説明

ポリウレタンウレアエラストマー

本発明はポリウレタンウレア材料およびその製造方法に関する。該ポリウレタンウレアは、好ましくは光学的に明澄であって、(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートまたはそのプレポリマーと、2つの第1級アミン基を含有する1以上の芳香族ジアミンおよび脂肪族および芳香族部分に結合し得る2つの第2級アミン基を含有する1以上の化合物を含んでなるイソシアネート反応性成分との反応生成物を含んでなる。該イソシアネート反応性成分は、さらに1以上のヒドロキシル官能性化合物を含み得る。本発明は、固体ポリウレタンウレアを比較的短時間に離型させ、次いで鋳型の外で後硬化させることを可能にする、比較的早い「仮硬化時間」を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは光学的に明澄であるポリウレタンウレアエラストマー、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の光安定性キャストエラストマーおよび該エラストマーの製造方法は、当技術分野において既知であって、記載されている。例えば、米国特許3755262、3866242、4153777、4404353および4808690ならびに独国特許公開公報2109901を参照されたい。
【0003】
米国特許3755262には、透明で高衝撃性のポリウレタン生成物が開示されている。該生成物は、エラストマーまたは非エラストマーの特性を有し得る。該光学的ポリウレタンを製造するための適当な液体ポリウレタン反応混合物は、ワンショット法またはプレポリマー法によって処理する。好ましい混合物は、非芳香族ポリイソシアネートと、一分子あたり平均2以上のヒドロキシル基を有する分子量約800までの反応性水素含有ポリオールを含んでなる。
【0004】
米国特許3866242には、クリップボード、風防、フェイスシールドなどの外形に形成された、ポリウレタンからなる保護シールドが開示されている。該ポリウレタンは、透明であって優れた光学的明澄度を有すると記載されている。適当なポリウレタンは、ポリエステルグリコールまたはポリエーテルグリコールをメチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)と反応させてプレポリマーを形成し、該プレポリマーを第1級アミン基含有化合物、好ましくはメチレンビス(2−クロロアニリン)などのような2つの芳香族環の間にメチレン橋を有する化合物と反応させることによって製造する。
【0005】
米国特許4153777には、改良された物理的特性を有するポリウレタンが記載されている。該特許文献には、良好な光学的明澄度および耐候性、耐紫外線性および耐熱性を示す非多孔質のポリウレタンが具体的に開示されている。該ポリウレタンは、まずイソシアネートを水と反応させ、次いでポリオールと反応させてプレポリマーを形成することによって生じたイソシアネート末端プレポリマーを含んでなる。次いで該プレポリマーをポリオールによって鎖延長または架橋させて、硬化ポリウレタンを形成する。適当なイソシアネートとしては、(シクロ)脂肪族イソシアネートが挙げられ、適当な鎖延長剤および架橋剤としては、例えば1,4−ブタンジオールおよびトリメチロールプロパンのような化合物が挙げられる。
【0006】
米国特許4808690には、高度に架橋された高熱変形温度透明ポリウレタンが記載されている。該ポリウレタンは、ポリオール硬化性成分を用いて、ポリイソシアネートおよび少なくとも1つの多官能性ヒドロキシ含有中間体から調製されたプレポリマーを含んでなる。適当な多官能性ヒドロキシル含有中間体としては、多価アルコール、ポリエステルポリオールおよびそれらのブレンドが挙げられる。適当なポリイソシアネートとしては(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートが挙げられ、ポリオール硬化性成分はポリエステルまたは多価アルコールであり得る。
【0007】
例えば、米国特許5510445、5646230、5714562および6174984には、他の光安定性エラストマーが開示されている。該エラストマーは、米国特許5714562および6174984のようなポリウレタン、米国特許5646230のようなポリウレタン/ウレアまたは米国特許5510445のようなポリウレアであり得る。
【0008】
米国特許6174984には、明澄な弾性ポリウレタンエラストマーが開示されている。該エラストマーは、A)少なくとも1つのジイソシアネートと少なくとも1つのポリエーテルポリオールのプレポリマーであって、該プレポリマーの1%未満の遊離ジイソシアネート含有率を有するプレポリマーと、B)プレポリマー中の利用可能なイソシアネート含有率約50〜105%と反応するのに充分な量の、少なくとも1つのアルキル化芳香族ジアミンと、C)ポットライフを2分以下に低下させるのに十分な量の、少なくとも1つの有機酸触媒の反応生成物を含んでなる。該エラストマーは、高いレジリエンスおよび明澄度を有する。
【0009】
米国特許5510445には、ワンステップ法によって調製されたポリウレアエラストマーが記載されている。該プロセスは、a)1以上の(シクロ)脂肪族ジイソシアネートと、b)少なくとも2つの芳香族的に結合したイソシアネート反応性第1級または第2級アミン基および/または脂肪族的に結合したイソシアネート反応性第2級アミノ基を含有し、分子量400〜6000を有する1以上の液体アミン末端ポリマーと、c)必要に応じて1以上の架橋剤との混合物の形態である、分子量108〜399を有する1以上の芳香族ジアミン鎖延長剤を反応させることを含んでなる。適当なジイソシアネートとしては、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(rMDI)およびそのプレポリマーが挙げられる。DETDAは、適当な芳香族ジアミン鎖延長剤として開示されている。
【0010】
米国特許5811506および6258917には、押出加工可能な熱可塑性ウレア延長ポリウレタンが記載されている。米国特許5811506のポリウレタンは、(a)ポリウレタンプレポリマーと(b)少なくとも1つの第1のジアミン硬化剤と(c)第1のジアミン硬化剤とは異なった、少なくとも1つの第2のジアミン硬化剤の反応生成物を含んでなる。米国特許6258917のポリウレタンは、(a)ポリウレタンプレポリマーと(b)2,4−ジアミノ−3,5−ジエチルトルエン、2,6−ジアミノ−3,5−ジエチルトルエン、4,4’−メチレン−ビス(2−6−ジイソプロピルアニリン)、トリメチレングリコールジ−パラアミノベンゾエートおよびそれらの混合物からなる群から選択される、少なくとも1つのジアミン硬化剤との反応生成物を含んでなる。これらのポリウレタンは、72〜84のショアA硬度、−80℃以下のDMATg、および205〜208℃のTMA軟化点を有する。
【0011】
米国特許5962617および6127505においても、ポリウレタン材料は開示されている。米国特許5962617においては、該ポリウレタン材料は、(a)メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)とMW500〜2000を有するOH含有中間体を当量比2.5〜4.0NCO/1.0OHで反応させることによって調製されたポリウレタンプレポリマーと、(b)メチレン基によって結合した2つの芳香族環基を有し、各芳香族環が一のNH基によって置換され、芳香族環上の残りの4位のうち3位が置換された芳香族ジアミン硬化剤との反応生成物を0.95:1.0〜1.02:1.0の範囲のNH:NCO当量比で含んでなる。
【0012】
米国特許6127505には、該ポリウレタン材料が(a)ポリウレタンプレポリマーと、(b)少なくとも第1の芳香族ジアミン硬化剤を含んでなることが開示されている。適当なプレポリマーは、脂肪族または脂環式ジイソシアネートとMW400〜2000を有するOH含有中間体を反応させることによって調製し、当量比は、約2.5〜4.0NCO/1.0OHである。ジアミン硬化剤は、当量比0.85〜1.02NH:1.0NCOで、2,4−ジアミノ−3,5−ジエチルトルエン、2,6−ジアミノ−3,5−ジエチルトルエンおよびそれらの混合物から選択する。
【0013】
米国特許6562932には、光安定性ワンショットウレタンウレアエラストマーおよびその製造方法が記載されている。該方法は、ポリイソシアネートまたはそのプレポリマーとイソシアネート反応性成分を少なくとも1つの有機金属触媒C)の存在下に反応させることを含んでなる。適当なイソシアネート反応性成分は、(1)少なくとも1つの芳香族ジアミン化合物および(2)少なくとも2つのヒドロキシル基を有する、分子量62〜6000の少なくとも1つの有機化合物を含んでなる。
【0014】
米国特許6939939には、ポリウレア/ウレタン材料および該材料を製造する方法が開示されている。該ポリウレア/ウレタン材料は、良好な光学的明澄度および高衝撃性を有すると記載されている。該材料は、A)第1のジイソシアネートと第1のポリオールをプレポリマーが1ヒドロキシル基あたり少なくとも約3のイソシアネート基の当量比を有するような量で反応させることによって調製されたウレタンプレポリマーと、B)(1)第2のジイソシアネートと第2のポリオールを得られたポリマーが1イソシアネート基あたり約3〜約8の当量比を有するような量で反応させることによって調製されたヒドロキシル末端延長鎖ポリマー、および(2)ジアミンを含んでなる硬化剤とを触媒の存在下に反応させた反応生成物を含んでなる。
【0015】
米国特許6562932および6939939のいずれにおいても、ヒドロキシル基に対して高比率のイソシアネート基を含有するイソシアネートプレポリマーに起因して、加工性の有利点が存在する。該有利点にもかかわらず、特にさらなる加工性の改良および硬化速度に関しては、さらなる改良に対する需要が存在する。
【0016】
コーティング組成物中にポリアスパラギン酸エステルを用いることは既知である。該コーティングは、ポリイソシアネート成分と、ポリアスパラギン酸エステルを表す特定の化学式に相当するイソシアネート反応性成分との反応生成物を含んでなるポリウレタンおよび/またはポリウレアに基づいている。例えば、米国特許5126170、5236741、5243012、5489704、5580945および5736604を参照されたい。米国特許5489704には、特定の化学式に相当するアルジミン/アスパルテートおよび該アルジミン/アスパルテートとポリイソシアネートとの反応に由来するコーティング組成物の調製が記載されている。しかしながら、ポリアスパラギン酸エステルは、光学的に明澄なポリウレタン/ウレアに使用していない。
【特許文献1】米国特許3755262
【特許文献2】米国特許3866242
【特許文献3】米国特許4153777
【特許文献4】米国特許4404353
【特許文献5】米国特許4808690
【特許文献6】独国特許公開公報2109901
【特許文献7】米国特許5510445
【特許文献8】米国特許5646230
【特許文献9】米国特許5714562
【特許文献10】米国特許6174984
【特許文献11】米国特許5811506
【特許文献12】米国特許6258917
【特許文献13】米国特許5962617
【特許文献14】米国特許6127505
【特許文献15】米国特許6562932
【特許文献16】米国特許6939939
【特許文献17】米国特許5126170
【特許文献18】米国特許5236741
【特許文献19】米国特許5243012
【特許文献20】米国特許5489704
【特許文献21】米国特許5580945
【特許文献22】米国特許5736604
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の特許請求の範囲に記載された方法の有利点には、加工性におけるさらなる改良が含まれる。しばしば、部品の著しく速い生産速度も見られる。本発明における改良された加工性は、変形、縦じわ、流れすじが減少した曇りの無い部品をもたらす。従って、本発明は、(仮硬化時間(green−cure time)と称する)わずか2〜3時間のうちに鋳型から取り出し得る欠陥の無い部品をもたらし、次いでこれをオフラインで後硬化しす。本発明に必要な、芳香族第1級ジアミン化合物と2つの第2級アミン基を含有するイソシアネート反応性化合物の組み合わせは、他の既知の方式および方法にわたり、改良された部品および改良された加工性をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、ポリウレタンウレア組成物およびその製造方法に関する。より具体的には、該組成物は、好ましくは光学的に明澄であって、60〜95ショアAの範囲のショアA硬度を有するエラストマーから50〜85の範囲のショアD硬度を有する硬質固体ポリウレタンウレアまで特性において異なる。さらに、本発明のポリウレタンウレアが、典型的には、例えば、約30分〜約5時間まで、好ましくは約1〜約4時間、より好ましくは約2〜3時間の範囲の短い仮硬化時間を特徴とすることは好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のポリウレタンウレアは、
(A)NCO基含有率約4〜約50%、平均官能価約2〜約3を有する少なくとも1つの(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートまたはそのプレポリマーと、
(B)(1)2つの第1級芳香族アミン基を含有し、分子量約100〜約1000を有する1以上の芳香族ジアミン化合物、
(2)2つの第2級アミン基を含有し、分子量約100〜約750、好ましくは200〜600を有し、該第2級アミン基は(シクロ)脂肪族部分および/または芳香族部分に結合する、1以上のイソシアネート反応性化合物、および必要に応じて、
(3)OH官能価約2〜約3および分子量約100〜約4000を有する1以上のヒドロキシル官能性化合物
を含んでなるイソシアネート反応性成分を、
(C)1以上の触媒
の存在下に反応させた反応生成物を含んでなり、(A)と(B)の相対量は、イソシアネート指数が約95〜約110、好ましくは約100〜約105であるような量である。
【0020】
本発明は、ポリウレタンウレアの調製方法も対象とする。該ポリウレタンウレアは、ショアA硬度の範囲のエラストマーないしショアD硬度の範囲の固体ポリウレタンウレアである。ショアD硬度の範囲の固体ポリウレタンウレアが光学的に明澄であることは好ましい。
【0021】
本発明のポリウレタンウレアを調製するための方法は、
(I)(A)NCO基含有率約4〜約50%および平均官能価約2〜約3を有する少なくとも1つの(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートまたはそのプレポリマーと、
(B)(1)2つの第1級芳香族アミン基を含有し、分子量約100〜約1000を有する1以上の芳香族ジアミン化合物、
(2)2つの第2級アミン基を含有し、分子量約100〜約750、好ましくは約200〜約600を有し、該第2級アミン基は(シクロ)脂肪族部分および/または芳香族部分に結合する、1以上のイソシアネート反応性化合物、および必要に応じて、
(3)OH官能価約2〜約3および分子量約100〜約4000を有する1以上のヒドロキシル官能性化合物
