説明

ポリウレタン注封材料

本発明は、優れた機械的性質および光学的性質、特に非常に高い熱安定性を有する、耐光性の非発泡または発泡のポリウレタン物品またはポリウレタンウレア物品の製造のための、ポリウレタン注封材料の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
脂肪族および/または脂環式ポリイソシアネートを用いた、耐光性のポリウレタンエラストマーまたはポリウレタンウレアエラストマーの製造方法は知られている。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な用途のための、例えば自動車または家具用途向けの構成要素の製造のための、例として窓ガラス被包用封止剤としての或いは電子部品用または光電子部品用の注封材料としての、軟質の耐光耐候性のポリウレタン組成物およびポリウレタンウレア組成物に関する成長市場が存在する。
【0003】
弾性耐光性のポリウレタンエラストマーまたはポリウレタンウレアエラストマーの製造方法は、既に何度も記載されてきた。一般に、産業において入手可能な脂肪族および/または脂環式ジイソシアネート、例えば、1,6−ジイソシアナトヘキサン(HDI)、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)および/または2,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンおよび/または4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12−MDI)或いはこれらジイソシアネートのオリゴマー誘導体が、ポリイソシアネート成分として使用されている。
【0004】
例えば、WO 1998/014492は、場合により発泡されてよい、耐光性の軟質または半軟質ポリウレタンエラストマーを製造するための反応射出成形(RIM)法であって、単量体IPDIを含有し、かつ10重量%までのIPDIプレポリマーおよび任意に5重量%までの更なる単量体ジイソシアネートを付加的に含有できる粗IPDI三量体を、触媒としての有機金属化合物の存在下で、重合体ポリエーテルポリオール、ヒドロキシ官能性低分子量連鎖延長剤およびアミン系開始剤成分の組み合わせと反応させる方法を記載している。
【0005】
EP−A 0 275 010の教示によれば、場合により発泡されてよい弾性耐光性ポリウレタン成形品は、ポリイソシアネート成分としての、低モノマー含量のHDI三量体の混合物、または少なくとも10重量%の単量体イソホロンジイソシアネートを含有するHDI/IPDI混合三量体、およびイソシアネート基に対して少なくとも二官能性である反応種を用いて製造することもできる。
【0006】
これら2つの方法に共通した欠点は、有毒物質に分類され、時には相当な蒸気圧を示す低分子量単量体ジイソシアネートを大量に使用することである。労働衛生上の理由から、これら単量体ジイソシアネートの配合には、極めて高いレベルの安全対策を取らなければならない。例えばEP−A 0 275 010に記載されているように、特に過剰のポリイソシアネートを使用する場合は、未反応の単量体ジイソシアネートが、しばらくは製造した成形品に残留し、そこから徐々に蒸発する可能性も存在する。
【0007】
低モノマー含量の高分子量非毒性ポリイソシアネートに基づく弾性耐光性ポリウレタン組成物、特にビウレット構造、イソシアヌレート構造またはウレトジオン構造を有する既知の脂肪族ポリイソシアネートに基づく組成物を製造するための試みは多数存在する。
【0008】
WO 2007/107210は、例えばシールの製造におけるシリコーン代替物として使用される、架橋軟質ポリウレタン組成物を記載している。このポリウレタン組成物は、重合体ジオールおよびトリオール並びに50重量%までの「内部可塑剤」としての特定の単官能性化合物の混合物を含んでなり、これらを好ましくは、低モノマー含量の少なくとも三官能性の脂肪族ポリイソシアネート(例えばHDIの三量体)で硬化させる。内部可塑剤として使用するモノアルコール(例えば、N−ヒドロキシアルキル置換芳香族スルホン酸エステルまたはアミドまたは単官能性ポリエーテルアルコール)は、化学的手法によって恒久的に組み込まれ、成形品の外に滲出することができないので、ポリウレタン組成物に永続的弾性をもたらし、材料の脆化を防ぐが、イソシアネート官能性を著しく低減し、したがって架橋密度を相当低下させる。このことは、とりわけ溶媒および化学薬品に対する耐性に悪影響をもたらす。
【0009】
同じことは、EP−A 0 026 123に記載されており、多官能性ポリオールと低モノマー含量のポリイソシアネート(例えばHDIビウレット)との、0.2〜0.6のイソシアネート基のヒドロキシル基に対する当量比での反応によって得ることができるような、かなり硬化不足のポリウレタンにも当てはまる。そのような硬化不足のポリウレタン組成物は、極めて軟質で一般に粘着性であり、成形品の製造に不適当である。この組成物は、例えば安全ガラスのための、多層のガラス、ガラス/プラスチックまたはプラスチック複合シートの製造において、内部層または接着剤として使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO 1998/014492
【特許文献2】EP−A 0 275 010
【特許文献3】WO 2007/107210
【特許文献4】EP−A 0 026 123
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、既知の弾性ポリウレタン組成物の欠点を示さない、新規な軟質の弾性および耐光耐候性のポリウレタンエラストマーまたはポリウレタンウレアエラストマーを提供することである。この新規なエラストマー組成物は、非毒性原料に基づくべきであり、高度に架橋されているが同時になお軟質かつ可撓性でもある成形物品を製造するために、常套の方法によって、例えば手動でのまたは適当な機械を用いた単純な流し込成形によって、例えばRIM法によって加工できなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、以下により詳細に記載するポリウレタンおよびポリウレタンウレアの提供によって達成された。
【0013】
以下により詳細に記載する本発明は、化学的負荷、機械的負荷および熱的負荷に対する傑出した耐性を特徴とする、高弾性の耐光耐候性のポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物が、特定の高官能性の低モノマー含量のポリイソシアネート成分を用いて製造でき、このとき、イソシアヌレート構造に加えて、エステル基含有ポリオール成分がアロファネート構造を介して組み込まれるといった意外な観察に基づく。
【0014】
イソシアヌレート基とアロファネート基の両方を含有するHDIポリイソシアネートは、とりわけ反応射出成形法を用いたポリウレタン成形品の製造のための可能な出発成分として、EP−A 0 659 792およびCA−A 2 219 693に既に記載されている。しかしながら、イソシアヌレート基とアロファネート基の両方を含有するHDIポリイソシアネートは、単純モノアルコール(例えばn−ブタノール)およびHDIから製造することができる、EP−A 0 496 208、EP−A 0 524 500およびEP−A 0 524 501から知られている低粘性で低官能性のアロファネート基およびイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートであるが、注封材料の製造のために本発明にしたがって使用されるような、エステル基含有高官能性アルコールに基づくアロファネート三量体ではない。いずれの特許文献も、軟質のポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物の製造のための、アロファネート構造を介して組み込まれるエステル基含有ポリオールを有するHDIポリイソシアヌレートの特定の適合性について言及していない。
【0015】
本発明は、アロファネート化および同時に起こるイソシアネート基のオリゴマー化を促進する触媒C)の存在下で1,6−ジイソシアナトヘキサンとモル不足量のエステル基含有ヒドロキシ官能性成分B)とを反応させ、所望の転化率で反応を停止し、未反応の過剰ジイソシアネートを除去することによって得ることができる低モノマー含量のポリイソシアネート成分A)の、耐光性の非発泡または発泡のポリウレタン物品および/またはポリウレア物品の製造に使用することができるポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物の提供のための使用を提供する。
【0016】
本発明はまた、
A)上記ポリイソシアネート成分、および
D)任意に更なる低モノマー含量の脂肪族および/または脂環式ポリイソシアネートと、
E)イソシアネート基に対して反応性である、平均官能価2.0〜6.0を有する反応種、および
F)任意に更なる助剤および添加剤
とを、0.5:1〜2.0:1のイソシアネート基対イソシアネート反応性基の当量比を維持しながら、溶媒の不存在下で反応させることにより、ポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物から耐光性物品を製造する方法も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
これらのポリウレタン組成物またはポリウレア組成物からの新規な耐光性物品の製造に使用するポリイソシアネート成分A)は、例えばEP−A 0 336 205に開示されている方法によって得ることができるような、それ自体既知のエステル基含有ヒドロキシ官能性成分B)とHDIとの低モノマー含量のアロファネートおよびイソシアヌレート構造含有反応生成物である。
【0018】
ポリイソシアネート成分A)の調製に適当なポリオールB)は、特に、官能価およびヒドロキシル価から計算することができる平均分子量134〜3000、好ましくは176〜2000、並びに平均ヒドロキシル官能価1.8〜4.0、好ましくは2.0〜3.0を有するポリオールである。
【0019】
それらは例えば、単純エステルアルコール、例としてヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、或いはそれ自体既知のエステルアルコールまたはエステルアルコール混合物、例として多価アルコールと不足量の多塩基カルボン酸、対応するカルボン酸無水物、対応する低級アルコールのポリカルボン酸エステル、またはラクトンとの反応によって調製できるようなものである。
【0020】
