説明

ポリエステルの製造方法及びこの方法に適した環状ディスク反応器

例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルを予備縮合物から製造するための方法と装置が開示される。エアロゾル様に分散した予備縮合物構成分を含む蒸気を重縮合反応器中に流し通し、この際、予備縮合物構成分を、反応器の壁上で及び反応器の出口室内においては分離器上で凝結させ、その凝結物を、攪拌されていない排出液相上に導き、そしてこの排出液相の上層を攪拌された反応器領域に連続的に再循環し、それによって再混合及び更なる重縮合に付す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、予備縮合物の溶融物からポリエステルを製造するための方法、及びこのために適した、攪拌されていない出口室を有する環状ディスク反応器である。
【背景技術】
【0002】
ポリエステルの連続的製造のための環状ディスク反応器はかなり前から知られている。この反応器は、大概は、それの互いに向かい合う端部のところに予備縮合物及び重縮合物の供給路及び排出路を備えた筒状で横置き型の加熱された容器である。環状ディスク反応器では、多数の回転要素が水平軸上に設けられる。これらの回転要素は、予備縮合物を混合し、そしてこれらに粘着した粘り気のある溶融物が流れ落ちることによって、重縮合物の脱ガスのための大きな表面積を生じさせる。このような装置は、ドイツ特許出願公開第1 745 541号明細書、同第1 720 692号明細書、同第2 100 615号明細書及び同第2 114 080号明細書、並びに欧州特許及び特許出願公開第0 320 586号明細書、同第0 719 582号明細書、同第0 711 597号明細書及び同第1 386 659号明細書に記載されている。
【0003】
既知の環状ディスク反応器の欠点は、重縮合物残渣が反応器の内壁上に析出し、これが、反応器の付着物や汚染物を招くだけではなく、これらが反応器の内壁に長時間付着して、この際重縮合物の熱分解や架橋を招くような高温に曝されると、着色及び望ましく無い内容物で汚染された生成物を与えることである。この場合、濾過することができないゲル様の不純物が、ポリマー加工プロセスの妨げとなり、後々まで生成物の品質を低下させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それゆえ、重縮合中に自己清浄効果が現れ、それによって反応器内壁上に付着物、堆積物及び欠陥のある生成物が形成されることが防がれ、また、それにより同時に高い製品品質が保証されるような新規の方法及び改良された環状ディスク反応器を開発するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明の対象は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、及びポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルを予備縮合物から製造する方法であって、エアロゾル様に分散した予備縮合物構成分を含む蒸気を重縮合反応器中に流し通し、この際、予備縮合物構成分を、反応器の壁上で及び反応器の出口室中では分離器上で凝結させる上記方法である。この凝結物は次いで攪拌されていない排出液相上に導き、そしてこの排出液相の上層を攪拌されている反応器領域に連続的に再循環させ、それによって再混合及び更なる重縮合に付す。
【実施の態様】
【0006】
重縮合反応器としては、好ましくは、均一な滞留時間及び制御された粘度上昇のために反応室が液相中で仕切り板によって複数の小部屋に区画され、これらの小部屋が流出口によって互いにつながれている環状ディスク反応器が使用される。このタイプの本発明によるポリエステル製造用環状ディスク反応器は、加熱可能な筒状横置き型の容器から構成され、前記容器は、溶融物のための少なくとも一つの入口及び少なくとも一つの出口、並びに各溶融物出口の上にそれぞれ設けられた少なくとも一つの蒸気排出口、及び容器の形に適合された内部攪拌機構を備える。この攪拌機構は、垂直に配置された環状ディスクをその内容とし、これらの環状ディスクは、スポーク要素によって少なくとも一つの共通の水平駆動軸上に固定されている。仕切壁の少なくとも一つの開口部を介して、攪拌されていない出口室からそれの前に位置する攪拌された部屋中への逆流が達成される。出口室の内容物が回転要素によって運動しないことによって、確実なレベル測定及び最小の生成物レベルが可能となり、完成した重縮合物の排出が邪魔されない。