を含んでなるイソシアネート反応性成分を、
(C)1以上の触媒
の存在下に反応させることを含んでなり、(A)と(B)の相対量は、イソシアネート指数が約95〜約110、好ましくは約100〜約105であるような量である。
【0022】
液体ポリイソシアネートまたはポリイソシアネートプレポリマー成分A)は、NCO基含有率約4〜50%および平均官能価約2〜3を有する。プレポリマーは好ましい。
【0023】
成分(A)が少なくとも約4重量%のNCO基含有率を有することは好ましい。また、成分(A)が50重量%以下のNCO基含有率を有することは好ましく、より好ましくは26重量%以下である。成分(A)は、前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲のNCO基含有率、例えば少なくとも約4重量%〜約50重量%、より好ましくは少なくとも約4重量%〜約26重量%を有し得る。成分(A)が官能価約2を有することも好ましい。
【0024】
本発明に従えば、例えば、成分(A)は、
(A)(1)20〜100重量%、好ましくは30〜95重量%、より好ましくは60〜90重量%、もっとも好ましくは70〜80重量%の(シクロ)脂肪族ポリイソシアネート、および
(A)(2)0〜80重量%、好ましくは5〜70重量%、より好ましくは10〜40重量%、もっとも好ましくは20〜30重量%の、分子量約100〜4000を有する少なくとも1つのヒドロキシル官能性化合物
を含み得、(A)(1)と(A)(2)の合計は、成分(A)の100重量%となる。
【0025】
さらに、成分(A)は、前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲の(A)(1)の重量%と、前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲の(A)(2)の重量%を含み得る。(A)(1)の重量%と(A)(2)の重量%の合計は、成分(A)の100重量%となる。
【0026】
成分(A)がイソシアネートプレポリマーを含んでなる本発明の実施態様においては、イソシアネート(A)(1)とヒドロキシル官能性化合物(A)(2)の相対量は、先に開示した相対量と異なってよい。成分(A)がプレポリマーである場合、典型的には、イソシアネート(A)(1)とヒドロキシル官能性化合物(A)(2)の相対量をプレポリマー中のNCOとOHの当量比が少なくとも約2.25:1.0、好ましくは少なくとも約5.0:1.0、より好ましくは少なくとも約6.0:1.0、もっとも好ましくは少なくとも約6.5:1.0であるように選択する。また、典型的には、イソシアネート(A)(1)とヒドロキシル官能性化合物(A)(2)の相対量をプレポリマー中のNCOとOHの当量比が約20.0:1.0以下、好ましくは12.25:1.0以下、より好ましくは10.0:1.0以下、もっとも好ましくは8.0:1.0以下であるように選択する。プレポリマーは、前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲のNCOとOHの当量比、例えば約2.25NCO:1.0OH〜約20.0NCO:1.0OH、好ましくは約5.0NCO:1.0OH〜約12.25NCO:1.0OH、より好ましくは約6.0NCO:1.0OH〜約10.0NCO:1.0OH、もっとも好ましくは約6.5NCO:1.0OH〜約8.0NCO:1.0OHを有し得る。
【0027】
成分(A)は、液体モノマー(シクロ)脂肪族ジイソシアネートまたは液体ポリイソシアネートプレポリマーであり得る。液体ポリイソシアネートプレポリマー成分(A)は、例えば、ジイソシアネート(A)(1)と少なくとも2つのヒドロキシル基を有する有機成分(A)(2)を窒素ガスシールまたはスパージ下に、必要に応じて、触媒の存在下に反応させること、および約60〜約100℃の温度まで2〜4時間加熱することによって形成し得る。反応をNCO%滴定によって監視する。既知の他の適当なプレポリマーの調製方法を用いてもよい。
【0028】
本発明においては、語句(シクロ)脂肪族には、脂肪族イソシアネート基および/または脂環式イソシアネート基を有する化合物が含まれる。成分(A)(1)のための適当な(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートとしては、典型的には、少なくとも約14%、好ましくは少なくとも約30%、もっとも好ましくは少なくとも約32%のNCO基含有率を有するポリイソシアネートが挙げられる。また、成分(A)(1)のための(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートは、典型的には、約50%以下、もっとも好ましくは約45%以下のNCO基含有率を有する。成分(A)(1)のための適当な(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートとしては、典型的には、前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲のNCO基含有率、例えば、約14重量%〜約50重量%、好ましくは約30重量%〜約50重量%、もっとも好ましくは約32重量%〜約45重量%を有するポリイソシアネートが挙げられる。また、適当なポリイソシアネートは、典型的には官能価約2〜約3を有する。
【0029】
適当な(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(rMDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H−XDI)、m−テトラメチルキシレンジイソシアネート(m−TMXDI)およびそれらの混合物のようなポリイソシアネートが挙げられる。成分(A)(1)のための好ましいポリイソシアネートは、イソシアネート基含有率約32%を有する4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートであって、Bayer MaterialScience LLCから市販されている。
【0030】
有機化合物である成分(A)(2)は、少なくとも2つのヒドロキシル基を有する。成分(A)(2)に適した化合物は、典型的には、少なくとも約100、好ましくは約200の分子量を有する。また、成分(A)(2)のための有機化合物は、典型的には約4000以下、より好ましくは約2000以下、最も好ましくは約1000以下の分子量を有する。成分(A)(2)として使用すべき有機化合物は、前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲の分子量、例えば約100〜約4000、好ましくは約200〜約4000、より好ましくは約200〜約2000、最も好ましくは約200〜約1000を有し得る。
【0031】
本発明に従って成分(A)(2)として使用すべき適当な有機化合物としては、少なくとも2つのヒドロキシル基、好ましくは3つ以下のヒドロキシル基を有するヒドロキシル官能性化合物が挙げられる。成分(A)(2)が2つのヒドロキシル基を含有することは好ましい。成分(A)(2)の分子量範囲は、少なくとも約200〜約4000以下であって、最も好ましくは約200〜約1000である。成分(A)(2)として使用すべき適当な化合物の具体例としては、グリコール、ポリエーテル、ポリチオエーテル、ポリエステル、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリアセタールおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0032】
グリコールおよび(A)(2)のための他の適当な成分の具体例としては、低分子量鎖延長剤として適していることが知られている化合物ならびに低分子量ジオールが挙げられる。そのいくつかの具体例としては、分子量約350以下のジオールの化合物、例えば、アルキレン(C2−22)グリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−ドデカンジオール;ポリ(アルキレン(C2−15)グリコール)、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール;ポリテトラメチレングリコール−250、他のグリコール、例えばシクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、レゾルシノールビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、ビスヒドロキシエチレンテレフタレートなど;分子量350以下の低分子量を有するトリオール、例えばグリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノールおよび他の脂肪族トリオール(C8−20)などならびにそれらの混合物などが挙げられる。前記官能価および分子量の要件を充足する限り、上述の化合物と少量の単官能性および高官能性化合物との混合物を成分(A)(2)として使用することもできる。
【0033】
成分(A)(2)として使用すべき適当なポリエステルポリオールは、例えば、2〜12個の炭素原子を有する有機ジカルボン酸、好ましくは4〜6個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸と、2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する多価アルコール、好ましくはジオールから製造することができる。使用し得るジカルボン酸の具体例は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸である。これらのジカルボン酸は、単独でまたは互いに混合物として使用してよい。遊離ジカルボン酸の代わりに、相当するジカルボン酸の誘導体、例えばジカルボン酸と1〜4個の炭素原子を有するアルコールとのエステル、またはジカルボン酸の無水物などを使用することもできる。二価および多価アルコールの具体例は、エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2−および1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、グリセロールおよびトリメチロールプロパンである。本発明のためのイソシアネートプレポリマーの調製において使用すべきポリエステルポリオールの好ましい群には、ラクトン、例えばε−カプロラクトンまたはヒドロキシカルボン酸、例えばω−ヒドロキシカプロン酸から製造されたポリエステルポリオールが含まれる。ポリウレタン化学の当業者に既知であるように、ポリエステルポリオールは、本発明に従ってプレポリマーを製造するのに適したポリエステルポリオールを形成するためにラクトンとグリコール(すなわちジオールまたはトリオール)を反応させることによって調製し得る。本発明による光学的に明澄なポリウレタンウレアの製造のための好ましいポリエステルポリオールとしては、結晶化の傾向を示さないポリステルが挙げられる。
【0034】
ポリエステルポリオールを調製するには、有機酸、例えば芳香族ポリカルボン酸、好ましくは脂肪族ポリカルボン酸、および/またはそれらの誘導体と多価アルコールを、触媒を存在させずにまたは好ましくはエステル化触媒の存在下に、効果的には不活性ガス、例えば、窒素、一酸化炭素、ヘリウム、アルゴンなどの雰囲気中で、150〜250℃、好ましくは180〜220℃の溶融状態において、必要に応じて減圧下に、所望の酸価、有利には10未満、好ましくは2未満の酸価まで重縮合させ得る。好ましい実施態様においは、エステル化混合物を酸価80〜30、好ましくは40〜30まで、大気圧下に、次いで500mbar未満、好ましくは50〜150mbarの圧力下に重縮合させる。使用し得るエステル化触媒の具体例は、鉄、カドミウム、コバルト、鉛、亜鉛、アンチモン、マグネシウム、チタンまたはスズを金属、金属酸化物または金属塩の形態で含んでなる触媒である。しかしながら、重縮合は、蒸留によって縮合水を共沸除去するための希釈剤および/または担体、例えばベンゼン、トルエン、キシレンまたはクロロベンゼンなどの存在下に液相で実施し得る。
【0035】
また、成分(A)(2)として使用すべき適当な化合物としては、開始剤として低分子量ジオールおよび低分子量トリオールを用いてエチレンカーボネートを開環重合することによって得られたポリカーボネートポリオール、および天然ポリオール、例えばヒマシ油および/または大豆油など、ポリオレフィンポリオール、例えばポリブタジエンポリオールおよびポリイソプレンポリオールなど、およびそれらの水和物が挙げられる。該化合物は、単独でまたはそれらの2以上の混合物として使用してよい。
【0036】
成分(A)(2)のための他の適当なポリオールとしては、ポリカーボネートジオールが挙げられ、これは、ジフェニルまたはジメチルカーボネートと、低分子量ジオールまたはトリオール、上述した種類のε−カプロラクトン変性ジオールまたはトリオールを反応させることによって得ることができる。
【0037】
本発明に従って使用し得る、適当なポリエステル、ポリチオエーテル、ポリアセタール、ポリカーボネートおよび他のポリヒドロキシル化合物は、例えば、High Polymers、第XVI巻、「Polyurethanes、Chemistry and Technology」、Saunders−Frisch、Interscience Publishers、ニューヨーク、ロンドン、第I巻、1962年、第32−42頁および第44−54頁および第II巻、1964年、第5−6頁および第198−199頁ならびにKunststoff−Handbuch、第VII巻、Vieweg−Hochtlen、Carl Hanser Verlag、ミュンヘン、1966年、第45−71頁において見出すことができる。
【0038】
本発明に従って使用するのに適したポリエーテルは、既知のポリエーテルであって、例えば、テトラヒドロフランまたはエポキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドまたはエピクロロヒドリンなどを、適当な触媒、例えばBFまたはKOHなどの存在下に重合させることによって得るか、またはこれらのエポキシド、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを、混合してまたは連続的に、活性水素原子含有成分、例えば水、アルコールまたはアミンなどに化学的に付加させることによって得ることができる。本発明の成分(A)(2)の形成のためにアルコキシル化し得る適当な開始化合物としては、例えば低分子量の鎖延長剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチルカルビトール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、トリメチルペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。適当な開始化合物の混合物は、得られたポリオール混合物の官能価が少なくとも約2.0である限り使用してもよい。
【0039】
