説明

ポケットを容器に貼り付けるための方法および装置

【課題】薄膜製飲料袋などの容器の上に、例えばポケットの中に包まれた飲料用ストローなどの物体を取り付けることに関するもので、物体を貼り付けるための方法及び装置を提供する。
【解決手段】接着テープ14に沿った方向に非接着ゾーンによって間隔をあけられた接着ゾーン12を組み込んでおり、この接着テープの助けによって、二つの隣接するポケット2の中心の間におけるセクションに非接触ゾーンが形成されるポケット・テープ1を製造することが可能である。この方法によってポケットは容器に貼り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜製飲料袋などの容器の上に、例えばポケットの中に包まれた飲料用ストローなどの物体を取り付けることに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、添付の図10に基づいて以下に説明するように、薄膜製の袋に飲料用ストローを貼り付けるための方法が知られている。飲料用ストロー11は、予め接合されてポケット・テープ1を形成している複数の薄膜製ポケット2の中に包装されている。ポケット・テープの上には、キャリア・テープ4(カバー・テープ又はライナとも呼ばれる)によって覆われた接着薄膜層がある。キャリア・テープ4は、接着位置が露出されるように偏向ローラ10において引き剥がされる。次いで、個々のストロー・ポケット2が、送り込まれてきたポケット・テープ1から切断ステージでナイフ5により一つづつ切り離される。ここで、ナイフは前後運動すること及び/又は回転することが可能である。適切な装置、例えば偏向プーリ9に設けられた真空開口部によって、ポケット2は偏向プーリ9の上に保持される。図10においてはレバーとして備えられている押圧装置7が、飲料用ストロー11を入れたポケット2を、飲料用ストローを取り付けるための装置を通って搬送される飲料袋3に対して押し付ける。この方式で、飲料袋3には、ポケット2の中に包装された飲料用ストロー11が、飲料袋をポケット2に貼り付けることによって固定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、迅速で誤りのない取付けのための更なる改善を提案して、特に取付け方法、並びにこの方法に対する改善及びこの方法によって製造される製品に対する改善を可能にする装置及び物品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、特許請求の範囲の各請求項に係る発明によって実現されうる。
【0005】
方法、装置、及び物品の有利な実施の形態は従属請求項に示されている。
【0006】
本発明による接着テープは、接着テープに沿った方向に非接着ゾーンによって間隔をあけられた接着ゾーンを組み込んでおり、この接着テープの助けによって、二つの隣接するポケットの中心の間におけるセクションに非接触ゾーンが形成される本発明によるポケット・テープを製造することが可能である。本発明によるこの形式のポケット・テープによって、本発明による方法を実施することが可能になり、この方法によってポケットは容器に貼り付けられ、この間、ポケットをポケット・テープから切り離すナイフは接着剤と接触することはない。したがって、刃の使用寿命を短くすることになる接着剤によるナイフのべたつきは防止される。
【0007】
本発明において、高い初期接着力を有する接着剤が使用されると有利である。本発明による接着テープ、本発明によるポケット・テープ、及び本発明における容器はすべて、この種の高い初期接着力を示すことができる軟らかい接着剤によって工程が実現できるという利点を有している。本発明における容器及び本発明によるポケット・テープ及び接着テープの実施の形態の接着剤のカバー(例えばポケット又はキャリア・テープ)は元の接着ゾーンを越えて突出しているので、接着剤を外側へ逃がすことなく接着剤のある一定の流れを受け入れることができる。
【0008】
本発明による接着テープによって、個々の接着位置をあらゆる物品に適用することが可能になる。これは、一つの接着ゾーンの接着剤がキャリア・テープとともに物品に付けられることから生ずるものである。キャリア・テープが覆っているので、押圧力を加えることが可能である。次いでキャリア・テープを容易に除去することができる。これは、キャリア・テープから接着剤が既に物品に移されており、このキャリア・テープを引き剥がして最後に貼り付けられた接着ゾーンからキャリア・テープを離すことができるということによって起る。キャリア・テープを引き離す際に、キャリア・テープを掴んで引き剥がすことは容易に可能であり、これはキャリア・テープが物品に接着しないセクションがあるからである。市販の両面接着テープでなじみのあるキャリア・テープを掴んで引き剥がすことのできる隅部をさがすという面倒な作業は不要である。キャリア・テープを除去した後に、接着剤は物品の上に残る。したがって本発明による接着テープを、両面接着テープとして、又は転写接着テープとしても実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明によるポケット・テープの概略図である。
