説明

ポリエステル中のアセトアルデヒド量を減らす方法

本発明は、改善された風味残留特性を与えるポリエステル組成物用の添加剤を提供する。更に詳細には、本発明では、ポリエステルに含まれるアルデヒド濃度を減少させるポリ(エチレンテレフタレート)/活性メチレン組成物が提供される。本発明によれば、ポリ(エチレンテレフタレート)中のアセトアルデヒド量を減少させるので、本発明のポリエステル組成物から作られた容器に包装された食品の風味及び香味が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル化学の分野に関する。より詳細には、本発明は、ポリエステル、特に、ポリ(エチレンテレフタレート)中のアセトアルデヒドの減量方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエステル、特にポリ(エチレンテレフタレート)(PET)は、繊維、フィルム、及び三次元構造物として広範な適応性を持っている用途の多いポリマーである。PETに係る特に重要な用途は、容器、特に食品及び飲料用の容器である。この用途は、ここ20年間に目覚しい発展が見られ、上昇人気を享受し続けている。この成長にも拘わらず、PETは、いくつかの根本的な限界を有しており、その適用性が妨げられている。かかる一つの限界は、それが溶融加工されると、アセトアルデヒド(AA)を発生するというその傾向である。AAは小さな分子であるので、溶融加工時に発生するAAがPETを通過して移行してしまう。PETが容器に加工されるときに、AAは、その間に容器内部に移行してしまう。AAは、多くの飲料や食料品における天然産の香料であるが、多くの製品の場合、そのAAにより与えられる風味は望ましいものではないと考えられている。例えば、AAは、水に対してフルーティな風味を与えるが、この製品に望ましいクリーンな風味を損ねてしまう。
【0003】
歴史的に、製品の風味に係るAAの影響力は、容器又は予備成形物を作るに当たって採用される溶融加工条件を注意深くコントロールすることによって、また、ポリマーの製造において特別な加工条件を採用することによって、最小となるようにされてきた。このアプローチは、AAに対する風味限界値が極めて高い場合、あるいは容器の有効寿命が極めて短い場合に、殆どの容器に成功している。他の用途に関して、容器に対する所望の有効期間が長い場合には、その製品は、AAからの異味に対してより感じ易くなり、また、一般的な環境条件がより厳しくなるので、これらの手法を用いてその風味の限界値より下方にAA含有量を保持することは難しい。例えば、水では、その風味の限界値は、約40mu/L(ppb)未満であり、屡、2年までの有効期間が望ましいと考えられている。600mlの飲料が入るPETボトルの場合には、予備成形物のAA含量8ppmでは、結果としてその有効期間が僅か1ヶ月と短い40ppbを超えるAA含量の飲料となってしまう。
【0004】
PETに係る溶融加工条件の注意深いコントロールに加えて、先行技術には、PETの熱及び剪断加熱を最小となすための射出成形加工に対する改良、即ち、低固有粘度(IV)樹脂の使用と、低融点PET樹脂の使用が含まれる。これらアプローチのそれぞれは、単に一部のみが成功しているにすぎず、それぞれにはそれら自身の限界という難点がある。例えば、特別に設計した射出成形装置には、その装置に対する高い資本コストが伴う。低IV樹脂を使用して容器を製造すると、当該容器は、応力亀裂破壊のような劣悪な耐環境要因性を有する。低融点樹脂を使用すると、PET樹脂におけるコポリマー含量が増加してしまう。また、このコポリマー含量が増加すると、PETの延伸比も大きくなり、それによって射出成形及び吹込成形における生産性が低下してしまう。
【0005】
他のアプローチでは、PET中に添加剤を混入して、選択的に、発生するAAと反応させ、あるいは掃去してしまうことが行われてきた(米国特許第4,837,115号明細書参照)。米国特許第5,258,233号、同第5,650,469号、同第5,340,884号、及び同第5,266,416号明細書には、種々のポリアミド、特に低分子量ポリアミドを使用することが開示されている。WO97/28218号明細書には、ポリエステルアミドを用いることが開示されている。これらのポリアミド及びポリエステルアミドは、米国特許第4,837,115号明細書に記載されると同様に、AAと反応すると考えられている。
【0006】
米国特許第6,274,212号明細書には、有機添加剤化合物の炭素と結合する少なくとも2個の水素置換へテロ原子を含む有機添加剤を使用して、当該有機添加剤化合物とポリエステル中のアセトアルデヒドとを反応させて、水及び得られる有機化合物になすことが開示されている。その得られた有機化合物には、少なくとも2個のヘテロ原子を含む未架橋の5員もしくは6員環が含まれている。これらの有機添加剤は、二段階工程でアセトアルデヒドと反応して、脂環構造を形成すると考えられている。
【0007】
