説明

ポリアミノアミド−モノエポキシ付加物

本発明は、(A)
(a1)イミダゾリン基を有し、(a1−1)分子内に3以上の窒素原子を有するポリエチレンポリアミン及び(a1−2)単官能性脂肪酸から調製されるポリアミノアミドを
(a2)単官能性芳香族エポキシド化合物
と反応させることによって得られるポリアミノアミド付加物
からなるエポキシ樹脂用硬化剤、
エポキシド化合物を更に含む硬化性組成物、
並びに、成形物及びシート状構造体を製造するため、接着剤及びシーラント分野において適用するため、エポキシ樹脂モルタル、マトリクス樹脂、工具材樹脂用、或いは特に濡れたコンクリートに対する被覆材料としてのこれらの硬化性組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(A)
(a1)イミダゾリン基を有し、(a1−1)分子内に3以上の窒素原子を有するポリエチレンポリアミン及び(a1−2)単官能性脂肪酸から調製されるポリアミノアミドを
(a2)単官能性芳香族エポキシド化合物
と反応させることによって得られるポリアミノアミド付加物
からなるエポキシ樹脂用硬化剤に関する。
【背景技術】
【0002】
アミン性硬化剤及びエポキシ樹脂をベースとする硬化性組成物は、金属及び無機基剤を被覆及び機能強化するため、接着剤及びシーラントとして、マトリクス樹脂として、工具材樹脂として、あるいは、極めて一般的に、成形品又はシート状の構造物を製造するための注型樹脂として、産業界で広く使用されている。用いられるアミン性硬化剤は、特に、脂肪族、脂環式或いは芳香族アミンである。基材上でのこれらのアミンをベースとする硬化性組成物の機械的及び物理的特性は、多くの用途に関して十分なものである。
【0003】
低い揮発性が期待されるアミン化合物を用いることが必要な場合には、このようなアミンとエポキシ樹脂との予備付加物が用いられる。この有利性は、蒸気圧が比較的低く、またそれゆえ不快な臭気及び毒性がより低いことである。しかしながら、このような化合物の遊離アミン含量も未だに極めて高いので、「遊離付加物」として知られるものを用いるのが通常である。この場合、遊離アミンの過剰分は分離除去される(主として蒸留による)。しかしながら、これらの化合物の欠点は、非常に高いその粘度である。室温及びより低い温度において処理するのに好適にするために、極めて多量の希釈剤を加えなければならない。しかしながら、これにより硬化した熱硬化性樹脂の機械特性が著しく悪化する。この理由により、長鎖脂肪酸及びポリアミン、一般にポリエチレンポリアミンから重縮合によって調製されるアミノアミドを用いることが通常である。しかしながら、実際においては、これらの生成物は、多くの場合において、例えば表面特性が劣っていたり或いは実質的に水和物が形成されるといった欠点を有している。しかし、これらの表面の欠陥は、たとえばトップコートの場合のように視覚的な障害を引き起こすことはない。表面の欠陥、特に水和物の形成は、適用された硬化性混合物を例えばプライマーとして用いてオーバーコートした場合に層間接着が不適切で続いて適用するトップコートが再剥離を起こすという状況をもたらす可能性がある。
【0004】
(A)分子あたり1以上のエポキシド基を有するエポキシ樹脂と、(B)(a)単塩基性又は多塩基性脂肪酸及び(b)多官能性アミンをベースとするポリアミノアミド、との付加物を使用することは、DE1520918より公知である。
【0005】
US2970971は、二量体脂肪酸及び脂肪族モノエポキシドからなるポリアミド−エポキシド化合物を開示する。
【0006】
しかしながら、これらの付加物の粘度は非常に高くて、これらの生成物を処理することができるようにこれらの付加物の粘度を低下させるために溶媒を加えることが必要なことが多い。しかしながら、溶媒を加えることはその一方で強い不快な臭気を導き出す。いくつかの場合にはこれらの溶媒は毒性であるか又は健康に有害である。ガス放出性溶媒の環境への影響は極めて大きい。技術的見地では、現在存在する溶媒は、特に厚い層を施した場合に同様に問題を引き起こす。例えば、プライマーの場合、被覆中に溶媒が残留することは悪影響を与え望ましくない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、その遊離アミン含量が比較的低く、同時に室温での粘度が低く、溶媒及び/又は希釈剤を加えることなく処理することができ、硬化した熱硬化性樹脂の機械的特性が高レベルである、エポキシ樹脂用硬化剤及び硬化性組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明にしたがって、本発明の硬化剤及び硬化性組成物によって達成される。
