説明

ポリウレタンエラストマー、該ポリウレタンエラストマーを製造する方法およびその使用法

【発明の詳細な説明】
本発明は、特定の構造単位を有するポリウレタンエラストマー、その製造方法およびフィルムまたはファイバーを製造するための溶融紡糸プロセスおよび押し出しプロセスにおけるそれらの使用法に関する。
ポリウレタンエラストマーは軟質セグメントと硬質セグメントとが一定に配置されたブロックコポリマーである。軟質セグメントは、長い、ランダムに配置された可撓性の鎖を備え、この鎖によりファイバーに必要なゴム状の弾性が与えられる。これら性質は伸びおよび伸びの力に対する軟質セグメントの相対的モル質量およびそのタイプと共に変わり得る。硬質セグメントは変形後に分子の鎖が回復することに役割を果たしている。これら硬質セグメントは短い鎖の結晶質領域を含む。これら硬質セグメントの主な役割は、所定の点で機械的な力の作用を受けてポリマー鎖がスライドしてずれるのを防止することである。変形的な伸びを行った後、エラストマー内に生じる回復力により、ほぼスタート時の長さまで収縮する。残留する長さの差は残留伸びと称される。
一般に、ポリウレタンエラストマーは2段階プロセスによって得られる。すなわちこの2段階プロセスでは第1の反応工程においてジイソシアネートを用いて高分子状ジオールをプレポリマーに転化し、次に第2工程でこのプレポリマーはいわゆる連鎖延長剤と反応し、高分子生成物を形成する。第1の反応工程では過剰な量のジイソシアネートを使用するので、プレポリマーは両端がイソシアネート基によって終端される。連鎖延長剤は末端反応性水素原子を備えた二官能基の低分子化合物であり、ジヒドロキシまたはジアミン化合物であることが多い。これら化合物はプレポリマーと反応し、対応するカルバミン酸誘導物、すなわちポリウレタンエラストマー、またはポリウレアウレタンエラストマーを形成する。マクロ分子鎖では高分子状ジオールから形成された軟質セグメントは連鎖延長剤と末端イソシアネート基との反応によって形成された合成の硬質セグメントと交互に位置する。
硬質セグメントと軟質セグメントとは化学的組成が異なることのみならず、それらの極性および分子量が異なることにより脱混合が生じる。隣接する鎖の間の水素のブリッジ結合により、硬質セグメントが平行に並置された状態となる。鎖間の長い移動分子鎖により絡み合い部とループ部が形成され、これら絡み合い部およびループ部は大きい網状の組織が伸びる間にはずれたり、伸長したりする。硬質セグメント間の相互作用により伸び状態における分子鎖の塑性流れが防止される。マクロ分子の伸長はより高次の立体配座への転移およびエントロピーの減少と結び付いており、分子が熱運動することによりこれら分子は付加を低減した後、ループのより大きいエントロピーに関連した状態に復帰する。しかしながら強力な機械的な負荷が加えられた場合、ポリマー鎖が伸びた状態でスライドするような永久的な伸びが起こり得る。
ポリウレタンエラストマーにおける硬質セグメントは伸びを制限する架橋機能のみならず、熱強度、特に溶融範囲に対する決定的な影響を有する。ジアミン連鎖延長剤を使用した細に形成されるウリア基は、グルコール延長剤により形成されたウレタン基よりも極性が強い。ポリウレタンエラストマーにおける水素ブリッジ結合が強力になればなるほど硬質セグメントと軟質セグメントとの脱混合が大きく発生し、よって弾性的性質がより良好となるだけでなく、硬質セグメントの軟化点もより高くなる。
文献から、エラストマーヤーンを製造するための種々の紡糸方法が知られている。エラストマーファイバーの主要部分はドライ紡糸方法によって製造される。この方法では、垂直に配置された加熱紡糸シャフトにおけるマルチ孔のノズルを通過するように高粘性の溶液を加圧する。同時に、溶剤を蒸発させ、フィラメントを硬化させるように高温空気を吹き付ける。紡糸速度は約200〜600m/分の範囲内である。紡糸シャフト内の滞留時間が短いことにより、かつ溶剤の完全な除去を保証するために単一滴定量は最大20dtexに制限される。対応する単一毛細管と補助トルクの利用とを組み合わせることにより、最終滴定の生成が生じる。
ウェット紡糸では調製したポリマー溶液を凝固浴内に紡糸する。その後、ヤーンを洗浄し、互いに接合し、乾燥する。引き上げ速度は約100m/分である。
反応性紡糸方法は化学反応と紡糸プロセスとを組み合わせたものである。マルチ孔ノズルを通して、例えば脂肪族ジアミンの紡糸浴内にプレポリマーを押し出す。フィラメントの表面において、ポリウレアウレタンに対するイソシアネート−アミン反応が生じる。比較的固体状の表皮部分により確実な紡糸方法が可能となる。高温水による処理またはジアミンアルコールまたはトルエンとの反応によりファイバーの内部が硬化する。この紡糸速度はウェット紡糸方法と同じ範囲内である。
溶融紡糸では、ポリマーをシリンダ内で溶融し、ギアポンプまたは押し出しウォーム機を使ってこの溶融体がダイプレートを通過するように加圧する。排出されるファイバーは空気中で凝固する。この技術の利点は、溶剤を使うことなくヤーンに紡糸できることである。このような経済的に重要な方法は現在までアミノ含有連鎖延長剤により長くされたポリウレタンエラストマーには用いられていなかった。これらポリマーは硬質セグメントの軟化点が高いことにより、溶融前に通常、分解する。
