説明

ポリエステル繊維

【課題】本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、本発明は耐久性に優れた抗菌消臭性を有するポリエステル繊維を提供することにある。
【解決手段】ポリエステル繊維中の全酸性末端量が40〜500eq/T、固有粘度が0.15〜1.5であり、ポリエステルを構成する全酸性分に対して、特定のエステル形成性スルホン酸の金属塩化合物及び/又はエステル形成性スルホン酸ホスホニウム塩化合物が共重合されているポリエステル繊維により、上記の課題が解決できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた抗菌消臭性を有するポリエステル繊維に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、快適生活を指向する生活環境の多様化に伴い、家庭だけでなく、オフィスや病院などにおいても種々の抗菌性や消臭性に対する関心が高くなってきている。このような状況において、消臭性能を有する繊維構造物を試用して悪臭を取り除く試みが種々に提案されており、吸着機能や分解機能を持つものが提案されている。
【0003】
従来、繊維構造物への抗菌消臭性能の付与としては、無機系抗菌消臭剤を繊維中に練りこんだり、また後加工により、無機系抗菌消臭剤を繊維構造物に付与したものなど種々なものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【0004】
しかしながら、無機系抗菌消臭剤を繊維中に練りこんだものでは、抗菌消臭剤が繊維内部に埋没してしまい、性能が発揮され難いという問題があった。また、また、製糸性が非常に悪くなるという問題もあった。さらには、銀イオンや亜鉛イオンなどを含む無機系消臭剤を後加工により繊維構造物に付与してものでは、洗濯耐久性や風合いが硬くなるという問題があった。また、銀イオンや亜鉛イオンなどを含む無機系剤を使用する場合には、環境上の問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−97820号公報
【特許文献2】特開平11−302975号公報
【特許文献3】特開2001−40574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、本発明は耐久性に優れた抗菌消臭性を有するポリエステル繊維を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、驚くべきことに抗菌消臭剤を用いなくとも、耐久性に優れた抗菌消臭性を有するポリエステル繊維が得られることを見出した。
【0008】
即ち本発明によれば、
ポリエステル繊維が、繊維を構成するポリエステルの全酸性末端量が40〜500eq/T、固有粘度が0.15〜1.5であり、ポリエステルを構成する全酸性分に対して、下記一般式(1)で表されるエステル形成性スルホン酸金属塩化合物及び/又は下記一般式(2)で表されるエステル形成性スルホン酸ホスホニウム塩化合物が共重合されていることを特徴とするポリエステル繊維により、上記の課題が解決できる。
【0009】
【化1】

(式中、Aは芳香族基、または脂肪族基、Xはエステル形成性官能基、XとXと同一もしくは異なるエステル形成性官能基または、水素原子、Mは金属、mは正の整数を示す。)
【0010】
【化2】

(式中、Aは芳香族基、または脂肪族基、Xはエステル形成性官能基、XとXと同一もしくは異なるエステル形成性官能基または、水素原子R、R、R及びRはアルキル基及びアリール基よりなる群から選ばれた同一又は異なる基、nは正の整数を示す。)
【0011】
好ましくは、エステル形成性スルホン酸金属塩及び/又はエステル形成性スルホン酸ホスホニウム塩が0.1〜10モル%共重合されたポリエステル繊維であり、総繊度が10〜200dtex、単糸繊度が5.0dtex以下のマルチフィラメントであるポリエステル繊維である。
別の発明の形態として上記ポリエステル繊維を含む布帛及び繊維製品が提供される。
【発明の効果】
【0012】
無機系抗菌消臭剤を用いなくとも耐久性に優れた抗菌消臭性ポリエステル繊維を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコール成分とを重宿合反応せしめて得られるエチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルであり、ポリエステル繊維を構成するポリエステルの全酸性末端量が40〜500eq/Tであり、固有粘度が0.15〜1.5である。ポリエステル繊維の全酸性末端量が40eq/T未満では、目的とする抗菌消臭性能を得ることが不可能であり、500eq/Tを超える場合は、糸としての強度が劣化し、衣料用途の繊維として使用不可である。また、固有粘度が0.15未満では、得られるポリエステル繊維の強度不足により繊維として使用できず、一方、1.5を超える場合、生産性が低下し好ましくない。
【0014】
共重合成分としてポリエステルを構成する全酸性分に対して、下記一般式(1)で表されるエステル形成性スルホン酸金属塩化合物及び/又は下記一般式(2)で表されるエステル形成性スルホン酸ホスホニウム塩化合物が共重合されており、好ましくは0.1〜10mol%の割合で共重合されていることを特徴とするポリエステルである。共重合成分が0.1mol%未満では、全酸性末端量を40eq/T以上にすることが困難である。一方、10mol%を超える場合は強度が低下するため、繊維として使用できない。目的とする抗菌消臭性能と強度の点から好ましくは0.5〜5mol%である。
【0015】
【化3】

