説明

ポジション追跡測定における磁気双極子不明確性の解決

【課題】ポジション追跡測定における磁気双極子の不明確性を解決すること。
【解決手段】ポジション追跡方法は、異なる第1の位置および第2の位置にそれぞれ配置された第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を用いて、第1の目標物および第2の目標物の近隣において各第1の磁界および第2の磁界を生成する工程を含む。第1の磁界および第2の磁界は、第1の目標物および第2の目標物とそれぞれ関連付けられた第1のポジションセンサおよび第2のポジションセンサを用いて、測定される。第2の目標物に対する第1の目標物の第1の潜在的相対座標および第2の潜在的相対座標は、第1の磁界および第2の磁界に応答して計算される。潜在的相対座標は、第2の目標物に対する第1の目標物の正確な相対座標を決定するために、処理される。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、本特許出願の譲受人に譲渡された、2005年2月22日出願の米国特許出願第11/063,094号の一部継続出願であり、同出願の開示内容を参照して本明細書に組み入れる。
【0002】
〔発明の分野〕
本発明は、概して磁気ポジション追跡システムに関し、特に、ポジション追跡測定における磁気双極子不明確性を解消する方法およびシステムに関する。
【0003】
〔発明の背景〕
医療処置に関連する目標物の座標の追跡分野において、多様な方法およびシステムが既知である。例えば、開示内容を参照により本明細書に組み入れる、米国特許第5,391,199号および米国特許第5,443,489号において、体内プローブの座標を、1つ以上の磁界トランスデューサ(field transducer)を用いて決定するシステムが記載されている。このようなシステムは、医療プローブ、例えば、カテーテルに関する位置情報(location information)の生成のために用いられる。コイルなどのセンサがプローブ中に配置され、外部から付加された磁界に応答して信号を生成する。これらの磁界は、相互に空間を空けて配置された既知の位置における外部基準フレームに固定された磁界トランスデューサ、例えば、ラジエータコイルによって生成される。これらのセンサ信号は、外部基準フレーム中のプローブの座標を決定するために処理される。
【0004】
磁気ポジション追跡に関するさらなる方法およびシステムが、例えば、PCT国際公開WO96/05768号、米国特許第6,690,963号、第6,239,724号、第6,618,612号および第6,332,089号、および米国特許出願公開第2002/0065455 A1号、同第2003/0120150 A1号および同第2004/0068178 A1号にさらに記載されている。同文献の全開示内容を参照して本明細書に組み入れる。これらの公開文献では、体内目標物、例えば、異なる医療処置において用いられる心臓カテーテル、整形外科用インプラントおよび医療ツールのポジションを追跡する方法およびシステムについて記載している。
【0005】
〔発明の概要〕
いくつかのポジション追跡システムでは、1つの目標物の別の目標物に対する相対座標の計算および提示を行う。例示的実施形態として、整形外科用インプラントに対する挿入/摘出ツールの相対座標を提示する整形外科的システムがある。このようなシステムにより、外科医は、このツールを用いて、周辺組織の損傷を最小にしつつ、インプラントに接近することができる。
【0006】
いくつかの場合において、例えば外部から付加された磁界が双極子界である場合、相対座標の計算が不明確であるため、正確な相対座標に対応し得る2つ以上の潜在的相対座標(potential relative coordinates)が発生する。
【0007】
本発明の実施形態は、2つの目標物間の相対座標を計算する際の不明確な位置計算を解消するための方法およびシステムを提供する。いくつかの実施形態において、異なる位置における第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を用いて、前記2つの目標物の近隣に第1の磁界および第2の磁界それぞれを生成する。それぞれ前記2つの目標物と関連付けられた2つのポジションセンサは、前記第1の磁界および第2の磁界を測定する。前記相対座標を明確に決定するために、前記磁界発生器のうち少なくとも1つに対する、前記ポジションセンサのうち1つのポジションに関する演繹的知識は、前記2つのポジションセンサによる磁界の相対的測定と組み合わせられる。
【0008】
開示された実施形態において、前記システムは、前記ポジションセンサによって行われた前記第1の磁界の測定に基づいた第1の可能相対座標群と、前記第2の磁界の測定に基づいた第2の潜在的相対座標群とを計算する。前記正確な相対座標は前記磁界発生器の位置に依存しないため、前記第1の群および前記第2の群の両方に現れない潜在的相対座標が無効化される。
【0009】
その後、前記システムは、前記磁界発生器のうち少なくとも1つおよび前記ポジションセンサのうち少なくとも1つに関連する演繹的ポジション情報を用いて、残りの相対座標の1つを除いた全座標を無効化して、前記2つの目標物間の正確な相対座標を生成する。いくつかの実施形態において、前記演繹的ポジション情報を提供する工程は、前記目標物のうち1つに対する前記磁界発生器の1つの方位を事前に固定する工程を含む。
【0010】
本明細書中以下に示す別の実施形態において、明確なポジション測定を、位置パッド内の既知のオフセットで固定された複数の磁界発生器を有する単一の位置パッドを用いて行うことができる。
【0011】
よって、本発明の実施形態に従って、以下の方法が提供される。ポジション追跡方法において、
異なる第1の位置および第2の位置にそれぞれ配置された第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を用いて、第1の目標物および第2の目標物の近隣に第1の磁界および第2の磁界それぞれを生成する工程と、
前記第1の目標物および第2の目標物とそれぞれ関連付けられた第1のポジションセンサおよび第2のポジションセンサを用いて、前記第1の磁界および第2の磁界を測定する工程と、
前記第1の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第1の潜在的相対座標と、前記第2の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第2の潜在的相対座標とを計算する工程と、
前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の正確な相対座標を決定するために、前記第1の潜在的相対座標および第2の潜在的相対座標を処理する工程であって、
前記第1の潜在的相対座標を前記第2の潜在的相対座標と比較する工程、ならびに、
前記第1の潜在的相対座標および第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つと、前記磁界発生器のうち少なくとも1つおよび前記ポジションセンサのうち少なくとも1つに関する演繹的ポジション情報とを比較する工程、
により、前記処理を行う工程と、
を含む、方法。
【0012】
開示された実施形態において、前記第1の目標物および第2の目標物のうち1つは、患者の身体に挿入されたインプラントを含み、前記第1の目標物および第2の目標物の他方はツールを含み、前記第1の潜在的相対座標および第2の潜在的相対座標を処理する工程は、前記インプラントに対するツールの相対ポジションを追跡する工程を含む。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記第1の潜在的相対座標および第2の潜在的相対座標を処理する工程は、前記第1の潜在的相対座標および第2の潜在的相対座標のうち1つであって前記第1の潜在的相対座標および第2の潜在的相対座標のうち他方中に現れない座標の相対座標値を無効化する工程を含む。さらにまたは代替的に、前記第1の潜在的相対座標および第2の潜在的相対座標を処理する工程は、前記相対座標値と前記演繹的ポジション情報との間の不一致に応答して、前記第1の潜在的相対座標および第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つの座標の相対座標値を無効化する工程を含む。
【0014】
開示された実施形態において、前記方法は、前記磁界のうち少なくとも1つが前記ポジションセンサのうち少なくとも1つに対して既知の方位を有するように前記磁界発生器のうち少なくとも1つを配置することにより、前記演繹的ポジション情報を提供する工程を含む。典型的には、前記磁界発生器のうち少なくとも1つを配置する工程は、前記磁界のうち少なくとも1つの方位を示す指標を、前記磁界発生器のうち少なくとも1つに印付けする工程を含む。
