説明

ポリエステル混繊糸およびその製造方法

【課題】比重5.0以上の金属元素の含有量が0〜10重量ppmであるポリエステルからなる基質ポリマーを用いて糸条群間の伸度差が大きいポリエステル混繊糸を製造するに際し、紡糸時の断糸を低減し、安定して連続運転する方法を提供する。
【解決手段】比重5.0以上の金属元素の含有量が0〜10重量ppmであるポリエステルからなる基質ポリマーにポリメチルメタアクリレート系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーを添加、溶融、混練し、紡出した糸条群Aと、同一紡糸口金または別途設けた紡糸口金より紡出した上記基質ポリマーよりなる糸条群Bとを、合糸して捲き取ったポリエステル混繊糸。その製法においては、糸条群Aを集束する集束装置を、糸条群Aを紡出する紡糸口金面と集束装置との距離GAが、紡糸口金面から糸条群Aのネッキング開始点までの距離G0よりも大きくかつ200cm以下となる位置に設置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル糸条群からなる混繊糸およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、比重5.0以上の金属元素の含有量が0〜10重量ppmであるポリエステルに非相溶なポリマーをポリエステルからなる基質ポリマーに添加した成分からなる糸条群と、該基質ポリマーからなる糸条群とを、合糸して得られた混繊糸、および該混繊糸を捲き取るに際し、糸条群間の伸度差が大きい混繊糸を経済的に安定して製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリエステルは、その優れた特性を活かし衣料用布帛素材として広く使用されている。衣生活の多様化、高級化、個性化と共に、天然繊維が持つ繊維物性の不規則性によりもたらされる自然で、好ましい特徴、例えば“ウールに近い風合い”をポリエステル繊維で実現するといった試みが続けられている。収縮特性の異なる複数のポリエステル糸条群を混繊し、仮撚加工および熱処理を施すことにより、糸条にジクザクの捲縮構造を付与し、また高収縮糸条が収縮し低収縮糸条が外側に張り出すことによって、糸条に嵩高さを付与する方法が広く採られている。しかしながら、別々の紡糸装置で物理的性質の異なる2種以上のポリエステル糸条群を別個に捲き取った後、延伸、仮撚、混繊、熱処理を行う方法では、物理的性質の異なる2種類の糸条を得るために別々の紡糸装置が必要であり製糸コストが高く経済的で無いという問題を抱えている。
【0003】
製糸コストを抑え、経済的に、物理的性質の異なる2種以上の構成糸条からなる混繊糸を製造する方法として、同一紡糸装置内で各糸条群に様々な処理を施し、異なる物理的性質を付与したのち、一つのパッケージとして捲き取る方法がある。
例えば、特許文献1(特開昭54−82423号公報)には、同一紡糸口金からポリエステルを溶融、吐出し、急冷して得られるフィラメントを2つの群に分割して、その一方の糸条群には水を溶媒とする油剤を付与し、他方の糸条群には水よりも高温の沸点を有する溶媒の油剤を付与し、次いで、両者を別々に熱処理しつつ延伸を施した後、合糸して、捲き取る方法が提案されている。しかし、紡糸油剤の沸点差のみでは糸条群間の収縮差を十分に大きくすることが出来ず、この方法で得られる混繊糸は繊維間の収縮差の小さいものとなる。このため、上記混繊糸からの加工糸は、嵩高性に乏しく、最終布帛の風合は所望の水準に達しない。
【0004】
また、特許文献2(特開昭60−126316号公報)には、同一紡糸パックより2以上のポリエステル糸条群を溶融、吐出させ、同一回転数で異なった表面速度を有する段付きローラーで2糸条群間に紡糸速度の差を生じさせ、このローラーと次のローラー間で、紡糸速度の遅い糸条群は延伸するように引き取り、紡糸速度の早い糸条群は延伸しないように引き取り、次いで両糸条群を交絡装置で合糸、交絡して、5,100m/min以上の速度で捲き取るポリエステル混繊糸の製造方法が記載されている。しかし、この方法は、装置および運転条件が複雑であり、長期にわたり安定運転を実現するのが難しい。また、実施可能な製造条件範囲が狭く、仮撚加工後の嵩高性を十分発現するほどの収縮差を有する混繊糸を得るのが難しい。
【0005】
