説明

ポリウレタンのゲル状弾性体

【目的】 人体の軟組織に近い物性を備え、人体擬似モデル、握力回復用リハビリ器具、医療用マットなどに好適に使用されるポリウレタンのゲル状弾性体を提供する。
【構成】 アルキレンオキサイド鎖を有するポリオール又は/及びアルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリオールプレポリマーと、アルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーとを反応させてなるポリウレタンのゲルに、ブロックイソシアネートで二次架橋してゲル状弾性体を構成する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人体擬似モデルや握力回復用リハビリ器具、手術用、褥瘡用などの医療用マット等、人体の軟組織に類似した弾力性を必要とする用途に用いるゲル状弾性体に関する。
【0002】
【従来の技術】アルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンゲルについては、本発明者らが既に多くの提案をしてきたが、従来のポリウレタンゲルはアルキレンオキサイド鎖を有するポリオール、ポリウレタンポリオールプレポリマーと、アルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーとを反応させたものであり、架橋構造のポリウレタンゲルであるにもかかわらず、尚、未解決の次のような問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のセグメントが常温で液状のアルキレンオキサイドからなるポリウレタンゲルは、OH/NCOの価の調整と、末端がアルキル鎖等で封鎖されたタングリング鎖の比率を変えることで、ゲルの粘弾性を変えるものであった。この場合、粘性の高いゲルは容易に得られるが、弾性回復はあまり良くない。従ってストレス後の回復が速い弾力性のよいゲルを要求される用途には不適当であった。OH/NCOを小さくして1.0に近づける方法やセグメントの長さを短くする方法が考えられるが、この方法では柔らかくて弾力性のあるゲルを得るには不十分であり、網目鎖濃度の高い場合には機械的に脆くなるという逆効果もある。そこで従来のセグメントが液状であるポリウレタンゲルのセグメントの網目鎖の内部に新たにポリウレタン鎖の網目鎖を貫入させるべポスト架橋することで弾性回復の良いゲル状弾性体を得ることを課題とするものであり、それにより、本発明の目的とする用途に使用できる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のポリウレタンのゲル状弾性体は、アルキレンオキサイド鎖を有するポリオール又は/及びアルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリオールプレポリマーと、アルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーとを反応させてなるポリウレタンのゲルに、ブロックイソシアネートで二次架橋することによって得られる。
【0005】本発明について更に具体的に説明すると、前記二次架橋させる前のポリウレタンゲルは、常温で液状のアルキレンオキサイドのセグメントにより構造化されたセグメントポリウレタンである一成分系のゲルであるが、これにブロックイソシアネートを混合して加熱することにより二次架橋することで、内部貫入型のネットワークポリマーを形成することにより、非常に弾性力に富み、且つ変形量の大きいゲル状弾性体を得ることができる。
【0006】このような弾力性に富むゲルは、下記構造式(1)〜(4)のポリエーテル成分の一種又は二種以上と、下記構造式(5)〜(8)のポリイソシアネート成分の一種又は二種以上、更に下記構造式(9)〜(10)のブロックイソシアネート成分を混合して反応させることによって得られる。
構造式(1)
【化1】


(但し、R1 ,R2 はアルキル化合物、脂環式化合物、芳香族化合物のいずれかであり、(AO)はアルキレンオキサイド鎖である。)
【0007】構造式(2)
【化2】


【0008】構造式(3)
【化3】


構造式(4)
【化4】


(但し、(AO)はアルキレンオキサイド鎖であり、Rは水素原子もしくはアルキル化合物、脂環式化合物、芳香族化合物のいずれかであり、lは1又は4の整数である。)
【0009】構造式(5)−1
【化5】


【0010】構造式(5)−2
【化6】


【0011】構造式(6)
【化7】


【0012】構造式(7)
【化8】


構造式(8)
【化9】


(但し、(AO)はアルキレンオキサイド鎖であり、Rはアルキル基、脂環式化合物、芳香族化合物のいずれかであり、lは1又は4の整数である。)
【0013】構造式(9)
【化10】


