説明

ポリイソシアネート組成物

ポリイソシアネート、ハロゲン化リチウム、およびウレア化合物を含み、イソシアネート当量当たりのハロゲン化リチウムのモル数が0.0001〜0.04の範囲であって、イソシアネート当量当たりの[ウレア+ビウレット]当量数が0.0001〜0.4の範囲である、ポリイソシアネート組成物。このような組成物の製造方法。このポリイソシアネート組成物とエポキシ樹脂とを含む硬化性組成物。この硬化性組成物から製造されるポリイソシアヌレート。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリイソシアネート組成物、このような組成物の製造方法、本発明のポリイソシアネート組成物が使用される硬化性組成物、このような硬化性組成物の製造方法、このような硬化性組成物から製造される(もしくは得られる)ポリイソシアヌレート材料、およびこのようなポリイソシアヌレート材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、安定であるか又は周囲条件下にて長いポットライフを有していて、いったん活性化すると速やかに反応・硬化するポリイソシアネート組成物の開発に多くの研究が充てられてきた。エポキシ系やポリエステル系等の現行の系は、かなり高い温度にて数時間という硬化時間を必要とし、硬化後、応力亀裂と収縮を防止するために(特に、ポリエステル系の場合)冷却をゆっくりと行う必要がある。これら現行の系はさらに、紫外線硬化が施されても、これら系のある限定された薄い層しか影響を及ぼさないことが多いので、応用範囲が限定されている。
【0003】
驚くべきことに、特定のイソシアネート反応性化合物と共に、長いポットライフを有していて、いったん反応と硬化が始まると中温にて速やかに反応・硬化する硬化性組成物をもたらし、周囲温度にて安定である新規ポリイシソアネート組成物を本発明者らは見出した。硬化後、速やかに冷却を行うことができ、このとき応力亀裂及び/又は収縮がより少ない。
【0004】
したがって本発明は、ポリイソシアネート、ハロゲン化リチウム、およびウレア化合物を含むポリイソシアネート組成物に関し、ここでウレア化合物は、平均分子量が500〜15000であって、必要に応じてビウレット基を含み、イソシアネート当量当たりのハロゲン化リチウムのモル数が0.001〜0.04の範囲であり、イソシアネート当量当たりの[ウレア+ビウレット]当量数が0.0001〜0.4の範囲である。
【0005】
塩化リチウムとウレア基を含む化合物の使用が、Sheth、Aneja、およびWilkesによる「Polymer45(2004)5979-5984」に開示されている。彼らは、LiClを分子プローブとして使用して、3−セグメントモデルのポリウレタンオリゴマー(model tri-segment oligomeric polyurethanes)においてハードセグメント相の長距離の連結性とパーコレーション(percolation)を媒介する際の水素結合の程度の影響を調べた。
【0006】
米国特許第5,086,150号では、イソシアネート末端プレポリマーとジアミンとをかなり多量のLiClの存在下にて反応させて、少なくとも2日間にわたって安定なエラストマー溶液を作製する。反応の開始時において、イソシアネート当量当たりの塩化リチウムのモル数はかなり高く、塩化リチウムは、可溶化剤として作用するように使用される。反応の開始時においては、組成物は安定ではなくて、ウレアを含有せず、そして反応の終了時においては、組成物はエラストマーであって、もはやイソシアネート組成物ではない。得られる生成物は、糸やフィルムを製造するために使用されるエラストマー溶液である。
【0007】
本発明のポリイソシアネート組成物は、エポキシ化合物と一緒にした形の硬化性組成物を製造するのに極めて適している。
イソシアネートとエポキシドをLiClと一緒に使用することが「Russian Chemical Reviews 52(6)1983,576-593」開示されている。反応は、触媒の性質によって影響を受ける。金属ハロゲン化物の存在下にて活性化錯体が形成され、この錯体は、最終的にはオキサゾリドンを生成する。副反応の1つがイソシアヌレート環の形成であり、イソシアヌレート環は、エポキシドで処理すると分解してオキサゾリドンを生成する。さらに、該文献にはさらに、エポキシドはウレア結合を開裂することができ、このときオキサゾリドンの形成を伴う、ということが開示されている。
【0008】
米国特許第4,658,007号は、有機アンチモンヨウ化物触媒を使用してポリイソシアネートとポリエポキシドとを反応させることによって、オキサゾリドン含有ポリマーを製造する方法を開示している。
【0009】
米国特許第5,326,833号は、ポリイソシアネート;エポキシド;およびハロゲン化アルカリ(LiCl等)のポリオキシアルキレン化合物溶液からなる触媒;を含む組成物を開示している。これらの組成物は、0℃〜70℃の温度で速やかにゲル化することができる。
【0010】
Juanらは、「Journal of East China University of Science and Technology Vol.32,No11,2006,1293-1294」において、ポリウレタン−ウレアのモルホロジー構造と特性に及ぼすLiClの影響を説明している。ポリウレタンウレア溶液の粘度が、初めは低下し、その後に上昇する、ということを該文献は示している。ポリウレタンウレアは、ポリエポキシプロパングリコールおよびイソホロンジイソシアネートと過剰のポリイソシアネートとを反応させることによって製造された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5,086,150号