【0007】
このような環状ディスク反応器では、最後の仕切壁に配置される開口部は、少なくとも一つの生成物流出口及び少なくとも一つの生成物逆流口からなり、この際、前記生成物流出口は、好ましくは、床面の生成物排出口を基準として、回転する環状ディスクによって生成物液相が持ち上げられる側に、すなわち攪拌器の浮上側により高い位置に設けられ、そして前記生成物逆流口は、対置する攪拌器の下降側に設けられる。これらの開口部は、好ましくは、停滞液相域の遮断のために、容器底点から連続して広がる壁側の辺縁開口部として形成される。
【0008】
向上したレベル制御及びレベル最小化は、最後の環状ディスクの半径内部に配置される追加的な(排出液相を制限する)溢流口を用いて行われる。これによって、最後の攪拌された小部屋と排出室との間の循環流が引き起こされ、その結果、流れがよどむコーナー部での長すぎる滞留時間を原因とするポリマーの分解や、生成物の変色が防止される。
【0009】
生成物はその高い粘度の故に攪拌要素に粘着するため、攪拌要素が液相中に進入するところの側よりも明らかに回転方向に大きい肝臓形の横断面のプロフィルが液相に発達する。攪拌要素浮上側のより高い位置にある上記生成物流出口を介してポリマーが出口室中に流出し、次いで攪拌要素の下降側の壁側にある開口部を介して攪拌された小部屋中に再び戻され、この際、下に潜った一部の生成物流が排出口管を介して出口室から排出される(図1)。最後の仕切壁中の流入及び流出口の位置によって、流れの方向、流れの強さ及び液相レベルを制御することができる。追加的に、より高い位置に設けられた溢流口を介して、出口室の表面の生成物を最後の攪拌された小部屋中に導いて、そらせ板から滴り落ちたり、後壁から流れ落ちた手配した反応の予備縮合物材料をポリマー主要部分中に供給する。
【0010】
適当なプロセス条件を用いることにより、本発明による環状ディスク反応器の構造では、反応生成塊が泡立つことによって及び生成物を負った攪拌器から飛沫が反応器壁上に衝突することによって(特に、蒸気の気泡が攪拌器表面上で破裂する時)、更には微細な凝集物(飛沫、泡膜)が浮遊及び同伴することによって、予備縮合物が一度蒸気流中に到達し、そしてその後、蒸気からの予備縮合物の分離が反応器壁のところで行われる。このプロセスは、反応器上部中の適切な蒸気の流れ(反応器内部空間中の軸流れに対する十分に高い抵抗の確立)、反応器の導入部における攪拌器の高められた縁部通過性(Randgaengigkeit)、及び環状ディスクと上側の反応器壁との間の二次流れ(渦流室)によって、本発明に従い増強される。本発明ではガス排出口は、環状ディスク反応器の生成物排出側に配置されるために、低粘度の予備縮合物構成分は、反応器の後部においても飛沫を含むエアロゾル様の蒸気と一緒に洗浄膜として壁上に到達する。この洗浄膜は、漏出空気の無い該反応器システムにおいて熱分解及び残渣が生ずる前に、他の場合では強固に粘着する表面付着物を剥がしそして流れ落とす(図2)。反応器内壁上のポリエステルの付着物または堆積物の形成はそれによって効果的に防がれる。
【0011】
反応器の出口室中に備えられた分離器は、同伴された生成物が過剰に及び凝縮工程の障害となる程に排ガス流中に流れ出ることを防ぐものであり、これは、そらせ板、ミストコレクター、デミスターの形または他の適当な流れの転向手段の形で構築することができる。デッドスペースが生じないように配置された簡単なそらせ板が、圧力損失が少ないことから特に好ましい。このそらせ板は、つばを付けてまたは付けないで構築することができる。ガスの排出のための蒸気口管は、カラーを付けてまたは付けないで構築することができる。