さらに、特許文献3(特開昭58−98418号公報)には、ポリメチルメタアクリレート系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーを基質ポリエステルに0.3〜5重量%添加した混合体と、該基質ポリエステルとを、同一紡糸口金から紡出し特定の紡糸条件下で捲き取り、混繊糸を製造する方法が記述されている。確かに、この方法は、簡潔な紡糸装置で、通常入手可能なポリマーのみで糸条群間収縮差のある混繊糸が製造できるので経済的な方法である。また、ポリメチルメタクリレートまたはポリスチレンのようなポリマーをポリエステルに添加することにより、同時に紡出されるポリエステル単独糸条群とは細化過程が異なり、結果的に両糸条群間に熱収縮差を生じさせるという技術は注目に値する。しかし、この方法に記載されている条件のみでは、紡糸捲き取り時の断糸がしばしば発生し、生産性が低下するという問題がある。したがって、ポリメチルメタアクリレート系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーのようなポリマーをポリエステルに添加することにより、同時に紡出されるポリエステル単独糸条群との間に物性差を生じさせるという技術においても、所望の混繊糸を長期間安定して商業生産するためには更なる工夫が必要である。
【特許文献1】特開昭54−82423号公報
【特許文献2】特開昭60−126316号公報
【特許文献3】特開昭58−98418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような従来技術の現状を背景になされたものであり、その目的は、比重5.0以上の金属元素の含有量が0〜10重量ppmであるポリエステルからなる基質ポリマーにポリエステルとは非相溶なポリマーを添加した成分からなる糸条群と、同一紡糸口金または別途設けた紡糸口金より紡出されたポリエステル単独成分からなる糸条群とを、合糸して得られた混繊糸、および該混繊糸を捲き取るに際し、糸条群間の伸度差が大きく嵩高性に優れた混繊糸を生産性良く製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、比重5.0以上の金属元素の含有量が0〜10重量ppmであるポリエステルからなる基質ポリマーにポリメチルメタアクリレート系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーを添加、溶融、混練し、紡出した糸条群Aと、同一紡糸口金または別途設けた紡糸口金より紡出した該基質ポリマーよりなる糸条群Bとを、合糸して捲き取ったポリエステル混繊糸に関する。
次に、本発明は、比重5.0以上の金属元素の含有量が0〜10重量ppmである基質ポリマーにポリメチルメタアクリレート系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーを添加、溶融、混練し、紡出した糸条群Aと、同一紡糸口金または別途設けた紡糸口金より紡出した該基質ポリマーよりなる糸条群Bとを、合糸して捲き取るに際し、糸条群Aを集束する集束装置を下記式で示される範囲に配置することを特徴とするポリエステル混繊糸の製造方法に関する。
G0<GA≦200(cm)
ここで、G0は紡糸口金面から糸条群Aのネッキング開始点までの距離、GAは糸条群Aを紡出する紡糸口金面と集束装置との距離である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、比重5.0以上の金属元素の含有量が0〜10重量ppm以下であるポリエステルを用いて、糸条群間の伸度差が大きい混繊糸を経済的に安定して製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、比重5.0以上の金属元素の含有量が0〜10重量ppmであるポリエステルからなる基質ポリマーにポリメチルメタアクリレート系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーを添加、溶融、混練し、紡出した糸条群Aと、同一紡糸口金または別途設けた紡糸口金より紡出した該基質ポリマーよりなる糸条群Bとを、合糸して捲き取ることにより混繊糸を製造することを対象とするものである。
【0010】
本発明でいうポリエステルとは、主たる繰り返し単位としてエチレンテレフタレートが85モル%以上、好ましくは95モル%以上からなるポリエステルである。テレフタル酸成分および/またはエチレングリコール成分以外の成分を少量(通常は、テレフタル酸成分に対して20モル%以下)共重合したものであっても良い。かかるポリエステルの固有粘度(35℃のオルソ−クロロフェノール溶液を溶媒として使用し算出)は、通常、衣料用布帛素材として使用されるポリエステルと同じ程度の固有粘度0.7dL/g以下のものが好ましい。
なお、これらのポリエステルには、公知の添加剤、例えば、顔料、染料、艶消し剤、防汚剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤などを含んでもよい。
【0011】
本発明に用いられる基質ポリマーは、比重5.0以上の金属元素の含有量が0〜10重量ppmである。