【図2】本発明による接着ゾーンの実施の形態のさまざまな概略図である。
【図3】本発明による接着テープの概略図である。
【図4】本発明による方法を実施中の装置のさまざまな状態を示す概略図である。
【図5】容器の概略図である。
【図6】本発明による接着テープを製造するための本発明による装置の概略図である。
【図7】本発明によるポケット・テープを製造するための本発明による装置の概略図である。
【図8】本発明によるポケット・テープを製造するための本発明による装置の概略図である。
【図9】ポケット・テープを貼り付けるための本発明による装置の概略図である。
【図10】従来技術による装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明による装置、方法、及び物品の特に有利な実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
【0011】
図1にはポケット・テープ1が図示されている。ポケット・テープは薄膜材料から構成され、互いに平行に整列されたポケット2を示す。ポケット・テープ1の上のポケット2も長手方向に一列に配列することができよう。
【0012】
ポケット2の各々には、一つ又はそれ以上の飲料用ストロー11が入っている。飲料用ストローの代りに、例えばプラスチックで作られた、食事用器具類(スプーン、フォーク、ナイフ、箸、楊枝等)、攪拌具、アクセサリ部品、又は小さな景品をポケットの中に入れることもでき、これによりここで、一つ又はそれ以上のこの種の物品をもポケットに収容することができる。食料品の分野のためには、ポケット2は、ストロー11又はその他の物品の衛生的に清潔な包装がポケット2の中で可能であるという利点を有する。
【0013】
ポケット2は、図1において薄膜帯が引抜き面の前後に設けられることによって生じ、薄膜帯の間に飲料用ストロー11が位置する。引抜き面の前後の薄膜は区画13において共に溶着され、飲料用ストロー11を互いに分離する。更にまた区画13は、ポケット・テープ1の上の単一ポケット2が区画13において切り離されるとき、外の空気は飲料用ストロー11に接触することはできないので、ポケット2が切り離された後でも飲料用ストロー11は衛生的に清潔なままであるという機能を有する。
【0014】
接着ゾーン12はポケット・テープ1に沿って設けられる。接着ゾーン12はポケット・テープ1の長手方向に、即ち各ポケット2の中心に置かれる。しかしながら図1に示すように、接着ゾーン12の正確な位置からの僅かな偏位はポケット2に関してはあり得る。
【0015】
図1の中央に示すように、接着ゾーン12が中央ポケット2の左へ区画13まで延びることも本発明ではあり得る。
【0016】
図1に示すように、接着ゾーン12は各ポケット2のために設けられている。しかし、各ポケット2のために多くの接着ゾーン12を設けることもできる。また多くのキャリア・テープ4を設けることもできる。
【0017】
接着ゾーン12は、ポケット・テープ1に沿って主として周期的に繰り返されている。またポケット・テープ1におけるポケット2と区画13との形成も周期的に繰り返されている。理想的には、接着ゾーン12の周期性とポケット2の周期性とは同じである。
【0018】
飲料用ストロー11を包む材料は、どのような適当なプラスチックでもよく、又は紙、織物、金属箔、又は薄膜材料であってもよい。
【0019】
接着ゾーン12に塗られる接着剤はどのような適当な接着剤であってもよい。高い初期接着力を有する接着剤が有利である。よい接着力が生成されるようにある一定の流動性を示す接着剤を塗ることもできる。このような接着剤は軟質接着剤とも呼ばれる。適用可能な種類の接着剤の一例としては「ホットメルト」接着剤がある。
【0020】
図1における区画13は本発明によれば、ポケット・テープ1の主要部分が区画13からなるように、各飲料用ストロー11まで右方に延びることもできる。接着ゾーン12も一つの区画13から飲料用ストローを越えて隣接区画13まで延びることもできる。
【0021】
ポケット・テープ1を切って個別のポケット2にするためには、区画13が大きな場合が有利である。ポケット・テープ1から一つのポケット2を分離するための切断工程を行なうことができる大きな面積が生ずるからである。