【0009】
したがって、本発明は第1に、(A)
(a1)イミダゾリン基を有し、(a1−1)分子内に3以上の窒素原子を有するポリエチレンポリアミン及び(a1−2)単官能性脂肪酸から調製されるポリアミノアミドを
(a2)単官能性芳香族エポキシド化合物
と反応させることによって得られるポリアミノアミド付加物
からなるエポキシ樹脂用硬化剤を提供する。
【0010】
本発明の付加物は、比較的低い粘度を有し室温で処理することが可能であるので、悪影響を与える溶媒及び/又は可塑剤を加える必要がない。これらの付加物の遊離アミン含量は低い。
【0011】
更に、本発明の付加物は、濡れたコンクリート表面に対して顕著な接着性を示す。これまでは、プライマー又は被覆の接着を可能にするために、被覆の前に面倒な操作で濡れたコンクリート表面を乾燥させることがしばしば必要であった。ここで、本発明の硬化性組成物は、濡れたコンクリートに対しても予め乾燥を行うことなく接着性を有することが見出された。
【0012】
市販の硬化剤と比較すると、ほぼ同程度の処理寿命(ポットライフ)と、更に驚くべきことに特に低い温度(10℃)での極めて速い硬化速度が観察される。これは予測できなかったことである。それどころか、長い処理寿命と関連すると、同様に硬化速度はより遅いことが予測されるであろう。これは、処理寿命は通常硬化速度に依存するからである。
【0013】
イミダゾリン基を有するポリアミノアミドは、ポリエチレンポリアミンと脂肪酸との通常の縮合法によって調製される。用いられるポリエチレンポリアミンは、分子内に3又は3を超える窒素原子を有するアミン、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)、ヘキサエチレンヘプタミン(HEHA)、及びより高分子のポリエチレンポリアミン又はポリエチレンアミン混合物である。トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及び/又はペンタエチレンヘキサミンを用いることが好ましい。
【0014】
ポリエチレンポリアミンとの縮合に用いるモノマー酸及び/又は脂肪酸は、飽和又は不飽和であり、2〜22個の炭素原子を有する炭化水素基を有していてもよい。本発明においては少なくとも8個の炭素原子を有する脂肪酸が好ましい。少なくとも14個の炭素原子を有するモノマー不飽和脂肪酸、例えばオレイン酸、トール油脂肪酸、リノール酸及びリノレン酸が特に好ましい。
【0015】
イミダゾール含有ポリアミノアミドを調製するためには、ポリエチレンポリアミンを反応容器に充填し、60〜100℃で脂肪酸を加える。反応混合物を260℃に加熱し、生成した反応水を蒸留によって除去する。第1の縮合段階でポリアミノアミドが生成され、これから第2の縮合段階において閉環によりイミダゾリン基を有するポリアミノアミドが生成される。第2の縮合段階の転化率は、蒸留によって除去する水の量により調節することができ、第1の縮合段階のポリアミノアミドの90%以下の量にすることができる。したがって実際の生成物は、少なくとも10モル%のポリアミノアミドと90モル%以下のイミダゾリン含有ポリアミノアミドとの混合物である。本発明においては、40%を超えるイミダゾリン基を有するポリアミノアミドを含む生成混合物が好ましい。酸基に対するポリエチレンポリアミンのモル比は1:1〜1:1.5が好ましい。
【0016】
本発明によれば、イミダゾリン基を有するポリアミノアミドに付加するのに用いる単官能性芳香族ポリエポキシドは、例えばフェニルグリシジルエーテルのようなグリシジルエーテルであるが、例えばクレシルグリシジルエーテル、ブチルフェノールグリシジルエーテル及びノニルフェノールグリシジルエーテルのようなアルキル鎖を有する芳香族グリシジルエーテルであってもよい。しかしながら、例えばスチレンオキシドのような直接にエポキシ化された単官能性芳香族エポキシドを使用することもできる。この列挙は不完全であり、原則として全ての単官能性芳香族エポキシド化合物を使用することができることは説明するまでもない。
【0017】
好ましいエポキシド化合物(a2)は、フェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル及びブチルフェノールグリシジルエーテルである。
【0018】
本発明に従って用いられる単官能性芳香族エポキシド化合物に加えて、他のモノ、ジ又は多官能性エポキシド化合物を同様に用いることも可能である。
【0019】