例えば、適当なポリエーテルとしては、二官能性出発物質、例えば水、エチレングリコール、プロピレングリコールなどに基づく化合物が挙げられる。これらの化合物としては、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのコポリマーが挙げられる。
【0040】
本発明において成分(A)として使用すべき特に好ましいプレポリマーは、(A)(1)4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを含んでなる(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートと、(A)(2)少なくとも2つのヒドロキシル基および分子量約100〜4000を有する少なくとも1つの有機化合物の反応生成物を含んでなる。この特に好ましい実施態様においては、プレポリマーは、好ましくは、(A)(1)成分(A)100重量%を基準として約40〜80重量%の4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートと、(A)(2)成分(A)100重量%を基準として約20〜60重量%の、(好ましくは少なくとも2つのヒドロキシル基を有し)分子量約100〜4000(好ましくは200〜4000、より好ましくは200〜2000、最も好ましくは200〜1000)を有する少なくとも1つのヒドロキシル官能性化合物の反応生成物を含んでなる。(A)(2)が1以上のポリテトラメチレンエーテルグリコール、1以上のポリカプロラクトンまたはそれらの混合物を含んでなることは、本発明の実施態様において最も特に好ましい。
【0041】
前述のように、成分(A)がイソシアネートプレポリマーを含んでなる際、イソシアネート(A)(1)とヒドロキシル官能性化合物(A)(2)の相対量をプレポリマーに対してNCO:OH当量比を満たすように選択する。従って、イソシアネート(A)(1)とヒドロキシル官能性化合物(A)(2)の相対量は、典型的には、プレポリマーが前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲のNCOとOHの当量比、例えば約2.25NCO:1.0OH〜約20.0NCO:1.0OH、好ましくは約5.0NCO:1.0OH〜約12.25NCO:1.0OH、より好ましくは約6.0NCO:1.0OH〜約10.0NCO:1.0OH、もっとも好ましくは約6.5NCO:1.0OH〜約8.0NCO:1.0OHを有するように選択する。
【0042】
本発明の一実施態様に従えば、例えば、成分(B)は、
(B)(1)約10〜95重量%、好ましくは約50〜約95重量%、より好ましくは約60〜約95重量%、もっとも好ましくは約70〜約90重量%、もっとも特に好ましくは約80〜約90重量%の、2つの第1級アミン基を含有する少なくとも1つの芳香族ジアミン化合物、および
(B)(2)約5〜90重量%、好ましくは約5〜約50重量%、より好ましくは約5〜約40重量%、もっとも好ましくは約10〜約30重量%、もっとも特に好ましくは約10〜約20重量%の、脂肪族部分および/または芳香族部分に結合した2つの第2級アミン基を含有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物
を含み得、(B)(1)と(B)(2)の重量%の合計は、成分(B)の100重量%となる。
【0043】
成分(B)は、前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲の(B)(1)の重量%、および前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲の(B)(2)の重量%を含み得る。(B)(1)および(B)(2)のみが存在する際には、(B)(1)の重量%と(B)(2)の重量%の合計は、成分(B)の100重量%となる。
【0044】
本発明の代替実施態様においては、例えば、成分(B)は、
(B)(1)約30重量%〜約79重量%、好ましくは約40重量%〜約69重量%、もっとも好ましくは約50重量%〜約60重量%の、2つの第1級アミン基を含有する少なくとも1つの芳香族ジアミン化合物、
(B)(2)約1重量%〜約20重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%、もっとも好ましくは約2重量%〜約5重量%の、脂肪族部分および/または芳香族部分に結合した2つの第2級アミン基を含有する少なくとも1つのイソシアネート反応性化合物、および
(B)(3)約20重量%〜約50重量%、好ましくは約30重量%〜約50重量%、もっとも好ましくは約38重量%〜約45重量%の、OH官能価約2〜約3および分子量約100〜約4000を有する1以上のヒドロキシル官能性化合物
を含み得、(B)(1)と(B)(2)と(B)(3)の重量%の合計は、成分(B)の100重量%になる。
【0045】
さらに、成分(B)は、前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲の(B)(1)の重量%、前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲の(B)(2)の重量%および前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲の(B)(3)の重量%を含み得る。(B)(1)の重量%と(B)(2)の重量%と(B)(3)の重量%の合計は、成分(B)の100重量%となる。
【0046】
本発明に従えば、(B)(1)と(B)(2)と、存在すれば、(B)(3)の相対量は、先に開示された相対量と異なり得る。成分(B)(1)と(B)(2)と、必要に応じて、(B)(3)の相対量は、NH:NCOの当量比、すなわち成分(A)のNCO当量に対する成分(B)(1)の第1級アミンの当量が少なくとも約0.6NH:1.0NCO、より好ましくは少なくとも約0.65NH:1.0NCO、最も好ましくは約0.68NH:1.0NCOであるように選択する。また、相対量は、NH:NCO(すなわちNCOに対する第1級アミン)の当量比が約0.95NH:1.0NCO以下、好ましくは約0.9NH:1.0NCO以下、より好ましくは約0.75NH:1.0NCO以下およびもっとも好ましくは約0.7NH:1.0NCO以下のような量である。成分の相対量は、NH:NCOの当量比(すなわちNCOの当量に対する第1級アミンの当量)が前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲であるような量、例えば約0.6NH:1.0NCO〜約0.95NH:1.0NCO、好ましくは約0.6NH:1.0NCO〜約0.9NH:1.0NCO、より好ましくは約0.65NH:1.0NCO〜約0.75NH:1.0NCOおよびもっとも好ましくは約0.68NH:1.0NCO〜約0.7NH:1.0NCOであり得る。
【0047】
本発明によれば、成分(B)(1)は、2つの第1級アミン基を含有する少なくとも1つの芳香族ジアミン化合物を含んでなる。該芳香族ジアミン化合物は、典型的には、少なくとも約100、もっとも好ましくは少なくとも約150の分子量を有する。また、成分(B)(1)に適した芳香族ジアミン化合物は、典型的には、約1000以下、好ましくは約400以下、もっとも好ましくは約250以下の分子量を有する。2つの第1級アミン基を含有する適当な芳香族ジアミンは、前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲の分子量、例えば約100〜約1000、好ましくは約100〜約400、もっとも好ましくは約150〜約250を有し得る。
【0048】
成分(B)(1)として用いるべきもっとも好ましい化合物は、2つの第1級アミン基を含有し、分子量約150〜約250を有する芳香族アミン化合物である。芳香族ジアミンはエーテル基および/またはエステル基を含有してもよいが、これらの基を含有しないことは好ましい。一般に芳香族アミン基で終端されたポリエーテルとも呼ばれる、芳香族アミン基としてのアミン末端基を有するアミン末端ポリエーテルも、成分(B)(1)としての使用に適している。
【0049】
成分(B)(1)、(B)(2)および存在すれば、(B)(3)が互いに相互排他的であることにも留意する。言い換えれば、成分(B)(1)に適した化合物も、脂肪族基および/または芳香族基に結合した第2級アミン基を含有するイソシアネート反応性化合物を含まず、成分(B)(2)に適した類似化合物も、第1級アミン基を含有しない。
【0050】
成分(B)(1)として使用し得る2つの第1級アミン基を含有する芳香族ジアミン化合物の適当な具体例としては、一般に既知の化合物であって、分子量約100〜約1000を有する芳香族ジアミン鎖延長剤と称される化合物が挙げられる。好ましいアミン鎖延長剤は、芳香族的に結合した第1級アミノ基のみを含有し、好ましくはアルキルおよびヘテロアルキル置換基も含有する。このようなジアミンの具体例としては、1,4−ジアミノベンゼン;2,4−および/または2,6−ジアミノトルエン;2,4'−および/または4,4'−ジアミノジフェニルメタン;3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン;3,3'−ジクロロ−4,4'−ジアミノジフェニルメタン(MOCA);1−メチル−3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−および/または−2,6−ジアミノベンゼン;1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン;1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン;1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−および/または−2,6−ジアミノベンゼン(3,5−ジエチル−2,4−および/または−2,6−トルエンジアミンまたはDETDAとしても知られている);3,5−ジチオメチル−2,4−ジアミノトルエン(すなわちETHACURE 300);4,6−ジメチル−2−エチル−1,3−ジアミノベンゼン;3,5,3',5'−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン;3,5,3',5'−テトライソプロピル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン;3,5−ジエチル−3',5'−ジイソプロピル−4,4'−ジアミノジフェニルメタン;2,4,6−トリエチル−m−フェニレンジアミン(TEMPDA);3,5−ジイソプロピル−2,4−ジアミノトルエン;3,5−ジ−sec−ブチル−2,6−ジアミノトルエン;3−エチル−5−イソプロピル−2,4−ジアミノトルエン;4,6−ジイソプロピル−m−フェニレンジアミン;4,6−ジ−tert−ブチル−m−フェニレンジアミン;4,6−ジエチル−m−フェニレンジアミン;3−イソプロピル−2,6−ジアミノトルエン;5−イソプロピル−2,4−ジアミノトルエン;4−イソプロピル−6−メチル−m−フェニレンジアミン;4−イソプロピル−6−tert−ブチル−m−フェニレンジアミン;4−エチル−6−イソプロピル−m−フェニレンジアミン;4−メチル−6−tert−ブチル−m−フェニレンジアミン;4,6−ジ−sec−ブチル−m−フェニレンジアミン;4−エチル−6−tertブチル−m−フェニレンジアミン;4−エチル−6−sec−ブチル−m−フェニレンジアミン;4−エチル−6−イソブチル−m−フェニレンジアミン;4−イソプロピル−6−イソブチル−m−フェニレンジアミン、4−イソプロピル−6−sec−ブチル−m−フェニレンジアミン;4−tert−ブチル−6−イソブチル−m−フェニレンジアミン;4−シクロペンチル−6−エチル−m−フェニレンジアミン;4−シクロヘキシル−6−イソプロピル−m−フェニレンジアミン;4,6−ジシクロペンチル−m−フェニレンジアミン;2,2',6,6'−テトラエチル−4,4'−メチレンビスアニリン;2,2',6,6'−テトライソプロピル−4,4'−メチレンビスアニリン(メチレンビスジイソプロピルアニリン);2,2',6,6'−テトラ−sec−ブチル−4,4'−メチレンビスアニリン;2,2'−ジメチル−6,6'−ジ−tert−ブチル−4,4'−メチレンビスアニリン;2,2'−ジ−tert−ブチル−4,4'−メチレンビスアニリン;および2−イソプロピル−2',6'−ジエチル−4,4'−メチレンビスアニリンが挙げられる。当然、これらのジアミンを混合物として使用してもよい。
【0051】
2つの第1級アミン基を含有する芳香族ジアミン化合物である成分(B)(1)が、ジエチルトルエンジアミンの異性体(すなわちDETDA)、ジエチルトルエンジアミンの異性体混合物、ジメチルチオトルエンジアミンの異性体(すなわちETHACURE300)およびジメチルチオトルエンジアミンの異性体混合物を含んでなることは特に好ましい。特に好ましい異性体混合物は、ジエチルトルエンジアミンの2,4−異性体75〜81重量%およびジエチルトルエンジアミンの2,6−異性体21〜25重量%を含んでなる。該混合物は、Albermarle Corporationから商品名Ethacure100として市販されている。商品名Ethacure100LCとして市販されているEthacure100の色安定化版は特に好ましい。
【0052】
前述のように、本発明に従えば、(B)(1)と(A)の相対量は、上述のNH:NCO(すなわちNCOに対する第1級アミン)の当量比を満たすように選択すべきである。従って、(B)(1)と(A)の相対量は、典型的には、NH:NCO当量比が次の上限値と下限値、例えば、約0.6NH:1.0NCO〜約0.95NH:1.0NCO、好ましくは約0.6NH:1.0NCO〜約0.9NH:1.0NCO、より好ましくは約0.65NH:1.0NCO〜約0.75NH:1.0NCO、もっとも好ましくは約0.68NH:1.0NCO〜約0.7NH:1.0NCO、の任意の組み合わせの間の(その値も含む)範囲であるように選択する。
【0053】
2つの第2級アミン基を含有する適当な化合物は、本発明に従って成分(B)(2)として用いるべきである。2つの第2級アミン基を含有する該化合物は、少なくとも約100、好ましくは少なくとも約200、もっとも好ましくは少なくとも約300の分子量を有し得る。2つの第2級アミン基を含有する化合物はまた、典型的には約750以下、好ましくは約600以下の分子量を有する。2つの第2級アミン基を含有する化合物は、これらの前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲の分子量、例えば約100〜約750、好ましくは200〜600、もっとも好ましくは300〜600の分子量を有することができ、該アミン基は、(シクロ)脂肪族的に結合した炭素原子および/または芳香族的に結合した炭素原子に結合する。両アミン基とも分子に脂肪族的に結合することは好ましい。本発明において成分(B)(2)として用いる第2級アミン化合物がエステル官能価を含有すること、より具体的には該化合物がエーテル官能価を含有しないことはもっとも好ましい。
【0054】
広義には、本発明において成分(B)(2)として用いる適当な化合物は、一般化学構造式(I):
【化1】