これらのAAスカベンジャー(掃去剤)は、溶融加工されたPETのAA含量を減らすのに有効であるが、他方、これらはそれら自身の欠点を有している。特に、顕著なAA減量を有効となすためには、相対的に多くのポリアミドの添加量が必要となるが、これらのアミン含有添加剤の混入時に極めて顕著な黄変が発生してしまう。この色形成は、イミン基それ自体の色のためであると考えられているので、避けられない。この黄変が生じるため、当該色を隠蔽するPETの着色が可能な製品へと近づく方法が本質的に制限されている。残念なことに、今日使用している殆どのPET製品は、透明で且つ無色である。現在のAAスカベンジャーの全てには、その構造内に、加工温度でPETと反応可能で、当該AAスカベンジャーを無効となすアミド結合を形成する第一又は第二アミンのいずれかが含まれている。
【0008】
活性メチレンは、触媒の存在下でアルデヒドと反応して、UV吸収剤及び着色剤を含む、メチン光吸収化合物が作られる。多数の活性メチレンが、Weaver等の米国特許第5,376,650号、同第5,532,332号、同第5,274,072号、同第5,254,625号、同第5,086,161号、及び同第5,030,708号明細書に例示されているように、この目的のために開発されてきた。この得られたメチン染料及び紫外線吸収剤を用いて、ポリエステルが着色され、またUV吸収特性が付与されてきた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明では、改善された風味残留特性を与えるポリエステル組成物用の添加剤を提供することを目的とする。より詳細には、本発明では、ポリエステルに含まれるアセトアルデヒドの濃度を低下させた、ポリ(エチレンテレフタレート)/活性メチレン組成物を提供することを目的とする。一つの実施態様では、当該ポリ(エチレンテレフタレート)は、活性メチレン化合物と溶融ブレンドされる。ポリエチレンテレフタレート中のアセトアルデヒドの量を低下させると、本発明の組成物を含む容器に包装される食品の風味及び香味が改善される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第一の実施態様では、本発明によれば、
(a)ポリエステル、及び
(b)少なくとも一種の、アセトアルデヒドと反応させるに十分な酸性である活性メチレン化合物
を含むポリエステル組成物が提供される。
【0011】
その他の実施態様では、本発明によれば、ポリエステル、及び少なくとも一種の、約25より低いpKaを有する活性メチレン化合物を含むポリエステル組成物が提供される。その他の実施態様では、本発明によれば、当該活性メチレン化合物が約13より低いpKaを有する上記ポリエステル化合物が提供される。これと関連して、当該活性メチレン化合物は、本発明の目的を達成すために、アセトアルデヒドと反応するに十分な酸性であることが必要であると、理解されている。したがって、一連の公知な活性メチレン化合物が選択されてよい。更に、かかる活性メチレン化合物のpKaについて、前節に記載される当該数値は、Ed. Jhon A. Dean 編の「Lange's Handbook of Chemistry(ランゲの化学ハンドブック)、12編」、 MacGraw-Hill ブック社、ニューヨーク(1979年)、5−12頁〜5−44頁(本文献は、これを参照したことにより本明細書中に含める。)に記述されるように決定されてよい。
【0012】
更なる実施態様では、本発明によれば、
(a)ポリエステル、及び
(b)以下の構造:
【化1】

(式中、X1及びY1は、それぞれ電子吸引性基を示し、独立して、アリール、カルバモイル、シアノ、ヘテロアリール、ニトロ、スルファモイル、R1−CO−、R1O−CO−、R1NHCO−、(R1)2N−CO−、HO−L2−NHCO−、(HOL2)2N−CO−、R1−O2S−、R1−NHO2S−、及び(R1)2NO2S−から選ばれ、ここで、R1は、C1〜C22−アルキル、置換C1〜C22−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、置換C3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、C3〜C8−アルキニル、アリール、ヘテロアリールから選ばれ、L2は、C1〜C22−アルキレン、C3〜C8−シクロアルキレン、C1〜C6−アルキレン−シクロへキシレン−C1〜C6−アルキレン、C2〜C4−アルキレン−O−アリーレン−O−C2〜C4−アルキレン、アリーレン及び−(CH2CH2−L3)1~3−CH2CH2−から選ばれる二価の結合基であり、L3は、−O−、−S−、−SO2−、及び−N(R1)−から選ばれ、
式中、Y2は、−O−、−NH−及び−(R1)−から選ばれ、
式中、X2及びY3は、独立して、シアノ、C1〜C6−アルキルスルホニル、アリールスルホニル及びC1〜C6−アルコキシカルボニルから選ばれ、
式中、R2は、アリール及びヘテロアリールから選ばれる。)
によって表される非環式活性メチレン化合物から選ばれる、アセトアルデヒドと反応して炭素−炭素結合を形成させることができる少なくとも一種の添加剤
を含むポリエステル組成物が提供される。
【0013】
また、その他の実施態様では、本発明の添加剤が、以下の構造:
【化2】

(式中、R3は、C1〜C6−アルコキシカルボニル、シアノ、ヘテロアリールから選ばれ、
式中、R4は、アリール及びヘテロアリールから選ばれ、
式中、R5は、水素、C1〜C6−アルキル、置換C1〜C6−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル及びアリールから選ばれ、