従って、市販されている溶融紡糸されたエラストマーポリウレタンファイバーはヒドロキシル基を含む連鎖延長剤を使用している。エフ・フォルネー氏(Chemiefasern/Textilind.96(1994年)、392−398)は溶融紡糸方法によってポリウレタンエステルファイバー「ロベール(Lobell)」を得るパイロットプラントを稼働している日本のメーカー、カネボウについてレポートしている。溶融紡糸ポリエーテル−エステルヤーンであるテイジンの「レクセ(Rexe)」およびクラレの「スパンテル(Spantel)」は1993年以来、市販されている。これらファイバーの機械的性質は満足できるものではない。その理由は、硬質セグメントにおいてウレア基の代わりにウレタン基が存在してるので、上記のように水素ブリッジ結合が弱いことに起因して機械的な安定性が低いからである。
硬質セグメントの共有架橋により機械的な織物の性質が改善された(F.Hermanutz、P.Hirt、Chemiefasern/Textilind.96(1994)、388391)。二重結合を含む連鎖延長剤を使用することにより架橋可能な中心がこの目的のために形成された。紡糸後、電子放射線または紫外線により、重合を誘発できる。しかしながらこれらポリウレタンエラストマーはジアミンで連鎖延長されたポリウレタンエラストマーが溶融紡糸できないという制約を受ける。更にこれら公知のポリウレタンエラストマーは電子線または紫外線の照射後強力に黄化変化を呈す。
従って、本発明の課題は、適当な溶融点に起因し、有利に溶融紡糸でき、オプションとして、例えば高エネルギー放射線の照射による適当な二次的処理により、ファイバーに機械的性質を付与できるポリウレタンエラストマーを利用できるようにすることにある。
本発明によれば、この課題は次の構造単位

(ここで 基−O−R1−O−は500〜10000の分子量を有するマクロジオール基を示し、 R2は2価の脂肪族、脂環式および/または脂肪族−脂環式基を示し、 Xは側面に並んだ基が最大14個の結合だけ互いに離間した、オレフィン系不飽和基を示し、 YはNHまたはOを示し、 nは1〜10の整数を示し、 mは少なくとも4の整数を示す)を含むポリウレタンエラストマーによって達成される。
従って、ポリウレタンエラストマーでは部分R1、R2およびXが重要である。
部分R1はマクロジオールに由来するものでよい。好ましくは線状ジオールを実質的に使用し、このジオールは末端ヒドロキシル基の外にイソシアネートと反応する別の基を支持することはない。マクロジオールは約500〜10000、好ましくは約700〜5000、特に約1000〜3000の分子量を有する。この分子量は重量平均した平均分子量と解すべきである。マクロジオール部分が過度に短い場合、硬質セグメントと軟質セグメントとの間の凝集エネルギーの差が小さくなり、このため相混合がより強くなり、よって弾性特性が不良となる。二次転移温度の低いマクロジオールを使用することが好ましい。一般に、使用するマクロジオールの二次転移温度は約−35℃〜−60℃である。
ポリエステルグリコールおよびポリエーテルグリコールを使用することが好ましく、末端ヒドロキシル基を有するポリエーテルをポリエーテルグリコールと称する。ポリアルキレングリコールを使用することが好ましい。好ましい例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよび/またはポリテトラメチレングリコールがあり、これらのうちで特に最後のポリテトラメチレングリコールが好ましい。ポリテトラメチレングリコールをポリテトラヒドロフランとも称し、酸触媒を使ったテトラヒドロフランのイオン重合によって製造できる。テトラヒドロフランと酸化プロピレン、酸化エチレンおよびグリコールとの共重合により適当なコポリマーが得られる。ポリエーテルグリコールから合成されるエラストマーは低温挙動が好ましく、かつ加水分解安定性が高いことで際立っている。
脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸と過剰な量のジオールとをエステル化することにより、適当なポリエステルグリコールを製造することが好ましい。好ましいジカルボン酸としては、琥珀酸、グルタミン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸およびセバシン酸が挙げられる。ジカルボン酸は過度のジオール、好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび/または1,6−ヘキサンジオールによりエステル化される。特にアジピン酸およびエチレングリコールからのポリエステルが好ましい。低温では、ポリエステルセグメエントは結晶化する性質があるが、このような結晶化は弾性特性を低下させるものである。メチレンの枝分れ鎖を組み込むことによりポリエステル鎖が結晶化する性質を低下させることが好ましい。このようなことは上記ジオールを他のジオール、例えば1,2−プロパンジオールおよび2,3−ブタンジオールで部分的に置換するか、またはメチレンを置換したジカルボン酸を使用することによって行うことができる。上記のより長い鎖状グリコール、例えば1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび/または1,6ヘキサンジオールを使用することにより、加水分解安定性の高いエラストマーが得られる。
