説明

ポジトロンCT装置

【課題】リング状検出器の際で放射されたガンマ線を効率よく捕捉し、一つの三次元投影データとして用いることのできるポジトロンCT装置を提供する。
【解決手段】リング状に配列された検出器を軸方向に平行な方向に複数並置したリング状検出器10に加えて、この軸と直交する平面に検出器を二次元状に配列した補助検出器20を配置する。これらリング状検出器と補助検出器を合わせた各検出器40,50への前記ガンマ線の同時入射を検出し、検出したデータを用いて再構成処理して再構成データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体内の放射性同位元素から放射されるガンマ線を検出するポジトロンCT装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポジトロンCT装置は、被検体内の放射性同位元素から放射されるガンマ線を検出する装置である。放射性同位元素としてポジトロン放射核種を被検体に投与し、この被検体内の生体物質等を標識させ、トレーサとして用いることで、放射性同位元素の濃度分布から生理学的或いは生化学的な機能を表わすデータを得るものである。このデータは、2次元状又は3次元状に配置された画像として認識される。
【0003】
ポジトロンCT装置は、陽電子が自由電子と結合して消滅する際に180°対向方向に放出されるガンマ線のペアを検出することでその方向を通る軌跡上に放射性同位元素が存在するものとして濃度分布を示す画像データを再構成する。これにより、操作者は、外科的手段によることなく被検体内部の病変部、血流量、脂肪酸代謝量等を確認することができる。
【0004】
図4に従来のポジトロンCT装置の構成を示す。このポジトロンCT装置100は、リング状検出器10が配置されている(例えば、「特許文献1」参照。)。このリング状検出器10には、検出器40がリング状かつリング軸方向に複数並置くされて配置される。リング状検出器10の内部には、被検体Pを載置した寝台30が挿入される。
【0005】
検出器40は、LSO(LuSiO)やBGO(BiGe12)等の511keVに対する検出効率が高く且つ潮解性がないシンチレータをリング内周側に配し、その背面に光電子増倍管(PMT)を配した構成、若しくは半導体検出器と呼称される化合物半導体テルルカドミウム(CdTe)やCdZnTeで構成される。
【0006】
二カ所の検出器40で同一タイミングで検出したガンマ線のペアを基に、この二カ所の検出器40を通る軌跡上に放射性同位元素が存在するものと仮定して、被検体P内の放射性同位元素の濃度分布の画像を作成する。
【0007】
ここで、このような従来のポジトロンCT装置100では、リング状検出器10に配される二カ所の検出器40を180°対向方向とするガンマ線のペアは検出可能である。しかし、例えば、図4のN位置のようなリング状検出器10の際(きわ)で放射されたガンマ線は、その放射の対向方向によっては一方のガンマ線が検出できないため、ガンマ線のカウント対象とはならない。具体的には、図中のN位置でガンマ線が180°対向方向へ放射され、一方がリング状検出器10の25番目の検出器40に到達したものは、他方のガンマ線がリング状検出器10外へ飛び出しているため検出できず、ガンマ線の同時計数収集データに含まれない。
【0008】
このように、従来のポジトロンCT装置100では、リング状検出器10の際で放射されたガンマ線のカウント数が少なくなりやすく、特に被検体Pの頭頂部付近の画質が低下する傾向があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−116256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リング状検出器の際で放射されたガンマ線を効率よく捕捉し、一つの投影データとして用いることのできるポジトロンCT装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、被検体内の放射性同位元素から放出されるガンマ線の検出に基づく投影データから画像を生成するポジトロンCT装置であって、リング状に配列された検出器を前記被検体の軸方向に平行な方向に複数並置された前記ガンマ線の第一の放射線検出手段と、前記軸と直交する平面に検出器を二次元状に配列した前記ガンマ線の第二の放射線検出手段と、前記第一の放射線検出手段及び前記第二の放射線検出手段の各検出器の出力データで同時計数とされるペアを検出する同時計数手段と、前記同時計数手段で得た出力データのペアに基づき、検出器のガンマ線入射位置を結んだ軌跡を通る各ボクセルにその軌跡を投影方向とするガンマ線の投影データを逆投影処理することで、前記被検体内の前記放射性同位元素の濃度分布である前記三次元画像を再構成する再構成手段と、を備えること、を特徴とする。