【0015】
別の実施形態において、前記方法は、前記第1の目標物からの第1の距離において軸に沿って前記第1の磁界発生器を配置することにより前記演繹的ポジション情報を提供する工程と、前記軸に沿って前記第1の距離と異なる前記第1の目標物からの第2の距離において前記第1の目標物の反対側に前記第2の磁界発生器を配置して、前記第1の目標物において測定された前記第1の磁界および第2の磁界が異なる大きさを有するようにする工程と、を含む。
【0016】
さらに別の実施形態において、前記第1の磁界発生器および第2の磁界発生器は、第1の軸および第2の軸をそれぞれ有し、前記方法は、前記第1の軸および第2の軸が平行となるように前記第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を互いに既知の距離で配置することにより、前記演繹的ポジション情報を提供する工程を含む。
【0017】
さらに別の実施形態において、前記方法は、前記第1の目標物および第2の目標物の位置座標の有効範囲を特定する可動範囲を画定することにより前記演繹的ポジション情報を提供する工程と、前記第1の潜在的相対座標および第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つが前記可動範囲から外れるように、前記第1の磁界発生器を前記第1の目標物および第2の目標物から十分な距離で配置する工程とを含む。
【0018】
典型的には、前記第1の磁界および第2の磁界は、双極子磁界および部分双極子磁界(semi-dipole magnetic fields)のうち少なくとも1つを含む。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、以下の方法が提供される。ポジション追跡方法において、
位置パッド中の共通軸に沿って互いからそれぞれ既知のオフセットで固定された同軸対の第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を用いて、目標物の近隣において第1の磁界および第2の磁界をそれぞれ生成する工程と、
前記目標物と関連付けられたポジションセンサを用いて前記第1の磁界および第2の磁界を測定する工程と、
前記測定された第1の磁界および第2の磁界および前記既知のオフセットに基づいて、前記位置パッドに対する前記目標物の明確なポジション座標を計算する工程と、
を含む、方法。
【0020】
いくつかの実施形態において、前記方法は、それぞれ異なる軸に沿って互いからそれぞれ既知のオフセットで固定された1つ以上のさらなる同軸対の磁界発生器を用いてさらなる磁界を生成する工程と、前記さらなる磁界を前記ポジションセンサによって測定する工程とを含み、前記明確なポジション座標を計算する工程は、前記測定されたさらなる磁界および前記各既知のオフセットに応答して前記座標を計算する工程を含む。
【0021】
典型的には、前記第1の磁界および第2の磁界を生成する工程は、それぞれ異なる第1および第2の周波数を有する第1および第2の駆動信号のそれぞれで前記第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を駆動する工程を含む。
【0022】
さらに、本発明の一実施形態によれば、以下が提供される。ポジション追跡システムにおいて、
異なる第1の位置および第2の位置にそれぞれ配置された第1の磁界発生器および第2の磁界発生器であって、第1の目標物および第2の目標物の近隣において各第1の磁界および第2の磁界を生成するように構成された第1の磁界発生器および第2の磁界発生器と、
前記第1の目標物および第2の目標物とそれぞれ関連付けられた第1のポジションセンサおよび第2のポジションセンサであって、前記第1の磁界および第2の磁界を測定するように構成された第1のポジションセンサおよび第2のポジションセンサと、
プロセッサであって、前記第1の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第1の潜在的相対座標を計算し、前記第2の磁界に応答して前記第1の目標物の前記第2の目標物に対する第2の潜在的相対座標を計算し、前記第1の潜在的相対座標を前記第2の潜在的相対座標と比較すること、ならびに前記第1の潜在的相対座標および第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つを、前記磁界発生器のうち少なくとも1つおよび前記ポジションセンサのうち少なくとも1つに関する演繹的ポジション情報と比較することにより前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の正確な相対座標を決定するために、前記第1の潜在的相対座標および第2の潜在的相対座標を処理するように構成された、プロセッサと、
を含む、システム。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、さらに以下が提供される。ポジション追跡システムにおいて、
共通軸に沿って互いから既知のオフセットで固定された同軸対の第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を含む位置パッドであって、前記第1の磁界発生器および第2の磁界発生器は、目標物の近隣に第1の磁界および第2の磁界をそれぞれ生成するように構成される、位置パッドと、
前記目標物と関連付けられたポジションセンサであって、前記第1の磁界および第2の磁界を測定するように構成されたポジションセンサと、
前記測定された第1の磁界および第2の磁界、および前記既知のオフセットに基づいて、前記位置パッドに対する前記目標物の明確なポジション座標を計算するように構成されたプロセッサと、
を含む、システム。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、さらに以下が提供される。ポジション追跡システムにおいて用いられるコンピュータソフトウェア製品であって、前記製品は、プログラム命令が保存されたコンピュータ可読媒体を含み、前記命令は、コンピュータによって読み取られると、前記コンピュータに、異なる第1の位置および第2の位置にそれぞれ配置された第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を制御させて、第1の目標物および第2の目標物の近隣に第1の磁界および第2の磁界をそれぞれ生成させて、前記第1の目標物および第2の目標物とそれぞれ関連付けられた第1のポジションセンサおよび第2のポジションセンサからの前記第1の磁界および第2の磁界の測定を受容させ、前記第1の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第1の潜在的相対座標を計算させ、前記第2の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第2の潜在的相対座標を計算させ、かつ、前記第1の潜在的相対座標を前記第2の潜在的相対座標と比較し、前記第1の潜在的相対座標および第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つと、前記磁界発生器のうち少なくとも1つおよび前記ポジションセンサのうち少なくとも1つに関する演繹的ポジション情報とを比較することにより、前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の正確な相対座標を決定するために、前記第1の潜在的相対座標および第2の潜在的相対座標を処理させる、製品。
【0025】
本発明は、以下のその実施形態の詳細な説明を図面と共に参照することにより、完全に理解される。
【0026】
〔実施形態の詳細な説明〕
〔システムの説明〕
典型的な磁気ベースのポジション感知システム、例えば、上述の参考文献中で引用されたシステムにおいて、外部で生成された磁界により、センサユニット中に配置された受信器、例えば、センサコイル中にポジション応答電流(position-responsive electrical currents)が誘発される。このようなシステムの医療的な適用において、前記センサユニットが、医療インプラント、プローブまたは別の医療ツール中にはめ込まれる。前記センサユニット内部のセンサ制御ユニットが、前記受信器から信号を取得し、ポジション情報を計算し、前記情報を外部システムに送信する。前記外部システムは、前記センサユニットから受信されたポジション情報に基づいて、前記センサユニットの位置(location)および方位(orientation)を計算する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態による外科手術において用いられる磁気ポジション追跡システム20を概略的に絵で表した図である。外科医22は、医療ツール24を用いて患者23に医療処置を行う。参照符号26Aおよび26Bで図示される、整形外科用インプラント26は、本例において前記患者の脚部30内に存在する手術部位において、前記患者の身体内に導入される。前記追跡システムは、前記処置、本例においては膝関節手術を実施する際に、インプラント26およびツール24のポジションを測定および提示することによって外科医をガイドする。前記システムは、前記手術部位を含む可動範囲全体にわたって位置座標および方位座標を測定する。