【特許文献2】米国特許第4,658,007号
【特許文献3】米国特許第5,326,833号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Polymer45(2004)5979-5984
【非特許文献2】Russian Chemical Reviews 52(6)1983,576-593
【非特許文献3】Journal of East China University of Science and Technology Vol.32,No11,2006,1293-1294
【発明の概要】
【0013】
本発明の文脈においては、以下の用語は下記のような意味を有する。
(1)イソシアネートインデックスまたはNCOインデックスまたはインデックス
配合物中に存在するイソシアネート反応性水素原子に対するNCO基の比であり、百分率として表示される。
[NCO]×100/[活性水素] (%)
つまり、NCOインデックスは、配合物中に使用されるイソシアネート反応性水素の量と反応させるのに理論的に必要とされるイソシアネートの量に対する、配合物中に実際に使用されるイソシアネートのパーセント値を表わす。
【0014】
留意しておかねばならないことは、本明細書で使用されているイソシアネートインデックスという用語は、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分とが組み込まれた材料を製造する実際の重合プロセスの観点から考えられている、という点である。変性ポリイソシアネート(当業界においてプレポリマーと呼ばれているイソシアネート誘導体を含む)を得るための予備段階において消費される任意のイソシアネート基、あるいは予備段階(例えば、変性ポリオールや変性ポリアミンを得るためにイソシアネートと反応させる)において消費される任意の活性水素は、イソシアネートインデックスの算出に際して考慮に入れない。遊離のイソシアネート基と遊離のイソシアネート反応性水素(水が使用される場合は、水の反応性水素を含める)だけを考慮に入れる。
【0015】
(2)イソシアネートインデックスを算出する目的で本明細書で使用されている「イソシアネート反応性水素原子」という用語は、反応性組成物中に存在するヒドロキシル基とアミン基における活性水素原子の合計を表わしており、このことは、実際の重合プロセスにおけるイソシアネートインデックスを算出する上で、1つのヒドロキシル基が1つの反応性水素を含むものとみなし、1つの第一アミン基が1つの反応性水素を含むものとみなし、そして1つの水分子が2つの活性水素を含むものとみなす、ということを意味している。
【0016】
(3)反応系: ポリイソシアネートが、イソシアネート反応性成分とは別の1つ以上の容器中に保持される、という形の成分の組み合わせ。
(4)「平均公称ヒドロキシル官能価」(手短に言えば「官能価」)という用語は、数平均官能価が、ポリオールまたはポリオール組成物の製造において使用される開始剤の数平均官能価(1分子当たりの活性水素原子の数)であると仮定して、ポリオールまたはポリオール組成物の数平均官能価(1分子当たりのヒドロキシル基の数)を示すために使用される。しかしながら、幾らかの末端不飽和が存在するので、実際の数平均官能価は、若干はより低いことが多い。
【0017】
(5)「平均」という言葉は、特に明記しない限り数平均を表わす。
本発明のポリイソシアネート組成物を製造するのに使用されるポリイソシアネートは、脂肪族ポリイソシアネートおよび好ましくは芳香族ポリイソシアネートから選択することができる。好ましい脂肪族ポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート、およびシクロヘキサンジイソシアネートであり、好ましい芳香族ポリイソシアネートは、トルエンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、特にメチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)とメチレンジフェニルジイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物(例えば、いわゆるポリメリックMDI、クルードMDI、ウレトンイミン変性MDI、および、MDIとMDIを含むポリイソシアネートから製造される、遊離イソシアネート基を有するプレポリマー等)、およびこのようなポリイソシアネートの混合物である。MDIとMDIを含むポリイソシアネート組成物が最も好ましく、1)少なくとも35重量%(好ましくは少なくとも60重量%)の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)を含むジフェニルメタンジイソシアネート;2)ポリイソアネート1)のカルボジイミド修飾変性体及び/又はウレトンイミン修飾変性体、該変性体は20重量%以上のNCO値を有する;3)ポリイソシアネート1)及び/又は2)のウレタン修飾変性体、該変性体は、20重量%以上のNCO値を有し、過剰のポリイソシアネート1)及び/又は2)と、2〜4の平均公称ヒドロキシル官能価と多くても1000の平均分子量を有するポリオールとの反応生成物である;4)3つ以上のイソシアネート基を有する同族体を含むジフェニルメタンジイソシアネート;5)5〜30重量%のNCO値を有し、ポリイソシアネート1)〜4)のいずれか1つ以上と、2〜4の平均公称ヒドロキシル官能価と1000〜8000の平均分子量を有するポリオールとの反応生成物であるプレポリマー;および6)上記ポリイソシアネートのいずれかの混合物;から選択されるものが特に好ましい。