【0022】
図2(a)〜(h)に、本発明による接着ゾーン12の実施の形態が図示されている。接着ゾーン12の可能な形は、正方形、矩形、円形、三角形、又はその他の規則的又は不規則な何らかの形状である。また接着ゾーン12を各々が上記の形状を有する多くの個別の接着ゾーンに分割することも可能である。こうして、接着ゾーン12を二つ、三つ、四つ、又はそれ以上の接着ゾーンに再分割することができる。
【0023】
図3に、本発明による接着テープ14の実施の形態が図示されている。この形式の接着テープ14を図1に示すようにポケット・テープ1の中に設けることができるのは有利である。接着ゾーン12はキャリア・テープ4の上に設けられる。さまざまな接着ゾーン12は互いに非接着ゾーンによって分離されている。図示された実施の形態では、非接着ゾーン15はキャリア・テープ4の上縁部から下縁部へ横断方向に延びている。キャリア・テープ4に沿った接着ゾーン12は互いに非接着ゾーン15によって離隔されている。非接着ゾーン15は、接着剤20を除去すること又は接着剤20を省略することによって形成することができる。本発明によればまた、接着剤を無効にすることによって、例えば照射によって、又は接着剤をある種の化学薬品、蒸気、ガス、ダストなどに当てることによって、非接着ゾーン15を形成することも可能である。また、接着剤20を層で覆って非接着ゾーン15を作り出すこともできる。
【0024】
キャリア・テープ4の上縁部及び下縁部の上には、キャリア・テープ4に沿って延びる非接着区域16が設けられている。したがって、キャリア・テープ4は接着ゾーン12の区域を越えてあらゆる方向に飛び出ており、これによって接着剤は外側に漏れることなしに少しは流れることができる。
【0025】
図3に示すように、接着ゾーン12と非接着ゾーン15とのサイズは必ず同一である必要はないが、ほぼ同様でなければならない。
【0026】
図4と図10に基づいて、容器の上にポケット2を貼り付けるための本発明による方法の実施の形態を説明する。本発明によるポケット・テープ1、例えば図1に示すポケット・テープ1は、飲料袋の上にポケットを貼り付けるために図10に示すように装置に通される。キャリア・テープ4は、偏向ローラ10において引き剥がされて搬送されることにより、除去される。図10に示すような偏向ローラ9の平面図は、図4(a)及び(b)に概略的に示されている。図4(a)及び(b)では、各事例において右側から送られるポケット・テープ1が偏向ローラ9に接して図示されている。ポケット・テープ1は連続配置されたポケット2から成り、ポケットの各々には1本の飲料用ストロー11が入っている。ポケット・テープ1の外側には接着ゾーン12が示されており、接着剤20はポケット・テープ1の上に位置している。図4(a)に示すようにナイフ5の前面に接着剤を有する接着ゾーン12がある時点では、切断工程は実施されない。図4(b)に示すようにナイフ5の前面に接着ゾーン12がない状態では、ポケット2が鋭利な前方刃縁によってポケット・テープ1から切り離されるようにナイフ5が偏向ローラ9の上に移動することができる。この方法ではナイフの切断移動は適当な制御装置によって、切断がポケットの中心間で発生するように制御される。切断がポケット・テープ1の区画13において起ることは有利である。制御装置は、ポケット2及び/又は接着ゾーン12の位置に応じて切断工程を行なうべき時点の情報を機械的、電気的、光学的、又はその他のある形で受け取る。図4に示すような偏向ローラ9を、図10に概略的に示すように偏向プーリとして形成することもできる。それから個々のポケットは偏向プーリ9のくぼみの中に置かれる。切断工程の制御を、偏向プーリ又は偏向ローラ9の回転位置によって起動又は制御することもできる。
【0027】
ナイフ5の左にあるポケット2はこのように全て個別に分けられて、例えば真空開口部やその他のクランプ装置などの適切な装置によって偏向ローラ9の上に保持されることができる。
【0028】
ナイフ5が接着ゾーン12の接着剤がない個所でポケット・テープ1からポケット2を分離するので、ナイフ5は接着ゾーン12の接着剤に接触することはない。したがって接着剤がナイフにべたつくことを完全になくすことができる。この種のべたつきは不利にナイフ5の使用寿命を短くする可能性又は作業に支障を来たす可能性がある。本発明による接着テープ14を有する本発明によるポケット・テープ1を使用する本発明による方法によって、ナイフの使用寿命、即ちナイフが問題なく切断作業を行なう時間を著しく長くすることができる。
【0029】
ポケット2が個別に分けられると、図10に図示するようにポケット2は押圧装置7によって飲料袋3に対して押し付けられる。
【0030】