【0012】
前記再構成手段は、前記第一の放射線検出手段の一対の検出器の位置を結んだ軌跡と、前記第一の放射線検出手段の検出器と前記第二の放射線検出手段の検出器の位置を結んだ軌跡とを加えた、一つの三次元投影データを生成し、この三次元投影データを逆投影処理することにより前記三次元画像を求めるようにしてもよい(請求項2記載の発明に相当)。
【0013】
前記第二の放射線検出手段は、前記被検体の頭頂部側の予め決められた箇所に配置されているようにしてもよい(請求項3記載の発明に相当)。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第一の放射線検出手段から漏れたガンマ線も第二の放射線検出手段で検出できるため、この第1の放射線検出手段と第2の放射線検出手段を通る軌跡上を投影方向とするガンマ線の投影データも加えて三次元画像を再構成処理できるため、画像の画質の向上につながる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ポジトロンCT装置の検出器構成を示すブロック図である。
【図2】ポジトロンCT装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】ポジトロンCT装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】従来のポジトロンCT装置の検出器構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るポジトロンCT装置の好適な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係るポジトロンCT装置1の検出器構成を示すブロック図である。ポジトロンCT装置1は、被検体P内の放射性同位元素から放出されるガンマ線を検出し、被検体P内の再構成データを作成する装置である。放射性同位元素としては、ポジトロン放射核種が利用される。このポジトロン放射核種から放出された陽電子が近傍の自由電子と結合して消滅する際に180°対向方向に放射される511keVのガンマ線を検出し、同じタイミングで入射したものを弁別することでこれらガンマ線の入射方向が決定されるため、その入射方向が通る軌跡上に放射性同位元素が存在することを用いて3次元投影データから3次元画像を再構成する。3次元画像は、ガンマ線の入射方向が通る軌跡の重なり度合いを画素値として入射データを3次元状に配したデータであり、被検体P内の放射性同位元素の濃度分布が3次元状に表わされる。
【0018】
このポジトロンCT装置1は、主にリング状検出器10と補助検出器20とを備える。リング状検出器10と補助検出器20には、複数の検出器40、50が配置されている。リング状検出器10には、検出器40がリング状かつリング軸方向に平行な方向に複数並置される。補助検出器20には、検出器50がリング軸と直交する平面に2次元状に配置される。
【0019】
リング状検出器10の内部には、被検体Pを載置した寝台30が挿入される。補助検出器20は、被検体Pの頭頂部側に設置される。この補助検出器20は、ポジトロンCT装置1に対して脱着可能であってもよいが、その設置位置は、予め定められた位置から不動である。例えば、補助検出器20は、リング状検出器10内を移動する寝台30上ではなく、設置位置が固定されたガントリに設置される。即ち、補助検出器20に配置された任意の検出器50とリング状検出器10の任意の検出器40とに同時タイミングにガンマ線が入射すれば、それら検出器40、50を通る軌跡が設置態様によって変わらないように、必ず決まった位置に設置される。もし、決まった位置に設置できない場合は、補助検出器20とリング状検出器10の位置を正確に測定し、各検出器の位置を正確に求めることで処理可能となる。この補助検出器20は、被検体Pの頭頂部を覆う程度以上の面積を有することが望ましい。
【0020】