【0018】
ポリイソシアネート1)は、少なくとも35重量%の4,4’−MDIを含む。このようなポリイソシアネートは当業界に公知であり、ピュア4,4’−MDIおよび4,4’−MDIと2,4’−MDIと2,2’−MDIとの異性体混合物を含む。留意しておかなければならないことは、異性体混合物中の2,2’−MDIの量は、どちらかと言えば不純物レベルであり、一般には2重量%より少なく、残部は4,4’−MDIと2,4’−MDIである、という点である。これらのポリイソシアネートは当業界に公知であって市販されている;例えば、Huntsman社から市販のSuprasec(登録商標)MPRと1306〔Suprasecは、1つ以上の国(全ての国というわけではないが)に登録されている、Huntsman社もしくはその関連会社の商標である〕。
【0019】
上記ポリイソシアネート1)のカルボジイミド修飾変性体及び/又はウレトンイミン修飾変性体も当業界に公知であって市販されている〔例えば、Huntsman社から市販のSuprasec(登録商標)2020〕。上記ポリイソシアネート1)のウレタン修飾変性体も当業界に公知である(例えば、「The ICI Polyurethanes Book by G.Woods 1990,第2版,32-35頁」を参照)。
【0020】
ポリイソシアネート4)も広く知られていて市販されている。これらのポリイソシアネートはしばしば、クルードMDIまたはポリメリックMDIと呼ばれる。例えば、Huntsman社から市販のSuprasec(登録商標)2185、Suprasec(登録商標)5025、およびSuprasec(登録商標)DNRなどがある。
【0021】
プレポリマー(ポリイソシアネート5))も広く知られていて市販されている。例えば、Suprasec(登録商標)2054とSuprasec(登録商標)2061(どちらもHuntsman社から市販)などがある。
【0022】
上記ポリイソシアネートの混合物も使用することができる(例えば、「The ICI Polyurethanes Book by G.Woods 1990,第2版,32-35頁」を参照)。このような市販ポリイソシアネートの例としては、Suprasec(登録商標)2021(Huntsman社から市販)がある。
【0023】
本発明のポリイソシアネート組成物中に使用されるハロゲン化リチウムは、イソシアネート当量当たり0.00015〜0.025モル(最も好ましくは0.0005〜0.02モル)の量にて使用するのが好ましく、塩化リチウムと臭化リチウムから選択するのが好ましい。最も好ましいのは塩化リチウムである。
【0024】
本発明のポリイソシアネート組成物中に使用されるウレア化合物は、[ウレア当量+ビウレット当量]の数が、イソシアネート当量当たり0.001〜0.2(最も好ましくは0.001〜0.05)となるような量にて使用するのが好ましい。ハロゲン化リチウム1モル当たりの、ポリイソシアネート組成物中のウレア化合物における[ウレア当量+ビウレット当量]の数は、0.5〜60の範囲であるのが好ましく、0.5〜30の範囲であるのが最も好ましい。ウレア化合物は、他のイソシアネート反応性基(すなわち、ウレア基以外の反応性基)を含んではならない。
【0025】
本発明のポリイソシアネート組成物中に使用されるウレア化合物は、500〜15000(好ましくは600〜10000、最も好ましくは800〜8000)の平均分子量を有する。このようなウレア化合物は、ポリイソシアネートとアミンを反応させることによって製造される。
【0026】
このようなウレア化合物を製造するのに使用されるポリイソシアネートは、上記のポリイソシアネートから選択することができる。上記した選択の好ましさは、ここでも当てはまる。ポリイソシアネート1)、ポリイソシアネート2)、およびこれらの混合物を使用するのが最も好ましい。本発明のポリイソシアネート組成物を製造するのに使用されるポリイソシアネート、およびウレア化合物を製造するのに使用されるポリイソシアネートは、同一であっても、異なっていてもよい。
【0027】
ウレア化合物を製造するのに使用されるアミンは、モノアミンであっても、ポリアミンであってもよい。モノアミン(必要に応じて少量のポリアミンを含む)を使用するのが好ましい。このような混合物の平均アミン官能価は、1.2以下であるのが好ましい。モノアミンのみを使用するのが最も好ましい。このようなアミンは第一アミンであるのが好ましい。
【0028】
アミンの分子量は、選択されたポリイソシアネートといったん反応すると、得られるウレア化合物の分子量が上記範囲内に入るような仕方で選択される。アミンの分子量は、一般には200〜7500の範囲であり、好ましくは200〜4500の範囲であり、最も好ましくは200〜3000の範囲である。
【0029】