【0028】
詳細には、システム20は、インプラント26のうち1つ(または両方)に対するツール24の相対ポジション座標の計算および提示を行う。例えば、いくつかの実施形態において、ツール24は、インプラント26の骨部中への挿入および/または骨部外への摘出に用いられる挿入ツールを含む。前記インプラントに対するツール24の相対座標を提示することにより、前記ポジション追跡システムは、前記外科医が前記ツールを用いて前記インプラントに正確に接近する作業を支援し、これにより、周辺組織に発生する損傷を最小化する。
【0029】
さらにまたは代替的に、前記相対座標の計算および提示は、他の状況または適用、例えば、脊柱外科手術における脊柱茎スクリュー(spine pedicle screws)のナビゲーションおよび基準パッチ(reference patch)に相対するカテーテルのナビゲーションにおいて所望される場合がある。
【0030】
ツール24およびインプラント26の座標は、磁界発生器、例えば、位置パッド34を用いて測定される。位置パッド34は、患者の身体に取り付けるか、または、任意の適切な外部固定具を用いて配置することができる。図1の例において、参照符号34Aおよび34Bで図示された2つのパッドが、インプラント26Aおよび26B近隣の患者のふくらはぎ(calf)および大腿部上に配置される。信号生成器ユニット38は、位置パッド34を駆動する駆動信号を生成する。パッド34は典型的には、磁界生成コイルを含む。これらの磁界生成コイルは、前記駆動信号に応答して、前記可動範囲全体にわたり磁界を生成する。前記位置パッドは典型的にはケーブル44によってユニット38に接続されるが、無線接続も実現可能である。
【0031】
インプラント26およびツール24は、小型の無線センサユニットを含む。これらの無線センサユニットについて、本明細書中以下に詳述する。各センサユニットは、自身の近隣の磁界を感知するように設計されたポジションセンサを含む。位置パッド34によって生成された磁界は、ツール24およびインプラント26中にはめ込まれたセンサユニットのポジションセンサ中に電流を誘発する。これらの誘発された電流に応答して、各センサユニット中の制御回路および通信回路は、当該インプラントまたはツールの位置および方位を示すポジション信号を生成および送信する。無線センサユニットを多様な一時的マーカデバイス、例えば、骨部中に一時的に挿入され処置後に除去されるマーカデバイス中にはめ込むことも可能である。
【0032】
これらのポジション信号は、無線制御ユニット40によって受信される。この無線制御ユニット40は、コンピュータ41に接続される。コンピュータ41は、システム20のメインシステムコントローラとして機能する。いくつかの実施形態において、コンピュータ41は、受信された信号を処理し、インプラント26に対するツール24の相対ポジション(位置および方位)座標を、前記位置パッドに対するこれらインプラント26のポジションに関係なく計算する。これらの結果は典型的には、ディスプレイ42上で前記外科医に提示される。
【0033】
典型的には、コンピュータ41は、本明細書中に記載した機能を実行するためにソフトウェア中にプログラムされた汎用コンピュータを含む。前記ソフトウェアは、電子形態で例えばネットワークを介して前記コンピュータにダウンロードしてもよいし、あるいは、有形媒体、例えば、CD−ROMによって前記コンピュータ上に供給してもよい。コンピュータ41は、スタンドアロンユニットとしてインプリメントしてもよいし、あるいは、システム20の他のコンポーネントと一体化してもよい。
【0034】
図1に示すシステムは、整形外科的適用に関連する。この種のポジション追跡システムに関するさらなる詳細について、上述の米国特許出願第11/063,094号に記載がある。本発明の原理が実施可能な整形外科的適用のための別の類似のシステムについて、現在は2005年2月18日に米国特許出願第11/062,258号として出願されている、2004年3月5日出願の米国仮特許出願第60/550,924号に記載されている。これらの出願全ては本特許出願の譲受人に譲渡されており、これらの開示内容は参照することにより本明細書中に組み込むものとする。
【0035】
本明細書中以下に説明するように、前記ポジションセンサによって行われる磁界強さ測定によって、場合によっては不明確な位置計算が生じる場合がある。本明細書中以下に記載する方法およびシステムは、これらの不明確性を解消して、前記インプラントに対する前記ツールの真正な相対位置(true relative location)を提供する。
【0036】
図2は、本発明の一実施形態による位置パッド34を概略的に絵で表した図である。パッド34は、ベース50を含む。このベース50は、前記位置パッドを患者の身体に取り付けるために用いられる。前記位置パッドは、少なくとも1つの磁界生成コイル54を含む。この磁界生成コイル54は、ケーブル44を通じて送信された駆動信号に応答して、双極子磁界または部分双極子磁界(semi-dipole magnetic field)を生成する。いくつかの実施形態において、パッド34上に図示された矢印58は、前記位置パッドによって生成された磁界に対して既知の方向に整列される。矢印58は、以下に説明するように、測定不明確性の解消を支援する。
【0037】
図3は、本発明の一実施形態による、インプラント26およびツール24中に含まれるセンサユニット62を概略的に絵で表した図である。センサユニット62は、ポジションセンサ66を含む。このポジションセンサ66は典型的には、前記センサユニットの近隣で付加された磁界を感知する3つの磁界感知コイルを含む。いくつかの実施形態において、電力コイル70は、センサユニット62の電源として機能する。前記電力コイルは典型的には、外部駆動アンテナ(図1に示す無線制御ユニット40の一部であってもよい)からの誘導結合により、無線周波数(RF)エネルギーを受信する。あるいは、センサユニット62中のバッテリ(図示せず)または他の適切な手段により、電力を供給してもよい。通信コイル74を用いて、前記センサユニットからのポジション信号を無線制御ユニット40に送信する。あるいは、センサユニット62のコイルまたは電力コイル70のいずれかを用いてポジション信号の送信を行って、別個の通信コイルが必要になるのを回避してもよい。
【0038】
ポジションセンサ66ならびにコイル70および74は、センサ制御ユニット78に接続される。位置パッド34によって生成された磁界により、ポジションセンサ62中の磁界感知コイルにわたって、上述したように時変信号電圧(time-varying signal voltages)が誘発される。ユニット78は、前記信号電圧を受信し、これらの電圧に応答してポジション信号を生成する。ユニット78は、通信コイル74を駆動して、外部システム、典型的には無線制御ユニット40中の受信アンテナにポジション信号を送信する。図3は、例示的センサユニット構成を示す。上述したように、他の任意の適切な電気的構成および/または機械的構成を用いて、異なる医療インプラントおよび医療ツールに適合するようにセンサユニット62を実施してもよい。
【0039】
〔ポジション測定における不明確性〕
以下の記載において、位置パッド34中の磁界生成コイル54によって生成された磁界は実質的に双極子磁界であると仮定する。また、ポジションセンサ62は、(例えば、3本の相互に直交する軸に沿って方向付けられた3つの磁界感知コイルを用いることにより)磁界の3つの直交成分を測定すると仮定する。これらの仮定において、以下の3つの方程式を解くことにより、特定の位置パッドに対するセンサ62の位置座標を決定することができる。
【数1】

【数2】

【数3】

【0040】
上記方程式において、Bx、ByおよびBzはそれぞれ、磁界生成コイル54によって生成された双極子磁界のx軸成分、y軸成分およびz軸成分を示す。一般性を喪失することなく、前記磁気双極子は、x軸に沿って方向付けられると仮定する。座標x、yおよびzは、磁界生成コイルに対するポジションセンサの3つの位置座標を示す。
【0041】
システム20を操作する間、ツール24またはインプラント26のいずれかの中のポジションセンサ62は、Bx、ByおよびBzを測定する。いくつかの実施形態において、コンピュータ41は、上記方程式[1]〜[3]を解いて、パッド34に対するセンサ62のx位置座標、y位置座標およびz位置座標を導出する。前記双極子磁界の対称性により、上記方程式[1]〜[3]を解く{x、y、z}位置座標のいずれについても、{−x、−y、−z}によって与えられた位置座標も解となる。前記{−x、−y、−z}位置座標をミラー座標と呼ぶ。前記位置計算におけるこれらの不明確性は、システム20における不明確なポジション追跡測定および/または誤ったポジション追跡測定を導く可能性がある。