ここで、本発明における比重5.0以上の金属元素とは、通常、ポリエステル中に含有される触媒や金属系の整色剤、艶消剤などに含有されている金属化合物に由来するものである。具体的には、アンチモン、ゲルマニウム、マンガン、コバルト、セリウム、スズ、亜鉛、鉛、カドミウムなどが該当する。これらに対し、チタン、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどは、ここでいう比重5.0以上の金属には該当しない。
本発明に用いられる基質ポリマーは、比重5.0以上の金属元素の含有量が0〜10重量ppmである必要がある。含有される金属の種類によってその特徴、特性は変わるが、例えばアンチモン金属含有量が10重量ppmより多い場合、製糸時に異物となって口金周辺に付着し、長期間の連続製糸性に悪影響を与える。ゲルマニウムの場合は、それ自体が高価なため、含有量が多くなると得られる基質ポリマーの価格が上昇してしまい好ましくない。また、鉛やスズ、カドミウムなどの場合は、金属元素そのものに毒性があるため、ポリエステル中に多量に含有していることは好ましくない。上記金属元素の含有量は、0〜7重量ppmであることが好ましく、0〜5重量ppmであることがさらに好ましい。
上記金属元素含有量を0〜10重量ppmにするには、該金属を含まない触媒や整色剤、艶消剤を使用することが望ましい。
【0012】
また、本発明の基質ポリマーを構成するポリエステルは、濃度20mg/L、光路長1cmでのクロロホルム溶液において測定された380〜780nm領域の可視光吸収スペクトルでの最大吸収波長が540〜600nmの範囲にあり、かつ最大吸収波長での吸光度に対する下記各波長での吸光度の割合が下記式(1)〜(4)のすべてを満たす有機化合物系整色剤を全重量に対して0.1〜10重量ppm含有していることが好ましい。
【0013】
【数1】

【0014】
[上記式中、A400、A500、A600およびA700はそれぞれ波長400nm、500nm、600nmおよび700nmでの可視光吸収スペクトルにおける吸光度を、Amaxは最大吸収波長での可視光吸収スペクトルにおける吸光度を表す。]
【0015】
ここで、可視光吸収スペクトルとは、通常、分光光度計によって測定されるスペクトルであるが、本発明に用いる基質ポリエステルに含有される整色剤のクロロホルム溶液の可視光吸収スペクトルの最大吸収波長が540nm未満の場合は得られるポリエステル混繊糸の赤味が強くなり、一方600nmを超える場合は得られるポリエステル混繊糸の青味が強くなるため好ましくない。特に、最大吸収波長の範囲は、550〜590nmの範囲がさらに好ましい。
【0016】
また、本発明に用いられる有機化合物系整色剤の濃度20mg/Lのクロロホルム溶液について光路長1cmにおいて可視光吸収スペクトルを測定したとき、最大吸収波長での吸光度に対する上記に示す各波長での吸光度の割合が上記式(1)〜(4)のいずれか一つでも外れる場合、得られるポリエステル混繊糸の着色が大きくなり好ましくない。各波長での吸光度の割合は、下記式(6)〜(9)すべてを満たしていることがさらに好ましい。
【0017】
【数2】

【0018】
[上記式中、A400、A500、A600およびA700はそれぞれ波長400nm、500nm、600nmおよび700nmでの可視光吸収スペクトルにおける吸光度を、Amaxは最大吸収波長での可視光吸収スペクトルにおける吸光度を表す。]
【0019】
本発明に用いられる基質ポリエステルに含有される上述の整色剤の含有量が、0.1重量ppm未満の場合、ポリエステル混繊糸の黄色味が強くなる。一方、10重量ppmを超える場合、明度が弱くなり見た目に黒味が強くなるため好ましくない。上記整色剤の含有量は、0.3重量ppm〜9重量ppmの範囲にあることがさらに好ましい。
【0020】
本発明に使用する有機化合物系整色剤の可視光吸収スペクトルの範囲が上述の範囲となるようにするには、整色剤として青色系整色用色素と紫色系整色用色素を重量比90:10〜40:60の範囲で併用すること、または青色系整色用色素と赤色系もしくは橙色系整色用色素を重量比98:2〜80:20の範囲で併用することが好ましい。
ここで、青色系整色用色素とは、一般に市販されている整色用色素の中で「Blue」と表記されているものであって、具体的には溶液中の可視光吸収スペクトルにおける最大吸収波長が580〜620nm程度にあるものを示す。
同様に、紫色系整色用色素とは、市販されている整色用色素の中で「Violet」と表記されているものであって、具体的には溶液中の可視光吸収スペクトルにおける最大吸収波長が560〜580nm程度にあるものを示す。
赤色系整色用色素とは、市販されている整色用色素の中で「Red」と表記されているものであって、具体的には溶液中の可視光吸収スペクトルにおける最大吸収波長が480〜520nm程度にあるものである。