(式中、R、RおよびRは、同一であってもまたは異なっていてもよく、それぞれイソシアネートに対して不活性である脂肪族、芳香族または脂環式部分を表す。)
に相当し得る。
【0055】
本発明において使用すべき2つの第2級アミン基を含有する適当な化合物のいくつかの具体例としては、例えば、N−アルキル基中に1〜20、好ましくは1〜4個の炭素原子を含み、芳香族基がアルキル基によって置換されていてもよいN−アルキル−置換およびN,N’−ジアルキル置換芳香族ジアミン、例えばN,N’−ジメチル−、N,N’−ジエチル−、N,N’−ジ−sec.−ペンチル−、N,N’−ジ−sec.−ヘキシル−、N,N’−ジ−sec.−デシル−、N,N’−ジシクロヘキシル−、およびN,N’−ジ−p−トリル−(o−、p−またはm−)フェニレンジアミン;N,N’−ジメチル−、N,N’−ジエチル−、N,N’−ジイソプロピル−、N,N’−ジ−sec.−ブチル−、N,N’−ジシクロヘキシル−4,4’−ジアミノ−ジフェニルメタン;およびN,N’−ジ−sec.−ブチルベンジジンなどが挙げられる。
【0056】
本発明における有用な他の第2級ジアミンは、N,N’−ジアルキル置換イソホロンジアミンである。このような化合物は、近年Huntsmanによって商品化され、商品名Jefflink(登録商標)754およびJefflink(登録商標)755と称されている。適当なジアミンとしては、PolyLink(登録商標)4200と称される4,4’−メチレンビス(n−secブチルアニリン)、および脂肪族第2級ジアミンであるPolyClear(登録商標)136が挙げられ、いずれもHanson Group製である。
【0057】
第2級ジアミン化合物の特に好ましい群には、ポリアスパラギン酸エステルが含まれる。適当なポリアスパラギン酸エステルとしては、一般式(II):
【化2】