構造式(10)
【化11】


(但し、(AO)はアルキレンオキサイド鎖であり、Rはアルキル基、脂環式化合物、芳香族化合物のいずれかである。)
【0014】上記構造式(1)〜(4)のポリオールとしてのプレポリマーについて説明すると、構造式(1)はポリエーテルポリオールとジイソシアネートの反応物であるポリウレタンポリオールプレポリマーであり、両末端成分がポリエーテルポリオール、両末端が−OH基である。ここに使用されるジイソシアネート化合物は、後述するポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーの中のそれと同じものであり、例えばフェニレンジイソシアネート、2,2,4−トルイレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタリン1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、テトラメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添加TDI、水添加MDI、ジシクロヘキシルジメチルメタンp,p′−ジイソシアネート、ジエチルフマレートジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が任意に使用できる。
【0015】また、構造式(2)はグリセロール(l=1)又はソルビトール(l=4)にポリエーテルポリオールを付加したものである。
【0016】構造式(3)はトリメチロールプロパンにポリエーテルを付加したものであり、同様に下記構造式で示される1,2,6−ヘキサントリオールやトリメチロ−ルエタン、或はペンタエリスリットC(CH2OH)4 、或は下記構造式で示されるポリグリセリン(n=2〜30の正の整数)やその部分エステルなどの多価アルコールとポリエーテルポリオールの付加物も使用できる。
【0017】
【化12】


【化13】


【化14】


この場合、(AO)はホモポリマーであっても、ブロックコポリマー或はランダムコポリマーであってもよい。
【0018】構造式(4)はアルキレンオキサイド鎖を有するポリエーテルポリオールであり、両末端が−OH基の場合と、片末端がアルキル基、芳香族基などで封鎖されている場合があり、市販品として容易に入手できる。
【0019】次に、構造式(5)〜(8)のポリイソシアネートプレポリマーについて説明すると、構造式(5)−1はトリメチロールプロパンにジイソシアネートを反応させて得られるトリイソシアネートの2分子を(AO)の1分子で2量化した4官能のテトライソシアネートであり、このトリメチロールプロパンの代わりにグリセロールを用いたものが構造式(5)−2のポリイソシアネートプレポリマーである。この種のテトライソシアネートは、(AO)の2分子又は3分子とトリイソシアネートの2分子との反応では得られないので、(AO)の量を化学等量より少なくして反応を微妙に調節する必要がある。そのため未反応のトリイソシアネートが混在するが、これがポリオールと反応するとセグメントポリウレタン分子の大きさにバラツキが生じ、ゲル状弾性体の硬度をコントロールするのに都合の良い方へ作用することもある。
【0020】構造式(6)は構造式(2)のポリオールにジイソシアネートを反応させたもので、3官能か6官能であり、また構造式(7)は同様に構造式(3)のポリオールにジイソシアネートを反応させたもので、3官能である。構造式(8)はポリエーテルポリオールとジイソシアネートの反応物で2官能である。
【0021】次に構造式(9)〜(10)のブロックイソシアネートについて説明すると、構造式(9)はキシリレンジイソシアネート(XDI)にエタノールを反応させることでXDIのイソシアネートき活性をなくしたものである。構造式(10)はイソホロンジイソシアネート(IPDI)のイソシアネート基にエタノールを反応させてなるブロックイソシアネートである。
【0022】ここに使用されるブロックイソシアネート化合物は、ポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーの中のそれと同じもの、例えばフェニレンジイソシアネート、2,2,4−トルイレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタリン1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、テトラメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添加TDI、水添加MDI、ジシクロヘキシルジメチルメタンp,p′−ジイソシアネート、ジエチルフマレートジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等に、メタノール(CH3OH)、エタノール(C25OH)などの低級脂肪族アルコールを反応させてなるものであってもよい。この低級脂肪族アルコールによりブロックされたブロックイソシアネートの場合は、脱ブロックして貫入型のネットワークを形成した後に二次架橋反応温度で生成したもとの低級アルコールが蒸散し易いので都合がよい。また、脱ブロック温度はもとのゲルが熱変性するのをさけるために比較的低い方がよく、好ましくは100〜200℃のものが選ばれる。
【0023】上記構造式(1)〜(8)の(AO)で表記されるアルキレンオキサイド鎖はポリウレタンのゲル状体が常温で充分な屈曲性を有することを考慮すれば、アルキレンオキサイド鎖の殆どないし全てが常温で液体状態の化合物であることが望ましい。もしその殆どが固体であれば、セグメントの分子運動が少なく、系の構造化(ゲル化)の分散媒として働かないからである。
【0024】アルキレンオキサイド鎖を構成する化合物としては、例えばポリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール等を挙げることができるが、このうち常温で液状物質として入手しやすいものはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、低分子量のポリテトラメチレングリコールである。また、これらの共重合体、例えば下記構造式で表されるポリマーも使用できる。
【化15】