これらのエステルアルコールB)の調製に適当な多価アルコールは、特に、62〜400の分子量範囲にあるもの、例えば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオール、ブタンジオール(各種異性体)、ペンタンジオール(各種異性体)、ヘキサンジオール(各種異性体)、ヘプタンジオール(各種異性体)およびオクタンジオール(各種異性体)、1,10−デカンジオール、1,2−シクロヘキサンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、4,4’−(1−メチルエチリデン)−ビスシクロヘキサノール、1,2,3−プロパントリオール、1,1,1−トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリメチロールプロパン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、ビス−(2−ヒドロキシエチル)ヒドロキノン、1,2,4−トリヒドロキシシクロヘキサンおよび1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンまたは1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートである。
【0021】
エステルアルコールB)を調製するために使用する酸または酸誘導体は、脂肪族、脂環式、芳香族および/または複素環式のものであり得、場合により(例えばハロゲン原子によって)置換されていてもよいし、および/または不飽和であってもよい。適当な酸の例は、例えば、118〜3300の分子量範囲にある多塩基カルボン酸またはその誘導体、例として、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、テトラヒドロフタル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、二量体脂肪酸および三量体脂肪酸、テレフタル酸ジメチルエステルおよびテレフタル酸ビス−グリコールエステルである。
【0022】
例として挙げた出発化合物の混合物を、エステルアルコールB)を調製するために使用することもできる。本発明の方法において、記載したタイプの種々のエステルアルコールの混合物を使用することも可能である。
【0023】
スターター分子としての単純多価アルコールおよびラクトンから、開環を伴ってそれ自体既知の方法で調製することができるようなエステルポリオールB)を、ポリイソシアネート成分A)を調製するために好ましくは使用する。
【0024】
これらのエステルポリオールの調製に適当なラクトンは、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、3,5,5−トリメチルカプロラクトンおよび3,3,5−トリメチルカプロラクトン、またはそのようなラクトンの混合物である。例として先に挙げた62〜400の分子量範囲にある多価アルコールまたはそれらアルコールの混合物を、例えばスターター分子として使用することができる。
【0025】
そのようなラクトンポリエステルポリオールの開環重合による調製は一般に、20〜200℃、好ましくは50〜200℃の温度で、例えば、ルイス酸またはブレンステッド酸、有機錫化合物または有機チタン化合物のような触媒の存在下で実施する。
【0026】
特に好ましいエステル基含有ヒドロキシ官能性成分B)は、先に記載した分子量範囲にあるエステルジオール、特にε−カプロラクトンに基づくものである。
【0027】
少量の32〜400の分子量範囲にあるエステル基不含有ヒドロキシル化合物を、ポリイソシアネート成分A)の調製において、任意に使用することもできる。これらは例えば、単純モノアルコール、例として、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、ペンタノール(各種異性体)、ヘキサノール(各種異性体)、オクタノール(各種異性体)およびノナノール(各種異性体)、n−デカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール(各種異性体)、ヒドロキシメチルシクロヘキサン、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、ベンジルアルコール、フェノール、クレゾール(各種異性体)、オクチルフェノール(各種異性体)、ノニルフェノール(各種異性体)およびナフトール(各種異性体)、フルフリルアルコールおよびテトラヒドロフルフリルアルコール、またはエステルアルコールB)の調製に適した出発成分として先に記載した多価アルコール、またはこれらアルコールの混合物である。そのようなエステル基不含有アルコールは、使用するならば、ヒドロキシ官能性成分B)の重量に基づいて20重量%まで、好ましくは10重量%までの量で使用する。
【0028】
本発明にしたがって使用するポリウレタン組成物またはポリウレア組成物に使用するポリイソシアネート成分A)の調製では、HDIをエステル基含有ヒドロキシ官能性成分B)と、4:1〜50:1、好ましくは6:1〜40:1、特に好ましくは8:1〜30:1のイソシアネート基対ヒドロキシル基の当量比を維持しながら反応させる。
【0029】
先に記載したように、適当なエステルアルコールB)の混合物を、ヒドロキシ官能性成分B)として使用することもできる。HDIのヒドロキシ官能性成分B)との反応は、アロファネート化および同時に起こるイソシアネート基のオリゴマー化を促進する触媒C)の存在下で実施する。
【0030】
適当なアロファネート化触媒C)は、例えば、GB−A−0 994 890に記載されているタイプの第三級アミン、金属キレートまたは金属カルボキシレートであり、それらは、比較例によってEP−A 0 000 194で明らかにされているように、純粋なアロファネートをもたらすのではなく、適当な反応条件下では、かなりの割合の二量体構造および三量体構造も付加的に形成する。
【0031】
そのようなアロファネート化触媒C)は特に、亜鉛化合物、例えば、ステアリン酸亜鉛(II)、n−オクタン酸亜鉛(II)、2−エチル−1−ヘキサン酸亜鉛(II)、ナフテン酸亜鉛(II)またはアセチルアセトン酸亜鉛(II)、錫化合物、例えば、n−オクタン酸錫(II)、2−エチル−1−ヘキサン酸錫(II)、ラウリン酸錫(II)、酸化ジブチル錫、二塩化ジブチル錫、二酢酸ジブチル錫、ジラウリン酸ジブチル錫、ジマレイン酸ジブチル錫または二酢酸ジオクチル錫、アルミニウムトリ(エチルアセトアセテート)、塩化鉄(III)、オクタン酸カリウム、マンガン化合物、コバルト化合物またはニッケル化合物、或いはこれら触媒の混合物である。
【0032】
この群からの好ましい触媒は、上記したタイプの亜鉛化合物である。n−オクタン酸亜鉛(II)、2−エチル−1−ヘキサン酸亜鉛(II)および/またはステアリン酸亜鉛(II)の使用が最も好ましい。
【0033】
アロファネート化反応およびイソシアネート基のイソシヌレート構造への三量化の両方を促進する適当な触媒C)はまた、例えばJ. Prakt. Chem. 336 (1994) 185-200、EP−A 0 649 866(第4頁第7行〜第5頁第15行)またはEP−A 0 896 009(第4頁第17行〜第58行)に記載されているような、ポリイソシアネート化学から知られている常套の三量化触媒であってもよい。触媒C)として適している三量化触媒は、例えば、第四級アンモニウムカルボキシレート、例として、N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム−2−エチルヘキサノエート、N−(2−ヒドロキシプロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウム−2−ホルマート、第四級アンモニウムヒドロキシド、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルステアリルアンモニウムヒドロキシドおよびジメチルエチルシクロヘキシルアンモニウムヒドロキシド、N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウムヒドロキシド、N,N,N−トリメチル−(2−ヒドロキシブチル)アンモニウムヒドロキシド、N,N−ジメチル−n−ドデシル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、N−(2−ヒドロキシエチル)−N,N−ジメチル−N−(2,2’−ジヒドロキシメチルブチル)アンモニウムヒドロキシド、N−メチル−2−ヒドロキシエチルモルホリニウムヒドロキシド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)ピロリジニウムヒドロキシド、N−ドデシル−トリス−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、テトラ−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、N,N,N−トリメチル−N−ベンジルアンモニウムヒドロキシド、または第四級アンモニウムハイドロジェンポリフルオライドおよび第四級ホスホニウムハイドロジェンポリフルオライド、例えば、テトラブチルホスホニウムハイドロジェンジフルオライドである。
【0034】
この群からの最も好ましい触媒は、N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウムヒドロキシド、N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシブチル)アンモニウムヒドロキシド、特にN,N,N−トリメチル−N−ベンジルアンモニウムヒドロキシドである。
【0035】
触媒C)として同様に適しているものは、EP−A 1 174 428(第3頁第32行〜第4頁第1行)に記載されているタイプの、アロファネート化反応に加えてイソシアネート基の主として二量化および同時により低い程度の三量化を促進し、ウレトジオン構造およびイソシアヌレート構造を形成するもの、例えば第三級ホスフィンである。
【0036】
触媒C)として適当である第三級ホスフィンは、例えば、トリエチルホスフィン、ジブチルエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリベンジルホスフィン、ジシクロペンチルブチルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、ベンジルジメチルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリアミルホスフィン、トリオクチルホスフィンまたはブチルホスファシクロペンタンである。
【0037】
この群からの好ましい触媒は、上記したトリアルキルホスフィンである。トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィンおよび/またはジシクロペンチルブチルホスフィンが最も好ましい。
【0038】
選択した触媒のタイプに依存して、触媒C)は、ポリイソシアネート成分A)の調製において、反応種であるHDIおよびポリオール成分B)の総重量に基づいて0.001〜5重量%、好ましくは0.005〜2重量%の量で使用され、反応開始前または反応中のいつでも添加することができる。
【0039】