付加の目的のためには、イミダゾリン含有ポリアミノアミドを最初に導入して60〜100℃に加熱する。単官能性芳香族エポキシド化合物を約60分かけて加える。反応を完了させるために混合物を引き続き60分間撹拌する。本発明によれば、付加レベルは、イミダゾリン含有ポリアミノアミド化合物(a−1)1モルあたり単官能性エポキシド化合物(a−2)0.01〜2、好ましくは0.2〜1.5エポキシド当量となるように選択される。
【0020】
本発明は更に、エポキシド化合物、硬化剤として本発明の硬化剤、及び場合によってエポキシ樹脂化学において通常用いられる1以上の添加剤及び助剤を含む硬化性組成物を提供する。
【0021】
本発明にしたがって用いられるエポキシド化合物は、分子あたり平均で1を超えるエポキシド基を有し、単価及び/又は多価及び/又は多核フェノール、特にビスフェノール及びノボラックから誘導される通常市販されている製品、例えばビスフェノールAグリシジルエーテル及びビスフェノールFジグリシジルエーテルである。これらのエポキシド化合物の多数の例示が、ハンドブック"Epoxidverbindungen und Epoxidharze", A.M. Paquin, Springer Verlag Berlin, 1958, Chapter IV及び同様にLee & Neville, "Handbook of Epoxy Resins", 1967, Chapter 2に記載されている。2以上のエポキシド化合物の組成物を用いることもできる。
【0022】
本発明においては、ビスフェノールA、ビスフェノールF又はノボラックをベースとするグリシジルエーテルと、例えばフェノールのモノグリシジルエーテル或いは単価又は多価脂肪族又は脂環式アルコールをベースとするグリシジルエーテルのような反応性希釈剤として知られているものとの組成物が好ましい。かかる反応性希釈剤の例としては、フェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、C12〜C14アルコールグリシジルエーテル,ブタンジグリシジルエーテル、ヘキサンジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメチルジグリシジルエーテル、又はポリエチレングリコール若しくはポリプロピレングリコールをベースとするグリシジルエーテルが挙げられる。必要な場合には、更にエポキシ樹脂の粘度を低下させるためにこれらの反応性希釈剤を加えることができる。
【0023】
エポキシド化合物に対する反応性硬化剤の混合比は好ましくは等量に選択される。即ち、アミン当量あたり1エポキシド当量を用いる。しかしながら、硬化させた熱硬化性樹脂の所期の用途及び所望の最終特性にしたがって、化学量論的に過剰量又は過小量のイミダゾリン基を有する本発明のポリアミノアミド付加物(A)を用いることができる。
【0024】
本発明はまた、成形物及びシート状構造物を製造するため、また同様に接着剤及びシーラント分野で適用するため、更にエポキシ樹脂モルタルのための本発明の硬化性組成物の使用も提供する。
【0025】
本発明は更に、かかる組成物を硬化させることによって得られる硬化物品を提供する。用いるエポキシ樹脂は、本発明のイミダゾリン基を有するポリアミノアミド付加物(A)により加熱下及び冷温下(室温)で硬化可能である。
【0026】
エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂技術において通常の添加剤及び助剤のような更なる補助剤の存在下で硬化させることができる。言及することのできる例としては、この分野において通常の粒径分布の砂利、砂、シリケート、グラファイト、二酸化シリコン、タルク、マイカ等が挙げられる。更に、顔料、染料、安定剤、レベリング剤、可塑剤、非反応性増量樹脂、軟化剤及び促進剤を用いることができる。硬化性組成物は、更に、エポキシ樹脂技術において通常の硬化剤、特にアミン性硬化剤を、共硬化剤として含んでよい。
【0027】
本発明の組成物は、硬化物品を製造するための注型樹脂として極めて一般的に用いることができ、また特定の用途に適合する配合物として、例えば接着剤として、マトリクス樹脂として、工具材樹脂として、或いは被覆材料として用いることができる。
【0028】
本発明の付加物は、濡れたコンクリートに対する被覆材料としての用途に特に好適である。
【実施例】
【0029】
イミダゾール基を有するポリアミノアミドの調製
ポリエチレンポリアミンを反応容器に充填し、撹拌しながら約60℃に加熱した。60〜100℃において脂肪酸を60分かけて連続的に加えた。添加が終了したら反応混合物を260℃に加熱し、生成した反応水を蒸留によって除去した。温度を2時間保持した。次に、生成物を室温に冷却した。この方法によって調製されたイミダゾリン基を有するポリアミノアミドの特性を表1に示す。
【0030】
【表1】