式中、R6は、水素、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、シアノ、C1〜C6−アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1〜C6−アルカノイルオキシ、アロイル、C1〜C6−アルキルチオ、C1〜C6−アルキルスルホニル、カルバモイル、スルファモイル、−NHCOR9、−NH−SO29、−CONHR9、−CON(R9)2、−SO2NHR9及び−SO2N(R9)2から選ばれ、ここで、R9は、C1〜C6−アルキル、置換C1〜C6−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル及びアリールから選ばれ、
式中、R7は、水素、C1〜C6−アルキル、及びアリールから選ばれ、
式中、R8は、水素、C1〜C6−アルキル、置換C1〜C6−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、C3〜C8−アルキニル及びアリールから選ばれ、
式中、L4は、−O−、−S−及び−N(R10)から選ばれ、ここで、R10は、水素、C1〜C6−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル及びアリールから選ばれる。)
によって表される環式活性メチレン化合物から選ばれてもよい添加剤
を含むポリエステル組成物が提供される。
【0014】
その他の実施態様では、本発明によれば、ポリエステル組成物を前記したような活性メチレン化合物と溶融ブレンドする工程を含む、ポリエステル組成物におけるアセトアルデヒドを減量させる方法が提供される。
【0015】
一つの実施態様では、本発明で用いるポリエステルは、金属触媒の存在下で、少なくとも一種のアルカンジオールを、少なくとも一種のジカルボン酸又はそのジアルキルエステルと反応させることによって製造されるポリマーである。
【0016】
その他の実施態様では、本発明のポリエステル組成物には、酸性メチレンとアルデヒドとの反応を触媒することが知られている少なくとも一種の化合物が更に含まれる。
【0017】
その他の実施態様では、本発明のポリエステル組成物には、1〜99重量%の適当な消費後のリサイクル材料が更に含まれる。
【0018】
その他の実施態様では、本発明のポリエステル組成物には、0.01〜10重量%の少なくとも一種の着色剤又は紫外線吸収化合物が更に含まれる。
【0019】
その他の実施態様では、本発明のポリエステル組成物には、ポリマー組成物の赤外吸収特性を改善するための添加剤が更に含まれる。
【0020】
その他の実施態様では、本発明のポリエステル組成物には、褐色ボトルが互に粘着することを防ぐ添加剤が更に含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
一つの実施態様では、本発明の成分(A)は、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)樹脂である。また、PETの共重合体も使用可能である。その他の実施態様では、当該ポリ(エチレンテレフタレート)樹脂には、100モルパーセントのジカルボン酸と100モルパーセントのジオールに対し、少なくとも85モルパーセントのテレフタル酸と少なくとも70モルパーセントのエチレングリコールからなる繰り返し単位が含まれる。
【0022】
当該ポリエステルのジカルボン酸成分は、選択的に、30モルパーセントまでの一種以上のテレフタル酸とは異なるジカルボン酸又はジメチルテレフタレートのような適当な合成等価物で変性されてもよい。かかる付加的なジカルボン酸には、好ましくは8〜14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸、好ましくは4〜12個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸、又は8〜12個の炭素原子を有する脂環式ジカルボン酸が含まれる。テレフタル酸に含まれるジカルボン酸の具体例は、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジ酢酸、ジフェニル−4,4’−ジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などである。ポリエステルは、上記カルボン酸の二種以上から製造されてよい。
【0023】
これら酸の対応する無水物、エステル、及び酸クロリドは、「ジカルボン酸」なる用語に含まれるものと解すべきである。
【0024】
加えて、当該ポリエステルの、成分(A)は、選択的に、30モルパーセントまでの、一種以上のエチレングリコール以外の異なるジオールで変性されてもよい。かかる付加的なジオールには、好ましくは6〜20個の炭素原子を有する脂環ジオール又は好ましくは3〜20個の炭素原子を有する脂肪族ジオールが含まれる。エチレングリコールに含まれるかかるジオールの具体例は、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、3−メチルペンタンジオール−(2,4)、2−メチルペンタンジオール−1,4、2,2,4−トリメチルペンタン−ジオール−(1,3)、2−エチルヘキサンジオール−(1,3)、2,2−ジエチレンプロパン−ジオール−(1,3)、ヘキサンジオール−(1,3)、1,4−ジ−(ヒドロキシエトキシ)−ベンゼン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチル−シクロブタン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシエトキシフェニル)−プロパン、及び2,2−ビス−(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)−プロパンが含まれる。ポリエステルは、二種以上の上記ジオールから製造されてよい。