【化16】


(但し、l,m,nは1以上の整数である。)
【0025】これらの共重合体はブロックコポリマー、ランダムコポリマーのいずれであってもよい。また、一つのプレポリマー中のセグメントが異なった種類のアルキレンオキサイド鎖で構成されていてもよい。
【0026】アスカーF型硬度計による硬度が30〜80度で柔らかくて且つ弾力に富み屈曲性にも優れるポリウレタンのゲル状体を得るためには、アルキレンオキサイド鎖を構成する上記化合物の分子量を規制する必要がある。更にブロックイソシアネートの混合比をも規制する必要がある。構成するセグメントの分子量が低すぎる場合は、架橋密度が高くなるため、ポリウレタンゲル状体の硬度が上記範囲を上回り、柔軟性と屈曲性の非常に乏しいゲルになる。また、構成するセグメントの分子量が大きすぎる長鎖の場合は、長いセグメントの運動と末端の官能基の反応確率が低くなるためタングリング鎖の比率が高くなるので、理論量以上にイソシアネート、ブロックイソシアネートを配合してもポリウレタンのゲル状体の硬度が上記範囲を下回り、弾性回復の非常に乏しいゲルになる。
【0027】適当な分子量の範囲は、ポリエチレングリコールの場合150〜1000程度であり、より好ましくは300〜800程度である。また分子量が数万でも液状のポリプロピレングリコールやポリブチレングリコールの場合は使用範囲が広いが、上記の理由から200〜3000程度の分子量のものが好ましく使用される。また、ポリテトラメチレングリコールの場合は、重合度が大きいと固体となるので200〜1000程度、好ましくは400〜800程度の分子量のものが使用される。更に、これらの共重合体の場合は数百〜数千の分子量のものが使用される。
【0028】次に、ポリオール成分とポリイソシアネート成分の反応比について説明する。経験的に言えば、本発明を構成するポリウレタンゲル状弾性体は、比較的嵩高い構造の分子が適当な分子量を有し、且つ自由に運動可能なセグメント長、又は直鎖(linear)の末端が自由に動ける分子を適当に有することが必要である。従ってポリオールとポリイソシアネートは、各々が単一化合物であれば一方が2官能で、他の一方が3官能以上の化合物の組合わせである必要がある。どちらかが1官能であれば連鎖しないし、2官能同士では直鎖分子となり、適当でない。つまり、どちらか一方が2官能で他が3官能以上の多官能であるか、互いに3官能以上の組合わせが良い。但し、いずれもあまり官能数が大きすぎるもの同士の反応物は網目鎖濃度が高くなるので、ゲル化には長い液状のセグメントが必要になる。しかし、セグメントの長さには、反応の確率の問題から限度がある。ゲル状弾性体を得易い官能基数は2〜4の組合わせであり、殊に2官能と3官能の組合わせが配合上調節し易い。この場合、ゲル状弾性体の硬度その他の物性を微調節するために官能基が一つのものを内部分散媒効果を有するタングリング鎖を目的として使用できる。また、ポリオール、ポリイソシアネートプレポリマーの(AO)鎖がかなり長いものばかりの場合は、多官能の多価アルコール、又は多価イソシアネート(いずれも(AO)セグメントをもたないもの)を混用して網目鎖形態を調節することにより、ゲル状弾性体を得るように工夫してもよい。
【0029】ポリオールとポリイソシアネートの各々のプレポリマーの反応比は、末端の官能基の比率、すなわちOH/NCOの価によって規制できる。未反応の−NCOが残ると後反応が生じるので、OH/NCOは1以上でなければならない。
【0030】但し、本発明におけるゲル状体はブロックイソシアネートとポスト架橋させるために元のゲルのみを目的とした官能基比率より大きくすることができ、経験的にはOH/NCOが1.5〜5.0の範囲で選ばれる。
【0031】更に、ブロックイソシアネートの混合比について述べる。ブロックイソシアネートは加熱されることでイソシアネート基が再度活性を持ち、ポリオール成分と架橋する。この架橋により、望ましい弾性を持つゲル状体が得られる。つまり、イソシアネート基が活性を持った際に反応するポリオール成分が必要となることより、ブロックイソシアネートが二次架橋した後に得られたゲル状体のOH/NCO比が1以上でなければならない。しかし、あまりに多くのブロックイソシアネートを混合して反応させると、架橋密度が多くなり、硬度が高くなって柔軟性、屈曲性が乏しくなる。経験的には、初期反応ゲルの残存ポリオールのモル数の1/10〜3/4に相当するイソシアネートモル数のブロックイソシアネートを混合することで、望ましい硬度、弾性率、柔軟性、屈曲性を持つゲル状弾性体が得られた。
【0032】尚、ポリオールとポリイソシアネートの反応触媒として、例えばジブチル錫ジラウレートやトリアルキルアミン、トリエチレンジアミン等の第3級アミンを適量(およそ0.01〜1.0%)加えることで反応速度を調節してもよい。