ポリイソシアネート成分A)は、好ましくは、溶媒を使用せずに調製する。しかしながら場合により、出発成分の反応性基に関して不活性である適当な溶媒を配合することができる。適当な溶媒は、例えば、それ自体知られている常套の塗料溶媒、例として、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートまたはエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、1−メトキシプロピル−2−アセテート、3−メトキシ−n−ブチルアセテート、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ホワイトスピリット、より高度に置換された芳香族、例えば、ソルベントナフサ、Solvesso(登録商標)、Isopar(登録商標)、Nappar(登録商標)(Deutsche ExxonMobil Chemical GmbH(ドイツ国ケルン在))およびShellsol(登録商標)(Deutsche Shell Chemie GmbH(ドイツ国エシュボルン在))の名称で販売されているもの、また、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテートおよびジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、N−メチルピロリドンおよびN−メチルカプロラクタムのような溶媒、またはそのような溶媒の混合物である。
【0040】
1つの可能な態様では、ポリイソシアネート成分A)の調製において、任意に不活性ガス(例えば窒素)および任意に上記したタイプの適当な溶媒の存在下、20〜100℃の温度でHDIを秤量する。次いで、ヒドロキシ官能性出発化合物B)を先に記載した量で添加する。ウレタン化のための反応温度は、場合により適当な作用(加熱または冷却)によって、30〜120℃、好ましくは50〜100℃に調節する。ウレタン化反応に続いて、即ち、イソシアネート基およびヒドロキシル基の完全転化に理論的に相当するNCO含量に達したとき、適当な触媒C)の添加によって、アロファネート化およびオリゴマー化を開始する。使用する触媒のタイプおよび量に依存して、その後開始する反応は、50〜140℃の範囲の温度を必要とする。
【0041】
別の可能な態様では、ポリイソシアネート成分A)を調製するために、実際の反応の開始前に、HDIおよび/またはイソシアネート基反応性成分B)に、配合する触媒C)を添加する。この場合、中間生成物として生じるウレタン基は、自発的に更に反応して所望のアロファネート構造を形成する。このタイプの一段階反応法では、場合により触媒C)を含有していてよい出発化合物のHDIおよびイソシアネート基反応性成分B)を、任意に不活性ガス(例えば窒素)の存在下、一般に50〜140℃、好ましくは60〜120℃の範囲にあるアロファネート化およびオリゴマー化に最適な温度で、秤量して反応させる。
【0042】
しかしながら、ウレタン化反応中の任意の時点で、反応混合物に触媒C)を添加することも可能である。この態様では、一般に30〜120℃、好ましくは50〜100℃の範囲の温度を、触媒添加前に実施するウレタン化反応のために設定する。適当な触媒C)の添加後、アロファネート化およびオリゴマー化反応を、50〜140℃、好ましくは60〜120℃の温度で最終的に実施する。
【0043】
ポリイソシアネート成分A)の調製において、反応の進行を、例えばNCO含量の滴定によって追跡することができる。所望のNCO含量に達した時点で、好ましくは、変性度(即ち、場合によりオリゴマー化を伴ってウレタン基およびアロファネート基へと反応した反応混合物中の、使用したHDI中のNCO基の割合(%))が10〜40%、好ましくは20〜30%になった時点で、反応を停止する。これは、例えば反応混合物を室温まで冷却することによって、実施することができる。しかしながら一般には、適当な触媒毒(例えば、塩化ベンゾイルまたは二塩化イソフタロイルのような酸塩化物)の添加によって反応を停止する。
【0044】
次いで好適には、高真空下、例えば1.0mbar未満、好ましくは0.5mbar未満、特に好ましくは0.2mbar未満の圧力下、可能な限り穏やかな条件の下、例えば100〜200℃、好ましくは120〜180℃の温度で、薄膜蒸留によって、反応混合物が揮発性成分(主に、過剰の単量体HDI、場合により使用した溶媒、そして触媒毒を使用しないならば場合により活性な触媒)を含まないようにする。
【0045】
未反応の単量体HDIに加えて、場合により使用した溶媒、および触媒毒を使用しないならば場合により活性な触媒を含有する蓄積留出物は容易に、再びオリゴマー化に使用することができる。
【0046】
別の好ましい態様では、ポリイソシアネート成分A)の調製において、上記した揮発性成分を、イソシアネート基に対して不活性である適当な溶媒(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタンまたはシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素または脂環式炭化水素)を用いた抽出によって、オリゴマー化生成物から分離する。
【0047】
プロセス制御および配合のタイプに関係なく、ポリイソシアネート成分A)は一般に、3.0〜5.0、好ましくは3.2〜4.8、特に好ましくは3.6〜4.5の平均NCO官能価、4.0〜21.0重量%、好ましくは6.0〜18.0重量%、特に好ましくは8.0〜16.0重量%のNCO含量、および1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、特に好ましくは0.3重量%未満の単量体HDI残留含量を有する、澄明な実質的に無色の樹脂として得られる。
【0048】
アロファネート化度、即ち、本発明にしたがって使用するポリイソシアネート成分A)中の、例えばNMR分光分析法によって測定される、アロファネート基に転化された、成分B)のヒドロキシル基から中間生成物として生じたウレタン基の割合(%)は、少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、最も好ましくは少なくとも60%である。オリゴマー構造(即ち特にウレトジオン構造およびイソシアヌレート構造の和)とアロファネート基のモル比は、一般に10:90〜60:40、好ましくは15:85〜55:45、特に好ましくは20:80〜50:50である。
【0049】
先に記載したポリイソシアネート成分A)に加えて、成分A)とは異なる更なる低モノマー含量の脂肪族および/または脂環式ポリイソシアネートD)を、任意に付加的に使用して、本発明の耐光性のポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物を製造する。ポリイソシアネート成分D)は、例えば、J. Prakt. Chem. 336 (1994) 185-200, DE−A 1 670 666、DE−A 3 700 209、DE−A 3 900 053、EP−A 0 330 966、EP−A 0 339 396およびEP−A 0 798 299に記載されているような、単純ジイソシアネートの変性によって得ることができ、ウレトジオン構造、イソシアヌレート構造、イミノオキサジアジンジオン構造、ウレタン構造、アロファネート構造、ビウレット構造および/またはオキサジアジントリオン構造を有する既知のポリイソシアネートである。ポリイソシアネート成分D)の調製に適当な出発ジイソシアネートは、例えば、脂肪族的および/または脂環式的に結合しているイソシアネート基を有し、140〜400の分子量範囲にあるもの、例として、1,4−ブタンジイソシアネート、HDI、1,5−ジイソシアナト−2,2−ジメチルペンタン、2,2,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサンまたは2,4,4−トリメチル−1,6−ジイソシアナトヘキサン、1,10−ジイソシアナトデカン、1,3−ジイソシアナトシクロヘキサンおよび1,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、2,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンおよび/または4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンおよび1,3−ジイソシアナト−2(4)−メチルシクロヘキサン、またはそれらの混合物である。
【0050】
これらのポリイソシアネート成分D)を使用するならば、ポリイソシアネート成分A)およびD)の総重量に基づいて、60重量%まで、好ましくは50重量%まで、特に好ましくは40重量%までの量で使用する。
【0051】
ポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物の本発明にしたがった使用のために、場合により低モノマー含量の脂肪族および/または脂環式ポリイソシアネートD)と混合していてもよい、先に記載したポリイソシアネート成分A)を、2.0〜6.0、好ましくは2.5〜4.0、特に好ましくは2.5〜3.5のイソシアネート付加反応についての平均官能価を有する、溶媒不含有のイソシアネート基反応性の反応種E)と反応させる。
【0052】
反応種E)は、特に、常套のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリエステルポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリマー変性ポリエーテルポリオール、グラフトポリエーテルポリオール、とりわけスチレンおよび/またはアクリロニトリルに基づくもの、ポリエーテルポリアミン、ポリウレタン化学から知られているヒドロキシル基含有ポリアセタールおよび/またはヒドロキシル基含有脂肪族ポリカーボネートであって、それらは通常106〜12000、好ましくは250〜8000の分子量を有する。適当な反応種E)の概説は、例えば、N. Adamら、"Polyurethanes", Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Electronic Release, 第7版、第3.2章〜第3.4章、Wiley-VCH, Weinheim 2005に見られる。
【0053】
適当なポリエーテルポリオールE)は、例えば、官能価および分子量に関する先に記載した必要条件を満たす限り、DE−A 2 622 951の第6欄第65行〜第7欄第47行またはEP−A 0 978 523の第4頁第45行〜第5頁第14行に挙げられているタイプのものである。第一級ヒドロキシル基がヒドロキシル基の少なくとも50%、好ましくは少なくとも80%を構成している、そのようなポリエーテルポリオールが好ましい。特に好ましいポリエーテルポリオールE)は、グリセロール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミンおよび/またはペンタエリスリトールへの、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物である。