【0025】
また、ポリ(エチレンテレフタレート)樹脂には、一般に、当該分野で知られているトリメリット酸無水物、トリメチロールプロパン、ピロメリット酸二無水物、ペンタエリスリトール、及び他のポリエステル形成ポリ酸又はポリオールのような、少量の三官能性または四官能性コモノマーが含まれてもよい。
【0026】
実質的に、ジメチルテレフタレートとエチレングリコールのみを含むポリエステルは、本発明のブレンドが使用されて、熱成形された結晶化PET製品が作られる場合に好ましい。
【0027】
本発明のポリ(エチレンフタレート)系ポリエステルは、当該分野で周知な慣用の重縮合手順によって製造される。かかる手順には、ジカルボン酸とジオールとの直接重縮合又はジアルキルジカルボキシレートを用いるエステル交換が含まれる。例えば、ジメチルテレフタレートのようなジアルキルテレフタレートは、触媒の存在下に、高温でジオールとエステル交換される。また、当該ポリエステルは、公知な固相重合法に付されてもよい。
【0028】
ポリエステル縮合用の触媒又は触媒系は、当該分野で周知である。例えば、米国特許第4,025,492号、同第4,136,089号、同第4,176,224号、同第4,238,593号、及び4,208,527号明細書に開示される触媒は、この点適当であると思われるが、これらの文献は、ここに引用したことによって本明細書に含める。更に、R.E.Wilfong 著、Journal of Polymer Science、54巻、385号(1961年)には、ポリエステル重縮合反応に有効である典型的な触媒が掲載されている。
【0029】
ポリエステル重縮合用の好ましい温度範囲は、約260℃〜約300℃である。
【0030】
用語「C1〜C22−アルキル」及び「C1〜C6−アルキル」は、それぞれ1〜22個の炭素及び1〜6個の炭素を有する飽和炭化水素基を示し、それらは直鎖又は分枝鎖であってよい。かかるC1〜C22−アルキル基及びC1〜C6−アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、ネオペンチル、2−エチルヘプチル、2−エチルヘキシルなどから選ばれてよい。
【0031】
用語「置換C1〜C22−アルキル」及び「置換C1〜C6−アルキル」は、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アリール、ヘテロアリール、C3〜C8−シクロアルキル、置換C3〜C8−シクロアルキル、C1〜C6−アルコキシ、C1〜C6−アルカノイルオキシ、C1〜C6−アルコキシカルボニル、C1〜C6−アルキルチオ、C1〜C6−アルキルスルホニルなどから選ばれる一種以上の置換基で置換されてもよい前記したようなC1〜C22−アルキル基及びC1〜C6−アルキル基を指す。
【0032】
用語「C3〜C8−シクロアルキル」は、3〜8個の炭素原子を有する脂環式炭化水素基を示すのに用いられる。
【0033】
用語「置換C3〜C8−シクロアルキル」は、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲンなどから選ばれる少なくとも一種の基を有する前記したようなC3〜C8−シクロアルキルを記載するのに用いられる。
【0034】
用語「アリール」は、共役芳香環構造で6個、10個又は14個の炭素原子を有する芳香環系及びC1〜C6−アルキル;C1〜C6−アルコキシカルボニル;C1〜C6−アルコキシ;フェニル、及びC1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲンなどで置換されたフェニル;C3〜C8−シクロアルキル;ハロゲン;ヒドロキシ;シアノ;トリフルオロメチルなどから選ばれる一種以上の基で置換される系のこれらの環系を示すのに用いられる。典型的なアリール基には、フェニル、ナフチル、フェニルナフチル、アントリル(アントラセニル)などが含まれる。
【0035】
用語「ヘテロアリール」は、2〜10個の炭素原子との組み合わせで、硫黄、酸素、窒素又はこれらの組み合わせから選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を有する共役脂環式基及びそのアリール環上に置換可能な基としての前記した基と置換されたこれらのヘテロアリール基を記載するのに用いられる。典型的はヘテロアリール環系には、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアトリアゾリル、オキサトリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、チアジニル、オキサジニル、トリアジニル、チアジアジニル、オキサジアジニル、ジチアジニル、ジオキサジニル、オキサチアジニル、テトラジニル、チアトリアジニル、オキサトリアジニル、ジチアジアジニル、イミダゾリニル、ジヒドロピリミジル、テトラヒドロピリミジル、テトラゾロ−[1,5−b]ピリダジニル及びプリニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インドリルなどが含まれる。