ポケット2を容器3に貼り付けるための本発明による方法の更なる実施の形態は、例えば図6に示すように接着剤20をヘッドによってポケット・テープ1の上に塗布すること、及び次いで上述のようにポケット・テープ1からポケット2を切ってポケット2を貼り付けることから構成される。それからキャリア・テープ4を外すことができる。接着剤20が上に塗布されて次に接着剤が例えば押圧力を加えることによってポケット・テープに付けられるという、ローラ31を採用することもできる。ここではローラの表面は少なくとも部分的に接着性が少ないことが有利である。このために、ローラの表面を例えばシリコーン樹脂、テフロン(登録商標)、ゴム、又は接着防止層、例えば接着防止塗料でコーティングされたかこれを備えたものにすることができる。このローラは移送ローラとしての働きをする。
【0031】
接着剤は、非接着ゾーン15によって離隔された接着ゾーン12においてローラ31に直接塗布されることが有利であり、これらのゾーンはポケット・テープ2に移転される。接着ゾーン12はここではポケット・テープ1上のポケット2の上に位置するので、ポケット2は区画13においてポケット・テープ1から切り離されて、非接着ゾーン15の区画にすることができる。この方法によって、循環するキャリア・テープ4をいわばローラによって取り替えることができ、これによって信頼性を高めることができる。先に述べた実施の形態の方法又は各請求項に記載の実施の形態も、ここに説明する方法の有利な実施の形態である。
【0032】
本方法を実施するための装置を図9に示す。ヘッド17がローラ31の近くに配置されて、接着剤20を間欠的にローラ31に加えることができる。ローラ31を通過してポケット・テープ1を送ることができるので、接着剤20はローラ31からポケット・テープ1へ移される。更にまた、ローラ31の下流には、ポケット2を分離するために切断装置5が備えられている。ポケット2を押圧装置7によって容器3に貼り付けることができる。接着剤20がポケット・テープ1の上に位置付けられてポケット2のほぼ中心に位置する接着ゾーン12が形成されるように、ヘッド17を制御することができる。したがって、ポケット2を非接着ゾーン15の領域において区画13におけるポケット・テープ1から切り離すことができる。接着ゾーン12は非接着ゾーン15によって離隔されている。ヘッド17を制御するために、図7、8に示すように、また後で説明するように、制御装置21及び信号又はパルス・トランスデューサ23、24を備えることは有利である。また図8に示すように検査カメラ26を採用できることも有利である。
【0033】
本発明における容器を図5に拡大して示す。ここでは、例えば飲料器、流体容器、又はその他の包装物などの一例として、飲料袋を参照する。飲料袋3の上にはポケット2が位置し、この中にストロー11が入っている。更にまた、ポケットに対して横方向即ち両矢印22の方向に中央を延びる接着ゾーン12が示されている。ポケット2の長手方向に、接着ゾーン12をどの位置にも備えることができる。好ましい位置は、ポケットを上に貼り付けるべき容器に左右され得る。液体で満たされた薄膜袋では、下部区画の位置が好ましい。
【0034】
飲料用ストローの右方及び左方22に、ポケット・テープ1上のゾーン13の部分13’、13”を見ることができる。部分13’、13”は、ポケット・テープ1からポケット2を切り離すことによって生じたものである。
【0035】
図3に示すように非接着区画15がポケット・テープ1の接着テープ14とともに使用されたので、接着ゾーン12は両矢印22の方向にはポケット2の縁部には延びていない。この結果、及びポケット2はその長手方向においてキャリア・テープ4の幅よりも長いので、ポケット2は両矢印22、23が示す各方向において接着ゾーン12の先まで広く形成されている。非接着ゾーン15がなければ、接着ゾーン12は従来技術におけるように両矢印22の方向においてポケット2の縁部まで延びるはずである。
【0036】
ポケット2が方向22、23の各々において接着ゾーン12の先まで突き出ているので、僅かに流れることができる軟質の接着剤であってもポケット2と薄膜袋との間からはみ出させることなく使用することができる。したがって、実質的により高い粘着度即ちより高い初期接着力を達成できる接着剤を使用することができる。
【0037】
本発明による接着テープ14を製造するための本発明による装置を図6に示す。接着剤20をキャリア・テープ4に分配するためのヘッド17が設けられている。本発明による接着テープ14を製造するための本発明による装置はまた、キャリア・テープ4を送り出す装置も組み込んでいる。これは、例えば取り出しスプール装置にすることができる。更にまた、本発明による装置はヘッド17の下でキャリア・テープ4を移動させるための手段を含んでいる。これらの手段は図6には図示されていない。