【0033】
【作用】本発明のポリウレタンゲル状弾性体は、アルキレンオキサイド鎖を有するポリオール又は/及びアルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリオールプレポリマーと、アルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーとを反応させて得られるポリウレタンのゲル状体に、更にブロックイソシアネートを二次架橋して得られる内部貫入型の架橋体であるから、過度の架橋が起きないように架橋密度が調整でき、適度な弾性を有し、硬度も屈曲性も優れたものである。そして、それは人体の軟部組織の物性によく似ている。従って人体の擬似モデルはもとより、軽度の握力障害を持つ人から重度の人にまで使われるような多くの物性の対応ができる弾性体を提供でき、リハビリ器具として極めて有用なものとなる。また、該弾性体を、褥瘡の発生を抑えるためのマットなどに使用した場合、適度な柔らかさを有しているにもかかわらず、従来のようなもろさがないので長期使用しても形崩れが殆どない。また、市販品のように水分や油分のブリードアウトがない。さらに、本発明のゲル状弾性体のアルキレンオキサイド鎖の種類や分子量、またブロックイソシアネートの種類を調節することによって、アスカーF型硬度が30〜80度の範囲内で弾性率が30〜250kg/cm2 の範囲のものが得られ、このものは極めて望ましい柔軟性と弾性回復能を兼ね備えている。
【0034】
【実施例】
実施例1ポリプロピレングリコールの両端にポリエチレングリコールが結合したPEG−PPG−PEGブロック共重合体(モル比1:2:1、Mw:2200)を11モルと酸化防止剤1.1部のポリエーテルポリオールに対し、グリセリンにプロピレングリコールを付加し、更にキシリレンジイソシアネート(XDI)を反応したトリイソシアネート(Mw:1600)10モルおよび触媒としてジブチル錫ラウレート0.2部を加え、更にブロックイソシアネート(XDI−EtOH)を加えてよく攪拌した。
【0035】この混合物を減圧下に完全に脱泡して成形型内に入れ、60℃で一昼夜放置することにより、ポリウレタンゲルを得た。更にこのゲルを150℃のオーブン中に4時間放置し、ブロックイソシアネートを反応させて目的のポリウレタンのゲル状弾性体を得た。このものの最終のOH/NCO比は1.3である。
【0036】このゲル状弾性体の硬度は、ブロックイソシアネート反応前後を比較すると、硬度が60度から80度に、弾性率は90kg/cm2 から240kg/cm2になり、弾性回復力は大きく改良された。しかし、柔軟性、屈曲性は変化することなく優れた状態を保持したままであった。
実施例2
【0037】ポリエチレングリコール(Mw:600)を100重量部と酸化防止剤1部、グリセリンにポリプロピレングリコールを付加して、これにイソホロンジイソシアネートを反応させて得たトリイソシアネート(Mw:1564)を132重量部と、触媒としてジブチル錫ラウレートを0.1重量部加え、更にブロックイソシアネート(XDI−EtOH)を加えて混合し、実施例1と同様の方法でポリウレタンゲルを得た。更にこのゲルを160℃で5時間放置し、ブロックイソシアネートを反応させ、ポリウレタンゲル状弾性体を得た。このゲルの最終のOH/NCO比は1.5である。
【0038】このゲル状弾性体はブロックイソシアネート反応前後を比較すると、硬度は40度から114度に、弾性率は70kg/cm2 から260kg/cm2 にそれぞれ大きく改良された。屈曲性は損なわれることなく優れた状態を保持していた。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明のポリウレタンのゲル状弾性体は、従来のセグメントが液状のポリウレタンゲルのネットワークに新たな架橋体を貫入することにより、人体の軟組織に近い物性を備えた新しいゲルを提供し得るものであり、人体擬似モデルや握力回復用リハビリ器具、医療用マットなどに好適な材料である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】アルキレンオキサイド鎖を有するポリオール又は/及びアルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリオールプレポリマーと、アルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーとを反応させてなるポリウレタンのゲルに、ブロックイソシアネートで二次架橋したことを特徴とするポリウレタンのゲル状弾性体。