検出器40、50は、1.6mm×1.6mm等の面積を有するLSO(LuSiO)やBGO(BiGe12)等の511keVに対する検出効率が高く且つ潮解性がないシンチレータをリング内周側に配し、その背面に光電子増倍管(PMT)を配した構成を有する。シンチレータに入射したガンマ線はシンチレータにより420nmにピークを持つ光に変換され、その光が光電子増倍管で電気信号され、検出器40、50から出力される。この電気信号には、ガンマ線が入射された検出器40、50、即ち検出器40、50自身を示す情報、ガンマ線がいかなるエネルギーを有するかの情報が含まれる。
【0021】
尚、検出器40、50は、半導体検出器と呼称される化合物半導体テルルカドミウム(CdTe)やCdZnTeとしてもよい。この場合は、光電子増倍管を必要とせず、ガンマ線から直接電気信号を得ることが可能となる。
【0022】
このリング状検出器10と補助検出器20とを有するポジトロンCT装置1では、リング状検出器10の何れかの検出器40をペアとしない放射方向に放射したガンマ線を捕捉可能となる。
【0023】
例えば、図1に示すように、頭頂部付近Nで放射されたガンマ線がリング状検出器10の26番目の検出器40に入射した場合には、その対向方向に放射されたガンマ線を捕捉することのできるリング状検出器10の検出器40はないが、補助検出器20の27番目の検出器50が存在する。従って、頭頂部付近Nから、この26番目と27番目の検出器40、50を通る軌跡の方向へ放射されたガンマ線についてもポジトロンCT装置1は捕捉可能となり、この頭頂部付近Nのデータも十分に取得可能となる。
【0024】
また、図1に示すように、頭頂部付近Mで放射されたガンマ線がリング状検出器10の20番目の検出器40に入射した場合には、その対向方向に放射されたガンマ線を捕捉することのできるリング状検出器10の検出器40はないが、補助検出器20の28番目の検出器50が存在する。従って、頭頂部付近Mから、この20番目と28番目の検出器40、50を通る軌跡の方向へ放射されたガンマ線についてもポジトロンCT装置1は捕捉可能となり、この頭頂部付近Mのデータも十分に取得可能となる。
【0025】
図2は、ポジトロンCT装置1の内部構成を示すブロック図である。ポジトロンCT装置1は、リング状検出器10と補助検出器20の他に、タイムスタンプ部60とデータ保存部71と同時計数部72と感度均一補正部73と再構成部74とを有する。データ保存部71と同時計数部72と感度均一補正部73と再構成部74は、所謂コンピュータにより実現してよいし、専用回路により実現してもよい。コンピュータで実現する場合には、データ保存部71は、所謂メモリであり、同時計数部72と感度均一補正部73と再構成部74は、外部記憶装置に記憶したプログラムを演算制御装置で解析及び命令実行することにより実現される。
【0026】
タイムスタンプ部60は、リング状検出器10及び補助検出器20より出力されてくる出力データである電気信号について、これがいつ検出されたものであるかの検出時刻を刻印する。
【0027】
データ保存部71は、所謂メモリであり、ガンマ線を検出した検出器40、50を特定し、かつ刻印された検出時刻を示す検出データを記憶する。
【0028】
同時計数部72は、データ保存部71から同一タイミングを示す検出時刻を含む検出データを選択し、そのペアのデータが示す検出器40、50を結ぶ軌跡の位置情報を得る。そして、同時計数部72は、位置情報毎の放射線入射数をカウントした1ラインの投影データを作成する。同時計数部72が選択する検出データの種類については、その由来がリング状検出器10であるか補助検出器20であるかを問わない。軌跡の位置情報は、同一タイミングで入射したガンマ線を表わすペアの検出データの出力先を基にしてガンマ線の入射軌跡を計算する。同時計数部72は、一定時間のタイムウィンドウ情報を予め記憶しており、このタイムウィンドウに入ったペアを見つけだす。
【0029】
感度均一補正部73は、視野領域内の検出感度の不均一性を一定濃度のポジトロン線源を視野内に配置したときの真の同時計数率で補正する。
【0030】
再構成部74は、投影データが示すカウント数をその軌跡上の各ボクセルの画素値に対して加算することで3次元投影データを作成し、この3次元投影データからOS−EM再構成法等により三次元画像を作成する。即ち、3次元投影データにおいて、リング状検出器10の任意の検出器40と補助検出器20の任意の検出器50とを通る軌跡上の各ボクセルには、これら検出器40、50が同一タイミングで検出したガンマ線のカウント数も積算されて含まれる。