【0036】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を表すのに用いられるが、塩素及び臭素が好ましい。
【0037】
用語「C2〜C22−アルキレン」は、2〜22個の炭素を有する二価の炭化水素基を示すのに用いられ、これは直鎖又は分枝鎖であってよく、また、ヒドロキシ、ハロゲン、C1〜C6−アルコキシ、C1〜C6−アルカノイルオキシ及びアリールから選ばれる一種以上の置換基で置換されてもよい。
【0038】
用語「C3〜C8−シクロアルキレン」は、3〜8個の炭素原子を有する二価の脂環式基を示すのに用いられ、これらは、選択的に、一種以上のC1〜C6−アルキル基で置換されている。
【0039】
用語「アリーレン」は、1,2−、1,3−、及び1,4−フェニレン又はナフタレン−ジイル基を示すのに用いられ、そしてかかる基は、選択的に、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ及びハロゲンで置換されている。
【0040】
用語「C1〜C6−アルコキシ」、「C1〜C6−アルキルチオ」、「C1〜C6−アルキルスルホニル」、「C1〜C6−アルカノイルオキシ」、「C1〜C6−アルコキシカルボニル」は、それぞれ、次の基、−OR11、−S−R11、−O2S−R11、−OCO−R11及び−CO211を示すのに用いられ、ここで、R11は、C1〜C6−アルキル及び置換C1〜C6−アルキルを表す。
【0041】
用語「アロイル」は、−OC−アリールを表すのに用いられ、ここで、アリールは前記定義したとおりである。
【0042】
用語「C3〜C8−アルケニル」及び「C3〜C8−アルキニル」は、それぞれ少なくとも1個の二重結合及び少なくとも1個の三重結合を有する分枝鎖又は直鎖炭化水素基を示すのに用いられる。
【0043】
用語「適当な消費後のリサイクル材料」は、リサイクル流を経て回収されたいずれかの相溶性ポリマー組成物を示す。ポリ(エチレンテレフタレート)は、好ましい消費後のリサイクル材料である。かかる材料は、例えば、ポリエステルのメタノール分解又は糖分解に係る公知の手順を経て得られる(例えば、米国特許第6,545,061号、同第3,776,945号、同第3,321,510号、同第3,037,050号、同第4,578,502号、同第4,163,860号、同第3,701,741号、同第3,488,298号、同第5,051,528号明細書、及び欧州特許第4584963号明細書参照、これら文献は、ここに引用したことにより本明細書中に含める。)。
【0044】
用語「着色剤」は、コバルト及び米国特許第4,267,306号、同第4,359,570号、同第4,403,092号、同第4,617,373号、同第4,740,581号、同第4,745,173号、同第4,808,677号、同第4,892,922号、同第4,999,418号、同第5,030,708号、同第5,086,016号、同第5,102,980号、同第5,194,571号、同第5,274,072号、同第5,281,659号明細書(ここに引用したことにより本明細書中に含める。)に開示されるもののような、ポリエチレンテレフタレート組成物に色を付与し、あるいは黄変を遮蔽するのに有効な、共重合された又は非共重合性(即ち、溶剤染料)のいずれかの着色剤と定義される。用語「紫外線吸収化合物」は、400〜700nmの間に最小の吸光度をもつ300〜400nmの範囲の光を吸収する一つの化合物又はそれら化合物の混合物として定義される。好ましい具体例は、トリアジン、シアノアクリレート、ベンゾトリアゾール、ナフタレン、ベンゾフェノン、ベンゾオキサジン−4−オンである。より好ましいものは、シアノアクリレートであり、CYASORB UV−9(Cytec 社)、CYASORB UV−24(Cytec 社)、CYASORB UV−531(Cytec 社)、CYASORB UV−2337(Cytec 社)、CYASORB UV−5411(Cytec 社)、CYASORB UV−5365(Cytec 社)、CYASORB UV−1164(Cytec 社、CYASORB UV−3638(Cytec 社)、TINUVIN P(Ciba Specialty Chemical 社 )、TINUVIN 213(Ciba Specialty Chemical 社 )、TINUVIN 234(Ciba Specialty Chemical 社 )、TINUVIN 320(Ciba Specialty Chemical 社 )、TINUVIN 326(Ciba Specialty Chemical 社 )、TINUVIN 327(Ciba Specialty Chemical 社 )、TINUVIN(Ciba Specialty Chemical 社 )、TINUVIN 329(Ciba Specialty Chemical 社 )、TINUVIN 350(Ciba Specialty Chemical 社 )、TINUVIN 360(Ciba Specialty Chemical 社 )、TINUVIN 571(Ciba Specialty Chemical 社 )及びTINUVIN 1577(Ciba Specialty Chemical 社 )のようなUV吸収剤として市販されている。最も好ましいものは、シアノアクリレートである。