(式中、Aは芳香族基、または脂肪族基、Xはエステル形成性官能基、XとXと同一もしくは異なるエステル形成性官能基または、水素原子、Mは金属、mは正の整数を示す。)
【0016】
本発明で使用されるエステル形成性スルホン酸の金属塩化合物としては、5−スルホイソフタル酸の金属塩(ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩)、5−スルホイソフタル酸の4級ホスホニウム塩、または5−スルホイソフタル酸の4級アンモニウム塩が例示される。また、これらのエステル形成誘導体も好ましく例示される。これらの群の中では、熱安定性、コストなどの面から、5−スルホイソフタル酸の金属塩が好ましく例示され、特に5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩およびそのジメチルエステルである5−スルホイソフタル酸ジメチルのナトリウム塩が特に好ましく例示される。
【0017】
【化4】

(式中、Aは芳香族基、または脂肪族基、Xはエステル形成性官能基、XとXと同一もしくは異なるエステル形成性官能基または、水素原子R、R、R及びRはアルキル基及びアリール基よりなる群から選ばれた同一又は異なる基、nは正の整数を示す。)
【0018】
本発明で使用される、エステル形成性スルホン酸ホスホニウム塩化合物としては、5スルホイソフタル酸あるいはその低級アルキルエステルの4級ホスホニウム塩である。4級ホスホニウム塩としては、アルキル基、ベンジル基、フェニル基が設置された4級ホスホニウム塩が好ましい。また、4つある置換基は同一であっても異なっていても良い。上記一般式(2)で表される化合物の具体例としては、5−スルホイソフタル酸テトラブチルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸エチルトリブチルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸ベンジルトリブチルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸フェニルトリブチルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸テトラフェニルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸ブチルトリフェニルホスホニウム塩、5−スルホイソフタル酸ベンジルトリフェニルホスホニウム塩、あるいはこれらイソフタル酸誘導体のジメチルエステル、ジエチルエステルが好ましく例示される。
【0019】
上記一般式(1)で表されるエステル形成性スルホン酸金属塩化合物及び/又は、上記一般式(2)で表されるエステル形成性スルホン酸ホスホニウム塩化合物をポリエステルの主鎖中に共重合するには、下記に示すようなポリエステルの合成が完了する以前の任意の段階で、好ましくは第1段の反応が終了する以前の任意の段階で上記化合物を添加すればよい。
【0020】
即ち、テレフタル酸とエチレングリコールの直接重縮合反応をさせる、あるいはテレフタル酸ジメチルに代表されるテレフタル酸のエステル形成性誘導体とエチレングリコールとをエステル交換反応させて低重合体を製造し(第一段反応)、次いで、この反応性生物を重縮合触媒の存在下で減圧過熱して所定の重合度になるまで重縮合反応させることにより製造される(第二段反応)が、第1段の反応が終了する以前の任意の段階で式(1)、式(2)の化合物を添加すればよい。
【0021】
本発明のポリエステル繊維の製糸方法は、特に制限はなく、従来公知の方法が採用される。すなわち、乾燥した共重合ポリエステルを270℃〜300℃の範囲で溶融紡糸して製造することが好ましく、溶融紡糸の引取り速度は400〜5000m/分で紡糸することが好ましい。紡糸速度がこの範囲にあると、得られる繊維の強度も充分なものであると共に、安定して捲取りを行うこともできる。さらに、上述の方法で得られた未延伸糸もしくは部分延伸糸を、延伸工程もしくは仮撚加工工程にて1.2倍〜6.0倍程度の範囲で延伸することが好ましい。また、紡糸時に使用する口金の形状についても特に制限は無い。
【0022】
仮撚加工方法としては、公知の方法で行うことが出来るが、接触式のヒーターを備えた仮撚加工機を用い、第1仮撚ヒーターの温度が200〜500℃で延伸仮撚加工することが好ましい。
【0023】
本発明のポリエステル繊維について、上記で得られたポリエステル繊維を酸性処理することが好ましい。繊維構造体例えば織物や編物また不織布等の布帛状にしたものに酸性処理を施すことにより、繊維中の全酸性末端量が増加し、ポリエステル繊維が酸性化する。
ここで、ポリエステル繊維に酸性処理を施す方法としては、酸であれば使用することができるが、好ましくは例えば、酢酸などの有機酸によりpHが5.0以下(好ましくは2.0〜5.0)に調整された浴中に温度70℃以上(好ましくは80〜130℃、特に好ましくは90〜130℃)、時間20〜30分間で浸漬することにより行われる。その際に使用する設備としては、公知の液流染色機を用いるとよい。無機酸の場合は繊維の強度が低下しやすい。