【0042】
図4は、本発明の一実施形態による不明確なポジション測定を図式的に示す略図である。図4は、単一の位置パッド34によって生成される磁界をそれぞれ測定する単一のツール24および単一のインプラント26のポジションセンサの真正位置座標およびミラー位置座標を示す。
【0043】
ツール24中のポジションセンサは、パッド34によって生成された磁界を測定する。この測定に基づいて、コンピュータ41は、上記方程式[1]〜[3]の2つの解を計算する。これらの解のうち1つはツール24の真正位置座標82に対応し、他方の解は前記ツールのミラー位置座標90に対応する。利用可能な測定情報を与えられると、コンピュータ41は、これら2つの解のうちどちらが前記ツールの正確な位置に対応するのかを決定する方法を持たなくなる。
【0044】
インプラント26中のポジションセンサは、パッド34によって生成された磁界も測定し、コンピュータ41は、この測定に基づいて方程式[1]〜[3]の2つの解を導出する。これら2つの解のうち1つは、インプラント26の真正位置座標86に対応する。他方の解は、前記インプラントのミラー位置座標94に対応する。ここでも、コンピュータ41は、これら2つの解のうちどちらが前記インプラントの正確な位置に対応するのかを決定する方法を持たなくなる。
【0045】
上述したように、コンピュータ41は、インプラント26に対するツール24の相対位置座標を計算および提示する。前記不明確な位置計算に起因して、コンピュータ41は、図4中にベクトルTT、MM、MTおよびTMで図示された、4つの潜在的相対位置座標を考えなくてはならなくなる。ベクトルTTは、前記インプラントの真正位置に対する、前記ツールの真正位置の相対位置を示す。ベクトルMMは、前記インプラントのミラー位置に対する、前記ツールのミラー位置の相対位置を示す。ベクトルTMは、前記インプラントのミラー位置に対する、前記ツールの真正位置の相対位置を示す。最後に、ベクトルMTは、前記インプラントの真正位置に対する、前記ツールのミラー位置の相対位置を示す。前記利用可能な情報に基づいて、コンピュータ41は、4つのベクトルのうちどれがインプラント26に対するツール24の正確な相対位置座標に対応するのかを決定する方法を持たなくなる。
【0046】
〔不明確性の解決方法〕
いくつかの実施形態において、不明確な位置計算を解決し、インプラント26に対するツール24の正確な相対位置座標を決定するために、システム20は、2つの位置パッド34と、前記位置パッドのうち少なくとも1つおよび前記ポジションセンサのうち少なくとも1つに関連する演繹的ポジション情報とを用いる。
【0047】
図5は、本発明の一実施形態による2つの位置パッド34に対する不明確なポジション測定を図式的に示す略図である。図5は、2つの位置パッド34Aおよび34B(それぞれパッド1およびパッド2として図示)に対する単一のツール24および単一のインプラント26の異なる真正座標およびミラー座標を示す。以下の表は、図5中に図示された6つの座標を示す。
【0048】
【表1】

【0049】
前記不明確な位置計算の結果、コンピュータ41は、インプラント26に対するツール24の8つの潜在的相対座標を考えなくてはならなくなる。これら8つの潜在的相対座標を以下の表に示す。
【0050】
【表2】

【0051】
パッド1の磁界を用いて、これらの相対座標のうち4つ(TT1、MM1、TM1およびMT1)を測定した。これらのベクトルを群1に属しているものとして呼ぶ。残りの4つのベクトル(TT1、MM1、TM1およびMT1)をパッド2の磁界を用いて測定し、群1に属するものとして呼ぶ。
【0052】
図6は、本発明の一実施形態による測定不明確性を解消する方法を概略的に示すフローチャートである。この方法は、測定工程120において、システム20が2つの位置パッド34を用いて磁界測定を行うことにより開始する。これらの磁界測定を用いて、コンピュータ41は、潜在的ベクトル計算工程122において、潜在的相対座標ベクトルを計算する。上記図5に記載の実施形態において、例えば、コンピュータ41は、TT1、TM1、MT1、MM1、TT2、TM2、MT2、およびMM2として図示される8つのベクトルを計算する。
【0053】
ここで、第1の不明確性解決工程124において、コンピュータ41は、両方の位置パッドによって同様に測定されなかった潜在的相対座標を無効化する。この機構の背後にある論法は、正確な相対座標値は、位置、または当該位置の測定に用いられる位置パッドの同一性に依存しないということである。よって、パッド1およびパッド2の磁界を用いて、正確な相対座標を同様に(すなわち、測定エラーに関連する受容可能な許容マージン内で)測定する必要がある。
【0054】
換言すれば、コンピュータ41は、群1および群2のどちらにも現れない全ベクトルを無効化または除外することができる。特定のベクトルが群1および群2のどちらにも現れない場合、当該ベクトルは、前記正確な相対座標に対応し得る(ただし、必ずしもそうではない)。従って、工程124において、コンピュータ41は、群1および群2中のベクトルを比較し、群1および群2のどちらにも表れるベクトルのみを考える。例えば、上記図5を検討すると、前記ベクトルのうち半分(すなわち、ベクトルTM1、ベクトルMT1、ベクトルTM2およびベクトルMT2)を無効化することができることが分かる。これらのベクトルはいずれも、反対側の群中に同様の対応物を持たない。
【0055】
しかし、前記TMベクトルおよびMTベクトルの無効化後にも、いくつかの不明確性が未解消のまま残っている。特に、群1中のベクトルTT1は群2中のベクトルTT2に類似し、群1中のベクトルMM1は群2中のベクトルMM2に類似する。残っている前記不明確性を解消するため、コンピュータ41は、第2の不明確性解決工程126において、前記位置パッドのうち少なくとも1つに対する、前記ポジションセンサのうち少なくとも1つに関連する演繹的ポジション情報を用いる。コンピュータ41は、前記演繹的ポジション情報と一致しない潜在的相対座標を無効化する。
【0056】
この演繹的情報を提供する1つの例示的方法では、前記インプラントのうちの1つに対する、前記位置パッドのうち1つの方位を事前に固定する。いくつかの実施形態において、外科医は、前記位置パッドのうち1つを取り付ける際に、このパッド上に付与された矢印58が前記インプラントのうち1つの方向を指すように、取り付ける。
【0057】
一般性を喪失することなく、前記パッドの矢印58はx軸の正方向に沿って指すものと仮定する。この情報を用いて、コンピュータ41は、負のx軸成分を有するあらゆるベクトルを無効化することができる。上記図5の例において、前記演繹的情報により、コンピュータ41は、負のx軸成分を有するベクトルMM1およびMM2を無効化することができ、インプラント26に対するツール24の正確な相対座標に実際に対応するベクトルTT1およびTT2を決定することができる。あるいは、少なくとも1つの位置パッドと少なくとも1つのポジションセンサとの間の既知の方位を定めるために、他の任意の適切な方法を用いて、位置パッド34は、印付けされ、かつ/または取り付けられてもよい。ポジションセンサおよび位置パッドに関連する他の種類のポジション情報を用いてもよい。
【0058】
よって、前記2つの不明確性解決工程124および126の後、コンピュータ41は、前記潜在的相対ベクトルのうち1つを除く全てを無効化する。残りのベクトルは、インプラント26に対するツール24の正確な相対座標に対応する。
【0059】
別の実施形態において、さらなる技術を用いて、演繹的ポジション情報を利用し、双極子測定の不明確性を解消することができる。例えば、特定の軸に沿ってインプラントから異なる距離にかつ前記軸の両側に2つの位置パッドを配置することにより、前記不明確性を解消することができる。前記インプラントにおいて感知された磁界の絶対的大きさは、より遠方の位置パッドよりも、より近くの位置パッドの方が大きくなる。前記2つの位置パッドによって生成された磁界強さの大きさを比較することにより、前記不明確性を解消することができる。この場合、当該演繹的ポジション情報は、問題の軸に沿ったインプラントと2つの位置パッドとの間の距離の既知の差を含む。この技術を一般化して、2次元または3次元における測定不明確性を除去することができる。
【0060】
さらに別の実施形態において、位置パッド34のうち1つの中の磁界生成コイル54からの既知の距離において、さらなる磁界生成コイルを配置することができる。前記さらなる磁界生成コイルを配置する際、その軸が前記位置パッドのコイル54の軸に平行となるように、配置する。その後、インプラント26に対するツール24の相対座標を、前記磁界生成コイルそれぞれを用いて、不明確性無しに測定する。この場合、当該演繹的ポジション情報は、前記2つのコイルの既知の相対位置を含む。