(式中、
Xは、イソシアネート基に対して不活性である脂肪族または脂環式部分を表し、2価であり、および
およびRは、同一であってもまたは異なっていてもよく、それぞれ独立してイソシアネート基に対して不活性な有機基を表す。)
に相当するエステルが挙げられる。
【0058】
上記構造式においては、Xは、1〜20個の炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子を含有するアルキル部分を表してよいが、該アルキル基は、直鎖状または分枝状、あるいは6〜15個の炭素原子を含有するシクロアルキル基であってもよい。好ましいアルキルおよびシクロアルキル部分としては、例えば、1,4−ブチル、1,6−ヘキシル、2,2,4−トリメチルヘキシル、3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンなどが挙げられる。
【0059】
また、上述の構造式においては、RおよびRがメチル基および/またはエチル基を表すことは好ましい。
【0060】
該アスパラギン酸エステルを例えば米国特許5126170および5236741(これらの開示を引用してここに組み込む)に記載されるような既知の方法で調製し得る。より具体的には、該化合物は、一般式:
【化3】

に相当する、対応する第1級ポリアミンと、一般式:
【化4】

(式中、
X、RおよびRは、上述のように定義され、
およびRは、同一であってもまたは異なっていてもよく、それぞれイソシアネート基に対して不活性な有機基を表すか、またはそれぞれ水素原子を表してよく、および
nは、少なくとも2つの値を有する整数を表す。)
に相当する、必要に応じて置換された、マレイン酸またはフマル酸エステルを反応させることによって調製する。
【0061】
ポリアスパラギン酸エステルの調製において使用すべき適当なポリアミンの具体例としては、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタンジ、1,6−ジアミノヘキサン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、2,5−ジアミノ−2−ジメチルヘキサン、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノヘキサン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノメチルシクロヘキサン、2,4−および/または2,6−ヘキサヒドロトルエンジアミン、2,4’−および/または4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタンなどを挙げることができる。芳香族ポリアミン、例えば2,4−および/または2,6−ジアミノトルエンならびに2,4’−および/または4,4’−ジアミノジフェニルメタンなども適しているが、あまり好ましくはない。例えば、Jeffamineという商品名で市販されている製品のような、脂肪族的に結合した第1級アミノ基を含有する比較的高分子量のポリエーテルポリアミンを用いることも可能である。
【0062】
上述の一般式(II)に相当するポリアスパラギン酸エステルを形成するために使用し得る、必要に応じて置換された、マレイン酸エステルまたはフマル酸エステルのいくつかの具体例としては、マレイン酸およびフマル酸のジメチル、ジエチルおよびジ−n−ブチルエステルならびに2位および/または3位がメチル基で置換された、相当するマレイン酸またはフマル酸エステルが挙げられる。
【0063】
ポリアスパラギン酸エステルは、上述の出発物質から、0℃〜100℃の温度で、少なくとも1つ、好ましくは1つのオレフィン二重結合が各第1級アミノ基に対して存在するような比率で該出発物質を用いることによって調製し得る。過剰な出発物質は、反応後、蒸留によって除去し得る。該反応は、溶媒を存在させずに、または適当な溶媒、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ジオキサンおよびこれらの溶媒の混合物の存在下に実施し得る。
【0064】
イソシアネート反応性成分(B)は、必要に応じて、(B)(3)ポリエーテルポリオール、ポリチオエーテル、ポリエステル、ポリカプロラクトン、グリコール、ポリカーボネート、ポリアセタール、ヒドロキシル末端化合物など、ならびにこれらのヒドロキシル官能性化合物の混合物からなる群から選択される1以上のヒドロキシル官能性化合物を含んでもよい。これらのヒドロキシル官能性有機化合物は、OH官能価約2.0〜約3.0、好ましくは約2.0を有する。適当なヒドロキシル官能性有機化合物は、典型的には少なくとも約100、より好ましくは少なくとも約200の分子量を有する。また、これらのヒドロキシル官能性有機化合物は、典型的には約6000以下、好ましくは約4000以下、もっとも好ましくは約2000以下の分子量を有する。適当なヒドロキシル官能性有機化合物は、前記上限値と下限値の任意な組み合わせの間の(その値も含む)範囲の分子量、例えば約100〜約6000、好ましくは約200〜約4000、もっとも好ましくは約200〜約2000を有する。ポリエステルポリオールは好ましい。ヒドロキシル官能性化合物がεカプロラクトンとグリコールとの反応生成物であるポリエステルポリオールを含んでなることはもっとも好ましい。
【0065】
グリコールおよび(B)(3)のための他の適当な成分の具体例としては、低分子量鎖延長剤として適していることが知られている化合物ならびに低分子量ジオールが挙げられる。いくつかの具体例としては、分子量約350以下の化合物、例えば、アルキレン(C2−22)グリコール、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−ドデカンジオール;ポリ(アルキレン(C2−15)グリコール)、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール;ポリテトラメチレングリコール−250、他のグリコール、例えばシクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、1,4−ジヒドロキシ−2−ブテン、2,6−ジメチル−1−オクテン−3,8−ジオール、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、レゾルシノールビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、ビスヒドロキシエチレンテレフタレート;分子量350以下の低分子量トリオール、例えばグリセリン、2−メチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジヒドロキシ−3−ヒドロキシメチルペンタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−3−ブタノールおよび他の脂肪族トリオール(C8−20)などならびにそれらの混合物などが挙げられる。上述の化合物と少量の単官能性および/または多官能性化合物との混合物を、前記官能価および分子量の要件を充足する限り、成分(B)(3)として使用することも可能である。
【0066】
適当なポリエステルポリオールは、例えば、2〜12個の炭素原子を有する有機ジカルボン酸、好ましくは4〜6個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸と、多価アルコール、好ましくは2〜12個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するジオールから製造し得る。使用し得るジカルボン酸の具体例は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸である。これらのジカルボン酸は、単独でまたは互いの混合物として使用し得る。遊離ジカルボン酸の代わりに、相当するジカルボン酸の誘導体、例えばジカルボン酸と1〜4個の炭素原子を有するアルコールとのエステルまたはジカルボン酸の無水物などを使用することもできる。二価および多価アルコールの具体例は、エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2−および1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、グリセロールおよびトリメチロールプロパンである。本発明に従えば、ラクトン、例えばε−カプロラクトン、またはヒドロキシカルボン酸、例えばω−ヒドロキシカプロン酸から製造されたポリエステルポリオールを使用することは好ましい。これらのラクトンおよび他の適当なラクトンを典型的にはグリコール(例えば1,−4−ブタンジオールまたは1,6−ヘキサンジオールなど)と反応させて、ポリエステルポリオールを形成する。本発明による光学的に明澄なポリウレタンウレアを製造するのに好ましいポリエステルポリオールとしては、結晶化の傾向を示さないポリステルが挙げられる。
【0067】
ポリエステルポリオールを調製するには、有機酸、例えば芳香族ポリカルボン酸、好ましくは脂肪族ポリカルボン酸および/またはそれらの誘導体と多価アルコールを、触媒を存在させずにまたは好ましくはエステル化触媒の存在下に、有利には不活性ガス、例えば窒素、一酸化炭素、ヘリウム、アルゴンなどの雰囲気中で、150〜250℃、好ましくは180〜220℃の溶融状態で、所望により減圧下に、所望の酸価、有利には10未満の酸価、好ましくは2未満の酸価まで重縮合させ得る。好ましい実施態様においては、エステル化混合物を、酸価80〜30、好ましくは40〜30まで、大気圧下、次いで500mbar未満、好ましくは50〜150mbarの減圧下に重縮合させる。使用し得るエステル化触媒の具体例は、鉄、カドミウム、コバルト、鉛、亜鉛、アンチモン、マグネシウム、チタンまたはスズを金属、金属酸化物または金属塩の形態で用いる触媒である。しかしながら、重縮合は、蒸留によって縮合水を共沸除去するための希釈剤および/または担体、例えばベンゼン、トルエン、キシレンまたはクロロベンゼンなどの存在下に液相で実施してもよい。
【0068】
ヒドロキシル官能性化合物として使用すべき適当な化合物も、ポリカーボネートポリオールである。適当なポリカーボネートポリオールとしては、開始剤として低分子量ジオールおよび低分子量トリオールを用いてエチレンカーボネートを開環重合することによって得られたポリカーボネートポリオール、および天然ポリオール、例えばヒマシ油および/または大豆油など、ポリオレフィンポリオール、例えばポリブタジエンポリオールおよびポリイソプレンポリオールなどおよびそれらの水和物が挙げられる。該化合物は、単独でまたはそれらの2以上の混合物として使用してよい。
【0069】
他の適当なヒドロキシル官能性化合物としては、ポリカーボネートジオールが挙げられ、これは、ジフェニルまたはジメチルカーボネートを低分子量ジオールまたはトリオール、上述した種類のε−カプロラクトン変性ジオールまたはトリオールと反応させて得ることができる。
【0070】
例えば、本発明の成分(B)(3)としての使用に適したヒドロキシル末端プレポリマーとしては、通常のヒドロキシル基含有化合物、例えばジオール、ポリエーテルジオールおよびポリオール、ポリエステルジオールおよびポリオール、および/またはカプロラクトンジオールおよびポリオールなどを(シクロ)脂肪族ジイソシアネートまたはポリイソシアネートと反応させることによって調製されたプレポリマーが挙げられる。適当な(シクロ)脂肪族ジイソシアネートおよびポリイソシアネートとしては、成分(A)(1)に適するとして先に記載されたイソシアネートが挙げられる。イソシアネート基含有化合物に対するヒドロキシル基含有化合物の量は、イソシアネート基に対してヒドロキシル基が過剰に存在するような量である。典型的には、相対量は、最終生成物中に1イソシアネート基あたり約3〜約8個のヒドロキシル基、好ましくは1イソシアネート基あたり約3〜約5個のヒドロキシル基が存在するような量である。
【0071】
本発明に従って使用し得る他の適当なポリエステル、ポリチオエーテル、ポリアセタール、ポリカーボネートおよび他のポリヒドロキシル化合物は、例えば、High Polymers、第XVI巻、「Polyurethanes、Chemistry and Technology」、Saunders−Frisch、Interscience Publishers、ニューヨーク、ロンドン、第I巻、1962年、第32−42頁および第44−54頁および第II巻、1964年、第5−6頁および第198−199頁、ならびにKunststoff−Handbuch、第VII巻、Vieweg−Hochtlen、Carl Hanser Verlag、ミュンヘン、1966年、第45−71頁において見出すことができる。
【0072】
本発明に従って使用するのに適したポリエーテルは、既知のポリエーテルであって、例えば、テトラヒドロフランまたはエポキシド、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシドまたはエピクロロヒドリンなどを、適切な触媒、例えばBFまたはKOHなどの存在下に重合させることによって得るか、またはこれらのエポキシド、好ましくはエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドを、混合してまたは連続的に、活性水素原子を含有する成分、例えば水、アルコールまたはアミンに化学的に付加することによって得ることができる。本発明の成分(B)(3)の形成のためにアルコキシル化し得る適当な開始化合物としては、例えば低分子量の鎖延長剤、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチルカルビトール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、トリメチルペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。適当な開始化合物の混合物は、得られたポリオール混合物の官能価が少なくとも約2.0である限り、使用してもよい。
【0073】
例えば、適当なポリエーテルとしては、二官能性出発物質、例えば水、エチレングリコール、プロピレングリコールなどに基づく化合物が挙げられる。このような化合物としては、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドが挙げられる。
【0074】
他の適当なポリエーテルの群には、ポリオキシアルキレンポリオール、特に、二重金属シアニド触媒を用いて製造された低不飽和(低モノオール)ポリ(オキシプロピレン/オキシエチレン)ポリオールが含まれる。本明細書において定義された低不飽和ポリ(オキシプロピレン/オキシエチレン)ポリオールは、適当に水素を含む開始剤化合物を二重金属シアニド触媒の存在下にポリプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドでオキシアルキレン化することによって調製する。二重金属シアニド錯体触媒、例えば米国特許5158922および5470813(これらの開示を引用してここに組み込む)に開示された触媒などを用いることは好ましい。特に好ましいポリオールとしては、例えば、米国特許5605939(この開示を引用してここに組み込む)に記載の低不飽和のランダムポリ(オキシプロピレン/オキシエチレン)ポリオールが挙げられる。重合の後期段階中にエチレンオキシド/プロピレンオキシド混合物中のエチレンオキシドの量を増加させて、ポリオールの第1級ヒドロキシル含有率を増加させてよい。あるいは、低不飽和ポリオールは、非DMC触媒を用いてエチレンオキシドでキャップしてよい。当然、この場合には、得られたポリエーテルポリオール中のエチレンオキシド含有率についての上述の制限に従うことは必要である。
【0075】
二重金属シアニド触媒の存在下にオキシアルキル化を行う際には、強塩基性基、例えば第1級および第2級アミンなどを含有する開始剤分子を避けることは好ましい。さらに、二重金属シアニド錯体触媒を用いる際には、一般に、あらかじめオキシアルキル化された「モノマー性」開始剤分子を含んでなるオリゴマーをオキシアルキル化することは望ましい。特にビシナルヒドロキシル基の場合には、DMCオキシアルキル化が最初はゆっくりであって、本質的にオキシアルキル化が起こらない、かなり長い「誘導時間」がまず生じ得ることを見出した。約600を超えるヒドロキシル価を有するポリオキシアルキレンオリゴマーを用いると、このような効果が軽減されることを見出した。ポリオキシアルキレンオリゴマー開始剤は、従来の塩基性触媒、例えば水酸化カリウムまたはナトリウムもしくは他の非DMC触媒の存在下に「モノマー性」開始剤をオキシアルキル化することによって調製し得る。典型的には、DMC触媒の添加および開始前に、これらの塩基性触媒を中和および/または除去することは必要である。
【0076】
適当な触媒(C)としては、有機金属化合物、特に有機スズ化合物、有機ビスマス化合物および有機硫黄スズ化合物が挙げられる。適当な有機スズ化合物としては、好ましくは硫黄原子を含有する化合物、例えばジオクチルスズメルカプチド含有化合物(独国特許公開公報1769367および米国特許3645927)など、および好ましくはカルボン酸のスズ(II)塩、例えば酢酸スズ(II)、オクタン酸スズ(II)、エチルヘキサン酸スズ(II)およびラウリン酸スズ(II)ならびにスズ(IV)化合物などが挙げられる。適当なスズ触媒のいくつかの具体例としては、例えばジメチルスズカルボキシレート、例えばジメチルスズジラウレート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズオキシドおよびジオクチルスズジアセテートが挙げられる。好ましい有機金属触媒は、ジブチルスズジラウレート、ジメチルスズジラウレートまたはそれらの混合物を含むスズ(IV)触媒を含んでなる。
【0077】
使用すべき適当な触媒としては、例えば、第3級アミン触媒、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリブチルアミン、N−メチル−モルホリン、N−エチルモルホリン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノール−アミン、N−メチルジエタノール−ミン、N−エチルジエタノールアミンおよびN,N−ジメチルエタノールアミンなども挙げられる。
【0078】
使用し得るがあまり好ましくない他の触媒は、有機配位子を含有する、コバルト、水銀、ビスマスおよび亜鉛の塩である。適当なビスマス化合物としては、例えば、ネオデカン酸ビスマス、バーサチック酸ビスマスおよび当技術分野で知られる種々のカルボン酸ビスマスが挙げられる。
【0079】
当然、任意の上記触媒を混合物として使用してよい。本発明に従って使用すべき触媒のさらなる具体例およびその作用形式に関する詳細は、Kunststoff Handbuch、第VII巻、Vieweg and Hochtlen発行、Carl Hanser Verlag、ミュンヘン、1966年、第96−102頁に記載されている。
【0080】
触媒は、典型的には、全系100重量%を基準として約0.001〜約5重量%、好ましくは約0.0015〜約2重量%の範囲の量で用いる。処理する時点で触媒をポリイソシアネートまたはポリイソシアネートプレポリマーに添加することは好ましい。
【0081】
さらに、種々の添加剤、例えば、界面活性添加剤、例えば脱泡剤、消泡剤およびポリウレタン化学において有用であることが知られている他の添加剤、例えば抗酸化剤、紫外線(UV)安定化剤、難燃剤、可塑剤、抗酸化剤、接着促進剤、染料、粘度降下剤、着色阻害剤、蛍光増白剤、内部離型剤などを反応中に存在させてもよい。適当な抗酸化剤としては、多官能性ヒンダードフェノール、例えばIrganox245、Irganox1010、Irganox1135などが挙げられる。適当な紫外線安定化剤としては、例えばベンゾトリアゾールおよびヒンダードアミン光安定化剤が挙げられる。具体例としては、Tinuvin328、Tinuvin765、Cyasorb3604、Cyasorb5411およびCyasorb5411などが挙げられる。Givsorb UV−1のようなホルムアミジンを使用してもよい。しかしながら、任意の既知の抗酸化剤および/または紫外線安定化剤を使用してよい。抗酸化剤、紫外線安定化剤、ヒンダードアミン光安定化剤およびそれらの混合物からなる群から選択される安定化剤を存在させる場合には、該安定化剤をポリイソシアネートプレポリマーまたはイソシアネート反応性成分のいずれにも添加してよい。特に耐候性に関しては、特定の有利点を、抗酸化剤および/または紫外線安定化剤を含有する反応混合物において見出した。
【0082】
本発明による方法において使用し得る他の添加剤としては、界面活性添加剤、消泡剤および脱泡剤が挙げられるが、これらに限定されない。適当な脱泡剤または消泡剤は、シリコーン系または非シリコーン系のいずれでもあり得る。好ましい消泡剤は、製品の明澄度に影響しない消泡剤である。ドデシルベンゼンスルホン酸またはジナフチルメタンスルホン酸のようなスルホン酸ならびに脂肪酸のアルカリ金属またはアンモニウム塩を界面活性添加剤として使用してもよい。
【0083】
さらに、内部離型剤を本発明に従って用いてもよいが、用いなくてもよい。例えば、適当な内部離型剤としては、ポリウレタンおよび/またはポリウレア系に適していることが知られている内部離型剤、例えば、ステアリン酸金属塩、例えばステアリン酸亜鉛、N−ステアリル−N’,N’−ビス−ヒドロキシエチルウレア、オレイルポリオキシエチレンアミド、ステアリルジエタノールアミド、イソステアリルジエタノールアミド、ポリオキシエチレングリコールモノオレエート、ペンタエリトリトール/アジピン酸/オレイン酸エステル、オレイン酸のヒドロキシエチルイミダゾール誘導体、N−ステアリルプロピレンジアミンおよびヒマシ油スルホン酸ナトリウム塩または脂肪酸ナトリウム塩などを含む内部離型剤が挙げられる。他の内部離型剤としては、例えば、Axel PlasticsからAxel INT−1685/OGおよびAxel INT−1681/OGとして市販されている種々の有標ブレンドおよび調製物が挙げられる。Axel INT−1685/OGは、好ましい内部離型剤である。フルオリンに基づく内部離型剤のような他の内部離型剤を用いてもよい。この具体例としては、DuPontから商品名Zonylとして市販されている内部離型剤が挙げられる。
【0084】
本発明に従えば、内部離型剤を含む際、内部離型剤が得られた部品の光学的明澄度について悪影響を有さないことは好ましい。極めて低い曇りを維持しながら、同時に最大透過率が得られることも好ましい。イソシアネート/イソシアネートプレポリマー、第1級および第2級アミン成分、および必要に応じて、ヒドロキシル含有成分、ならびに内部離型剤を添加する成分(すなわち、イソシアネートとイソシアネート反応性成分)の相対量などの選択から生じる化学における差異に起因して、異なった内部離型剤は、1つの系に対しては他の内部離型剤よりも良好に働き得る。しかしながら、当業者は、このことを容易に決定する。
【0085】
例えば、処方レンズのように光学的明澄度が重要とされる最終用途に対して本発明のポリウレタンウレアを用いる際、一般に、材料が90%以上の透過率を有することは必要である。
【0086】
本発明に従えば、種々の添加剤が下記の適当な添加剤パッケージを用いてイソシアネート成分および/またはイソシアネート反応性成分中に含まれることは好ましい。本明細書に記載された該添加剤パッケージは、好ましくはイソシアネートまたはプレポリマー成分中に含まれる種々の量の添加剤のパッケージを提供し、好ましくはイソシアネート反応性成分中に含まれる種々の量の別個の添加剤のパッケージを提供する。下記の該パッケージにおける添加剤のための範囲を全系100重量%を基準として重量%で示す。全系とは、イソシアネート成分と、本明細書に定められた範囲内の特定のイソシアネート指数を得るために化学量論的に必要なイソシアネート反応性成分の量の総重量のことである。イソシアネート指数に対する適当な範囲は、95〜110、好ましくは100〜105である。
【0087】
本発明の一実施態様においてイソシアネート成分と組み合わせて用いる添加剤パッケージのための適当な範囲は、以下のとおりである:
【0088】