アミンは、アミン末端炭化水素、アミン末端ポリエステル、アミン末端ポリエーテル、アミン末端ポリカプロラクトン、アミン末端ポリカーボネート、アミン末端ポリアミド、およびこれらの混合物等の、当業界に公知の化合物から選択することができる。最も好ましいのはアミン末端ポリオキシアルキレンモノアミンであり、特にポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノアミンである。これらポリオキシアルキレンモノアミン中のオキシプロピレン含量は、該モノアミン分子の総重量を基準として少なくとも50重量%であり、好ましくは少なくとも75重量%である。ポリオキシアルキレンモノアミンは、ポリマー鎖の一方の端部にモノアルキル基を有するのが好ましく、このときアルキル基は1〜8個(好ましくは1〜4個)の炭素原子を有する。このようなモノアミンは当業界に公知である。これらは、1〜8個の炭素原子を有するアルキルモノアルコールをアルコキシル化し、引き続きポリオキシアルキレンモノオールをモノアミンに転化させることによって製造される。このようなモノアミンは市販されている。例えば、Jeffamine(登録商標)M−600とM−2005があり、どちらもHuntsman社から市販されている〔Jeffamineは、Huntsman社もしくはその関連会社の商標である:全ての国というわけではないが1つ以上の国に登録されている〕。モノアミンの混合物も使用することができる。
【0030】
上記の点を考慮して、本発明のポリイソシアネート組成物中に使用される最も好ましいウレア化合物は、メチレンジフェニルジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートを含むポリイソシアネート、もしくはこれらポリイソシアネートの混合物と、ポリオキシアルキレンモノアミン(オキシプロピレン基を、該モノアミン分子の総重量を基準として少なくとも75重量%の量にて含み、200〜3000の平均分子量を有する;ここで該アミンは第一アミンである)とを反応させることによって得られるウレア化合物である。
【0031】
ポリイソシアネートとモノアミンとを合わせ、ミキシングして反応させる。反応は発熱反応であり、したがって加熱及び/又は触媒を必要としないけれども、都合がよいと考えられる場合は、加熱及び/又は触媒を利用してもよい。例えば、ポリイソシアネート及び/又はモノアミンを40〜60℃に予熱してからミキシングするのが好都合である。ミキシング後、副反応(例えばビウレットの形成等)を防止するために、反応混合物の温度を80℃未満に保持するのが好ましい。全てのアミンを確実に反応させるために、若干過剰のポリイソシアネートを使用してよい(従って101〜110のインデックスで反応を行うのが好ましい)。長くても1時間後にて、反応は完了したとみなすことができ、このウレア化合物は、本発明のポリイソシアネートを製造するのにいつでも使用できる状態にある。
【0032】
ウレア化合物を製造する際には若干過剰のポリイソシアネートが使用され、そして次の工程においてはウレア化合物が比較多量のポリイソシアネートに加えられるので、ウレア基の一部がビウレット基に転化されることがある。反応温度と後続するミキシング工程の温度を制御することにより、こうしたビウレットの形成をできるだけ防止する。ビウレット基に転化されるウレア基の数は、一般には25%未満であり、好ましくは10%未満である。
【0033】
本発明はさらに、ポリイソシアネートとウレア化合物とハロゲン化リチウムとを、周囲条件下にて又は高温(例えば40〜70℃)にて任意の順序で混合することによって、本発明のポリイソシアネート組成物を製造する方法に関する。ハロゲン化リチウムはウレア化合物とプレミックスするのが好ましく、引き続きこの混合物をポリイソシアネートに加えて混合する。ハロゲン化リチウムとウレア化合物とを混合する前に、ハロゲン化リチウムを溶媒〔例えばアルコール(例えば、メタノールやエタノール)等の有機溶媒〕中に溶解させるのが好都合である。次いで、溶解したハロゲン化リチウムをウレア化合物に加える。引き続き、必要であれば溶媒を蒸発除去することができる。予備混合と混合は、周囲条件下にて又は高温(例えば40〜70℃)にて行い、通常の撹拌によって行う。ポリイソシアネート、ウレア化合物、およびハロゲン化リチウムの相対的な量は、本発明の最終的なポリイソシアネート組成物が、イソシアネート基、ウレア基、およびハロゲン化リチウムに関して、前述したような相対量を有するような仕方で選定される。任意の理論で拘束されるつもりはないが、ハロゲン化リチウムは、いわゆる二座錯体としてウレア基と錯形成した状態の解離形にて存在すると考えられる。
【0034】
本発明のポリイソシアネート組成物は、エポキシ樹脂と一緒にした形の硬化性組成物を製造するのに使用することができる。
したがって本発明はさらに、本発明のポリイソシアネート組成物とエポキシ樹脂とを含む硬化性組成物に関し、ここでエポキシ樹脂の量は、イソシアネート当量当たりのエポキシ当量の数が0.003〜1(好ましくは0.003〜0.5、最も好ましくは0.005〜0.25)の範囲となるような量である。
【0035】
基本的には、エポキシ樹脂技術において一般的であって、室温にて液体であるエポキシ樹脂は全て、本発明の硬化性組成物を製造する際に使用することができる。さらに、室温にて液体である、エホキシ樹脂の混合物も使用することができる。本発明の文脈においては、室温は20〜25℃の温度を意味する。
【0036】
エポキシ樹脂の例は以下のとおりである:
(I)分子中に少なくとも2つのカルボキシル基を有する化合物と、それぞれ、エピクロロヒドリンまたはβ−メチルエピクロロヒドリンとを反応させることにより得ることができるポリグリシジルエステルおよびポリ(β−メチルグリシジル)エステル。この反応は、塩基の存在下にて行うのが適切である。
【0037】