【0038】
ローラ又はその他の偏向装置を通じて、キャリア・テープ4がヘッド17と接触しているという利点を得ることができる。この接触は極めて僅かである。
【0039】
更に、キャリア・テープ4がヘッド17から分離されて、接着剤がある一定の距離にわたって塗布される、例えば撒布されることも、本発明によって可能になる。
【0040】
本発明による接着テープ14を製造するための本発明による方法を図6に基づいて説明する。キャリア・テープ4を送り出すための図示されていない装置が、図6において左側から来るキャリア・テープ4を供給する。キャリア・テープ4は、例えばロールから繰り出すようにすることができる。
【0041】
キャリア・テープ4がヘッド17を通過する間、接着剤20がヘッド17によって断続的に出されて、キャリア・テープ4に塗布される。これによって接着ゾーン12と非接着ゾーン15が生成される。
【0042】
キャリア・テープ4上の接着ゾーン12に接着剤20を塗布した後に、こうして生成された接着テープ14は図6の右側に出て行く。次にこれを更に例えば本発明によるポケット・テープ1の製造において直接使用することができ、又は巻き取ることができる。本発明による接着テープ14が巻き取られる場合には、両面の接着性が弱いキャリア・テープ4を使用することが有利である。更にまた、本発明による巻き取られた接着テープ14を解くときに接着剤20が常にキャリア・テープ4の片面上の接着ゾーン12に残るように、片面が明らかにもう一方の面よりも弱い接着性を有することが有利である。
【0043】
本発明によって製造される本発明による接着テープ14を直ちに使用する場合には、キャリア・テープ4は片面のみが弱い接着性を有するだけで十分である。
【0044】
必要とされる弱い接着性は、例えばコーティングされたキャリア・テープ材料によって得ることができる。特に有利なものはシリコーン処理されたキャリア・テープ4である。更にテフロン(登録商標)又はその他の耐接着コーティング、例えば耐接着塗料を使用することもできる。また、完全に低接着材料から成るキャリア・テープを使用することもできる。
【0045】
本発明による接着テープ14の製造中に、マスタ・ロールから出て来るキャリア・テープ材料の上に互いに平行に隣接している多くのヘッド又は多くの接着剤塗布エレメントによって、接着剤を接着ゾーン12に塗布することが可能である。その後、キャリア・テープ材料は切り分けられて単一キャリア・テープ4になる。また、個々のキャリア・テープ4をマスタ・ロールから作り、それから接着ゾーン12において接着剤20をこれに備えることも本発明によって可能である。
【0046】
本発明によるポケット・テープ1を製造するための本発明による装置を図7に示す。同じか又は異なるサイズであってもよいローラ18、19が備えられて、これらの間を通るポケット・テープ1とキャリア・テープ4を受け入れ、これらを共に押圧する。更にまた、接着ゾーン12においてキャリア・テープ4に接着剤20を塗布するための、図6に示すものと同様な装置17が備えられている。本発明によるポケット・テープ1を製造するための本発明による装置は、ポケット・テープ1に沿った方向の中央において接着ゾーン12が主としてポケット2に合うように備えられる必要がある。特に、非接着ゾーン15が接着ゾーン12の間で区画13(図1を参照)に沿ったポケット2の部分に合い、その後にポケット2をポケット・テープ1から切り離すことができることが有利である。
【0047】
これは図7に概略的に示した装置によって達成されるが、ここでは制御装置21が備えられ、これは信号トランスデューサ24とヘッド17とに接続されている。信号トランスデューサ24はポケット2のある一定の位置を取ることができる。信号トランスデューサ24は機械的、電子的、光学的、又はある別の方式で備えることができる。飲料用ストロー11が中に入る溝付きホイールは、信号トランスデューサの配置に関する形成に有利になり得る。信号トランスデューサ24は制御装置21に、例えばポケット2又はポケット2における飲料用ストロー11の開始、中央、終了の信号を送る。次に制御装置21は接着剤20を塗布するためにヘッド17に信号を送る。したがって、接着ゾーン12と非接着ゾーン15とをポケット・テープ1の関連するポケット2に正確に合わせることが可能である。
【0048】
しかし本発明によれば、ヘッド17による接着剤20の塗布を一定の周期に同期させることが可能であり、これによってキャリア・テープ4又はポケット・テープ1の速度に応じて周期を作ることができる。
【0049】
接着ゾーン12当りの接着剤20の塗布量を予め設定することは有利である。なお、接着剤20をキャリア・テープ4とポケット・テープ1の両方に塗布することもできる。