橙色系整色用色素とは、市販されている整色用色素の中で「Orange」と表記されているものである。
【0021】
これらの整色用色素としては、油溶染料が特に好ましく、具体的な例としては、青色系整色用色素には、C.I.Solvent Blue 11、C.I.Solvent Blue 25、C.I.Solvent Blue 35、C.I.Solvent Blue 36、C.I.Solvent Blue 45 (Telasol Blue RLS)、C.I.Solvent Blue 55、C.I.Solvent Blue 63、C.I.Solvent Blue 78、C.I.Solvent Blue 83、C.I.Solvent Blue 87、C.I.Solvent Blue 94などが挙げられる。
紫色系整色用色素には、C.I.Solvent Violet 8、C.I.Solvent Violet 13、C.I.Solvent Violet 14、C.I.Solvent Violet 21、C.I.Solvent Violet 27、C.I.Solvent Violet 28、C.I.Solvent Violet 36などが挙げられる。
赤色系整色用色素には、C.I.Solvent Red 24、C.I.Solvent Red 25、C.I.Solvent Red 27、C.I.Solvent Red 30、C.I.Solvent Red 49、C.I.Solvent Red 52、C.I.Solvent Red 100、C.I.Solvent Red 109、C.I.Solvent Red 111、C.I.Solvent Red 121、C.I.Solvent Red 135、C.I.Solvent Red 168、C.I.Solvent Red 179などが例示される。
橙色系整色用色素には、C.I.Solvent Orange 60などが挙げられる。
【0022】
ここで、青色系整色用色素と紫色系整色用色素を併用する場合、重量比90:10より青色系整色用色素の重量比が大きい場合は、得られるポリエステル組成物のカラーa*値が小さくなって緑色を呈し、40:60より青色系整色用色素の重量比が小さい場合は、カラーa*値が大きくなって赤色を呈してくるため好ましくない。
同様に、青色系整色用色素と赤色系または橙色系整色用色素を併用する場合、重量比98:2より青色系整色用色素の重量比が大きい場合は、得られるポリエステル組成物のカラーa*値が小さくなって緑色を呈し、80:20より青色整色用色素の重量比が小さい場合は、カラーa*値が大きくなって赤色を呈してくるため好ましくない。
上記整色用色素は、青色系整色用色素と紫色系整色用色素を重量比80:20〜50:50の範囲で併用すること、あるいは青色系整色用色素と赤色系または橙色系整色用色素を質量比95:5〜90:10の範囲で併用することがさらに好ましい。
【0023】
ところで、本発明では、さらに上記基質ポリエステルとは異なる後述するポリマーを添加することが重要である。後述する異なるポリマーを添加することにより、溶融、吐出されたポリマー流の伸長粘度低下、および、配向結晶抑制が発現する。すなわち、上記ポリエステルに非相溶なポリメチルメタアクリレート系ポリマーまたはポリスチレン系ポリマーを添加することが、上記効果を発現させるために必要不可欠である。
本発明で使用されるポリメチルメタアクリレート系ポリマーまたはポリスチレン系ポリマーは、アタックチックまたはシンジオタクチック構造を示す非晶性ポリマーであっても良い。また、アイソタックチック構造を示す結晶性のポリメチルメタアクリレート系ポリマーまたはポリスチレン系ポリマーであっても構わない。
【0024】
本発明においては、ポリメチルメタアクリレート系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーのポリエステルからなる基質ポリマーへの添加量は、該ポリマー流の伸長粘度低下および配向結晶抑制が充分発現するように、0.3〜5.0重量%の範囲とするのが好ましい。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明におけるポリエステル混繊糸製造方法の1形態を説明する概略図である。
図1において、1A、1Bは押出機、2A、2Bはギアポンプ、3は紡糸パック、4は紡糸口金、5Aおよび5Bは2群の走行糸条束、6A、6Bは糸条集束および油剤付与装置、G0は紡糸口金面から糸条群Aのネッキング開始点までの距離、GAは糸条群Aを紡出する紡糸口金面と集束装置との距離、GBは糸条群Bを紡出する紡糸口金面と集束装置との距離、7は交絡付与および合糸装置、8、8’は引き取りローラー、9は捲取装置、10は紡糸冷却装置をそれぞれ表す。
【0026】