【0012】
本発明による自己清浄効果を可能な限り有効に発揮させるためには、予備縮合物の固有粘度は、最大でも0.37 dl/gを超えるべきではなく、好ましくは0.21〜0.33 dl/gの範囲である。固有粘度の測定方法は、例えば、ドイツ特許出願公開第101 58 793号明細書(DE-A1)の第5頁第41〜42行に記載されている。予備縮合物を壁膜として予め部分的に分離することを目的とするが、このためには、本発明方法においては、蒸気を、天井の壁に沿って、好ましくは容器の軸に対して攪拌軸が偏心しているために存在する反応容器と攪拌器との間の鎌状の自由空間中に導く。この好ましい流れは、本発明においては、個々の場合において、生成物空間が攪拌器の軸に至るまで分室もしくは覆われていること、攪拌器内部空間が、ディスク及びスポークから流れ落ちるポリマー膜によって水圧力学的、運動学的に閉じられていることによって起こり、そして隣り合う環状ディスク攪拌要素が、それぞれスポークセクタ角(Speichensektorwinkel、中心角)の半分の角度で交互にずれていることにより、及び場合により蒸気空間が静止状態もしくは好ましくは回転状態で分室されていることにより強化される。
【0013】
加えて、上述のように、好ましくは本方法は、出口室が制御された静止状態の最小生成物レベルを有するように行われる。
【0014】
上記の環状ディスク反応器は、一連の特別な構造的特徴によって更に改良することができる。
【0015】
混合及び表面の入れ替えを強化するためには、より粘度に適合された速度及び低減されたエネルギー入力量で作業するために第二の水平軸を第一の回転軸の延長に使用することが有利であり得る。攪拌要素による生成物の携行及び攪拌要素上の膜の形成は、この要素の形態の他には、特に粘度と周速に左右されるために、反応の進行に合わせて周速を変化させることも有利であり得る。通常は、反応器の入口の粘度と出口の粘度との比率は、約1:100〜1:200である。
【0016】
環状デスク反応器において、第一の攪拌軸の他に、回転数を落とした第二の回転軸を設ける場合には、この第二の回転軸は、出口領域において、容器の軸に対して同じかもしくはより大きい回転軸の偏心をもって案内することができる。反応器内部での攪拌軸の支え及び軸受けのためには、生成物で潤滑されるすべり軸受けが有利に備えられる。通常は、それによって、二つの軸シールの代わりに個別の軸シール、及び品質害の空気漏出の低減されたリスクが得られる。
【0017】
該筒状容器中で同じ回転数の場合に、液相中での均一で良好な重縮合物の混合並びに良好な膜の形成を達成するためには、攪拌要素の形態の他に、それらの間の間隔を変えることが得策である。この間隔の変更によって、次のことを可能する空間が確保される。すなわち、より粘着性の強い膜状生成物を液相中に混入することができ、かつ伸びた剪断間隔の故にエネルギー入力量を高める必要はない。
【0018】
上記の第二の駆動軸によって、回転数を粘度に対してより良好に適合させることができ、低下した回転数の結果、攪拌要素間の間隔をより短く調節することができる。これは、より大きい比表面積を導き、そして1:400〜1:1000のより高い粘度比を達成することを可能にする。上記第二の駆動軸によって、特に高粘度の生成物を生成することができ、そして比表面積を最大限に大きくすることができる。それにより、より性能のよい装置を製造することが可能になる。
【0019】
それ故、様々なポリマー生成物の固有粘度(IV)は、1.35 dl/g以下の値、好ましくは一つの反応器軸を用いた場合はIV = 0.5 dl/g〜1.05 dl/gの範囲の値に、二つの反応器軸を用いた場合はIV = 0.5 dl/g〜1.25 dl/gの範囲の値に増大することができる。
【0020】
好ましい態様の一つは、一方の端部に溶融物用の入口及び他方の端部に出口を有し、かつ溶融物の出口の上に後壁に蒸気排出口を有して、予備縮合物流が一体で、すなわち分割されずに反応器中を流れる、加熱可能な筒状横置き型の容器から構成される。