少量のジオールを用いるによりオメガヒドロキシカルボキシル酸を転化することにより、特に少量のジオールにより、ラクトンを開環重合することによっても適当なポリエステルグリコールを得ることができる。ポリエーテルグリコールとポリエステルグリコールの混合物を使用することも可能である。適当なマグロジオールに関してはウルマンの応用化学事典、第3版、1963年、発行社ウルバン・アンド・シャルツェンバーグ、ミュンヘン、ベルリン、第14巻344ページを参照されたい。
本発明に係わるポリウレタンエラストマーは更に2価の脂肪族、脂環式および/または脂肪族−脂環式部分R2を含む。驚くことに、部分R2も溶融体の挙動を大きく決定し、よって溶融紡糸性、またはポリウレタンエラストマーの溶融押し出し性を大きく決定することが判った。更に、適当な部分R2を選択することにより高エネルギー放射線による照射中の黄化現象も低減するか、または解消できることが判った。部分R2が芳香族部分しか含まない場合、結果として生じるポリウレタンエラストマーは分解されていない状態では溶融状態にできず、よって溶融紡糸できない。芳香族部分R2のみが存在している場合、高エネルギー放射線による二次的処理の間に強力な黄化現象が生じる。従って、本発明に係わるポリウレタンエラストマーは実質的に芳香族でない部分R2を含む。しかしながらポリウレタンエラストマー内にはエラストマーの所望する性質が損なわれない比率まで芳香族部分R2が存在できる。部分R2の総量に対して20モル%未満、特に10モル%未満で芳香族部分がこれまで存在していた。2価の部分R2は2〜14個の炭素原子を有するアルキレン基、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキレン基および/または7〜24個の炭素原子を有する脂肪族−脂環式基であることが好ましい。特に好ましい部分R2はヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート形態をしたジイソシアネートから得られたものである。
本発明に関わるポリウレタンエラストマーは短鎖状のオレフィン系不飽和部分Xを更に含む。「短鎖状」なる用語は、部分Xにて側方に並んだ2つのO−基またはNH−基が互いに最大14個の結合、特に11個の結合だけ離間していることを意味する。「オレフィン系不飽和」とは、この部分が重合反応可能な1つまたは数個の二重結合または三重結合を含むことと解される。主鎖に二重結合または三重結合が存在できるが、側方基にもこれら結合が位置していてもよい。
本発明に係わるポリウレタンエラストマー及びその製造方法におけるオレフィン系不飽和部分はジアミノアルケン、ジアミノアルキンおよび/またはジアミノシクロアルケンから由来するものである。本発明に係わるポリウレタンエラストマーファイバーでは、このオレフィン系不飽和部分はアルケンジオール、アルキルジオールおよび/またはシクロアルケンジオールから由来するものでよい。二重結合または三重結合を形成している炭素原子上に直接アミノ基またはヒドロキシ基が位置していてもよい。かかる化合物は一般に、過極物を電子的に安定化する置換物を更に含む。アミノ基またはヒドロキシ基は二重結合または三重結合を形成している炭素原子から1個または数個の結合だけ分離していてもよい。適当なジアミンの好ましい例としては、シス−またはトランス−1,4−ジアミノブト−2−エン、シス−またはトランス−4,4′−ジアミノスチルベン、ジアミノマレイン酸ジニトリル、1,4−ジアミノブト−2−エンおよび/または3,6−ジアミノシクロヘキセン−(1)がある。適当なジオールの好ましい例としては、グリセリン−1−アリルエーテル、シス−またはトランス−2−ブテン−1,4−ジオール、2−ブチン−1,4−ジオールおよび5,6−ビス−(ヒドロキシメチル)−ビシクロ[2.2.1.]ヘプテン−2が挙げられる。得られるポリウレタンエラストマーの所望する性質が損なわれない限り、不飽和ジアミンおよび/またはジオールと、他のアミンまたはジオールとの混合物を使用することも可能である。
数nは1〜10の間の数とすることができる。この数は、当該1つの軟質セグメント内に存在するマクロジオール部分の数を示している。エラストマーでは数nは統計学的な分布のばらつきを受ける。nの平均値は小さい値、例えば1〜6の間、特に1〜3の間の値であることが好ましい。
ポリウレタンエラストマーにおいて繰り返される軟質セグメントと硬質セグメントの単位の数mは少なくとも4、好ましくは少なくとも8である。より短い鎖を有するエラストマーは得られる製品の付着性によって溶融押し出しもできないし、溶融紡糸もできない。mの値はこれまでは8〜75の範囲内にあった。
本発明に係わるポリウレタンエラストマーはつや消し剤、色顔料、酸化防止剤、熱安定剤、光または紫外線安定剤および/または加水分解安定剤としての添加剤を含むことができる。
本発明の要旨は、上記ポリウレタンエラストマーの製造方法にもある。使用すべきポリエーテルグリコールまたはポリエステルグリコールは、既に湿分を含まない状態で得られるか、または例えば共沸転化による転化前に、水を付着していないものであることが好ましい。