基質ポリエステルに添加されるポリマーは、計量機で所望する添加量を基質ポリエステル側のポリマー輸送配管内または押出機のポリマー投入口に直接接続する形で添加するのが一般的である。添加手段としては、計量式のほかに、添加するポリマーを単独で溶融押出して、基質ポリエステル側に注入するインジェクション方式も可能である。
次に、添加されたポリマーと基質ポリエステルとは、押出機(図1では1A)で溶融、混練され、ギアポンプ(図1では2A)で計量され、紡糸パック(図1では3)に組み込まれた紡糸口金(図1では4)より糸条群Aとして吐出される。一方、基質ポリエステルは、図1の1Bに示すような押出機で溶融され、ギアポンプ(図1では2B)で計量され、紡糸口金(図1では4)より糸条群Bとして吐出される。引き続き、糸条群A、Bは冷却装置10にて冷却され、集束装置6A、6Bにて集束され、油剤が付与される。集束され、油剤付与された糸条群AおよびBは交絡付与装置7で混繊され、引き取りローラー8、8’を経て、捲取装置9で捲き取られる。
【0027】
この紡糸工程では、ポリメチルメタアクリレート系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーが添加された糸条群A(図1では5A)のポリマー流にかかる紡糸張力が、基質ポリエステル糸条群B(図1では5B)のポリマー流より見かけ上高くなる。この現象は、添加されたポリマーが基質ポリエステルに相溶しないため、ポリマー流内で紡糸張力の局在化が起こり、見かけ上紡糸張力が上昇するために起こると考えられる。このような不均一な紡糸張力は断糸を誘発する。
【0028】
本発明者は、糸条群Aを紡出する紡糸口金面と集束装置との距離GAを特定範囲に保つことにより、糸条群Aのポリマー流に発生する不均一な紡糸張力の発生が軽減され、紡糸断糸が大幅に減少することを突き止めた。
すなわち、本発明においては、糸条群Aを集束する収束装置を下記式で示される範囲に配置することが肝要である。
G0<GA≦200(cm)
ここで、G0は紡糸口金面から糸条群Aのネッキング開始点までの距離、GAは糸条群Aを紡出する紡糸口金面と集束装置との距離である。
上記距離GAが、G0以下の場合は、ポリマー流単糸どうしの密着あるいは単糸損傷による紡糸断糸が急激に増加し、安定な紡糸引き取りが不可能である。
一方、上記距離GAが、200cmを超える場合は、走行糸条の糸揺れが激しくなり、紡糸断糸が多発する。さらに、GAを150cm以下とすると、より顕著に紡糸断糸の減少でき好ましい。
本発明において、ネッキング開始点とは、レーザー・ドップラー糸速度計を使用し、紡糸口金面直下5cmの位置から順次5cm刻みで走行糸条群にレーザーをあて、その反射光を測定し、これを速度に換算し、速度変化が一番大きくなる点をいう。
【0029】
なお、本発明においては、糸条群Aは糸条群Bよりも紡糸口金からの距離が短い点でネッキング現象が観察される。したがって、糸条群Bを糸条群Aと同一の位置で集束した場合、糸条群Bは、構造形成が十分進んでいない状態で集束装置と接触する可能性があるので、糸条群Bを紡出する紡糸口金と集束装置との距離GBは、前述の距離GAより大きく設定するのが好ましい。
【0030】
本発明においては、紡糸後、得られる糸条群Aの繊度範囲が50〜300dtexの範囲の場合において、より顕著な効果を発揮し、紡糸時の糸揺れが減少し、工程安定性が良好なものとなるので、該繊度範囲で紡糸するのが好ましい。
【0031】
また、本発明では、上記糸条群の伸度差をより大きく発現させるために、2,000m/min以上の速度で捲き取ることが好ましい。これにより、製造された混繊糸を構成する2糸条群間の伸度差は80%以上となり、該混繊糸からの延伸仮撚加工糸を使った織物布帛は嵩高性に富み優れた風合いを呈する。なお、上記伸度差が大きくなりすぎると、仮撚加工工程での張力変動による断糸が増加する傾向にあり、特に伸度差が250%以上になると高伸度側の糸条群の揺動が大きくなって仮撚加工装置のヒーター、ディスクあるいは冷却プレートからの糸外れが起こりやすくなる。従って、布帛品位と仮撚加工性などの後加工生産性との双方を満足させるためには、混繊糸の糸条群間伸度差は80%以上250%未満の範囲となるようにするのが好ましい。
【実施例】
【0032】
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中に記載されている固有粘度、ジエチレングリコール含有量、色相、糸条走行状態、紡糸断糸、ネッキング開始点、および伸度差については下記に示す方法で測定した。
【0033】
(1)固有粘度:
ポリエステルチップを100℃、60分間でオルトクロロフェノールに溶解した希薄溶液を、35℃でウベローデ粘度計を用いて測定した値から求めた。
(2)ポリマー中の比重5.0以上の金属成分定性分析:
ポリマーサンプルを硫酸アンモニウム、硫酸、硝酸、過塩素酸とともに混合して約300℃で9時間湿式分解後、蒸留水で希釈し、理学製ICP発光分析装置(JY170 ULTRACE)を用いて定性分析し、比重5.0以上の金属元素の存在の有無を確認した。1重量ppm以上の存在が確認された金属元素について、その元素含有量を示した。
【0034】
(3)ポリマー中のポリエステルに可溶性のチタン、アルミニウム、アンチモン、マンガン、リン含有量:
ポリマー中のポリエステルに可溶性のチタン元素量、アルミニウム元素量、アンチモン元素量、マンガン元素量、リン元素量は粒状のポリマーサンプルをアルミ板上で加熱溶融した後、圧縮プレス機で平坦面を有する試験成形体を作成し、蛍光X線装置(理学電機工業株式会社製3270E型)を用いて求めた。ただし、艶消剤として酸化チタンを添加したポリエステル組成物中のチタン元素量については、サンプルをオルトクロロフェノールに溶解した後、0.5規定塩酸で抽出操作を行った。この抽出液について、日立製作所製Z−8100形原子吸光光度計を用いて定量を行った。ここで0.5規定塩酸抽出後の抽出液中に酸化チタンの分散が確認された場合は遠心分離機で酸化チタン粒子を沈降させ、傾斜法により上澄み液のみを回収して、同様の操作を行った。これらの操作によりポリエステル組成物中に酸化チタンを含有していてもポリエステルに可溶性のチタン元素の定量が可能となる。
(4)ジエチレングリコール含有量:
ヒドラジンヒドラート(抱水ヒドラジン)を用いてポリエステルチップを分解し、この分解生成物中のジエチレングリコールの含有量をガスクロマトグラフィー(ヒューレットパッカード社製(HP6850型))を用いて測定した。
【0035】
(5)色相(L*値、a*値、b*値):
・チップ:
ポリエステルチップを285℃、真空下で10分間溶融し、これをアルミニウム板上で厚さ3.0±1.0mmのプレートに成形後ただちに氷水中で急冷し、該プレートを140℃、1時間乾燥結晶化処理を行った。その後、色差計調整用の白色標準プレート上に置き、プレート表面のハンターL*およびb*を、ミノルタ株式会社製ハンター型色差計(CR−200型)を用いて測定した。L*は明度を示し、その数値が大きいほど明度が高いことを示し、b*はその値が大きいほど黄着色の度合いが大きいことを示す。また、他の詳細な操作はJIS Z−8729に準じて行った。
・繊維:
繊維を常法により筒編とした後、編地を4枚重ね合わせ、ミノルタ株式会社製ハンター型色差計(CR−200型)を用いて測定した。
【0036】
(6)紡糸断糸率
人為的あるいは機械的要因に起因する断糸を除き、1週間連続の紡糸機運転中に発生した紡糸断糸回数を記録し、下記式で紡糸断糸率(%)を計算した。
紡糸断糸率(%)=[断糸回数/(稼動ワインダー数×ドッフ数)]×100
ここで、ドッフ数とはパッケージを10kgまで捲き取った回数をいい、ワインダー4錘取りワインダーとする。
【0037】
(7)伸度
JIS−L−1013に基づいて、定速伸長引張試験機であるオリエンテック(株)社製テンシロンを用いて、つかみ間隔20cm、引張速度20cm/分にて測定した。
本発明の混繊糸は、上記糸条群Aと上記糸条群Bとが交絡されているので、伸度の測定は、糸条群A、Bを別個にサンプリングし、別個に行うのが好ましいが、交絡された混繊糸状態で測定しても得られた荷伸曲線の形状から、該糸条群A、Bの破断伸度が識別可能であり、混繊糸の状態で直接伸長し、測定実施した。
【0038】
[参考例1]整色剤(整色用色素)の可視光吸収スペクトル測定、整色剤調製
整色剤としてC.I.Solvent Blue 45(Clariant Japan社製)とC.I.Solvent Violet 36(有本化学社製)の2種類の整色剤を重量比2:1で濃度20mg/Lのクロロホルム溶液とし、光路長1cmの石英セルに充填し、対照セルにはクロロホルムのみを充填して、日立分光光度計U−3010型を用いて、380〜780nmの可視光領域での可視光吸収スペクトルを測定した。最大吸収波長とその波長における吸光度に対する、400、500、600および700nmの各波長での吸光度の割合を測定した。結果を表1に示す。なお、実施例、比較例で整色剤をポリエステル製造工程で添加する場合は、100℃の温度で、原料として用いるグリコール溶液に対し、濃度0.1重量%となるように溶解または分散させて調製した。
【0039】
【表1】

【0040】
*1 最大吸収波長の吸光度に対する各波長下での吸光度の割合
【0041】
[参考例2]チタン触媒Aの合成
無水トリメリット酸のエチレングリコール溶液(0.2重量%)にテトラブトキシチタンを無水トリメリット酸に対して1/2モル添加し、空気中常圧下で80℃に保持して60分間反応させた。その後、常温に冷却し、10倍量のアセトンによって生成触媒を再結晶化させた。析出物をろ紙によって濾過し、100℃で2時間乾燥させ、目的の化合物を得た。これをチタン触媒Aとする。