【0031】
図3は、このポジトロンCT装置1の動作を示すフローチャートである。まず、操作者は、補助検出器20を予め定められた箇所にセットする(S01)。予め定められた箇所とは、検出器40と検出器50を通る軌跡が設置態様によって変わらないような位置であり、換言すると、補助検出器20のある検出器50とリング状検出器10のある検出器40とを同一タイミングのガンマ線入力先とした場合に、それらを通る軌跡の位置情報は計算の結果必ず一つに定まる位置である。
【0032】
補助検出器20をセットすると、被検体Pに投与したポジトロン核種たる放射性同位元素から放射されるガンマ線の収集を開始する(S02)。ガンマ線が放射されると、ガンマ線と検出器40,50との間に光電効果、コンプトン効果及び電子対生成なる3種の相互作用が生じる。
【0033】
ガンマ線の収集が開始されると、リング状検出器10及び補助検出器20で検出されたガンマ線は、入射した検出器40,50を特定する情報を含む電気信号に変換される(S03)。そして、この電気信号は、タイムスタンプ部60へと送られて、検出時刻が刻印された後(S04)、検出先及び検出時刻を含む検出データとしてリング状検出器10と補助検出器20を1つのデータにまとめてデータ保存部71に記憶される(S05)。
【0034】
例えば、リング状検出器10の3番目と16番目の検出器40が存在する方向に放出されたガンマ線は、この3番目と16番目の検出器40に同一タイミングで入射する。3番目と16番目の検出器40では、シンチレータによりガンマ線が可視光線に変換され、この可視光線が光電子増倍管で電気信号に変換される。3番目の検出器40から出力された電気信号には、3番目の検出器40が出力先であることを示す情報が含まれ、16番目の検出器40から出力された電気信号には、16番目の検出器40が出力先であることを示す情報が含まれる。そして、これら電気信号は、タイムスタンプ部60で同じ検出時刻が刻印される。
【0035】
また、図1のN位置で一方のガンマ線がリング状検出器10の25番目の検出器40の方向へ向けて放射された場合、他方のガンマ線は、リング状検出器10では捕捉できない。しかし、その他方のガンマ線は、本実施形態のポジトロンCT装置1においては、補助検出器20の27番目の検出器50に入射する。リング状検出器10の25番目と補助検出器20の27番目の検出器50が存在する方向に放出されたガンマ線は、この25番目と27番目の検出器40,50に同一タイミングで入射する。25番目と27番目の検出器40,50では、シンチレータによりガンマ線が可視光線に変換され、この可視光線が光電子増倍管で電気信号に変換される。25番目の検出器40から出力された電気信号には、3番目の検出器40が出力先であることを示す情報が含まれ、27番目の検出器50から出力された電気信号には、16番目の検出器40が出力先であることを示す情報が含まれる。そして、これら電気信号は、タイムスタンプ部60で同じ検出時刻が刻印される。
【0036】
同時計数部72は、同一タイミングの検出時刻が刻印された検出データのペアをデータ保存部71から選出する(S06)。このとき、ペアとならない検出データは使用しない。即ち、図1のN位置から補助検出器20の27番目の検出器50とリング状検出器10の25番目の検出器40を対向方向とするガンマ線の検出データは、補助検出器20がない場合には散乱線除去等のために破棄されていたが、補助検出器20の存在により3次元データ作成のためのデータとして採用される。
【0037】
同時計数部72で選出されたペアの検出データは、エネルギー情報が感度均一補正部73で補正された後(S07)、再構成部74に入力される。再構成部74では、ペアの検出データが含むそれぞれの検出先の情報から入射方向の軌跡を計算することでこの軌跡の位置情報を取得する(S08)。
【0038】
例えば、リング状検出器10の3番目と16番目の検出器40に同一タイミングで入射したガンマ線を基に出力された検出データのペアにおいては、この3番目と16番目の検出器40とを結ぶ軌跡を示す位置情報が取得される。また、リング状検出器10の25番目の検出器40と補助検出器20の27番目の検出器50に同一タイミングで入射したガンマ線を基に出力された検出データのペアにおいては、この25番目と27番目の検出器40,50とを結ぶ軌跡を示す位置情報が取得される。
