(ポイント消費手段)
105 交換点数情報通知部(ポイント付与手段)
121 代金補填処理部(交換補填処理手段)
131 Web広告処理部(広告掲載処理手段)
1A1 交換レートデータベース(交換条件情報記憶手段)
HT 交換レートテーブル(交換条件情報)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を購入しまたはサービスの提供を受けた消費者に対して与えたポイントに関する管理の支援を行うポイント管理支援システムであって、
第一の事業者が消費者に対して与える第一の単位のポイントを第二の事業者が消費者に対して与える第二の単位のポイントに交換する際の交換条件を示す交換条件情報を記憶する交換条件情報記憶手段と、
消費者が前記第二の事業者から商品を購入しまたはサービスの提供を受ける際に自らの前記第一の単位のポイントの全部または一部の点数を前記第二の単位のポイントに交換して使用する旨の申出を行った場合に、何点の前記第二の単位のポイントに交換することができるのかを前記交換条件情報に基づいて算出する、交換ポイント算出手段と、
前記申出を行った消費者の交換する分の前記第一の単位のポイントの点数を、当該消費者に与えられた未使用の前記第一の単位のポイントの点数から消費させるための処理を行う、ポイント消費手段と、
前記申出を行った消費者に対して、前記交換ポイント算出手段によって算出された点数の前記第一の単位のポイントを与えるための処理を行う、ポイント付与手段と、
前記申出を行った消費者に対して与えた前記第一の単位のポイントの点数分の金銭が前記第二の事業者から前記第一の事業者に対して補填されるための処理を行う交換補填処理手段と、
を有することを特徴とするポイント管理支援システム。
【請求項2】
前記申出に応じて前記第一の単位のポイントを前記第二の単位のポイントに交換した場合に前記第二の事業者の広告をWebページに掲載するための処理を実行する広告掲載処理手段、を有する、
請求項1記載のポイント管理支援システム。
【請求項3】
前記広告掲載処理手段は、交換した前記第一の単位のポイントの点数の大きさに応じた期間だけ前記第二の事業者の広告をWebページに掲載する、
請求項2記載のポイント管理支援システム。
【請求項4】
商品を購入しまたはサービスの提供を受けた消費者に対して与えたポイントに関する管理の支援を行うポイント管理支援方法であって、
第一の事業者が消費者に対して与える第一の単位のポイントを第二の事業者が消費者に対して与える第二の単位のポイントに交換する際の交換条件を示す交換条件情報を交換条件情報記憶手段に記憶させておき、
消費者が前記第二の事業者から商品を購入しまたはサービスの提供を受ける際に自らの前記第一の単位のポイントの全部または一部の点数を前記第二の単位のポイントに交換して使用する旨の申出を行った場合に、何点の前記第二の単位のポイントに交換することができるのかを前記交換条件情報に基づいて算出し、
前記申出を行った消費者の交換する分の前記第一の単位のポイントの点数を、当該消費者に与えられた未使用の前記第一の単位のポイントの点数から消費させるための処理を行い、
前記申出を行った消費者に対して、前記交換ポイント算出手段によって算出された点数の前記第一の単位のポイントを与えるための処理を行い、
前記申出を行った消費者に対して、前記交換ポイント算出手段によって算出された点数の前記第一の単位のポイントを与えるための処理を行い、
前記申出を行った消費者に対して与えた前記第一の単位のポイントの点数分の金銭が前記第二の事業者から前記第一の事業者に対して補填されるための処理を行う、
ことを特徴とするポイント管理支援方法。
【請求項5】
商品を購入しまたはサービスの提供を受けた消費者に対して与えたポイントに関する管理の支援を行うコンピュータに用いられるコンピュータプログラムであって、
第一の事業者が消費者に対して与える第一の単位のポイントを第二の事業者が消費者に対して与える第二の単位のポイントに交換する際の交換条件を示す交換条件情報を交換条件情報記憶手段から呼び出す処理と、
前記第二の事業者から商品を購入しまたはサービスの提供を受ける際に自らの前記第一の単位のポイントの全部または一部の点数を前記第二の単位のポイントに交換して使用する旨の申出を行った消費者のために、何点の前記第二の単位のポイントに交換することができるのかを前記交換条件情報に基づいて算出する処理と、
前記申出を行った消費者の交換する分の前記第一の単位のポイントの点数を、当該消費者に与えられた未使用の前記第一の単位のポイントの点数から消費させるための処理と、
前記申出を行った消費者に対して、前記交換ポイント算出手段によって算出された点数の前記第一の単位のポイントを与えるための処理と、
前記申出を行った消費者に対して、前記交換ポイント算出手段によって算出された点数の前記第一の単位のポイントを与えるための処理と、
前記申出を行った消費者に対して与えた前記第一の単位のポイントの点数分の金銭が前記第二の事業者から前記第一の事業者に対して補填されるための処理と、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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