【0042】
参考例3[ポリエステル組成物チップの製造(その1)]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール70重量部の混合物に、参考例2で調製したチタン触媒A 0.016重量部を加圧反応が可能なSUS製容器に仕込んだ。0.07MPaの加圧を行い140℃から240℃に昇温しながらエステル交換反応させた後、トリエチルホスホノアセテート0.023重量部を添加し、エステル交換反応を終了させた。その後、反応生成物に酸化チタンの20重量%エチレングリコールスラリー1.5重量部、参考例1で調製した整色剤の0.1重量%エチレングリコール溶液0.2重量部を添加して重合容器に移し、290℃まで昇温し、30Pa以下の高真空にて重縮合反応を行って、ポリエステル組成物を得た。さらに、常法に従いチップ化した。得られたポリエステルは固有粘度0.63dL/g、ジエチレングリコール含有量が1.0重量%、カラーL*71、a*−5、b*6であった。
【0043】
参考例4[ポリエステル組成物チップの製造(その2)]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール70重量部との混合物に、酢酸マンガン四水和物0.032重量部を撹拌機、精留塔およびメタノール留出コンデンサーを設けた反応器に仕込み、140℃から240℃まで徐々に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを系外に留出させながら、エステル交換反応を行った。その後、リン酸トリメチル0.02重量部を添加し、エステル交換反応を終了させた。次いで、得られた反応生成物を撹拌装置、窒素導入口、減圧口、蒸留装置を備えた反応容器に移し、三酸化二アンチモン0.045重量部を添加して290℃まで昇温し、30Pa以下の高真空で重縮合反応を行って、ポリエステル組成物を得た。さらに、常法に従いチップ化した。得られたポリエステルは固有粘度0.63dL/g、ジエチレングリコール含有量が0.7重量%、カラーL*72、a*−5、b*6であった。
【0044】
[実施例1]
上述のポリエステル組成物チップの製造(その1)により得られた固有粘度が0.63dL/gで酸化チタンを0.3重量%含有するポリエチレンテレフタレートを基質ポリエステルとして準備した。上記基質ポリエステルに、溶融粘度1,600poiseのポリメチルメタアクリレートポリマーおよび溶融粘度3,500poiseのポリスチレンポリマーとを、各々1.0重量%の割合で混合し、図1の1Aに示す押出機で、溶融、混練して、ギアポンプ(図1では2A)で計量し、紡糸パック(図1では3)に組み込まれた孔径0.23mm、ランド長0.6mmの吐出孔を48個有する紡糸口金(図1では4)より紡出し、図1の6Aの位置で集束しつつ油剤を付与し、糸条群A(図1では5A)を形成した。
一方、ポリエチレンテレフタレートを、図1の1Bに示す押出機で、溶融、混練して、ギアポンプ(図1では2B)で計量し、紡糸パック(図1では3)に組み込まれた孔径0.23mm、ランド長0.6mmの吐出孔を48個有する紡糸口金(図1では4)より紡出し、図1の6Bの位置で集束しつつ油剤を付与し、糸条群B(図1では5B)を形成した。上記糸条群Bと糸条群Aとを図1の7に示す
交絡装置で交絡、合糸して、3,400m/minの速度で捲き取り、300dtexの混繊糸を得た。なお、上記の条件で1週間連続運転し、走行糸条を観察した結果および紡糸断糸集計結果を表2に示す。
【0045】
[実施例2〜3]
実施例1において、巻取り速度を表2に示す如く変更した以外は、実施例1と同様に実施した。なお、上記の条件で1週間連続運転し、走行糸条を観察した結果および紡糸断糸集計結果を表2に示す。
【0046】
[比較例1]
上述のポリエステル組成物チップの製造方法(その2)により得られた固有粘度が0.63で酸化チタンを0.3重量%含有するポリエチレンテレフタレートを基質ポリエステルとして準備した。上記基質ポリエステルに、溶融粘度1,600poiseのポリメチルメタアクリレートポリマーおよび溶融粘度3,500poiseのポリスチレンポリマーとを、各々1.0重量%の割合で混合し、図1の1Aに示す押出機で、溶融、混練して、ギアポンプ(図1では2A)で計量し、紡糸パック(図1では3)に組み込まれた孔径0.23mm、ランド長0.6mmの吐出孔を48個有する紡糸口金(図1では4)より紡出し、図1の6Aの位置で集束しつつ油剤を付与し、糸条群A(図1では5A)を形成した。
一方、ポリエチレンテレフタレートを、図1の1Bに示す押出機で、溶融、混練して、ギアポンプ(図1では2B)で計量し、紡糸パック(図1では3)に組み込まれた孔径0.23mm、ランド長0.6mmの吐出孔を48個有する紡糸口金(図1では4)より紡出し、図1の6Bの位置で集束しつつ油剤を付与し、糸条群B(図1では5B)を形成した。上記糸条群Bと糸条群Aとを図1の7に示す