【0021】
特に高い処理量は、予備縮合物流を二つの部分流に分割し、これを完全にもしくは部分的に分けて反応器内を流した場合に、直径が限定された環状ディスク反応器において達成される。このためには、反応器の蓋側に二つの予備縮合物流を供給し、そして最終生成物を半ばで抜き出すことができる。このような配置によって、所与の反応器直径における蒸気の負荷量が半減される。
【0022】
しかし、予備縮合物流を反応器の中間区域に供給し、それを二つの部分流に分割し、そして両部分流を互いに別の流れとして蓋側の別個の生成物出口に導いた際に、直径が限定された環状ディスク反応器において高い処理量を達成することもできる。この場合、追加的に、両最終生成物の粘度を、回転数及び温度制御によって独立して制御することができる。この場合の欠点は、二つのガス排出口が必要であることである。
【0023】
本発明の特徴は全て、予備縮合物を単一の流れとした時ばかりではなく、対応して適合させて分割した流れとした時にも実現することができる。
【0024】
スポークにより軸上に各攪拌要素を配置することは、各攪拌要素をそれぞれ独立して軸から取り外すことができることから、簡単に取り付けすることができかつ整備も簡単に行え得る簡単で、柔軟性がありかつ丈夫な構造を与えるという利点を供する。これとは逆に、欧州特許出願公開第0 711 597号明細書や、欧州特許出願公開第0 719 582号明細書に記載のような籠状の構造は、取り付けが困難な複雑な溶接物である。また、この場合は二つの軸端が設けられるが、一つの内部軸受けを備える本発明の構造では、駆動軸当たり一つの軸端のみが必要である。籠状攪拌機における中央空洞筒状体は、滴り落ちるポリマーが連行されることや、泡の形成によって、望ましくない長手向きの混合(Laengsmischung)が軸方向で生じ得るという欠点を有する。その代わりに、偏心させて容器内に軸を配置することで、上部に鎌状の空間が生じ、この空間中を通ってガス流が流出することができる。粘度が高い場合には、攪拌要素から流れ落ちた材料が軸上に溜まり、この際重縮合活性が制限される傾向がある。それゆえ、特に、より高い粘度区域では、特別な掻き取り手段により軸を清浄することが有意義である。中程度の粘度区域においては、このためには個々の攪拌要素の間で軸付近に設けられる横梁で十分である。攪拌要素としては、先ず第一に、無孔のディスクもしくは有孔のディスクとして形成することができる環状ディスクまたはディスクセグメント(弓形部材)が挙げられる。これらのディスクは、個々にもしくは結合して配置することができ、また汲み取り要素を装備することもできる。
【0025】
各スポークの間にある自由扇形部は、孔を開けた板金で交互に覆うことができる。それゆえ、スポーク数が偶数の環状ディスク攪拌器は、通常の自由扇形部と覆われた扇形部を交互に有する。本発明に従い、軸の方向から見て自由扇形部と覆いが付けられた扇形部とが交互に重なるように、環状ディスクの少なくとも二つを軸上一列のスポークによって直列につなぐと、軸方向に流れるガス流の効果的な転向が得られ、それに伴い、泡及び同伴された飛沫の軸方向での分離が達成される。軸方向のガス流のこのような転向は、垂直方向の流れ成分を増加させ、かつ鎌状空間中のガス速度を高める。生成物液相中では同時に分室効果があり、それにより、低粘度材料の不制御の通過が防がれる。孔を開けた板金の代わりに、孔を開けていない板金や、ワイヤークロスも使用できる。
【0026】
それぞれスポークセクタ角の半分の角度ずつ互いにずれている相前後して続く各環状ディスク攪拌器のスポークを渡っていくことは、次第に高まる溶融物の粘着性の故に好ましいものであるが、これは、攪拌器内部空間を一様に覆い隠す他に、これと同時に、生成物液相の向上された易動性及び混合に寄与する。生成物溶融物の軸方向の進行を高めるためには、更に、相前後する各攪拌器のスポークを、後続のスポークを0.4〜4度の角度ずつずらして軸方向に螺旋状にすることも可能である。
【0027】