【0054】
適当なポリエステルポリオールE)は、例えば、それらが先に記載した必要条件を満たす限りは、EP−A 0 978 523の第5頁第17行〜47行またはEP−B 0 659 792の第6頁第9行〜19行に挙げられているタイプのものであり、それらは、好ましくは20〜650mgKOH/gのヒドロキシル価を有する。
【0055】
適当なポリチオポリオールE)は、例えば、チオジグリコール同士のまたはチオジグリコールと他のグリコール、ジカルボン酸、ホルムアルデヒド、アミノカルボン酸および/またはアミノアルコールとの既知の縮合生成物である。使用する混合成分のタイプに依存して、それらは、ポリチオ混合エーテルポリオール、ポリチオエーテルエステルポリオールまたはポリチオエーテルエステルアミドポリオールである。
【0056】
成分E)として適しているポリアセタールポリオールは、例えば、単純グリコール(例として、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、4,4’−ジオキシエトキシジフェニルジメチルメタン(ビスフェノールAのエチレンオキシド2mol付加生成物)またはヘキサンジオール)とホルムアルデヒドとの既知の反応生成物、或いは環状アセタール(例えばトリオキサン)の重縮合によって調製されるポリアセタールである。
【0057】
アミノポリエーテルまたはアミノポリエーテル混合物、即ち、少なくとも50当量%、好ましくは少なくとも80当量%の第一級および/または第二級の芳香族的または脂肪族的に結合しているアミノ基で構成され、その残余が第一級および/または第二級の脂肪族的に結合しているヒドロキシル基であるイソシアネート基反応性基を有するポリエーテルもまた、成分E)として非常に適している。このタイプの適当なアミノポリエーテルは、例えば、EP−B 00 81 701の第4欄第26行〜第5欄第40行に挙げられている化合物である。例えばイソシアネート官能性ポリエーテルプレポリマーを加水分解することによってDE−A 2 948 419に記載されている方法によって調製できるようなアミノ官能性ポリエーテルウレタンまたはウレア、或いは先に記載した分子量範囲にあるアミノ基含有ポリエステルも、同様に出発成分E)として適当である。
【0058】
別の適当なイソシアネート基反応性成分E)は、例えば、EP−A 0 689 556およびEP−A 0 937 110に記載されている特定のポリオールである。それらは、例えば、エポキシ化脂肪酸エステルと脂肪族または芳香族ポリオールとのエポキシ開環を伴った反応によって得ることができる。
【0059】
ヒドロキシル基含有ポリブタジエンもまた、場合により成分E)として使用することができる。
【0060】
特に高い光の屈折を示すポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物からの物品の製造のためのイソシアネート基反応性成分E)として特に適しているものは、以下である:ポリメルカプタン、換言するとポリチオ化合物、例えば単純アルカンチオール、例として、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジチオール、3,4−ジメトキシブタン−1,2−ジチオールおよび2−メチルシクロヘキサン−2,3−ジチオール、チオエーテル基含有ポリチオール、例えば2,4−ジメルカプトメチル−1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,5−ビス(メルカプトエチルチオ)−1,10−ジメルカプト−3,8−ジチアデカン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,1,5,5−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−3−チアペンタン、1,1,6,6−テトラキス(メルカプトメチルチオ)−3,4−ジチアヘキサン、2−メルカプトエチルチオ−1,3−ジメルカプトプロパン、
【0061】
2,3−ビス(メルカプトエチルチオ)−1−メルカプトプロパン、2,2−ビス(メルカプトメチル)−1,3−ジメルカプトプロパン、ビス(メルカプトメチル)スルフィド、ビス(メルカプトメチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトエチル)スルフィド、ビス(メルカプトエチル)ジスルフィド、ビス(メルカプトプロピル)スルフィド、ビス(メルカプトプロピル)ジスルフィド、ビス(メルカプトメチルチオ)メタン、トリス(メルカプトメチルチオ)メタン、ビス(メルカプトエチルチオ)メタン、トリス(メルカプトエチルチオ)メタン、ビス(メルカプトプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(メルカプトメチルチオ)エタン、1,2−ビス(メルカプトエチルチオ)エタン、2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,3−ビス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,3−ビス(メルカプトプロピルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(メルカプトメチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(メルカプトプロピルチオ)プロパン、テトラキス(メルカプトメチルチオ)メタン、テトラキス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、テトラキス(メルカプトプロピルチオメチル)メタン、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンおよびJP−A 07 118 263にしたがって得られるそれらのオリゴマー、1,5−ビス(メルカプトプロピル)−1,4−ジチアン、1,5−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)−1,4−ジチアン、2−メルカプトメチル−6−メルカプト−1,4−ジチアシクロヘプタン、2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリチアン、2,4,6−トリメルカプトメチル−1,3,5−トリチアンおよび2−(3−ビス(メルカプトメチル)−2−チアプロピル)−1,3−ジチオラン、
【0062】
ポリエステルチオール、例えば、エチレングリコール−ビス(2−メルカプトアセテート)、エチレングリコール−ビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコール(2−メルカプトアセテート)、ジエチレングリコール(3−メルカプトプロピオネート)、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール(3−メルカプトプロピオネート)、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール−ビス(2−メルカプトアセテート)、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール−ビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパン−トリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパン−トリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタン−トリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールエタン−トリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、グリセロール−トリス(2−メルカプトアセテート)、グリセロール−トリス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−シクロヘキサンジオール−ビス(2−メルカプトアセテート)、1,4−シクロヘキサンジオール−ビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルスルフィド−ビス(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルスルフィド−ビス(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシエチルスルフィド(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシエチルスルフィド(3−メルカプトプロピオネート)、ヒドロキシメチルジスルフィド(2−メルカプトアセテート)、ヒドロキシメチルジスルフィド(3−メルカプトプロピオネート)、(2−メルカプトエチルエステル)チオグリコラートおよびビス(2−メルカプトエチルエステル)チオジプロピオネート、
【0063】
並びに芳香族チオ化合物、例えば、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−ナフタレンジチオール、1,2,3,4−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトエチル)ベンゼン、2,2’−ジメルカプトビフェニルおよび4,4’−ジメルカプトビフェニル。
【0064】
好ましいポリチオ化合物E)は、上記したタイプのポリチオエーテルチオールおよびポリエステルチオールである。特に好ましいポリチオ化合物E)は、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン、2,5−ビスメルカプトメチル−1,4−ジチアン、1,1,3,3−テトラキス(メルカプトメチルチオ)プロパン、5,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,7−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、4,8−ジメルカプトメチル−1,11−ジメルカプト−3,6,9−トリチアウンデカン、トリメチロールプロパン−トリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールエタン−トリス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(2−メルカプトアセテート)およびペンタエリスリトール−テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)である。
【0065】