脂肪族ポリカルボン酸を、分子中に少なくとも2つのカルボキシル基を有する化合物として使用することができる。このようなポリカルボン酸の例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、二量化リノール酸、および三量化リノール酸などがある。
【0038】
しかしながら、例えばテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、または4−メチルヘキサヒドロフタル酸等の脂環式ポリカルボン酸も使用することができる。
【0039】
さらに、例えばフタル酸、イソフタル酸、またはテレフタル酸も使用することができる。
(II)少なくとも2つの遊離のアルコール性ヒドロキシル基及び/又はフェノール性ヒドロキシル基を有する化合物と、エピクロロヒドリンまたはβ−メチルエピクロロドリンとを、アルカリ性条件下にて反応させることによって、あるいは酸性触媒存在下にて反応させて、引き続きアルカリで処理することにより得ることができるポリグリシジルエーテルおよびポリ(β−メチルグリシジル)エーテル。
【0040】
このタイプのグリシジルエーテルは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、より高級のポリ(オキシエチレン)グリコール、プロパン−1,2−ジオール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ヘキサン−2,4,6−トリオール、グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、またはソルビトール等の非環式アルコールから、あるいはポリエピクロロヒドリンから誘導される。このタイプのさらなるグリシジルエーテルは、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等の脂環式アルコールから、あるいはN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリンやp,p’−ビス(2−ヒドロキシエチルアミノ)−ジフェニルメタン等の、芳香族基及び/又はさらなる官能基を含むアルコールから誘導される。
【0041】
また、グリシジルエーテルはさらに、例えばp−tert−ブチルフェノール、レゾルシノール、またはヒドロキノン等の単核フェノール、あるいは、例えばビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、または2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン等の多核フェノールをベースにすることができる。
【0042】
グリシジルエーテルを製造するためのさらなる好適なヒドロキシ化合物は、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロラール、またはフルフラルデヒド)と未置換であるか又は塩素原子もしくはC−C−アルキル基で置換されたフェノール類もしくはビスフェノール類(例えば、フェノール、4−クロロフェノール、2−メチルフェノール、または4−tert−ブチルフェノール)との縮合反応によって得られるノボラックである。
【0043】
(III)エピクロロヒドリンと少なくとも2つのアミン水素を有するアミンとの反応生成物の脱塩化水素により得ることができるポリ(N−グリシジル)化合物。こうしたアミンとしては、例えば、アニリン、n−ブチルアミン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、m−キシレンジアミン、またはビス(4−メチルアミノフェニル)メタンなどがある。
【0044】
ポリ(N−グリシジル)化合物としてはさらに、トリグリシジルイソシアヌレート、シクロアルキレンウレア(例えば、エチレンウレアや1,3−プロピレンウレア)のN,N’−ジグリシジル誘導体、およびヒダントイン(例えば5,5−ジメチルヒダントイン)のジグリシジル誘導体などがある。
【0045】
(IV)ジチオール〔例えば、エタン−1,2−ジチオールやビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテル〕から誘導されるポリ(S−グリシジル)化合物(例えばジ−S−グリシジル誘導体)。
【0046】
(V)脂環式エポキシ樹脂〔例えば、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、2,3−エポキシシクロペンチルグリシジルエーテル、1,2−ビス(2,3−エポキシシクロペンチルオキシ)エタン、または3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート〕。
【0047】
また、1,2−エポキシ基が、異なるヘテロ原子や官能基に結合した形のエポキシ樹脂を使用することができる。これらの化合物としては、例えば、4−アミノフェノールのN,N,O−トリグリシジル誘導体、サリチル酸のグリシジルエーテル−グリシジルエステル、N−グリシジル−N’−(2−グリシジルオキシプロピル)−5,5−ジメチルヒダントイン、または2−グリシジルオキシ−1,3−ビス(5,5−ジメチル−1−グリシジルヒダントイン−3−イル)プロパンなどがある。
【0048】
特に好ましいのはIとIIに記載のエポキシ樹脂であり、最も好ましいのはIIに記載のエポキシ樹脂である。