【0061】
別の実施形態において、位置パッド34のうち1つを前記可動範囲からさらに離して配置して、不明確な位置座標が事前に規定された可動範囲から外れるようにする。測定された座標を前記可動範囲内に収まる値に限定すると、真正座標とミラー座標とを区別することが可能になる。この場合、当該演繹的ポジション情報は、前記遠方の位置パッドに対する可動範囲の既知の境界を含む。
【0062】
〔単一の位置パッドを用いた不明確性の解決〕
別の実施形態において、複数の磁界生成コイルを有する単一の位置パッドを用いて双極子磁界の不明確性を解消することができる。
【0063】
図7Aは、本発明の一実施形態による位置パッド130を概略的に絵で表した図である。位置パッド130は、6つの磁界生成コイル134A〜134Fを含む。これらの磁界生成コイルは、コイルの3つの対として構成され、各コイル対は、残り2つの対に直交する平面において方向付けられる。換言すれば、2つのコイルはX−Y平面内に方向付けられ、2つのコイルはX−Z平面内に方向付けられ、2つのコイルはY−Z平面内に方向付けられる。これらのコイルは、前記位置パッドの中心から既知のオフセットで配置される。
【0064】
図7Bは、本発明の一実施形態による、位置パッド130を用いて測定の不明確性を解消する方法を図式的に示す略図である。図7Bは、パッド130のコイル134A〜134Fを示す。一般性を喪失することなく、前記座標システムの原点を前記位置パッドの中心となるように選択する。前記原点からのコイル134A〜134Fのオフセットをそれぞれ−Δx、Δx、−Δy、Δy、−ΔzおよびΔzとして示す。
【0065】
本例において、パッド130は、全オフセットが互いに等しくかつ約1cmであるように構成されている。しかし、他の任意の適切な構成を用いてもよい。さらにまたは代替的に、非直交のコイル構成を用いてもよい。前記例示的なパッド130の構成は6個の磁界生成コイルを含むが、既知の相互オフセットを有する2つ以上のコイルの他の任意の適切な構成を用いてもよい。
【0066】
図中に示すセンサユニット62は、インプラント26、ツール24または他の任意の適切な追跡目標物中にはめ込むことができる。典型的には、センサユニット62のポジション座標を、コイル134A〜134Fそれぞれに対して測定する。前記原点に対するこれらの6つの測定値および前記コイルのオフセットの既知の値を用いて、センサユニット62の真正ポジション(位置および方位)座標を不明確性無しに決定することができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、これらのコイルを異なる周波数を有する各駆動信号によって駆動し、生成された磁界の異なる周波数を用いて、前記ポジション測定を適切なコイルと関連付けることができる。あるいは、これらのコイルを時分割多重化(TDM)スキームによって一つずつ駆動してもよい。センサユニット62によって生成されたポジション信号を前記TDMタイミングと同期させることにより、各ポジション測定を適切な磁界生成コイルと関連付けることができる。
【0068】
本明細書中に説明した方法は単一の相対座標の計算について説明したが、この方法を用いて、目標物、例えば、インプラント、医療器具およびツールと関連付けられた任意数のポジションセンサ間の相対座標を計算することできる。
【0069】
よって、上述した実施形態は例示目的のために引用したものであり、また、本発明は、本明細書中上記にて特定に図示および記載したものに限定されないことが理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書中上述した多様な特徴の組合せおよびサブコンビネーションの両方や、当業者が上記記載を読んだ場合に想起するその変更および改変ならびに従来技術において開示されていない変更および改変を含む。
【0070】
〔実施の態様〕
(1) ポジション追跡の方法において、
異なる第1の位置および第2の位置にそれぞれ配置された第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を用いて、第1の目標物および第2の目標物の近隣に第1の磁界および第2の磁界それぞれを生成する工程と、
前記第1の目標物および第2の目標物とそれぞれ関連付けられた第1のポジションセンサおよび第2のポジションセンサを用いて、前記第1の磁界および前記第2の磁界を測定する工程と、
前記第1の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第1の潜在的相対座標を計算し、前記第2の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第2の潜在的相対座標を計算する工程と、
前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の正確な相対座標を決定するために、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標を処理する工程であって、
前記第1の潜在的相対座標を前記第2の潜在的相対座標と比較する工程、ならびに、
前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つを、前記磁界発生器のうち少なくとも1つおよび前記ポジションセンサのうち少なくとも1つに関する演繹的ポジション情報と比較する工程、
により、前記処理を行う工程と、
を含む、方法。
(2) 実施態様1に記載の方法において、
前記第1の目標物および前記第2の目標物のうち一方は、患者の身体に挿入されたインプラントを含み、
前記第1の目標物および前記第2の目標物のうち他方は、ツールを含み、
前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標を処理する前記工程は、前記インプラントに対する前記ツールの相対ポジションを追跡する工程を含む、方法。
(3) 実施態様1に記載の方法において、
前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標を処理する前記工程は、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうちの一方の相対座標値であって、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち他方中に現れない相対座標値、を無効化する工程を含む、方法。
(4) 実施態様1に記載の方法において、
前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標を処理する前記工程は、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つにおける相対座標値と前記演繹的ポジション情報との間の不一致に応答して、前記相対座標値を無効化する工程を含む、方法。
(5) 実施態様1に記載の方法において、
前記磁界のうち少なくとも1つが前記ポジションセンサのうち少なくとも1つに対して既知の方位を有するように前記磁界発生器のうち前記少なくとも1つを配置することにより、前記演繹的ポジション情報を提供する工程、
を含む、
方法。
(6) 実施態様5に記載の方法において、
前記磁界発生器のうち前記少なくとも1つを配置する前記工程は、前記磁界のうち前記少なくとも1つの方位を示す指標を、前記磁界発生器のうち前記少なくとも1つに印付けする工程を含む、方法。
(7) 実施態様1に記載の方法において、
前記第1の目標物からの第1の距離において軸に沿って前記第1の磁界発生器を配置することにより前記演繹的ポジション情報を提供する工程と、
前記軸に沿って前記第1の距離と異なる前記第1の目標物からの第2の距離において前記第1の目標物の反対側に前記第2の磁界発生器を配置して、前記第1の目標物において測定された前記第1の磁界および前記第2の磁界が異なる大きさを有するようにする工程と、
を含む、
方法。
(8) 実施態様1に記載の方法において、
前記第1の磁界発生器および前記第2の磁界発生器は、第1の軸および第2の軸をそれぞれ有し、
前記方法は、
前記第1の軸および前記第2の軸が平行となるように前記第1の磁界発生器および前記第2の磁界発生器を互いから既知の距離で配置することにより、前記演繹的ポジション情報を提供する工程、
を含む、方法。
(9) 実施態様1に記載の方法において、
前記第1の目標物および前記第2の目標物の位置座標の有効範囲を特定する可動範囲を画定することにより前記演繹的ポジション情報を提供する工程と、