マクロジオールおよびジイソシアネートOCN−R2−NCOは、約60〜150℃、好ましくは約80〜135℃の間の温度で約1:5〜1:1.1、特に約1:2〜1:1.1のモル比で転化される。溶融物内で溶剤を使用することなく、またはジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミドのような極性溶剤内で転化を実行できる。オプションとして所望の反応レベルをセットするために重付加触媒、特にジブチル錫ジラウレートまたはジブチル錫ジアセテートを加えることができる。溶剤内での転化を行う場合、常に触媒が必要である。マクロジオールは選択したモル比に応じ、ウレタンを介したプレポリマーを形成するよう、予め延長される(NCO/OH<2の場合)か、または鎖の端部でジイソシアネートとリンクする(NCO/OH=2の場合)だけである。転化は統計学的な法則にしたがている。マクロジオールとイソシアネートのモル比は約1:4〜1:1.5の間である。典型的なモル比は約1:4、約1:3、約1:2、約2:3である。
得られたプレポリマーはその後、連鎖延長剤として使用されるオレフィン系不飽和ジアミンまたはジオールにより第2反応工程で転化される。この目的のために、プレポリマーは適当な溶剤、例えばジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミド内で溶融または溶解され、液体と組み合わされるか、または溶融され、または連鎖延長剤により同一または他の溶剤内に溶解される。転化は約70〜150℃、特に約80〜135℃の間の温度で行うことが好ましい。重付加触媒、特にジブチル錫ジラウレートまたはジブチル錫ジアセテートを使用することが好ましい。母状な架橋の形成による過剰イソシアネート基と既に形成された尿素またはウレタン基との好ましくない副反応を防止するためにジアミンまたはジオールに溶融または溶解したプレポリマーを添加することが好ましい。最大の鎖長さを得るには更に理論的な量のイソニアテート官能基およびアミンまたはヒドロキシ官能基が互いに反応するような定量的比でプレポリマーおよび連鎖延長剤を転化することが好ましい。連鎖延長剤の必要な量はジイソシアネートおよびマクロジオールの最初に使用したモル比から計算できる。不純物または少量の湿分だけ失われたジイソシアネートの量は考慮しない。従って、例えば滴定によりプレポリマーのイソシアネート基の量を測定し、連鎖延長剤の必要な量をこれから計算することが望ましい。
特に不飽和ジオール連鎖延長剤を使用する際には、実質的に連鎖延長剤が溶剤の存在しない状態でプレポリマーの合成を実行することが好ましい。
個々のケースではプレポリマーステージを迂回することも可能である(ワンショットプロセス)。ここではジイソシアネートはマクロジオールと連鎖延長剤と同時に反応する。反応は溶融体内のみならず、適当な溶剤内でも生じ得る。
本発明に係わるポリウレタンエラストマーは従来の成形方法または紡糸方法、好ましくはファイバーにする溶融紡糸またはフィルムにする溶融押し出しにより処理できる。このように製造されたファイバーは有利な弾性特性、特に引張強度、引裂点伸び、残留伸びおよび熱撓み温度(HDT)の好ましい値を呈す。
本発明に関わるポリウレタンエラストマーから形成されたフィルムまたは糸の機械的な織物特性を更に改善するために、ポリマー鎖内に組み込まれる二重結合または三重結合の共有架橋を誘導する。この目的のために、形成したフィルムまたは糸に高エネルギー放射線を照射する。ファイバーまたはフィルムは電子ビームまたは紫外線で処理する。このような二次的処理によりファイバーの引張強度、引裂点伸び、残留伸びおよび熱撓み温度の値が著しく改善される。架橋の質的な実証は照射されたファイバーが溶剤、例えばジメチルアセトアミド内で広範に不溶性となることである。照射しないファイバーは短時間の後にジメチルアセトアミド内に溶解するが、電子を照射したファイバーはその弾性特性を保持したまま、かなり不溶な状態のままである。
次に、実施例および添付した図1〜6を参照して本発明についてより詳細に説明する。
図1は、ブタンジオール鎖が延長されたポリウレタンファイバーを電子線で照射した場合の照射量の関数として表示した第1および第5負荷サイクルにおける残留伸びのグラフを示す。図2は、同じポリウレタンファイバーの照射量の関数として表示された引裂強さおよび引張強さでの伸びのグラフを示す。図3は、第1サイクル後の残留伸びのグラフを示し、図4はブタンジオール鎖が伸長されたポリウレタンファイバーを電子線で照射する間の照射線量の関数として表示された、第5伸びサイクル後の残留伸びのグラフを示す。図5は、ブタンジオール鎖が延長されたポリウレタンファイバーを電子線で照射する際の照射線量の関数として表示された、第1および第5負荷サイクルにおける残留伸びのグラフを示し、図6は、同じファイバーの照射染料の関数として表示された伸びおよび引っ張り強さのグラフを示す。
実施例1A)プレポリマーの合成 80℃にて2000の分子量を有するポリテトラメチレングリコール(0.5モル)を溶融し、撹拌機、レフラックス凝縮機、窒素の挿入口および落下ジョウゴが設けられた乾燥フラスコ内に溶融物を入れた。窒素上記の下で撹拌しながら20分間にわたって60℃にてヘキサメチレンジイソシアネート(0.75モル)を滴状に添加した。反応混合物を125℃まで加熱し、この温度で2時間撹拌した。冷却後、反応混合物をジメチルアセトアミドで希釈した。