【0050】
キャリア・テープ4とポケット・テープ1とを接合するために二つの偏向ローラ18、19を使用する代りに、キャリア・テープ4又はポケット・テープ1のいずれか一つを偏向させるためにただ一つのローラを使用することも可能であり、またローラを使用しないことも可能であり、それからポケット・テープ1とキャリア・テープ4とを一緒に送ることができ、圧縮点が設けられて、二つのテープ1、4はこの圧縮点を通って引っ張られる。
【0051】
本発明によるポケット・テープ1を製造するための本発明による装置の更に別の実施の形態は、ヘッド17はキャリア・テープ4に接着剤を塗布しないが、その代りに接着剤20がポケット・テープ1に塗布されるようにヘッド17が配置されていることから成り立つ。しかしながらキャリア・テープ4によって接着ゾーン12を覆うことは、上述の装置と同様に発生する。ここでもまた、ヘッド17による接着剤の塗布は単一ポケット又はポケット内容物の通過によって起動できるが、これは一定の周期に同期させることも可能で、これによって周期はキャリア・テープ又はポケット・テープ1の速度に依存する。
【0052】
図8もまた、本発明によるポケット・テープ1を製造するための本発明による装置を示す。キャリア・テープ4に接着剤20を移すためのヘッド17が設けられている。キャリア・テープ4は偏向ローラ28を通じて案内又は移送される。キャリア・テープ4を締め付けるための装置も備えることができる。装置はまた、ポケット・テープ1を案内するための一つ又はそれ以上の偏向ローラ27を組み込むこともできる。キャリア・テープ4とポケット・テープ1とを共に運んで接着剤によって共に貼り合わせるためのローラ18、19が備えられている。二つのテープはローラ18、19によって共に押圧される。
【0053】
更にまた、溝付きホイール25が備えられ、これによってポケット・テープ1の飲料用ストロー11を溝の中に受け入れることができる。したがって、飲料用ストロー11の送りが可能であり、隣接する飲料用ストロー間の距離及び/又は飲料用ストロー11又はポケット2が送られる速度又はサイクルを調節することができる。また、溝付きホイール25がパルス・トランスデューサとして機能し、これによって通過する飲料用ストロー11がパルスのきっかけになることも、代わりに又は追加として可能である。
【0054】
キャリア・テープを検査するための検査装置30がヘッド17の下流に備えられている。例えばキャリア・テープ4又は接着テープ14の存在及び/又は横位置を正しく検査するために、検査装置30を備えることができる。またこれは、例えばキャリア・テープ4上の接着ゾーン12のサイズ及び/又は質又は存在などの、接着テープ14の特性を検査することもできる。検査装置30をまた制御装置21に接続できることは有利であり、支障が見つかるとその支障に応じて、遮断や警報などの適当な処置を開始してクランプ装置上のローラを調節することができ、又は他のローラ又はヘッド17などに対する調節を行うことができる。
【0055】
更にまた、一つ又はそれ以上のパルス・トランスデューサ及びヘッド17に接続されている制御装置21が備えられている。制御装置21は、目標とされる接着剤20をヘッドがキャリア・テープ4の上に塗布するように、ヘッドを制御することができる。ポケット・テープ1を案内するための装置29が適当な位置に備えられている。
【0056】
パルス・トランスデューサ24はローラ18に備えられ、これは通過する飲料用ストローを検出するように形成されている。飲料用ストローを検出するために、パルス・トランスデューサ24は例えば光学的、機械的、電子的、又はある別の方式で備えることができる。これは制御装置21に接続されて、これらのパルスを伝えることができる。
【0057】
制御装置21に接続された検査カメラ26が備えられて、完成したポケット・テープ1の写真を撮る。写真から、適当な画像処理及び画像評価のソフトウェアを使用して制御装置21の中でさまざまなパラメータを決定することができる。これらのパラメータの中に非接着ゾーン15のサイズ、接着ゾーン12のサイズ、飲料用ストロー11に対する接着ゾーン12の正確な位置、及び接着ゾーン12間の正確な距離が含まれていることは有利である。
【0058】
検査カメラ26をモニタリングと制御の目的に使用することができる。例えば、検査カメラ26を使用して、操作中にポケット・テープ1上におけるポケット2に対する接着ゾーン12の相対位置を検査して、ヘッド17による接着剤の塗布を時間に関して再調整する、即ち前のレートと比較して速度低下又は速度上昇させることが可能である。
【0059】
図8の装置によって、ヘッド17が接着剤20をポケット・テープ1上の接着ゾーン12に塗布することもまた本発明によって可能である。