前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つが前記可動範囲から外れるように、前記第1の目標物および前記第2の目標物から十分な距離で前記第1の磁界発生器を配置する工程と、
を含む、方法。
(10) 実施態様1に記載の方法において、
前記第1の磁界および前記第2の磁界は、双極子磁界および部分双極子磁界のうち少なくとも1つを含む、方法。
【0071】
(11) ポジション追跡のための方法において、
位置パッド中の共通軸に沿って互いからそれぞれ既知のオフセットで固定された、同軸対の第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を用いて、目標物の近隣において第1の磁界および第2の磁界をそれぞれ生成する工程と、
前記目標物と関連付けられたポジションセンサを用いて前記第1の磁界および前記第2の磁界を測定する工程と、
測定された前記第1の磁界および前記第2の磁界、ならびに前記既知のオフセットに基づいて、前記位置パッドに対する前記目標物の明確なポジション座標を計算する工程と、
を含む、方法。
(12) 実施態様11に記載の方法において、
それぞれの異なる軸に沿って互いからそれぞれ既知のオフセットで固定された、1つ以上の追加的な同軸対の磁界発生器を用いて、追加的な磁界を生成する工程と、
前記追加的な磁界を前記ポジションセンサによって測定する工程と、
を含み、
前記明確なポジション座標を計算する前記工程は、測定された前記追加的な磁界および前記それぞれの既知のオフセットに応答して前記座標を計算する工程を含む、方法。
(13) 実施態様11に記載の方法において、
前記第1の磁界および前記第2の磁界を生成する前記工程は、それぞれ異なる第1の周波数および第2の周波数を有する第1の駆動信号および第2の駆動信号のそれぞれで前記第1の磁界発生器および前記第2の磁界発生器を駆動する工程を含む、方法。
(14) ポジション追跡システムにおいて、
異なる第1の位置および第2の位置にそれぞれ配置された第1の磁界発生器、および第2の磁界発生器であって、第1の目標物および第2の目標物の近隣において第1の磁界および第2の磁界それぞれを生成するように構成された、第1の磁界発生器、および第2の磁界発生器と、
前記第1の目標物および前記第2の目標物とそれぞれ関連付けられた第1のポジションセンサ、および第2のポジションセンサであって、前記第1の磁界および前記第2の磁界を測定するように構成された、第1のポジションセンサ、および第2のポジションセンサと、
プロセッサであって、前記第1の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第1の潜在的相対座標を計算し、前記第2の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第2の潜在的相対座標を計算し、前記第1の潜在的相対座標を前記第2の潜在的相対座標と比較すること、ならびに前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つを、前記磁界発生器のうち少なくとも1つおよび前記ポジションセンサのうち少なくとも1つに関する演繹的ポジション情報と比較することにより、前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の正確な相対座標を決定するために、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標を処理するように構成された、プロセッサと、
を含む、システム。
(15) 実施態様14に記載のシステムにおいて、
前記第1の目標物および前記第2の目標物のうち一方は、患者の身体に挿入されたインプラントを含み、
前記第1の目標物および前記第2の目標物のうち他方は、ツールを含み、
前記プロセッサは、前記インプラントに対する前記ツールの相対ポジションを追跡するように構成される、システム。
(16) 実施態様14に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうちの一方の相対座標値であって、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち他方中に現れない相対座標値、を無効化するように構成される、システム。
(17) 実施態様14に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つにおける相対座標値と前記演繹的ポジション情報との間の不一致に応答して、前記相対座標値を無効化するように構成される、システム。
(18) 実施態様14に記載のシステムにおいて、
前記磁界発生器のうち前記少なくとも1つは、前記磁界のうち少なくとも1つが前記ポジションセンサのうち前記少なくとも1つに対して既知の方位を有するように、配置され、これにより、前記演繹的ポジション情報を提供する、システム。
(19) 実施態様18に記載のシステムにおいて、
前記磁界発生器のうち前記少なくとも1つは、前記磁界のうち前記少なくとも1つの前記方位を示す指標を含む、システム。
(20) 実施態様14に記載のシステムにおいて、
前記第1の磁界および前記第2の磁界は、双極子磁界および部分双極子磁界のうち少なくとも1つを含む、システム。
【0072】
(21) ポジション追跡システムにおいて、
共通軸に沿って互いから既知のオフセットで固定された、同軸対の第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を含む位置パッドであって、前記第1の磁界発生器および前記第2の磁界発生器は、目標物の近隣に第1の磁界および第2の磁界それぞれを生成するように構成される、位置パッドと、
前記目標物と関連付けられたポジションセンサであって、前記第1の磁界および前記第2の磁界を測定するように構成された、ポジションセンサと、
測定された前記第1の磁界および前記第2の磁界、ならびに前記既知のオフセットに基づいて、前記位置パッドに対する前記目標物の明確なポジション座標を計算するように構成された、プロセッサと、
を含む、システム。
(22) 実施態様21に記載のシステムにおいて、
前記位置パッドは、それぞれの異なる軸に沿って互いからそれぞれ既知のオフセットで固定され、追加的な磁界を生成するように構成された、1つ以上の追加的な同軸対の磁界発生器を含み、
前記ポジションセンサは、前記追加的な磁界を測定するようにさらに構成され、
前記プロセッサは、測定された前記追加的な磁界および前記それぞれ既知のオフセットに応答して、前記明確なポジション座標を計算するように構成される、システム。
(23) 実施態様21に記載のシステムにおいて、
前記第1の磁界発生器および前記第2の磁界発生器は、異なる第1の周波数および第2の周波数それぞれを有する第1の駆動信号および第2の駆動信号それぞれで駆動される、システム。
(24) ポジション追跡システムにおいて用いられるコンピュータソフトウェア製品において、
前記製品は、プログラム命令が保存されたコンピュータ可読媒体を含み、
前記命令は、コンピュータによって読み取られると、前記コンピュータに、
第1の目標物および第2の目標物の近隣に第1の磁界および第2の磁界それぞれを生成させるように、異なる第1の位置および第2の位置にそれぞれ配置された第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を制御させ、
前記第1の目標物および前記第2の目標物とそれぞれ関連付けられた第1のポジションセンサおよび第2のポジションセンサから前記第1の磁界および前記第2の磁界の測定を受容させ、
前記第1の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第1の潜在的相対座標を計算させ、
前記第2の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第2の潜在的相対座標を計算させ、
前記第1の潜在的相対座標を前記第2の潜在的相対座標と比較し、かつ前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つを、前記磁界発生器のうち少なくとも1つおよび前記ポジションセンサのうち少なくとも1つに関する演繹的ポジション情報と比較することにより、前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の正確な相対座標を決定するために、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標を処理させる、
製品。
(25) 実施態様24に記載の製品において、
前記第1の目標物および前記第2の目標物のうち一方は、患者の身体に挿入されたインプラントを含み、
前記第1の目標物および前記第2の目標物のうち他方は、ツールを含み、
前記命令は、前記コンピュータに、前記インプラントに対する前記ツールの相対ポジションを追跡させる、製品。