イオウ含有ヒドロキシル化合物もまた、イソシアネート基反応性成分E)として適している。単純メルカプトアルコール、例えば、2−メルカプトエタノール、3−メルカプトプロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノール、2,3−ジメルカプトプロパノールおよびジチオエリスリトール、チオエーテル構造含有アルコール、例えば、ジ(2−ヒドロキシエチル)スルフィド、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルメルカプト)エタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)ジスルフィドおよび1,4−ジチアン−2,5−ジオール、或いはEP−A 1 640 394に記載されているタイプの、ポリエステルウレタン構造、ポリチオエステルウレタン構造、ポリエステルチオウレタン構造またはポリチオエステルチオウレタン構造を有するイオウ含有ジオールを、本発明において、例として挙げることができる。
【0066】
低分子量のヒドロキシ官能性および/またはアミノ官能性成分、即ち、62〜500、好ましくは62〜400の分子量範囲にあるヒドロキシ官能性および/またはアミノ官能性成分を、ポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物からの本発明の耐光性物品の製造において、イソシアネート反応性化合物E)として使用することもできる。
【0067】
それらは例えば、ポリエステルアルコールB)の調製のための適当な出発化合物として先に記載したような、2〜14個、好ましくは4〜10個の炭素原子を含有する単純一価アルコールまたは単純多価アルコールである。
【0068】
適当な低分子量アミノ官能性化合物の例は以下である:第一級および/または第二級結合アミノ基を含有する脂肪族および脂環式のアミンおよびアミノアルコール、例えば、シクロヘキシルアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、ジアミノシクロヘキサン、ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,8−p−ジアミノメンタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−2,3,5−トリメチルシクロヘキシル)メタン、1,1−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(4−アミノシクロヘキシル)エタン、1,1−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ブタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)ブタン、1,1−ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)ブタン、2,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4−アミノシクロヘキシル−4−アミノ−3−メチルシクロヘキシルメタン、4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル−4−アミノ−3−メチルシクロヘキシルメタンおよび2−(4−アミノシクロヘキシル)−2−(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン。
【0069】
イソシアネート反応性化合物E)として適当である、500未満の分子量を有する芳香族ポリアミン、特にジアミンの例は、以下である:1,2−ジアミノベンゼンおよび1,4−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエンおよび2,6−ジアミノトルエン、2,4’−ジアミノジフェニルメタンおよび/または4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、4,4’,4’’−トリアミノトリフェニルメタン、4,4’−ビス−(メチルアミノ)ジフェニルメタンまたは1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、3,5,3’,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5,3’,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’,5’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−5,5’−ジイソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1−メチル−2,6−ジアミノ−3−イソプロピルベンゼン、ホルムアルデヒドによるアニリンの縮合によって既知の方法で得られるような液体状ポリフェニル−ポリメチレン−ポリアミン混合物、およびそのようなポリアミンの混合物。これに関して、例えば、50:50〜85:15、好ましくは65:35〜80:20の重量比での、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼンと1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼンとの混合物を特に挙げることができる。
【0070】
500未満の分子量を有する低分子量アミノ官能性ポリエーテルを使用することも可能である。ポリエーテルは例えば、第一級および/または第二級の芳香族的または脂肪族的に結合しているアミノ基を含有するものであり、このアミノ基は、場合によりウレタン基またはエステル基を介してポリエーテル鎖に結合していてよく、上記ポリエーテルは、高分子量アミノポリエーテルを調製するための先に記載した既知の方法によって得ることができる。
【0071】
2つの第二級結合アミノ基を有する立体障害脂肪族ジアミンを、イソシアネート基反応性成分E)として、場合により使用することもでき、その例は、EP−A 0 403 921から知られているマレイン酸エステルまたはフマル酸エステルと脂肪族および/または脂環式ジアミンとの反応生成物、EP−A 1 767 559の教示にしたがって得ることができるイソホロンジアミンによるアクリロニトリルのビス付加生成物、または例えばDE−A 19 701 835に記載されている、ケトン(例えばジイソプロピルケトン)および脂肪族および/または脂環式ジアミンから得ることができるシッフ塩基の水素化生成物である。
【0072】
イソシアネート官能性出発成分A)のための好ましい反応種E)は、先に記載した重合体のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールおよび/またはアミノポリエーテル、先に記載した低分子量の脂肪族および脂環式多価アルコール、および先に記載した低分子量の多価アミン、特に2つの第二級結合アミノ基を有する立体障害脂肪族ジアミンである。
【0073】
例として先に挙げたイソシアネート基反応性成分E)の混合物もまた、イソシアネート官能性出発成分A)のための反応種として適当である。もっぱらヒドロキシ官能性成分E)を使用するとポリウレタンのみの組成物が得られ、もっぱらポリアミンE)を使用するとポリウレアのみの組成物が得られるが、成分E)としてアミノアルコール、またはヒドロキシ官能性化合物およびアミノ官能性化合物の適当な混合物を使用すると、ポリウレタンウレアが生じる。このとき、ウレタン基のウレア基に対する当量比は、必要に応じて調節することができる。
【0074】
選択した出発物質のタイプに関係なく、ポリイソシアネート成分A)とイソシアネート基反応性成分E)との反応において、0.5:1〜2.0:1、好ましくは0.7:1〜1.3:1、特に好ましくは0.8:1〜1.2:1のイソシアネート基対イソシアネート反応性基の当量比を維持する。
【0075】
記載した出発成分A)およびE)に加えて、更なる助剤および添加剤F)、例えば、触媒、発泡剤、界面活性剤、紫外線安定剤、気泡安定剤、酸化防止剤、剥離剤、充填剤および顔料を任意に配合することができる。
【0076】
反応を促進するために、例えば、ポリウレタン化学から知られている常套の触媒を使用することができる。本発明において例として挙げる触媒は以下である:第三級アミン、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ジエチルベンジルアミン、ピリジン、メチルピリジン、ジシクロヘキシルメチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノジエチルエーテル、ビス−(ジメチルアミノプロピル)ウレア、N−メチルモルホリンまたはN−エチルモルホリン、N−ココ−モルホリン、N−シクロヘキシルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、N−メチルピペリジン、N−ジメチルアミノエチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノピペラジン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルイミダゾール−β−フェニルエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン、ビス−(N,N−ジメチルアミノエチル)アジペート;アルカノールアミン化合物、例えば、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミンおよびN−エチルジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2−(N,N−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、N,N’,N’’−トリス−(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサヒドロトリアジン、例えば、N,N’,N’’−トリス−(ジメチルアミノプロピル)−s−ヘキサヒドロトリアジンおよび/またはビス(ジメチルアミノエチル)エーテル;金属塩、例えば、通常の金属酸化状態にある鉄、鉛、ビスマス、亜鉛および/または錫の無機化合物および/または有機化合物、例えば、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化亜鉛、2−エチルカプロン酸亜鉛、オクタン酸錫(II)、エチルカプロン酸錫(II)、パルミチン酸錫(II)、ジラウリン酸ジブチル錫(IV)(DBTL)、ジブチルジラウリル錫メルカプチド、またはオクタン酸鉛;アミジン、例えば、2,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン;テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド;アルカリ金属ヒドロキシド、例えば水酸化ナトリウム、およびアルカリ金属アルコラート、例えばナトリウムメチラートおよびカリウムイソプロピラート、並びに10〜20個の炭素原子および任意にOH側基を有する長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩。