本発明はさらに、本発明のポリイソシアネート組成物とエポキシ樹脂とを混合することによって本発明の硬化性組成物を製造する方法に関し、ここでエポキシ樹脂の量は、イソシアネート当量当たりのエポキシ当量の数が0.003〜1の範囲となるような量である。ミキシングは、周囲条件下にて行うのが好ましい。
【0049】
このようにして得られる硬化性組成物は、周囲条件下において、そしてさらにはより低い温度においても良好な安定性を有する。硬化性組成物は、それを反応させることによってポリイソシアヌレート材料を製造するのに使用される。したがって本発明はさらに、本発明の硬化性組成物を反応させることによって製造されたポリイソシアヌレート材料、本発明の硬化性組成物を反応させることによって得ることができるポリイソシアヌレート材料、および本発明の硬化性組成物を反応させることによってこれらのポリイソシアヌレート材料を製造する方法に関する。熱を加えることによって〔例えば、硬化性組成物を50℃以上に(好ましくは80℃以上に)加熱することによって〕反応の開始を促進することができる。次いで、硬化性組成物が速やかに硬化しつつ(いわゆるスナップ硬化)、温度がさらに上昇する(この反応は発熱反応である)。
【0050】
硬化する前に、硬化性組成物を金型中に供給して特定の形状物を得たり、ある物体のキャビティ中に供給して該物体にポリイソシアヌレートのインテリアをもたらしたり、または表面上に供給してポリイソシアネートのカバーを有する表面を得たりすることもできるし;あるいは硬化性組成物をある物体(特にパイプ)の内面及び/又は外面に施すことによって、該物体(特にパイプ)を修復することもできるし(このようなパイプ修復の実施例が、米国特許第4,009,063号、第4,366,012号、および第4,622,196号に説明されている);あるいは硬化性組成物を使用して、WO2007/096216に開示されているように材料を結びつけることもできる。
【0051】
硬化性組成物を硬化させる前に、硬化性組成物または硬化性組成物の成分に添加剤を加えることができる。添加剤の例としては、ポリオール、他の触媒、発泡剤、界面活性剤、水スカベンジャー〔例えばアルキルオルトホルメート(特にトリイソプロピルオルトホルメート)〕、抗菌剤、難燃剤、防煙剤、紫外線安定剤、着色剤、可塑剤、内部離型剤、レオロジー改質剤、湿潤剤、分散剤、および充填剤などがある。ポリオールが使用される場合、ポリオールは、硬化性組成物のインデックスが150以上(好ましくは300以上)のままとなるような量にて使用される。
【0052】
必要に応じて、本発明のポリイソシヌレート材料を後硬化処理に付すことができる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明する。
【実施例】
【0053】
使用した化学物質
(Jeffamine M-600) 約560の分子量と約9/1のオキシプロピレン/オキシエチレン比を有する単官能ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン第一アミン。Huntsman社から市販されている。以下の実施例ではM−600と呼ぶ。
【0054】
(Jeffamine M-2005) 約2000の分子量と29/6のオキシプロピレン(PO)/オキシエチレン(EO)比を有する単官能ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン第一アミン。Huntsman社から市販されている。以下の実施例ではM−2005と呼ぶ。
【0055】
(Jeffamine M-2070) 分子量はM−2005と同等であるが、10/33のPO/EO比を有する。以下の実施例ではM−2070と呼ぶ。
(Surfonamine L-100) 約1000の分子量と3/19のPO/EO比を有する単官能ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン第一アミン。Huntsman社から市販されている。以下の実施例ではL−100と呼ぶ。Surfonamineは、Huntsman社もしくはその関連会社の商標であり、全てではないが1つ以上の国に登録されている。
【0056】
(Suprasec 1306ポリイソシアネート) Huntsman社から市販の4,4’−MDI。以下の実施例ではS1606と呼ぶ。
(Suprasec 2020ポリイソシアネート) Huntsman社から市販のウレトンイミン変性ポリイソシアネート。以下の実施例ではS2020と呼ぶ。
【0057】
(Suprasec 5025ポリイソシアネート) Huntsman社から市販のポリメリックMDI。以下の実施例ではS5025と呼ぶ。
(Alcupol R1610) Repsol社から市販。以下の実施例ではR1610と呼ぶ。
【0058】
(Daltolac R200) Huntsman社から市販。DaltolacはHuntsman社もしくはその関連会社の商標であり、1つ以上の国(全てではないが)に登録されている。以下の実施例ではR200と呼ぶ。
【0059】
(Daltocel F526) Huntsman社から市販のポリオキシエチレントリオール。分子量は約1300。DaltolacはHuntsman社もしくはその関連会社の商標であり、全てではないが1つ以上の国で登録されている。
【0060】
(Voranol P400) DOW社から市販のポリオール。
(Tegostab B8466) Evonik社から市販のシリコーン界面活性剤。
(SiOフィラー) Sibelco社から市販のMillisil M6000。
【0061】