注:
(1)PEPA=ポリエチレンポリアミン
PEHA=ペンタエチレンヘキサミン
TEPA=テトラエチレンペンタミン
TETA=トリエチレンテトラミン
(2)TFA=トール油脂肪酸
LA=リノレン酸
(3)AN=アミン価
(4)NHE=アミン水素当量

付加物の調製
イミダゾール基を有する実施例1〜5のポリアミノアミドを反応容器に充填し約60℃に加熱した。60〜90℃において単官能性芳香族エポキシドを約60分かけて加えた。60〜80℃で撹拌を60分間継続して反応を完了させた。このようにして得られたポリアミノアミド付加物90%を、それぞれ、促進剤HY960−1(トリスジメチルアミノメチルフェノール)10%と混合した。
【0031】
この方法で得られた促進付加物の特性を表2に示す。
【0032】
【表2】

注:
(1)IAPAA=イミダゾール含有ポリアミノアミドの実施例
(2)エポキシド:
エポキシドA=フェニルグリシジルエーテル(エポキシド当量(EPE)=約165)
エポキシドB=クレシルグリシジルエーテル(EPE=約180)
エポキシドC=ブチルフェノールグリシジルエーテル(EPE=約220)
(3)Aradur 140=二量体化脂肪酸及びトリエチレンテトラミンから形成されたポリアミノアミド
Aradur 48=ベンジルアルコール中ポリアミン付加物
Aradur 450S=ベンジルアルコール中促進ポリアミノアミド付加物

使用例
表2に示されたイミダゾリン基を有するポリアミノアミド/ポリアミノアミド付加物を、エポキシ樹脂Araldite GY783(単官能性脂肪族反応性希釈剤で変性したビスフェノールA/Fジグリシジルエーテル、エポキシド当量約190、ハンツマン製)と、当量で均一に撹拌し、濡れたコンクリートに対する接着性を試験した。
【0033】
濡れたコンクリートへの接着性(引張り接着強度試験)
下記に説明する引張り接着強度(TAS)を測定するための実験装備は、現場での条件に最も近似し且つ現実的にシミュレートするために、特に濡れた基材に適用するように設計した。
【0034】
調製
市販のコンクリート舗装スラブをサンドブラストした。次にコンクリートスラブを10℃の水道水中に完全に浸した(最低24時間)。別にバインダー成分を10℃で保存した。
【0035】
下塗り/保存
コンクリートプレートを取り出し、柔らかい布を用いて過剰の水を除去した。下塗り操作(対応するバインダー及びMR)によってコンクリートスラブの底面及び側面を覆った。続いて10℃の水道水中で7日間保存した。
【0036】
試験
7日目に、下塗りされたコンクリートスラブを室温(RT)で手短に取り出し、TASダイを取り付けるための穿孔(ドリリング)及び予備処理(被膜の粗面化及び洗浄)を行った。TASダイ(コンクリートスラブあたり4個)を取り付け固定した。TASダイを接着するためのバインダーは、Araldite GY250 BD/Euredur 46S + 4%Aerosil R202であった。
【0037】
次に、スラブを直ちに水道水中10℃で再び保存した(持続時間=20〜24時間)。引張り接着強度をTAS装置(100N/sの力上昇度を有するHerionモデル)によって試験した。破壊パターン(コンクリート破壊/接着破壊)を評価し、コンクリート基材のTAS結果を記録した。
【0038】
【表3】