【0045】
用語「赤外線吸収特性を改善する」とは、電磁スペクトルの赤外線領域の光を吸収することができる材料、特に、PETに不溶性の小さな(<50μ)黒色粒子と定義される。好適な材料には、カーボンブラック、黒色酸化鉄、還元された金属触媒残留物、金属フタロシアニン、金属ナフタロシアニン、スクアレンなどのような有機赤外(IR)吸収化合物が含まれる。有用な赤外線吸収材料の具体例には、カーボンブラック(米国特許第4,408,004号明細書)及び還元されたアンチモン金属(米国特許第5,419,936号明細書及び米国特許第5,529,744号明細書、ここに引用したことにより本明細書中に含める。)が含まれる。更に、米国特許第4,420,581号明細書及び米国特許第4,250,078号明細書(ここに引用したことにより本明細書中に含める。)には、緑色染料を含有するポリエステルに赤外吸収剤として赤色酸化鉄を用いることが開示されている。好適な有機赤外(IR)吸収化合物の具体例は、米国特許第5,973,038号及び米国特許第6,197,851号明細書に開示されているが、これらの文献は、ここに引用したことにより本明細書中に含める。
【0046】
用語「褐色ボトルが相互に粘着することを防止するための添加剤」は、褐色のPETボトルが相互に粘着することを低下させるのに使うことができる添加剤又は塗料と定義される。好適な材料は、滑剤、無機鉱物複合材料、タルクなどである。例えば、米国特許第6,500,890号、同第5,976,450号及び米国特許出願10/105,488号明細書を参照のこと、ここで、これらの文献は、引用したことにより本明細書中に含める。
【0047】
用語「酸性メチレンとアルデヒドとの反応を触媒することが知られた化合物」には、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、アミノ酸、モノ−及びポリ−カルボン酸のアルカリ金属塩、第三アミン、第二アミンなどのような塩基性有機化合物が含まれる。好ましい具体例は、HALS及びC2〜C6−モノ及びジカルボン酸のアルカリ金属塩である。より好ましいものは、酢酸ナトリウムである。
【0048】
更に、当該ポリエステル組成物には、無機又は有機トナーのような、一般にPETに見られる他の添加剤又は改質剤が含まれてもよい。この関連で、米国特許第5,340,910号及び同第5,384,377号明細書を参照のこと。これらの文献は、ここに引用したことにより本明細書中に含める。
【0049】
必ずしも好ましいものではないが、本発明のポリマーには、通常、ポリマーに使用される添加剤が含まれてもよい。当該分野で知られるかかる添加剤の実例には、ガラスファイバー、フィラー、衝撃改質剤、酸化防止剤、安定化剤、難燃剤、結晶化助剤、再生剥離剤、酸素掃去剤、可塑剤、核生成剤、離型剤、相溶化剤など、又はそれらの組み合わせが含まれてもよい。
【実施例】
【0050】
実験条件:
全てのPET組成物を、中間の混合スクリューを備えた18mmの二軸スクリュウ押出機(APV Chemical Machinery 社、ミシガン州、サギノー、48601)を用いて、Eastapak(登録商標)PETポリエステル9921(Eastman Chemical 社)、活性メチレン及び触媒(存在する場合)のブレンドを押出すことによって作製した。全てのゾーン温度を285℃に設定し、スクリュー速度を200rpmに設定した。Accu−Rate(ACCU-RATE 社、ウィスコンシン州、ホワイトウォーター)乾燥材料供給装置を用いて、前記ポリマーと添加剤を、3.0の規定添加速度で、当該押出機中に装填した。押出した棒状物を、4.5′長の氷水浴を通過させて冷却し、次いで、5〜8の速度に設定したBerlyn ペレタイザー(The Berlin 社、マサチューセッツ州、ウースター)を用いて、細断した。このペレットを、プラスチックバッグ中に取り込み、アセトアルデヒドの分析がされるまで、大きなIgloo 冷蔵庫内のドライアイスと接して貯蔵した。前記Eastapak(登録商標)PETポリエステル9921を、150℃、20mmHgに設定した真空オーブン(モデル5851、National Appliance 社、オレゴン州、ポートランド)内で、僅かに乾燥窒素を進入させながら、約24時間乾燥した。押出機が完全にパージされることを確保するため、最初の5分の押出物は採取しなかった。多数の濃度の同じ添加剤混合物を押出すときは、実験が完了するまで、常に、低濃度の添加剤が最初に押出された。次の添加剤を評価する前に、当該押出機は、少なくとも300gのPET9921でパージした。アセトアルデヒドの測定(フランスの国家試験条件)。ポリエチレンテレフタレートのサンプルを粉砕して、細粉とした。約0.2g(+/−0.02g)の粉砕ポリマーを、20mL充填容積のバイアル(Agilent Part Number 5182−0837)中に装入した。バイアル(Agilent Part Number 9301−0807)上に、隔壁を置いた。