(Araldite DY-Tエポキシド) Huntsman社から市販。トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル。以下の実施例ではDY−Tと呼ぶ。AralditeはHuntsman社もしくはその関連会社の商標であり、1つ以上の国(全てではないが)に登録されている。
【0062】
(Araldite DY-Pエポキシド) Huntsman社から市販。p−tert−ブチルフェノールのモノグリシジルエーテル。以下の実施例ではDY−Pと呼ぶ。
(Araldite DY-3601エポキシド) Huntsman社から市販。ポリオキシプロピレングリコールのジグリシジルエーテル。以下の実施例ではDY−3601と呼ぶ。
【0063】
(Araldite GY-783エポキシド) Huntsman社から市販。単官能の反応性希釈剤を含むビスフェノールA/F。以下の実施例ではGY−783と呼ぶ。
以下の実施例のいずれにおいても、ビウレットの形成は観察されなかった。
【0064】
実施例1
本発明のポリイソシアネート組成物の製造
あるモル数のアミン(50℃に保持)とあるモル数のポリイソシアネート1(これも50℃に保持)を混合し、ウレア化合物を形成するよう、撹拌しながら1時間反応させた。反応温度を80℃に保持した。ある量の塩を、撹拌しながらある量のエタノール中に溶解した。
【0065】
この溶液を、上記の作製されたウレア化合物(まだ80℃に保持)に加えた。撹拌を約15分続けた。相当量のエタノールを85〜95℃での蒸留にて除去した。このようにして得られたウレア/塩混合物の量を下記の表1に示す。使用したアミン、ポリイソシアネート1、および塩の量と種類、ならびに使用したエタノールの量も一緒に示す。
【0066】
ある量の調製されたウレア/塩混合物(約60℃の温度を有する)をある量のポリイソシアネート2に加え、本発明のポリイソシアネート組成物が得られるよう混合した。下記の表2に、使用した成分の量と書類、ならびに、イソシアネート当量当たりの[ウレア+ビウレット]当量数の比、イソシアネート当量当たりの塩のモル数の比、および塩1モル当たりの[ウレア+ビウレット]当量数の比を示す。重量部をpbwとして記す。
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
本発明の硬化性組成物およびポリイソシアヌレート材料の製造
表2の組成物とエポキシド(組成物)とを30秒混合し、目視検査によってポットライフを測定すべく室温にて静置した。ポットライフの測定後、本発明のポリイソシアヌレート材料が得られるよう硬化性組成物を反応させた。イソシアヌレート基の存在は、フーリエ変換赤外分光法(FTIRS)によって確認した。エポキシ組成物(使用する場合)は、ある種類のエポキシと単一ポリオールもしくは複数種のポリオールとを単純に混合することによって作製した。
【0070】
使用した成分、重量部表示での量、イソシアネート当量当たりのエポキシ当量数、インデックス、およびポットライフを表3に示す。
表の第1列において、A1は、ウレア化合物A(表1)とポリイソシアネートブレンド1を使用したことを、そしてF6は、ウレア化合物Fとポリイソシアネートブレンド6を使用したことを意味している。A9−8の場合は、ウレア化合物Aとポリイソシアネートブレンド9を使用して異なる実験を行った。
【0071】
【表3】

【0072】
実施例2
本発明のポリイソシアヌレートのさらなる製造
(1) 5重量部のVoranol P400、5重量部のDaltolac R200、6重量部のDY−T、および2重量部のトリイソプロピルオルトホルメートを混合した。この混合物を100重量部のポリイソシアネートブレンド1(表2)と混合し、金型中に注入し、80℃に保持されたオーブン中にて1時間キュアーした。TとE−モジュラス〔どちらも示差熱分析(differential mechanical thermal analysis)により測定〕は、166℃および2570Mpaであった。FTIRSによりイソシアヌレート基の存在が確認された。このポリイソシアヌレート材料(本発明による)は、パイプの修理に使用するのに適している。
【0073】
(2) 15重量部のAlcupol R1610、4重量部のDY−T、3重量部のトリイソプロピルオルトホルメート、および12重量部のSiOフィラーをミキシングした。この混合物を、95重量部のS2020と6重量部のウレア化合物A(表1)と1重量部のTegostab B8466との混合物に加え、ミキシングした。このようにして得られた混合物を金型中に注入し、80℃に保持されたオーブン中にてキュアーした。TとE−モジュラス(どちらも上記実験のように測定)は、267℃および2355Mpaであった。この優れた複合ポリイソシアヌレート材料中におけるイソシアヌレート基の存在は、FTIRSによって確認された。
【0074】
(3) 5重量部のウレア化合物Aと2重量部のトリイソプロピルオルトホルメートを使用して、そしてTegostab B8466とフィラーを使用せずに、実験2を繰り返した。得られたポリイソシアヌレート(FTIRSにより確認)のTは195℃であり、E−モジュラスは2475Mpaであった。この硬化性組成物は、樹脂注入成形(特に樹脂トランスファー成形)に好適であった。
【0075】
(4) Daltolac R200を使用せずに、そして4重量部のDY−Tと2.5重量部のトリイソプロピルオルトホルメートを使用して、実験1を繰り返した。得られたポリイソシアヌレート(FTIRSにより確認)のTは159℃であり、E−モジュラスは2800Mpaであった。この硬化性組成物は、パイプ修理の用途に特に好適であった。