(26) 実施態様24に記載の製品において、
前記命令は、前記コンピュータに、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうちの一方の相対座標値であって、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち他方中に現れない相対座標値、を無効化させる、製品。
(27) 実施態様24に記載の製品において、
前記命令は、前記コンピュータに、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つにおける相対座標値と前記演繹的ポジション情報との間の不一致に応答して、前記相対座標値を無効化させる、製品。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、本発明の一実施形態による、外科手術において用いられる磁気位置追跡システムを概略的に絵で表した図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による位置パッドを概略的に絵で表した図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態によるセンサユニットを概略的に絵で表した図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態による不明確位置測定を図式的に示す略図である。
【図5】図5は、本発明の別の実施形態による不明確位置測定を図式的に示す略図である。
【図6】図6は、本発明の一実施形態による測定不明確性を解消する方法を図式的に示すフローチャートである。
【図7A】図7Aは、本発明の別の実施形態による位置パッドを概略的に絵で表した図である。
【図7B】図7Bは、本発明の別の実施形態による測定不明確性を解消する方法を図式的に示す略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポジション追跡のための方法において、
異なる第1の位置および第2の位置にそれぞれ配置された第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を用いて、第1の目標物および第2の目標物の近隣に第1の磁界および第2の磁界それぞれを生成する工程と、
前記第1の目標物および第2の目標物とそれぞれ関連付けられた第1のポジションセンサおよび第2のポジションセンサを用いて、前記第1の磁界および前記第2の磁界を測定する工程と、
前記第1の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第1の潜在的相対座標を計算し、前記第2の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第2の潜在的相対座標を計算する工程と、
前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の正確な相対座標を決定するために、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標を処理する工程であって、
前記第1の潜在的相対座標を前記第2の潜在的相対座標と比較する工程、ならびに、
前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つを、前記磁界発生器のうち少なくとも1つ、および前記ポジションセンサのうち少なくとも1つ、に関する演繹的ポジション情報と比較する工程、
により、前記処理を行う工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の目標物および前記第2の目標物のうち一方は、患者の身体に挿入されたインプラントを含み、
前記第1の目標物および前記第2の目標物のうち他方は、ツールを含み、
前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標を処理する前記工程は、前記インプラントに対する前記ツールの相対ポジションを追跡する工程を含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標を処理する前記工程は、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうちの一方の相対座標値であって、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち他方中に現れない相対座標値、を無効化する工程を含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標を処理する前記工程は、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つにおける相対座標値と前記演繹的ポジション情報との間の不一致に応答して、前記相対座標値を無効化する工程を含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記磁界のうち少なくとも1つが前記ポジションセンサのうち少なくとも1つに対して既知の方位を有するように前記磁界発生器のうち前記少なくとも1つを配置することにより、前記演繹的ポジション情報を提供する工程、
を含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記磁界発生器のうち前記少なくとも1つを配置する前記工程は、前記磁界のうち前記少なくとも1つの方位を示す指標を、前記磁界発生器のうち前記少なくとも1つに印付けする工程を含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の目標物からの第1の距離において軸に沿って前記第1の磁界発生器を配置することにより前記演繹的ポジション情報を提供する工程と、
前記軸に沿って前記第1の距離と異なる前記第1の目標物からの第2の距離において前記第1の目標物の反対側に前記第2の磁界発生器を配置して、前記第1の目標物において測定された前記第1の磁界および前記第2の磁界が異なる大きさを有するようにする工程と、
を含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の磁界発生器および前記第2の磁界発生器は、第1の軸および第2の軸をそれぞれ有し、
前記方法は、
前記第1の軸および前記第2の軸が平行となるように前記第1の磁界発生器および前記第2の磁界発生器を互いから既知の距離で配置することにより、前記演繹的ポジション情報を提供する工程、
を含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の目標物および前記第2の目標物の位置座標の有効範囲を特定する可動範囲を画定することにより前記演繹的ポジション情報を提供する工程と、
前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つが前記可動範囲から外れるように、前記第1の目標物および前記第2の目標物から十分な距離で前記第1の磁界発生器を配置する工程と、
を含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の磁界および前記第2の磁界は、双極子磁界および部分双極子磁界のうち少なくとも1つを含む、方法。
【請求項11】
ポジション追跡のための方法において、
位置パッド中の共通軸に沿って互いからそれぞれ既知のオフセットで固定された、同軸対の第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を用いて、目標物の近隣において第1の磁界および第2の磁界をそれぞれ生成する工程と、
前記目標物と関連付けられたポジションセンサを用いて前記第1の磁界および前記第2の磁界を測定する工程と、
測定された前記第1の磁界および前記第2の磁界、ならびに前記既知のオフセットに基づいて、前記位置パッドに対する前記目標物の明確なポジション座標を計算する工程と、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
それぞれの異なる軸に沿って互いからそれぞれ既知のオフセットで固定された、1つ以上の追加的な同軸対の磁界発生器を用いて、追加的な磁界を生成する工程と、
前記追加的な磁界を前記ポジションセンサによって測定する工程と、
を含み、
前記明確なポジション座標を計算する前記工程は、測定された前記追加的な磁界および前記それぞれ既知のオフセットに応答して前記座標を計算する工程を含む、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法において、
前記第1の磁界および前記第2の磁界を生成する前記工程は、それぞれ異なる第1の周波数および第2の周波数を有する第1の駆動信号および第2の駆動信号のそれぞれで前記第1の磁界発生器および前記第2の磁界発生器を駆動する工程を含む、方法。