更に別の利点は、各々の小部屋の間に備えられる仕切壁が加熱可能なことによって達成することができる。外気に対して攪拌軸をシールするために、シール液を供した他段階の軸シールリップリングシステムを備えることも有利である。外気に対して回転軸をシールするためには、シール液を供した複動スライドリングシールシステムを使用することもできる。必要な場合には、上記のシールシステムの追加的な冷却手段を統合することができる。このようなシールシステムを用いることにより、数年間の整備不要な運転時間が可能となる。
【0028】
本発明の環状ディスク反応器において独特な構造的特徴を添付の図1及び図2に示す。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明の環状ディスク反応器の出口室部の斜視図である。
【図2】図2は、本発明の環状ディスク反応器の側面及び裏面から見た立面図である。
【符号の説明】
【0030】
1.回転環状ディスク
2.最後の仕切壁
3.流出口
4.生成物排出口
5.逆流口
6.攪拌器液進入側
7.軸掻き取り手段
8.軸
9.ハブ
10.スポーク
11.加熱されていない仕切板
12.加熱された仕切板
13.有孔板で覆われた弓形部
14.偏心
15.そらせ板
16.環状ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルの予備縮合物の溶融物からポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートなどのポリエステルを製造する方法であって、エアロゾル様に分散した予備縮合物構成分を含む蒸気を重縮合反応器中に流し通し、この際、予備縮合物構成分を、反応器の壁上で及び反応器の出口室中では分離器上で凝結させ、次いでこの凝結物を攪拌されていない排出液相上に導き、そしてこの排出液相の上層を、攪拌されている反応器領域に連続的に再循環させ、それによって再混合及び更なる重縮合に付すことを特徴とする、上記方法。
【請求項2】
予備縮合物の固有粘度が、0.37 dl/g以下の最大値に、好ましくは0.21〜0.33 dl/gの値に制限されることを特徴とする、請求項1の方法。
【請求項3】
予備縮合物を予め部分的に膜として分離するために、予備縮合物を含む蒸気を、天井の壁に沿って流し通すことを特徴とする、請求項1または2の方法。
【請求項4】
重縮合反応器の攪拌要素の縁部通過性が、生成物出口側よりも、生成物の入口側においてより大きいことを特徴とする、請求項1〜3の方法。
【請求項5】
出口室が、制御された静止状態の生成物レベルを有することを特徴とする、請求項1〜4の方法。
【請求項6】
生成物の固有粘度が、0.5 dl/g〜1.35 dl/gのIV、好ましくは0.55 dl/g〜1.25 dl/gの範囲のIVから選択されることを特徴とする、請求項1〜5の方法。
【請求項7】
重縮合反応器として環状ディスク反応器が使用されることを特徴とする、請求項1〜6の方法。
【請求項8】
請求項1〜7の方法により重縮合物を製造するための環状ディスク反応器であって、但し、この反応器は、溶融物のための少なくとも一つの入口と少なくとも一つの出口を有する加熱可能な筒状横置き型の容器から構成され、前記容器では、仕切り板により生成物空間が分室されており、各々の仕切り板には流出口を配し、かつ各々の溶融物出口の上に配置された少なくとも一つの蒸気排出口を有し、更には容器の形に適合された攪拌システムを内部に備え、この際、この攪拌システムは、垂直に配置された環状ディスクから構成され、これらの環状ディスクは、少なくとも一つの共通の水平駆動軸上にスポーク要素によって固定されているものであって、
攪拌されていない出口室とその前に置かれる攪拌された部屋との間にある最後の仕切り板が、攪拌器の浮上側に少なくとも一つの流出口、並びに攪拌器の下降側に少なくとも一つの逆流口を有することを特徴とする、上記環状ディスク反応器。
【請求項9】
最後の仕切り板の少なくとも一つの逆流口が、壁側で容器の底点から連続的に拡がる辺縁開口部として形成されることを特徴とする、請求項8の環状ディスク反応器。
【請求項10】