B)プレポリマー中のNCO量の測定 正確に重量を測定したプレポリマー溶液に10mlのクロロベンゼンだけでなく2mlの(クロロベンゼン中)10重量%のジブチルアミン溶液を添加し、混合物を10分間撹拌した。30mlのメタノールとブロモフェノールブルーの(メタノール中)0.1重量%の溶液の5滴を加えた後、0.1Nの塩酸を用いた滴定により、ジブチルアミン溶液の残留量を測定した。2相系において明青色から緑色への色変化が生じた。しかしながらブラインドテストにおいてプレポリマー溶液を使用することなく、上記使用と同じような手順を実行した。イソシアネート量は次のように計算した。


A=ブラインドテストにおける塩酸の消費量(ml)
B=プレポリマーサンプルにおける塩酸の消費量(ml)
N=塩酸溶液の規定度 42.02=イソシアネート基の重量C)連鎖延長剤の必要な量の計算 イソシアネートの量を決定した後に、次の式に従ってエラストマーを製造するのに必要な連鎖延長剤の量を計算した。


MG(KV)=連鎖延長剤の分子量(g/モル)
NCOの重量%=イソシアネートの量(重量%)
MG(NCO)=イソシアネート基の分子量(g/モル)
D)連鎖延長処理 ポリマー溶液内のマクロジイソシアネートの量からジアミノマレイン酸ジニトリルの必要な量を計算した。20%のポリマー溶液が得られるようにDMAの総量を選択した。100℃に加熱されたDMAに溶解したジアミノマレイン酸ジニトリルおよび1gのジブチル錫ジラウレートの溶液に対し、撹拌しながら2時間にわたって滴状にプレポリマー溶液を添加した。混合物を100℃にて2時間撹拌し、窒素の元に保管した。水中に生成ポリマーを析出し、48時間にわたって凍結乾燥した。
実施例2溶融紡糸 溶融紡糸を行うために凍結乾燥されたポリウレタンエラストマーを複数のピースにカットし、これをプランジャータイプの紡糸装置(合成繊維用機器および装置、ドイツシュトゥットゥガルト、エンダーバッハのFa.Emil Blaschke & Co.GmbH)のプランジャーに入れた。160℃でプランジャー内で材料を溶融し、紡糸ノズル(16孔、孔径100μm)を通して170℃で紡糸した。出口速度は2.10m/分であった。得られたフィラメントをバッチワインダーのスプールに250m/分で巻き付けた。
実施例3電子ビーム硬化 電子ビーム硬化システムESH150(Duerr Anlagenbau GmbH)を使って電子ビーム照射を行った。照射量は100kGyであった。
実施例4ファイバーに力を加えた時の伸び測定 Zwick社の引張テスト装置モデル1435を用いて力を加えた時の伸び測定を実行した。通常の天候条件ですべての測定を実行した。この測定方法はDIN53835に従ったものである。引張強さおよび引裂点伸びを測定するために、次の装置パラメータを選択した。
自由クランプ長さ :50mm 初期の(ストレス)力:0N テスト速度 :500mm/分 DIN53835の第2部に従って残量伸びを測定した。一定の伸び限界の間で負荷と無負荷を5回繰り返すことによりファイバーに応力を加えた。装置は第1回と第5回の負荷および無負荷サイクルを記録した。図は残量伸びおよび機械的な織物特性係数bw,5を示す。残留伸びe1/5Restはサンプルの元の測定長さl0に対する第1回と第5回の伸びサイクルにおける残留長さ変化Δlの比である。無次元の特性係数bw,5は第1伸びサイクルと第5伸びサイクルとの間の相対的な力の減少を示すものである。次の装置パラメータを選択した。
自由クランプ長さ :100mm 伸び :300% 初期応力 :0.01cN/tex テスト速度 :500mm/分 伸びサイクルの回数:5回 次の表1および2に結果を要約する。




図1は、照射によりファイバーの機械的性質が改善されることを示している。
図2は、市販のドライ紡糸およびウェット紡糸された比較ファイバーと比較して、本発明に関わる溶融紡糸ファイバーの機械的性質が優れていることを示している。本発明に係わるファイバーは非照射状態でも既に市販のファイバーよりも残留伸びが著しく小さく、特性係数bw,5が小さいことを示している。ウェット紡糸された比較ファイバーは照射を行った場合でも行わない場合でも、残留伸びが著しく好ましくないことを示している。
実施例5A)プレポリマーの調製 100gのポリエステルジオール(kurapol P 2010mw=2000g/mol)(0.05モル)に、室温にて16.8gのHDI(0.1モル)を添加し、この混合物を激しく撹拌しながら130℃まで加熱した。反応を完了させるためにこの温度で更に1.5時間の間、撹拌を行った。反応終了後、反応混合物を室温まで冷却し、滴定法により残留シアネート量を測定し、この測定に基づき、連鎖延長剤の必要な量を計算した。そのバッチから3.5重量%の残留イソシアネート量が得られた。連鎖延長剤としてブテンジオールを使用すると、これから計算される連鎖延長剤の量は4.29gのブテンジオール(0.049モル)となった。この値は1:1のON/NCO比に対応する。こうして得られたプレポリマーは連鎖延長剤を用いて直接転化できるし、またアルゴン雰囲気下で数週間保持保管できる。
B)連鎖延長工程 テフロン製の容器内116gのプレポリマーを入れ、70℃まで加熱した。この混合物を激しく撹拌しながら、計算した量のブテンジオール(4.29g)を添加した。更に25ppmのジブチル錫ジアセテートを添加した。反応混合物を更に20分間撹拌したところ、このプロセスで粘性が極めて増加した。反応を完了させるためにプレポリマーを70時間の間、70℃に維持した。