【0060】
次に、本発明によるポケット・テープ1を製造するための本発明による方法を説明する。両方法によって、キャリア・テープ4とポケット・テープ1が送られてくる。ポケット・テープ1を例えば収納コンテナから引っ張ることができ、又はローラから巻き取ることもできる。キャリア・テープ4も同様に例えばリールから繰り出すこともできる。両方法によって、キャリア・テープ4とポケット・テープ1はまた、適切な装置18、19によって互いに接触状態にされる。信号トランスデューサ23、24、25がポケット・テープ1のある一定の部分の通過を制御装置21に信号で知らせる。それから制御装置21は、ヘッド17が接着剤20を接着ゾーン12に移すようにヘッド17を制御する。本発明による一方の方法によって接着剤をキャリア・テープ4の上に出すことができ、本発明による他方の方法によって接着剤をポケット・テープ1の上に出すことができる。接着剤をポケット・テープ1に塗布する場合には、接着剤がポケット・テープ1に対して長手方向に主として各ポケット2の中央に塗布されるように、制御装置21を通じて塗布される。接着剤のないゾーン15は主として図1において番号13で示された区画に、即ちポケット2をポケット・テープ1から切り離すことができる区画にある。
【0061】
接着剤がヘッド17によってキャリア・テープ4の上に塗布された場合には、接着剤塗布は接着ゾーン12において起るので、キャリア・テープ4とポケット・テープ1が一緒になると、接着ゾーン12は主としてポケット・テープ1の長手方向に関連するポケット2に対して中央に位置する。非接着ゾーン15は主としてポケット・テープ1の区画13に位置する。接着ゾーン12における接着剤20の塗布のためのヘッド17の制御も、時限周期の設定によって起ることができ、これによって周期はキャリア・テープ4又はポケット・テープ1の速度に依存する。
【0062】
次に、こうして製造された本発明によるポケット・テープ1を上述のように検査カメラ26によって検査することができる。
【0063】
次に、こうして製造された本発明によるポケット・テープ1を巻き取るか、又は包装容器の中にゆるい状態で置くことができる。また、図4及び図10に図示するような装置によって直ちに使用することも可能である。この場合には、キャリア・テープ4を図10に示すように除去即ち偏向ローラ10によって引き剥がして、図7に示す装置の左へ送り出すこともでき、これによってキャリア・テープ4の閉じた回路を達成することができる。また、引き剥がされたキャリア・テープ4を巻き取って、これを本発明による接着テープ14又はポケット・テープ1を製造するために再度使用することも可能である。
【符号の説明】
【0064】
1…ポケット・テープ、2…ポケット、3…容器、4…キャリア・テープ、5…ナイフ、切断装置、6…切断工程、7…押圧装置、9…偏向ローラ、10…偏向ローラ、11…飲料用ストロー、12…接着ゾーン、13…区画、14…接着テープ、15…非接着ゾーン、16…非接着区域、17…ヘッド、18,19…偏向ローラ、20…接着剤、21…制御装置、22…両矢印、23…パルス・トランスデューサ、24…信号トランスデューサ(パルス・トランスデューサ)、25…溝付きホイール、26…検査カメラ、27,28…偏向ローラ、29…案内装置、30…検査装置、31…ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのポケット(2)を容器(3)の外側に貼り付けるための方法であって、
ポケット・テープ(1)上において、ポケット・テープ(1)に沿って非接着ゾーン(15)により互いに離隔された接着ゾーン(12)に接着剤(20)が設けられるステップと、
次に切断工程(6)によって、少なくとも一つのポケット(2)を前記ポケット・テープ(1)から切り離すステップと、
前記接着剤(20)によってポケット(2)を容器(3)に貼り付けるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
接着剤(20)がローラの非接着ゾーン(15)によって互いに離隔された接着ゾーン(12)に塗布され、ローラによってポケット・テープ(1)に塗布されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
接着ゾーン(12)及び非接着ゾーン(15)がポケット・テープ(1)のポケット(2)に関して所定の区画に設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
高い初期接着力を有する接着剤、好ましくはホットメルト接着剤(20)が使用されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