壁側の辺縁逆流口の他に、排出液相を制限する溢流口が最後の環状ディスクの半径内部に設けられることを特徴とする、請求項8または9の環状ディスク反応器。
【請求項11】
攪拌器の軸が、容器の軸に対して偏心していることを特徴とする、請求項8〜10の環状ディスク反応器。
【請求項12】
同伴されたもしくはエアロゾル様に分散した生成物構成分の分離のために、分離器、例えばそらせ板、ミストコレクター、デミスターまたは他の適当な流れ転向手段が、出口室の領域内において蒸気排出口の前に置かれることを特徴とする、請求項8〜11の環状ディスク反応器。
【請求項13】
第一の攪拌軸の後に、回転数がより小さくかつ容器の軸に対して同じかもしくはより大きい回転軸の偏心を有する第二の攪拌軸が出口領域において続くことを特徴とする、請求項8〜12の環状ディスク反応器。
【請求項14】
攪拌軸の支え及び内部軸受けのために、生成物で潤滑されたすべり軸受けが備えられることを特徴とする、請求項8〜13の環状ディスク反応器。
【請求項15】
予備縮合物流のための入口を一方の端部に、かつ溶融物のための出口を他の端部に有することを特徴とする、請求項8〜14の環状ディスク反応器。
【請求項16】
予備縮合物流を二つの部分流に分割して、これらを、完全にもしくは部分的に分けて反応器中を流すことを特徴とする、請求項8〜14の環状ディスク反応器。
【請求項17】
両部分流が合流されて反応器内に流し通され、そして共通の生成物排出口を介して反応器から中間で抜き出されることを特徴とする、請求項16の環状ディスク反応器。
【請求項18】
両部分流が、互いに別の流れとして、蓋側にある個別の生成物出口に導かれることを特徴とする、請求項16の環状ディスク反応器。
【請求項19】
環状ディスクが、スポーク及びハブによって軸上に固定されていることを特徴とする、請求項8〜18の環状ディスク反応器。
【請求項20】
各環状ディスクのスポークが、軸上に一列に配置されることを特徴とする、請求項8〜19の環状ディスク反応器。
【請求項21】
隣り合う各環状ディスクのスポークが、スポーク間のスポークセクタ角の半分の角度で交互に互いにずれており、そしてグループ毎に軸上一列に配置されることを特徴とする、請求項8〜19の環状ディスク反応器。
【請求項22】
相前後して並ぶ各環状ディスクのスポークが、互いに螺旋状にずらされて配置されることを特徴とする、請求項8〜19の環状ディスク反応器。
【請求項23】
スポーク数が偶数の環状ディスク攪拌器が、スポークの間に通常の自由扇形部、または弓形部(板金、有孔板金)で覆われた扇形部を有し、そして(軸方向から見て)自由扇形部と覆われた扇形部が交互に重なるように、少なくとも対で相前後して配置されることを特徴とする、請求項8〜22の環状ディスク反応器。
【請求項24】
小部屋の間の仕切壁が加熱可能であることを特徴とする、請求項8〜23の環状ディスク反応器。
【請求項25】
外気に対して攪拌軸をシールするために、シール液を供した多段階の軸シールリップリングシステムが設けられることを特徴とする、請求項8〜24の環状ディスク反応器。
【請求項26】
外気に対して攪拌軸をシールするために、シール液を供した複動スライドリングシールシステムが設けられることを特徴とする、請求項8〜25の環状ディスク反応器。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−519088(P2008−519088A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538308(P2007−538308)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011264
【国際公開番号】WO2006/048123
【国際公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(507143897)ルルギ・ツィンマー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (9)
【Fターム(参考)】