【0076】
上記の実験は下記の比を有した:
【0077】
【表4】

【0078】
比較例
(1) 硬化性組成物A1を、ウレア化合物Aを使用せずに作製した。LiClを溶解するのにAlcupol R1610を使用した。この硬化性組成物のポットライフは1h20であった。この例におけるLiClの量は、硬化性組成物A1の場合と同じであった。
【0079】
(2) Suprasec2020(85重量部)とDaltocel F526(15重量部)を混合した。Daltocel F526は、ポリオールの重量を基準として0.24重量%の乳酸カリウムを含有した。インデックスは1763であり、ポットライフは2分であった。
【0080】
(3) 1モルのLiClと5重量部のウレア化合物(表1を参照)とを混合した。塩/NCOのモル比は約1.5であった。LiClをウレア化合物中に溶解させることはできなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイソシアネート、ハロゲン化リチウムおよびウレア化合物を含み、ウレア化合物が、500〜15000の平均分子量を有していて、必要に応じてビウレット基を含み、イソシアネート当量当たりのハロゲン化リチウムのモル数が0.0001〜0.04の範囲であって、イソシアネート当量当たりの[ウレア+ビウレット]の当量数が0.0001〜0.4の範囲である、ポリイソシアネート組成物。
【請求項2】
ウレア化合物がウレア基以外のイソシアネート反応性基を含まない、請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項3】
ポリイソシアネートが、メチレンジフェニルジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物、またはこのようなポリイソシアネートの混合物である、請求項1〜2に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項4】
ハロゲン化リチウムの量がイソシアネート当量当たり0.00015〜0.025モルである、請求項1〜3に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項5】
ハロゲン化リチウムが塩化リチウムである、請求項1〜4に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項6】
イソシアネート当量当たりの[ウレア+ビウレット]当量数が0.001〜0.2である、請求項1〜5に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項7】
ウレア化合物が、メチレンジフェニルジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物、またはこれらポリイソシアネートの混合物とポリオキシアルキレンモノアミンとを反応させることによって製造されていて、ここで該モノアミンが、オキシプロピレン基を、該モノアミンの総重量を基準として少なくとも50重量%の量にて含み、200〜3000の平均分子量を有していて第一アミンである、請求項1〜6に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項8】
ハロゲン化リチウム1モル当たりの[ウレア+ビウレット]当量数が0.5〜60である、請求項1〜7に記載のポリイソシアネート組成物。
【請求項9】
ポリイソシアネートとウレア化合物とハロゲン化リチウムとを混合することによる、請求項1〜8に記載のポリイソシアネート組成物を製造する方法。
【請求項10】
請求項1〜8に記載のポリイソシアネート組成物とエポキシ樹脂とを含み、ここでエポキシ樹脂の量が、イソシアネート当量当たりのエポキシ当量数が0.003〜1の範囲であるような量である硬化性組成物。
【請求項11】
エポキシ樹脂が室温で液体である、請求項10に記載の硬化性組成物。
【請求項12】
請求項1〜8に記載のポリイソシアネート組成物とエポキシ樹脂とを混合することによる、請求項10〜11に記載の硬化性組成物の製造方法であって、ここでエポキシ樹脂の量が、イソシアネート当量当たりのエポキシ当量数が0.003〜1の範囲であるような量である上記製造方法。
【請求項13】
請求項10〜11に記載の硬化性組成物を反応させることによって製造されたポリイソシアヌレート材料。
【請求項14】
請求項10〜11に記載の硬化性組成物を反応させることによって得られるポリイソシアヌレート材料。
【請求項15】
請求項10〜11に記載の硬化性組成物を反応させることによる、請求項13〜14に記載のポリイソシアヌレート材料の製造方法。

【公表番号】特表2012−524824(P2012−524824A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−506431(P2012−506431)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054492
【国際公開番号】WO2010/121898
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(500030150)ハンツマン・インターナショナル・エルエルシー (56)
【Fターム(参考)】