【0089】
本明細書においては、安定化剤とは、相乗的に使用し得る1以上のUV安定化剤のことである。例えば、ベンゾトリアゾールまたはホルムアミジンとヒンダードアミン光安定化剤の組み合わせを使用してもよい。
【0090】
本発明の一実施態様においてイソシアネート反応性成分と組み合わせて用いるパッケージのための添加剤の適当な範囲は、以下のとおりである:
【0091】

【0092】
一段法(または「ワンショット法」)において、典型的には、イソシアネート反応性成分ならびに任意の添加剤および助剤を混ぜ合わせて、プレミックス中で完全にブレンドする。次いで液体ポリイソシアネートまたはポリイソシアネートプレポリマー(A)を撹拌により容器内で、または計量混合機の低圧ミキシングヘッド内でプレミックスと混合する。外部離型剤、例えばシリコーンオイルまたはガラス鋳型に有用な市販のRainXなどをしばしば成形工程前に鋳型表面に塗布する。しかしながら、いわゆる「内部離型剤」と外部離型剤の両方を使用することも可能である。
【0093】
反応体をイソシアネート指数が約90〜110、好ましくは約100〜約105となるような量で使用する。「イソシアネート指数」とは、イソシアネート基の数をイソシアネート反応性基の数で割って得られた商を100倍したものである。
【0094】
本発明のポリウレタンウレア材料は、25℃〜約80℃、好ましくは25℃〜約65℃の温度で維持された開放または密閉鋳型内で製造する。本発明のワンショット法のためのゲル時間が2分を上回ることは好ましい。該材料は、手注型または機械注型してよい。本発明の得られた固体ポリウレタンウレアは、2〜4時間110℃で最初の仮硬化後に離型し得、次いで16時間110℃で後硬化し得る。本発明における仮硬化時間とは、固体ポリウレタンウレアが、離型し得るのに十分な物理的および機械的品位を獲得するのに必要な時間として定義する。次いで16時間110℃で後硬化し続けることによって、該ポリウレタンウレアエラストマーの最適な物理特性を得る。該ポリウレタンウレアエラストマーは、上昇した温度で非常に良好な寸法安定性を示し、より低い硬度の範囲でさえ「クリープ特性」を示さない。
【0095】
新規な方法によって得られる光学的に明澄で固体の光安定性ポリウレタンウレアは、ガラス代替品、例えば車両または航空機構造体のサンルーフ、フロントウインドー、リアウインドーまたはサイドウインドーおよび/またはランプカバー、例えば自動車または航空機構造体のフロントランプまたはリアランプのカバーとして使用することができる。例えば、本発明に従って製造された固体の光学的に明澄なポリウレタンウレアは、好ましくは、光学的用途、例えば眼科用レンズおよび眼鏡用レンズブランクスのレンズ、サングラスおよび安全眼鏡、バイザー、ゴーグル、シェイプマスクおよび防犯ガラスなどに使用し得る。
【0096】
以下の実施例は、本発明の組成物の調製および使用についての詳細をさらに説明する。先に記載した本発明は、以下の実施例によって意図および範囲を制限されるべきではない。当業者であれば、以下の方法の条件の既知の変形を使用し得ることを容易に理解するであろう。特記がない限り、全ての温度は摂氏であり、全ての部およびパーセンテージは、それぞれ重量部および重量%である。
【実施例】
【0097】