【0077】
好ましく使用する触媒F)は、上記したタイプの第三級アミンおよび錫化合物である。
【0078】
例として挙げた触媒は、本発明の耐光性のポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物の調製において、単独でまたは互いの混合物として使用することができ、任意に、使用する出発化合物の総量に基づいて、使用する触媒の総量として計算した0.01〜5.0重量%、好ましくは0.1〜2重量%の量で使用してよい。
【0079】
本発明の方法によって、好ましくは非発泡成形品を製造する。しかしながら、適当な発泡剤の添加を介して、発泡成形物品を製造することもできる。この目的のために適当な発泡剤は、例えば、高揮発性有機物質、例として、アセトン、酢酸エチル、ハロゲン置換されたアルカン、例えば塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチリデン、塩化ビニリデン、モノフルオロトリクロロメタン、クロロトリフルオロメタンまたはジクロロジフルオロメタン、ブタン、ヘキサン、ヘプタンまたはジエチルエーテルおよび/または溶解した不活性ガス、例えば窒素、空気または二酸化炭素である。
【0080】
水、水和水含有化合物、カルボン酸、第三級アルコール、例えばt−ブタノール、カルバミン酸塩、例えばEP−A 1 000 955の特に第2頁第5行〜第31行および第3頁第21行〜第42行に記載されているカルバミン酸塩、炭酸塩、例えば炭酸アンモニウムおよび/または炭酸水素アンモニウム、および/またはカルバミン酸グアニジンが、化学的発泡剤F)として、即ち、例えばイソシアネート基との、反応に基づいて気体生成物を生じる発泡剤として適している。発泡効果は、気体、例えば窒素の放出を伴って室温より高い温度で分解する化合物、例えばアゾジカルボンアミドまたはアゾイソ酪酸ニトリルのようなアゾ化合物の添加によって、達成することもできる。発泡剤の別の例、および発泡剤の使用の詳細は、Kunststoff-Handbuch, 第VII巻、ViewegおよびHoechtlen編、Carl-Hanser-Verlag, Munich 1966の例えば第108頁および第109頁、第453頁〜第455頁、および第507頁〜第510頁に記載されている。
【0081】
界面活性添加剤F)もまた、乳化剤および気泡安定剤として、本発明にしたがって、付加的に使用することができる。適当な乳化剤は、例えば、ひまし油スルホネートまたは脂肪酸のナトリウム塩、脂肪酸とアミンとの塩、例えば、オレイン酸ジエチルアミンまたはステアリン酸ジエタノールアミンである。スルホン酸(例えばドデシルベンゼンスルホン酸)、脂肪酸(例えばリシノール酸)またはポリマー脂肪酸の、アルカリ金属塩またはアンモニウム塩、或いはエトキシル化ノニルフェノールを、界面活性添加剤として配合することができる。
【0082】
適当な気泡安定剤は特に、例えばUS−A 2 834 748、DE−A 1 012 602およびDE−A 1 719 238に記載されているような、既知の好ましくは水溶性のポリエーテルシロキサンである。DE−A 2 558 523にしたがって得ることができる、アロファネート基を介して分岐しているポリシロキサン−ポリオキシアルキレンコポリマーもまた、適当な気泡安定剤である。
【0083】
本発明にしたがった方法において任意に配合することができる、先に記載した乳化剤および安定剤は、単独でまたは互いの混合物として使用することができる。
【0084】
本発明にしたがった使用のためのポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物から得られる物品は、原初の状態、即ち基となる組成物に相当する安定剤を添加しない状態であっても、非常に良好な耐光性を特徴とする。それにもかかわらず、既知のタイプの紫外線安定剤(光安定剤)または酸化防止剤を、更なる助剤および添加剤F)として、調製の際に任意に配合することができる。
【0085】
適当な紫外線安定剤F)は、例えば、ピペリジン誘導体、例として、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−1−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スベラートまたはビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデカンジオエート、ベンゾフェノン誘導体、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノンまたは2,2’−ジヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール誘導体、例えば2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、オキサルアニリド、例えば2−エチル−2’−エトキシオキサルアニリドまたは4−メチル−4’−メトキシオキサルアニリド、サリチル酸エステル、例えば、サリチル酸フェニルエステル、サリチル酸−4−tert−ブチルフェニルエステルおよびサリチル酸−4−tert−オクチルフェニルエステル、桂皮酸エステル誘導体、例えば、α−シアノ−β−メチル−4−メトキシ桂皮酸メチルエステル、α−シアノ−β−メチル−4−メトキシ桂皮酸ブチルエステル、α−シアノ−β−フェニル桂皮酸エチルエステルおよびα−シアノ−β−フェニル桂皮酸イソオクチルエステル、またはマロン酸エステル誘導体、例えば、4−メトキシベンジリデンマロン酸ジメチルエステル、4−メトキシベンジリデンマロン酸ジエチルエステルおよび4−ブトキシベンジリデンマロン酸ジメチルエステルである。これらの光安定剤は、単独でまたは互いの混合物として使用することができる。
【0086】
適当な酸化防止剤F)は、例えば、既知の立体障害フェノール、例として、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(イオノール)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、2,2’−チオ−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオジエチル−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネートであり、これらは、単独でまたは互いの混合物として使用することができる。
【0087】
任意に配合することができる別の助剤および添加剤F)は、例えば、それ自体知られているタイプの整泡剤、例としてパラフィンまたは脂肪アルコール、既知の難燃剤、例えば、トリス−クロロエチルホスフェート、リン酸アンモニウムまたはポリリン酸アンモニウム、充填剤、例えば、硫酸バリウム、珪藻土、カーボンブラック、合成炭酸カルシウムおよび強化用ガラス繊維である。最後に、それ自体知られている、内部剥離剤、染料、顔料、加水分解安定剤、静真菌性物質および静菌性物質もまた、任意に、本発明の方法において配合することができる。
【0088】
任意に配合することができる上記した助剤および添加剤F)は、ポリイソシアネート成分A)および/またはイソシアネート基反応性成分E)に添加することができる。
【0089】
本発明にしたがった耐光性のポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物を製造するために、ポリイソシアネート成分A)を、適当な混合装置を用いて先に記載したNCO/OH比で溶媒不含有の状態で、上記した助剤および添加剤F)の配合を任意に伴って、イソシアネート基反応性成分E)と混合し、160℃まで、好ましくは20〜140℃、特に好ましくは40〜100℃の温度で、任意に300barまで、好ましくは100barまで、特に好ましくは40barまでの高圧下、開放式型または密閉式型の中で、任意の方法によって、例えば手動で或いは好ましくは適当な機械(例えばポリウレタン技術で通常使用する低圧または高圧の機械)を用いて単純に流し込成形することによって、またはRIM法によって硬化させる。
【0090】
粘度を低下するために、出発成分A)およびB)を、120℃まで、好ましくは100℃まで、特に好ましくは90℃までの温度に任意に予熱し、真空の適用によって任意に脱気することができる。
【0091】
このように調製したポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物は一般に、短時間の後、例えば2〜60分の後、型から取り出すことができる。その後、任意に、50〜100℃、好ましくは60〜90℃の温度での後硬化工程を実施することができる。
【0092】
このようにして、非発泡または発泡の、耐光耐候性の軟質ポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物が得られ、それらは、溶媒および化学薬品に対する高い耐性、並びに例えば90℃の高温での優れた耐熱性を特徴とする。
【0093】
本発明のポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物は、高い弾性と高い耐熱性とを併せ持つが、常套のアロファネート基不含有HDIポリイソシアネート(例えば三量体またはビウレット)を用いて従来技術にしたがって調製されたポリウレタン組成物は、より大きい硬度とより低い弾性、そして意外なことに全く不十分な耐熱性を有する。一方、例えばEP−A 0 000 194にしたがって得られるような、純粋なHDIポリエステルアロファネートに基づくポリウレタンは、本発明のポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物と同じ水準の弾性値を有するが、溶媒および化学薬品に対するより低い耐性値を有する。弾性、高い耐熱性および同時に良好な耐薬品性の望ましい組み合わせは、本発明にしたがって使用されるポリイソシアネート成分を用いる場合しか達成することはできない。
【0094】
本発明のポリウレタン組成物および/またはポリウレア組成物は、多くの様々な用途に、例として、光学部品、電子部品または光電子部品(例えばソーラーモジュールまたは発光ダイオード)の流し込成形に、そしてシール、減衰要素、または軟質一体フォーム物品の製造に適している。
【実施例】
【0095】
特に記載のない限り、全てのパーセントは重量に基づく。
NCO含量は、DIN EN ISO 11909にしたがって滴定法によって測定した。
ヒドロキシル価は、DIN 53240のパート2を参照することにより滴定法によって測定し、酸価はDIN 3682にしたがって測定した。
残留モノマー含量は、内部標準を用いてガスクロマトグラフィーによって、DIN EN ISO 10283にしたがって測定した。
粘度測定は全て、DIN EN ISO 3219にしたがって、Anton Paar Germany GmbH(ドイツ国在)製Physica MCR 51レオメーターを用いて実施した。