切断工程は、前後移動及び/又は回転する刃(5)及び/又はナイフ(5)によって行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
接着剤(20)を除去するか、接着剤を無効にするか、又は接着剤を覆うことによって、非接着ゾーン(15)が形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
切断工程がポケット内容物(11)の間で起ることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ポケット(2)は、いくつかの接着ゾーン(12)によって容器(3)に貼り付けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
貼付されたポケット・テープ(1)のポケット(2)の中に、飲料用ストロー(11)、及び/又は食事用器具類、及び/又は攪拌具、及び/又はアクセサリ部品、及び/又は小さな景品が入っていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ポケット・テープ(1)は、ポケット(2)に対して略中央であってポケット・テープ(1)の長手方向に設けられる接着ゾーン(12)とともに使用されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
容器(3)は、飲料容器(3)、液体用の容器(3)、又は包装物(3)であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも一つのポケット(2)を、容器(3)の外側に、貼り付けるための装置であって、
ポケット(2)をポケット・テープ(1)から切り離すための切断装置(5)と、
ポケット(2)を容器(3)に貼り付けるための押圧装置(7)と、を備え、
接着剤(20)をポケット・テープ(1)に塗布するための装置(17、31)であって、非接着ゾーン(15)によって離隔された接着ゾーン(12)において、ポケット・テープ(1)に対して接着剤(20)を塗布するための装置が設けられることを特徴とする装置。
【請求項13】
接着剤(20)を塗布するための装置は、ローラを含むことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
ポケットは、薄膜製のポケットであることを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
容器は、飲料袋であることを特徴とする請求項1から11及び14のうちいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
ポケットは、薄膜製のポケットであることを特徴とする請求項12又は13に記載の装置。
【請求項17】
容器は、飲料袋であることを特徴とする請求項12、13、または16に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−208697(P2010−208697A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114392(P2010−114392)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【分割の表示】特願2006−127639(P2006−127639)の分割
【原出願日】平成15年3月28日(2003.3.28)
【出願人】(503116361)ドイチェ ジジ−ヴェルケ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー ベトリープス コマンディトゲゼルシャフト (3)
【氏名又は名称原語表記】Deutsche SiSi−Werke GmbH & Co. Betriebs KG
【住所又は居所原語表記】Rudolf−Wild−Strasse 4−6, 69214 Eppelheim,  Bundesrepublik Deutschland
【出願人】(503116372)ピオフレクス クンストストフ イン フォルム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー オーフェネ ハンデルスゲゼルシャフト (3)
【氏名又は名称原語表記】PIOFLEX Kunststoff in Form GmbH & Co. OHG
【住所又は居所原語表記】Robert−Bosch−Strasse 2, 79211 Denzlingen,  Bundesrepublik Deutschland
【Fターム(参考)】