【0039】
位置情報が取得されると、再構成部74は、その位置情報を取得した数をカウントし、位置情報とカウント数を関連づけた1ラインの投影データを作成する(S09)。そして、再構成部74は、投影データが示す軌跡を投影方向としてその方向にある各ボクセルにその1ラインの投影データが示すカウント数を積算することで3次元投影データを作成する(S10)。従って、リング状検出器10の25番目の検出器40と補助検出器20の27番目の検出器50を通る軌跡を放射方向とするガンマ線もカウントされる。また、このリング状検出器10の25番目の検出器40と補助検出器20の27番目の検出器50を通る軌跡を放射方向とするガンマ線についても3次元投影データに反映される。
【0040】
再構成部74は、3次元投影データを作成すると、この3次元投影データからOS−EM再構成法等により3次元画像を作成する(S11)。
【0041】
このように、本実施形態に係るポジトロンCT装置1では、リング状検出器10に加えて、軸と直交する平面に検出器50を二次元状に配列した補助検出器20を配するように士、これらの各検出器40,40へのガンマ線の同時入射を検出し、それら投影データを一つの3次元投影データにまとめて、この3次元投影データから3次元画像を生成する。これにより、リング状検出器10から漏れたガンマ線も補助検出器20で検出できるため、被検体Pの頭頂部付近のデータ収集のカウント数も増加させることができ、被検体Pの頭頂部付近のデータも豊富となり、画像の画質の向上につながる。
【0042】
尚、本実施形態では、リング状検出器10と補助検出器20とで検出して得た検出データを一つのパラメータとして用いたが、一端リング状検出器10で得た検出データのペアと、リング状検出器10と補助検出器20とで検出して得た検出データのペアを別々の投影データとして用い、2つ以上の軌道のデータを用いた再構成法であるOS−EM再構成法を用いて再構成を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 ポジトロンCT装置
10 リング状検出器
20 補助検出器
30 寝台
40 検出器
50 検出器
60 タイムスタンプ部
71 データ保存部
72 同時計数部
73 感度均一補正部
74 再構成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内の放射性同位元素から放出されるガンマ線の検出に基づく投影データから画像を生成するポジトロンCT装置であって、
リング状に配列された検出器を前記被検体の軸方向に平行な方向に複数並置された前記ガンマ線の第一の放射線検出手段と、
前記軸と直交する平面に検出器を二次元状に配列した前記ガンマ線の第二の放射線検出手段と、
前記第一の放射線検出手段及び前記第二の放射線検出手段の各検出器の出力データで同時計数とされるペアを検出する同時計数手段と、
前記同時計数手段で得た出力データのペアに基づき、検出器のガンマ線入射位置を結んだ軌跡を通る各ボクセルにその軌跡を投影方向とするガンマ線の投影データを逆投影処理することで、前記被検体内の前記放射性同位元素の濃度分布である前記三次元画像を再構成する再構成手段と、
を備えること、
を特徴とするポジトロンCT装置。
【請求項2】
前記再構成手段は、前記第一の放射線検出手段の一対の検出器の位置を結んだ軌跡と、前記第一の放射線検出手段の検出器と前記第二の放射線検出手段の検出器の位置を結んだ軌跡とを加えた、一つの三次元投影データを生成し、この三次元投影データを逆投影処理することにより前記三次元画像を求めること、
を特徴とする請求項1記載のポジトロンCT装置。
【請求項3】
前記第二の放射線検出手段は、前記被検体の頭頂部側の予め決められた箇所に配置されていること、
を特徴とする請求項1又は2記載のポジトロンCT装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−197140(P2010−197140A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−40659(P2009−40659)
【出願日】平成21年2月24日(2009.2.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】