【0024】
また、かかるポリエステル繊維の繊維構造体には、前記酸性処理の前及び/又は後の工程において、常法の染色加工、精錬、リラックス、プレセット、ファイナルセットなどの各種加工を施してもよい。さらには、起毛加工、撥水加工、カレンダー加工、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射材、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を不可適用してもよい。かくして得られたポリエステル繊維は、耐久性よく優れた抗菌消臭性を有する。
【0025】
本発明のポリエステル繊維は、繊維中の全酸性末端量が40eq/T以上であれば耐久性よく優れた抗菌性、消臭性を有する。その際、ポリエステル繊維の抗菌性としては、JIS L0217法に規定された洗濯を10回行った後において、JIS L1902 菌液吸収法(供試菌:黄色ブドウ球菌)で測定した静菌活性値で2.2以上であることが好ましい。また、JIS L0217法に規定された洗濯を10回行った後において、JIS L1902菌液吸収法(供試菌:黄色ブドウ球菌)で測定した殺菌活性値で0以上であることが好ましい。また、ポリエステル繊維の消臭性としては65%以上であることが好ましい。
【0026】
ただし、消臭性は、初期濃度100ppmのアンモニアを含む空気3Lが入ったテドラーバックに1gの試料をいれ、2時間後のテドラーバック内の悪臭成分濃度をガステックス社製検知管にて測定し、減少量から臭気吸着率を求める。
本発明のポリエステル繊維を含む布帛及び繊維製品は風合いが柔らかく衣料用とともに病院、医療施設等の衛生用品としても有用である。
【実施例】
【0027】
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。実施例における各項目を次の方法で測定した。
(1)酸性末端量(eq/T)
ベンジルアルコールを用いてポリエステル布帛を分解し、この分解物を0.02Nの水酸化ナトリウム水溶液でフェノールレッドを指示薬として滴定し、1ton当たりの等量を求めた。
(2)固有粘度
ポリエステル組成物を100℃、60分間、オルトクロロフェノールに溶解した希薄溶液を35℃でウデローデ粘度計を用いて測定した値から求めた。
(3)繊維の引張強度、伸度、繊度
JIS L1013記載の方法に準拠して測定を行った。
(4)抗菌性
ポリエステル組成物について、JIS L0217法に記載された洗濯を10回行った後(L10)において、JIS L1902菌液吸収法(供試菌:黄色ブドウ球菌)で静菌活性値および殺菌活性値を測定した。静菌活性値は2.2以上が合格(○)、2.2未満が不合格(×)、殺菌活性値で0以上が合格(○)、0未満が不合格(×)とした。
(5)消臭性
初期濃度100ppmのアンモニアを含む空気3Lが入ったテドラーバックに、1.0gの試料をいれ、20分後のテドラーバック内の悪臭成分をガステックス社製検知管にて測定し、減少量から悪臭吸着率を求めた。
臭気吸着率(%)=(当初の悪臭成分濃度−20分後の悪臭成分濃度)/(当初の悪臭成分濃度)×100
【0028】
[実施例1]
テレフタル酸ジメチル100重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル1.7重量部とエチレングリコール60重量部の混合物に、酢酸マンガン0.03重量部、酢酸ナトリウム三水和物0.12重量部を添加し、140℃〜240℃まで徐所に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを系外に留出させながらエステル交換反応を行った。その後、正リン酸0.03重量部を添加し、エステル交換反応を終了させた。
その後、反応生成物に三酸化アンチモン0.05重量部と水酸化テトラエチルアンモニウム0.3重量部とトリエチルアミン0.003重量部を添加して重合容器に移し、285℃まで昇温し、30Pa以下の高真空にて重縮合反応を行い、重合槽の攪拌機電力が所定電力に到達した段階で反応を終了させ、常法に従いチップ化した。
ここで得られた共重合ポリエチレンテレフタレートチップを吐出孔72ホールを有する紡糸口金から、ポリマー吐出温度290℃、吐出量40g/分で吐出し、紡糸口金直下に設けた280℃雰囲気温度に保持した長さ4cmの保温領域を通過させて、20℃、平均風速0.4m/秒の冷却風により溶融マルチフィラメントを冷却した後、オイリングノズルによるオイリングを行うと同時にマルチフィラメントの糸条を集束させて3000m/分の速度で紡糸捲き取り、中実ポリエステルマルチフィラメントを得た。
得られた中実ポリエステル繊維を熱セット温度180℃で1.55倍の仮撚加工処理を行い、繊度85dtex、伸度25%の中実ポリエステルマルチフィラメントを得た。得られたポリエステルマルチフィラメントを目付100g/mの筒編み加工し、りんご酸によりpHが5.0に調製された浴中に温度120℃、時間30分間で浸漬し、酸性処理を施すことにより、ポリエステルマルチフィラメントを酸性化させた。酸性処理には、公知の液流染色機を用いた。酸性処理を施したポリエステルマルチフィラメントについて、上記の各方法で評価を行った。結果を表1に示す。