交絡装置で交絡、合糸して、3,400m/minの速度で捲き取り、300dtexの混繊糸を得た。なお、上記の条件で1週間連続運転し、走行糸条を観察した結果および紡糸断糸集計結果を表2にまとめて示す。
【0047】
【表2】

【0048】
実施例1〜3に示した条件おいては、糸条群Aの走行状態は、糸揺れが少なく、安定していた。また、紡糸断糸の発生も少なく、1週間安定して連続紡糸運転が可能であった。なお、いずれの場合も、紡糸口金面から糸条群Aのネッキング開始点までの距離G0は40cmであり、上記の紡糸口金面と集束装置との距離GAより短い距離であった。得られた混繊糸の糸条群間伸度差は、いずれの場合でも、80%以上であり、織物布帛用混繊糸として有用な物性を有していた。
一方、比較例1に示すポリマーを用いた場合は、紡糸の断糸率が高く、高比重の金属元素を大量に含有するため環境面に対しての問題が大きい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明によれば、糸条群間の伸度差が大きく嵩高性に優れた混繊糸が生産性良く製造することができ、このようにして得られる本発明の混繊糸は、各種衣料用途に好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明を実施する工程を例示した模式略線図である。
【符号の説明】
【0051】
1A :ポリメチルメタアクリレート系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーと基質ポリエステルとの混合体を溶融、混練する押出機
1B :ポリエステルを溶融、混練する押出機
2A :糸条群Aをなすポリマー流を計量吐出するギアポンプ
2B :糸条群Bをなすポリマー流を計量吐出するギアポンプ
3 :紡糸パック
4 :紡糸口金
5A :糸条群A
5B :糸条群B
6A :糸条群Aを集束し、油剤付与する集束装置
6B :糸条群Bを集束し、油剤付与する集束装置
7 :交絡付与装置
8,8' :引き取りローラー
9 :捲取機
10 :紡糸冷却装置
G0 :糸条群Aの紡糸口金面から糸条群のネッキング開始点までの距離
GA :糸条群Aの紡糸口金面と集束装置との距離
GB :糸条群Bの紡糸口金面と集束装置との距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
比重5.0以上の金属元素の含有量が0〜10重量ppmであるポリエステルからなる基質ポリマーにポリメチルメタアクリレート系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーを添加、溶融、混練し、紡出した糸条群Aと、同一紡糸口金または別途設けた紡糸口金より紡出した該基質ポリマーよりなる糸条群Bとを、合糸して捲き取ったポリエステル混繊糸。
【請求項2】
基質ポリマーが、濃度20mg/L、光路長1cmでのクロロホルム溶液において測定された380〜780nm領域の可視光吸収スペクトルでの最大吸収波長が540〜600nmの範囲にあり、かつ最大吸収波長での吸光度に対する下記各波長での吸光度の割合が下記式(1)〜(4)のすべてを満たす有機化合物系整色剤を0.1〜10重量ppm含有する請求項1記載のポリエステル混繊糸。
【数1】

【請求項3】
比重5.0以上の金属元素の含有量が0〜10重量ppmであるポリエステルからなる基質ポリマーにポリメチルメタアクリレート系ポリマーおよび/またはポリスチレン系ポリマーを添加、溶融、混練し、紡出した糸条群Aと、同一紡糸口金または別途設けた紡糸口金より紡出した該基質ポリマーよりなる糸条群Bとを、合糸して捲き取るに際し、糸条群Aを集束する集束装置を下記式で示される範囲に配置することを特徴とするポリエステル混繊糸の製造方法。
G0<GA≦200(cm)
ここで、G0は紡糸口金面から糸条群Aのネッキング開始点までの距離、GAは糸条群Aを紡出する紡糸口金面と集束装置との距離である。
【請求項4】
紡糸捲き取り後の糸条群Aの繊度範囲が50〜300dtexである請求項3記載のポリエステル混繊糸の製造方法。
【請求項5】
紡糸巻き取り速度が2,000m/min以上である請求項3または4記載のポリエステル混繊糸の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−176929(P2006−176929A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−371650(P2004−371650)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】