【0098】

【0099】

【0100】

【0101】

【0102】

【0103】

【0104】

【0105】

【0106】

【0107】

【0108】

【0109】

【0110】

【0111】

【0112】

【0113】

【0114】

【0115】

【0116】

【0117】

【0118】

【0119】

【0120】

【0121】

【0122】

【0123】

【0124】

【0125】

【0126】

【0127】

【0128】

【0129】

【0130】
プレポリマーの一般的な調製方法
所望のイソシアネート基含有率を生成するのに必要な量のISO Aを、撹拌機および真空脱気用の排出口を備えた1ガロンフラスコに導入した。次いで必要な量の触媒(イソシアネート成分の処方を参照されたい)を反応器に添加した。イソシアネートを撹拌し、70〜80℃に加熱した。次いで事前に溶融された計算量のイソシアネート反応性成分(すなわちイソシアネート成分の処方に示されたポリエーテルまたはポリエステル)を、反応混合物の温度が80℃を超えないような速度で反応器に添加した。イソシアネート反応性成分の添加が完了した後に、残りの添加剤の正確な量を反応器に添加した。次いで、所望のイソシアネート含有率に達するまで必要に応じて、反応混合物を3〜4時間80±5℃で連続的に撹拌しながら脱気した。
【0131】
それぞれのイソシアネート/プレポリマー成分について表1Aおよび1Bに示す組成データに加えて、本発明のイソシアネート/プレポリマー成分中に含まれるべき添加剤の適当な範囲を本明細書に提供する。以下のものが本発明のプレポリマー成分について特に好ましい添加剤パッケージである。該特定の処方(すなわちイソシアネート成分)は、いくつかの実施例中に使用したプレポリマーに相当する。表1Aに示すように、プレポリマーAは、プレポリマーのイソシアネートおよびポリオール成分のみを含有する。プレポリマーの該成分について以下(イソシアネート成分中)に示す重量部(PBW)には、表1Aにおける基剤プレポリマーAに添加する添加剤パッケージも含まれる。
【0132】

【0133】
【表1】

【0134】
【表2】

【0135】
ポリオール成分の一般的な調製方法
乾燥窒素の連続的流れの下、必要な量の(i)ヒドロキシ官能性ポリオール(ポリエーテルまたはポリエステル)、(ii)第1級芳香族ジアミン成分、(iii)第2級ジアミン成分、(iv)消泡剤、(v)抗酸化物質および(vi)増白剤を三つ口フラスコに投入した。該ブレンドを空気が完全に無くなるまで60℃で撹拌して脱気し続けた。真空を乾燥窒素で破壊して、材料を乾燥容器に移し、乾燥窒素でガスシールした。次いで該ブレンドをイソシアネートおよびイソシアネートプレポリマーと反応させて、ポリウレタンウレアを形成した。該ポリオール成分を表2Aおよび表2Bに示す。
【0136】
各ポリオールブレンドについて表2Aおよび2Bに示す組成データに加えて、本発明に適したポリオールブレンドに含まれる添加剤についての適当な範囲を本明細書に提供する。イソシアネート/プレポリマー成分と同様に、本発明のポリオールブレンドのための好ましい添加剤パッケージが存在する。以下のものが本発明のポリオールブレンドについて特に好ましい添加剤パッケージである。該特定のポリオールブレンドは、いくつかの実施例中に用いられたポリオールブレンドBに相当する。表2Aに示すように、ポリオールブレンドBは、ポリオールブレンドのイソシアネート反応性成分のみを含有する。表2Aおよび2Bに示すポリオールブレンドのイソシアネート反応性成分に対する重量部を100%に対して正規化した。ポリオールブレンドのイソシアネート反応性成分について以下に示す重量部には、表2の基剤ポリオールブレンドBに添加する添加剤パッケージが含まれる。
【0137】

【0138】
【表3】

【0139】
【表4】

【0140】
固体ポリウレタンウレアの一般的な調製方法
全ての注型は、105のポリオール/アミンに対するイソシアネート指数で行った。手注型は、FlackTek Inc製のHauschild High Speed Mixer DAC400FVを用いて、混合速度1000〜1600RPMで10〜40秒間、化学量論的な量のイソシアネートとイソシアネート反応性成分をバッチ混合し、適当な鋳型に注ぐことによって行った。表3Aおよび3Bの全ての実施例では手注型した。連続注入可能な機械注型は、再循環モードで脱気可能なMAX Machineを用いて行った。表3Aおよび3Bに示す実施例の、実施例1および2のみMAX Machineで処理した。しかしながら、表3Aおよび3Bにおいて報告する全ての結果は、Hauschild High Speed Mixerを用いて上述の二つの成分を混合して製造された手注型鋳物についての結果である。
【0141】
手注型
計算量のイソシアネート成分およびポリオール/アミンまたはアミン成分を、完全に溶解空気が無くなるまで25℃で別個に脱気した。化学量論的な量のポリオール/アミン成分をイソシアネート成分に添加し、容器を密閉して高速ミキサー中に設置した。均質に2つの成分を混合するまで10〜40秒間高速撹拌した後、容器をミキサーから取り出し、蓋を外して反応透明液体混合物を開放または密閉強化ガラス製鋳型のいずれかに注いだ。鋳型サイズは異なったが、ほとんどは6”角または12”角のいずれかであった。一般に、それらを25℃で維持したが、必要に応じて、例えば温度65℃まで加熱してよい。離型剤を使用した際、加熱前に離型剤を塗布した。さらに、得られた部品が光学的用途用である場合には、使用するいずれの離型剤も光学的に明澄であるべきである。鋳型を満たすと、それを110℃で一定の時間(表3Aおよび表3Bを参照されたい)対流式オーブン中に設置し、その後、部品を容易に離型させることができた。次いで離型部品を110℃16時間、電気対流式オーブン中で後硬化させた。
【0142】
機械注型
イソシアネートおよびポリオール成分を装置上のデイタンクに投入し、全ての溶解空気を完全に除去するまで再循環モードで脱気した。ポリオール成分を25〜30℃で維持する間、イソシアネート成分を温度32〜45℃で維持した。イソシアネートおよびポリオールの計量ポンプのRPMを調節して、指数105に対するイソシアネートおよびポリオールの正確な量を計量分配した。較正モード状態の装置によって混合比を確認した。装置を注入モードに切り替え、開放または密閉ガラス鋳型のいずれかに反応混合物を注入して部品を製造した。典型的には、鋳型サイズはまた、6”角または12”角であった。手注型と同様に、離型は、典型的には2〜3時間後であった(表3Aおよび表3B参照されたい)。次いで部品を電動対流式オーブン中で16時間110℃で後硬化させた。
【0143】
【表5】

【0144】
【表6】

【0145】
実施例16および17がいずれの内部離型剤も含有しないことを除けば、実施例16および17は、それぞれ表3Aの実施例1および2における上述の系と同一であった。
【0146】
【表7】