同様に、ブチンジオールおよびブタンジオールで伸長されたポリウレタンを処理した。Kurapol対HDI対ジオールのモル比を変えることにより硬質セグメント量の異なるポリウレタンを製造した。ワンショットプロセスで硬質セグメント量の多いポリウレタンを製造した。ワンショットプロセスではマクロジオールを容器に入れ、60℃に加熱する。その後、混合物を撹拌しながら15分間にわたって計算した量のジイソシアネートを添加する。その後、既に溶媒(ジブチル錫ジアセテート)を溶解した必要な量の連鎖延長剤を添加し混合するまで15分間激しく攪拌した。次に連鎖延長剤の反応度に応じて80℃〜120℃にて60分間硬化反応が発生する。
こうして製造したポリウレタンから溶融紡糸ファイバーを製造した。紡糸パラメータは次のとおりである。供給量1.04g/分;引出し速度6〜11.2m/分;滞留時間0.5h、滴定量900〜1700dtex;紡糸温度特定の溶融ピーク最大値の範囲内の110〜160℃。製造したファイバーに0〜200kGvの範囲内の照射量で電子ビームを照射した。その後、ポリウレタンの耐熱性(HDT温度)および機械的性質(残留伸び、引張強さ)を測定した。HDTを測定するために装置DMA7(パーキンエルマー)を使用した。ファイバーをファイバーホルダーにクランプし、TMAモードでテストした。加熱速度は5℃/分であり、温度範囲は20℃〜200℃であり、負荷力は0.002cN/dtexであった。HDT温度として傾きが1℃当たり0.8%の伸びとなる温度を記録した。次の表および図は測定結果をリストしたものである。




ブタンジオールで伸長されたポリウレタンのHDTは照射量を増すと劣化することが理解できる。これと対照的に、ブランジオール、特にブチンジオールで伸長されたポリウレタンのHDTは照射によって著しく増加する。
図1および2は、(硬質セグメント量が11重量%の)ブタンジオールで伸長されたファイバーにESHを照射すると、機械的性質が劣化することを示している。図1は、照射量を増すと残留伸びが増加することを示しており、図2は、引裂点伸びおよび引張強さは照射量が増加すると低下することを示している。このような機械的性質の悪化は鎖の破壊によるファイバーの損傷に由来することがある。
図3および4は、これと対照的にブチンジオールで伸長されたファイバーの場合、照射により第1および第5伸びサイクル後の残留伸びの値が改善されることを示している。照射により硬質セグメントの共有架橋が生じ、これによって伸び時に鎖がスライドすることが防止される。
図6および6は、ブテンジオールで伸長されたポリウレタンファイバーの場合でも照射により機械的性質を改善できることを示している。図5は、照射していないファイバーと比較して照射後、残留伸びの小さい値が得られることを示している。図6は、低照射量で照射した際の引裂点伸びおよび引張強さの値が当初増加するが、100kGyを越えると減少することを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】(a)次の構造単位
【図1】


(ここで基−O−R1−O−は500〜10000の分子量を有するマクロジオール基を示し、R2は2価の脂肪族、脂環式および/または脂肪族−脂環式基を示し、Xは側面に並んだ基が最大14個の結合だけ互いに離間した、オレフィン系不飽和基を示し、YはNHまたはOを示し、その上nは1〜10の整数を示し、mは少なくとも4の整数を示す)を含むポリウレタンエラストマーをファイバーとなるように溶融紡糸し、(b)得られたファイバーに、ポリウレタンエラストマーの少なくとも一部を架橋するように、高エネルギー放射線を照射することによって得られたエラストマーファイバー。
【請求項2】工程(a)で得られたファイバーを電子ビームまたは紫外線によって処理することを特徴とする、請求項1記載のエラストマーファイバー。
【請求項3】マクロジオールが1000〜3000の分子量を有することを特徴とする、請求項1または2記載のエラストマーファイバー。
【請求項4】マクロジオールがポリエーテルグリコールおよび/またはポリエステルグリコールであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエラストマーファイバー。
【請求項5】ポリエーテルグリコールがポリアルキレングリコールであることを特徴とする、請求項4記載のエラストマーファイバー。
【請求項6】ポリアルキレングリコールがポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよび/またはポリテトラメチレングリコールであることを特徴とする、請求項5記載のエマストマーファイバー。
【請求項7】ポリエステルグリコールが脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸とジオールのポリエステルであることを特徴とする、請求項4記載のエラストマーファイバー。
【請求項8】ジカルボン酸が琥珀酸、グルタミン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸および/またはセバシン酸であることを特徴とする、請求項7記載のエラストマーファイバー。
【請求項9】ジオールがエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび/または1,6−ヘキサンジオールであることを特徴とする、請求項7記載のエラストマーファイバー。