【0029】
[実施例2、実施例4、比較例1、比較例2]
実施例1において、5−スルホイソフタル酸ナトリウムの添加量を表1になるように変更した事以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0030】
[実施例3]
テレフタル酸ジメチル100重量部、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル4.5重量部とエチレングリコール60重量部の混合物に、酢酸マンガン0.03重量部、酢酸ナトリウム三水和物0.12重量部を添加し、140℃〜240℃まで徐所に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを系外に留出させながらエステル交換反応を行った。その後、正リン酸0.03重量部を添加し、エステル交換反応を終了させた。
その後、反応生成物に三酸化アンチモン0.05重量部と5−スルホイソフタル酸テトラブチルホスホネート3.4重量部と水酸化テトラエチルアンモニウム0.3重量部とトリエチルアミン0.003重量部を添加して重合容器に移し、285℃まで昇温し、30Pa以下の高真空にて重縮合反応を行い、重合槽の攪拌機電力が所定電力に到達した段階で反応を終了させ、常法に従いチップ化した。それ以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0031】
[比較例3]
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部の混合物に、酢酸マンガン0.03重量部、酢酸ナトリウム三水和物0.12重量部を添加し、140℃〜240℃まで徐所に昇温しつつ、反応の結果生成するメタノールを系外に留出させながらエステル交換反応を行った。その後、正リン酸0.03重量部を添加し、エステル交換反応を終了させた。
その後、反応生成物に三酸化アンチモン0.05重量部と水酸化テトラエチルアンモニウム0.3重量部とトリエチルアミン0.003重量部を添加して重合容器に移し、285℃まで昇温し、30Pa以下の高真空にて重縮合反応を行い、重合槽の攪拌機電力が所定電力に到達した段階で反応を終了させ、常法に従いチップ化した。それ以外は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
【0032】
実施例1〜実施例4では、繊維中の全酸性末端量、固有粘度IV、エステル形成性スルホン酸の金属塩化合物及び/又はエステル形成性スルホン酸ホスホニウム塩化合物の共重合量が請求項の範囲内であり、目的とする抗菌消臭性能が得られた。
比較例1は、繊維中の全酸性末端量および固有粘度IVが発明外であり、強度が低下したため、抗菌消臭性能について測定不可能であった。
比較例2、3は、繊維中の全酸性末端量が発明外であり、そのため目的とする抗菌消臭性能が得られなかった。
【0033】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0034】
無機系抗菌消臭剤を用いなくとも、耐久性に優れた消臭性を有するポリエステル繊維が得られるので病院等の衛生衣料分野に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維を構成するポリエステルの全酸性末端量が40〜500eq/T、固有粘度が0.15〜1.5であり、ポリエステルを構成する全酸性分に対して、下記一般式(1)で表されるエステル形成性スルホン酸の金属塩化合物及び/又は下記一般式(2)で表されるエステル形成性スルホン酸ホスホニウム塩化合物が共重合されていることを特徴とするポリエステル繊維。
【化1】

(式中、Aは芳香族基、または脂肪族基、Xはエステル形成性官能基、XとXと同一もしくは異なるエステル形成性官能基または、水素原子、Mは金属、mは正の整数を示す。)
【化2】

(式中、Aは芳香族基、または脂肪族基、Xはエステル形成性官能基、XとXと同一もしくは異なるエステル形成性官能基または、水素原子R、R、R及びRはアルキル基及びアリール基よりなる群から選ばれた同一又は異なる基、nは正の整数を示す。)
【請求項2】
エステル形成性スルホン酸の金属塩化合物及び/又はエステル形成性スルホン酸ホスホニウム塩化合物が0.1〜10mol%共重合されている請求項1記載のポリエステル繊維。
【請求項3】
総繊度が10〜200dtex、単糸繊度が5.0dtex以下のマルチフィラメントである請求項1〜2いずれかに記載のポリエステル繊維。
【請求項4】
請求項1〜3いずれかに記載のポリエステル繊維を含む布帛及び繊維製品。

【公開番号】特開2012−1828(P2012−1828A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135095(P2010−135095)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(302011711)帝人ファイバー株式会社 (1,101)
【Fターム(参考)】