【0147】
例示の目的で本発明を上記に詳しく説明したが、そのような詳細は、単なる例示目的にすぎず、請求の範囲によって限定され得ることを除き、本発明の意図および範囲から逸脱せずに当業者によって変更され得ると理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)NCO基含有率約4〜約50%および平均官能価約2〜約3を有する少なくとも1つの(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートまたは(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートプレポリマーと、
(B)(1)2つの第1級芳香族アミン基を含有し、分子量約100〜約1000を有する1以上の芳香族ジアミン化合物、
(2)2つの第2級アミン基を含有し、分子量約100〜約750を有し、該第2級アミン基は(シクロ)脂肪族基および/または芳香族基に結合する、1以上のイソシアネート反応性化合物、および必要に応じて、
(3)官能価約2.0〜約3.0および分子量約100〜約4000を有する1以上のヒドロキシル官能性化合物
を含んでなるイソシアネート反応性成分を、
必要に応じて、
(C)1以上の触媒
の存在下に反応させた反応生成物を含んでなり、(A)と(B)の相対量は、イソシアネート指数が約95〜約110であるような量である、ポリウレタンウレア。
【請求項2】
(A)は、
(1)NCO基含有率約4%〜約50%および官能価約2.0〜約3.0を有する(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートであって、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシレンジイソシアネートおよびそれらの混合物からなる群から選択される前記(シクロ)脂肪族ポリイソシアネート、および
(2)少なくとも約2つのヒドロキシル基を含有し、分子量約100〜約4000を有する少なくとも1つの有機化合物
の反応生成物を含んでなるポリイソシアネートプレポリマーを含んでなり、NCOとOHの当量比は、約2.25:1.0〜約20.0:1.0である、請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項3】
(A)は、ポリイソシアネートプレポリマーを含んでなり、該プレポリマー中のNCOとOHの当量比は、約5.0:1.0〜約12.25:1.0である、請求項2に記載のポリウレタンウレア。
【請求項4】
(A)は、ポリイソシアネートプレポリマーを含んでなり、該プレポリマー中のNCOとOHの当量比は、約6.0:1.0〜約10.0:1.0である、請求項2に記載のポリウレタンウレア。
【請求項5】
前記イソシアネート反応性成分(B)は、
(1)2つの第1級芳香族アミン基を含有し、分子量約100〜約400を有する1以上の芳香族ジアミン化合物、および
(2)脂肪族基および/または芳香族アミン基である2つの第2級アミン基を含有し、分子量約100〜約750を有する、1以上のイソシアネート反応性化合物
を含んでなる、請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項6】
NH:NCOの当量比は、約0.6:1.0〜約0.95:1.0である、請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項7】
NH/NCOの当量比は、約0.6:1.0〜約0.9:1.0である、請求項6に記載のポリウレタンウレア。
【請求項8】
NH/NCOの当量比は、約0.65:1.0〜約0.75:1.0である、請求項6に記載のポリウレタンウレア。
【請求項9】
成分(A)は、
(A)(1)成分(A)100重量%を基準として20〜100重量%の(シクロ)脂肪族ポリイソシアネート、および
(A)(2)成分(A)100重量%を基準として0〜80重量%の、少なくとも2つのヒドロキシル基を含有し、分子量約100〜約4000を有する少なくとも1つの有機化合物を含んでなり、(A)(1)と(A)(2)の重量%の合計は、成分(A)の100重量%となる、請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項10】
(A)は、(A)(1)60〜90重量%および(A)(2)10〜40重量%を含んでなる、請求項9に記載のポリウレタンウレア。
【請求項11】
(A)(1)は、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを含んでなり、(A)(2)は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルグリコール、ポリエーテルポリオールまたはそれらの混合物を含んでなる、請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項12】
(A)(2)は、ポリカプロラクトンポリエステルポリオールを含んでなる、請求項11に記載のポリウレタンウレア。
【請求項13】
(A)(2)は、(i)ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールまたはそれらの混合物、および(ii)三官能性鎖延長剤または架橋剤を含んでなる、請求項2に記載のポリウレタンウレア。
【請求項14】
前記芳香族ジアミン(B)(1)は、分子量約100〜約400を有し、1,4−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジチオメチル−2,4−ジアミノトルエン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよびそれらの混合物を含んでなる、請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項15】
(B)(2)は、N−アルキル−置換芳香族ジアミン、N,N’−ジアルキル置換芳香族ジアミン、N,N’−ジアルキル置換イソホロンジアミン、脂肪族第2級ジアミン、ポリアスパラギン酸エステルまたはそれらの混合物を含んでなる、請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項16】
イソシアネート反応性成分(B)は、
(B)(1)芳香族基に結合した2つの第1級アミン基を含有し、分子量約100〜約400を有する少なくとも1つの芳香族ジアミン約10〜約95重量%、および
(B)(2)(シクロ)脂肪族基および/または芳香族基に結合した2つの第2級アミン基を含有し、分子量約200〜約600を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性成分約5〜90重量%
を含んでなり、(B)(1)と(B)(2)の重量%の合計は、(B)の100重量%となる、請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項17】
(B)(1)は、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミンまたはそれらの混合物を含んでなり、(B)(2)は、ポリアスパラギン酸エステルを含んでなる、請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項18】
前記イソシアネート反応性成分(B)は、
(B)(1)芳香族基に結合した2つの第1級アミン基を含有し、分子量約100〜約1000を有する少なくとも1つの芳香族ジアミン約30〜79重量%、
(B)(2)(シクロ)脂肪族基および/または芳香族基に結合した2つの第2級アミン基を含有し、分子量約100〜約750を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性成分約1〜20重量%、および
(B)(3)OH官能価約2〜約3および分子量約100〜約4000を有する1以上のヒドロキシル官能性化合物約20〜50重量%
を含んでなり、(B)(1)と(B)(2)と(B)(3)の重量%の合計は、(B)の100重量%となる、請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項19】
(B)(1)は、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミンまたはそれらの混合物を含んでなり、(B)(2)は、ポリアスパラギン酸エステルを含んでなり、(B)(3)は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールまたはポリエーテルグリコールを含んでなる、請求項18に記載のポリウレタンウレア。
【請求項20】
(A)(1)少なくとも1つの(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートと、
(2)少なくとも2つのヒドロキシル基を含有し、約100〜約4000の分子量を有する少なくとも1つの有機化合物
との反応生成物を含んでなる、NCO基含有率約4〜約50%および平均官能価約2〜約3を有する少なくとも1つの(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートプレポリマーと、
(B)(1)2つの第1級芳香族アミン基を含有し、分子量約100〜約1000を有する1以上の芳香族ジアミン化合物、
(2)2つの第2級アミン基を含有し、分子量約100〜約750を有し、該第2級アミン基は(シクロ)脂肪族基および/または芳香族基に結合する、1以上のイソシアネート反応性化合物、および
(3)官能価約2.0〜約3.0および分子量約100〜約4000を有する1以上のヒドロキシル官能性化合物
を含んでなるイソシアネート反応性成分を、
必要に応じて、
(C)1以上の触媒
の存在下に反応させた反応生成物を含んでなり、(A)と(B)の相対量は、イソシアネート指数が約95〜約110であって、プレポリマー中のNCOとOHの当量比が約2.25:1.0〜約20.0:1.0であって、NH:NCOの当量比が約0.6:1.0〜約0.95:1.0であるような量である、ポリウレタンウレア。
【請求項21】
(A)(1)は、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを含んでなり、(B)(1)は、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミンまたはそれらの混合物を含んでなり、(B)(2)は、ポリアスパラギン酸エステルを含んでなる、請求項20に記載のポリウレタンウレア。
【請求項22】
固体で光学的に明澄である、請求項1に記載のポリウレタンウレア。
【請求項23】
(1)(A)NCO基含有率約4〜約50%および平均官能価約2〜約3を有する少なくとも1つの(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートまたは(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートプレポリマーと、
(B)(1)2つの第1級芳香族アミン基を含有し、分子量約100〜約1000を有する1以上の芳香族ジアミン化合物、
(2)2つの第2級アミン基を含有し、分子量約100〜約750を有し、該第2級アミン基は(シクロ)脂肪族基および/または芳香族基に結合する、1以上のイソシアネート反応性化合物、および必要に応じて、
(3)官能価約2.0〜約3.0および分子量約100〜約4000を有する1以上のヒドロキシル官能性化合物
を含んでなるイソシアネート反応性成分を、
必要に応じて、
(C)1以上の触媒
の存在下に反応させることを含んでなり、(A)と(B)の相対量は、イソシアネート指数が約95〜約110であるような量である、ポリウレタンウレアの製造方法。
【請求項24】
(A)は、
(1)NCO基含有率約4%〜約50%および官能価約2.0〜約3.0を有する(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートであって、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシレンジイソシアネートおよびそれらの混合物からなる群から選択される前記(シクロ)脂肪族ポリイソシアネート、および
(2)少なくとも約2つのヒドロキシル基を含有し、分子量約100〜約4000を有する少なくとも1つの有機化合物
との反応生成物を含んでなるポリイソシアネートプレポリマーを含んでなり、NCOとOHの当量比は、約2.25:1.0〜約20.0:1.0である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
(A)は、ポリイソシアネートプレポリマーを含んでなり、プレポリマー中のNCOとOHの当量比は、約5.0:1.0:1.0〜約12.25:1.0である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
(A)は、ポリイソシアネートプレポリマーを含んでなり、プレポリマー中のNCOとOHの当量比は、約6.0:1.0:1.0〜約10.0:1.0である、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記イソシアネート反応性成分(B)(B)は、
(1)2つの第1級芳香族アミン基を含有し、分子量約100〜約400を有する1以上の芳香族ジアミン化合物、および
(2)脂肪族基および/または芳香族アミン基である2つの第2級アミン基を含有し、分子量約100〜約750を有する1以上のイソシアネート反応性化合物
を含んでなる、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
NH:NCOの当量比は、約0.6:1.0〜約0.95:1.0である、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
NH/NCOの当量比は、約0.6:1.0〜約0.9:1.0である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
NH/NCOの当量比は、約0.65:1.0〜約0.75:1.0である、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
成分(A)は、
(A)(1)成分(A)100重量%を基準として20〜100重量%の(シクロ)脂肪族ポリイソシアネート、および
(A)(2)成分(A)100重量%を基準として0〜80重量%の、少なくとも2つのヒドロキシル基を含有し、分子量約100〜約4000を有する少なくとも1つの有機化合物
を含んでなり、(A)(1)と(A)(2)の重量%の合計は、(A)の100重量%となる、請求項23に記載の方法。
【請求項32】
(A)は、(A)(1)60〜90重量%および(A)(2)10〜40重量%を含んでなる、請求項31に記載のポリウレタンウレア。
【請求項33】
(A)(1)は、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを含んでなり、(A)(2)は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルグリコール、ポリエーテルポリオールまたはそれらの混合物を含んでなる、請求項23に記載の方法。
【請求項34】
(A)(2)は、ポリカプロラクトンポリエステルポリオールを含んでなる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
(A)(2)は、(i)ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールまたはそれらの混合物および(ii)三官能性鎖延長剤または架橋剤を含んでなる、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
前記芳香族ジアミン(B)(1)は、分子量約100〜約400を有し、1,4−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジチオメチル−2,4−ジアミノトルエン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンおよびそれらの混合物を含んでなる、請求項23に記載の方法。
【請求項37】
(B)(2)は、N−アルキル置換芳香族ジアミン、N,N’−ジアルキル置換芳香族ジアミン、N,N’−ジアルキル置換イソホロンジアミン、脂肪族第2級ジアミン、ポリアスパラギン酸エステルまたはそれらの混合物を含んでなる、請求項23に記載の方法。
【請求項38】
イソシアネート反応性成分(B)は、
(B)(1)芳香族基に結合した2つの第1級アミン基を含有し、分子量約100〜約400を有する、少なくとも1つの芳香族ジアミン約10〜約95重量%、および
(B)(2)(シクロ)脂肪族基および/または芳香族基に結合した2つの第2級アミン基を含有し、分子量約200〜約600を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性成分約5〜90重量%
を含んでなり、(B)(1)と(B)(2)の重量%の合計は、(B)の100重量%となる、請求項23に記載の方法。
【請求項39】
(B)(1)は、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミンまたはそれらの混合物を含んでなり、(B)(2)は、ポリアスパラギン酸エステルを含んでなる、請求項23に記載の方法。
【請求項40】
前記イソシアネート反応性成分(B)は、
(B)(1)芳香族基に結合した2つの第1級アミン基を含有し、分子量約100〜約1000を有する、少なくとも1つの芳香族ジアミン約30〜79重量%、
(B)(2)(シクロ)脂肪族基および/または芳香族基に結合した2つの第2級アミン基を含有し、分子量約100〜約750を有する少なくとも1つのイソシアネート反応性成分約1〜20重量%、および
(B)(3)OH官能価約2〜約3および分子量約100〜約4000を有する1以上のヒドロキシル官能性化合物約20〜50重量%
を含んでなり、(B)(1)と(B)(2)と(B)(3)の重量%の合計は、(B)の100重量%となる、請求項23に記載の方法。
【請求項41】
(B)(1)は、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミンまたはそれらの混合物を含んでなり、(B)(2)は、ポリアスパラギン酸エステルを含んでなり、(B)(3)は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールまたはポリエーテルグリコールを含んでなる、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
(1)(A)(1)少なくとも1つの(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートと、
(2)少なくとも2つのヒドロキシル基を含有し、分子量約100〜約4000を有する少なくとも1つの有機化合物
との反応生成物を含んでなる、NCO基含有率約4〜約50%および平均官能価約2〜約3を有する少なくとも1つの(シクロ)脂肪族ポリイソシアネートプレポリマーと、
(B)(1)2つの第1級芳香族アミン基を含有し、分子量約100〜約1000を有する1以上の芳香族ジアミン化合物、
(2)2つの第2級アミン基を含有し、分子量約100〜約750を有し、該第2級アミン基は(シクロ)脂肪族基および/または芳香族基に結合する、1以上のイソシアネート反応性化合物、および
(3)官能価約2.0〜約3.0および分子量約100〜約4000を有する1以上のヒドロキシル官能性化合物
を含んでなるイソシアネート反応性成分を、
必要に応じて、
(C)1以上の触媒
の存在下に反応させることを含んでなり、(A)と(B)の相対量は、イソシアネート指数が約95〜約110であって、プレポリマー中のNCOとOHの当量比が約2.25:1.0〜約20.0:1.0であって、NH:NCOの当量比が約0.6:1.0〜約0.95:1.0であるような量である、ポリウレタンウレアの製造方法。
【請求項43】
(A)(1)は、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを含んでなり、(B)(1)は、3,5−ジエチル−2,4−トルエンジアミン、3,5−ジエチル−2,6−トルエンジアミンまたはそれらの混合物を含んでなり、(B)(2)はポリアスパラギン酸エステルを含んでなる、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
得られたポリウレタンウレアは、固体であって、光学的に明澄である、請求項23に記載の方法。

【公表番号】特表2009−513782(P2009−513782A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−537853(P2008−537853)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/041362
【国際公開番号】WO2007/050542
【国際公開日】平成19年5月3日(2007.5.3)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】