【請求項10】基R2が2〜14個の炭素原子を有するアルキレン基、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキレン基および/または7〜24個の炭素原子を有する脂肪族−脂環式基であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のエラストマーファイバー。
【請求項11】基R2がヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネートの形態をしたジイソシアネートから誘導したものであることを特徴とする、請求項10記載のエラストマーファイバー。
【請求項12】オレフィン系不飽和部が、ジアミノアルケン、ジアミノアルキンおよび/またはジアミノシクロアルケンから誘導したものであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のエラストマーファイバー。
【請求項13】ジアミノアルケンがシス−またはトランス−1,4−ジアミノブト−2−エン、シス−またはトランス−4,4′−ジアミノスチルベンおよび/またはジアミノマレイン酸ジニトリルであり、ジアミノアルキンが1,4−ジアミノブト−2−インであり、ジアミノシクロアルケンが3,4−ジアミノシクロヘキセン−(1)であることを特徴とする、請求項12記載のエラストマーファイバー。
【請求項14】オレフィン系不飽和基がアルケンジオール、アルキンジオールおよび/またはシクロアルケンジオールから誘導したものであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のエラストマーファイバー。
【請求項15】アルケンジオールがシス−またはトランス−1,4−ブト−2−エンジオール、アルケンジオールが1,4−ブト−2−インジオールであり、シクロアルケエンジオールが5,6−ビス−(ヒドロキシメチル)−ビシクロ[2.2.1.]ヘプテン−2であることを特徴とする、請求項14記載のエラストマーファイバー。
【請求項16】つや消し剤、色顔料、酸化防止剤、熱安定剤、光、特に紫外線安定剤および/または加水分解安定剤としての添加物を含むことを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載のエラストマーファイバー。
【請求項17】次の構造単位
【図2】


(ここで基−O−R1−O−は500〜10000の分子量を有するマクロジオール基を示し、R2は2価の脂肪族、脂環式および/または脂肪族−脂環式基を示し、Xは側面に並んだ基が最大14個の結合だけ互いに離間した、オレフィン系不飽和基を示し、YはNHを示し、その上nは1〜10の整数を示し、mは少なくとも4の整数を示す)を含み、オレフィン系不飽和部が、ジアミノアルケン、ジアミノアルキンおよび/またはジアミノシクロアルケンから誘導したものであることを特徴とする、ポリウレタンエラストマー。
【請求項18】マクロジオールが1000〜3000の分子量を有することを特徴とする、請求項17記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項19】マクロジオールがポリエーテルグリコールおよび/またはポリエステルグリコールであることを特徴とする、請求項17または18記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項20】ポリエーテルグリコールがポリアルキレングリコールであることを特徴とする、請求項19記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項21】ポリアルキレングリコールがポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよび/またはポリテトラメチレングリコールであることを特徴とする、請求項20記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項22】ポリエステルグリコールが脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸とジオールのポリエステルであることを特徴とする、請求項19記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項23】ジカルボン酸が琥珀酸、グルタミン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸および/またはセバシイン酸であることを特徴とする、請求項22記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項24】ジオールがエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールおよび/または1,6−ヘキサンジオールであることを特徴とする、請求項22記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項25】部分R2が2〜14個の炭素原子を有するアルキレン基、5〜8個の炭素原子を有するシクロアルキレン基および/または7〜24個の炭素原子を有する脂肪族−脂環式基であることを特徴とする、請求項17〜24のいずれか1項に記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項26】部分R2がヘキサメチレンジイソシアネートおよび/またはジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネートの形態をしたジイソシアネートから誘導したものであることを特徴とする、請求項25記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項27】ジアミノアルケンがシス−またはトランス−1,4−ジアミノブト−2−エン、シス−またはトランス−4,4′−ジアミノスチルベンおよび/またはジアミノマレイン酸ジニトリルであり、ジアミノアルキンが1,4−ジアミノブト−2−インであり、ジアミノシクロアルケンが3,6−ジアミノシクロヘキセン−(1)であることを特徴とする、請求項17〜26記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項28】少なくとも2つのポリウレタン鎖が基Xを介して互いに共有架橋していることを特徴とする、請求項17〜27のいずれか1項に記載のポリウレタンエラストマー。
【請求項29】つや消し剤、色顔料、酸化防止剤、熱安定剤、光、特に紫外線安定剤および/または加水分解安定剤としての添加物を含むことを特徴とする、請求項17〜28のいずれか1項に記載のエラストマーファイバー。
【請求項30】a)約1:5〜1:1.1のモル比でジイソシアネートOCN−R2−NCOによりマクロジオールをプレポリマーに転化し、b)オレフィン系不飽和ジアミンを用いてプレポリマーのイソシアネート基を転化することを特徴とする、請求項17〜28のいずれか1項に記載のポリウレタンエラストマーを製造する方法。
【請求項31】溶剤のない状態で工程a)を実行し、溶剤の存在下で工程b)を実行することを特徴とする、請求項30記載の方法。
【請求項32】ジメチルホルムアミドおよび/またはジメチルアセトアミド内で工程b)を実行することを特徴とする、請求項30記載の方法。
【請求項33】工程b)においてジアミンにプレポリマーを添加することを特徴とする、請求項30〜32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】溶剤のない状態で工程a)およびb)を実質的に実行することを特徴とする、請求項30記載の方法。
【請求項35】工程a)においてジイソシアネートに対するマクロジオールのモル比が約1:2〜1:1.5の間であることを特徴とする、請求項30〜34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】工程b)において重付加触媒を使用することを特徴とする、請求項30〜35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】フィルムを形成するための溶融押し出し方法またはファイバーを形成するための溶融紡糸のために、請求項17〜28のいずれか1項に記載のポリウレタンエラストマーを使用する方法。
【請求項38】得られたファイバー、特に得られたフィルムに高エネルギー放射線を照射し、ポリウレタンエラストマーの少なくとも一部を架橋することを特徴とする、請求項37記載の使用方法。
【請求項39】電子ビームまたは紫外線によりファイバー、特にフィルムを処理することを特徴とする、請求項38記載の使用方法。
【請求項40】請求項37〜39の方法により得られたエラストマーファイバー。

【第1図】
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【第2図】
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【第3図】
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【第4図】
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【第5図】
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【第6図】
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【特許番号】特許第3220467号(P3220467)
【登録日】平成13年8月10日(2001.8.10)
【発行日】平成13年10月22日(2001.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平9−514708
【出願日】平成8年10月9日(1996.10.9)
【公表番号】特表平11−506153
【公表日】平成11年6月2日(1999.6.2)
【国際出願番号】PCT/EP96/04383
【国際公開番号】WO97/13798
【国際公開日】平成9年4月17日(1997.4.17)
【審査請求日】平成10年6月9日(1998.6.9)
【前置審査】 前置審査
【出願人】(999999999)ローディア ソシエテ アノニム
【参考文献】
【文献】特開 昭63−51413(JP,A)
【文献】Chemiefasern/Textilindustrie,vol.44,no.6,p388−391(1994)