【請求項14】
ポジション追跡システムにおいて、
異なる第1の位置および第2の位置にそれぞれ配置された第1の磁界発生器、および第2の磁界発生器であって、第1の目標物および第2の目標物の近隣において第1の磁界および第2の磁界それぞれを生成するように構成された、第1の磁界発生器、および第2の磁界発生器と、
前記第1の目標物および前記第2の目標物とそれぞれ関連付けられた第1のポジションセンサ、および第2のポジションセンサであって、前記第1の磁界および前記第2の磁界を測定するように構成された、第1のポジションセンサ、および第2のポジションセンサと、
プロセッサであって、前記第1の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第1の潜在的相対座標を計算し、前記第2の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第2の潜在的相対座標を計算し、前記第1の潜在的相対座標を前記第2の潜在的相対座標と比較すること、ならびに前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つを、前記磁界発生器のうち少なくとも1つおよび前記ポジションセンサのうち少なくとも1つに関する演繹的ポジション情報と比較することにより、前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の正確な相対座標を決定するために、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標を処理するように構成された、プロセッサと、
を含む、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムにおいて、
前記第1の目標物および前記第2の目標物のうち一方は、患者の身体に挿入されたインプラントを含み、
前記第1の目標物および前記第2の目標物のうち他方は、ツールを含み、
前記プロセッサは、前記インプラントに対する前記ツールの相対ポジションを追跡するように構成される、システム。
【請求項16】
請求項14に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうちの一方の相対座標値であって、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち他方中に現れない相対座標値、を無効化するように構成される、システム。
【請求項17】
請求項14に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つにおける相対座標値と前記演繹的ポジション情報との間の不一致に応答して、前記相対座標値を無効化するように構成される、システム。
【請求項18】
請求項14に記載のシステムにおいて、
前記磁界発生器のうち前記少なくとも1つは、前記磁界のうち少なくとも1つが前記ポジションセンサのうち前記少なくとも1つに対して既知の方位を有するように、配置され、これにより、前記演繹的ポジション情報を提供する、システム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムにおいて、
前記磁界発生器のうち前記少なくとも1つは、前記磁界のうち前記少なくとも1つの前記方位を示す指標を含む、システム。
【請求項20】
請求項14に記載のシステムにおいて、
前記第1の磁界および前記第2の磁界は、双極子磁界および部分双極子磁界のうち少なくとも1つを含む、システム。
【請求項21】
ポジション追跡システムにおいて、
共通軸に沿って互いから既知のオフセットで固定された、同軸対の第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を含む位置パッドであって、前記第1の磁界発生器および前記第2の磁界発生器は、目標物の近隣に第1の磁界および第2の磁界それぞれを生成するように構成される、位置パッドと、
前記目標物と関連付けられたポジションセンサであって、前記第1の磁界および前記第2の磁界を測定するように構成された、ポジションセンサと、
測定された前記第1の磁界および前記第2の磁界、ならびに前記既知のオフセットに基づいて、前記位置パッドに対する前記目標物の明確なポジション座標を計算するように構成された、プロセッサと、
を含む、システム。
【請求項22】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記位置パッドは、それぞれの異なる軸に沿って互いからそれぞれ既知のオフセットで固定され、追加的な磁界を生成するように構成された、1つ以上の追加的な同軸対の磁界発生器を含み、
前記ポジションセンサは、前記追加的な磁界を測定するようにさらに構成され、
前記プロセッサは、測定された前記追加的な磁界および前記それぞれ既知のオフセットに応答して、前記明確なポジション座標を計算するように構成される、システム。
【請求項23】
請求項21に記載のシステムにおいて、
前記第1の磁界発生器および前記第2の磁界発生器は、異なる第1の周波数および第2の周波数それぞれを有する第1の駆動信号および第2の駆動信号それぞれで駆動される、システム。
【請求項24】
ポジション追跡システムにおいて用いられるコンピュータソフトウェア製品において、
前記製品は、プログラム命令が保存されたコンピュータ可読媒体を含み、
前記命令は、コンピュータによって読み取られると、前記コンピュータに、
第1の目標物および第2の目標物の近隣に第1の磁界および第2の磁界それぞれを生成させるように、異なる第1の位置および第2の位置にそれぞれ配置された第1の磁界発生器および第2の磁界発生器を制御させ、
前記第1の目標物および前記第2の目標物とそれぞれ関連付けられた第1のポジションセンサおよび第2のポジションセンサから前記第1の磁界および前記第2の磁界の測定を受容させ、
前記第1の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第1の潜在的相対座標を計算させ、
前記第2の磁界に応答して前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の第2の潜在的相対座標を計算させ、
前記第1の潜在的相対座標を前記第2の潜在的相対座標と比較し、かつ前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つを、前記磁界発生器のうち少なくとも1つおよび前記ポジションセンサのうち少なくとも1つに関する演繹的ポジション情報と比較することにより、前記第2の目標物に対する前記第1の目標物の正確な相対座標を決定するために、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標を処理させる、
製品。
【請求項25】
請求項24に記載の製品において、
前記第1の目標物および前記第2の目標物のうち一方は、患者の身体に挿入されたインプラントを含み、
前記第1の目標物および前記第2の目標物のうち他方は、ツールを含み、
前記命令は、前記コンピュータに、前記インプラントに対する前記ツールの相対ポジションを追跡させる、製品。
【請求項26】
請求項24に記載の製品において、
前記命令は、前記コンピュータに、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうちの一方の相対座標値であって、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち他方中に現れない相対座標値、を無効化させる、製品。
【請求項27】
請求項24に記載の製品において、
前記命令は、前記コンピュータに、前記第1の潜在的相対座標および前記第2の潜在的相対座標のうち少なくとも1つにおける相対座標値と前記演繹的ポジション情報との間の不一致に応答して、前記相対座標値を無効化させる、製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2007−236937(P2007−236937A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−52986(P2007−52986)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(500520846)バイオセンス・ウェブスター・インコーポレイテッド (75)
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster, Inc.
【住所又は居所原語表記】3333 Diamond Canyon Road, Diamond Bar, California 91765, U.S.A.