ハーゼン色数は、Lange(ドイツ国在)社製LICO 400分光光度計を用い、DIN EN 1557にしたがって分光測光法によって測定した。
記載したアロファネート化度(アロファネート基に転化された、成分B)のヒドロキシル基から中間生成物として生じたウレタン基の割合(%))およびイソシアヌレート基/アロファネート基モル比は、13C−NMRデータから計算した値である。
ガラス転移温度Tgは、10℃/分の昇温速度で、Mettler DSC 12E(Mettler Toledo GmbH(ドイツ国ギーセン在))を用いて、DSC(示差走査熱量測定法)によって測定した。
ショア硬度は、Zwick 3100ショア硬度計(Zwick(ドイツ国在))を用い、DIN 53505にしたがって測定した。
CIE Lab値(DIN 6174)、黄色度指数(ASTM E 313)および透過率は、Perkin-Elmer(米国在)社製の積分球(150mm)を備えたLambda 900分光光度計を用いて測定した(0°/拡散、リファレンス:空気、T=100%)。
Suprax昼光フィルター(290nmでのUVエッジ、ブラックパネル温度=48℃)を備えたSuntest CPS(Atlas(米国在))において、DIN EN ISO 11431にしたがって、キセノン光を照射した。CIE Lab値およびΔE値を、色の変化の尺度として測定した。
【0096】
出発化合物の調製
ポリイソシアネートA1)
ポリエステルジオールB1)の調製
5730g(50.3mol)のε−カプロラクトン、1270g(10.8mol)の1,6−ヘキサンジオールおよび0.35gの2−エチルヘキサン酸錫(II)を、窒素パージした反応器内で、撹拌しながら160℃で4時間加熱した。室温まで冷却した後、以下の特性を有する液体状ポリエステルジオールを得た。
粘度(23℃): 330mPas
ヒドロキシル価: 172.4mgKOH
酸価: 0.6mgKOH
色数(APHA):30ハーゼン
平均分子量: 650g/mol(ヒドロキシル価から計算)
【0097】
ポリイソシアネートA1)の調製
650g(1.0mol)の上記ポリエステルジオールB1)を、乾燥窒素下、90〜100℃の温度で、1596g(9.5mol)のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)に添加し、完全ウレタン化に相当する31.8%のNCO含量に達するまで混合物を3時間撹拌した。反応混合物を65℃まで冷却した後、N,N,N−トリメチル−N−ベンジルアンモニウムヒドロキシドの、2−エチルヘキサノールおよび2−エチルヘキサン−1,3−ジオールの1:1混合物中0.75%溶液15mlを90分間かけて連続添加することによって、アロファネート化反応および同時に起こる三量化を開始した。この後、反応混合物のNCO含量は22.8%であった。リン酸ジブチルのHDI中10%溶液0.5gを添加することによって触媒を失活させ、0.1mbarの圧力下、130℃の温度で、薄膜蒸発器で未反応の単量体HDIを分離した。以下の特性を有する、粘性のある無色のアロファネート基およびイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート1630gを得た。
NCO含量: 11.5%
NCO官能価(計算値): 約3.7
粘度(23℃): 7200mPas
単量体HDI: 0.07%
色数(APHA): 30ハーゼン
アロファネート化度: 68%
イソシアヌレート基/アロファネート基:35:65(モル)
【0098】
ポリイソシアネートA2)
ポリエステルジオールB2)の調製
1160g(9.8mol)の1,6−ヘキサンジオール、1334g(12.8mol)のネオペンチルグリコールおよび2662g(18.2mol)のアジピン酸を、撹拌機、加熱器、自動温度制御装置、窒素注入口、カラム、水分離器および受器を備えた反応器に量り入れ、カラム塔頂部の温度が103℃を超えないように、撹拌および窒素流通しながら200℃まで加熱した。理論的に計算した反応水量(656g)に達する蒸留が完了したとき、水分離器を蒸留連結部に取り替え、カラム塔頂部の温度が90℃未満に低下するまで反応混合物を200℃で撹拌した。カラムを取り外し、2mgKOH/gの酸価に達するまで生成物を更に縮合させた。以下の特性を有する、室温で液体のポリエステルジオールを得た。
粘度(23℃): 4065mPas
ヒドロキシル価: 89mgKOH
酸価: 1.5mgKOH
色数(APHA):16ハーゼン
平均分子量: 1260g/mol(ヒドロキシル価から計算)
【0099】
ポリイソシアネートA2)の調製
672g(4mol)のHDIおよび177g(0.14mol)のポリエステルジオールB2)を、出発ポリイソシアネートA1)のために記載した方法によって、そこに記載されている触媒溶液を用いて、33.5%のNCO含量に達するまで反応させた。触媒の失活、並びに続く130℃および0.1mbarでの短行程蒸発器を用いた蒸留による未反応の単量体HDIの除去の後、以下の特性を有する、粘性のある無色のアロファネート基およびイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート365gを得た。
NCO含量: 11.3%
NCO官能価(計算値): 約3.7
粘度(23℃): 7850mPas
単量体HDI: 0.05%
色数(APHA): 27ハーゼン
アロファネート化度: 69%
イソシアヌレート基/アロファネート基:32:68
【0100】
ポリイソシアネートA3)
588g(3.5mol)のHDIおよび278g(0.37mol)の市販ポリ−ε−カプロラクトンジオール(Perstorp(スウェーデン在)社製CAPA(登録商標) 2077 A;平均分子量750)を、出発ポリイソシアネートA1)のために記載した方法によって、そこに記載されている触媒溶液を用いて、23.7%のNCO含量に達するまで反応させた。触媒の失活、並びに続く130℃および0.1mbarでの短行程蒸発器を用いた蒸留による未反応の単量体HDIの除去の後、以下の特性を有する、粘性のある無色のアロファネート基およびイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート369gを得た。
NCO含量: 11.2%
NCO官能価(計算値): 約3.8
粘度(23℃): 6300mPas
単量体HDI: 0.05%
色数(APHA): 27ハーゼン
アロファネート化度: 68%
イソシアヌレート基/アロファネート基:20:80
【0101】
ポリイソシアネートA4)
出発ポリイソシアネートA3)の調製において記載した市販ポリ−ε−カプロラクトンジオール(CAPA(登録商標) 2077 A)181g(0.24mol)を、乾燥窒素下、90〜100℃の温度で、756g(4.5mol)のHDIに添加し、完全ウレタン化に相当する38.2%のNCO含量に達するまで混合物を3時間撹拌した。次いで、反応混合物を95℃まで加熱し、0.2gの2−エチル−1−ヘキサン酸亜鉛(II)をアロファネート化触媒として添加した。反応の発熱が開始したため、混合物の温度が110℃に上昇した。約30分後、反応混合物のNCO含量は34.8%であった。0.2gの塩化ベンゾイルを添加することによって触媒を失活させ、0.1mbarの圧力下、130℃の温度で、薄膜蒸発器で未反応の単量体HDIを分離した。以下の特性を有する、粘性のある無色のアロファネート基およびイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート388gを得た。
NCO含量: 11.3%
NCO官能価(計算値): 約3.7
粘度(23℃): 6500mPas
単量体HDI: 0.07%
色数(APHA): 47ハーゼン
アロファネート化度: 93%
イソシアヌレート基/アロファネート基:18:82
【0102】
比較のポリイソシアネートV1)
756g(4.5mol)のHDIを、アロファネート化触媒としての2−エチルヘキサン酸ジルコニウム(II)100ppmと一緒に、110℃で乾燥窒素下に導入し、出発ポリイソシアネートA3)の調製において記載した市販ポリ−ε−カプロラクトンジオール(CAPA(登録商標) 2077 A)181g(0.24mol)と1.5時間混合した。110℃で更に3時間後、反応混合物のNCO含量は35.9%であった。250ppmの塩化ベンゾイルを添加することによって触媒を失活させ、0.1mbarの圧力下、130℃の温度で、薄膜蒸発器で未反応の単量体HDIを分離した。以下の特性を有する、粘性のある無色のアロファネート基含有ポリイソシアネート350gを得た。
NCO含量: 11.8%
NCO官能価(計算値): 約3.9
粘度(23℃): 3200mPas
単量体HDI: 0.08%
色数(APHA): 33ハーゼン
アロファネート化度: 98%
イソシアヌレート基/アロファネート基:2:98
【0103】
比較のポリイソシアネートV2)
以下の特性を有するイソシアヌレート基含有HDIポリイソシアネート(Bayer MaterialScience(ドイツ国在)社製Desmodur(登録商標) N 3300)。
NCO含量: 21.8%
粘度(23℃): 3050mPas
遊離HDI: 0.09%
色数(APHA): 8ハーゼン
アロファネート化度: −
イソシアヌレート基/アロファネート基:100:0
【0104】
ヒドロキシ官能性反応種E1)
成分a)
3112g(34.6mol)の1,3−ブタンジオール、1863g(17.9mol)のネオペンチルグリコール、2568g(19.2mol)のトリメチロールプロパンおよび6706g(40.4mol)のイソフタル酸を、撹拌機、加熱器、自動温度制御装置、窒素注入口、カラム、水分離器および受器を備えた反応器に量り入れ、カラム塔頂部の温度が102℃を超えないように、撹拌および窒素流通しながら200℃まで加熱した。理論的に計算した反応水量(1649g)に達する蒸留が完了したとき、水分離器を蒸留連結部に取り替え、生成物が5mgKOH/gの酸価を有するまで反応混合物を200℃で撹拌した。以下の特性を有する、室温で高い粘性を有するポリエステルポリオールを得た。
流下時間(23℃):29秒(MPA中55%溶液として(ISO 2431))
ヒドロキシル価: 335mgKOH/g
酸価: 4.7mgKOH/g
色数(APHA): 27ハーゼン
平均分子量: 435g/mol(ヒドロキシル価から計算)
【0105】
成分b)
4034g(35.4mol)のε−カプロラクトン、9466g(70.6mol)のトリメチロールプロパンおよび6.75gの2−エチルヘキサン酸錫(II)を、乾燥窒素下で一緒に混合し、160℃で4時間加熱した。室温まで冷却した後、以下の特性を有する液体状ポリエステルジオールを得た。
粘度(23℃): 4600mPas
ヒドロキシル価: 886mgKOH/g
酸価: 0.4mgKOH/g
色数(APHA):42ハーゼン
平均分子量: 190g/mol(ヒドロキシル価から計算)
【0106】
ヒドロキシ官能性反応種E1)の調製
6300gの成分a)、6300gの成分b)および1400gのジプロピレングリコールを、撹拌槽反応器内で、60℃で1時間、一緒に撹拌した。以下の特性を有する、ヒドロキシ官能性反応種E1)を得た。