隔壁を覆ってアルミニウムキャップ(Agilent Part Number 9301−0721)をクリンプして、当該バイアルをシールした。このサンプルバイアルを、ヘッドスペースサンプラー(Agilent 7694)の適当な位置に配置した。このヘッドスペースサンプラーにプログラムをセットして、150℃で、60分間、サンプルを加熱し、次いでヘッドスペースガスをAgilent 6890シリーズのガスクロマトグラフ中に注入した。ヘッドスペース内のアセトアルデヒド濃度を、1000ppmのアセトアルデヒド標準(1000ppm水中、Part Number 868095、Supelco、Bellfonte、PA 16823−0048)を用いて作成した検量線を使用して算出した。Agilent 7694のヘッドスペースサンプラーは、次の条件に設定した:オーブン温度=150℃、ループ温度=160℃、トランスファーライン温度=170℃、キャリア圧=11.5psi、バイアル圧=10.5psi、バイアル平衡時間=60分、加圧時間=0.2分、ループ充填時間=0.2分、ループ平衡時間=0.1分、注入時間=0.2分、ガスクロマトグラフサイクル時間=9分。
【0051】
スキーム1
【化3】

スキーム1に示す三種の活性メチレン化合物を、表Iにおける配合に従って、Eastpak(登録商標)PETポリエステル 9921とバッグブレンドした。サンプルを、二軸スクリュー押出機を用いて押出し、次いで分析が行われるまで、ドライアイス上で貯蔵した。このサンプルを、フランスの国家試験条件にしたがってアセトアルデヒド濃度に関して分析した。その結果を、表Iに示す。表Iによれば、化合物3(スキーム1)が、PET 9921中のアセトアルデヒド含量を減少させるのに最も有効であることが明らかである。900ppmの添加量では、化合物3は、PET 9921中のアセトアルデヒド含量を約47%だけ減少させた。600ppmの添加量では、化合物3は、PET 9921中のアセトアルデヒド含量を約42%だけ減少させた。同様の結果が、化合物2を用いて得られた。化合物1は、最も有効でなかったが、化合物1は、900ppmの添加量で、PET 9921中のアセトアルデヒド含量を30%だけ減少させた。
【0052】
【表1】

【0053】
スキーム2
【化4】

スキーム2に示す二種の活性メチレン化合物を、表IIにおける配合に従って、Eastpak(登録商標)PETポリエステル 9921とバッグブレンドした。サンプルを、二軸スクリュー押出機を用いて押出し、次いで分析が行われるまで、ドライアイス上で貯蔵した。このサンプルを、フランスの国家試験条件にしたがってアセトアルデヒド濃度に関して分析した。その結果を、表IIに示す。
【0054】
表IIによれば、化合物4(スキーム2)は、Eastpak(登録商標)PET ポリエステル 9921中のアセトアルデヒド含量を減少させるのに僅かな効果しかなかった(実施例12〜15対実施例11)。実施例16〜19により、ヒンダードアミン光安定剤(Chimassorb(登録商標)119、Ciba Specialty Chemicals 社)が化合物4と併用されるときには、明らかに改善が得られることを示している。Chimassorb 119は、活性メチレンとアセトアルデヒドのようなアルデヒドとの反応を触媒する(クネベナゲル 縮合)と考えられている、テトラメチルピペリジン部分を含むポリマーHALSである。置換ピペリジンとその酸付加塩は、クネベナゲル縮合用の効果的な触媒であることが知られている。クネベナゲル縮合についてのより詳細な議論に関しては、Laue.T. 及びPlagens.A. 著の「著名な有機反応」、Jhon Willey & Sons 発行、1998年を参照のこと。
【0055】
表IIのデータによれば、化合物5(スキーム2)は、Eastpak(登録商標)PET ポリエステル 9921中のアセトアルデヒド含量を減少させるのに僅かな効果しかなかった(実施例20〜23対実施例11)ことを示している。実施例24〜27により、酢酸ナトリウムが化合物5と併用されるときには、明らかに改善が得られることを示している。酢酸ナトリウムは、活性メチレンとアセトアルデヒドのようなアルデヒドとの反応を触媒する(クネベナゲル 縮合)ことが知られている。
【0056】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリエステル、及び
(b)少なくとも一種の、アセトアルデヒドと反応させるに十分な酸性である活性メチレン化合物
を含むポリエステル組成物。
【請求項2】
(a)ポリエステル、及び
(b)少なくとも一種の、25より低いpKaを有する活性メチレン化合物
を含むポリエステル組成物。
【請求項3】
前記活性メチレン化合物が13より低いpKaを有する、請求項2に記載のポリエステル組成物。
【請求項4】
(a)ポリエステル、及び
(b)以下の構造:
【化1】