Ex=実施例;CF=コンクリートでの破壊;AF=接着領域での破壊;
SH=構造物/水和物形成、1=水和物形成なし、2=水和物形成小、3=水和物形成中程度、4=水和物形成大、5=水和物形成最大
使用例
硬化速度及び処理寿命(ポットライフ)
【0039】
【表4】

(1)Araldite GY783は、C12/C14グリシジルエーテルで変性され、約1000mPa・s(23℃)の粘度及び約190のエポキシド当量を有するビスフェノールA/ビスフェノールF樹脂ブレンドである
(2)MR=混合比:Araldite GY783 100gあたりの硬化剤(g)
(3)n.m.=軟度が過大なため測定不能
結果の議論
本発明の硬化性組成物の被覆は、全て、大多数がコンクリート破壊を示した。これらはしたがって好適であると分類することができた。
【0040】
更に、濡れたコンクリートに対する著しい接着性と、極めて良好なレベルの表面領域の品質が観察された。
【0041】
これに関連して、構造物/水和物形成に対する抵抗性について特に言及することができる。これらの特性は、必要な湿潤適合性に加えて、同様に層間接着の大きな役割を果たすからである。
【0042】
本発明の硬化性組成物の硬化速度は10℃で極めて高く、その一方で処理寿命は比較的長い。実際、本発明の実施例とAradur 450Sで示される比較例とを直接比較すると、より長いポットライフと共により速い硬化速度が観察される。この種の硬化挙動は実施上望ましい。それは、一方では処理業者は硬化性混合物を適用する十分な時間を有しているが、他方では例えば被覆部門では被覆は迅速に行う可能性があるからである。この結果は予測できないものであった。より速い硬化速度では、比較的短い処理寿命が予測されていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)
(a1)イミダゾリン基を有し、(a1−1)分子内に3以上の窒素原子を有するポリエチレンポリアミン及び(a1−2)単官能性脂肪酸から調製されるポリアミノアミドを
(a2)単官能性芳香族エポキシド化合物
と反応させることによって得られるポリアミノアミド付加物
からなるエポキシ樹脂用硬化剤。
【請求項2】
成分(a1−1)が、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及び/又はペンタエチレンヘキサミンから選択される請求項1に記載の硬化剤。
【請求項3】
成分(a1−2)が、少なくとも8個の炭素原子を有する脂肪酸である請求項1に記載の硬化剤。
【請求項4】
成分(a1−2)が、少なくとも14個の炭素原子を有する不飽和モノマー脂肪酸である請求項3に記載の硬化剤。
【請求項5】
ポリエチレンポリアミン(a1−1)1モルを脂肪酸(a1−2)1.0〜1.5モルと反応させる請求項1に記載の硬化剤。
【請求項6】
ポリアミノアミド付加物(A)を形成する反応において、成分(a1)1モルあたり0.01〜2、好ましくは0.2〜1.2エポキシド当量の成分(a2)を存在させる請求項1に記載の硬化剤。
【請求項7】
エポキシド化合物(a2)が、フェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル又はブチルフェノールグリシジルエーテルである請求項1に記載の硬化剤。
【請求項8】
エポキシド化合物、請求項1に記載の硬化剤、及び場合により助剤並びに添加剤を含む硬化性組成物。
【請求項9】
エポキシド化合物がビスフェノールグリシジルエーテル又はエポキシノボラックである請求項8に記載の硬化性組成物。
【請求項10】
エポキシド化合物が反応性希釈剤によって希釈されている請求項8に記載の硬化性組成物。
【請求項11】
接着剤、マトリクス樹脂、工具材樹脂又は被覆材料としての請求項8に記載の硬化性組成物の使用。
【請求項12】
請求項8に記載の組成物を硬化させることによって得られる硬化物品。

【公表番号】特表2008−503628(P2008−503628A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517285(P2007−517285)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052856
【国際公開番号】WO2005/123801
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(504177804)ハンツマン・アドヴァンスト・マテリアルズ・(スイッツランド)・ゲーエムベーハー (43)
【Fターム(参考)】