粘度(23℃): 19,900mPas
ヒドロキシル価: 628mgKOH/g
酸価: 2.2mgKOH/g
色数(APHA):64ハーゼン
平均分子量: 243g/mol(ヒドロキシル価から計算)
【0107】
ヒドロキシ官能性反応種E2)
ポリイソシアネートA1)の調製のための出発成分として記載したポリエステルジオールB1)
【0108】
実施例1)〜7)(本発明にしたがう実施例、および比較例)
注封材料の製造
注封材料を製造するため、触媒としてのDBTLが任意に配合されていてよい、ポリイソシアネート成分およびポリオール成分を、各々の場合に1:1のイソシアネート基対ヒドロキシル基の当量比に相当する表1記載の組み合わせおよび割合(重量部)で、SpeedMixer DAC 150 FVZ(Hauschild(ドイツ国在))を用いて、3500rpmで1分間均質化し、次いで、未加熱の開放式ポリプロピレン製型に手動で注入した。室温でまたは乾燥炉内70℃で30分間硬化させた後、試験片(直径50mm、高さ5mm)を取り出した。
【0109】
24時間の後硬化時間の後、試験片を機械的性質および光学的性質について試験した。耐熱性の迅速な評価のために、80℃まで加熱した試料を用いてショア硬度を測定し、室温で測定した同じ試料のショア硬度との差を計算した。耐薬品性を評価するために、試料をアセトン中に7日間まで保管し、目視評価した(「非常に良好」=7日後に視覚的変化なし;「良好」=1日後に視覚的変化なし;「並」=1日後に侵食された試料)。試験結果を表1に示す。
【0110】
【表1】

【0111】
実施例は、本発明(実施例1〜5)にしたがって、優れた耐熱性を有する軟質、高弾性、耐光性および耐薬品性のポリウレタン注封材料が、アロファネート化および同時に起こる三量化を伴ったHDIとモル不足量のポリエステルアルコールとの反応によって調製されたポリイソシアネートを用いて得られることを示している。一方、類似の配合物では、アロファネート構造しか有さないエステル基含有HDIポリイソシアネート(実施例6、比較)は、低い耐熱性および不十分な耐薬品性を有するポリウレタン組成物を生じ、アロファネート基不含有HDIポリイソシアヌレート(実施例7、比較)の使用は、軟質ではあるが非常に硬くて脆い注封材料をもたらす。
【0112】
実施例8)
表2に記載した条件下、実験用計量供給装置を用いて、加熱できる型(195×290×4mm)に実施例1の注封材料を注入した。
【0113】
【表2】

【0114】
このようにして得た試料シートから試験片を切り取り、更なる機械的試験および熱的試験に付した。その結果を表3および表4に示す。
【0115】
【表3】

【0116】
【表4】

【0117】
実施例9)
90℃の試料温度で実施例1に記載されているように製造した試験片に、2mm離して白色LED光を照射した。表5は、光を照射している間の、透過率、色合い(CIE Lab値)および黄色度(黄色度指数YI)の変化を示す。経時的にほとんど変化しない高い透過性(約90%の透過率)および低い黄色度は特に、発光ダイオードの被包のための弾性注封材料の製造への、本発明のポリイソシアネートの優れた適合性を示している。
【0118】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
アロファネート化および同時に起こるイソシアネート基のオリゴマー化を促進する触媒C)の存在下で1,6−ジイソシアナトヘキサンとモル不足量のエステル基含有ヒドロキシ官能性成分B)とを反応させ、所望の転化率で反応を停止し、未反応の過剰ジイソシアネートを除去することによって得ることができるポリイソシアネート成分A)の、耐光性の非発泡または発泡のポリウレタン物品および/またはポリウレア物品の製造のための使用。
【請求項2】
ポリイソシアネート成分A)が、官能価およびヒドロキシル価から計算することができる平均分子量134〜3000、並びに平均ヒドロキシル官能価1.8〜4.0を有するエステル基含有ヒドロキシ官能性成分B)を使用して調製されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
ポリイソシアネート成分A)が、ε−カプロラクトンの開環重合によって得られたポリエステルジオールB)を使用して調製されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
ポリイソシアネート成分A)が、4:1〜50:1のイソシアネート基対ヒドロキシル基の当量比を維持しながら、1,6−ジイソシアナトヘキサンとエステル基含有ヒドロキシ官能性成分B)とを反応させることによって調製されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
低モノマー含量のポリイソシアネート成分A)が、触媒C)としてカルボン酸亜鉛を使用して調製されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
低モノマー含量のポリイソシアネート成分A)が、触媒C)として、n−オクタン酸亜鉛(II)、2−エチル−1−ヘキサン酸亜鉛(II)および/またはステアリン酸亜鉛(II)を使用して調製されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項7】
ポリイソシアネート成分A)が、触媒C)として、第四級アンモニウムカルボキシレート、第四級アンモニウムヒドロキシドおよび/または第四級アンモニウムハイドロジェンポリフルオライド或いは第四級ホスホニウムハイドロジェンポリフルオライドを使用して調製されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
低モノマー含量のポリイソシアネート成分A)が、触媒C)として、N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニムヒドロキシド、N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)アンモニムヒドロキシド、N,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシブチル)アンモニウムヒドロキシドおよび/またはN,N,N−トリメチル−N−ベンジルアンモニウムヒドロキシドを使用して調製されることを特徴とする、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
低モノマー含量のポリイソシアネート成分A)が、触媒C)として第三級ホスフィンを使用して調製されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項10】
低モノマー含量のポリイソシアネート成分A)が、触媒C)として、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィンおよび/またはジシクロペンチルブチルホスフィンを使用して調製されることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
低モノマー含量のポリイソシアネート成分A)の調製において、1,6−ジイソシアナトヘキサンとエステル基含有ヒドロキシ官能性成分B)との反応が、停止剤の添加によって所望の転化率で停止されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項12】
ポリイソシアネート成分A)の調製において、未反応の単量体1,6−ジイソシアナトヘキサンが、抽出または薄膜蒸留によって反応生成物から分離されることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項13】
ポリウレタン物品および/またはポリウレア物品が、光学部品、光電子部品または電子部品或いは軟質一体フォームであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項14】
部品が発光ダイオードであることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
部品がソーラーモジュールであることを特徴とする、請求項13に記載の使用。
【請求項16】
ポリウレタン物品および/またはポリウレア物品がシールまたは減衰要素であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項17】
ポリウレタン物品および/またはポリウレア物品が軟質一体フォーム物品であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項18】
A)アロファネート化および同時に起こるイソシアネート基のオリゴマー化を促進する触媒C)の存在下で1,6−ジイソシアナトヘキサンとモル不足量のエステル基含有ヒドロキシ官能性成分B)とを反応させ、所望の転化率で反応を停止し、未反応の過剰ジイソシアネートを除去することによって得ることができるポリイソシアネート成分A)、および
D)任意に更なる脂肪族および/または脂環式ポリイソシアネートと、
E)イソシアネート基に対して反応性である、平均官能価2.0〜6.0を有する反応種、および
F)任意に更なる助剤および添加剤
とを、0.5:1〜2.0:1のイソシアネート基対イソシアネート反応性基の当量比を維持しながら、溶媒の不存在下で反応させることにより、耐光性のポリウレタン物品および/またはポリウレア物品を製造する方法。
【請求項19】
平均分子量62〜12,000を有する、ヒドロキシ官能性化合物、アミノ官能性化合物および/またはメルカプト官能性化合物を、成分E)として使用することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよび/または平均分子量500〜12,000を有するアミノポリエーテル、ポリチオエーテルチオール、ポリエステルチオールおよび/または平均分子量62〜500を有する低分子量のヒドロキシ官能性成分および/またはアミノ官能性成分を、成分E)として使用することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
発泡剤としての水を、成分F)として使用することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
160℃までの温度および300barまでの圧力下で反応種の反応を実施することを特徴とする、請求項18に記載の方法。

【公表番号】特表2012−515813(P2012−515813A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546662(P2011−546662)
【出願日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000125
【国際公開番号】WO2010/083957
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】