(式中、X1及びY1は、それぞれ電子吸引性基を示し、独立して、アリール、カルバモイル、シアノ、ヘテロアリール、ニトロ、スルファモイル、R1−CO−、R1O−CO−、R1NHCO−、(R1)2N−CO−、HO−L2−NHCO−、(HO−L2)2N−CO−、R1−O2S−、R1−NHO2S−、及び(R1)2NO2S−から選ばれ、ここで、R1は、C1〜C22−アルキル、置換C1〜C22−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、置換C3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、C3〜C8−アルキニル、アリール、ヘテロアリールから選ばれ、式中、L2は、C1〜C22−アルキレン、C3〜C8−シクロアルキレン、C1〜C6−アルキレン−シクロへキシレン−C1〜C6−アルキレン、C2〜C4−アルキレン−O−アリーレン−O−C2〜C4−アルキレン、アリーレン及び−(CH2CH2−L3)1~3−CH2CH2−から選ばれる二価の結合基であり、式中、L3は、−O−、−S−、−SO2−、及び−N(R1)−から選ばれ、
式中、Y2は、−O−、−NH−及び−(R1)−から選ばれ、
式中、X2及びY3は、独立して、シアノ、C1〜C6−アルキルスルホニル、アリールスルホニル及びC1〜C6−アルコキシカルボニルから選ばれ、
式中、R2は、アリール及びヘテロアリールから選ばれる。)
によって表される非環式活性メチレン化合物から選ばれる、アセトアルデヒドと反応して炭素−炭素結合を形成させることができる少なくとも一種の添加剤
を含むポリエステル組成物。
【請求項5】
(a)ポリエステル、及び
(b)以下の構造:
【化2】

(式中、R3は、C1〜C6−アルコキシカルボニル、シアノ、ヘテロアリールから選ばれ、
式中、R4は、アリール及びヘテロアリールから選ばれ、
式中、R5は、水素、C1〜C6−アルキル、置換C1〜C6−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル及びアリールから選ばれ、
式中、R6は、水素、C1〜C6−アルキル、C1〜C6−アルコキシ、ハロゲン、シアノ、C1〜C6−アルコキシカルボニル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1〜C6−アルカノイルオキシ、アロイル、C1〜C6−アルキルチオ、C1〜C6−アルキルスルホニル、カルバモイル、スルファモイル、−NHCOR9、−NH−SO29、−CONHR9、−CON(R9)2、−SO2NHR9及び−SO2N(R9)2から選ばれ、ここで、R9は、C1〜C6−アルキル、置換C1〜C6−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル及びアリールから選ばれ、
式中、R7は、水素、C1〜C6−アルキル、及びアリールから選ばれ、
式中、R8は、水素、C1〜C6−アルキル、置換C1〜C6−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル、C3〜C8−アルケニル、C3〜C8−アルキニル及びアリールから選ばれ、
式中、L4は、−O−、−S−及び−N(R10)から選ばれ、ここで、R10は、水素、C1〜C6−アルキル、C3〜C8−シクロアルキル及びアリールから選ばれる。)
によって表される環式活性メチレン化合物から選ばれる、アセトアルデヒドと反応して炭素−炭素結合を形成させることができる少なくとも一種の添加剤
を含むポリエステル組成物。
【請求項6】
1〜99重量%の消費後のリサイクル材料を更に含む、請求項1又は5に記載のポリエステル組成物。
【請求項7】
ポリエステル中に混合されるかあるいは共重合された、0.1〜10重量%の少なくとも一種の着色剤及び/又は紫外線吸収化合物を更に含む、請求項1又は5に記載のポリエステル組成物。
【請求項8】
ポリエステル中に混合されるかあるいは共重合された、カーボンブラック、黒色酸化鉄、還元アンチモン金属触媒残留物、及び赤外吸収化合物から選ばれる赤外吸収化合物を更に含む、請求項1又は5に記載のポリエステル組成物。
【請求項9】
滑剤、無機鉱物複合材料、及びタルクから選ばれる非粘着性の添加剤を更に含む、請求項1又は5に記載のポリエステル組成物。
【請求項10】
酸性メチレンとアルデヒドとの反応を触媒することが知られた少なくとも一種の化合物を更に含む、請求項1又は5に記載のポリエステル組成物。
【請求項11】
前記化合物が、ヒンダードアミン光安定剤(HALS)、アミノ酸、モノ−及びポリ−カルボン酸のアルカリ金属塩、第三アミン、及び第二アミンからなる群より選ばれる、請求項6又は10に記載のポリエステル組成物。
【請求項12】
前記添加剤が以下の構造:
【化3】

の化合物である、請求項5に記載のポリエステル組成物。
【請求項13】
請求項1又は5に記載のポリエステル組成物からなる造形品又は成形品。
【請求項14】
前記ポリエステル組成物中に前記アセトアルデヒドと反応性の活性メチレン化合物を溶融ブレンドすることを含む、ポリエステル組成物中のアセトアルデヒド量を減少させる方法。

【公表番号】特表2007−505186(P2007−505186A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526092(P2006−526092)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【国際出願番号】PCT/US2004/026649
【国際公開番号】WO2005/026248
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】